JP2005179319A - 医薬外用貼付剤 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 (A)塩基性局所麻酔剤、(B)ポリアクリル酸及び/又はその塩、(C)架橋剤を含有する水性粘着剤組成物であって、さらに(D)カルボキシビニルポリマーを含有してなることを特徴とする水性粘着剤組成物を有する医薬外用貼付剤。
【効果】 本発明によれば、痛み・痒みに対する効果が高く、塩基性局所麻酔剤存在下においても保型性が良く、支持体側への膏体の裏じみやサイドのはみ出しがなく、さらに接着性に優れた医薬外用貼付剤を提供することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、塩基性局所麻酔剤を含有したポリアクリル酸系水性粘着剤組成物を膏体とする医薬外用貼付剤に関するものである。
リドカインやジブカイン等の塩基性局所麻酔剤は、疼痛緩和や鎮痒の有効成分として種々の外用剤に使用されており、貼付剤にも配合されている。例えば、リドカイン等の局所麻酔薬が分散された自己接着性マトリックスとバッキングを有する皮膚の麻酔と抗菌のための医用デバイスが提案されている(特許文献1:特開平1−299215号公報参照)。その他、リドカインを含有する貼付剤が提案されているが(特許文献2:特開平4−208229号公報、特許文献3:特開平7−126157号公報、特許文献4:特開平7−215850号公報)、これらは非水系の膏体を使用しており、経皮吸収性に課題があった。
経皮吸収の上で有利な含水系の膏体を使用したものも提案されており、例えばポリアクリル酸(塩)を使用したものとしては、ポリアクリル酸(塩)等の水溶性高分子化合物と水・保水剤を有する粘着ゲルにリドカインを配合した貼付剤(特許文献5:特開平4−305523号公報)、ポリアクリル酸(塩)と架橋剤を配合した含水ゲルにリドカインを配合した含水系貼付剤(特許文献6:国際公開01/47559号パンフレット、特許文献7:特開平9−315964号公報、特許文献8:特開2001−302501号公報、特許文献9:特開2000−219623号公報)が提案されている。しかしながら、ポリアクリル酸は粘着性が高い優れた貼付基剤であるが、酸性基を有するポリアクリル酸(塩)にリドカイン等の塩基性局所麻酔剤を配合すると、ポリアクリル酸系基剤との作用による架橋阻害が生じ、保型性の低下という重大な課題があった。このため満足できる医薬貼付剤を得ることが困難であった。
一方、ポリアクリル酸及び/又はポリアクリル酸塩、カルボキシビニルポリマー、多価アルコール、水、金属架橋剤を有するゲル組成物と支持体から構成される化粧用ゲルシートが提案されているが(特許文献10:特開2000−143484号公報)、保湿を目的とした化粧料であり、塩基性局所麻酔剤を有効量含有させる医薬貼付剤の概念は含まれていない。また、ポリアクリル酸及び/又はポリアクリル酸塩とカルボキシビニルポリマーを使用した医薬貼付剤が提案されているが(特許文献11:特開2003−113101号公報、特許文献12:特開平8−113537号公報)、塩基性局所麻酔剤を配合することは記載がない。
特開平1−299215号公報 特開平4−208229号公報 特開平7−126157号公報 特開平7−215850号公報 特開平4−305523号公報 国際公開01/47559号パンフレット 特開平9−315964号公報 特開2001−302501号公報 特開2000−219623号公報 特開2000−143484号公報 特開2003−113101号公報 特開平8−113537号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、塩基性局所麻酔剤を含有した場合においても保型性が良く、支持体側への膏体の裏じみやサイドのはみ出しがなく、さらに粘着性に優れたポリアクリル酸系医薬外用貼付剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、塩基性局所麻酔剤を含有したポリアクリル酸系水性粘着剤組成物中に、さらにカルボキシビニルポリマーを配合することによって、塩基性局所麻酔剤とポリアクリル酸(塩)の結合による高分子構造の縮退を防止し、塩基性局所麻酔剤存在下においても保型性が良く、支持体側への膏体の裏じみやサイドのはみ出しがなく、接着性に優れ使用性が良好な貼付剤が得られることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は
[1].(A)塩基性局所麻酔剤、(B)ポリアクリル酸及び/又はその塩、(C)架橋剤を含有する水性粘着剤組成物であって、さらに(D)カルボキシビニルポリマーを含有してなることを特徴とする水性粘着剤組成物を有する医薬外用貼付剤、
[2].水性粘着剤組成物が、さらに(E)セルロース誘導体を含有してなることを特徴とする[1]に記載の医薬外用貼付剤、
[3].(B)ポリアクリル酸及び/又はその塩と(E)セルロース誘導体との合計質量と、(D)カルボキシビニルポリマーの質量比が、50:1〜3:1であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の医薬外用貼付剤、
[4].(C)成分の架橋剤が、2種以上の金属を有する多価金属化合物及び/又はポリカチオン性高分子化合物であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の医薬外用貼付剤、
[5].水性粘着剤組成物が、さらに(F)2〜4価のカルボン酸及び/又はその塩を含有してなることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の医薬外用貼付剤、
