JP2022091699A - 紙類処理剤とそれを用いた紙類及びウイルスの不活性化を促進する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】鼻かみ等でウイルス感染者の体液が付着した場合に、付着したウイルスを不活性化し、二次感染を防止する機能を有し、かつ柔軟性としっとり感を付与することができ、更に紙類処理剤の経時安定性が良好で、粘度も適正に保つことができる紙類処理剤とそれを用いた紙類及びウイルスの不活性化を促進する方法を提供する。【解決手段】本発明の紙類処理剤は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の特定の界面活性剤である抗ウイルス性成分(A)及びエチレングリコール脂肪酸エステル等の特定の非イオン性界面活性剤(B)を含有する。【選択図】なし
Description
本発明は、紙類処理剤とそれを用いた紙類及びウイルスの不活性化を促進する方法に関する。
ウイルス感染者が鼻をかんだり、痰を破棄するために使用したティッシュ等の上でウイルスは一定時間生存すると考えられ、そのウイルスの浮遊によって、同じ空間にいる他者への感染が広がる懸念がある。これを防止するために、抗ウイルス性を持つ紙類の開発が進められてきた。特に2020年には新型コロナウイルスの感染が世界各地に拡大しており、これを防ぐ対策が急務となっている。
ドライティッシュやトイレットペーパー等の紙類には、柔らかく、しっとりした風合いが求められており、保湿剤を主体とした、紙類にしっとり感と柔らかさを付与する薬剤や、油性成分を主体とした、油性感のあるしっとり感や滑らかさを付与する薬剤を用いることが知られている。
その代表的な製品であるローションティッシュは、ティッシュ原紙に紙類処理剤としてグリセリンやポリエチレングリコール(PEG)等の多価アルコール、特に、安価で安全な優れた保湿剤であるグリセリンを主成分とするローション剤を塗布した保湿ティッシュであり、しっとりとして、柔らかさのある風合いで使用感が大きく向上することから、花粉症、インフルエンザ対策等の冬場の季節商品として普及が進み、近年では、鼻かみ用途中心から日常用途へ拡大し、通年化しつつある。
人がものに触れたときに感じる材質感や感触としての風合いは、保湿ティッシュの使用感に大きな影響を与え、商品の付加価値となる最も重要な品質になっている。しかし、紙類処理剤に抗ウイルス成分、例えば抗ウイルス性が報告されている界面活性剤を配合すると、処理紙の柔らかさが失われてしまうという問題点があった。
更に、主成分の保湿剤と、これらの基剤を均一に混合し、製造から輸送、塗布されるまでの間、塗布時のムラの発生等を抑制し安定な状態を保つためには、乳化する必要があるが、保湿剤をベースとした乳化系の調製は非常に困難である上に、乳化を整えるための基剤バランスと風合いを向上させるための基剤バランスを両立させることも非常に困難である。一方、低粘度の紙類処理剤は、移送が容易でハンドリング性が良く、処理紙に対する処理剤付着量の管理が平易で、操業性が良好となる。従って粘度増加による操業性の悪化を回避することが求められている。
このように、紙類にしっとり柔らかな風合いを付与しつつ、鼻かみ等でウイルス感染者の体液が付着した場合に、付着したウイルスを不活性化し、二次感染を防止する機能を持ち、更には処理剤の経時安定性が良好で、粘度も適正に保つことができる技術が望まれていた。
これらの課題に対し、様々な対策が講じられてきた。例えば、抗ウイルス性を持つ有機酸を配合した処理剤(特許文献1)、紙類の中間層に抗ウイルス剤を含有させる方法(特許文献2)、抗ウイルス性成分を含有するマイクロカプセルを紙類に付着させ機能を付与する方法(特許文献3)、抗ウイルス性成分としてカキ抽出物(特許文献4)、ピロリドンカルボン酸(特許文献5)を配合した処理剤、抗ウイルス成分として水溶性金属イオンを配合し、柔軟成分としてグリセリンを配合した処理剤(特許文献6)が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術は処理剤の性状が半固体又は固体であり、処理剤を塗布する作業性に劣っていた。特許文献2、3に記載の技術は、柔軟性と抗ウイルス性を付与する工程を同時に行うことができず、製造コストが増加する問題があった。特許文献4、5に記載の技術は、その処理紙の風合いが満足できるものではなかった。特許文献6に記載の技術は、処理紙の柔軟性が十分なものではなかった。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、鼻かみ等でウイルス感染者の体液が付着した場合に、付着したウイルスを不活性化し、二次感染を防止する機能を有し、かつ柔軟性としっとり感を付与することができる紙類処理剤とそれを用いた紙類及びウイルスの不活性化を促進する方法を提供することを課題としている。
更に、上記に加え、紙類処理剤の経時安定性が良好で、粘度も適正に保つことができる紙類処理剤とそれを用いた紙類及びウイルスの不活性化を促進する方法を提供することも課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明者は鋭意検討した結果、界面活性剤である特定の抗ウイルス性成分と共に、特定の非イオン性界面活性剤を配合した紙類処理剤は、抗ウイルス性を付与しながら、柔らかさも付与できること、即ち抗ウイルス性成分のみでは処理紙の柔らかさが失われてしまうが、特定の非イオン性界面活性剤と併用することで、その影響を緩和することができることを見出した。更に、紙類処理剤は乳化系の安定性や粘度のコントロールが困難であるが、特定の非イオン性界面活性剤と併用することで、操業性の高い処理液を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明の紙類処理剤は、(A)抗ウイルス性成分及び(B)非イオン性界面活性剤を含有し、
(A)抗ウイルス性成分は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸ナトリウム、アルキルグリコシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、及びアルキルアミンオキシドから選ばれる少なくとも1種であり、
(B)非イオン性界面活性剤は、エチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーン、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド、及び脂肪酸アルカノールアミドから選ばれる少なくとも1種であることを特徴としている。
本発明の紙類は、前記紙類処理剤で処理したことを特徴としている。
