JP2024018959A - 外用剤組成物 - Google Patents

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江美 大久保
Emi Okubo
大志 坂口
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Abstract

【課題】薬効成分を含有し、耐久性及び耐湿性が共に優れる被膜を形成できる外用剤組成物を提供する。【解決手段】下記成分(A)~(D):(A)薬効成分(B)水不溶性ポリマー(C)不揮発性基剤(D)揮発性溶媒を含有する外用剤組成物であって、前記成分(B)が、(B1)セルロース系ポリマー、(B2)アクリル系ポリマー、及び(B3)ビニル系ポリマーからなる群から選ばれる2種以上を含み、前記外用剤組成物の25℃における粘度が1.0mPa・s以上10,000mPa・s以下である、外用剤組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、外用剤組成物に関する。
消炎鎮痛成分、殺菌消毒成分等の薬効成分を含有する液状の皮膚外用剤、及び貼付剤が知られている。しかしながら既存の液状の皮膚外用剤は、皮膚に適用した後に服等で擦れ落ちやすく、薬効成分を皮膚に持続的に放出することが難しいなどの問題があった。薬効成分を含有する貼付剤についても、皮膚に追従しにくく剥がれやすいと、薬効成分を皮膚に持続的に放出することが難しくなる。一方で皮膚への粘着性が高い貼付剤は、皮膚から剥離する際の肌負担が大きくなるという問題もある。また貼付剤は、かぶれやすい、皮膚に貼付した際の見た目が気になるなどの実使用面での課題もあった。
そこで、薬効成分を持続的に皮膚に放出することが可能な被膜形成製剤が検討されている。被膜形成製剤は、皮膚に塗布した際に被膜を形成できるため、液状の皮膚外用剤と比べて擦れ落ちにくい。また皮膚に適用しても貼付剤のように目立つことがなく、皮膚から除去する際の肌負担が少ないという点でも好ましい。
例えば特許文献1には、セルロース系高分子及びビニル系高分子を含む被膜形成高分子、多価アルコール、並びに揮発性溶媒を含有する被膜形成性皮膚外用組成物が、形成される被膜が患部を保護し、肌にしっかり密着しながらも、高い柔軟性を有することで使用感に優れて違和感もなく、動きや擦れに強くて剥がれにくい被膜を形成することができ、塗布性にも優れることが開示されている。
特許文献2には、皮膜形成剤及び所定の沸点の有機溶剤を含有する原液と、噴射剤とを含有し、前記皮膜形成剤としてアクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体が含有されている皮膜形成エアゾール組成物が、優れた皮膚保護性を備え、適用後の除去性と、汗等に対する耐水性の双方が優れた皮膜を皮膚上に形成できることが開示されている。
特開2021-6522号公報 国際公開第2022/059618号
上記の通り、特許文献1には形成される被膜の耐久性、特許文献2には皮膜の汗等に対する耐性について記載されているが、これら従来技術による被膜の耐久性及び耐湿性は実使用上十分ではなく、さらなる改善の余地があった。
本発明は、薬効成分を含有し、耐久性及び耐湿性が共に優れる被膜を形成できる外用剤組成物に関する。
本発明者らは、薬効成分、所定の2種以上の水不溶性ポリマー、及び所定の溶媒成分を含有し、且つ所定の粘度を有する外用剤組成物が上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、下記に関する。
[1]下記成分(A)~(D):
(A)薬効成分
(B)水不溶性ポリマー
(C)不揮発性基剤
(D)揮発性溶媒
を含有する外用剤組成物であって、前記成分(B)が、(B1)セルロース系ポリマー、(B2)アクリル系ポリマー、及び(B3)ビニル系ポリマーからなる群から選ばれる2種以上を含み、前記外用剤組成物の25℃における粘度が1.0mPa・s以上10,000mPa・s以下である、外用剤組成物。
[2]下記工程(I)及び工程(II)を順に有する、上記[1]に記載の外用剤組成物の使用方法。
工程(I):前記外用剤組成物を対象物に適用し、次いで乾燥させて、前記外用剤組成物からなる被膜を形成する工程
工程(II):前記被膜と洗浄剤とを接触させ、次いで水洗して、前記被膜を除去する工程
本発明によれば、薬効成分を含有し、耐久性及び耐湿性が共に優れる被膜を形成できる外用剤組成物、及び、その使用方法を提供することができる。
[外用剤組成物]
本発明は、下記成分(A)~(D):
(A)薬効成分
(B)水不溶性ポリマー
(C)不揮発性基剤
(D)揮発性溶媒
を含有する外用剤組成物であって、前記成分(B)が、(B1)セルロース系ポリマー、(B2)アクリル系ポリマー、及び(B3)ビニル系ポリマーからなる群から選ばれる2種以上を含み、前記外用剤組成物の25℃における粘度が1.0mPa・s以上10,000mPa・s以下である外用剤組成物に関する。以下、当該組成物を適宜「本発明の組成物」ともいう。
<定義>
本明細書において「外用剤組成物」とは、主として皮膚表面に適用する組成物をいう。
本明細書において「Xを含有する」とは、Xを配合したものを包含する。
本明細書において「水不溶性ポリマー」とは、23℃、1気圧の環境下において、ポリマー1gを10gのイオン交換水に浸漬し、24時間経過後、浸漬したポリマーの0.5g超が溶解しない性質を有するものをいう。
本明細書において「不揮発性基剤」とは、基剤1gを直径48mmのガラスシャーレに広げ、25℃、常圧で24時間放置後の質量減少率が1%未満の、70℃で液状を呈する基剤をいう。
「揮発性溶媒」とは、溶媒1gを直径48mmのガラスシャーレに広げ、25℃、常圧で24時間放置後の質量減少率が1%以上であり、25℃で液状であって且つ水以外の成分を意味する。
また、本明細書において、外用剤組成物を対象物(被験者の皮膚)に適用して被膜を形成し、被験者が日常的な生活行動を行った際にも被膜が擦れ落ちにくいことを「被膜の耐久性が高い」と称する。また、高温・高湿度下において擦れが起きた際にも被膜のよれや剥がれが生じにくいことを「被膜の耐湿性が高い」と称する。被膜の耐久性及び耐湿性は、具体的には実施例に記載の方法により評価することができる。
なお、本発明の組成物は、成分(A):薬効成分、成分(B):水不溶性ポリマー、成分(C):不揮発性基剤、及び成分(D):揮発性溶媒を含有するが、成分(A)は他の成分(B)、成分(C)及び成分(D)のいずれにも含まれない成分であり、また成分(B)は成分(C)及び成分(D)のいずれにも含まれない成分である。
本発明の組成物は前記構成を有することにより、薬効成分を含有し、且つ耐久性及び耐湿性が共に優れる被膜を形成できる。その理由については定かではないが、次のように考えられる。
本発明の組成物は、被膜形成成分として、成分(B)である水不溶性ポリマー、及び、成分(C)である不揮発性基剤を含有する、被膜形成性を有する組成物である。本発明の組成物を皮膚に適用し、次いで乾燥させると、成分(D)が揮発して成分(A)~(C)を含む被膜が形成される。
成分(B)は水不溶性であり、疎水性の高い被膜を形成できるので、被膜の耐久性及び耐湿性が向上しやすく、また、被膜のべたつき等も抑えられると考えられる。一方で、被膜形成成分として成分(B)のみを用いると、被膜が脆くなり耐久性が低下するなどの懸念がある。本発明では成分(B)と成分(C)とを併用することで、これらの不具合を抑制できたと考えられる。
さらに、成分(B)として水不溶性ポリマーを1種のみ使用した場合、あるいは、水不溶性ポリマーが2種以上であっても同種のポリマーのみを使用した場合には、被膜の耐久性のみならず、高温・高湿度下で被膜を擦ってもよれ、剥がれが生じ難いという高いレベルでの耐湿性を実現することが困難であることが見出された。本発明では成分(B)として、特定種で且つ異種の水不溶性ポリマーを2種以上用いることで、上記課題を解決できたものと考えられる。
成分(D)は外用剤組成物の速乾性、成分(A)の結晶化抑制効果等の向上に寄与していると考えられる。成分(A)の被膜中での結晶化を抑制することで、薬効成分である成分(A)を対象物に効果的に徐放することができる。さらに、外用剤組成物が成分(D)を含有することで粘度を所定の範囲に調整しやすくなる。その結果、外用剤組成物の塗布性、被膜形成性が向上し、形成される被膜の耐久性及び耐湿性もより向上すると考えられる。
また本発明の組成物により形成された被膜は、べたつきが少なく、使用時には耐久性及び耐湿性に優れ、使用後には、洗浄剤を用いて水洗することで容易に除去できるという効果(以下「被膜の除去性」ともいう)も奏する。
<成分(A):薬効成分>
本発明の組成物は、成分(A)として薬効成分を含有する。外用剤組成物に用いる観点から、成分(A)は経皮投与可能な皮膚外用薬成分であることが好ましい。具体的には、成分(A)は、消炎鎮痛成分、局所刺激成分、血行促進成分、抗ヒスタミン成分、生薬成分、鎮痒成分、局所麻酔成分、角質軟化成分、殺菌成分、抗菌・抗真菌成分、免疫抑制剤、抗ウイルス成分、発毛・育毛成分、皮脂抑制成分、制汗成分、及び美白成分からなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、消炎鎮痛成分、抗ヒスタミン成分、鎮痒成分、殺菌成分、抗菌・抗真菌成分、免疫抑制剤、抗ウイルス成分、発毛・育毛成分、皮脂抑制成分、制汗成分、及び美白成分からなる群から選ばれる1種以上を含むことがより好ましい。
消炎鎮痛成分としては、サリチル酸グリコール、サリチル酸メチル、アスピリン、スルピリン水和物、アセトアミノフェン、ジクロフェナクナトリウム、フェンブフェン、イブプロフェン、アミノプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム水和物、ナプロキセン、オキサプロフェン、ケトプロフェン、チアプロフェン酸、スリンダク、フルフェナム酸アルミニウム、フェルビナク、メフェナム酸、インドメタシン、インドメタシンファルネシル、アセメタシン、プログルメタシンマレイン酸塩、ベンダザック、ピロキシカム、アンピロキシカム、ロルノキシカム、テノキシカム、メロキシカム、エトドラク、チアラミド塩酸塩、ブコローム、フルルビプロフェン、エスフルルビプロフェン、リゾチーム塩酸塩、ブロメライン、塩酸ジフェンヒドラミン、ジブカイン、ジメチルイソプロピルアズレン、塩化ベンゼトニウム、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、酸化亜鉛、アラントイン、ヘパリン類似物質、グリチルレチン酸、イブプロフェンピコノール、フルオシノロンアセトニド、ジフルプレドナート、クロベタゾールプロピオン酸エステル、ベタメタゾン吉草酸エステル等が挙げられる。これらの中でも、サリチル酸グリコール、サリチル酸メチル、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム水和物、ケトプロフェン、インドメタシン、ピロキシカム、フルルビプロフェン、エスフルルビプロフェン、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、酸化亜鉛、アラントイン、ヘパリン類似物質、グリチルレチン酸、イブプロフェンピコノール、フルオシノロンアセトニド、ジフルプレドナート、クロベタゾールプロピオン酸エステル、及びベタメタゾン吉草酸エステルからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