[6].(A)塩基性局所麻酔剤の含有量が0.001〜5質量%であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の医薬外用貼付剤、
[7].水性粘着剤組成物が、さらに(G)抗炎症剤を含有してなり、外用消炎鎮痛用であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の医薬外用貼付剤を提供する。
本発明によれば、痛み・痒みに対する効果が高く、塩基性局所麻酔剤存在下においても保型性が良く、支持体側への膏体の裏じみやサイドのはみ出しがなく、さらに接着性に優れた医薬外用貼付剤を提供することができる。
以下、本発明につきさらに詳しく説明する。
本発明は、(A)塩基性局所麻酔剤、(B)ポリアクリル酸及び/又はその塩、(C)架橋剤を含有する水性粘着剤組成物であって、さらに(D)カルボキシビニルポリマーを含有してなることを特徴とする水性粘着剤組成物を有する医薬外用貼付剤である。
本発明の(A)成分は塩基性局所麻酔剤であり、1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。塩基性局所麻酔剤としては、具体的に、リドカイン、メピバカイン、ブピバカイン、プロピトカイン、ジブカイン、プロカイン、テトラカイン、ベンゾカイン及びこれらの塩を挙げることができる。これらの中でも、リドカイン、ジブカインが好ましい。
(A)塩基性局所麻酔剤の配合量の下限は、水性粘着剤組成物全量中0.001%(質量%)以上が好ましく、より好ましくは0.01%以上、特に好ましくは0.02%以上である。上限は15%以下が好ましく、より好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下である。配合量が少なすぎると塩基性局所麻酔剤配合による薬効を充分に得られない場合があり、多すぎると本発明の効果が充分に得られず、また局所麻酔剤による皮膚刺激が生じる場合がある。
本発明の(B)成分は、ポリアクリル酸及び/又はその塩であり、1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。(B)成分は、水性粘着剤組成物の必須成分であり、優れた粘着性を有する。これらはいずれか一方を配合してもよく、両方を組み合わせて配合してもよいが、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸塩を組み合わせて配合するとより効果的である。ポリアクリル酸塩としてはポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム等のポリアクリル酸の一価金属塩、ポリアクリル酸モノエタノールアミン、ポリアクリル酸ジエタノールアミン、ポリアクリル酸トリエタノールアミン等のポリアクリル酸のアミン塩、ポリアクリル酸のアンモニウム塩等の1種又は2種以上を好適に用いることができる。
ポリアクリル酸とポリアクリル酸塩とを組み合わせて使用する場合、これらの質量比は、ポリアクリル酸:ポリアクリル酸塩=1:10〜1:0.1、特に1:9〜1:1とすることが好ましい。本発明では両者を別々に配合することが好ましいが、ポリアクリル酸を一部中和してポリアクリル酸塩が上記比率になるようにしたものを用いてもよい。その場合は、中和率が5〜30%、特に10〜20%のものが好ましい。
(B)ポリアクリル酸及び/又はその塩は、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、重量平均分子量1〜1,000万のものを用いることが好ましい。特に、重量平均分子量(I)1〜50万未満、(II)50〜200万未満及び(III)200〜500万を有するポリアクリル酸及び/又はその塩から、2種以上、特に3種以上を組み合わせて用いることが好ましい。異なる分子量のものを組み合わせることにより、良好な3次元網目構造を有する保型性に優れた水性粘着剤組成物が得られる。なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法にて測定した値である。
(B)ポリアクリル酸及び/又はその塩の配合量の下限は、水性粘着剤組成物全量中0.1%以上が好ましく、より好ましくは1%以上である。上限は30%以下が好ましく、より好ましくは20%以下である。この範囲で、粘着性・保型性が特に良好な貼付剤用水性粘着剤が得られる。
本発明の(C)成分は架橋剤であり、(B)ポリアクリル酸及び/又はその塩の架橋に使用する。架橋剤は、高分子化合物中のカルボキシル基に作用して架橋構造を形成する化合物であることを要し、分子内に反応点を少なくとも2つ有する化合物から選択される。このような化合物を1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。このような化合物としては、ビスエポキシド等のエポキシ基を有する化合物、ジアルデヒドデンプン、グリシジルエーテル、ジベンジリデンソルビトール、多価金属化合物、ポリカチオン性高分子化合物(塩を含む)が挙げられる。この中でも(A)塩基性局所麻酔剤を使用する本発明の場合、多価金属化合物、ポリカチオン性高分子化合物が特に好ましく、これらを併用することも好ましい。
多価金属化合物としては、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、亜鉛化合物、カドミウム化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物、錫化合物、鉄化合物、クロム化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物等が挙げられる。皮膚に対する安全性を考慮するならば、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物等を用いることが好ましい。