本発明のウイルスの不活性化を促進する方法は、前記紙類処理剤で紙類を処理することを特徴としている。
(A)抗ウイルス性成分は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸ナトリウム、アルキルグリコシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、及びアルキルアミンオキシドから選ばれる少なくとも1種であり、
(B)非イオン性界面活性剤は、エチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーン、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド、及び脂肪酸アルカノールアミドから選ばれる少なくとも1種であることを特徴としている。
本発明の紙類は、前記紙類処理剤で処理したことを特徴としている。
本発明のウイルスの不活性化を促進する方法は、前記紙類処理剤で紙類を処理することを特徴としている。
本発明によれば、鼻かみ等でウイルス感染者の体液が付着した場合に、付着したウイルスを不活性化し、二次感染を防止する機能を有し、かつ柔軟性としっとり感を付与することができる。
更に、紙類処理剤の経時安定性が良好で、粘度も適正に保つことができる。
更に、紙類処理剤の経時安定性が良好で、粘度も適正に保つことができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の紙類処理剤は、(A)抗ウイルス性成分及び(B)非イオン性界面活性剤を必須としている。これらに加え、しっとり感、滑らかさ、柔らかさといった風合いを付与する主剤である、後述の保湿剤や油性成分等の成分(C)を配合してもよい。以下、これらをそれぞれ(A)成分、(B)成分、(C)成分ともいう。
界面活性剤である(A)抗ウイルス性成分と、(B)非イオン性界面活性剤を配合した紙類処理剤は、抗ウイルス性を付与しながら、柔らかさも付与できる。(A)成分のみでは、処理紙の柔らかさが失われてしまうが、(B)成分と併用することで、その影響を緩和することができる。更に、紙類処理剤は乳化系の安定性や粘度のコントロールが困難であり、(A)成分を配合した場合にもこの問題点が顕在化するが、(B)成分と併用することで、紙類処理剤の経時安定性が良好で、粘度も適正に保つことができ、操業性の高い処理液を得ることができる。
本発明の紙類処理剤において、(A)成分は、紙類に抗ウイルス性を付与する。(A)成分は各種のウイルスにおいて抗ウイルス性の効果が期待されるが、特にエンベロープを有するウイルスに対し高い抗ウイルス性を発現する。エンベロープを有するウイルスとしては、例えば、コロナウイルス(例えば、ヒトコロナウイルス、SARSコロナウイルス、MERSコロナウイルス等)、インフルエンザウイルス(例えばA型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス等)、肝炎ウイルス(例えば、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス等)、ヒト免疫不全ウイルス、ヘルペスウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス、単純ヘルペスウイルス等)、ムンプスウイルス、RSウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、エボラウイルス等が挙げられる。2020年に世界各地に感染が拡大した新型コロナウイルスに関しては、経済産業省の要請を受けて、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)では(A)成分のような特定の界面活性剤について新型コロナウイルスに対する有効性評価を報告している。
(A)成分のうち、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムとしては、特に限定されないが、例えば、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、テトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
脂肪酸カリウムとしては、特に限定されないが、例えば、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸カリウム等が挙げられる。
脂肪酸ナトリウムとしては、特に限定されないが、例えば、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸ナトリウム等が挙げられる。
アルキルグリコシドとしては、特に限定されないが、例えば、n-オクチル-β-D-グルコシド、n-オクチル-β-D-マルトシド、n-デシル-β-D-グルコシド、n-デシル-β-D-マルトシド、n-ドデシル-β-D-グルコシド、n-ヘプチル-β-D-チオグルコシド、n-オクチル-β-D-チオグルコシド、n-ノニル-β-D-チオマルトシド等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(6)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(15)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(30)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(2)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(4)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(7)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(13)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(30)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ステアリルエーテル、ポリオキシポリオキシエチレン(6)ステアリルエーテル、エチレン(8)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(13)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(18)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(25)