JP2004084116A - 紙類処理剤及び紙類 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の紙類処理剤は、多価アルコールのアルキレンオキシド付加体を有効分として含有することを特徴とする。本発明の紙類処理剤は、多価アルコールのアルキレンオキシド付加体とともに、アルコール類のリン酸エステル塩、スルホコハク酸ジエステル塩、二塩基酸とジオールとのエステルのいずれかを含むものが好ましい。
【選択図】 なし。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は紙類に柔軟性、吸水性を付与することのできる紙類処理剤及び、その処理剤を用いて処理した紙類に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙や紙製品、特にトイレットペーパーやティッシュペーパー等の家庭用の紙類には適度な柔軟性、吸水性が要求されている。このような要求に応えるため、処理剤によって紙類を処理することが行われている。この種の処理剤として、従来より、グリセリン、脂肪酸エステル類、パラフィン類、第4級アンモニウム塩等が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、グリセリンは紙類に要求される柔軟性を付与するために大量に使用しなければならず、処理コストが高くつくという問題があり、さらに湿度変化によって、柔軟性が大きく変化するため、低湿度下で十分な柔軟性を発揮させるために紙類に多量に配合すると紙力強度が低下し、紙類の破断、紙粉発生などの問題を発生する可能性があった。また、脂肪酸エステル類、パラフィン類は、少ない使用量で紙類に適度な柔軟性を付与できる反面、紙類に要求される吸水性を低下させるという問題があった。更に第4級アンモニウム塩は皮膚刺激性が高く、安全性に問題があった。
【0004】
本発明は上記従来の問題に鑑みなされたもので、従来の紙類処理剤の欠点を解決し、紙類に柔軟性、吸水性を効果的且つ安定に付与できる紙類処理剤及び紙類を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、(1)多価アルコールのアルキレンオキシド付加体を有効成分として含有することを特徴とする紙類処理剤、(2)多価アルコールのアルキレンオキシド付加体とともに、アルコール類のリン酸エステル塩を有効成分として含有することを特徴とする紙類処理剤、(3)多価アルコールのアルキレンオキシド付加体とともに、スルホコハク酸ジエステル塩を有効成分として含有することを特徴とする紙類処理剤、(4)多価アルコールのアルキレンオキシド付加体とともに、二塩基酸とジオールとのエステルを有効成分として含有することを特徴とする紙類処理剤、(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の紙類処理剤により、有効成分が1.0〜30.0重量%含有されるように処理されていることを特徴とする紙類、を要旨とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の紙類処理剤の有効分である多価アルコールのアルキレンオキシド付加体は、多価アルコールに水酸化ナトリウム等のアルカリ触媒の存在下で、アルキレンオキシドを付加させる等により得られる。多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ソルビトール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、等が挙げられる。多価アルコールとしてはグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリンが好ましい。
【0007】
多価アルコールに付加されるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられるが、エチレンオキシド、プロピレンオキシドが好ましい。多価アルコールのアルキレンオキシド付加体を得るに当たり、多価アルコール、アルキレンオキシドはそれぞれ2種以上の異なるものを混合して使用することができる。また異なる2種以上のアルキレンオキシドを付加させる場合、アルキレンオキシドはランダムに付加しても、ブロック状に付加しても良い。多価アルコールに対するアルキレンオキシドの付加重合度は5〜30程度が好ましい。
【0008】
本発明の紙類処理剤は、上記多価アルコールのアルキレンオキシド付加体とともに、アルコール類のリン酸エステル塩を有効分として含むものであっても良い。アルコール類のリン酸エステル塩は、アルコールやアルコールのアルキレンオキシド付加体等のアルコール類に、五酸化燐、塩化ホスホリル等のリン酸化剤を反応させて得られるリン酸エステルに、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、アンモニア等のアルカリを反応させて得ることができる。本発明においてアルコール類のリン酸エステル塩としては、上記アルコールやアルコールのアルキレンオキサイド付加体にリン酸化剤を反応させて得られるリン酸エステルに、アルカリ及び/又はエチレンオキシドなどのアルキレンオキシドを反応させて得た化合物も含む。
