JP2022117408A - 外用剤組成物 - Google Patents

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信 野原
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信三 大隅
Shinzo Osumi
亮介 藤井
Ryosuke Fujii
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Abstract

【課題】薬効成分を含有し、被膜形成性が良好で、皮膚への塗布性、速乾性が高く、形成される被膜のべたつき及びつっぱり感の抑制効果、被膜の外観及び耐久性にも優れ、使用後には水洗により容易に除去できる外用剤組成物を提供する。【解決方法】(A)薬効成分、(B)イオン性官能基を有する水不溶性ポリマー、(C)pH調整剤、(D)揮発性溶媒、及び(E)水を含有し、25℃における粘度が1.0mPa・s以上5,000mPa・s以下である外用剤組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、外用剤組成物に関する。
消炎鎮痛成分、殺菌消毒成分等の薬効成分を含有する液状の皮膚外用剤、及び貼付剤が知られている。しかしながら既存の液状の皮膚外用剤は、皮膚に適用した後に服等で擦れ落ちやすく、薬効成分を皮膚に持続的に放出することが難しいなどの問題があった。薬効成分を含有する貼付剤についても、皮膚に追従しにくく剥がれやすいと、薬効成分を皮膚に持続的に放出することが難しくなる。一方で皮膚への粘着性が高い貼付剤は、皮膚から剥離する際の肌負担が大きくなるという問題もある。また貼付剤は、かぶれやすい、皮膚に貼付した際の見た目が気になるなどの実使用面での課題もあった。
そこで、薬効成分を持続的に皮膚に放出することが可能な被膜形成製剤が検討されている。被膜形成製剤は、皮膚に塗布した際に被膜を形成できるため、液状の皮膚外用剤と比べて擦れ落ちにくい。また皮膚に適用しても貼付剤のように目立つことがなく、皮膚から除去する際の肌負担が少ないという点でも好ましい。
被膜形成製剤を使用した後、被膜を除去する際の肌負担をより低減する観点で、該被膜を皮膚から容易に除去する技術も検討されている。
例えば特許文献1には、皮膚保護剤又は対皮膚投与用薬剤として適当な液状の皮膚被覆剤であって、形成した被膜が皮膚に密着し、汗や水洗では剥離しないが、石鹸や洗剤で容易に除去できるものとして、被膜形成材料としてのセルロースアセテートフタレート及び/又はヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートが、エタノール、プロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン及びジクロルメタンからなる群から選ばれた溶剤の1種又はそれ以上の中に3.0~30重量%の割合で溶解している液状物が開示されている。
特許文献2には、即乾性でべとつかず、水、汗等の存在下でも良好な被膜を維持し、また被膜を除去する場合、水で簡単に除去でき、安全性が高く薬物の移行性が高い水溶性の被膜を形成する被膜形成型外用剤として、N-ビニルアセトアミドの単独重合体またはこれと共重合可能な単量体との共重合体を被膜形成樹脂とし、かつ形成される被膜が水溶性であることを特徴とする被膜形成型外用剤が開示されている。
特開昭60-64921号公報 特開平7-97317号公報
しかしながら特許文献1に開示された被膜被覆剤では、形成される被膜が疎水性であるため該被膜を水で除去することが困難であり、被膜除去時の肌負担の低減については改善の余地があった。一方で、特許文献2の開示技術のように水溶性の被膜を形成する被膜形成型外用剤では、皮膚への適用後に汗、湿度等で容易に剥がれ落ちてしまい、被膜の耐久性に乏しく、薬効成分を持続的に皮膚に徐放することが困難であった。
また特許文献1,2の開示技術においては、組成物を皮膚に適用した後の速乾性、外観等の、外用剤組成物としての実使用上の性能向上も望まれる。
本発明は、薬効成分を含有し、被膜形成性が良好で、皮膚への塗布性、速乾性が高く、形成される被膜のべたつき及びつっぱり感の抑制効果、被膜の外観及び耐久性にも優れ、使用後には水洗により容易に除去できる外用剤組成物に関する。
本発明者らは、薬効成分、所定の水不溶性ポリマー、pH調整剤、及び所定の溶媒成分を含有し、且つ所定の粘度を有する外用剤組成物が上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、下記に関する。
[1](A)薬効成分、(B)イオン性官能基を有する水不溶性ポリマー、(C)pH調整剤、(D)揮発性溶媒、及び(E)水を含有し、25℃における粘度が1.0mPa・s以上5,000mPa・s以下である外用剤組成物。
[2]上記[1]に記載の外用剤組成物からなる、ローション製剤、ジェル製剤、軟膏製剤、クリーム製剤、又は泡状製剤。
[3]上記[1]に記載の外用剤組成物を用いた、エアゾール製剤又はポンプスプレー型製剤。
[4](A)薬効成分、(B)イオン性官能基を有する水不溶性ポリマー、(C)pH調整剤、(D)揮発性溶媒、及び(E)水を含有し、25℃における粘度が1.0mPa・s以上5,000mPa・s以下である外用剤組成物を皮膚に適用し、次いで乾燥させる工程(1)を有する、外用剤組成物の使用方法。
[5]上記[1]に記載の外用剤組成物を皮膚に直接塗布又は噴霧して適用する工程を有する、被膜の製造方法。
本発明によれば、薬効成分を含有し、被膜形成性が良好で、皮膚への塗布性、速乾性が高く、形成される被膜のべたつき及びつっぱり感の抑制効果、被膜の外観及び耐久性にも優れ、使用後には水洗により容易に除去できる外用剤組成物、これを用いた製剤、外用剤組成物の使用方法、及び被膜の製造方法を提供することができる。本発明の外用剤組成物により形成される被膜は水洗により容易に除去できるため、被膜除去時の肌負担を少なくすることができる。
[外用剤組成物]
本発明は、(A)薬効成分、(B)イオン性官能基を有する水不溶性ポリマー、(C)pH調整剤、(D)揮発性溶媒、及び(E)水を含有し、25℃における粘度が1.0mPa・s以上5,000mPa・s以下である外用剤組成物に関する。以下、当該組成物を適宜「本発明の組成物」ともいう。
<定義>
本明細書において「外用剤組成物」とは、主として皮膚表面に適用する組成物をいう。
本明細書において「イオン性官能基」とは、アニオン基、カチオン基、両性基、又は、イオン化されてアニオン基又はカチオン基になり得る官能基をいう。また、アニオン基及びイオン化されてアニオン基になり得る官能基を「アニオン性基」、カチオン基及びイオン化されてカチオン基になり得る官能基を「カチオン性基」という。
本明細書において「水不溶性ポリマー」とは、23℃、1気圧の環境下において、ポリマー1gを10gのイオン交換水に浸漬し、24時間経過後、浸漬したポリマーの0.5g超が溶解しない性質を有するものをいう。
本明細書において「揮発性溶媒」とは、溶剤1gを直径48mmのガラスシャーレに広げ、25℃、常圧で24時間放置後の質量減少率が1%以上であり、25℃で液状であって且つ水以外の成分を意味する。
また、本明細書において、被膜の汗、湿度等に対する耐性(耐湿性)と、被膜の擦れ落ちにくさ(耐擦過性)とを纏めて「被膜の耐久性」と称する。
本発明の組成物は前記構成を有することにより、薬効成分を持続的に皮膚に徐放することができ、被膜形成性が良好で、皮膚への塗布性、速乾性が高く、形成される被膜のべたつき及びつっぱり感の抑制効果、被膜の外観及び耐久性にも優れ、使用後には水洗により容易に除去できるものとなる。その理由については定かではないが、次のように考えられる。
本発明の組成物は、被膜形成成分として、成分(B)であるイオン性官能基を有する水不溶性ポリマーを含有する、被膜形成性を有する組成物である。本発明の組成物を皮膚に適用し、次いで乾燥させると、少なくとも成分(D)、(E)が揮発し、成分(A)及び成分(B)を含む被膜が形成される。
成分(B)は水不溶性であることから、疎水性の高い被膜を形成できるので、皮膚への適用後も汗、湿度等により被膜が擦れ落ちにくく、薬効成分を持続的に皮膚に徐放することが可能となる。さらに本発明においては、成分(B)中のイオン性官能基が成分(C)の存在により適度にイオン化されるため、形成される被膜が水洗で容易に除去できると考えられる。
成分(D)は組成物の塗布性、速乾性、保存安定性等の向上に寄与し、成分(E)は被膜の除去性向上、及び組成物の保存安定性の向上にも寄与すると考えられる。さらに本発明の組成物は、粘度が所定の範囲であることにより、組成物が皮膚になじみやすくなり、被膜形成性及び被膜の耐久性と、塗布性及び速乾性とを両立させることができると考えられる。
<成分(A):薬効成分>
本発明の組成物は、成分(A)として薬効成分を含有する。外用剤組成物に用いる観点から、成分(A)は経皮投与可能な皮膚外用薬成分であることが好ましい。具体的には、成分(A)は、消炎鎮痛成分、局所刺激成分、血行促進成分、抗ヒスタミン成分、生薬成分、鎮痒成分、局所麻酔成分、角質軟化成分、殺菌成分、及び抗菌成分からなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
消炎鎮痛成分としては、サリチル酸グリコール、サリチル酸メチル、アスピリン、スルピリン水和物、アセトアミノフェン、ジクロフェナクナトリウム、フェンブフェン、イブプロフェン、アミノプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム又はその水和物、ナプロキセン、オキサプロフェン、ケトプロフェン、チアプロフェン酸、スリンダク、フルフェナム酸アルミニウム、フェルビナク、メフェナム酸、インドメタシン、インドメタシンファルネシル、アセメタシン、プログルメタシンマレイン酸塩、ベンダザック、ピロキシカム、アンピロキシカム、ロルノキシカム、テノキシカム、メロキシカム、エトドラク、チアラミド塩酸塩、ブコローム、フルルビプロフェン、エスフルルビプロフェン、リゾチーム塩酸塩、ブロメライン、塩酸ジフェンヒドラミン、ジブカイン、ジメチルイソプロピルアズレン、塩化ベンゼトニウム、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、酸化亜鉛、アラントイン、ヘパリン類似物質、グリチルレチン酸等が挙げられる。