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(30)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(35)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(50)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(4)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(8)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(9)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(12)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(16)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(18)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(25)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(30)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(2)オクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(4)オクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(6)オクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(10)オクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(14)オクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(20)オクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(25)オクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(8)ノニルエーテル、ポリオキシエチレン(8)ウンデシルエーテル、ポリオキシエチレン(5)イソデシルエーテル、ポリオキシエチレン(6)イソデシルエーテル、ポリオキシエチレン(3)トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン(5)トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン(7)トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン(8)トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン(9)トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン(10)トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン(12)トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン(15)トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン(20)トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン(8)イソステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(12)イソステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(16)イソステアリルエーテル等が挙げられる。
塩化ベンザルコニウムとしては、特に限定されないが、例えば、オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、アルキル(C8~18混合)ジメチルベンジルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
塩化ベンゼトニウムとしは、化学式C27H42ClNO2で表される第四級アンモニウム化合物であり、陽イオン界面活性剤の一種である。
塩化ジアルキルジメチルアンモニウムとしては、特に限定されないが、例えば、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ジドデシルジメチルアンモニウム、塩化ジテトラデシルジメチルアンモニウム、塩化ジヘキサデシルジメチルアンモニウム、塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム等が挙げられる。
アルキルアミンオキシドとしては、特に限定されないが、例えば、N,N-ジメチルデシルアミン=N-オキシド、N,N-ジメチルドデシルアミン=N-オキシド、N,N-ジメチルテトラデシルアミン=N-オキシド、N,N-ジメチルヘキサデシルアミン=N-オキシド、N,N-ジメチルオクタデシルアミン=N-オキシド、N,N-ジメチルオレイルアミン=N-オキシド、N,N-ジメチルヤシアルキルアミン=N-オキシド等が挙げられる。
(A)成分は、上記に例示したような化合物を1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の紙類処理剤において、(A)成分の含有量は、紙類の抗ウイルス性、紙類の柔軟性、紙類処理剤の安定性と粘度を考慮すると、水を除いた処理剤全量に対して0.01~10質量%が好ましい。紙類の抗ウイルス性を考慮すると、水を除いた処理剤全量に対して0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。紙類の柔軟性、紙類処理剤の安定性と粘度を考慮すると、水を除いた処理剤全量に対して10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましく、0.5質量%以下が最も好ましい。
本発明の紙類処理剤において、(B)成分の非イオン性界面活性剤は、(A)成分のみでは失われてしまう処理紙の柔らかさを向上させる。また、(A)成分を配合しても紙類処理剤の経時安定性が良好で、かつ粘度の増加を抑制し適正な低粘度に保つことができるので、移送が容易でハンドリング性が良く、処理紙に対する処理剤付着量の管理が平易で、操業性が良好となる。