【0009】
アルコールをリン酸化剤と反応させて得られるリン酸エステルとしては、モノエステル、ジエステル、トリエステルがあり、アルコールとリン酸化剤との反応比率、反応時間等によって、反応生成物中のモノエステル、ジエステル、トリエステルの含有割合を調整することができる。通常、アルコールとリン酸化剤とを反応させて得られる反応生成物は、モノエステル、ジエステル、トリエステルの混合物として得られるが、アルカリと反応させてリン酸エステル塩とすることができるのは、モノエステルとジエステルである。しかしながら反応生成物中にトリエステルが存在していても、トリエステルを分離除去することなくアルカリと反応させることができ、処理剤中にトリエステルが含有されていても何ら支障はない。
【0010】
上記リン酸エステル塩の原料として用いられるアルコールとしては、脂肪族アルコール、芳香族アルコール、脂環式アルコール等の1種又は2種以上が用いられる。なかでも炭素数8〜24の脂肪族飽和アルコール、脂肪族不飽和アルコールの1種又は2種以上が好ましく、特に紙類に対する柔軟性及び吸水性付与効果に優れた炭素数12〜18の脂肪族飽和アルコール、脂肪族不飽和アルコールの1種又は2種以上が好ましい。アルコールとリン酸化剤とを反応して得られるリン酸エステルがジエステルの場合、リン酸とエステル化して結合しているアルコールの残基は同一のものであっても、異なるものであっても良い。
【0011】
一方、アルコールのアルキレンオキシド付加体とリン酸とのエステルの塩は、アルコールのアルキレンオキシド付加体に、五酸化燐、塩化ホスホリル等のリン酸化剤を反応させて得られるリン酸エステルに、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、アンモニア等のアルカリ及びまたはエチレンオキシドなどのアルキレンオキシドを反応させて得られる。このリン酸エステルも、通常、モノエステル、ジエステル、トリエステルの混合物として得られ、アルコールのアルキレンオキシド付加体とリン酸化剤との反応生成物中にトリエステルが混在していても、そのままアルカリなどと反応させることができる。
【0012】
アルコールのアルキレンオキシド付加体とリン酸とのエステルの塩の製造原料として用いられるアルコールとしては、脂肪族アルコール、芳香族アルコール、脂環式アルコール等が挙げられるが、炭素数が12〜18の脂肪族飽和アルコール、脂肪族不飽和アルコールが好ましい。またアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられるが、エチレンオキシド、プロピレンオキシドが好ましい。アルコールのアルキレンオキシド付加体を得るに当たり、アルコール、アルキレンオキシドはそれぞれ2種以上の異なるものを混合して使用することができる。また異なる2種以上のアルキレンオキシドを付加させる場合、アルキレンオキシドはランダムに付加していても、ブロック状に付加していても良い。アルコールに対するアルキレンオキシドの付加重合度は1〜15程度が好ましい。アルコールのアルキレンオキシド付加体とリン酸化剤との反応により得られるリン酸エステルがジエステル及び/又はトリエステルの場合、リン酸とエステル化して結合しているアルコールのアルキレンオキシド付加体の残基部分は、アルコール残基の種類、アルキレンオキシドの種類、重合度等が同一のものであっても、異なるものであっても良い。
【0013】
紙類処理剤が多価アルコールのアルキレンオキシド付加体とともに、アルコール類のリン酸エステル塩を有効分として含んでいると、更に優れた柔軟効果が得られる。アルコール類のリン酸エステル塩を含む場合、処理剤中におけるアルコール類のリン酸エステル塩の割合は、多価アルコールのアルキレンオキシド付加体重量の0.1〜10重量%が好ましい。
【0014】
本発明の紙類処理剤は、多価アルコールのアルキレンオキシド付加体とともに、下記(1)式で示されるスルホコハク酸ジエステル塩を有効分として含有するものであっても良い。
【0015】
【化1】
【0016】
スルホコハク酸ジエステル塩は、例えば無水マレイン酸1モル当たりに対し、アルコール類を反応させて得られるマレイン酸ジエステルと、亜硫酸水素塩とを反応させて得ることができる。
【0017】
マレイン酸ジエステルを得るために用いるアルコール類としては、脂肪族飽和アルコール、脂肪族不飽和アルコール、芳香族アルコール、脂環式アルコール等から選択した1種又は2種以上が用いられるが、炭素数8〜24の脂肪族飽和アルコール、脂肪族不飽和アルコールが好ましい。なかでも炭素数が12〜24ものがより好ましい。特に紙類に対する柔軟性及び吸水性付与効果に優れた、炭素数12〜13の合成アルコール混合物、炭素数14〜15の合成アルコール混合物等の炭素数12〜18の脂肪族飽和アルコール、オレイルアルコール等の脂肪族不飽和アルコールが好ましい。
【0018】
