JP3805521B2 - ヒト皮膚被覆用皮膜の製法およびそれからえられた皮膜、ならびにそれに用いるヒト皮膚用エアゾール組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒト皮膚被覆用皮膜の製法およびそれからえられた皮膜、ならびにそれに用いるヒト皮膚用エアゾール組成物に関する。さらに詳しくは、柔軟性にすぐれ、良好な機械的強度を有するとともに、ヒト皮膚との密着性にすぐれるにもかかわらず、同時に剥離性にもすぐれ、たとえば顔、脚などの洗浄、保湿などを目的としたパックなどの化粧料、皮膚疾患用、消炎鎮痛用、鎮痒用などの外用貼布剤などの医薬品などとして好適に使用しうるヒト皮膚被覆用皮膜およびその製法、ならびにそれに用いるヒト皮膚用エアゾール組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、たとえば冷湿布といった外用貼布剤などの医薬品、医薬部外品、化粧料などへの利用を目的として、たとえばアクリル系樹脂、脂肪酸ポリアミド系樹脂、ポリビニル系樹脂などの樹脂と有効成分とを主成分とした樹脂組成物から皮膜を形成させることが試みられており、該樹脂組成物から形成された皮膜は、有効成分の作用により、その薬効面では、たとえば前記外用貼布剤などとして有用なものである。
【0003】
前記のごとく皮膜を形成しうるものとしては、たとえばポリアミド樹脂を皮膜形成剤として含有した皮膚用組成物(特開昭54−140714号公報)や、消炎鎮痛薬を含む揮発性溶剤に皮膜形成物質として非水溶性高分子を配合した外用消炎鎮痛剤(特開昭54−140713号公報)、脂肪族ポリアミド系樹脂およびマレイン酸系共重合体に、消炎鎮痛剤、多価アルコールおよび低級アルコールを配合した外用消炎鎮痛剤(特開昭60−208909号公報)などが提案されている。
【0004】
しかしながら、前記皮膚用組成物および外用消炎鎮痛剤は、いずれも液状であることから、液ダレが起こって塗布しにくく、皮膜の形成が困難であるほか、乾燥性や形成された皮膜の均一性が充分でないという欠点を有する。
【0005】
さらに、前記のほかにも、アクリル系ポリマーを含有した基剤に環状シリコーンオイルを配合したエアゾール型粘着性組成物が提案されている(特開平7−82142号公報)。該エアゾール型粘着性組成物は、皮膚への付着性が良好で、皮膜の形成も容易であり、使用性にすぐれたものである。
【0006】
しかしながら、前記エアゾール型粘着性組成物から形成される皮膜は、通常硬度が高く、皮膚の動きに追随させることが困難であり、さらに皮膚のように凹凸が存在する面に対する密着性が良好でないという欠点を有する。また、該皮膜は、その硬度の高さおよび密着性のわるさから、たとえば前記外用貼布剤などとして用いたばあいに、その使用目的が達せられないうちに、ひびや割れが生じたり、剥離してしまうといった欠点を有する。
【0007】
このように、従来、たとえばヒト皮膚用の外用貼布剤などとして好適に使用しうる皮膜を形成する組成物が提供されていないのが実情であり、したがって、たとえば外用貼布剤などに好適に使用しうる皮膜およびその製法、ならびに該皮膜を容易に形成しうる組成物の開発が待ち望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、柔軟性にすぐれ、良好な機械的強度を有するとともに、ヒト皮膚との密着性にすぐれるにもかかわらず、同時に使用目的達成後の剥離性にもすぐれたヒト皮膚被覆用皮膜およびその製法、ならびに該皮膜を容易に形成しうるエアゾール組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(1)アクリル樹脂10〜90重量%、可塑剤1〜80重量%およびアルコール5〜85重量%を含有した原液と噴射剤とからなるヒト皮膚用エアゾール組成物を、ヒト皮膚上に噴射して複合泡状体を形成させ、該複合泡状体を平らな膜状物としたのち、該平らな膜状物を乾燥させることを特徴とするヒト皮膚被覆用皮膜の製法であって、該可塑剤がアクリル系オリゴマーおよびアルキルビニルエーテルから選ばれた少なくとも1種のアルコール可