アルミニウム化合物、マグネシウム化合物及びカルシウム化合物としては、具体的にはカリミョウバン、アンモニウムミョウバン、鉄ミョウバン等のミョウバン類、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミニウムグリシネート、酢酸アルミニウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、酸化カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト等、これら金属を含む複塩等の水可溶性化合物、水難溶性化合物が挙げられる。これらの1種又は2種以上を使用するが、異なる金属種の化合物2種以上を使用することが好ましい。
多価金属化合物としては水難溶性化合物が好ましく、この中でも、合成ヒドロタルサイト、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム等の2種以上の金属を含むものが好ましい。特に好ましい多価金属化合物は、合成ヒドロタルサイトである。
多価金属化合物を配合する場合、配合量の下限は、水性粘着剤組成物全量中0.001%以上が好ましく、より好ましくは0.01%以上であり、特に好ましくは0.02%以上である。上限は10%以下が好ましく、より好ましくは5%以下であり、特に好ましくは2%以下である。配合量がこの範囲であると特に良好な保型性と粘着性が得られる。
ポリカチオン性高分子化合物(塩を含む)としては、ポリアクリル酸のカルボキシル基に作用して、架橋構造を形成する化合物であることを要する。すなわち、N+、S+等のカチオン基を分子内に少なくとも2つ有する高分子化合物又はその塩が挙げられ、特に水溶性のものが好ましい。このうち、カチオン基がN+基であるものが好ましく、さらにはカチオン基が、トリメチルアンモニウム基、ポリジメチルアリルアンモニウム基であるものが特に好ましい。さらに、主鎖が多糖類である高分子化合物が好ましい。
好ましいポリカチオン性高分子化合物は、ビニル系カチオン高分子化合物及びカチオン化多糖であり、具体的には、ポリ−4(2)−ビニルピリジン、イオネンポリマー(アルドリッチ社製)、N−トリアルキルアミノメチルポリスチレン、アミノアセタール化ポリビニルアルコール、ポリ−4(5)−ビニルイミダゾール、線状ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン、ポリジアルキルジアリルアンモニウム塩、ジアルキルジアリルアンモニウム塩−SO2共重合体、カチオン化デキストラン、カチオン化デンプン、カチオン化PVP(ポリビニルピロリドン)、トリメチルアンモニウム型カチオン化セルロース、ポリジメチルジアリルアンモニウム型カチオン化セルロース、ジメチルラウリルアンモニウム型カチオン化セルロース等のカチオン化セルロース、カチオン化PVA(ポリビニルアルコール)、ジメチルジアリルアンモニウム塩−アクリルアミド共重合体、カチオン型グアガム、キトサン等が挙げられる。
ポリカチオン性高分子化合物としては、1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。ポリカチオン性高分子化合物の重量平均分子量は、粘着剤組成物の弾力性及び保型性の観点から、1,000〜100,000,000が好ましく、10,000〜10,000,000がより好ましく、50,000〜10,000,000が特に好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法にて測定した値である。
ポリカチオン性高分子化合物を配合する場合、配合量の下限は、水性粘着剤組成物全量中0.1%以上が好ましく、より好ましくは0.5%以上である。上限は40%以下が好ましく、より好ましくは20%以下である。
また、ポリカチオン性高分子化合物と後述する(D)成分のカルボキシビニルポリマーの配合比率は、質量比で(ポリカチオン性高分子化合物)/(カルボキシビニルポリマー)=10/1〜1/100であるのが好ましく、さらに好ましくは5/1〜1/40である。
本発明の(D)成分はカルボキシビニルポリマーであり、その塩も含む。これらを1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。本発明においては、(D)成分のカルボキシビニルポリマーを配合することにより、(A)成分と(B)成分による高分子構造の縮退を防止することができる。カルボキシビニルポリマーとしては、架橋型ポリアクリル酸重合体として知られ、例えば、商品名「カーボポール」(BF Goodrich社製)、「アキュペック」(住友精化(株)製)、「ハイビスワコー」(和光純薬工業(株)製)、「ジュンロン」(日本純薬(株)製)」等として市販されているものを用いることができる。
(D)成分のカルボキシビニルポリマーとしては、本発明の効果の点から、0.2%中和水溶液の粘度が1,500〜50,000mPa・sのものが好ましく、10,000〜50,000mPa・sのものがさらに好ましい。ここで、中和粘度とは、カルボキシビニルポリマーの水溶液を水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に中和した水溶液粘度を意味する。本発明においては、B型回転粘度計を用いて、25℃、回転数20rpm、水溶液500mLを、直径約8cmのガラスビーカーに入れて測定した値である。
(D)カルボキシビニルポリマーの配合量の下限は、水性粘着剤組成物全量中0.01%以上が好ましく、より好ましくは0.05%以上であり、特に好ましくは0.1質量%以上である。上限は10%以下が好ましく、より好ましくは5%以下であり、特に好ましくは3%以下である。配合量がこの範囲であると、本発明の効果が特に良好である。