局所刺激成分としては、l-メントール、dl-カンフル、ノニル酸ワニリルアミド、アンモニア、ハッカ油等が挙げられる。
血行促進成分としては、ニコチン酸ベンジル、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、トコフェロール酢酸エステル等が挙げられる。
抗ヒスタミン成分としては、ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩等が挙げられる。
生薬成分としては、トウガラシ、ユーカリ油、オウバク、アルニカチンキ、ジュウヤク、シャクヤク、ヨモギ、ケイヒ、センキュウ、コウブシ、ソウジュツ、ダイウイキョウ、マツブサ、チンピ、ニンジン、マグロップ、チョウジ、ショウキョウ、サンシシ、カンゾウ、ウイキョウ、モクツウ、コウカ、コウボク、トウヒ、インチン等が挙げられる。
鎮痒成分としては、クロタミトン、コルチゾン酢酸エステル、イソチペンジル塩酸塩、ベンザルコニウム塩化物、カラミン、d-ボルネオール、アンモニア水、ヒドロコルチゾン、ドロコルチゾン酢酸エステル、ヒドロコルチゾン酪酸エステル、デキサメタゾン、デキサメタゾン酢酸エステル、プレドニゾロン、プレドニゾロン酢酸エステル、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、ウフェナマート等が挙げられる。
局所麻酔成分としては、リドカイン、メピバカイン、ブピバカイン、ロピバカイン、レボプピバカイン、ジブカイン、ジブカイン塩酸塩、アミノ安息香酸エチル等が挙げられる。
角質軟化成分としては、尿素、イオウ、サリチル酸等が挙げられる。
殺菌成分としては、グルコン酸クロルヘキシジン、銅クロロフィリンナトリウム、イソプロピルメチルフェノール、セチルピリジニウム塩化物水和物、ベンゼトニウム塩化物、塩化ベンザルコニウム、レゾルシン、アクリノール水和物、クロルヘキシジングルコン酸塩、ポピドンヨード、ヨウ素・ヨウ化カリウム、マーキュロクロム、オキシドール、クレゾール、ヨードホルム、チモール等が挙げられる。
また抗菌成分としては、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、フェニル-11-ヨード-10-ウンデシノエート、エキサラミド、クロトリマゾール、硝酸エコナゾール、硝酸ミコナゾール、チオコナゾール、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、シクロピロクスオラミン、シッカニン、トリコマイシン、ピロールニトリン、チアントール、2,4,6-トリブロムフェニルカプロン酸エステル、トリメチルセチルアンモニウムペンタクロロフェネート、トルシクラート、トルナフタート、ハロプロジン、木槿皮、安息香酸ベルベリン、塩化デカリニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン液、酢酸デカリニウム、ヒノキチオール、レブルシン、安息香酸、クロロブタノール、酢酸、フェノール、ヨードチンキ、塩酸ジフェニルピラリン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、ジフェニルイミダゾール、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジブカイン、塩酸プロカイン、塩酸リドカイン、アルジオキサ、グリチルリチン酸及びその塩類、シコン、トウキ、竜脳、フタル酸ジエチル、クロルヒドロキシアルミニウム、ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系、モノバクタム系、ペネム系、アミノグリコシド系、ホスホマイシン系、クロラムフェニコール系、マクロライド系、グリコペプチド系、キノロン系、ニューキノロン系、サルファ剤、フラジオマイシン硫酸塩、ゲンタマイシン硫酸塩、ペンタミジンイセチオン酸塩、スルファジアジン銀、オキシコナゾール硝酸塩、スルコナゾール硝酸塩、ビホナゾール、ネチコナゾール塩酸塩、ラノコナゾール、テナフィン塩酸塩、アモロルフィン塩酸塩、テルビナフィン塩酸塩等が挙げられる。
成分(A)は、上記薬効成分のうち1種又は2種以上を用いることができる。
上記の中でも、成分(A)は皮膚の露出部及び屈曲部に使用される外用剤組成物である観点から、消炎鎮痛成分、局所刺激成分、血行促進成分、抗ヒスタミン成分、及び生薬成分からなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、消炎鎮痛成分及び局所刺激成分からなる群から選ばれる1種以上を含むことがより好ましい。具体的には、成分(A)はサリチル酸グリコール、サリチル酸メチル、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム、ケトプロフェン、フェルビナク、インドメタシン、ピロキシカム、フルルビプロフェン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、l-メントール、dl-カンフル、ノニル酸ワニリルアミド、ハッカ油、ニコチン酸ベンジル、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、トコフェロール酢酸エステル、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミンマレイン酸塩、トウガラシ、ユーカリ油、及びオウバクからなる群から選ばれる1種以上を含むことがより好ましく、サリチル酸グリコール、ロキソプロフェンナトリウム、フェルビナク、l-メントール、及びノニル酸ワニリルアミドからなる群から選ばれる1種以上を含むことがさらに好ましい。
<成分(B):イオン性官能基を有する水不溶性ポリマー>
本発明の組成物は、成分(B)としてイオン性官能基を有する水不溶性ポリマーを含有する。成分(B)は被膜形成成分であり、組成物の被膜形成性、及び速乾性を向上させ、被膜のべたつきを抑えるとともに、前述した作用機構により成分(A)の皮膚への徐放性、外観、及び耐久性が高い被膜の形成を可能にすると考えられる。また成分(C)と併用することにより、水洗により容易に除去できる被膜を形成できると考えられる。
被膜形成性向上の観点から、成分(B)は被膜形成性のポリマーであることが好ましい。なお、成分(B)の「イオン性官能基」及び「水不溶性」の定義は前記の通りである。
イオン性官能基としては、アニオン性基、カチオン性基、及び両性基が挙げられ、被膜の除去性向上の観点からは、好ましくはアニオン性基及びカチオン性基からなる群から選ばれる1種以上である。
アニオン性基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、亜リン酸基等が挙げられ、カチオン性基としては、アンモニウム、ホスホニウム、スルホニウム等のオニウムを有する基、及び、1~3級アミノ基が挙げられる。
成分(B)の溶解度パラメータ(SP値)は、形成される被膜のつっぱり感を抑える観点、成分(A)の皮膚への徐放性を向上させる観点、及び被膜の除去性向上の観点から、好ましくは17.00以上、より好ましくは18.00以上、さらに好ましくは20.00以上、よりさらに好ましくは21.00以上である。また、形成される被膜のべたつきを抑える観点、成分(A)の皮膚への徐放性を向上させる観点、及び被膜の耐久性向上の観点から、好ましくは27.00以下、より好ましくは25.00以下、さらに好ましくは24.00以下である。そして、成分(B)のSP値は、好ましくは17.00以上27.00以下、より好ましくは18.00以上25.00以下、さらに好ましくは20.00以上25.00以下、よりさらに好ましくは21.00以上24.00以下である。
上記SP値は、溶解度パラメータ計算ソフトウェア(Hansen Solubility Parameters in Practice 4th Edition 4.1.03)により計算することができる。なお本明細書において、SP値は、ハンセン(Hansen)の溶解度パラメータに基づいて算出する。ハンセン溶解度パラメータは、ヒルデブランド(Hildebrand)の溶解度パラメータを、分散項δD、極性項δP、水素結合項δHの3成分に分割し、3次元空間に表したものである。具体的には、SP値δは下記式を用いて算出される。
δ=(δD+δP+δH1/2
また2種以上の成分の混合物におけるSP値は、以下の要領で算出できる。
例えば、成分1と成分2の2種の成分の混合物を「混合物X」とし、混合物Xを構成する成分1と成分2のハンセンの溶解度パラメータをそれぞれ[δD1,δP1,δH1]、[δD2,δP2,δH2]とし、成分1と成分2の体積比率をV1:V2とすると、混合物Xの分散項δDm、極性項δPm、水素結合項δHmは、下記式で表される。なお、ポリマーの場合、比重は1.0として計算した。 δDm=(V1×δD1+V2×δD2)/(V1+V2)
δPm=(V1×δP1+V2×δP2)/(V1+V2)
δHm=(V1×δH1+V2×δH2)/(V1+V2)
混合物XのSP値δxは、下記式から求められる。
δx=(δDm+δPm+δHm1/2
成分(B)の種類としては、被膜のべたつき及びつっぱり感を抑える観点、皮膚へのなじみやすさ、被膜形成性及び耐久性を向上させる観点から、成分(B)はイオン性官能基を有する、アクリル系ポリマー、セルロース系ポリマー、及びビニル系ポリマーからなる群から選ばれる1種以上の水不溶性ポリマーであることが好ましい。より好ましくは、アニオン性基及びカチオン性基から成る群から選ばれる1種以上のイオン性官能基を有する、アクリル系ポリマー、セルロース系ポリマー、及びビニル系ポリマーからなる群から選ばれる1種以上の水不溶性ポリマーであってSP値が前記範囲であるポリマーである。
成分(B)として用いられる、イオン性官能基を有するアクリル系ポリマーとしては、(メタ)アクリル基を有するモノマーに由来する構成単位を少なくとも含むイオン性官能基含有ポリマーのうち、水不溶性のものが挙げられる。なお、本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリルとメタクリルの両方を意味する。