局所刺激成分としては、l-メントール、dl-カンフル、ノニル酸ワニリルアミド、アンモニア、ハッカ油等が挙げられる。これらの中でも、l-メントール、dl-カンフル、及びノニル酸ワニリルアミドからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
血行促進成分としては、ニコチン酸ベンジル、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、トコフェロール酢酸エステル、カルプロニウム塩化物水和物等が挙げられる。これらの中でも、トコフェロール酢酸エステル、及びカルプロニウム塩化物水和物からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
抗ヒスタミン成分としては、ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩等が挙げられる。これらの中でも、ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミン塩酸塩、及びクロルフェニラミンマレイン酸塩からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
生薬成分としては、トウガラシ、アルニカチンキ、ユーカリ油、オウバク、アルニカチンキ、ジュウヤク、シャクヤク、ヨモギ、ケイヒ、センキュウ、コウブシ、ソウジュツ、ダイウイキョウ、マツブサ、チンピ、ニンジン、マグロップ、チョウジ、ショウキョウ、サンシシ、カンゾウ、ウイキョウ、モクツウ、コウカ、コウボク、トウヒ、インチ等が挙げられる。これらの中でも、トウガラシ、及びアルニカチンキからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
鎮痒成分としては、クロタミトン、コルチゾン酢酸エステル、イソチペンジル塩酸塩、ベンザルコニウム塩化物、カラミン、d-ボルネオール、アンモニア水、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン酢酸エステル、ヒドロコルチゾン酪酸エステル、デキサメタゾン、デキサメタゾン酢酸エステル、プレドニゾロン、プレドニゾロン酢酸エステル、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、ウフェナマート等が挙げられる。これらの中でも、クロタミトン、ベンザルコニウム塩化物、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン酢酸エステル、ヒドロコルチゾン酪酸エステル、デキサメタゾン、デキサメタゾン酢酸エステル、プレドニゾロン、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、及びウフェナマートからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
局所麻酔成分としては、リドカイン、メピバカイン、ブピバカイン、ロピバカイン、レボプピバカイン、ジブカイン、ジブカイン塩酸塩、アミノ安息香酸エチル等が挙げられる。これらの中でも、リドカイン、及びジブカイン塩酸塩からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
角質軟化成分としては、尿素、イオウ、サリチル酸等が挙げられる。
殺菌成分としては、グルコン酸クロルヘキシジン、銅クロロフィリンナトリウム、イソプロピルメチルフェノール、セチルピリジニウム塩化物水和物、ベンゼトニウム塩化物、塩化ベンザルコニウム、レゾルシン、アクリノール水和物、クロルヘキシジングルコン酸塩、ホモスルファミン、ホモスルファミン塩酸塩、ポピドンヨード、ヨウ素・ヨウ化カリウム、マーキュロクロム、オキシドール、クレゾール、ヨードホルム、チモール、クロルヘキシジン塩酸塩、アダパレン、トリクロロカルバニリド等が挙げられる。これらの中でも、イソプロピルメチルフェノール、ベンゼトニウム塩化物、レゾルシン、ホモスルファミン、ホモスルファミン塩酸塩、クロルヘキシジン塩酸塩、アダパレン及びトリクロロカルバニリドからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
抗菌・抗真菌成分としては、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、フェニル-11-ヨード-10-ウンデシノエート、エキサラミド、クロトリマゾール、硝酸エコナゾール、硝酸ミコナゾール、チオコナゾール、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、シクロピロクスオラミン、シッカニン、トリコマイシン、ピロールニトリン、チアントール、2,4,6-トリブロムフェニルカプロン酸エステル、トリメチルセチルアンモニウムペンタクロロフェネート、トルシクラート、トルナフタート、ハロプロジン、木槿皮、安息香酸ベルベリン、塩化デカリニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン液、酢酸デカリニウム、ヒノキチオール、レブルシン、安息香酸、クロロブタノール、酢酸、フェノール、ヨードチンキ、塩酸ジフェニルピラリン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、ジフェニルイミダゾール、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジブカイン、塩酸プロカイン、塩酸リドカイン、アルジオキサ、グリチルリチン酸及びその塩類、シコン、トウキ、竜脳、フタル酸ジエチル、クロルヒドロキシアルミニウム、ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系、モノバクタム系、ペネム系、アミノグリコシド系、ホスホマイシン系、クロラムフェニコール系、マクロライド系、グリコペプチド系、キノロン系、ニューキノロン系、サルファ剤、フラジオマイシン硫酸塩、ゲンタマイシン硫酸塩、ペンタミジンイセチオン酸塩、スルファジアジン銀、オキシコナゾール硝酸塩、スルコナゾール硝酸塩、ビホナゾール、ネチコナゾール塩酸塩、ラノコナゾール、テナフィン塩酸塩、アモロルフィン塩酸塩、テルビナフィン塩酸塩、ブテナフィン塩酸塩、ポリミキシンB硫酸塩、コリスチン硫酸塩、バシトラシン、フラジオマイシン硫酸塩、過酸化ベンゾイル、ナジフロキサン、レボフロキサン、クリンダマイシンリン酸エステル等が挙げられる。これらの中でも、クロトリマゾール、硝酸ミコナゾール、ピロールニトリン、トルナフタート、ヒノキチオール、フラジオマイシン硫酸塩、オキシコナゾール硝酸塩、ビホナゾール、ラノコナゾール、テルビナフィン塩酸塩、及びブテナフィン塩酸塩からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
免疫抑制剤としては、タクロリムス等が挙げられる。
抗ウイルス成分としては、アシクロビル、ビダラビン等が挙げられる。
発毛・育毛成分としては、ミノキシジル、パンテノール、パントテニールエチルエーテル等が挙げられる。
皮脂抑制成分としては、ピリドキシン塩酸塩等が挙げられる。
制汗成分としては、塩化アルミニウム、グリコピロニウムトシル酸塩水和物、ソフピロニウム臭化物等が挙げられる。
美白成分としては、トラネキサム酸、トレチノイン、ハイドロキノンなどが挙げられる。
成分(A)は、上記薬効成分のうち1種又は2種以上を用いることができる。
上記の中でも、成分(A)は、サリチル酸グリコール、サリチル酸メチル、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム水和物、ケトプロフェン、インドメタシン、フルルビプロフェン、グリチルリチン酸二カリウム、酸化亜鉛、アラントイン、ヘパリン類似物質、グリチルレチン酸、イブプロフェンピコノール、フルオシノロンアセトニド、l-メントール、dl-カンフル、ノニル酸ワニリルアミド、トコフェロール酢酸エステル、カルプロニウム塩化物水和物、ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、トウガラシ、クロタミトン、ベンザルコニウム塩化物、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン酪酸エステル、デキサメタゾン酢酸エステル、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、ベタメタゾン吉草酸エステル、ウフェナマート、リドカイン、ジブカイン塩酸塩、尿素、イオウ、サリチル酸、イソプロピルメチルフェノール、ベンゼトニウム塩化物、レゾルシン、ホモスルファミン、ホモスルファミン塩酸塩、クロルヘキシジン塩酸塩、トリクロロカルバニリド、クロトリマゾール、硝酸ミコナゾール、トルナフタート、ヒノキチオール、オキシコナゾール硝酸塩、ビホナゾール、ラノコナゾール、テルビナフィン塩酸塩、ブテナフィン塩酸塩、タクロリムス、アシクロビル、ビダラビン、ミノキシジル、パンテノール、パントテニールエチルエーテル、ピリドキシン塩酸塩、トラネキサム酸、トレチノイン、ホモスルファミン塩酸塩、塩化アルミニウム、グリコピロニウムトシル酸塩水和物、及びソフピロニウム臭化物からなる群から選ばれる1種以上を含むことがより好ましい。
<成分(B):水不溶性ポリマー>
本発明の組成物は、成分(B)として水不溶性ポリマーを含有する。成分(B)は被膜形成成分であり、組成物の被膜形成性を向上させ、耐久性及び耐湿性が高い被膜の形成を可能にすると考えられる。さらに、結晶性の高い成分(A)を用いた場合でも、成分(A)の被膜中での結晶化を抑えることができ、形成される被膜はべたつきが少なく、且つ、洗浄剤を用いて水洗することで容易に除去できるという効果も奏する。
被膜形成性向上の観点から、成分(B)は被膜形成性の水不溶性ポリマーであることが好ましい。なお、成分(B)の「水不溶性」の定義は前記の通りである。
成分(B)は、(B1)セルロース系ポリマー、(B2)アクリル系ポリマー、及び(B3)ビニル系ポリマーからなる群から選ばれる2種以上を含む。
本明細書において、「成分(B)が(B1)セルロース系ポリマー、(B2)アクリル系ポリマー、及び(B3)ビニル系ポリマーからなる群から選ばれる2種以上を含む」とは、具体的には、下記(i)~(iv)のいずれかの態様であることを意味する。
(i)成分(B)が成分(B1)及び成分(B2)を含み、成分(B3)を含まない
(ii)成分(B)が成分(B1)及び成分(B3)を含み、成分(B2)を含まない
(iii)成分(B)が成分(B2)及び成分(B3)を含み、成分(B1)を含まない
(iv)成分(B)が成分(B1)、成分(B2)、及び成分(B3)を含む
したがって例えば、成分(B)が成分(B1)を2種以上含むが、成分(B2)及び成分(B3)のいずれも含まない場合は本発明の範囲に含まれないものとする。