また、脂肪族飽和アルコール、脂肪族不飽和アルコール、芳香族アルコール、脂環式アルコール等のアルコールのアルキレンオキサイド付加体も、マレイン酸ジエステルを得るためのアルコール類として用いることができる。アルコールのアルキレンオキサイド付加体としては、炭素数8〜24の脂肪族飽和アルコールや脂肪族不飽和アルコールのアルキレンオキサイド付加体が好ましいが、なかでも炭素数が12〜24の脂肪族飽和アルコールや脂肪族不飽和アルコールのアルキレンオキサイド付加体がより好ましい。またアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等が挙げられるが、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドが好ましい。アルコールのアルキレンオキサイド付加体は、アルコールに対するアルキレンオキサイドの付加重合度が平均1〜20程度のものが好ましい。アルコールのアルキレンオキサイド付加体は、アルコールに2種以上の異なるアルキレンオキサイドが付加した構造の化合物であっても良い。この場合、アルキレンオキサイドはランダムに付加しているものでも、ブロック状に付加しているものでも良い。アルコールのアルキレンオキシド付加体としては、炭素数12以上のアルコールに、エチレンオキシドを平均1〜20モル付加重合したものが、柔軟性、吸水性付与効果の点で好ましい。
【0019】
マレイン酸ジエステルは、無水マレイン酸1モル当たり、アルコール類2モルを反応させることにより得ることができるが、アルコール類は同一のものを反応させて得たものでも、異なるものを反応させて得たものでも良い。即ち、無水マレイン酸1モル当たり、同一のアルコール2モルを反応させたり、同一のアルコールのアルキレンオキサイド付加体2モルを反応させて得たものでも良く、無水マレイン酸1モル当たり、異なるアルコールを1モルづつ反応させたり、異なるアルコールのアルキレンオキサイド付加体を1モルづつ反応させて得たものでも良い。また無水マレイン酸1モル当たり、アルコール1モルと、アルコールのアルキレンオキサイド付加体1モルを反応させて得たものでも良い。
【0020】
マレイン酸ジエステルと亜硫酸水素塩とは、通常の蒸気反応により反応させることができる。亜硫酸水素塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、を用いることができるが、通常は亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、重亜硫酸水素ナトリウム、無水重亜硫酸水素ナトリウムが好ましい。
【0021】
紙類処理剤が多価アルコールのアルキレンオキシド付加体とともに、スルホコハク酸ジエステル塩を有効分として含んでいると、更に優れた柔軟性付与効果が得られる。スルホコハク酸ジエステル塩を含む場合、処理剤中におけるスルホコハク酸ジエステル塩の割合は、多価アルコールのアルキレンオキシド付加体重量の0.1〜10重量%が好ましい。
【0022】
本発明の紙類処理剤は、多価アルコールのアルキレンオキシド付加体とともに、二塩基酸とジオールのエステルを有効分として含有するものであっても良い。、二塩基酸とジオールとのエステル化合物を構成する二塩基酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの飽和二塩基酸、マレイン酸等の不飽和二塩基酸が挙げられるが、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、スベリン酸が柔軟化効果が高く好ましい。
【0023】
またジオールとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等を重合して得られるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム共重合体又はブロック共重合体であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、テトラメチレンオキシドを重合することによって得られるポリテトラメチレングリコール、及びポリテトラメチレングリコールのアルキレンオキシド付加等が挙げられる。ジオールとしては重量平均分子量200〜150000のポリオキシエチレングリコール及び/又は重量平均分子量1000〜15000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが好ましい。ジオールとして重量平均分子量200以上のポリオキシエチレングリコールや重量平均分子量1000以上のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを用いた場合、繊維に対する柔軟性や吸水性の付与効果がより優れたものとなる。しかしながら、ポリオキシエチレングリコールやポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの重量平均分子量が大きくなりすぎると、二塩基酸とのエステル化反応が進行し難くなり、未反応物量が増加する虞れがあるため、ポリオキシエチレングリコールやポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールは重量平均分子量が15000以下のものが好ましい。
【0024】