本発明の水性粘着剤組成物には、効果をさらに向上させる点から、(E)セルロース誘導体を配合することが好ましく、1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。セルロース誘導体としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース等が挙げられる。特に、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカリウム等のカルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩が好適に使用し得る。好ましいセルロース誘導体は、25℃における1質量%粘度が500〜8,000mPa・sのものである。本発明においては、B型回転粘度計を用いて、25℃、回転数20rpm、水溶液500mLを、直径約8cmのガラスビーカーに入れて測定した値である。
(E)セルロース誘導体の配合量の下限は、水性粘着剤組成物全量中0.01%以上が好ましく、より好ましくは0.1%以上である。上限は15%以下が好ましく、より好ましくは10%以下である。
(E)セルロース誘導体を配合する場合、(B)ポリアクリル酸及び/又はその塩と(E)セルロース誘導体との合計質量と、(D)カルボキシビニルポリマーの質量比は、(B)ポリアクリル酸及び/又はその塩と(E)セルロース誘導体の合計質量:(D)カルボキシビニルポリマー=50:1〜3:1が好ましく、より好ましくは40:1〜5:1である。この範囲で、塩基性局所麻酔剤を配合した際のポリアクリル酸系水性粘着剤の保型性が特に良好であり、支持体への裏じみや皮膚への膏体残りがない貼付剤が得られる。
本発明の水性粘着剤組成物には、(F)2〜4価のカルボン酸及び/又はその塩を配合することが好ましく、1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。2〜4価のカルボン酸及び/又はその塩は、ポリアクリル酸及び/又はその塩と架橋剤との架橋反応の調整剤として効果が高い。好ましいものとしては、エデト酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸又はそれらの塩が挙げられる。特に好ましくは、エデト酸(EDTA)二ナトリウムである。
(F)2〜4価のカルボン酸及び/又はその塩の配合量の下限は、水性粘着剤組成物全量中0.001%以上が好ましく、より好ましくは0.005%以上である。上限は5%以下が好ましく、より好ましくは2%以下である。
本発明の水性粘着剤組成物には、粘着剤物性を向上するために、さらにポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ペクチン、ビニルピロリドン・ビニルアセテート共重合体、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、トラガント等の上記以外の水溶性高分子化合物を1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて配合することができる。これら水溶性高分子化合物を配合する場合、その配合量は粘着剤組成物全量中10%以下とすることが好ましい。配合量が10%を超えると、組成物が硬くなるため、貼付剤を製造する場合に問題となることがある。
本発明の水性粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない限り、上記各成分に加えて高吸水性高分子化合物、無機粉体、多価アルコール、界面活性剤、防腐剤、紫外線吸収・散乱剤、香料、色素、酸化防止剤、pH調整剤等の他の添加成分を配合することができる。
本発明の水性粘着剤組成物には、高吸水性高分子化合物を配合することが好ましく、1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。高吸水性高分子化合物は、自重の数100〜1,000倍もの水を吸う粉末状化合物であり、具体的には、変性ポリアルキレンオキサイド、N−ビニルアセトアミド架橋体、アクリルアミド架橋体、酢酸ビニル−アルキル(メタ)アクリレート共重合体加水分解物の金属塩、ビニルアルコール−無水マレイン酸共重合体架橋物、ビニルアルコール−アクリル酸−無水マレイン酸共重合体架橋物、イソブチレン−マレイン酸共重合体架橋物、ポリアクリロニトリルグラフト重合体ケン化物、デンプン−アクリル酸グラフト重合体等を挙げることができる。より具体的には、サンウェット、サンフレッシユ(三洋化成工業(株)製)、アクアコーク(住友精化(株)製)、ノニオレックスNA−010、ノニオレックスNA−150、ノニオレックスNA−500(昭和電工(株)製)等を好適に使用することができる。
高吸水性高分子化合物の配合量の下限は、水性粘着剤組成物全量中0.01%以上が好ましく、より好ましくは0.1%以上である。上限は20%以下が好ましく、より好ましくは10%以下である。
無機粉体としては、例えば、カオリン、スメクタイト、酸化チタン、酸化亜鉛、無水ケイ酸、層状珪酸塩等及びこれらからなる粘土鉱物を挙げることができ、これらは1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。
層状珪酸塩からなる粘土鉱物として、具体的にはモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等のスメクタイト系粘土鉱物を挙げることができる。