上記の態様のうち、被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点、成分(A)の結晶化抑制効果向上の観点、及び、被膜のべたつき抑制の観点から、(i)又は(iv)の態様が好ましく、(i)の態様がより好ましい。
(成分(B1):セルロース系ポリマー)
成分(B1)として用いられるセルロース系ポリマーとしては、セルロース骨格を有するポリマーのうち水不溶性であるものが挙げられる。
成分(B1)の具体例としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒプロメロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロースフタル酸エステル、疎水化(C16-18)ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、酢酸フタルセルロース等のうち、水不溶性のものが挙げられ、これらのうち1種又は2種以上用いることができる。
被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点、成分(A)の結晶化抑制効果向上の観点、及び、被膜のべたつき抑制の観点から、成分(B1)としては、エチルセルロース、ヒプロメロースフタル酸エステル、及び疎水化(C16-18)ヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、ヒプロメロースフタル酸エステルがより好ましい。
成分(B1)として、市販品を用いることもできる。例えば成分(B1)として用いられるエチルセルロースとしては、日新化成(株)製「エトセル100P」、ヒプロメロースフタル酸エステルとしては、信越化学工業(株)製「HPMCP HP-55」「HPMCP HP-55S」「HPMCP HP-50」等が挙げられる。
(成分(B2):アクリル系ポリマー)
成分(B2)として用いられるアクリル系ポリマーとしては、(メタ)アクリル基を有するモノマーに由来する構成単位を少なくとも含むポリマーのうち、水不溶性のものが挙げられる。なお、本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリルとメタクリルの両方を意味する。
成分(B2)の具体例としては、例えば、(アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミド)共重合体、アクリルアミド・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体、アクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸エステル・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸2-エチルヘキシル・アクリル酸メチル・アクリル酸・メタクリル酸グリシジル共重合体、アクリル酸2-エチルヘキシル・酢酸ビニル・アクリル酸ヒドロキシエチル・メタクリル酸グリシジル共重合体、アクリル酸2-エチルヘキシル・ジアセトンアクリルアミド・メタクリル酸アセトアセトキシエチル・メタクリル酸メチル共重合体、アクリル酸2-エチルヘキシル・ビニルピロリドン共重合体、アクリル酸2-エチルヘキシル・メタクリル酸2-エチルヘキシル・メタクリル酸ドデシル共重合体、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体、メタクリル酸メチル・メタクリル酸ブチル・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体等のうち、水不溶性のものが挙げられ、これらのうち1種又は2種以上用いることができる。
上記のうち、(アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミド)共重合体としては、化粧品成分表示名称「(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMP」を、アクリルアミド・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体としては、医薬品添加物規格2018(厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課)に記載の「アクリル酸アミド・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体液」を、アクリル酸アルキル共重合体としては、化粧品成分表示名称「アクリル酸アルキルコポリマーアンモニウム」を、アクリル酸2-エチルヘキシル・ビニルピロリドン共重合体としては、医薬品添加物規格2018(厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課)に記載の「アクリル酸2-エチルヘキシル・ビニルピロリドン共重合体溶液」を、アクリル酸2-エチルヘキシル・メタクリル酸2-エチルヘキシル・メタクリル酸ドデシル共重合体としては「アクリル酸2-エチルヘキシル・メタクリル酸2-エチルヘキシル・メタクリル酸ドデシル共重合体溶液」を、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体としては「アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液」を、メタクリル酸メチル・メタクリル酸ブチル・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体としては「アミノアルキルメタクリレートコポリマーE」を、それぞれ用いることができる。
また、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体としては、医薬品添加物として知られる「アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS」を用いることができる。
被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点、成分(A)の結晶化抑制効果向上の観点、及び、被膜のべたつき抑制の観点から、成分(B2)としては、(アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミド)共重合体がより好ましい。
成分(B2)として、市販品を用いることもできる。例えば、成分(B2)として用いられる(アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミド)共重合体としては互応化学工業(株)製「プラスサイズL-53」、アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体としては大同化成工業(株)製「ビニゾール2140L」、アクリル酸アルキル共重合体としては大同化成工業(株)製「ビニゾール1086WP」等が挙げられる。
(成分(B3):ビニル系ポリマー)
成分(B3)として用いられるビニル系ポリマーとしては、ビニル基を有するモノマーに由来する構成単位を少なくとも含むポリマーであって前記アクリル系ポリマーに属さないポリマーのうち、水不溶性のものが挙げられる。該ビニル系ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール等のうち、水不溶性のものが挙げられる。
被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点、成分(A)の結晶化抑制効果向上の観点、及び、被膜のべたつき抑制の観点から、成分(B3)としては、ポリビニルブチラールが好ましい。
成分(B3)として、市販品を用いることもできる。例えば、成分(B3)として用いられるポリビニルブチラールとしては、積水化学工業(株)製「エスレックB・K」シリーズ等が挙げられる。
(i)成分(B)が成分(B1)及び成分(B2)を含み、成分(B3)を含まない場合において、成分(B1)は、好ましくはエチルセルロース、ヒプロメロースフタル酸エステル、及び疎水化(C16-18)ヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選ばれる1種以上、より好ましくはヒプロメロースフタル酸エステルであり、成分(B2)は、好ましくは(アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミド)共重合体である。
(ii)成分(B)が成分(B1)及び成分(B3)を含み、成分(B2)を含まない場合において、成分(B1)は、好ましくはヒプロメロースフタル酸エステル、成分(B3)は、好ましくはポリビニルブチラールである。
(iii)成分(B)が成分(B2)及び成分(B3)を含み、成分(B1)を含まない場合において、成分(B2)は、好ましくは(アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミド)共重合体、成分(B3)は、好ましくはポリビニルブチラールである。
(iv)成分(B)が成分(B1)、成分(B2)、及び成分(B3)を含む場合において、成分(B1)は、好ましくはヒプロメロースフタル酸エステル、成分(B2)は、好ましくは(アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミド)共重合体、成分(B3)は、好ましくはポリビニルブチラールである。
成分(B)が成分(B1)及び成分(B2)を含む場合、成分(B1)に対する成分(B2)の質量比[(B2)/(B1)]は、被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点から、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.2以上、より更に好ましくは0.5以上、より更に好ましくは1.0以上であり、また、被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点、被膜のべたつき抑制の観点から、好ましくは30以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは15以下、より更に好ましくは12以下、より更に好ましくは10以下である。
成分(B)が成分(B1)及び成分(B3)を含む場合、成分(B1)に対する成分(B3)の質量比[(B3)/(B1)]は、被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.5以上、より更に好ましくは1.0以上、より更に好ましくは2.0以上であり、また、被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点、被膜のべたつき抑制の観点から、好ましくは20以下、より好ましくは15以下、更に好ましくは12以下、より更に好ましくは10以下、より更に好ましくは8以下である。