溶性化合物であり、アクリル系オリゴマーの数平均分子量が、500以上であり5000以下、アルキルビニルエーテルのアルキル基の炭素数が10以上であり20以下であるヒト皮膚被覆用皮膜の製法、(2)前記製法によってえられたヒト皮膚被覆用皮膜、および(3)前記製法に用いるヒト皮膚用エアゾール組成物に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のヒト皮膚被覆用皮膜の製法は、前記したように、アクリル樹脂、可塑剤およびアルコールを含有した原液と噴射剤とからなるヒト皮膚用エアゾール組成物を、ヒト皮膚上に噴射して複合泡状体を形成させ、該複合泡状体を平らな膜状物としたのち、該平らな膜状物を乾燥させることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の製法に用いられるヒト皮膚用エアゾール組成物を構成するアクリル樹脂は、該ヒト皮膚用エアゾール組成物を噴射させたときに、均一で高機械的強度を有する皮膜を形成させる作用を有する成分である。
【0012】
前記アクリル樹脂としては、たとえばアクリル系モノマー50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%と、該アクリル系モノマーと共重合可能なモノマー50〜0重量%、好ましくは30〜0重量%とを含有した重合成分を重合させてえられたポリマーなどを用いることが望ましい。
【0013】
前記アクリル系モノマーの代表例としては、たとえばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシアルキルエステルなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0014】
前記アクリル系モノマーと共重合可能なモノマーの代表例としては、たとえば酢酸ビニル、マレイン酸エステル、スチレンなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0015】
前記アクリル樹脂の具体例としては、たとえばポリアクリル酸ブチル、アクリル酸ブチル−メタクリル酸共重合体、アクリル酸ブチル−ヒドロキシメタクリル酸共重合体、アクリル酸オクチル−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸−スチレン共重合体、アクリル酸−メタクリル酸アミド共重合体などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0016】
アクリル樹脂の数平均分子量は、ヒト皮膚被覆用皮膜の剥離時の強度が充分であるようにするためには、10000以上、好ましくは25000以上であることが望ましく、またヒト皮膚用エアゾール組成物をうる際に、噴射剤に容易に溶解させるためには、1000000以下、好ましくは600000以下であることが望ましい。
【0017】
原液中のアクリル樹脂の量は、ヒト皮膚用エアゾール組成物から均一で高機械的強度を有する皮膜を形成させ、また皮膜が薄くなりすぎて剥離性が低下するおそれをなくすためには、10重量%以上、好ましくは12重量%以上であることが望ましく、また皮膜の柔軟性、剥離性、可撓性および透明性が保持されるように複合泡状体を形成させるためには、90重量%以下、好ましくは75重量%以下であることが望ましい。
【0018】
本発明に用いられる可塑剤は、ヒト皮膚用エアゾール組成物から形成される皮膜に可撓性、柔軟性および透明性を付与するほか、皮膜とヒト皮膚との密着性を向上させるとともに、使用目的達成後の皮膜の剥離性を向上させる作用を有する成分である。
【0019】
前記可塑剤にはとくに限定がないが、皮膜形成時に、前記アクリル樹脂に対する均一性を確保するという点を考慮すると、アルコール可溶性化合物であることが好ましい。
【0020】