該アクリル系ポリマーの具体例としては、例えば、(アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミド)共重合体、アクリルアミド・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体、アクリル酸・アクリル酸オクチルエステル共重合体、アクリル酸2-エチルヘキシル・アクリル酸メチル・アクリル酸・メタクリル酸グリシジル共重合体、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体等のうち、水不溶性のものが挙げられる。
上記のうち、(アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミド)共重合体は、下記一般式(1)で表される構成単位を有するポリマーであり、化粧品成分表示名称「(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMP」を用いることができる。
Figure 2022117408000001

式(1)中、Rは-OH又は-OC2n+1であり、Rは-OH、-OC2n+1、又はNHC(CHCHCOCHである。nは1以上の整数であり、p、qは構成単位の繰り返し数である。
アクリルアミド・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体としては、医薬品添加物規格2018(厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課)に記載の「アクリル酸アミド・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体液」を用いることができる。
また、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体としては、医薬品添加物として知られる「アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS」を用いることができる。
成分(B)として用いられる、イオン性官能基を有するセルロース系ポリマーとしては、セルロース骨格を有するイオン性官能基含有ポリマーのうち水不溶性であるものが挙げられる。該セルロース系ポリマーとしては、カルボキシメチルセルロース、ヒプロメロースフタル酸エステル等のうち、水不溶性のものが挙げられる。
成分(B)として用いられる、イオン性官能基を有するビニル系ポリマーとしては、ビニル基を有するモノマーに由来する構成単位を少なくとも含むイオン性官能基含有ポリマーであって前記アクリル系ポリマーに属さないポリマーのうち、水不溶性のものが挙げられる。該ビニル系ポリマーとしては、カチオン化ポリビニルアルコール、カチオン化ポリビニルブチラール等のうち、水不溶性のものが挙げられる。
成分(B)は1種又は2種以上を用いることができる。
上記の中でも、成分(B)は、好ましくは(アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミド)共重合体、アクリルアミド・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体、アクリル酸・アクリル酸オクチルエステル共重合体、アクリル酸2-エチルヘキシル・アクリル酸メチル・アクリル酸・メタクリル酸グリシジル共重合体、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体、カルボキシメチルセルロース、及びヒプロメロースフタル酸エステルからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくは(アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミド)共重合体、アクリルアミド・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体、及びヒプロメロースフタル酸エステルからなる群から選ばれる1種以上であり、且つ、SP値が前記範囲のものである。
<成分(C):pH調整剤>
本発明の組成物は、成分(C)としてpH調整剤(但し、成分(A)又は成分(B)に該当するものを除く)を含有する。成分(C)は成分(B)と併用することにより、水洗により容易に除去できる被膜を形成できると考えられる。
成分(C)としては、酸、アルカリ剤、緩衝剤等が挙げられ、成分(B)のイオン性官能基の種類等に応じて選択することができる。被膜の除去性向上の観点から、成分(C)はアルカリ剤又は緩衝剤であることが好ましく、より好ましくはアルカリ剤である。
成分(C)として用いられる酸は、有機酸、無機酸のいずれでもよい。
有機酸としては、カルボン酸化合物、有機スルホン酸化合物等が挙げられ、pH調整の容易性の観点から、カルボン酸化合物が好ましい。該カルボン酸化合物としては、例えば、プロピオン酸、ブタン酸等の、炭素数3以上6以下の脂肪族モノカルボン酸;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸等の、炭素数6以下の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;ポリグルタミン酸等のポリカルボン酸;グリコール酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等の、炭素数6以下のヒドロキシカルボン酸;グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸等が挙げられる。
無機酸としては、塩酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。
上記の酸の中でも、被膜の除去性向上の観点から、好ましくは有機酸であり、より好ましくは炭素数6以下の脂肪族ジカルボン酸及び炭素数6以下のヒドロキシカルボン酸からなる群から選ばれる1種以上、さらに好ましくはコハク酸及びクエン酸からなる群から選ばれる1種以上である。
成分(C)として用いられるアルカリ剤は、有機アルカリ剤、無機アルカリ剤のいずれでもよい。
有機アルカリ剤としては、アミン化合物が好ましく、例えば、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、L-アルギニン、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン等が挙げられる。
無機アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の金属炭酸塩等が挙げられ、これらの中でも金属水酸化物が好ましい。
成分(C)として用いられる緩衝剤としては、トリス-塩酸緩衝液、炭酸-重炭酸緩衝液等が挙げられる。
成分(C)は、1種又は2種以上を用いることができる。
上記の中でも、成分(C)は被膜の除去性向上の観点から、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、水酸化カリウム、及び水酸化カルシウムからなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、水酸化カリウム、及び水酸化カルシウムからなる群から選ばれる1種以上を含むことがより好ましい。
<成分(D):揮発性溶媒>
本発明の組成物は、成分(D)として揮発性溶媒(但し、成分(A)に該当するものを除く)を含有する。成分(D)は組成物の塗布性、速乾性、保存安定性等の向上に寄与する。
成分(D)の「揮発性溶媒」の定義は前記の通りである。
成分(D)としては、揮発性を有する、アルコール、ケトン、エステル、炭化水素、シリコーン等が挙げられる。
成分(D)として用いられるアルコールは、低級アルコールが好ましい。「低級アルコール」とは、好ましくは炭素数4以下の1価アルコールであり、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコールが挙げられる。
成分(D)として用いられるケトンとしてはアセトン、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン等、エステルとしては酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等、炭化水素としては揮発性流動パラフィン等、シリコーンとしては直鎖状ポリジメチルシロキサン、環状シロキサン等が挙げられる。
成分(D)は、1種又は2種以上を用いることができる。
組成物の塗布性及び速乾性向上の観点、成分(A)~(C)の溶解性又は分散性の観点、及び組成物の保存安定性の観点から、成分(D)は好ましくは炭素数4以下の1価アルコールであり、より好ましくはエタノール、n-プロピルアルコール及びイソプロピルアルコールからなる群から選ばれる1種以上、さらに好ましくはエタノール及びイソプロピルアルコールからなる群から選ばれる1種以上である。
<成分(E):水>
本発明の組成物は、成分(E)として水を含有する。成分(E)は被膜の除去性向上、及び保存安定性の向上にも寄与する。
成分(E)としては、特に制限はなく、例えばイオン交換水、純水、蒸留水等を用いることができる。
<その他の成分>
本発明の外用剤組成物は前記成分の他、本発明の目的を損なわない範囲で、外用剤組成物に通常配合されるその他の成分を適宜含有してもよい。当該成分としては、例えば、界面活性剤、油剤、水溶性高分子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ビタミン剤、防腐剤、pH調整剤、香料、成分(A)以外の植物エキス類、保湿剤、着色剤、清涼剤、制汗剤、皮膚賦活剤等が挙げられる。
<含有量>
本発明の外用剤組成物中の各成分の含有量は、薬効成分を持続的に皮膚に徐放することができ、被膜形成性が良好で、皮膚への塗布性、速乾性が高く、形成される被膜のべたつき及びつっぱり感の抑制、外観、耐久性等の向上効果にも優れ、使用後には水洗により容易に除去できる外用剤組成物を得る観点から、好ましくは以下の通りである。
組成物中の成分(A)の含有量は、薬効成分としての十分な効果を確保する観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上、よりさらに好ましくは0.1質量%以上、よりさらに好ましくは1.0質量%以上であり、組成物の保存安定性向上の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下、よりさらに好ましくは10質量%以下、よりさらに好ましくは5.0質量%以下である。そして、組成物中の成分(A)の含有量は、好ましくは0.001質量%以上30質量%以下、より好ましくは0.005質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以上15質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、さらに好ましくは1.0質量%以上5.0質量%以下である。