成分(B)が成分(B2)及び成分(B3)を含む場合、成分(B3)に対する成分(B2)の質量比[(B2)/(B3)]は、被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点から、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.2以上、より更に好ましくは0.5以上、より更に好ましくは1.0以上であり、また、被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点、被膜のべたつき抑制の観点から、好ましくは30以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは15以下、より更に好ましくは12以下、より更に好ましくは10以下である。
成分(B)は、本発明の効果を損なわない範囲で、成分(B1)、成分(B2)、及び成分(B3)以外の水不溶性ポリマーを含むこともできる。但し、被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点、成分(A)の結晶化抑制効果向上の観点、及び、被膜のべたつき抑制の観点から、成分(B)中の成分(B1)、成分(B2)、及び成分(B3)の合計含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、より更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上であり、100質量%以下である。
<成分(C):不揮発性基剤>
本発明の組成物は、成分(C)として不揮発性基剤(但し、成分(A)に該当するものを除く)を含有する。成分(C)は成分(B)との併用により、被膜の耐久性及び耐湿性向上、並びに成分(A)の結晶化抑制効果向上に寄与していると考えられる。
成分(C)の「不揮発性基剤」の定義は前記の通りである。
成分(C)としては親油性基剤、親水性基剤、両親媒性基剤等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。
(親油性基剤)
親油性基剤としては、好ましくは極性油、非極性油等が挙げられる。
極性油の具体例としては、不揮発性の合成エステル油が挙げられ、(i)脂肪酸と1価アルコールとからなる脂肪酸モノエステル、(ii)脂肪酸と2価アルコールとからなる脂肪酸モノエステル又はジエステル、(iii)ジカルボン酸と1価アルコールとからなるジカルボン酸ジエステル、(iv)トリカルボン酸と1価アルコールとからなるトリカルボン酸トリエステル、及び(v)グリセリン脂肪酸トリエステルからなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。
(i)脂肪酸と1価アルコールとからなる脂肪酸モノエステルとしては、炭素数8以上22以下の飽和脂肪酸と、炭素数1以上24以下の脂肪族又は芳香環含有1価アルコールとのモノエステルが挙げられ、例えば、オクタン酸セチル、2-エチルヘキサン酸セチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸ヘキサデシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸ヘキサデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル等が挙げられる。
(ii)脂肪酸と2価アルコールとからなる脂肪酸モノエステル又はジエステルとしては、炭素数8以上22以下の飽和脂肪酸と、炭素数1以上12以下の脂肪族又は芳香族2価アルコールとのモノエステル又はジエステルが挙げられ、例えば、モノカプリン酸プロピレングリコール、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジラウリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロバンジオール、ジイソステアリン酸プロパンジオール等が挙げられる。
(iii)ジカルボン酸と1価アルコールとからなるジカルボン酸ジエステルとしては、炭素数4以上18以下の脂肪族又は芳香族ジカルボン酸と、炭素数1以上24以下の脂肪族又は芳香環含有1価アルコールとのジエステルが挙げられ、例えば、コハク酸2-エチルヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、リンゴ酸ジイソステアリル等が挙げられる。
(iv)トリカルボン酸と1価アルコールとからなるトリカルボン酸トリエステルとしては、炭素数5以上12以下の脂肪族又は芳香族トリカルボン酸と、炭素数1以上24以下の脂肪族又は芳香環含有1価アルコールとのトリエステルが挙げられ、例えば、トリメリット酸トリイソデシル等が挙げられる。
また、(v)グリセリン脂肪酸トリエステルとしては、グリセリンと、炭素数8以上22以下の飽和脂肪酸とのトリエステルが挙げられ、例えば、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリステアリン等が挙げられる。
上記(i)~(v)以外のエステル油として、安息香酸アルキル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシル、等も用いることができる。
上記の中でも、エステル油としては、(i)脂肪酸と1価アルコールとからなる脂肪酸モノエステル、及び(ii)脂肪酸と2価アルコールとからなる脂肪酸モノエステル又はジエステルからなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、脂肪酸と炭素数1以上24以下の1価アルコールとからなる脂肪酸モノエステル、及び炭素数8以上22以下の飽和脂肪酸と、炭素数1以上12以下の脂肪族又は芳香族2価アルコールとのモノエステル又はジエステルからなる群から選ばれる1種以上がさらに好ましく、ミリスチン酸イソプロピル及びモノカプリン酸プロピレングリコールからなる群から選ばれる1種以上がよりさらに好ましい。
非極性油の具体例としては、不揮発性の、炭化水素油、シリコーン油、フッ素油等が挙げられる。該炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン等、該シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等、該フッ素油としては、フルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエーテルシリコーン等が挙げられる。
(親水性基剤)
親水性基剤としては、好ましくはポリオール及び低級アミンからなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。
ポリオールの具体例としては、不揮発性の、アルキレングリコール類、ポリアルキレングリコール類、グリセリン類等が挙げられる。該アルキレングリコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブチレングリコール(1,3-ブタンジオール)、1,2-ペンタンジオール等、該ポリアルキレングリコール類としては、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコール等、該グリセリン類としては、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン等が挙げられる。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコールは、重量平均分子量が10,000未満であることが好ましい。
本明細書において「低級アミン」とは、好ましくは炭素数9以下、より好ましくは炭素数2以上9以下のアミンをいう。該低級アミンは、不揮発性の観点、被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点、成分(A)の結晶化抑制効果向上の観点、及び、被膜のべたつき抑制の観点から、アルカノールアミンであることが好ましい。
アルカノールアミンの具体例としては、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール等が挙げられる。
(両親媒性基剤)
両親媒性基剤としては、好ましくはイオン性又はノニオン性の界面活性剤が挙げられ、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、アルキルグリセリルエーテル、脂肪酸ショ糖エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルサッカライド、アルキルアミンオキサイド、及びアルキルアミドアミンオキサイド等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルグルコシド、アルキルグリセリルエーテル、アルキルサッカライド、アルキルアミンオキサイド、及びアルキルアミドアミンオキサイドにおけるアルキル基、ポリオキシエチレンアルケニルエーテルにおけるアルケニル基、及び、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、及び脂肪酸ショ糖エステルにおける脂肪酸は、好ましくは炭素数8以上22以下、より好ましくは炭素数10以上20以下、さらに好ましくは12以上18以下である。
上記の中でも、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、及びアルキルグリセリルエーテルからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルがより好ましい。
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの具体例としては、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)(ポリソルベート60)、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)(ポリソルベート65)、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)(ポリソルベート80)等が挙げられ、好ましくはオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)(ポリソルベート80)である。
成分(C)は、1種又は2種以上を用いることができる。
上記の中でも、成分(C)は極性油、非極性油、ポリオール、アルカノールアミン、及びノニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、ミリスチン酸イソプロピル、モノカプリン酸プロピレングリコール、スクワラン、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、重量平均分子量が1,000未満のポリエチレングリコール、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、ミリスチン酸イソプロピル、1,3-ブチレングリコール、ジイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種以上を含むことがさらに好ましい。