前記アルコール可溶性化合物の代表例としては、アジピン酸、フタル酸、イソオクタン酸などのカルボン酸;アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸セチル、アジピン酸オレイルなどのアジピン酸エステル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチルヘキシルなどのフタル酸エステル、イソオクタン酸ジイソプロピル、イソオクタン酸セチルなどのイソオクタン酸エステル、ミリスチン酸イソプロピルなどのミリスチン酸エステル、パルミチン酸イソプロピルなどのパルミチン酸エステルなどのカルボン酸エステル;オクタメチルテトラシロキサン、デカメチルペンタシロキサンなどの環状メチルポリシロキサン;メチルフェニルポリシロキサン;アクリル系オリゴマー;アルキルビニルエーテルなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0021】
本発明においては、前記可塑剤としての作用をより充分に呈するという点から、アジピン酸、アジピン酸エステル、フタル酸、フタル酸エステル、イソオクタン酸、イソオクタン酸エステル、環状メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アクリル系オリゴマーおよびアルキルビニルエーテルから選ばれた少なくとも1種のアルコール可溶性化合物を可塑剤として用いることが好ましい。
【0022】
なお、前記アルコール可溶性化合物のなかでも、アクリル系オリゴマーおよびアルキルビニルエーテルは、とくに皮膜の機械的強度および皮膜とヒト皮膚との密着性を向上させるとともに、使用目的達成後の皮膜の剥離性を向上させる効果がとくに大きいという点から好ましい。
【0023】
前記アクリル系オリゴマーとしては、たとえばアクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチルなどのアクリル酸エステルの重合体;アクリル酸ブチル−メタクリル酸共重合体、アクリル酸ブチル−アクリル酸メトキシエチル共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル−アクリル酸メトキシエチル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸アミド共重合体などがあげられる。
【0024】
アクリル系オリゴマーの数平均分子量は、ヒト皮膚被覆用皮膜の引張り強度を充分に確保するという点から、500以上、好ましくは1000以上であることが望ましく、またヒト皮膚被覆用皮膜に柔軟性、可撓性および透明性を付与するという点から、5000以下、好ましくは3000以下であることが望ましい。
【0025】
前記アルキルビニルエーテルは、臭気が少ないという点から、アルキル基の炭素数が10以上、好ましくは12以上であり、またヒト皮膚被覆用皮膜の柔軟性の点から、アルキル基の炭素数が20以下、好ましくは18以下であるものが望ましく、このようなアルキルビニルエーテルとしては、たとえばラウリルビニルエーテル、ミリスチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、イソステアリルビニルエーテルなどがあげられる。
【0026】
アルキルビニルエーテルの融点は、ヒト皮膚被覆用皮膜の柔軟性の点から、35℃以下、好ましくは30℃以下であることが望ましい。
【0027】
原液中の可塑剤の量は、かかる可塑剤を用いたことによる効果が充分に発現されるようにするためには、1重量%以上、好ましくは1.5重量%以上であることが望ましく、またヒト皮膚用エアゾール組成物から均一で高機械的強度を有する皮膜を形成させるためには、80重量%以下、好ましくは60重量%以下であることが望ましい。
【0028】
本発明に用いられるアルコールは、ヒト皮膚用エアゾール組成物をヒト皮膚上に噴射したときに、複合泡状体の連続相を形成するものであり、噴射時にノズルづまりなどが起こりにくく、形成されるヒト皮膚被覆用皮膜が湿潤性、所望の厚さ、機械的強度などを有するようにするための成分である。
【0029】
前記アルコールとしては、たとえばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール、変性エタノールなどが好ましく用いられる。