二塩基酸とジオールとのエステル化合物は、上記二塩基酸とジオールとを触媒の存在下で加熱して脱水縮合させるか、或いは、上記二塩基酸のメチルエステルなどの二塩基酸エステルとジオールとを触媒の存在下で加熱してエステル交換反応により縮合させる等の方法で得られる。触媒としてはp−トルエンスルホン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムアルコラート等が用いられる。エステル化合物を構成する二塩基酸、ジオールとしては各々1種又は2種以上を併用することができる。二塩基酸とジオールとの比率は、二塩基酸/ジオール=2モル/1モル〜1モル/2モルが好ましく、更に好ましくは二塩基酸/ジオール=1モル/1モル〜1モル/2モルである。
【0025】
上記二塩基酸とジオールとのエステル化合物としては、二塩基酸成分として、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、スベリン酸の1種又は2種以上を含み、且つジオール成分として、重量平均分子量200〜15000のポリオキシエチレングリコールと、重量平均分子量1000〜15000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの両方を含むエステル化合物が、吸水性と柔軟効果の両方が向上されるため好ましく、さらに、重量平均分子量200〜15000のポリオキシエチレングリコールと、重量平均分子量1000〜15000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの割合が、ポリオキシエチレングリコール:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール=5:95〜50:50となるものが特に好ましい。
【0026】
上記二塩基酸成分がアジピン酸、セバシン酸、コハク酸、スベリン酸の1種又は2種以上であり、且つジオール成分として重量平均分子量200〜15000のポリオキシエチレングリコールと重量平均分子量1000〜15000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの両方を含むエステル化合物は、二塩基酸の1種又は2種以上と、重量平均分子量200〜15000のポリオキシエチレングリコール、重量平均分子量1000〜15000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとの混合物とを反応させて得たものでも、二塩基酸の1種又は2種以上と、重量平均分子量200〜15000のポリオキシエチレングリコール又は重量平均分子量1000〜15000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの一方を反応させた後、他方を反応させて得たものでも良い。また重量平均分子量200〜15000のポリオキシエチレングリコール、重量平均分子量1000〜15000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとしては、それぞれ重量平均分子量の異なる2種以上の化合物を用いることができる。
【0027】
紙類処理剤が多価アルコールのアルキレンオキシド付加体とともに、二塩基酸とジオールのエステルを有効分として含んでいると、更に優れた柔軟効果が得られる。二塩基酸とジオールのエステルを含む場合、処理剤中における二塩基酸とジオールのエステルの割合は、多価アルコールのアルキレンオキシド付加体重量の0.1〜10重量%が好ましい。
【0028】
本発明の紙類処理剤は、上記有効分が水に溶解または分散した水溶液或いは分散液として使用する。通常、有効分を40〜90重量%程度含む水溶液、分散液として使用する。本発明の紙類処理剤により紙類を処理するには、紙類に噴霧器によりスプレーする方法、含浸機により浸漬処理する方法等が挙げられるが、処理後の紙類中に有効分が固形換算量として1.0〜30.0重量%含有されるように処理する。より好ましくは、処理後の紙類中に固形分換算量として3.0〜20.0重量%含有されるように処理することが望ましい。上記有効分の含有率が1.0重量%未満では紙類に十分な柔軟性が付与されない。また、30.0重量%を超えると紙類の紙力強度が低下する。
【0029】
本発明の紙類処理剤には、上記有効分の他に、更に必要に応じて他の成分、例えば鉱物油、脂肪酸エステル等の平滑剤、ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル、ポリ(オキシエチレン)脂肪酸エステル等の乳化剤等を配合することもできる。
【0030】
本発明処理剤が処理対象とする紙類とは、ペーパータオル、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、フェイシャルティッシュ、ちり紙、ペーパーナプキン京花紙等が挙げられる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0032】
実施例1