なお、成分(C)であるアミンには、成分(B)である水不溶性ポリマーの中和塩を構成するアミンも含まれる。
例えば本発明の組成物において、成分(B)、及び成分(C)であるアルカノールアミンを含有する市販品として、(アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミド)共重合体の2-アミノ-2-メチルプロパノールによる部分中和物を含む、互応化学工業(株)製「プラスサイズL-53P」等を用いることもできる。
<成分(D):揮発性溶媒>
本発明の組成物は、成分(D)として揮発性溶媒(但し、成分(A)に該当するものを除く)を含有する。成分(D)は組成物の速乾性、成分(A)の結晶化抑制効果等の向上に寄与する。さらに、外用剤組成物の粘度を所定の範囲に調整しやすくなることで、塗布性、被膜形成性が向上し、形成される被膜の耐久性及び耐湿性もより向上すると考えられる。
成分(D)の「揮発性溶媒」の定義は前記の通りである。
成分(D)としては、揮発性を有する、アルコール、ケトン、エステル、炭化水素、シリコーン等が挙げられる。
成分(D)として用いられるアルコールは、低級アルコールが好ましい。「低級アルコール」とは、好ましくは炭素数4以下のアルコールであり、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコールが挙げられる。
成分(D)として用いられるケトンとしてはアセトン、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン等、エステルとしては酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等、炭化水素としては揮発性流動パラフィン等、シリコーンとしては直鎖状ポリジメチルシロキサン、環状シロキサン等が挙げられる。
成分(D)は、1種又は2種以上を用いることができる。
組成物の塗布性及び速乾性向上の観点、成分(A)~(C)の溶解性又は分散性の観点、及び成分(A)の結晶化抑制効果向上の観点から、成分(D)は好ましくは炭素数4以下のアルコールであり、より好ましくはエタノール及びイソプロピルアルコールからなる群から選ばれる1種以上である。
<水>
外用剤組成物は、成分(A)の結晶化抑制効果向上の観点、及び被膜の除去性向上の観点から、さらに水を含有することが好ましい。本発明に用いる水としては、特に制限はなく、例えばイオン交換水、純水、蒸留水等を用いることができる。
<水溶性ポリマー>
外用剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに水溶性ポリマーを含有してもよい。水溶性ポリマーは、前記成分(A)~(D)のいずれにも該当しない水溶性のポリマーであり、例えば、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
但し、被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点、並びに被膜のべたつき抑制の観点から、成分(B)に対する水溶性ポリマーの質量比[水溶性ポリマー/成分(B)]は低い方が好ましい。具体的には、外用剤組成物中の成分(B)に対する水溶性ポリマーの質量比[水溶性ポリマー/成分(B)]は、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.3以下、よりさらに好ましくは1以下、よりさらに好ましくは0.5以下、よりさらに好ましくは0.1以下であり、よりさらに好ましくは0である。
<その他の成分>
本発明の外用剤組成物は前記成分の他、本発明の目的を損なわない範囲で、外用剤組成物に通常配合されるその他の成分を適宜含有してもよい。当該成分としては、例えば、有機酸又は無機酸、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、有機酸又は無機酸以外のpH調整剤、香料、顔料等が挙げられる。
<含有量>
外用剤組成物中の各成分の含有量は、被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点、成分(A)の結晶化抑制効果向上の観点、及び、被膜のべたつき抑制の観点から、好ましくは以下の通りである。
外用剤組成物中の成分(A)の含有量は、成分(A)の効能を充分に発現させる観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上、よりさらに好ましくは0.02質量%以上であり、成分(A)の結晶化抑制効果向上の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下、よりさらに好ましくは10質量%以下である。
成分(A)が消炎鎮痛成分を含む場合、外用剤組成物中の消炎鎮痛成分の含有量は、好ましくは0.01質量%以上30質量%以下、より好ましくは0.02質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以上15質量%以下、よりさらに好ましくは0.05質量%以上10質量%以下、よりさらに好ましくは0.05質量%以上6.0質量%以下である。
成分(A)が局所刺激成分を含む場合、外用剤組成物中の局所刺激成分の含有量は、好ましくは0.001質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.005質量%以上15質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以上10質量%以下、よりさらに好ましくは0.01質量%以上6.0質量%以下である。
成分(A)が血行促進成分を含む場合、外用剤組成物中の血行促進成分の含有量は、好ましくは0.1質量%以上30質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは1.0質量%以上15質量%以下、よりさらに好ましくは1.0質量%以上5.0質量%以下である。
成分(A)が抗ヒスタミン成分を含む場合、外用剤組成物中の抗ヒスタミン成分の含有量は、好ましくは0.01質量%以上30質量%以下、より好ましくは0.02質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以上15質量%以下、よりさらに好ましくは0.05質量%以上10質量%以下、よりさらに好ましくは0.1質量%以上5.0質量%以下、よりさらに好ましくは0.1質量%以上3.0質量%以下である。
成分(A)が生薬成分を含む場合、外用剤組成物中の生薬成分の含有量は、好ましくは0.01質量%以上30質量%以下、より好ましくは0.02質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以上15質量%以下、よりさらに好ましくは0.05質量%以上10質量%以下、よりさらに好ましくは0.1質量%以上5.0質量%以下、よりさらに好ましくは0.1質量%以上3.0質量%以下である。
成分(A)が鎮痒成分を含む場合、外用剤組成物中の鎮痒成分の含有量は、好ましくは0.01質量%以上30質量%以下、より好ましくは0.02質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは0.02質量%以上15質量%以下、よりさらに好ましくは0.02質量%以上10質量%以下である。
成分(A)が局所麻酔成分を含む場合、外用剤組成物中の局所麻酔成分の含有量は、好ましくは0.01質量%以上30質量%以下、より好ましくは0.02質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは0.02質量%以上15質量%以下、よりさらに好ましくは0.02質量%以上10質量%以下、よりさらに好ましくは0.02質量%以上5.0質量%以下である。
成分(A)が角質軟化成分を含む場合、外用剤組成物中の角質軟化成分の含有量は、好ましくは0.1質量%以上30質量%以下、より好ましくは0.2質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以上20質量%以下である。
成分(A)が殺菌成分を含む場合、外用剤組成物中の殺菌成分の含有量は、好ましくは0.001質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.005質量%以上15質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以上10質量%以下、よりさらに好ましくは0.01質量%以上5.0質量%以下、よりさらに好ましくは0.01質量%以上3.0質量%以下である。
成分(A)が抗菌・抗真菌成分を含む場合、外用剤組成物中の抗菌・抗真菌成分の含有量は、好ましくは0.001質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.005質量%以上15質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以上10質量%以下、よりさらに好ましくは0.02質量%以上5.0質量%以下、よりさらに好ましくは0.05質量%以上3.0質量%以下である。
成分(A)が免疫抑制剤を含む場合、外用剤組成物中の免疫抑制剤の含有量は、好ましくは0.01質量%以上1質量%以下、より好ましくは0.03質量%以上0.5質量%以下である。
成分(A)が抗ウイルス成分を含む場合、外用剤組成物中の抗ウイルス成分の含有量は、好ましくは0.1質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上15質量%以下、さらに好ましくは1.0質量%以上10質量%以下、よりさらに好ましくは1.0質量%以上5.0質量%以下である。
成分(A)が発毛・育毛成分を含む場合、外用剤組成物中の発毛・育毛成分の含有量は、好ましくは0.1質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上15質量%以下、さらに好ましくは1.0質量%以上10質量%以下、よりさらに好ましくは1.0質量%以上5.0質量%以下である。
成分(A)が皮脂抑制成分を含む場合、外用剤組成物中の皮脂抑制成分の含有量は、好ましくは0.001質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.005質量%以上15質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以上10質量%以下、よりさらに好ましくは0.01質量%以上5.0質量%以下、よりさらに好ましくは0.01質量%以上3.0質量%以下である。
成分(A)が制汗成分を含む場合、外用剤組成物中の制汗成分の含有量は、好ましくは0.1質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上15質量%以下、さらに好ましくは1.0質量%以上10質量%以下、よりさらに好ましくは2.0質量%以上5.0質量%以下である。