スメクタイト系粘土鉱物は、天然より産出されるものとしては、例えばモンモリロナイトを含有する製品として、ベントナイトW及びベンゲル(豊順鉱業(株)製)、クニピアG及びクニピアF(クニミネ工業(株)製)、ウエスタンボンド(アメリカンコロイド社製)、イエローストーン(ドレッサーミネラルズ社製)等が挙げられる。サポナイトを含有する製品として、ビーガムT、ビーガムHV、ビーガムF及びビーガムK(バンダービルド社製)、ヘクトライトを含有する製品として、へクタブライトAW、へクタブライト200及びペントンEW(アメリカンコロイド社製)、マカロイド(ナショナルリード社製)等が市販されている。また、合成スメクタイト系粘土鉱物も各種販売されており、イオナイトH(水澤化学工業(株)製)、SWN及びSAN(コープケミカル(株)製)、ラボナイト(ラポルテインダストリー社製)が市販されている。その他、ソマシフ(コープケミカル(株)製)、DP−DM又はDMクリーン(トピー工業(株)製)が挙げられる。
また、上記スメクタイト系粘土鉱物としては、酸性白土のアルカリ処理物も用いることができる。通常、酸性白土とは、1%水溶液分散液のpHが5〜6以下、膨潤度が10mL/2g以下、SiO2とA123の含有量がモル比でSiO2/A123=6〜10のものを意味する。このような酸性白土としては、新潟県中条、小戸、上赤谷、糸魚川産の酸性白土、山形県水澤産、川崎、松根、上赤谷、三川、青梅、上砂見産の酸性白土等の他、これらの酸性白土と類似の性質を示す英国産のFuller’s earth、米国産のFloride earth、ドイツ産のWarkel erde等が挙げられる。酸性白土中に存在する交換性の陽イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオン等がある。これらの酸性白土はアルカリ処理することにより、上記スメクタイト系粘土鉱物と同様に配合することができる。
ここで、本発明の場合、上記スメクタイト系粘土鉱物としては、特に動的光散乱法により測定した平均粒径が10〜5,000nm、電気泳動光散乱法により測定したζ電位の絶対値が30mV以上、粉末X線回折法により求めた純度が90%以上のものを用いることが好ましい。平均粒径が10nm未満だと、水性粘着剤組成物を増粘するのに多量の粘土鉱物が必要となる場合があり、一方、平均粒径が5,000nmを超えると、安定した分散状態が得られない場合がある。また、ζ電位の絶対値が30mV未満では粘土鉱物粒子が凝縮しやすくなり、水性粘着剤組成物の製造中に凝集物の沈降が生じたりして分散安定性が低下するおそれがある。さらに、純度が低すぎると、充分な増粘効果が得られない場合がある。
無機粉体の配合量は、適宜選定することができるが、通常、水性粘着剤組成物全量中0.01〜30%程度、下限は0.1%以上が好ましく、上限は15%以下が好適である。多すぎると展延ができなくなるほど水性粘着剤組成物が硬くなる場合がある。
多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、マルチトール、キシリトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ベタインエチレングリコール、ヘキシルグリコール、ジグリセリン等の1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。
多価アルコールの配合量の下限は、水性粘着剤組成物全量中5%以上が好ましく、より好ましくは7%以上である。上限は50%以下が好ましく、より好ましくは40%以下である。
界面活性剤としては、例えば、ジグリセリンモノステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(POE)(10)グリセリルモノオレエート等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、POE(25)ラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸(エステル)塩、脂肪酸石けん、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキル硫酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキルアンモニウム塩、酢酸ベタイン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ビタミン誘導体、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸及びこれらの誘導体等が挙げられる。具体的には、ソルビタンモノオレート、グリセリルモノオレート、デカグリセリルモノオレート、ジグリセリルジオレート、ヘキサグリセリルモノラウレート、プロピレングリコールモノステアレート、POE(20)ソルビタンモノオレート、POE(60)ソルビットテトラオレート、POE(40)モノステアレート、POE(10)オレイルエーテル、POE(10)ノニルフェニルエーテル、POE(50)硬化ヒマシ油、POE(5)オレイン酸アミド、ラウリル硫酸ナトリウム、POEアルキルエーテル硫酸ナトリウム、POEアルキルエーテル酢酸ナトリウム、トリPOE(10)アルキルエーテルリン酸、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、卵黄、レシチン、イミダゾリニウムベタイン、セバシン酸ジエチル等が挙げられ、これらを1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。
界面活性剤の配合量の下限は、水性粘着剤組成物全量中0.01%以上が好ましく、より好ましくは0.1%以上である。上限は10%以下が好ましく、より好ましくは5%以下である。