成分(A)がサリチル酸グリコールを含有する場合、組成物中のサリチル酸グリコールの含有量は好ましくは0.1質量%以上30質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは1.0質量%以上15質量%以下、さらに好ましくは2.0質量%以上12質量%以下、さらに好ましくは2.0質量%以上5.0質量%以下であり、成分(A)がロキソプロフェンナトリウムを含有する場合、組成物中のロキソプロフェンナトリウムの含有量は好ましくは0.01質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.05質量%以上10質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以上5.0質量%以下である。成分(A)がフェルビナクを含有する場合、組成物中のフェルビナクの含有量は好ましくは0.01質量%以上30質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以上15質量%以下、よりさらに好ましくは1.0質量%以上10質量%以下、よりさらに好ましくは1.5質量%以上5.0質量%以下であり、成分(A)がl-メントールを含有する場合、組成物中のl-メントールの含有量は好ましくは0.01質量%以上30質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以上10質量%以下である。成分(A)がノニル酸ワニリルアミドを含有する場合、組成物中のノニル酸ワニリルアミドの含有量は、好ましくは0.001質量%以上15質量%以下、より好ましくは0.005質量%以上10質量%以下、さらに好ましくは0.010質量%以上5.0質量%以下、よりさらに好ましくは0.010質量%以上1.0質量%以下、よりさらに好ましくは0.010質量%以上0.1質量%以下である。
組成物中の成分(B)の含有量は、被膜形成性及び被膜の耐久性の観点、及び被膜の除去性向上の観点から、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1.0質量%以上であり、組成物の塗布性及び速乾性向上の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは12質量%以下、さらに好ましくは5.0質量%以下である。そして、組成物中の成分(B)の含有量は、好ましくは0.005質量%以上30質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上30質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以上25質量%以下、よりさらに好ましくは0.5質量%以上12質量%以下、よりさらに好ましくは1.0質量%以上5.0質量%以下である。
成分(B)が(アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミド)共重合体を含有する場合、組成物中の該共重合体の含有量はよりさらに好ましくは0.5質量%以上15質量%以下、よりさらに好ましくは0.5質量%以上10質量%以下、よりさらに好ましくは1.0質量%以上7.0質量%以下、よりさらに好ましくは1.5質量%以上5.0質量%以下であり、成分(B)がアクリルアミド・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体を含有する場合、組成物中の該共重合体の含有量はよりさらに好ましくは0.5質量%以上10質量%以下であり、成分(B)がヒプロメロースフタル酸エステルを含有する場合、組成物中のヒプロメロースフタル酸エステルの含有量はよりさらに好ましくは0.1質量%以上20質量%以下、よりさらに好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、よりさらに好ましくは0.5質量%以上7.0質量%以下、よりさらに好ましくは1.0質量%以上5.0質量%以下である。
組成物中の成分(C)の含有量は、形成される被膜のつっぱり感抑制の観点、及び被膜の除去性向上の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは1.0質量%以上であり、被膜形成性、形成される被膜のべたつき抑制の観点、及び被膜の耐久性を維持する観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5.0質量%以下である。そして、組成物中の成分(C)の含有量は、好ましくは0.01質量%以上50質量%以下、より好ましくは0.05質量%以上30質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以上20質量%以下、よりさらに好ましくは0.1質量%以上15質量%以下、よりさらに好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、よりさらに好ましくは1.0質量%以上5.0質量%以下である。
成分(C)がジイソプロパノールアミンを含有する場合、組成物中のジイソプロパノールアミンの含有量は好ましくは0.01質量%以上15質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上10質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以上7.0質量%以下、よりさらに好ましくは1.0質量%以上5.0質量%以下である。成分(C)がトリエタノールアミンを含有する場合、組成物中のトリエタノールアミンの含有量は好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上5.0質量%以下であり、成分(C)が2-アミノ-2-メチルプロパノールを含有する場合、組成物中の2-アミノ-2-メチルプロパノールの含有量は好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上5.0質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以上1.0質量%以下である。
また成分(C)が水酸化カリウムを含有する場合、組成物中の水酸化カリウムの含有量はよりさらに好ましくは0.1質量%以上15質量%以下、よりさらに好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、よりさらに好ましくは0.1質量%以上5.0質量%以下、よりさらに好ましくは0.1質量%以上1.0質量%以下であり、成分(C)が水酸化カルシウムを含有する場合、組成物中の水酸化カルシウムの含有量はよりさらに好ましくは0.1質量%以上15質量%以下、よりさらに好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、よりさらに好ましくは0.1質量%以上5.0質量%以下、よりさらに好ましくは0.1質量%以上2.0質量%以下である。
組成物中の成分(D)の含有量は、組成物の塗布性、速乾性、保存安定性向上、及び被膜形成性を維持する観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは45質量%以上、よりさらに好ましくは65質量%以上であり、被膜形成性を維持する観点から、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下、よりさらに好ましくは75質量%以下である。そして、組成物中の成分(D)の含有量は、好ましくは10質量%以上95質量%以下、より好ましくは25質量%以上90質量%以下、さらに好ましくは45質量%以上80質量%以下、よりさらに好ましくは65質量%以上75質量%以下である。
成分(D)としてエタノールを含有する場合、組成物中のエタノールの含有量は、さらに好ましくは30質量%以上90質量%以下であり、よりさらに好ましくは30質量%以上75質量%以下、よりさらに好ましくは45質量%以上75質量%以下であり、成分(D)としてイソプロピルアルコールを含有する場合、組成物中のイソプロピルアルコールの含有量は、さらに好ましくは30質量%以上90質量%以下であり、よりさらに好ましくは30質量%以上75質量%以下、よりさらに好ましくは45質量%以上75質量%以下である。
また、組成物中の成分(E)の含有量は、組成物の塗布性、及び被膜の除去性向上、被膜の形成性の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは5.0質量%以上、よりさらに好ましくは15質量%以上であり、組成物の塗布性向上の観点、及び組成物の速乾性を維持する観点から、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、よりさらに好ましくは25質量%以下、よりさらに好ましくは23質量%以下、よりさらに好ましくは21質量%以下である。そして、組成物中の成分(E)の含有量は、好ましくは0.1質量%以上70質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上50質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以上30質量%以下、よりさらに好ましくは0.5質量%以上25質量%以下、よりさらに好ましくは0.5質量%以上23質量%以下、よりさらに好ましくは5.0質量%以上23質量%以下、よりさらに好ましくは15質量%以上21質量%以下である。
組成物中の成分(A)~(E)の合計含有量は、本発明の効果を得る観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、よりさらに好ましくは90質量%以上であり、また、100質量%以下である。