ジグリセリンのエチレンオキシド20モル付加体を40.0重量%含む水溶液を処理剤とした。この処理剤を、柔軟処理を施していないティッシュペーパーに、付着量が表1に示す量(有効成分の固形分換算量)となるようにスプレー噴霧処理した後、24時間風乾させ、その後、更に恒温恒湿室(温度20℃、湿度65%RH)内で12時間以上放置し、含有水分率が平衡になった後、ティッシュペーパーの柔軟性、吸水性を評価した結果を表1に示す。ついで、上記試験後の試料をさらに恒温恒湿室(温度20℃、湿度20%RH)内で6時間放置した後、ティッシュペーパーの柔軟性、吸水性を評価した結果を表1にあわせて示す。
【0033】
処理後のティッシュペーパーの柔軟性、吸水性は以下のようにして評価した。
柔軟性
被試験紙5枚を片手で握り、柔軟性の評価を行った。評価基準は以下の5段階とした。
5:非常に柔らかい。
4:柔らかい。
3:やや柔らかい。
2:柔軟剤未使用と同等。
1:柔らかくない。
【0034】
吸水性
処理後のティッシュペーパーにスポイトから水滴(イオン交換水)を滴下し、吸水状態を未処理のティッシュペーパーと比較して以下の基準で評価した。
◎:未処理のものに比べて吸水性が極めて良好となる。
○:未処理のものに比べて吸水性が良好となる。
△:未処理のものと同程度の吸水性。
×:未処理のものより吸水性が悪くなり、紙本来の吸水性が阻害される。
【0035】
【表1】
【0036】
実施例2
グリセリンのエチレンオキシド10モル付加体40.0重量%含む水溶液を処理剤として用いた他は、実施例1と同様にしてティッシュペーパーの処理を行い、柔軟性、吸水性を測定した結果を表1に示す。
【0037】
実施例3
テトラグリセリンのエチレンオキシド25モル付加体を40.0重量%含む水溶液を処理剤として用いた他は、実施例1と同様にしてティッシュペーパーの処理を行い、柔軟性、吸水性を測定した結果を表1に示す。
【0038】
実施例4
ジグリセリンのエチレンオキシド30モル付加体95重量部とポリオキシエチレン(3モル)テトラデシルエーテルリン酸エステルカリウム塩5重量部との混合物を40.0重量%含む水溶液を処理剤として用いた他は、実施例1と同様にしてティッシュペーパーの処理を行い、柔軟性、吸水性を測定した結果を表1に示す。
【0039】
実施例5
グリセリンのエチレンオキシド20モル付加体95重量部とスルホコハク酸ジポリオキシエチレン(3モル)テトラデシルエステルナトリウム塩5重量部との混合物を40.0重量%含む水溶液を処理剤として用いた他は、実施例1と同様にしてティッシュペーパーの処理を行い、柔軟性、吸水性を測定した結果を表1に示す。
【0040】
実施例6
トリグリセリンのエチレンオキシド20モル付加体95重量部とセバシン酸1.0モル当りポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(ランダム重合体:重量平均分子量10800、エチレンオキシド成分比80%)0.1モル、ポリオキシエチレングリコール(重量平均分子量600)0.9モルを反応させて得たエステル化合物5重量部との混合物を40.0重量%含む水溶液を処理剤として用いた他は、実施例1と同様にしてティッシュペーパーの処理を行い、柔軟性、吸水性を測定した結果を表1に示す。
【0041】
比較例1
グリセリンを40.0重量%含む水溶液を処理剤として用いた他は、実施例1と同様にしてティッシュペーパーの処理を行い、柔軟性、吸水性を測定した結果を表1に示す。
【0042】
比較例2
ソルビトールを40.0重量%含む水溶液を処理剤として用いた他は、実施例1と同様にしてティッシュペーパーの処理を行い、柔軟性、吸水性を測定した結果を表1に示す。
【0043】
比較例3
プロピレングリコールを40.0重量%含む水溶液を処理剤として用いた他は、実施例1と同様にしてティッシュペーパーの処理を行い、柔軟性、吸水性を測定した結果を表1に示す。
【0044】
比較例4
テトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを40.0重量%含む水溶液を処理剤として用いた他は、実施例1と同様にしてティッシュペーパーの処理を行い、柔軟性、吸水性を測定した結果を表1に示す。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の紙類処理剤は、紙類に優れた柔軟性と吸水性を同時に付与することができる。また、本発明の紙類処理剤は湿度変化による柔軟性と吸水性の変化が少ない等の優れた効果を発現する。本発明の処理剤で処理した本発明紙類は、優れた柔軟性と吸水性を発揮する。
Claims (5)
- 多価アルコールのアルキレンオキシド付加体を有効成分として含有することを特徴とする紙類処理剤。
- 多価アルコールのアルキレンオキシド付加体とともに、アルコール類のリン酸エステル塩を有効成分として含有することを特徴とする紙類処理剤。
- 多価アルコールのアルキレンオキシド付加体とともに、スルホコハク酸ジエステル塩を有効成分として含有することを特徴とする紙類処理剤。
- 多価アルコールのアルキレンオキシド付加体とともに、二塩基酸とジオールとのエステルを有効成分として含有することを特徴とする紙類処理剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の紙類処理剤により、有効成分が1.0〜30.0重量%含有されるように処理されていることを特徴とする紙類。
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