防腐剤としては、パラベン、レゾルシン、フェノール、フェノキシエタノール、チモール、クレゾール、ヒノキチオール等のフェノール類、安息香酸(塩)、安息香酸ベンジル、サリチル酸(塩)、ソルビン酸(塩)、ホウ酸等の酸類、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム等の4級アンモニウム化合物、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ケイソンCG等のイソチアゾリン化合物、ジブチルヒドロキシトルエン、チモール等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。好ましい防腐剤は、パラベン、安息香酸(塩)、ヒノキチオール、イソチアゾリン化合物、ジブチルヒドロキシトルエン、チモールである。
防腐剤の配合量の下限は、水性粘着剤組成物全量中0.0001%以上が好ましく、より好ましくは0.001%以上である。上限は10%以下が好ましく、より好ましくは5%以下である。
紫外線吸収・散乱剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチルパラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキシサイナメート、酸化チタン、カオリン、タルク等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。
紫外線吸収・散乱剤の配合量の下限は、水性粘着剤組成物全量中0.01%以上が好ましく、より好ましくは0.1%以上である。上限は10%以下が好ましく、より好ましくは5%以下である。
香料としては、特に限定されないが、例えば、アニス、アンジェリカ、安息香、イモーテル、ハッカ油、カモミール、ガーリック、カルダモン、ガルバナム、キャラウェイ、キャロットシード、グアアックウッド、グレープフルーツ、サイプレス、サンダルウッド、シダーウッド、ジュニパー、スターアニス、セージ、ゼラニウム、セロリ、タイム、タラゴン、テレビン、トウヒ、乳香、バイオレット、パイン、パセリ、バーチ、パチュリー、バラ、ヒソップ、フェンネル、ブラックペッパー、ボダイジュ花、没薬、ヤロウ、レモン、レモングラス、ローズマリー、ローレル、シモツケギク、モモ、ヤグルマギク、ユーカリ、ユズ、ラベンダー等のハーブ系精油やエキス、その他低級アルコールやアルデヒド類が挙げられ、これらを1種単独又は2種以上適且組み合わせて用いることができる。香料の配合量は、通常、水性粘着剤組成物全量中0.0001〜1%である。
色素としては、酸性染料、顔料が好ましく使用される。皮膚への色移り防止の点から、顔料が特に好ましい。酸性染料としては、褐色201号、黒色401号、柴色401号、青色2号、青色202号、青色203号、青色205号、緑色201号、緑色205号、緑色401号、緑色402号、黄色201号、黄色202−1号、黄色202−2号、黄色203号、黄色402号、黄色403−1号、黄色406号、黄色407号、橙色205号、橙色207号、橙色402号、赤色102号、赤色104−1号、赤色105−1号、赤色106号、赤色2号、赤色227号、赤色230−1号、赤色230−2号、赤色231号、赤色232号、赤色3号、赤色401号、赤色503号、赤色506号等が挙げられる。顔料としては、青色404号、黄色205号、黄色401号、橙色204号、橙色401号、赤色201号、赤色202号、赤色203号、赤色204号、赤色205号、赤色206号、赤色207号、赤色208号、赤色219号、赤色220号、赤色221号、赤色228号、赤色404号、赤色405号、黄酸化鉄、ベンガラ、グンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カラミン、タルク等が挙げられる。これらを1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸とその塩類等が挙げられる。pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、アンモニア水、ホウ酸、ホウ砂、リン酸水素カリウム等が挙げられる。それぞれこれらを1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。
本発明の水性粘着剤組成物は、局所麻酔用の医薬外用貼付剤として用いることができるが、さらに(G)抗炎症剤を配合することにより、優れた外用消炎鎮痛用とすることができる。抗炎症剤としては、ステロイド系抗炎症剤、非ステロイド系抗炎症剤が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。
ステロイド系抗炎症剤としては、アムシノイド、吉草酸プレドニゾロン、吉草酸ジフルコルトロン、吉草酸ベータメタゾン、酢酸ベータメタゾン、酢酸デキサメタゾン、ジプロピオン酸ベータメタゾン、デキサメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、リルシノニド、ヒドロコルチゾン、ピバル酸フルメタゾン、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、フルオトメトロン、フルドロキシコルチド、プレドニゾロン、プロピオン酸クロベタゾール、プロピオン酸ベクロメタゾン、ベタメタゾン、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンアセテート、酪酸ヒドロコルチゾン等が挙げられる。