(B)成分は、次の(1)~(17)から選ばれる少なくとも1種である。(1)~(7)はエステル型、(8)~(12)はエステルエーテル型、(13)、(14)はエーテル型、(15)はシリコーン型 (16)、(17)はアルカノールアミド型の構造を持つ。
(B)成分のうち、(1)エチレングリコール脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコールラウリン酸エステル、エチレングリコールミリスチン酸エステル、エチレングリコールパルミチン酸エステル、エチレングリコールステアリン酸エステル、エチレングリコールオレイン酸エステル、エチレングリコールリノール酸エステル、エチレングリコールリノレン酸エステル、エチレングリコールエルカ酸エステル等が挙げられる。
(2)プロピレングリコール脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、プロピレングリコールラウリン酸エステル、プロピレングリコールミリスチン酸エステル、プロピレングリコールパルミチン酸エステル、プロピレングリコールステアリン酸エステル、プロピレングリコールオレイン酸エステル、プロピレングリコールリノール酸エステル、プロピレングリコールリノレン酸エステル、プロピレングリコールエルカ酸エステル等が挙げられる。
(3)モノグリセリン脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、モノグリセリンラウリン酸エステル、モノグリセリンミリスチン酸エステル、モノグリセリンパルミチン酸エステル、モノグリセリンステアリン酸エステル、モノグリセリンオレイン酸エステル、モノグリセリンリノール酸エステル、モノグリセリンリノレン酸エステル、モノグリセリンエルカ酸エステル等が挙げられる。
(4)ジグリセリン脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、ジグリセリンラウリン酸エステル、ジグリセリンミリスチン酸エステル、ジグリセリンパルミチン酸エステル、ジグリセリンステアリン酸エステル、ジグリセリンオレイン酸エステル、ジグリセリンリノール酸エステル、ジグリセリンリノレン酸エステル、ジグリセリンエルカ酸エステル等が挙げられる。
(5)ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、ポリグリセリンラウリン酸エステル、ポリグリセリンミリスチン酸エステル、ポリグリセリンパルミチン酸エステル、ポリグリセリンステアリン酸エステル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンリノール酸エステル、ポリグリセリンリノレン酸エステル、ポリグリセリンエルカ酸エステル等が挙げられる。
(6)有機酸モノグリセリドとしては、特に限定されないが、例えば、コハク酸脂肪酸モノグリセリド、クエン酸脂肪酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸脂肪酸モノグリセリド、酢酸脂肪酸モノグリセリド、乳酸脂肪酸モノグリセリド等が挙げられる。
(7)ソルビタン脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンジラウレート、ソルビタントリラウレート、ソルビタンモノミリステート、ソルビタンジミリステート、ソルビタントリミリステート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンジパルミテート、ソルビタントリミリステート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオレエート、モノリノール酸ソルビタンエステル、ジリノール酸ソルビタンエステル、トリリノール酸ソルビタンエステル、モノリノレン酸ソルビタンエステル、ジリノレン酸ソルビタンエステル、トリリノレン酸ソルビタンエステル等が挙げられる。
(8)ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンジラウリン酸エステル、ポリオキシエチレントリラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンモノミリスチン酸エステル、ポリオキシエチレンジミリスチン酸エステル、ポリオキシエチレントリミリスチン酸エステル、ポリオキシエチレンモノパルミチン酸エステル、ポリオキシエチレンジパルミチン酸エステル、ポリオキシエチレントリパルミチン酸エステル、ポリオキシエチレンモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ポリオキシエチレントリステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンリノール酸エステル、ポリオキシエチレンリノレン酸エステル、ポリオキシエチレンエルカ酸エステル等が挙げられる。
(9)ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンモノグリセリンラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンポリグリセリンラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンモノグリセリンミリスチン酸エステル、ポリオキシエチレンポリグリセリンミリスチン酸エステル、ポリオキシエチレンモノグリセリンパルミチン酸エステル、ポリオキシエチレンポリグリセリンパルミチン酸エステル、ポリオキシエチレンモノグリセリンステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンポリグリセリンステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンモノグリセリンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンポリグリセリンオレイン酸エステル等が挙げられる。
(10)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンミリスチン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンパルミチン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸エステル等が挙げられる。