組成物中の成分(D)に対する成分(E)の質量比[(E)/(D)]は、組成物の塗布性、速乾性、被膜形成性、並びに保存安定性向上の観点から、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.05以上、さらに好ましくは0.15以上、よりさらに好ましくは0.20以上であり、同様の観点から、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.0以下、さらに好ましくは0.80以下、よりさらに好ましくは0.40以下である。そして、組成物中の質量比[(E)/(D)]は、好ましくは0.005以上3.0以下、より好ましくは0.05以上2.0以下、さらに好ましくは0.15以上0.80以下、よりさらに好ましくは0.20以上0.40以下である。
組成物中の成分(B)及び成分(C)の合計量に対する成分(A)の質量比[(A)/{(B)+(C)}]は、薬効成分としての十分な効果を確保する観点、成分(A)の皮膚への徐放性を向上させる観点から、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.005以上、さらに好ましくは0.01以上、よりさらに好ましくは0.05以上、よりさらに好ましくは0.10以上であり、成分(A)の結晶化抑制の観点、形成される被膜の耐久性の観点、組成物の保存安定性向上の観点から、好ましくは5.00以下、より好ましくは3.00以下、さらに好ましくは2.50以下、よりさらに好ましくは1.50以下である。そして、組成物中の質量比[(A)/{(B)+(C)}]は、好ましくは0.001以上5.00以下、より好ましくは0.005以上3.00以下、さらに好ましくは0.01以上2.50以下、よりさらに好ましくは0.05以上2.50以下、よりさらに好ましくは0.10以上2.50以下、よりさらに好ましくは0.10以上1.50以下である。
組成物中の成分(D)及び成分(E)の合計量に対する成分(B)の質量比[(B)/{(D)+(E)}]は、被膜形成性の観点から、好ましくは0.0001以上、より好ましくは0.001以上、さらに好ましくは0.01以上であり、組成物の速乾性向上の観点から、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.50以下、さらに好ましくは0.20以下、よりさらに好ましくは0.12以下、よりさらに好ましくは0.10以下である。そして、組成物中の質量比[(B)/{(D)+(E)}]は、好ましくは0.0001以上1.0以下、より好ましくは0.001以上0.50以下、さらに好ましくは0.01以上0.20以下、よりさらに好ましくは0.01以上0.12以下、よりさらに好ましくは0.01以上0.10以下である。
<粘度>
本発明の外用剤組成物の25℃における粘度は、皮膚への塗布性向上の観点、及び形成される被膜の均一性の観点から、1.0mPa・s以上であり、好ましくは3.0mPa・s以上、より好ましくは5.0mPa・s以上である。また、組成物の速乾性向上の観点、及び形成される被膜の外観向上の観点から、5,000mPa・s以下であり、好ましくは3,000mPa・s以下、より好ましくは1,000mPa・s以下、さらに好ましくは500mPa・s以下、よりさらに好ましくは100mPa・s以下である。そして、外用剤組成物の25℃における粘度は、1.0mPa・s以上5,000mPa・s以下であり、好ましくは3.0mPa・s以上3,000mPa・s以下、より好ましくは5.0mPa・s以上1,000mPa・s以下、さらに好ましくは5.0mPa・s以上500mPa・s以下、よりさらに好ましくは5.0mPa・s以上100mPa・s以下である。
外用剤組成物の25℃における粘度は、1,000mPa・s以下の組成物については振動式粘度計、1000mPa・sを超えた組成物についてはB型回転粘度計によりそれぞれ測定される値であり、具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
<pH>
本発明の外用剤組成物の25℃におけるpHは、被膜の洗浄性向上の観点から、好ましくは5.0以上、より好ましくは5.5以上、さらに好ましくは6.0以上であり、形成される被膜の耐久性の観点から、好ましくは9.5以下、より好ましくは9.0以下、さらに好ましくは8.5以下、よりさらに好ましくは8.0以下である。そして、外用剤組成物の25℃におけるpHは、好ましくは5.0以上9.5以下、より好ましくは5.0以上9.0以下、さらに好ましくは5.5以上8.5以下、よりさらに好ましくは6.0以上8.0以下である。
外用剤組成物の25℃におけるpHは、pHメータにより測定することができ、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。また、外用剤組成物をエアゾール原液として用いたエアゾール製剤においては、25℃におけるpHは、25℃環境下で、エアゾール容器に充填した外用剤組成物を吐出して、吐出3分後に、pHメータを用いて測定することができる。
<Δ(SP-SPB+C)>
また本発明の組成物は、成分(A)の皮膚への徐放性を向上させる観点、及び組成物の保存安定性向上の観点から、成分(A)のSP値(SP)と、成分(B)及び成分(C)の混合物のSP値(SPB+C)との差の絶対値[Δ(SP-SPB+C)]が、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.15以上であり、また、好ましくは10.00以下、より好ましくは8.00以下、さらに好ましくは7.00以下、よりさらに好ましくは5.00以下である。そして、[Δ(SP-SPB+C)]は、好ましくは0.10以上10.00以下、より好ましくは0.15以上8.00以下、さらに好ましくは0.15以上7.00以下、よりさらに好ましくは0.15以上5.00以下である。
[Δ(SP-SPB+C)]が0.10以上であれば、成分(A)と被膜との相溶性が過度に高くならず、成分(A)の皮膚側への徐放性が良好に保たれる。また、10.00以下であれば成分(A)と被膜との相溶性が過度に低くならず、結晶性の成分(A)を用いた場合でも該成分(A)の結晶化を抑制できるため、成分(A)の皮膚側への徐放性が良好に保たれる。
成分(A)のSP値(SP)、及び、成分(B)及び成分(C)の混合物のSP値(SPB+C)は、前記と同様の方法で算出することができる。なお成分(C)に関しては、有機物のSP値のみを考慮するものとする。
<剤型等>
本発明の外用剤組成物は、皮膚外用剤組成物として用いることが好ましい。
本発明の外用剤組成物の剤型は、皮膚に適用可能な形態であればよい。例えば、本発明の外用剤組成物からなる、ローション製剤、ジェル製剤、軟膏製剤、クリーム製剤、又は泡状製剤;本発明の外用剤組成物を用いた、エアゾール製剤又はポンプスプレー型製剤;等が挙げられる。泡状製剤としては、本発明の外用剤組成物をポンプフォーマー等に充填し、泡状に吐出して用いられる製剤等が挙げられる。
また、本発明の組成物を、静電スプレー装置を用いて皮膚に静電スプレーすることもできる。静電スプレーについては後述する。
エアゾール製剤は、前記外用剤組成物と、噴射剤とを含有するものである。本発明の外用剤組成物をエアゾール原液として用いたエアゾール製剤は、該組成物を皮膚に噴霧して適用することで冷涼感等を与えることができる。
エアゾール製剤において、エアゾール原液として用いられる外用剤組成物及びその好適態様は、前記と同じである。すなわち、エアゾール原液中の成分(A)~(E)の含有量及び性状は前記範囲であることが好ましい。
エアゾール製剤に用いられる噴射剤としては、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン及びこれらの混合物である液化石油ガス(LPG);ジメチルエーテル等のエーテル類;窒素、二酸化炭素等の圧縮ガス;等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。
エアゾール製剤において、エアゾール原液である外用剤組成物と、噴射剤との量比は、外用剤組成物を皮膚に噴霧することが可能であれば特に制限されないが、エアゾール性能及び成分(A)の安定性の観点から、外用剤組成物と噴射剤との質量比として、好ましくは1:0.01~1:10、より好ましくは1:0.05~1:7.5の範囲である。
噴射剤がLPGである場合、外用剤組成物とLPGとの質量比は、さらに好ましくは1:0.5~1:5であり、噴射剤がジメチルエーテルである場合、外用剤組成物とジメチルエーテルとの質量比は、さらに好ましくは1:0.1~1:5であり、噴射剤が二酸化炭素である場合、外用剤組成物と二酸化炭素との質量比は、さらに好ましくは1:0.1~1:0.5である。
エアゾール製剤に用いるエアゾール容器としては、金属製、プラスチック製等の公知の耐圧容器、並びに、耐圧容器の内部に内袋が収容された二重構造容器が挙げられる。二重構造容器においては、内袋にエアゾール原液である外用剤組成物を充填し、耐圧容器と内袋との間に噴射剤を充填することが好ましい。
エアゾール製剤の調製方法は特に制限されない。例えば、前記エアゾール容器にエアゾール原液である外用剤組成物を充填してバルブを取り付け、次いでバルブ部分から噴射剤を充填することにより調製することができる。
[使用方法]
本発明はまた、(A)薬効成分、(B)イオン性官能基を有する水不溶性ポリマー、(C)pH調整剤、(D)揮発性溶媒、及び(E)水を含有し、25℃における粘度が1.0mPa・s以上5,000mPa・s以下である外用剤組成物を皮膚に適用し、次いで乾燥させる工程(1)を有する、外用剤組成物の使用方法を提供する。
本発明の方法によれば、前記外用剤組成物を皮膚に適用し、次いで乾燥させることで、薬効成分である成分(A)を含有する被膜を皮膚表面に形成することができる。該被膜は耐湿性及び耐擦過性に優れ、且つ成分(A)の皮膚への徐放性が高いため、成分(A)を持続的に皮膚に徐放することができる。また該被膜は水洗で容易に除去できる被膜となる。
本発明の使用方法に用いられる外用剤組成物及びその好適態様は、前記と同じである。
以下、外用剤組成物を皮膚に適用し、次いで乾燥させる工程(1)を「被膜形成工程」又は「工程(1)」ともいう。
外用剤組成物の皮膚への適用方法としては、外用剤組成物の剤型等に応じて適宜選択することができ、例えば、塗布、流延、噴霧等により適用する方法が挙げられる。これらの中でも、塗布又は噴霧して適用することが好ましい。外用剤組成物を適用した後、自然乾燥等を行って乾燥させることにより少なくとも成分(D)、(E)が揮発し、成分(A)及び成分(B)を含有する被膜が皮膚表面に形成される。