非ステロイド系抗炎症剤としては、サリチル酸、アスピリン、アセトアミノフェン、アミノピリン、アンチピリン、オキシフェンブタゾン、スルピリン、インドメタシン、ジクロフェナク、イブプロフェン、スリンダック、ナプロキセン、ケトプロフェン、エトフェナメート、サリチルアミド、トリエタノールアミンサリチレート、フルフェナム酸、メクロフェナム酸、コルヒチン、ブフェキサマク、フェルビナク、ロキソプロフェン、フェンブフェン、ジフルニサル、アルクロフェナック、フェニルブタゾン、メフェナム酸、フェノプロフェン、ベンダザック、ピロキシカム、フルルビプロフェン、ザルトプロフェン、エトドラク、プラノプロフェン、メピリゾール、スプロフェン、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸及びそれらの塩や誘導体等を挙げることができる。この中でも、酸性非ステロイド系抗炎症剤及びそれらの塩や誘導体が好ましい。特に好ましくは、インドメタシン、サリチル酸、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸、フルルビプロフェン、フェルビナク、ケトプロフェン、フルフェナム酸、メフェナム酸及びそれらの塩や誘導体である。
(G)抗炎症剤の配合量の下限は、水性粘着剤組成物全量中0.01%以上が好ましく、より好ましくは0.05%以上である。上限は10%以下が好ましく、より好ましくは5%以下である。この範囲で、特に優れた有効性が得られる。さらに、塩基性局所麻酔剤と抗炎症剤の質量比を、塩基性局所麻酔剤:抗炎症剤が1:10〜10:1の範囲にすることで、外用消炎鎮痛効果が高くなる。
本発明の水性粘着剤組成物には、上記薬物の他に、他の薬物を配合することができ、薬物としては、清涼化剤、温感付与剤、血流促進剤、生薬・精油、保湿剤等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。
清涼化剤としては、例えば、リモネン、テルピノレン、メンタン、テルピネン等のp−メンタン及びそれらから誘導される単環式モノテルペン系炭化水素化合物等のテルペン系炭化水素化合物、l−メントール、イソプレゴール、1,3−メントキシプロパン−1,2−ジオール等のメントール類縁化合物、カンフル、チモール等が好適に使用される。
温感付与剤としては、皮膚に適用した時に温感を感じさせる物質であればよく、このような物質として、例えば、カプシコシド、カプサイシン、カプサイシノイド、ジビトロキシカプサイシン、カプサンチン等のカプサイシン類似体、トウガラシエキス、トウガラシチンキ、トウガラシ末等のトウガラシ由来の温感付与物質、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、N−アシルワニルアミド、ノニル酸ワニルアミド、バニリルブチルエーテル等が挙げられる。また、血流促進剤としては、例えば、酢酸トコフェロール、アセチルオイゲノール、延命草エキス、ボタンピエキス、アルニカチンキ、ショウガエキス、ケイヒ油等が挙げられる。
生薬・精油としては、例えば、オオバク等の生薬末や、オウバク、サンショウ、センブリ、カンゾウ、オウゴン、サンシシ、トウキ、セッコツボク、ヨウバイヒ、ヨクイニン等の生薬エキス、ハッカ油、ケイ皮油等の精油等が挙げられる。
保湿剤としては、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等のNMF成分、ヒアルロン酸、コラーゲン、ムコ多糖類、コンドロイチン硫酸等の水溶性高分子物質等が挙げられる。アミノ酸類としては、具体的にグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン及びその誘導体等が挙げられる。
これらの薬効成分を粘着剤中に配合する場合、その物質が日本薬局方に収載されているか、他の文献等によって使用適量が定められている場合には、該使用適量に合わせて配合するのが好ましい。特に使用適量が定められていない物質の配合量の下限は、水性粘着剤組成物全量中0.0001%以上が好ましく、より好ましくは0.001%以上である。上限は10%以下が好ましく、より好ましくは5%以下である。配合量が0.0001%未満だと、薬物としての効果が認められない場合があり、10%を超えて配合しても効果は変わらない場合がある。
水性粘着剤組成物の含水率は、30〜90%が好ましく、より好ましくは40〜89%%である。
水性粘着剤組成物は、例えば、次のようにして調製することができる。まず、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサー、リボンミキサー、ニーダー等のミキサーを回転させながら、予備分散させた(B)ポリアクリル酸及び/又はその塩、(D)カルボキシビニルポリマーを添加する。次いで、ミキサーの回転数を落とすかあるいは回転を止めて、予め分散又は溶解した粘土鉱物、無機粉体、吸油剤、他の水溶性高分子化合物、色素、薬物成分、防腐剤、油分等の任意成分を必要に応じて順次添加する。最後に、ミキサーを回転させながら、予備分散させた(C)架橋剤を添加して、全ての配合物を練合する。練合する際の温度は10〜60℃であるのが好ましく、より好ましくは20〜50℃である。
本発明は、水性粘着剤組成物を有する医薬外用貼付剤であり、水性粘着剤組成物をそのまま医薬外用貼付剤として用いてもよい。また、水性粘着剤組成物を支持体に塗布して用いてもよい。
水性粘着剤組成物を支持体に塗布して用いる方法としては、ロールサンドあるいはナイフコー夕ー方式等により、不織布、編布、織布等の繊維シート、フィルムシート、フィルムと繊維シートとが積層されたシート等の支持体に均一に塗布して、水性粘着剤組成物層
を形成する。この水性粘着剤組成物層は、支持体全面又は部分的あるいは間欠に形成される。その後、必要に応じて水性粘着剤組成物層表面を、保護用のポリプロピレンフィルム等のフェイシングで被覆し、適且大きさに裁断して医薬外用貼付剤とする。