(11)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレン(2)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(5)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(6)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(7)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(16)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(25)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(30)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(35)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(45)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(54)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(200)硬化ヒマシ油等が挙げられる。
(12)ポリオキシエチレンヒマシ油としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレン(4)ヒマシ油、ポリオキシエチレン(10)ヒマシ油、ポリオキシエチレン(20)ヒマシ油、ポリオキシエチレン(25)ヒマシ油、ポリオキシエチレン(30)ヒマシ油、ポリオキシエチレン(35)ヒマシ油、ポリオキシエチレン(50)ヒマシ油等が挙げられる。
(13)ポリオキシエチレンアリルエーテルとしては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル等が挙げられる。
(14)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルとしては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンステアリルエーテル等が挙げられる。
(15)ポリエーテル変性シリコーンとしては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンメチルエーテルジメチコン、ポリオキシエチレンジメチコン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテルジメチコン、ポリオキシエチレンポリジメチルシロキシエチルジメチコン等が挙げられる。
(16)ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミドとしては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンラウリルモノエタノールアミド、ポリオキシエチレンミリスチルモノエタノールアミド、ポリオキシエチレンパルミチルモノエタノールアミド、ポリオキシエチレンステアリルモノエタノールアミド、ポリオキシエチレンオレイルモノエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンラウリルジエタノールアミド、ポリオキシエチレンミリスチルジエタノールアミド、ポリオキシエチレンパルミチルジエタノールアミド、ポリオキシエチレンステアリルジエタノールアミド、ポリオキシエチレンオレイルジエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸メチルエタノールアミド等が挙げられる。
(17)脂肪酸アルカノールアミドとしては、特に限定されないが、例えば、ラウリルモノエタノールアミド、ミリスチルモノエタノールアミド、パルミチルモノエタノールアミド、ステアリルモノエタノールアミド、オレイルモノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリルジエタノールアミド、ミリスチルジエタノールアミド、パルミチルジエタノールアミド、ステアリルジエタノールアミド、オレイルジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸メチルエタノールアミド等が挙げられる。
(B)成分は、上記に例示したような化合物を1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の紙類処理剤において、(B)成分の含有量は、紙類の抗ウイルス性、紙類の柔軟性、紙類処理剤の安定性と粘度を考慮すると、水を除いた処理剤全量に対して0.05~40質量%が好ましい。紙類の柔軟性、紙類処理剤の安定性を考慮すると、水を除いた処理剤全量に対して0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましい。紙類の抗ウイルス性、紙類処理剤の粘度を考慮すると、水を除いた処理剤全量に対して10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましく、0.1質量%以上が最も好ましい。
本発明の紙類処理剤は、紙類の抗ウイルス性、紙類の柔軟性、紙類処理剤の安定性と粘度を考慮すると、(A)成分と(B)成分との質量比((A)/(B))が、0.001~10であることが好ましい。当該質量比は、紙類の柔軟性、紙類処理剤の安定性と粘度を考慮すると、0.0025~2が好ましく、0.0025~0.5がより好ましく、0.05~0.5が更に好ましい。
以上の点より、本発明の紙類処理剤において特に好ましい一例では、(A)成分の含有量が、水を除いた処理剤全量に対して0.01~10質量%であり、(B)成分の含有量が、水を除いた処理剤全量に対して0.05~40質量%である。
また、本発明の紙類処理剤において特に好ましい別の例では、(B)成分の含有量が、水を除いた処理剤全量に対して0.05~10質量%であり、(A)成分と(B)成分との質量比((A)/(B))が、0.0025~2である。
本発明において、紙類処理剤には、(A)成分及び(B)成分に加えて、しっとり感、滑らかさ、柔らかさといった風合いを付与する主剤である成分(C)を配合することが好ましい。この(C)成分は、主にしっとり感、柔軟性を付与する保湿剤、主に油性感のあるしっとり感、滑らかさを付与する油性成分等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の紙類処理剤において、(C)成分の含有量は、しっとり感、滑らかさ、柔らかさといった風合いを付与する点を考慮すると、水を除いた処理剤全量に対して50~99質量%が好ましい。