【0030】
原液中のアルコールの量は、充分に複合泡状体を形成させるためには、5重量%以上、好ましくは10重量%以上であることが望ましく、また前記アクリル樹脂および可塑剤が必要十分な量で確保されるようにするためには、85重量%以下、好ましくは80重量%以下であることが望ましい。
【0031】
本発明に用いられる原液は、アクリル樹脂、可塑剤およびアルコールを含有したものであるが、これらのほかにも、本発明の目的を阻害しない範囲でその他の成分を含有することができる。
【0032】
前記その他の成分としては、たとえば水、有効成分などがあげられる。
【0033】
本発明に用いられる水にはとくに限定がなく、たとえば蒸留水、イオン交換水、精製水などの通常エアゾール組成物に用いられるものがあげられる。
【0034】
原液中の水の量にはとくに限定がなく、通常原液全量が100重量%となるように、ほかの成分の残部とすればよい。
【0035】
前記有効成分としては、たとえば化粧料用有効成分;皮膚刺激剤、消炎鎮痛剤、皮膚保護剤、殺菌消毒剤、化膿性疾患用剤、抗真菌剤などの薬効成分などがあげられる。
【0036】
前記化粧料用有効成分としては、たとえばプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールなどの保湿剤;メトキシケイ皮酸誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体などの紫外線吸収剤;ジブチルヒドロキシトルエンなどの酸化防止剤;パラベン類などの防腐剤;香料などがあげられる。
【0037】
前記皮膚刺激剤としては、たとえばメントール、カンフル、チモール、カプサイシン、ノニル酸ワニリルアミドなどの、たとえば肩こりや筋肉痛の治療薬に通常配合されるものがあげられる。
【0038】
前記消炎鎮痛剤としては、たとえばサリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、ケトプロフェン、インドメタシン、フルルビプロフェン、フェルビナク、シマクロフェナク、ケトコラク、ロキソプロフェン、ピロキシカム、テノキシカム、スプロフェン、オウバク、カミツレ、西洋トチノミエキスなどの非ステロイド系化合物;アムシノニド、吉草酸プロドニゾロン、吉草酸ジフルコルトロン、吉草酸デキサメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、酢酸デキサメサゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、ハルシノニド、ジプロピオン酸ベタメタゾン、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、プレドニゾロン、プロピオン酸デプロドン、プロピオン酸クロベタゾール、ベタメタゾンなどのステロイド系化合物があげられる。
【0039】
前記皮膚保護剤または殺菌消毒剤としては、たとえばペパリン類似物質、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、ポビドンヨードアクリノール類などがあげられる。
【0040】
前記化膿性疾患用剤としては、たとえば塩酸テトラサイクリン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、硫酸フラジオマイシン、硫酸ポリミキシンBなどがあげられる。
【0041】
前記抗真菌剤としては、たとえばクロトリマゾール、塩酸クロコナゾール、硝酸イソコナゾール、硝酸ニコナゾール、硝酸オキシコナゾール、硝酸スルコナゾール、硝酸ミコナゾール、チオコナゾール、ビフォナゾール、硝酸オモコナゾール、塩酸ブチナフィンなどがあげられる。
【0042】
原液中の有効成分の量は、かかる有効成分を用いたことによる効果が充分に発現されるようにするためには、0.001重量%以上、好ましくは0.01重量%以上であることが望ましく、またヒト皮膚被覆用皮膜の特性を充分に発現させるためには、30重量%以下、好ましくは10重量%以下であることが望ましい。
【0043】