成分(A)が美白成分を含む場合、外用剤組成物中の美白成分の含有量は、好ましくは0.01質量%以上30質量%以下、より好ましくは0.02質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以上15質量%以下、よりさらに好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、よりさらに好ましくは0.2質量%以上5.0質量%以下である。
外用剤組成物中の成分(B)の含有量は、被膜形成性向上の観点、被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、よりさらに好ましくは0.5質量%以上、よりさらに好ましくは1.0質量%以上であり、被膜の耐久性向上の観点、及び被膜のべたつき抑制の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、よりさらに好ましくは15質量%以下、よりさらに好ましくは10質量%以下である。
成分(B)が成分(B1)を含む場合、外用剤組成物中の成分(B1)の含有量は、好ましくは0.002質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上、よりさらに好ましくは0.02質量%以上、よりさらに好ましくは0.05質量%以上、よりさらに好ましくは0.1質量%以上、よりさらに好ましくは0.2質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、よりさらに好ましくは8質量%以下、よりさらに好ましくは5質量%以下である。
成分(B)が成分(B2)を含む場合、外用剤組成物中の成分(B2)の含有量は、好ましくは0.003質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上、よりさらに好ましくは0.02質量%以上、よりさらに好ましくは0.05質量%以上、よりさらに好ましくは0.1質量%以上、よりさらに好ましくは0.2質量%以上、よりさらに好ましくは0.4質量%以上、よりさらに好ましくは0.5質量%以上、よりさらに好ましくは0.6質量%以上であり、また、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下、よりさらに好ましくは10質量%以下、よりさらに好ましくは8質量%以下である。
成分(B)が成分(B3)を含む場合、外用剤組成物中の成分(B3)の含有量は、好ましくは0.002質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上、よりさらに好ましくは0.02質量%以上、よりさらに好ましくは0.05質量%以上、よりさらに好ましくは0.1質量%以上、よりさらに好ましくは0.2質量%以上、よりさらに好ましくは0.4質量%以上、よりさらに好ましくは0.5質量%以上、よりさらに好ましくは0.6質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、よりさらに好ましくは8質量%以下である。
外用剤組成物中の成分(C)の含有量は、被膜形成性向上の観点、被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上、よりさらに好ましくは0.05質量%以上、よりさらに好ましくは0.1質量%以上であり、被膜のべたつき抑制の観点から、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、よりさらに好ましくは15質量%以下である。
外用剤組成物中の成分(D)の含有量は、組成物の塗布性及び速乾性、被膜の耐久性及び耐湿性、並びに成分(A)の結晶化抑制効果向上の観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上、よりさらに好ましくは40質量%以上であり、組成物の塗布性、並びに被膜形成性を維持する観点から、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下、よりさらに好ましくは70質量%以下である。
外用剤組成物中の成分(A)~(D)の合計含有量は、被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点、成分(A)の結晶化抑制効果向上の観点、及び、被膜のべたつき抑制の観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上、よりさらに好ましくは60質量%以上であり、また、100質量%以下、好ましくは97質量%以下、より好ましくは95質量%以下、さらに好ましくは90質量%以下である。
外用剤組成物が水を含有する場合、外用剤組成物中の水の含有量は、外用剤組成物の塗布性、被膜形成性、被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点、成分(A)の結晶化抑制効果向上の観点、被膜のべたつき抑制の観点、及び被膜の除去性向上の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上、よりさらに好ましくは5質量%以上、よりさらに好ましくは7質量%以上、よりさらに好ましくは8質量%以上、よりさらに好ましくは10質量%以上、よりさらに好ましくは15質量%以上であり、組成物の速乾性向上の観点、被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点、成分(A)の結晶化抑制効果向上の観点、及び被膜のべたつき抑制の観点から、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下、よりさらに好ましくは45質量%以下、よりさらに好ましくは40質量%以下、よりさらに好ましくは38質量%以下、よりさらに好ましくは35質量%以下である。
外用剤組成物中の成分(B)に対する成分(A)の質量比[(A)/(B)]は、成分(A)の効能を充分に発現させる観点、及び成分(A)の結晶化抑制効果向上の観点から、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.002以上、さらに好ましくは0.003以上であり、組成物の塗布性及び被膜形成性向上の観点、被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点、並びに成分(A)の結晶化抑制効果向上の観点から、好ましくは300以下、より好ましくは250以下、さらに好ましくは200以下、よりさらに好ましくは100以下、よりさらに好ましくは50以下、よりさらに好ましくは30以下、よりさらに好ましくは20以下、よりさらに好ましくは10以下、よりさらに好ましくは5以下、よりさらに好ましくは2以下である。
外用剤組成物中の成分(C)に対する成分(A)の質量比[(A)/(C)]は、成分(A)の効能を充分に発現させる観点、及び成分(A)の結晶化抑制効果向上の観点から、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.002以上、さらに好ましくは0.003以上、よりさらに好ましくは0.005以上、よりさらに好ましくは0.01以上であり、組成物の塗布性及び被膜形成性向上の観点、被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点、並びに成分(A)の結晶化抑制効果向上の観点から、好ましくは100以下、より好ましくは80以下、さらに好ましくは70以下、よりさらに好ましくは60以下、よりさらに好ましくは50以下、よりさらに好ましくは45以下である。
外用剤組成物中の成分(B)に対する成分(C)の質量比[(C)/(B)]は、被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上、さらに好ましくは0.03以上であり、被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点、並びに被膜のべたつき抑制の観点から、好ましくは50以下、より好ましくは35以下、さらに好ましくは20以下、よりさらに好ましくは10以下、よりさらに好ましくは5.0以下である。
外用剤組成物中の成分(B)及び成分(C)の合計含有量に対する成分(A)の質量比[(A)/{(B)+(C)}]は、成分(A)の効能を充分に発現させる観点から、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.005以上、さらに好ましくは0.01以上、よりさらに好ましくは0.02以上、よりさらに好ましくは0.03以上であり、被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点、並びに成分(A)の結晶化抑制効果向上の観点から、好ましくは20以下、より好ましくは15以下、さらに好ましくは10以下、よりさらに好ましくは5.0以下、よりさらに好ましくは4.0以下、よりさらに好ましくは3.0以下である。
外用剤組成物が水を含有する場合、外用剤組成物中の成分(D)に対する水の質量比[水/(D)]は、被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点、成分(A)の結晶化抑制効果向上の観点、被膜のべたつき抑制の観点、及び被膜の除去性向上の観点から、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.05以上、さらに好ましくは0.10以上、よりさらに好ましくは0.20以上、よりさらに好ましくは0.50以上であり、組成物の速乾性向上の観点、被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点、成分(A)の結晶化抑制効果向上の観点、及び被膜のべたつき抑制の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは8.0以下、さらに好ましくは5.0以下、よりさらに好ましくは3.0以下、よりさらに好ましくは2.0以下、よりさらに好ましくは1.0以下、よりさらに好ましくは0.7以下である。
外用剤組成物中の成分(D)に対する成分(B)の質量比[(B)/(D)]は、被膜形成性向上の観点から、好ましくは0.0001以上、より好ましくは0.0002以上、さらに好ましくは0.0005以上、よりさらに好ましくは0.001以上であり、組成物の塗布性及び速乾性向上の観点から、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.50以下、さらに好ましくは0.30以下、よりさらに好ましくは0.20以下、よりさらに好ましくは0.10以下である。
<粘度>
外用剤組成物の25℃における粘度は、組成物の塗布性向上の観点から、1.0mPa・s以上であり、好ましくは1.5mPa・s以上、より好ましくは2.0mPa・s以上、さらに好ましくは3.0mPa・s以上である。また、組成物の速乾性向上の観点、被膜の耐久性及び耐湿性向上の観点から、200,000mPa・s以下であり、150,000mPa・s以下であり、130,000mPa・s以下であり、100,000mPa・s以下であり、50,000mPa・s以下であり、30,000mPa・s以下であり、20,000mPa・s以下であり、10,000mPa・s以下であり、好ましくは7,500mPa・s以下、より好ましくは5,000mPa・s以下、さらに好ましくは3,000mPa・s以下、よりさらに好ましくは2,000mPa・s以下、よりさらに好ましくは1,000mPa・s以下、よりさらに好ましくは700mPa・s以下、よりさらに好ましくは500mPa・s以下、よりさらに好ましくは200mPa・s以下、よりさらに好ましくは100mPa・s以下、よりさらに好ましくは50mPa・s以下である。