(C)成分のうち保湿剤としては、多価アルコールが好ましい。多価アルコールは、紙類の吸湿性、保湿性を強化し、紙類にしっとり感、柔軟性を付与する保湿剤であり、好ましい例の一つでは紙類処理剤の主成分である。
ここで主成分とは、紙類処理剤の原料である各添加成分の中で、(C)成分の多価アルコールを最も多い質量で配合することを意味する。その中でも、(C)成分の多価アルコールの含有量は、水を除く紙類処理剤の全量に対して50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、75質量%が更に好ましい。なお、紙類処理剤の配合成分は有効分を基準とし、かつ水分を除く値を示している。
本発明に用いられる(C)成分の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリセリンエーテル、イソプレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。また、糖アルコール類や糖類であってもよく、糖アルコール類としては、例えば、ソルビトール、イノシトール、グルコシルトレハロース、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ラクチトール、フルクトース、オリゴ糖アルコール、マルチトール、還元パラチノース、還元水飴、還元澱粉加水分解物等が挙げられる。糖類としては、例えば、果糖、ブドウ糖、乳糖、キシロース、プシコース、麦芽糖、水飴、オリゴ糖、マルトース、トレハロース、ラクトース、パラチニット、ショ糖、異性化糖、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、乳果オリゴ糖、大豆オリゴ糖、ラフィノース、ステビア、甘草、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、グリセリンが好ましい。保湿剤としてグリセリンを使用する場合、保湿剤全量に対するグリセリンの割合は60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。グリセリンと併用する保湿剤としては、例えば、ソルビトール等が挙げられる。
本発明の紙類処理剤において、(C)成分の保湿剤としては、多価アルコール以外の成分を併用してもよい。このような保湿剤としては、例えば、アミノ酸類、吸湿性を有するアルカリ類・酸類とそれらの塩類が挙げられる。アミノ酸類としては、例えば、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等が挙げられる。吸湿性を有するアルカリ類・酸類とそれらの塩類としては、例えば、パンテテイン-S-スルホン酸塩、トリメチルグリシン、ベタイン、ピロリン酸、ピロリン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸塩、ピロリン酸カリウム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(C)成分のうち油性成分は、主に油性感のあるしっとり感、処理した紙類における表面の感触(滑らかさ)といった風合いを向上させる。油性成分としては、例えば、固形パラフィンや流動パラフィン等の炭化水素類、油脂類、エステル類、シリコーン油類、ロウ類、ステロイド類等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明において、紙類処理剤には、本発明の効果を損なわない範囲内において、上記以外の他の成分を原料として添加することができる。このような他の成分としては、特に限定されないが、例えば、水、(A)及び(B)成分以外の非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び両性イオン界面活性剤、増粘剤、防カビ剤、防腐剤、消泡剤、香料、色素類、pH調整剤、エキス類、抗酸化剤、抗炎症剤、無機鉱物、無機塩、水溶性高分子等が挙げられる。
以下、(C)成分として多価アルコールを配合する場合を主な例として紙類処理剤と紙類及びそれらの製造方法について説明する。
本発明の紙類処理剤には、水を添加してもよく、添加しなくてもよいが、添加する場合には、紙類処理剤中の水分量が1~30質量%となるように添加されることが好ましく、3~25質量%となるように添加されることがより好ましく、5~20質量%となるように添加されることが更に好ましい。
本発明の紙類処理剤は、常法に従って各原料を均一に混合することによって製造することができ、例えば、各原料が溶解する温度で撹拌混合することにより得ることができる。
本発明の紙類処理剤は、(A)成分と(B)成分が均一に混合されていればよく、例えば(C)成分のうち多価アルコールを主成分として配合する場合、主成分である(C)成分に(B)成分や(C)成分が、溶融している状態でも、可溶化している状態でも、乳化している状態でも、分散している状態でもよい。
本発明の紙類は、以上に説明した紙類処理剤で処理したものである。また本発明のウイルスの不活性化を促進する方法では、以上に説明した紙類処理剤で紙類を処理する。本発明の紙類処理剤で紙類を処理することにより、鼻かみ等でウイルス感染者の体液が付着した場合に、付着したウイルスを不活性化し、二次感染を防止する機能を有し、かつ柔軟性としっとり感を付与することができる。更に、紙類処理剤の経時安定性が良好で、粘度も適正に保つことができる。なお、本発明において付着したウイルスとは、鼻かみに限らず、ティッシュペーパー、トイレットペーパー等の製品の使用方法に応じて付着する様々な態様を含む。更に、紙類処理剤の経時安定性が良好で、粘度も適正に保つことができる。
紙類としては、例えば、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、フェイシャルティッシュ、ポケットティッシュ、紙ハンカチ、紙タオル等が挙げられる。
紙類の坪量は、1~50g/m2が好ましく、5~20g/m2がより好ましい。ply数(原紙の積層枚数)は、1~5が好ましく、2~3がより好ましい。
紙類処理剤で紙類を処理する方法としては、例えば、紙類に塗布する方法等が挙げられる。紙類に塗布する方法としては、例えば、転写、噴霧等が挙げられる。これらの方法で紙類に塗布する方式としては、例えば、フレキソ印刷方式、グラビア印刷方式、スプレー方式、ローターダンプニング方式等が挙げられる。フレキソ印刷方式では、凸版印刷機の一種であるフレキソ印刷機を使用し、表面を彫刻したゴムや合成樹脂等の刷版を装着したローラーで紙類処理剤を紙類に転写する。グラビア印刷方式では、凹版印刷機の一種であるグラビア印刷機を使用し、表面に製版を施した金属のシリンダで装着したローラーで紙類処理剤を紙類に転写する。スプレー方式では、圧縮空気によりノズルから紙類処理剤を霧状に紙類へ噴霧する。ローターダンプニング方式では、高速回転する円盤で紙類処理剤を霧状に紙類へ噴霧する。