本発明に用いられる原液を調製する方法にはとくに限定がなく、たとえばそれぞれ所望量を調整した各成分を適宜撹拌混合すればよい。
【0044】
本発明に用いられる噴射剤としては、アクリル樹脂を可溶化せしめる作用を呈するものであればよく、たとえばジメチルエーテル;フロン123、フロン134a、フロン22、フロン152a、フロン142bなどの極性を有するフロンなどの極性を有する液化ガスなどが好ましく例示され、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0045】
なお、前記噴射剤としては、えられるヒト皮膚用エアゾール組成物が充分にかつ良好な状態で噴射されるように、該エアゾール組成物の25℃での蒸気圧を1kg/cm2・G以上、好ましくは2kg/cm2・G以上とすることができ、またその安全性を考慮して、該エアゾール組成物の25℃での蒸気圧を8kg/cm2・G以下、好ましくは7kg/cm2・G以下とすることができるものであることが望ましい。
【0046】
本発明のヒト皮膚用エアゾール組成物における原液と噴射剤との重量比(原液/噴射剤)は、噴射剤が原液と相溶しにくくなるのを防ぐためには、5/95以上、好ましくは10/90以上であることが望ましく、また所望の噴射形態で充分かつ良好に噴射させることができるようにするためには、80/20以下、好ましくは75/25以下であることが望ましい。
【0047】
本発明のヒト皮膚用エアゾール組成物を調製する方法にはとくに限定がなく、たとえば前記のごとくえられた原液を所望量でエアゾール用耐圧容器内に充填したのち、噴射剤を所望量で充填して組成物とする方法などを採用することができる。
【0048】
本発明のエアゾール組成物は、たとえば通常の方法で前記エアゾール用耐圧容器内に充填し、エアゾール用バルブおよびボタンを取付けることによってエアゾール製品とすることができる。
【0049】
前記エアゾール用耐圧容器としては、とくに限定がなく、通常用いられている容器を適用することができ、バルブ、ボタンなどはヒト皮膚用エアゾール組成物の用途などに応じて適宜選択することが好ましい。
【0050】
なお、本発明のヒト皮膚用エアゾール組成物の噴射形態にはとくに限定がないが、後述するヒト皮膚被覆用皮膜の形成しやすさを考慮すると、通常泡状、泥状などであることが好ましい。
【0051】
前記ヒト皮膚用エアゾール組成物をヒト皮膚上に噴射させることにより、本発明のヒト皮膚被覆用皮膜が形成される。
【0052】
本発明のヒト皮膚被覆用皮膜の製法によれば、まず前記ヒト皮膚用エアゾール組成物をヒト皮膚上に噴射して複合泡状体を形成させる。かかる複合泡状体は、ヒト皮膚に素早く付着し、液ダレなどを起こすことがなく、付着性にすぐれているので、最終的に形成される皮膜の密着性がいちじるしく向上する。
【0053】
つぎに、前記複合泡状体を平らな膜状物とする。
【0054】
前記複合泡状体から平らな膜状物とする際には、定かではないが、おそらく、複合泡状体とヒト皮膚とのあいだに、そのままの状態ではヒト皮膚との密着性が高いが、これに反して剥離性も高い薄膜が形成され、しかも複合泡状体の外気と接する表面には、複合泡状体中の噴射剤の蒸散による気体膜が形成されているので、最終的に形成される皮膜が柔軟性にすぐれ、良好な機械的強度を有するとともに、密着性にすぐれるにもかかわらず、通常かかる密着性とは相反する剥離性にもすぐれたものとなると考えられる。
【0055】
なお、前記複合泡状体から平らな膜状物とする際には、そのままの状態で適宜放置してもよく、複合泡状体の表面を手指などで満遍なく押してもよい。
【0056】
つぎに、前記膜状物を乾燥させることにより、本発明のヒト皮膚被覆用皮膜が形成される。
【0057】
前記膜状物を乾燥させる方法にはとくに限定がなく、放置して自然乾燥させてもよく、たとえばドライヤーや温風ヒーターなどで30〜50℃程度で乾燥させてもよい。
【0058】
かくしてえられる本発明のヒト皮膚被覆用皮膜の厚さは、その機械的強度や皮膚に対する隠蔽力などを考慮すると、0.01mm以上、好ましくは0.05mm以上であることが望ましく、また該ヒト皮膚被覆用皮膜の柔軟性、可撓性および透明性を充分に確保するという点を考慮すると、1mm以下、好ましくは0.8mm以下であることが望ましい。