外用剤組成物の25℃における粘度は、1,000mPa・s以下の組成物については振動式粘度計、1,000mPa・sを超えた組成物についてはB型回転粘度計によりそれぞれ測定される値であり、具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
<接触角>
外用剤組成物は、組成物の塗布性、被膜形成性、及び被膜の耐久性向上の観点から、人工皮革に対する着滴10秒後の接触角が、好ましくは5°以上、より好ましくは10°以上、さらに好ましくは15°以上、よりさらに好ましくは20°以上、よりさらに好ましくは25°以上であり、また、好ましくは80°以下、より好ましくは75°以下、より好ましくは70°以下、より好ましくは60°以下、さらに好ましくは55°以下である。また、組成物の人工皮革に対する着滴60秒後の接触角は、好ましくは5°以上、より好ましくは10°以上、さらに好ましくは15°以上、よりさらに好ましくは20°以上であり、また、好ましくは70°以下、より好ましくは65°以下、より好ましくは60°以下、より好ましくは55°以下、さらに好ましくは50°以下である。
また、外用剤組成物の、人工皮革に対する着滴10秒後から60秒後における接触角の変化の割合(1-((着滴60秒後の接触角)/(着滴10秒後の接触角)))は、組成物の塗布性、被膜形成性、及び被膜の耐久性向上の観点から、好ましくは0.6以下、より好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.4以下、よりさらに好ましくは0.3以下、よりさらに好ましくは0.25以下である。上記接触角は、温度25℃において、実施例に記載の方法で測定できる。
<剤型等>
本発明の外用剤組成物は、皮膚外用剤組成物として用いることが好ましい。
外用剤組成物の剤型は、前記範囲の粘度を有し、且つ皮膚に適用可能な形態であればよい。例えば、本発明の外用剤組成物からなる、ローション製剤、ゲル製剤、軟膏製剤、クリーム製剤、又は泡状製剤;本発明の外用剤組成物を用いた、エアゾール製剤又はポンプスプレー型製剤;等が挙げられる。泡状製剤としては、本発明の外用剤組成物をポンプフォーマー等に充填し、泡状に吐出して用いられる製剤等が挙げられる。
また、本発明の組成物を、静電スプレー装置を用いて皮膚に静電スプレーすることもできる。静電スプレーについては後述する。
エアゾール製剤は、前記外用剤組成物と、噴射剤とを含有するものである。本発明の外用剤組成物を用いたエアゾール製剤は、該組成物を皮膚に噴霧して適用することで冷涼感等を与えることができる。
エアゾール製剤において、エアゾール原液として用いられる外用剤組成物及びその好適態様は、前記と同じである。すなわち、エアゾール原液中の成分(A)~(D)の含有量及びエアゾール原液の粘度は前記範囲であることが好ましい。
エアゾール製剤に用いられる噴射剤としては、エタン、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、イソペンタン及びこれらの混合物である液化石油ガス(LPG);ジメチルエーテル(DME)等のエーテル類;窒素、二酸化炭素等の圧縮ガス;等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。
エアゾール製剤において、エアゾール原液である外用剤組成物と、噴射剤との量比は、外用剤組成物を皮膚に噴霧することが可能であれば特に制限されないが、エアゾール性能の観点、及びエアゾール製剤の安定性の観点から、外用剤組成物と噴射剤との質量比として、好ましくは1:0.01~1:10、より好ましくは1:0.05~1:7.5の範囲である。
噴射剤がLPGである場合、外用剤組成物とLPGとの質量比は、さらに好ましくは1:0.5~1:5であり、噴射剤がジメチルエーテルである場合、外用剤組成物とジメチルエーテルとの質量比は、さらに好ましくは1:0.1~1:5であり、噴射剤が二酸化炭素である場合、外用剤組成物と二酸化炭素との質量比は、さらに好ましくは1:0.1~1:0.5である。
エアゾール製剤に用いるエアゾール容器としては、金属製、プラスチック製等の公知の耐圧容器、並びに、耐圧容器の内部に内袋が収容された二重構造容器が挙げられる。二重構造容器においては、内袋にエアゾール原液である外用剤組成物を充填し、耐圧容器と内袋との間に噴射剤を充填することが好ましい。
エアゾール製剤の調製方法は特に制限されない。例えば、前記エアゾール容器にエアゾール原液である外用剤組成物を充填してバルブを取り付け、次いでバルブ部分から噴射剤を充填することにより調製することができる。
またポンプスプレー型製剤とは、本発明の外用剤組成物をポンプスプレー容器に充填して用いる製剤である。
[使用方法]
本発明はまた、下記工程(I)及び工程(II)を順に有する、外用剤組成物の使用方法を提供する。
工程(I):前記外用剤組成物を対象物に適用し、次いで乾燥させて、前記外用剤組成物からなる被膜を形成する工程
工程(II):前記被膜と洗浄剤とを接触させ、次いで水洗して、前記被膜を除去する工程
本発明の方法によれば、工程(I)において、前記外用剤組成物を対象物に適用し、次いで乾燥させることで、薬効成分である成分(A)を含有する被膜を対象物表面に形成することができる。該被膜は耐久性及び耐湿性に優れるため、対象物に成分(A)を持続的に徐放することができる。また前記被膜は、洗浄剤を用いて水で洗い流すことができるため、工程(II)を行うことで、工程(I)で形成した被膜を対象物から容易に除去することができる。
<工程(I)>
工程(I)における、外用剤組成物の対象物への適用方法としては、外用剤組成物の剤型等に応じて適宜選択することができ、例えば、塗布、流延、噴霧等により適用する方法が挙げられる。これらの中でも、塗布又は噴霧により適用することが好ましい。外用剤組成物を適用した後、自然乾燥等を行うことにより成分(D)が揮発し、成分(A)~(C)を含有する被膜が対象物表面に形成される。
外用剤組成物を皮膚に直接塗布する場合は、外用剤組成物を手で、又は金属ローラー、プラスチックローラー、スポンジ状多孔体、筆等の塗布具を用いて塗布することができる。
外用剤組成物を皮膚に噴霧する場合、該組成物の噴霧方法としては、エアゾール、ポンプスプレー、又は静電スプレー装置を用いる方法が挙げられる。エアゾール及びポンプスプレーについては、外用剤組成物を原液として前記エアゾール製剤、ポンプスプレー製剤を調製し、該製剤を用いて外用剤組成物を対象物に噴霧することができる。
静電スプレー装置は、具体的には前記外用剤組成物を収容可能な収容部と、該外用剤組成物を吐出するノズルと、該ノズルに電圧を印加する電源と、収容部から前記ノズルに前記外用剤組成物を送液する手段とを備えるものである。その一実施形態として、片手で把持可能な寸法を有するハンディタイプの静電スプレー装置が挙げられる。
静電スプレー装置としては、国際公開第2018/194140号等において例示されるものを用いることができる。
外用剤組成物を適用する対象物は、好ましくは皮膚表面である。
外用剤組成物の適用部位は特に制限されないが、好ましくは頭、顔面、首、手、腕、足、脚部、臀部又は胴体部の皮膚表面が挙げられる。
外用剤組成物の適用量は特に制限されないが、成分(A)の効能を有効に発揮させる観点から、好ましくは0.5μL/cm以上、より好ましくは1μL/cm以上、さらに好ましくは3μL/cm以上である。また、形成される被膜の外観(透明性)の観点から、好ましくは100μL/cm以下、より好ましくは50μL/cm以下である。
外用剤組成物を対象物に適用した後の乾燥方法は、自然乾燥が好ましいが、適宜ドライヤー等のデバイスを用いることもできる。
工程(I)で形成される被膜の厚さは、被膜の形成しやすさの観点、及び耐久性向上の観点から、好ましくは0.005mm以上、より好ましくは0.01mm以上、さらに好ましくは0.015mm以上、よりさらに好ましくは0.02mm以上であり、また、好ましくは0.3mm以下、より好ましくは0.1mm以下、さらに好ましくは0.07mm以下、よりさらに好ましくは0.06mm以下である。被膜の厚さは、具体的には実施例に記載の方法で計測できる。
<工程(II)>
工程(II)では、工程(I)で形成した被膜と洗浄剤とを接触させ、次いで水洗して、前記被膜を除去する。
工程(II)は、工程(I)で対象物表面に被膜を形成して一定期間経過した後、すなわち、成分(A)の効能を発揮させた後に行うことが好ましい。この観点から、工程(I)の後、工程(II)を行うまでの時間は、好ましくは0.5時間以上72時間以下、より好ましくは1時間以上48時間以下である。
工程(II)で用いる洗浄剤は、対象物を洗浄するための洗浄剤であればよい。例えばアニオン性、カチオン性、又はノニオン性の界面活性成分を含む洗浄剤や、有機溶剤を含む洗浄剤が挙げられ、その具体例としては、合成洗剤、石鹸等が挙げられる。対象物である皮膚が頭皮である場合、該洗浄剤としてはシャンプーが挙げられ、顔である場合は、洗顔料が挙げられる。これら以外の皮膚用の洗浄剤としては、石鹸、ハンドソープ、ボディソープ等が挙げられる。洗浄剤のpHとしては、pH3未満(酸性)、pH3以上6以下(弱酸性)、及びpH6超のものが挙げられる。被膜の除去性の観点、及び皮膚への刺激の少なさの観点から、洗浄剤はpH3以上6以下(弱酸性)、又はpH6超の洗浄剤が好ましく、pH6超の洗浄剤がより好ましい。
洗浄剤のpHは、20℃における5%水溶液のpHを意味する。
工程(II)において、皮膚表面に形成した被膜を除去する方法の一実施形態を説明する。まず、皮膚表面に形成された被膜に、前記洗浄剤を塗布、流延、噴霧等により接触させる。洗浄剤が石鹸等の固体洗浄剤である場合は、予め皮膚表面の被膜又は固体洗浄剤を水で濡らしてから両者を接触させることが好ましい。また洗浄剤は、予め泡立ててから被膜と接触させてもよい。
被膜に接触させた洗浄剤を被膜になじませた後、水洗を行う。水洗の際にはこすり洗いすることが好ましい。この操作により、被膜を容易に除去することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されない。なお本実施例において、各種測定及び評価は以下の方法により行った。
(粘度)
外用剤組成物の25℃における粘度は、振動式粘度計((株)セコニック製「VM-10AL」を用いて測定した。また、粘度が1,000mPa・sを超えた組成物についてはB型回転粘度計(東機産業(株)製「TVB-10」、SPINDLE:M3、回転数:12rpm)を用いて測定した。
(被膜中の結晶の有無)
スライドガラス上の1.5cm×2cmの面積に対し、外用剤組成物をマイクロマン(ギルソン製)を用いて18μL塗布し、32℃に設定したホットプレート(アズワン(株)製「セラミックホットプレート」)上で1時間乾燥させた。形成された被膜中の結晶の有無を偏光顕微鏡観察により評価し、下記基準で判定を行った。スコアが高いほど、結晶性の薬効成分の析出が生じ難いことを意味する。