紙類への紙類処理剤の塗布量は、水分を除いた有効分で1~7g/m2が好ましく、1.5~6g/m2がより好ましい。
以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)紙類処理剤の調製
次の手順により紙類処理剤を調製した。
ビーカーに各配合原料を表1~表4に記載した添加量で仕込み、各原料が溶解する温度で攪拌混合し、紙類処理剤を調製した。表1に示す各成分の配合量は、有姿量が水分を含む場合、水分を除いた有効分を示している。
(1)紙類処理剤の調製
次の手順により紙類処理剤を調製した。
ビーカーに各配合原料を表1~表4に記載した添加量で仕込み、各原料が溶解する温度で攪拌混合し、紙類処理剤を調製した。表1に示す各成分の配合量は、有姿量が水分を含む場合、水分を除いた有効分を示している。
(2)塗布紙の作製
上記の方法により得られた紙類処理剤を水に溶解させて有効分25質量%の処理液を調製した。各処理液を、ドライティッシュ(ply数2、坪量12~13g/m2)の両面に処理剤の有効分が25質量%±3%となるように均一に噴霧処理し、その後、3時間風乾させた。
上記の方法により得られた紙類処理剤を水に溶解させて有効分25質量%の処理液を調製した。各処理液を、ドライティッシュ(ply数2、坪量12~13g/m2)の両面に処理剤の有効分が25質量%±3%となるように均一に噴霧処理し、その後、3時間風乾させた。
(3)評価
上記において作製した各実施例及び比較例の塗布紙について以下の評価を行った。
[抗ウイルス性]
本試験はJIS L1922法に準拠して行った。作製した塗布紙にUV殺菌を施し、ウイルス原液(インフルエンザウイルス:Influenza A virus H1N1 A/PR/8/34 ATCC VR-1469、宿主細胞:MDCK細胞(イヌ腎細胞) ATCC CCL-34)を接種し、25℃で2時間静置する。試料に付着したウイルスをSCDLP培地で洗い出し、洗い出した液を段階希釈し、ウイルス原液と共に宿主細胞に感染させる。寒天培地を入れて培養し、プラークを形成させる。培養後のプレートを染色して、形成したプラークを計数し、希釈倍率を乗じて、ウイルス感染価(PFU:Plaque Formation Unit、単位面積当たりのプラーク数)を測定する。プラーク法によりウイルス感染価を測定し、次式よりMvを算出して以下の基準で評価した。
計算式
Mv=log(Vb)-log(Vc)
Va:対照試験0h後のウイルス感染価(PFU)
Vb:対照試験2h後のウイルス感染価(PFU)
Vc:試験布2h後のウイルス感染価(PFU)
評価基準
〇:ウイルス感染価が、ウイルス原液より低い(Mvが1以上)
×:ウイルス感染価が、ウイルス原液と同等(Mvが1未満)
上記において作製した各実施例及び比較例の塗布紙について以下の評価を行った。
[抗ウイルス性]
本試験はJIS L1922法に準拠して行った。作製した塗布紙にUV殺菌を施し、ウイルス原液(インフルエンザウイルス:Influenza A virus H1N1 A/PR/8/34 ATCC VR-1469、宿主細胞:MDCK細胞(イヌ腎細胞) ATCC CCL-34)を接種し、25℃で2時間静置する。試料に付着したウイルスをSCDLP培地で洗い出し、洗い出した液を段階希釈し、ウイルス原液と共に宿主細胞に感染させる。寒天培地を入れて培養し、プラークを形成させる。培養後のプレートを染色して、形成したプラークを計数し、希釈倍率を乗じて、ウイルス感染価(PFU:Plaque Formation Unit、単位面積当たりのプラーク数)を測定する。プラーク法によりウイルス感染価を測定し、次式よりMvを算出して以下の基準で評価した。
計算式
Mv=log(Vb)-log(Vc)
Va:対照試験0h後のウイルス感染価(PFU)
Vb:対照試験2h後のウイルス感染価(PFU)
Vc:試験布2h後のウイルス感染価(PFU)
評価基準
〇:ウイルス感染価が、ウイルス原液より低い(Mvが1以上)
×:ウイルス感染価が、ウイルス原液と同等(Mvが1未満)
[塗布紙の風合い(B値)]
上記と同様の手順により、湿度40%R.H.、25℃での調湿を経て作製した塗布紙に対し、試験機器として純曲げ試験機KES-FB2-S(カトーテック(株))を用い、塗布紙2枚(1組)の曲げ柔らかさを示すB値を求めた。
評価基準
◎:B値が0.06未満
〇+:B値が0.06以上、0.063未満
〇:B値が0.063以上、0.065未満
△:B値が0.065以上、0.07未満
×:B値が0.07以上
上記と同様の手順により、湿度40%R.H.、25℃での調湿を経て作製した塗布紙に対し、試験機器として純曲げ試験機KES-FB2-S(カトーテック(株))を用い、塗布紙2枚(1組)の曲げ柔らかさを示すB値を求めた。
評価基準
◎:B値が0.06未満
〇+:B値が0.06以上、0.063未満
〇:B値が0.063以上、0.065未満
△:B値が0.065以上、0.07未満
×:B値が0.07以上
[塗布紙の風合い(柔軟性)]
官能評価として、上記と同様の手順により作製した塗布紙、熟練したパネル10名により、以下の評価点に基づいて1~3点のいずれかの点数で評価し、その平均値より以下の基準で評価した。
評価点
3点:柔らかさを感じる。
2点:やや柔らかさを感じる。
1点:柔らかさを感じない。
評価基準
◎:パネル10名の平均点が2.5点以上
○+:パネル10名の平均点が2.2点以上、2.5点未満
○:パネル10名の平均点が2.0点以上、2.2点未満
△:パネル10名の平均点が1.5点以上、2.0点未満
×:パネル10名の平均点が1.5点未満
官能評価として、上記と同様の手順により作製した塗布紙、熟練したパネル10名により、以下の評価点に基づいて1~3点のいずれかの点数で評価し、その平均値より以下の基準で評価した。
評価点
3点:柔らかさを感じる。
2点:やや柔らかさを感じる。
1点:柔らかさを感じない。
評価基準
◎:パネル10名の平均点が2.5点以上
○+:パネル10名の平均点が2.2点以上、2.5点未満
○:パネル10名の平均点が2.0点以上、2.2点未満
△:パネル10名の平均点が1.5点以上、2.0点未満
×:パネル10名の平均点が1.5点未満
[処理剤の安定性]
(1)で調製した実施例及び比較例の処理剤について、調整直後及び室温で1か月静置して保存した時の状態を確認し、実際の使用に適することを考慮し以下の基準で評価した。