本発明の方法において、外用剤組成物を皮膚に直接塗布して適用する場合は、外用剤組成物を手で、又は金属ローラー、プラスチックローラー、スポンジ状多孔体、筆等の塗布具を用いて適用することができる。
本発明の方法において、外用剤組成物を皮膚に噴霧して適用する場合、該組成物の噴霧方法としては、エアゾール、ポンプスプレー、又は静電スプレー装置を用いる方法が挙げられる。エアゾール及びポンプスプレーについては、外用剤組成物を原液として前記エアゾール製剤、ポンプスプレー製剤を調製し、該製剤を用いて外用剤組成物を皮膚に噴霧することができる。
静電スプレー装置は、具体的には前記外用剤組成物を収容可能な収容部と、該外用剤組成物を吐出するノズルと、該ノズルに電圧を印加する電源と、収容部から前記ノズルに前記外用剤組成物を送液する手段と、を備えるものである。その一実施形態として、片手で把持可能な寸法を有するハンディタイプの静電スプレー装置が挙げられる。
静電スプレー装置としては、国際公開第2018/194140号等において例示されるものを用いることができる。
外用剤組成物の適用部位は特に制限されないが、好ましくは身体部位の皮膚表面、より好ましくは手、腕、足、脚部、又は胴体部の皮膚表面が挙げられる。
外用剤組成物の皮膚への適用量については特に制限されないが、成分(A)を皮膚に対し十分に徐放する観点から、好ましくは0.5μL/cm以上、より好ましくは1μL/cm以上、さらに好ましくは3μL/cm以上である。また、形成される被膜の外観及び被膜除去性の観点から、好ましくは100μL/cm以下、より好ましくは50μL/cm以下である。
本発明の方法においては、前記工程(1)の後に、該工程(1)で形成した被膜を水と接触させて除去する工程(2)を有することが好ましい。該被膜は水と接触させることにより容易に除去できるため、被膜除去時の肌負担を低減することができる。
被膜を水と接触させて除去する方法としては、被膜を形成した皮膚表面を流水で洗い流す方法等が挙げられる。
[被膜の製造方法]
本発明はまた、前記外用剤組成物を皮膚に直接塗布又は噴霧して適用する工程を有する、被膜の製造方法を提供する。
前記外用剤組成物を皮膚に直接塗布して適用する場合は、前記と同様に、外用剤組成物を手で、又は金属ローラー等の塗布具を用いて適用することができる。
前記外用剤組成物を皮膚に直接噴霧して適用する場合、該組成物の噴霧方法としては、前記エアゾール、ポンプスプレー、又は静電スプレー装置を用いる方法が挙げられる。
外用剤組成物及び静電スプレー装置を用いて、静電スプレー法により外用剤組成物を皮膚に噴霧して適用する場合の被膜の製造方法の一実施形態について、以下に説明する。
まず、前記ハンディタイプの静電スプレー装置の収容部に外用剤組成物を充填し、使用者、すなわち静電スプレーによって皮膚の適用部位上に被膜を形成する者が該装置を手で把持し、ノズルが配置されている該装置の一端を、静電スプレーを行う適用部位に向ける。
この状態下に、静電スプレー装置のスイッチをオンにして静電スプレー法を行うことができる。装置の電源が入ることで、ノズルと皮膚との間には電界が生じ、ノズルに正の高電圧が印加され、皮膚が負極となる。ノズルと皮膚との間に電界が生じると、ノズル先端部の外用剤組成物は、静電誘導によって分極して先端部分がコーン状になり、コーン先端から帯電した外用剤組成物の液滴が電界に沿って、皮膚に向かって空中に吐出される。空間に吐出され且つ帯電した外用剤組成物から揮発性成分である成分(D)、(E)が蒸発していくと、外用剤組成物表面の電荷密度が過剰となり、クーロン反発力によって微細化を繰り返しながら空間に広がり、皮膚に到達する。この場合、外用剤組成物の粘度や、揮発性溶媒の量、ポリマーの種類と量、流量と電圧等を適切に調整することで、噴霧された該組成物を液滴の状態で適用部位に到達させることができる。好ましくは空間に吐出されている間に、成分(D)、(E)を液滴から揮発させ、主たる被膜形成成分である成分(B)を固化させつつ、電位差によって伸長変形させながら繊維を形成し、その繊維を適用部位に堆積させることもできる。これによって、繊維の堆積物からなる多孔性被膜が適用部位の表面に形成される。
上述の実施形態に関し、本発明はさらに以下の実施態様を開示する。
<1>
(A)薬効成分、(B)イオン性官能基を有する水不溶性ポリマー、(C)pH調整剤、(D)揮発性溶媒、及び(E)水を含有し、25℃における粘度が1.0mPa・s以上、好ましくは3.0mPa・s以上、より好ましくは5.0mPa・s以上であり、5,000mPa・s以下、好ましくは3,000mPa・s以下、より好ましくは1,000mPa・s以下、さらに好ましくは500mPa・s以下、よりさらに好ましくは100mPa・s以下である、外用剤組成物。
<2>
25℃におけるpHが好ましくは5.0以上、より好ましくは5.5以上、さらに好ましくは6.0以上であり、好ましくは9.5以下、より好ましくは9.0以下、さらに好ましくは8.5以下、よりさらに好ましくは8.0以下である、<1>に記載の外用剤組成物。
<3>
成分(B)の溶解度パラメータ(SP値)が、好ましくは17.00以上、より好ましくは18.00以上、さらに好ましくは20.00以上、よりさらに好ましくは21.00以上であり、好ましくは27.00以下、より好ましくは25.00以下、さらに好ましくは24.00以下である、<1>又は<2>に記載の外用剤組成物。
<4>
成分(B)が、好ましくはイオン性官能基を有する、アクリル系ポリマー、セルロース系ポリマー、及びビニル系ポリマーからなる群から選ばれる1種以上の水不溶性ポリマー、より好ましくは、アニオン性基及びカチオン性基から成る群から選ばれる1種以上のイオン性官能基を有する、アクリル系ポリマー、セルロース系ポリマー、及びビニル系ポリマーからなる群から選ばれる1種以上の水不溶性ポリマーである、<1>~<3>のいずれか1に記載の外用剤組成物。
<5>
成分(B)が、(アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミド)共重合体、アクリルアミド・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体、アクリル酸・アクリル酸オクチルエステル共重合体、アクリル酸2-エチルヘキシル・アクリル酸メチル・アクリル酸・メタクリル酸グリシジル共重合体、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体、カルボキシメチルセルロース、及びヒプロメロースフタル酸エステルからなる群から選ばれる1種以上、好ましくは(アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミド)共重合体、アクリルアミド・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体、及びヒプロメロースフタル酸エステルからなる群から選ばれる1種以上である、<1>~<4>のいずれか1に記載の外用剤組成物。
<6>
成分(A)が消炎鎮痛成分、局所刺激成分、血行促進成分、抗ヒスタミン成分、生薬成分、鎮痒成分、局所麻酔成分、角質軟化成分、殺菌成分、及び抗菌成分からなる群から選ばれる1種以上を含み、好ましくは消炎鎮痛成分、局所刺激成分、血行促進成分、抗ヒスタミン成分、及び生薬成分からなる群から選ばれる1種以上、より好ましくは消炎鎮痛成分及び局所刺激成分からなる群から選ばれる1種以上を含む、<1>~<5>のいずれか1に記載の外用剤組成物。
<7>
成分(A)がサリチル酸グリコール、サリチル酸メチル、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム、ケトプロフェン、フェルビナク、インドメタシン、ピロキシカム、フルルビプロフェン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、l-メントール、dl-カンフル、ノニル酸ワニリルアミド、ハッカ油、ニコチン酸ベンジル、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、トコフェロール酢酸エステル、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミンマレイン酸塩、トウガラシ、ユーカリ油、及びオウバクからなる群から選ばれる1種以上を含み、好ましくはサリチル酸グリコール、ロキソプロフェンナトリウム、フェルビナク、l-メントール、及びノニル酸ワニリルアミドからなる群から選ばれる1種以上を含む、<1>~<6>のいずれか1に記載の外用剤組成物。
<8>
成分(C)が、酸、アルカリ剤、又は緩衝剤、好ましくはアルカリ剤又は緩衝剤、より好ましくはアルカリ剤である、<1>~<7>のいずれか1に記載の外用剤組成物。
<9>
前記アルカリ剤が有機アルカリ剤又は無機アルカリ剤、好ましくはアミン化合物、金属水酸化物、及び金属炭酸塩からなる群から選ばれる1種以上、より好ましくはトリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、L-アルギニン、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸水素ナトリウムからなる群から選ばれる1種以上である、<8>に記載の外用剤組成物。
<10>
成分(C)がトリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、水酸化カリウム、及び水酸化カルシウムからなる群から選ばれる1種以上を含み、好ましくはトリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、水酸化カリウム、及び水酸化カルシウムからなる群から選ばれる1種以上を含む、<1>~<8>のいずれか1に記載の外用剤組成物。
<11>
成分(D)がアルコール、ケトン、エステル、炭化水素、及びシリコーンからなる群から選ばれる1種以上、好ましくは炭素数4以下の1価アルコール、より好ましくはメタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、及びtert-ブチルアルコールからなる群から選ばれる1種以上、さらに好ましくはエタノール、及びイソプロピルアルコールからなる群から選ばれる1種以上である、<1>~<10>のいずれか1に記載の外用剤組成物。
<12>