また、水性粘着剤組成物を剥離可能なプラスチックシート状に塗布し、表面に硫酸アルミニウム等の水溶性架橋剤水溶液を噴霧又は塗布して過架橋させて非粘着化させ、使用時にプラスチックシートを剥離して使用するゲルシート状の貼付剤とすることもできる。このようにすることにより、特に良好な患部冷却効果が得られ、消炎鎮痛・鎮痒効果が優れた医薬外用貼付剤を得ることができる。
本発明の医薬外用貼付剤は、塩基性局所麻酔剤を含有する水性粘着剤組成物を有することから、局所麻酔用として好適に用いることができ、その場合の塩基性局所麻酔剤の配合量は、水性粘着剤組成物0.001〜5質量%が好ましい。さらに、抗炎症剤を水性粘着剤組成物に配合することにより、外用消炎鎮痛用として好適に用いることができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。尚、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%、比率は質量比を示す。
[実施例1〜33、比較例1、2]
表1〜5に示す各成分を常法に従いへンシェルミキサーにより混合撹拌して水性粘着剤組成物を調製し、これを直ちに1枚(140×100mm)当り14gとなるようにニット(目付け:120g/m2)に展延、裁断して(140×100mm)医薬外用貼付剤を調製した。実施例1〜22及び比較例1、2について下記評価を行った。結果を表1〜3に併記する。
裏じみ評価
貼付剤を製造後20枚積み重ね、翌日一番下の貼付剤について肉眼観察及び触感により以下の評価基準で評価した。評価はサンプル10枚で行いその平均値を示した。
<評価基準>
5点:全く“裏じみ”なし
4点:わずかに“裏じみ”あり
3点:“裏じみ”を認めた
2点:やや激しい“裏じみ”を認めた
1点:かなり激しい“裏じみ”を認めた
水性粘着剤組成物のはみだし評価
貼付剤を製造後20枚積み重ね、翌日一番下の貼付剤について肉眼観察及び触感により以下の評価基準で評価した。評価はサンプル10枚で行いその平均値を示した。
<評価基準>
5点:全くなし
4点:わずかにあり
3点:少量あり
2点:多量にあり
1点:かなり多量にあり
粘着性評価
成人20名のパネラーの肘に3時間貼付したときの剥れ・めくれの状況を以下の評価基準で評価した。評価は20名の平均値を示した。
<評価基準>
5点:剥れ・めくれがなかった
4点:貼付剤の周囲がややめくれた
3点:貼付剤全体の1/4〜1/3の部分がめくれた
2点:貼付剤全体の1/3〜1/2の部分がめくれた
1点:貼付剤が剥れおちた
Figure 2005179319
Figure 2005179319
Figure 2005179319
Figure 2005179319
Figure 2005179319
表中の成分を下記に示す。
・直鎖ポリアクリル酸−1:
日本純薬(株)製 ジュリマー(分子量10〜30万)
・直鎖ポリアクリル酸−2:
日本純薬(株)製 ジュリマー(分子量80〜120万)
・ポリアクリル酸ナトリウム:
日本純薬(株)製 アロンビス(分子量400万〜500万)
・カルボキシビニルポリマー−1:
住友精化(株)製 アキュペック(0.2%粘度15,000〜30,000mPa・s)・カルボキシビニルポリマー−2:
日本純薬(株)製 ジュンロン (0.2%粘度8,000〜20,000mPa・s)
・カルボキシビニルポリマー−3:
BF.Goodrich社製 Carbopol(0.2%粘度15,000〜30,000mPa・s)
・カルボキシメチルセルロースナトリウム:
ダイセル化学工業(株)製 CMCダイセル(1%粘度1,000〜3,000mPa・s)
・ヒドロキシエチルセルロース:
住友精化(株)製 フジケミHEC(1%粘度1,000〜3,000mPa・s)
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース:
信越化学工業(株)製メトローズ(1%粘度1,000〜5,000mPa・s)
・メチルセルロース:
信越化学工業(株)製メトローズSM(1%粘度1,000〜5,000mPa・s)
・カチオン化セルロース:
日本NSC(株)製セルコート(分子量200万)

Claims (7)

  1. (A)塩基性局所麻酔剤、(B)ポリアクリル酸及び/又はその塩、(C)架橋剤を含有する水性粘着剤組成物であって、さらに(D)カルボキシビニルポリマーを含有してなることを特徴とする水性粘着剤組成物を有する医薬外用貼付剤。
  2. 水性粘着剤組成物が、さらに(E)セルロース誘導体を含有してなることを特徴とする請求項1に記載の医薬外用貼付剤。
  3. (B)ポリアクリル酸及び/又はその塩と(E)セルロース誘導体との合計質量と、(D)カルボキシビニルポリマーの質量比が、50:1〜3:1であることを特徴とする請求項1又は2記載の医薬外用貼付剤。
  4. (C)成分の架橋剤が、2種以上の金属を有する多価金属化合物及び/又はポリカチオン性高分子化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬外用貼付剤。
  5. 水性粘着剤組成物が、さらに(F)2〜4価のカルボン酸及び/又はその塩を含有してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬外用貼付剤。
  6. (A)塩基性局所麻酔剤の含有量が0.001〜5質量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬外用貼付剤。
  7. 水性粘着剤組成物が、さらに(G)抗炎症剤を含有してなり、外用消炎鎮痛用であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬外用貼付剤。
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