5:結晶が全く観察されない、4:約10μm未満の結晶が観察される、3:約10μm以上、50μm未満の結晶が観察される、2:約50μm以上、100μm未満の結晶が観察される、1:約100μm以上の結晶が観察される
(被膜のべたつき感)
専門パネラーが、前腕内側部1.5cm×2cmの面積に対し、外用剤組成物をマイクロマン(ギルソン製)を用いて18μL塗布し、2分経過後のべたつき感について5段階評価を行った。専門パネラー6名のスコアの平均値(小数第二位を四捨五入)を表に示した。スコアが高いほど評価結果が良好であることを意味する。
5:全くべたつかない、4:わずかにべたつく、3:ややべたつく、2:べたつく、1:非常にべたつく
(被膜の耐久性)
専門パネラーが、前腕内側部1.5cm×2cmの面積に対し、外用剤組成物をマイクロマン(ギルソン製)を用いて18μL塗布した。塗布後に30℃以下の室内にて運動強度として3メッツ以下程度の生活行動を行い、形成された被膜を一定時間経過後に目視観察し、被膜の残存の有無を確認した。被膜の9割以上の残存が認められた最長時間を下記基準でスコア化した。
5:8時間後、4:4時間後、3:1時間後、2:30分後、1:10分後
(被膜の耐湿性)
専門パネラーが、前腕内側部2cm×2cmの面積に対し、外用剤組成物をマイクロマン(ギルソン製)を用いて50μL塗布し、10分自然乾燥させた。その後、温度40℃、湿度75%の恒温恒湿室で10分間安静にし、塗布部分を指で10回擦った際の被膜の残存状況を目視で観察し、被膜の耐湿性について下記基準で判定を行った。
5:よれや剥がれが全くなく、被膜が10割残存、4:よれや剥がれがほとんどなく、被膜が9割以上残存、3:よれや剥がれがわずかにあり、被膜が8割以上残存、2:よれや剥がれがあり、被膜が5割以上8割未満残存、1:よれや剥がれがかなりあり、被膜の残存が5割未満
実施例1~102、比較例1~8(外用剤組成物の調製及び評価)
表中に記載の成分(B)及びにその他成分を、成分(C)、成分(D)、及び適量の水に混合したあと、成分(A)を混合した。その後、残りの水を混合させて外用剤組成物を調製した。
得られた外用剤組成物を用いて、前記方法で評価を行った。主な使用成分を表1に、外用剤組成物の組成及び評価結果を表2~11に示す。なお、各表に記載した配合量は、各成分の有効成分量(質量%)である。
表2~11より、本実施例の外用剤組成物は、被膜の耐久性及び耐湿性が良好であり、さらに、成分(A)の結晶化抑制効果、被膜のべたつきの抑制効果も高いことがわかる。
これに対し、成分(B)を含有しない比較例1、成分(B)が成分(B1)~(B3)からなる群から選ばれる2種以上を含まない比較例2~6、成分(C)を含有しない比較例7、及び、成分(D)を含有しない比較例8は、いずれかの項目において本発明の効果に劣るものであった。
また、(B1)セルロース系ポリマーと(B2)アクリル系ポリマーとの組み合わせを用いた実施例1,2,4,7,12及び15、(B1)セルロース系ポリマーと(B3)ビニル系ポリマーとの組み合わせを用いた実施例19、(B2)アクリル系ポリマーと(B3)ビニル系ポリマーとの組み合わせを用いた実施例27で形成した被膜について、下記方法で厚さの計測を行った。実施例1,2,4,7,9,12,13,15,19及び27における被膜の厚さは、それぞれ0.028mm、0.019mm、0.008mm、0.028mm、0.051mm、0.029mm、0.070mm、0.098mm、0.031mm及び0.020mmであった。
(被膜の厚さ)
外用剤組成物をビニールテープ((株)ニトムズ製「脱鉛タイプ J3447」)に20μL/cm塗布し、32℃に加温したホットプレート上で10分乾燥させた。乾燥後に得られた被膜をピンセットで剥がし、デジマチックインジケータ(Mitutoyo製「ID-C112XBS」、最小表示:0.001mm)を用いて被膜の厚さを計測した。
さらに、実施例1~3及び比較例5~6について、以下の方法で、外用剤組成物を用いて形成した被膜の除去性を評価した。結果を表12に示す。
(被膜の除去性)
専門パネラーが、前腕内側部2cm×2cmの面積に対し、外用剤組成物をマイクロマン(ギルソン製)を用いて50μL塗布し、10分自然乾燥させた。その後、約40℃の水浴下に浸し、被膜を指で10回擦った際の被膜の残存状況を目視で観察した。次いで、泡立った洗浄剤(花王石鹸ホワイト)を被膜に接触させた後、指で10回擦り、水浴下で泡を流してから被膜の残存状況を目視で観察した。被膜の除去性については、被膜の耐湿性も考慮し、除去の段階によって以下の評価基準に従って評価した。合格はAとした。
A:40℃のぬるま湯では除去されず、洗浄剤を使用する場合は除去できる。
B:40℃のぬるま湯で除去される。
C:40℃のぬるま湯でも、洗浄剤を使用しても除去できない。
実施例103~106(外用剤組成物の調製及び評価)
表中に記載の成分(B)及びにその他成分を、成分(C)、成分(D)、及び適量の水に混合したあと、成分(A)を混合した。その後、残りの水を混合させて外用剤組成物を調製した。
得られた外用剤組成物を用いて、前記方法で評価を行った。さらに、以下の方法で被膜の厚さ、組成物の接触角及びその変化割合、並びに塗布性を評価した。主な使用成分を表1に、外用剤組成物の組成及び評価結果を表13に示す。なお、表に記載した配合量は、各成分の有効成分量(質量%)である。
(組成物の接触角及びその変化の割合)
温度25℃において、自動接触角計(協和化学工業(株)製「DM-501i」)を用いて、人工皮革サプラーレ(イデアテックスジャパン製)に、表13に記載の外用剤組成物を2μL滴下し、着滴10秒後及び60秒後の接触角を測定した。また、着滴後10秒後から60秒後における接触角の変化の割合を下記式(1)より算出した。
接触角の変化の割合=1-(着滴60秒後の接触角)/(着滴10秒後の接触角)・・・(1)
(塗布性)
専門パネラーの前腕内側部に2cm×2cmの面積がわかるように印をつけた後、表13に記載の外用剤組成物を、マイクロマン(ギルソン製)を用いて24μL塗布した。塗布30秒後の組成物の広がりを目視で確認し、塗布性について下記基準で判定を行った。
A:2cm×2cmの範囲に収まるように塗布できる。
B:2cm×2cmの範囲周辺にもにじみができる。
C:2cm×2cmの範囲から液だれする。
表13より、人工皮革に対する着滴10秒後及び60秒後の接触角が高く、且つ着滴10秒後から60秒後における接触角の変化の割合が小さい外用剤組成物は、皮膚への塗布性がより良好であることがわかる。
処方例1~26(外用剤組成物の調製)
表14~15の処方に従い、成分(B)及びにその他成分を、成分(C)、成分(D)、及び適量の水に混合したあと、成分(A)を混合した。その後、残りの水を混合させて外用剤組成物を調製した。
処方例27~30(エアゾール製剤の調製)
表16の処方に従い、成分(B)及びにその他成分を、成分(C)、成分(D)、及び適量の水に混合したあと、成分(A)を混合した。その後、残りの水を混合させて、エアゾール原液となる外用剤組成物を調製した。これをエアゾール容器(東洋製罐(株)製)に充填した後、エアゾール原液と、噴射剤であるジメチルエーテル(DME)とが表に記載の質量比となるようにDMEを封入して、エアゾール製剤を調製した。
本発明によれば、薬効成分を含有し、耐久性及び耐湿性が共に優れる被膜を形成できる外用剤組成物、及び、その使用方法を提供することができる。

Claims (14)

  1. 下記成分(A)~(D):
    (A)薬効成分
    (B)水不溶性ポリマー
    (C)不揮発性基剤
    (D)揮発性溶媒
    を含有する外用剤組成物であって、
    前記成分(B)が、(B1)セルロース系ポリマー、(B2)アクリル系ポリマー、及び(B3)ビニル系ポリマーからなる群から選ばれる2種以上を含み、
    前記外用剤組成物の25℃における粘度が1.0mPa・s以上10,000mPa・s以下である、外用剤組成物。
  2. 前記外用剤組成物中の前記成分(B)に対する前記成分(C)の質量比[(C)/(B)]が0.01以上50以下である、請求項1に記載の外用剤組成物。
  3. 前記成分(B)が前記成分(B1)及び前記成分(B2)を含み、前記成分(B1)に対する前記成分(B2)の質量比[(B2)/(B1)]が0.05以上30以下である、請求項1又は2に記載の外用剤組成物。
  4. 前記成分(B)が前記成分(B1)及び前記成分(B3)を含み、前記成分(B1)に対する前記成分(B3)の質量比[(B3)/(B1)]が0.1以上20以下である、請求項1又は2に記載の外用剤組成物。
  5. 前記成分(B)が前記成分(B2)及び前記成分(B3)を含み、前記成分(B3)に対する前記成分(B2)の質量比[(B2)/(B3)]が0.05以上30以下である、請求項1又は2に記載の外用剤組成物。
  6. 前記外用剤組成物がさらに水を含有し、該外用剤組成物中の水の含有量が1質量%以上70質量%以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の外用剤組成物。
  7. 前記成分(A)が消炎鎮痛成分、局所刺激成分、血行促進成分、抗ヒスタミン成分、生薬成分、鎮痒成分、局所麻酔成分、角質軟化成分、殺菌成分、抗菌・抗真菌成分、免疫抑制剤、抗ウイルス成分、発毛・育毛成分、皮脂抑制成分、制汗成分、及び美白成分からなる群から選ばれる1種以上を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の外用剤組成物。
  8. 前記成分(C)が極性油、非極性油、ポリオール、アルカノールアミン、及びノニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1~7のいずれか1項に記載の外用剤組成物。
  9. 前記成分(D)が炭素数4以下のアルコールである、請求項1~8のいずれか1項に記載の外用剤組成物。
  10. 前記外用剤組成物中の前記成分(A)の含有量が0.001質量%以上30質量%以下である、請求項1~9のいずれか1項に記載の外用剤組成物。
  11. 前記外用剤組成物中の前記成分(B)の含有量が0.01質量%以上30質量%以下である、請求項1~10のいずれか1項に記載の外用剤組成物。
  12. 前記外用剤組成物中の前記成分(C)の含有量が0.001質量%以上40質量%以下である、請求項1~11のいずれか1項に記載の外用剤組成物。
  13. 前記外用剤組成物中の前記成分(D)の含有量が10質量%以上95質量%以下である、請求項1~12のいずれか1項に記載の外用剤組成物。
  14. 下記工程(I)及び工程(II)を順に有する、請求項1~13のいずれか1項に記載の外用剤組成物の使用方法。
    工程(I):前記外用剤組成物を対象物に適用し、次いで乾燥させて、前記外用剤組成物からなる被膜を形成する工程
    工程(II):前記被膜と洗浄剤とを接触させ、次いで水洗して、前記被膜を除去する工程
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