成分(A)の含有量が好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上、よりさらに好ましくは0.1質量%以上、よりさらに好ましくは1.0質量%以上であり、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下、よりさらに好ましくは10質量%以下、よりさらに好ましくは5.0質量%以下である、<1>~<11>のいずれか1に記載の外用剤組成物。
<13>
成分(B)の含有量が好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1.0質量%以上であり、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは12質量%以下、よりさらに好ましくは5.0質量%以下である、<1>~<12>のいずれか1に記載の外用剤組成物。
<14>
成分(C)の含有量が好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは1.0質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、よりさらに好ましくは15質量%以下、よりさらに好ましくは10質量%以下、よりさらに好ましくは5.0質量%以下である、<1>~<13>のいずれか1に記載の外用剤組成物。
<15>
成分(D)の含有量が、好ましくは10質量%以上、より好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは45質量%以上、よりさらに好ましくは65質量%以上であり、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下、よりさらに好ましくは75質量%以下である、<1>~<14>のいずれか1に記載の外用剤組成物。
<16>
成分(E)の含有量が好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは5.0質量%以上、よりさらに好ましくは15質量%以上であり、好ましくは70質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、よりさらに好ましくは25質量%以下、よりさらに好ましくは23質量%以下、よりさらに好ましくは21質量%以下である、<1>~<15>のいずれか1に記載の外用剤組成物。
<17>
組成物中の成分(D)に対する成分(E)の質量比[(E)/(D)]が、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.05以上、さらに好ましくは0.15以上、よりさらに好ましくは0.20以上であり、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.0以下、さらに好ましくは0.80以下、よりさらに好ましくは0.40以下である、<1>~<16>のいずれか1に記載の外用剤組成物。
<18>
組成物中の成分(B)及び成分(C)の合計量に対する成分(A)の質量比[(A)/{(B)+(C)}]が、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.005以上、さらに好ましくは0.01以上、よりさらに好ましくは0.05以上、よりさらに好ましくは0.10以上であり、好ましくは5.00以下、より好ましくは3.00以下、さらに好ましくは2.50以下、よりさらに好ましくは1.50以下である、<1>~<17>のいずれか1に記載の外用剤組成物。
<19>
組成物中の成分(D)及び成分(E)の合計含有量に対する成分(B)の質量比[(B)/{(D)+(E)}]が、好ましくは0.0001以上、より好ましくは0.001以上、さらに好ましくは0.01以上であり、組成物の速乾性向上の観点から、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.50以下、さらに好ましくは0.20以下、よりさらに好ましくは0.12以下、よりさらに好ましくは0.10以下である、<1>~<18>のいずれか1に記載の外用剤組成物。
<20>
成分(A)のSP値(SP)と、成分(B)及び成分(C)の混合物のSP値(SPB+C)との差の絶対値[Δ(SP-SPB+C)]が、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.15以上であり、また、好ましくは10.00以下、より好ましくは8.00以下、さらに好ましくは7.00以下、よりさらに好ましくは5.00以下である、<1>~<19>のいずれか1に記載の外用剤組成物。
<21>
<1>~<20>のいずれか1に記載の外用剤組成物からなる、ローション製剤、ジェル製剤、軟膏製剤、クリーム製剤、又は泡状製剤。
<22>
<1>~<20>のいずれか1に記載の外用剤組成物を用いた、エアゾール製剤又はポンプスプレー型製剤。
<23>
前記外用剤組成物と、噴射剤とを含有し、外用剤組成物と噴射剤との質量比が、好ましくは1:0.01~1:10、より好ましくは1:0.05~1:7.5の範囲である、<22>のエアゾール製剤。
<24>
(A)薬効成分、(B)イオン性官能基を有する水不溶性ポリマー、(C)pH調整剤、(D)揮発性溶媒、及び(E)水を含有し、25℃における粘度が1.0mPa・s以上、好ましくは3.0mPa・s以上、より好ましくは5.0mPa・s以上であり、5,000mPa・s以下、好ましくは3,000mPa・s以下、より好ましくは1,000mPa・s以下、さらに好ましくは500mPa・s以下、よりさらに好ましくは100mPa・s以下である外用剤組成物を皮膚に適用し、次いで乾燥させる工程(1)を有する、外用剤組成物の使用方法。
<25>
前記外用剤組成物を皮膚に塗布又は噴霧して適用する、<24>に記載の外用剤組成物の使用方法。
<26>
前記外用剤組成物の噴霧方法が、エアゾール、ポンプスプレー、又は静電スプレー装置を用いる方法である、<25>に記載の外用剤組成物の使用方法。
<27>
前記外用剤組成物を、静電スプレー装置を用いて皮膚に噴霧して適用する、<25>に記載の外用剤組成物の使用方法。
<28>
前記工程(1)の後に、該工程(1)で形成した被膜を水と接触させて除去する工程(2)を有する、<24>~<27>のいずれか1に記載の外用剤組成物の使用方法。
<29>
<1>~<20>のいずれか1に記載の外用剤組成物を皮膚に直接塗布又は噴霧して適用する工程を有する、被膜の製造方法。
<30>
前記外用剤組成物の噴霧方法が、エアゾール、ポンプスプレー、又は静電スプレー装置を用いる方法である、<29>に記載の被膜の製造方法。
<31>
前記外用剤組成物を、静電スプレー装置を用いて、静電スプレー法により皮膚に噴霧して適用する、<29>に記載の被膜の製造方法。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されない。なお本実施例において、各種測定及び評価は以下の方法により行った。
(SP値)
溶解度パラメータ計算ソフトウェア(Hansen Solubility Parameters in Practice 4th Edition 4.1.03)により、ハンセン(Hansen)の溶解度パラメータに基づいて算出した。なおSP値の算出において、ポリマー成分である成分(B)及び成分(B’)の比重は1.0として計算した。
(粘度)
各例の外用剤組成物の25℃における粘度は、振動式粘度計((株)セコニック製「VM-10AL」を用いて測定した。また、粘度が1000mPa・sを超えた組成物についてはB型回転粘度計(東機産業(株)製「TV-10M」、ローター:TM3、回転数:6rpm))を用いて測定した。
(pH)
各例の外用剤組成物の25℃におけるpHは、pHメータ((株)堀場製作所製「F-51」)を用いて希釈せずに測定した。
(使用感)
各例の外用剤組成物を、前腕内側部にピペットの先端を用いて6μL/cm塗布した際の使用感について、10名の専門パネラーが下記6項目についてそれぞれ5段階評価を行った。10名のスコアの平均値(小数第二位を四捨五入)を表に示した。スコアが高いほど評価結果が良好であることを意味する。
(1)皮膚への塗布性
5:極めて塗り広げやすい、4:塗り広げやすい、3:普通、2:やや塗り広げにくい、1:非常に塗り広げにくい
(2)皮膚塗布時の速乾性
5:30秒以内に乾く、4:1分以内に乾く、3:2分以内に乾く、2:10分以内に乾く、1:10分を超えても乾かない
(3)被膜の外観
5:透明、4:わずかに白化が見られるが透明に近い、3:やや白化が見られるが透明性がある、2:半透明、1:完全に白化
(4)被膜のべたつき感
5:全くべたつかない、4:べたつきがわずかに感じられる、3:ややべたつきが感じられる、2:べたつきが顕著に感じられる、1:非常にべたつく
(5)つっぱり感
5:全くつっぱらない、4:つっぱりがわずかに感じられる、3:ややつっぱりがある、2:つっぱりが顕著である、1:非常につっぱる
(6)被膜の耐久性
外用剤組成物を前腕内側部に塗布した後、専門パネラーが日常的な生活行動を行い、形成された被膜を一定時間経過後に目視観察し、被膜の残存の有無を確認した。被膜の残存が認められた最長時間を下記基準でスコア化した。
5:8時間後、4:4時間後、3:1時間後、2:30分後、1:10分後
(保存安定性)
各例の外用剤組成物10gをスクリュー管No.4((株)マルエム製)に入れて蓋をし、を0℃及び40℃の恒温槽に1週間保存した後の外観、におい、粘度、及びpHの経時変化を確認し、下記基準で判定を行った。
A:外観、におい、粘度、pHいずれも変化なし
B:外観、におい、粘度、pHのうちいずれか1つ以上において微細な変化がある
C:外観、におい、粘度、pHのうちいずれか1つにおいて変化有
D:外観、におい、粘度、pHのうち2以上において変化有
(被膜形成性)
人工皮革(イデアテックスジャパン(株)製「サプラーレ」)の表面に各例の外用剤組成物を6μL/cm塗布し、32℃に設定したホットプレート(アズワン(株)製「セラミックホットプレート」)上で1時間乾燥させた。外用剤組成物の塗布部分を目視観察し、被膜形成性について下記基準で判定を行った。スコア3以上であれば合格とした。
5:均一で厚みが十分にある被膜が形成されている、4:均一で厚みのある被膜が形成されている、3:厚みが薄いが、均一な被膜が形成されている、2:被膜は存在するが不均一である、1:被膜の存在が確認できない