【0059】
本発明のヒト皮膚被覆用皮膜は、柔軟性にすぐれ、良好な機械的強度を有するとともに、ヒト皮膚との密着性にすぐれるにもかかわらず、通常は相反すると考えられる剥離性にも同時にすぐれたものであるので、たとえば顔、脚などの洗浄、保湿などを目的としたパックなどの化粧料、皮膚疾患用、消炎鎮痛用、鎮痒用などの外用貼布剤などの医薬品などとして好適に使用することができる。
【0060】
【実施例】
つぎに、本発明のヒト皮膚被覆用皮膜の製法およびそれからえられた皮膜、ならびにそれに用いるヒト皮膚用エアゾール組成物を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0061】
実施例1〜14および比較例1〜2
表1〜2に示す各成分を表1〜2に示す割合で撹拌混合して原液を調製し、この原液をアルミニウム製エアゾール用耐圧容器(満注量120ml)内に充填したのち、これに噴射剤としてジメチルエーテルを、原液とジメチルエーテルとの重量比が表1〜2に示す割合になるように充填し(ヒト皮膚用エアゾール組成物全量約65g)、エアゾール用バルブおよびボタンを取付けてエアゾール製品をえた。
【0062】
なお、表1〜2に示す略号は、以下のことを示す。
【0063】
PBA:ポリアクリル酸ブチル(数平均分子量160000)
AO:アクリル酸ブチル−アクリル酸メトキシエチル共重合体
(アクリル系オリゴマー、数平均分子量2500)
AA:アジピン酸
OMTSi:オクタメチルテトラシロキサン
LVE:ラウリルビニルエーテル(融点0℃以下)
ISVE:イソステアリルビニルエーテル(融点0℃以下)
EtOH:99%変性エタノール
iPA:イソプロピルアルコール
PW:精製水
DME:ジメチルエーテル
また、表1〜2中には、ヒト皮膚用エアゾール組成物の蒸気圧(25℃)をあわせて示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
つぎに、実施例1〜14および比較例1〜2でえられたエアゾール製品を用い、ヒト皮膚用エアゾール組成物からヒト皮膚被覆用皮膜を形成させた。
【0067】
まず、えられたエアゾール製品からヒト皮膚用エアゾール組成物を約2秒間ヒト皮膚上に噴射し、直径約5cm、厚さ約1mmの複合泡状体を形成させた。
【0068】
つぎに、この複合泡状体の表面を手指で約3秒間満遍なく押して複合泡状体を厚さ約0.2mmの平らな膜状物とした。さらに、この膜状物を約60秒間放置して厚さ約0.1〜0.3mmのヒト皮膚被覆用皮膜をえた。
【0069】
前記ヒト皮膚被覆用皮膜を形成させる際の皮膜の形成性を以下の評価基準に基づいて評価した。その結果を表3に示す。
【0070】
(イ)皮膜の形成性
(評価基準)
○:複合泡状体のヒト皮膚への付着性がすぐれ、液ダレなどがなく、膜状物から
均一な皮膜が形成される。
△:複合泡状体のヒト皮膚への付着性がやや劣り、部分的に液ダレがあり、膜状
物から形成される皮膜に均一でない部分がある。
×:複合泡状体のヒト皮膚への付着性がわるく、液ダレがあり、膜状物から形成
される皮膜が均一でない。
【0071】
また、ヒト皮膚被覆用皮膜の物性として柔軟性、密着性、剥離性および機械的強度を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表3に示す。
【0072】
(ロ)柔軟性
エアゾール製品からヒト皮膚用エアゾール組成物を25℃にて約2秒間、10cm後方よりガラス板に噴射し、10分間自然乾燥後、厚さ約0.2〜0.3mmのヒト皮膚被覆用皮膜をえた。
【0073】
えられた皮膜をガラス板から剥がし、その中央を指で1回折り曲げ、皮膜が割れるときの角度(折り曲げない状態から割れるまで、皮膜を動かせた角度)を測定した。
【0074】
(ハ)密着性
エアゾール製品からヒト皮膚用エアゾール組成物を25℃にて約2秒間、10cm後方よりヒト皮膚上に噴射し、10分間自然乾燥後、厚さ約0.2〜0.3mmのヒト皮膚被覆用皮膜をえた。
【0075】