評価基準
◎:調整直後も一か月後も均一な状態を維持
〇:やや状態の変化はあるものの一か月後も均一な状態を維持
×:調整直後から不均一、又は一か月間均一な状態を保てない
(1)で調製した実施例及び比較例の処理剤について、調整直後及び室温で1か月静置して保存した時の状態を確認し、実際の使用に適することを考慮し以下の基準で評価した。
評価基準
◎:調整直後も一か月後も均一な状態を維持
〇:やや状態の変化はあるものの一か月後も均一な状態を維持
×:調整直後から不均一、又は一か月間均一な状態を保てない
[処理剤の粘度]
(1)で調製した実施例及び比較例の処理剤について、B型粘度計を用いて60rpm、40℃において粘度を測定し、以下の基準で評価した。
評価基準
◎:処理剤の粘度が1000mPa・s未満
○:処理剤の粘度が1000mPa・s以上2000mPa・s未満
×:処理剤の粘度が2000mPa・s以上又は測定不能(均一な状態を保てない)
(1)で調製した実施例及び比較例の処理剤について、B型粘度計を用いて60rpm、40℃において粘度を測定し、以下の基準で評価した。
評価基準
◎:処理剤の粘度が1000mPa・s未満
○:処理剤の粘度が1000mPa・s以上2000mPa・s未満
×:処理剤の粘度が2000mPa・s以上又は測定不能(均一な状態を保てない)
各実施例及び比較例の配合と各項目の評価結果を表1~表4に示す。表1~表4において各成分の配合量は質量部で示している。また参考として実施例5、実施例18、比較例5におけるPFU、LogPFU、Mvを表5に示した。
上記した表1~表4の各評価項目において、◎、〇+、○は課題解決の点で望ましい範囲であり、かつ、これらの間には効果発現において有意な差がある。△、×は、各項目のうち1つでも含まれる場合は課題解決上不可と判断した。表1~表4においてNITE濃度は、NITEで確認されたコロナウイルス不活性化に有効性が確認できる濃度(%)を表記している。
上記した表1~表4の各評価項目において、◎、〇+、○は課題解決の点で望ましい範囲であり、かつ、これらの間には効果発現において有意な差がある。△、×は、各項目のうち1つでも含まれる場合は課題解決上不可と判断した。表1~表4においてNITE濃度は、NITEで確認されたコロナウイルス不活性化に有効性が確認できる濃度(%)を表記している。
表1~表4より、実施例1~40では、(A)抗ウイルス性成分及び(B)非イオン性界面活性剤を含有する紙類処理剤を用いた。これらは紙類に付着したウイルスを不活性化し、二次感染を防止する機能を有し、かつ柔軟性としっとり感を付与することができ、更に、紙類処理剤の経時安定性が良好で、粘度も適正に保つことができた。Mvが1以上で抗ウイルス性が確認され、JIS基準などでは、その中でもMvが2以上、特にMvが3以上であると繊維製品における十分な効果の指標とされているが、表5において例えば実施例5、実施例18はこれを満たしている。風合いに関しては、実施例及び比較例の評価では試験機器を用いた客観的指標としてのB値と官能評価に高い相関があることを確認した。(A)成分と(B)成分との質量比((A)/(B))が特定範囲である場合には、効果の発現がより顕著となる傾向を確認した。比較例1~4、6は(B)成分を配合せず、比較例1~4は(B)成分以外の他の界面活性剤や、水溶性ポリマーを用いたが、風合いが悪く、更には安定に乳化できず、また高粘度となった。比較例5は(A)成分を配合せず、紙類に付着したウイルスを不活性化できない。比較例7は(A)成分に代えて、抗ウイルス性のある水溶性金属イオンを生成する硫酸アルミニウムを用いた。ウイルスの不活性化に一定の効果を示し、保湿剤を含まないティッシュに対しては柔軟性を感じられたが、風合いが悪く、柔らかく、しっとりした風合いが特に求められる保湿ティッシュ等の製品に適するものではなかった。
Claims (7)
- (A)抗ウイルス性成分及び(B)非イオン性界面活性剤を含有し、
(A)抗ウイルス性成分は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸ナトリウム、アルキルグリコシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、及びアルキルアミンオキシドから選ばれる少なくとも1種であり、
(B)非イオン性界面活性剤は、エチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーン、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド、及び脂肪酸アルカノールアミドから選ばれる少なくとも1種である紙類処理剤。 - 更に、主成分として多価アルコールを含有する請求項1に記載の紙類処理剤。
- (A)抗ウイルス性成分と(B)非イオン性界面活性剤との質量比((A)/(B))が、0.0025~10である請求項1又は2に記載の紙類処理剤。
- (A)抗ウイルス性成分の含有量が、水を除いた前記処理剤全量に対して0.01~10質量%であり、(B)非イオン性界面活性剤の含有量が、水を除いた前記処理剤全量に対して0.05~40質量%である請求項1~3のいずれか一項に記載の紙類処理剤。
- (B)非イオン性界面活性剤の含有量が、水を除いた前記処理剤全量に対して0.05~10質量%であり、(A)抗ウイルス性成分と(B)非イオン性界面活性剤との質量比((A)/(B))が、0.0025~2である請求項1~4のいずれか一項に記載の紙類処理剤。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載の紙類処理剤で処理した紙類。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載の紙類処理剤で紙類を処理し、ウイルスの不活性化を促進する方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023234252A1 (ja) * | 2022-06-03 | 2023-12-07 | ミヨシ油脂株式会社 | 紙類処理剤とそれを用いた紙類並びに紙類の風合いを向上する方法 |
-
2021
- 2021-11-26 JP JP2021191625A patent/JP2022091699A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023234252A1 (ja) * | 2022-06-03 | 2023-12-07 | ミヨシ油脂株式会社 | 紙類処理剤とそれを用いた紙類並びに紙類の風合いを向上する方法 |
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