(薬効成分の皮膚透過量)
フランツ拡散セル(PermeGear社製)にセットした豚耳の角層の表面(片面)に、各例の外用剤組成物を6μL/cm塗布し、8時間後の薬効成分の累積皮膚透過量(μg/cm)を測定した。値が大きいほど、薬効成分の皮膚中への透過性が高いことを意味する。
(洗浄性)
皮膚に対して、各例の外用剤組成物をピペットの先端を用いて6μL/cm塗布し、室温(25℃)で1分間乾燥させて被膜を形成した。次いで、被膜の洗浄性について下記(1)(2)の評価を行った。
(1)洗浄後の被膜残存性
形成した被膜を、水道の流水で、手で軽くこすりながら30秒間洗浄した後の被膜残存性について、下記基準で判定を行った。被膜残存量は、残存面積基準で評価した。
5:被膜が全くない、4:被膜残存量が0%超5%未満、3:被膜残存量が5%以上10%未満、2:被膜残存量が10%以上30%未満、1:被膜残存量が30%以上
(2)洗浄時の肌負担感
形成した被膜を、水道の流水で、手で軽くこすりながら30秒間洗浄した際の肌負担感について、下記基準で判定を行った。
5:全く肌負担感がない、4:ほとんど肌負担感がない、3:わずかに肌負担感がある、2:肌負担感が顕著である、1:非常に肌負担感がある
実施例1~38、比較例1~9(外用剤組成物の調製及び評価)
表中に記載の成分(B)又は成分(B’)、並びにその他成分を、成分(C)、及び成分(D)、(E)に混合し、30℃で均一溶解させた後、成分(A)を混合し溶解させて、外用剤組成物を調製した。また表中、成分(B)に該当しない水溶性ポリマーを「成分(B’)」と表記した。
得られた外用剤組成物を用いて、前記方法で評価を行った。結果を表1~5に示す。なお、各表に記載した配合量は、「質量%」との記載がないものについては各成分の有効成分量(質量部)であり、「質量%」との記載があるものは各成分の有効成分量(質量%)である。
Figure 2022117408000002
Figure 2022117408000003
Figure 2022117408000004
Figure 2022117408000005
Figure 2022117408000006
表中の配合成分、並びに注釈は下記である。
*1 フェルビナク:富士フイルム和光純薬(株)製
*2 サリチル酸グリコール:東京化成工業(株)製
*3 ロキソプロフェンナトリウム:富士フイルム和光純薬(株)製
*4 l-メントール:高砂香料工業(株)製
*5 ノニル酸ワニリルアミド:東京化成工業(株)製
*6 ヒプロメロースフタル酸エステル:信越化学工業(株)製「HPMCP HP-55」
*7 (アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミド)共重合体:互応化学工業(株)製「プラスサイズL-53」
*8 アクリルアミド・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体:花王(株)製「RP-77T」
*9 メチルビニルエーテル・無水マレイン酸:アイエスピー・ジャパン(株)製「ガントレッツ AN」
*10 ジイソプロパノールアミン:比重0.99
*11 トリエタノールアミン:比重1.13
*12 2-アミノ-2-メチルプロパノール:比重0.93
*13 マイクロクリスタリンワックス:Sonneborn社製「マルチワックス180M」
*14 スクワラン:富士フイルム和光純薬(株)製
*15 実施例35の[Δ(SP-SPB+C)]は、成分(A)の種類ごとに算出した。表中のΔ(SP-SPB+C)は、上から順に、成分(A)がフェルビナク、l-メントール、及びノニル酸ワニリルアミドである場合のΔ(SP-SPB+C)である。
表1~5より、本実施例の外用剤組成物は、薬効成分の徐放性、被膜形成性、皮膚への塗布性、速乾性、形成される被膜のべたつき及びつっぱり感の抑制効果、被膜の外観及び耐久性、並びに洗浄性のいずれにおいても良好な結果が得られることがわかる。また、保存安定性も良好である。
これに対し、成分(B)を含有しない比較例1及び5、成分(C)を含有しない比較例2及び6、成分(D)を含有しない比較例3、成分(E)を含有しない比較例4、成分(D),(E)を含有しない比較例7、及び、粘度が本発明の規定範囲外である比較例8及び9は、いずれかの項目において本発明の効果に劣るものであった。
処方例1(エアゾール製剤の調製)
下記処方に従い、成分(B)を成分(C)及び成分(D)に混合し30℃で均一溶解させた後、成分(A)を混合し溶解させて、エアゾール原液となる外用剤組成物を調製した。これをエアゾール容器(東洋製罐(株)製)に充填した後、エアゾール原液:窒素が質量比で1:0.1となるように窒素を封入して、エアゾール製剤を調製した。
(成分) (質量%)
(A)ハッカ油 3.0
(B)アクリル酸・アクリル酸オクチルエステル共重合体 3.0
(C)水酸化カルシウム 1.0
(D)エタノール 65.0
(E)精製水 バランス
合計 100.0
本発明によれば、薬効成分を含有し、被膜形成性が良好で、皮膚への塗布性、速乾性が高く、形成される被膜のべたつき及びつっぱり感の抑制効果、被膜の外観及び耐久性にも優れ、使用後には水洗により容易に除去できる外用剤組成物、これを用いたエアゾール製剤、外用剤組成物の使用方法、及び被膜の製造方法を提供することができる。本発明の外用剤組成物により形成される被膜は水洗により容易に除去できるため、被膜除去時の肌負担を少なくすることができる。

Claims (18)

  1. (A)薬効成分、(B)イオン性官能基を有する水不溶性ポリマー、(C)pH調整剤、(D)揮発性溶媒、及び(E)水を含有し、25℃における粘度が1.0mPa・s以上5,000mPa・s以下である外用剤組成物。
  2. 25℃におけるpHが5.0以上9.5以下である、請求項1に記載の外用剤組成物。
  3. 成分(B)が(アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミド)共重合体、アクリルアミド・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体、アクリル酸・アクリル酸オクチルエステル共重合体、アクリル酸2-エチルヘキシル・アクリル酸メチル・アクリル酸・メタクリル酸グリシジル共重合体、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体、カルボキシメチルセルロース、及びヒプロメロースフタル酸エステルからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の外用剤組成物。
  4. 成分(A)が消炎鎮痛成分、局所刺激成分、血行促進成分、抗ヒスタミン成分、生薬成分、鎮痒成分、局所麻酔成分、角質軟化成分、殺菌成分、及び抗菌成分からなる群から選ばれる1種以上を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の外用剤組成物。
  5. 成分(A)がサリチル酸グリコール、サリチル酸メチル、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム、ケトプロフェン、フェルビナク、インドメタシン、ピロキシカム、フルルビプロフェン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、l-メントール、dl-カンフル、ノニル酸ワニリルアミド、ハッカ油、ニコチン酸ベンジル、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、トコフェロール酢酸エステル、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミンマレイン酸塩、トウガラシ、ユーカリ油、及びオウバクからなる群から選ばれる1種以上を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の外用剤組成物。
  6. 成分(C)がトリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、水酸化カリウム、及び水酸化カルシウムからなる群から選ばれる1種以上を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の外用剤組成物。
  7. 成分(D)が炭素数4以下の1価アルコールである、請求項1~6のいずれか1項に記載の外用剤組成物。
  8. 成分(A)の含有量が0.001質量%以上30質量%以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の外用剤組成物。
  9. 成分(B)の含有量が0.005質量%以上30質量%以下である、請求項1~8のいずれか1項に記載の外用剤組成物。
  10. 成分(C)の含有量が0.01質量%以上50質量%以下である、請求項1~9のいずれか1項に記載の外用剤組成物。
  11. 成分(D)の含有量が10質量%以上95質量%以下である、請求項1~10のいずれか1項に記載の外用剤組成物。
  12. 成分(E)の含有量が0.1質量%以上70質量%以下である、請求項1~11のいずれか1項に記載の外用剤組成物。
  13. 請求項1~12のいずれか1項に記載の外用剤組成物からなる、ローション製剤、ジェル製剤、軟膏製剤、クリーム製剤、又は泡状製剤。
  14. 請求項1~12のいずれか1項に記載の外用剤組成物を用いた、エアゾール製剤又はポンプスプレー型製剤。
  15. (A)薬効成分、(B)イオン性官能基を有する水不溶性ポリマー、(C)pH調整剤、(D)揮発性溶媒、及び(E)水を含有し、25℃における粘度が1.0mPa・s以上5,000mPa・s以下である外用剤組成物を皮膚に適用し、次いで乾燥させる工程(1)を有する、外用剤組成物の使用方法。
  16. 前記外用剤組成物を皮膚に塗布又は噴霧して適用する、請求項15に記載の外用剤組成物の使用方法。
  17. 前記工程(1)の後に、該工程(1)で形成した被膜を水と接触させて除去する工程(2)を有する、請求項15又は16に記載の外用剤組成物の使用方法。
  18. 請求項1~12のいずれか1項に記載の外用剤組成物を皮膚に直接塗布又は噴霧して適用する工程を有する、被膜の製造方法。
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