えられた皮膜をヒト皮膚から250mm/minの速度で引き剥がしたときの荷重(gf)を、プルゲージにて測定した。
【0076】
(ニ)剥離性
前記(ハ)密着性と同様にして厚さ約0.2〜0.3mmのヒト皮膚被覆用皮膜をえた。
【0077】
えられた皮膜を(ハ)密着性と同様にして引き剥がすときの状態を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0078】
(評価基準)
○:ほとんどの皮膜をスムーズに引き剥がすことができる。
△:皮膜の約50%はスムーズに引き剥がすことができるが、ほかは残っている
。
×:ほとんどの皮膜を簡単に引き剥がすことができない。
【0079】
(ホ)機械的強度
前記(ロ)柔軟性と同様にして厚さ約0.2〜0.3mmのヒト皮膚被覆用皮膜をえた。
【0080】
えられた皮膜をガラス板から剥がし、プルゲージにて250mm/minの速度で引張ったときの皮膜の切断荷重(gf)を測定した。
【0081】
【表3】
【0082】
表3に示された結果から、実施例1〜14でえられたヒト皮膚用エアゾール組成物は、皮膜の形成性にすぐれ、該ヒト皮膚用エアゾール組成物から形成されたヒト皮膚被覆用皮膜は、良好な機械的強度を有し、柔軟性にすぐれて皮膚の動きに追随させることが容易であるとともに、ヒト皮膚のように凹凸が存在していても密着性にすぐれるにもかかわらず、同時に剥離性にすぐれてその1カ所を剥離させるだけで全体の剥離が容易なものであることがわかる。また、アクリル系オリゴマーが用いられた実施例1〜6のヒト皮膚被覆用エアゾール組成物から形成されたヒト皮膚被覆用皮膜ならびにアルキルビニルエーテルが用いられた実施例7〜14のヒト皮膚被覆用エアゾール組成物から形成されたヒト皮膚被覆用皮膜は、とくにすぐれた密着性および高機械的強度を有するものであることがわかる。
【0083】
【発明の効果】
本発明の製法により、ヒト皮膚用エアゾール組成物を用いてえられたヒト皮膚被覆用皮膜は、柔軟性にすぐれ、良好な機械的強度を有するとともに、ヒト皮膚との密着性にすぐれるにもかかわらず、通常は相反すると考えられる剥離性にも同時にすぐれたものである。
【0084】
したがって、本発明のヒト皮膚被覆用皮膜は、たとえば顔、脚などの洗浄、保湿などを目的としたパックなどの化粧料、皮膚疾患用、消炎鎮痛用、鎮痒用などの外用貼布剤などの医薬品などとして好適に使用することができる。
Claims (8)
- アクリル樹脂10〜90重量%、可塑剤1〜80重量%およびアルコール5〜85重量%を含有した原液と噴射剤とからなるヒト皮膚用エアゾール組成物を、ヒト皮膚上に噴射して複合泡状体を形成させ、該複合泡状体を平らな膜状物としたのち、該平らな膜状物を乾燥させることを特徴とするヒト皮膚被覆用皮膜の製法であって、該可塑剤がアクリル系オリゴマーおよびアルキルビニルエーテルから選ばれた少なくとも1種のアルコール可溶性化合物であり、アクリル系オリゴマーの数平均分子量が、500以上であり5000以下である、アルキルビニルエーテルのアルキル基の炭素数が10以上であり20以下であるヒト皮膚被覆用皮膜の製法。
- アルコールがエチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコールおよび変性エタノールから選ばれた少なくとも1種である請求項1記載のヒト皮膚被覆用皮膜の製法。
- 噴射剤が極性を有する液化ガスである請求項1または2記載のヒト皮膚被覆用皮膜の製法。
- 極性を有する液化ガスがジメチルエーテルおよび/または極性を有するフロンである請求項3記載のヒト皮膚被覆用皮膜の製法。
- 原液と噴射剤との重量比(原液/噴射剤)が5/95〜80/20である請求項1、2、3または4記載のヒト皮膚被覆用皮膜の製法。
- 請求項1、2、3、4または5記載の製法によってえられたヒト皮膚被覆用皮膜。
- 厚さが0.01〜1mmである請求項6記載のヒト皮膚被覆用皮膜。
- 請求項1、2、3、4または5記載の製法に用いるヒト皮膚用エアゾール組成物。
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