JP2004033279A - 貼付剤 - Google Patents

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Kimishi Hishiki
飛鋪 季未子
Norio Iida
飯田 教雄
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Abstract

【課題】本発明は、貼付しても目立たず、冷却効果が高く、しかも支持体表面のべたつきがない貼付剤を提供することを目的とする。
【解決手段】樹脂フィルム層▲1▼、含水粘着剤層、繊維シート層、樹脂フィルム層▲2▼の順に積層され、貼付時に樹脂フィルム層▲1▼▲2▼を剥離して使用するための貼付剤であって、
・含水粘着剤層が水溶性高分子化合物、架橋剤、及び30〜95質量%の水を含有する含水粘着剤組成物であり、
・繊維シート層が疎水性繊維からなる織布、不織布、編布から選ばれるシートであることを特徴とする、貼付剤とする。繊維シートは、好ましくは目付け3〜100g/mの低目付けのものを使用する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の技術分野】
貼付時に目立たず、かつ水分の気化熱による高い冷却効果をも有する貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、患部を冷却するための貼付剤として目付け100g/m程度の厚みがある不織布に含水ゲルを塗布した貼付剤が広く知られている。不織布は高い透湿性を有するため、ゲル中の水の蒸散によって優れた冷却効果を有するが、厚みがあるため貼付部位が目立つという難点があった。
一方、貼付していることが目立たない透明貼付剤として、樹脂フィルムを支持体とした特開昭55−111416号、特開平2−270818などに記載された貼付剤があるが、樹脂フィルムは透湿性が低いため含水ゲルの水分蒸散量が小さく、満足な冷却効果が得られない。
また、実開昭60−93725号公報では、剥離シートで被覆したパップ基剤の他面に網目状の親水性基布と疎水性フィルムで被覆し、使用時に剥離シートと疎水性フィルムを剥離して皮膚に貼付する冷感パップ剤が提案されている。このパップ剤は編布を使用し暑苦しい感触がなく、冷感作用が高いことが記載されている。しかしこのパップ剤は親水性基布を使用しているため、水性基剤が繊維にしみ込み疎水性フィルムを剥がした後のパップ剤表面がべたつくという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、貼付しても目立たず、しかも冷却効果が高く表面のべたつきもない透明または半透明の貼付剤を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは検討の結果、疎水性繊維シートと樹脂フィルムを剥離可能に接着した支持体上に、架橋性水溶性高分子化合物と架橋剤を有する含水粘着剤組成物と、フェイシングフィルムとを積層し、貼付剤使用時にフィルム層を剥がす構成とすることにより、製造時の含水粘着剤のしみだし、使用時のべたつきがなく、使用時には目立たず、しかも冷却効果に優れた良好な貼付剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち本発明は、
<1>樹脂フィルム層▲1▼(フェイシングフィルム)、含水粘着剤層、繊維シート層、樹脂フィルム層▲2▼の順に積層され、貼付時に樹脂フィルム層▲1▼▲2▼を剥離して使用するための貼付剤であって、
・含水粘着剤層が架橋性水溶性高分子化合物、架橋剤、及び30〜95質量%の水を含有する含水粘着剤組成物であり、
・繊維シート層が疎水性繊維からなる織布、不織布、編布から選ばれるシートであることを特徴とする、貼付剤。
<2>繊維シート層と樹脂フィルム層▲2▼が0.25kgf/25mm以下の剥離強度となるように接着されていることを特徴とする、<1>に記載の貼付剤。
<3> 含水粘着剤層がポリアクリル酸及び/又はその塩、粒径0.5〜400μmの架橋剤、水50〜95質量%を含有することを特徴とする、<1>または<2>に記載の貼付剤。
を提供する。
以下、本発明の貼付剤を詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の貼付剤は、樹脂フィルム層▲1▼(フェイシングフィルム)、架橋型高分子化合物を有する含水粘着剤層、繊維シート層、樹脂フィルム層▲2▼の順に積層されている。
本発明の貼付剤に用いる含水粘着剤層は、架橋された高分子マトリクスに水が保持された含水ゲルであり、架橋剤により架橋可能な水溶性高分子化合物(架橋性水溶性高分子化合物)と架橋剤を必須成分とする。架橋性高分子化合物は経時で架橋が進行するため、粘着剤を製造し支持体に塗布する段階ではゆるいゲル状であり繊維間に浸入し、その後架橋が進行するため、使用時は保型性を有するゲル体である。架橋の進行中に、隣接する繊維層にゲルが絡みゲル強度が高くなるため、含水粘着剤層と繊維層は強固に接着されている。
【0007】
前記含水粘着剤層に使用する好ましい架橋性水溶性高分子としては、ポリアクリル酸系の高分子化合物が挙げられる。ポリアクリル酸を主基剤とする含水系粘着剤は、高含水としても保形性と粘着力に優れた貼付基剤であり、特に有効成分の経皮吸収性が高い貼付剤が得られる。
また、ポリアクリル酸とポリアクリル酸塩との架橋体は、特に制限されることはなく、公知のものを使用し得るが、例えば、特開昭59−110614号公報、同59−110616号公報、同59−110617号公報、同60−99180号公報、同60−260512号公報、同60−260513号公報等に記載されたポリアクリル酸とポリアクリル酸塩との金属架橋体を含有する水系粘着基剤が好ましい。
【0008】
具体的には、直鎖状あるいは分岐鎖状の分子量1万〜1000万のものを用いることが好ましい。特に、重量平均分子量が1万〜50万未満、50万〜200万未満、200万〜500万の異なる平均分子量を有するポリアクリル酸及び/又はその塩を2種以上、特に好ましくは3種以上を組み合わせると、さらに良好な粘着力と使用感を得ることができる。
なお、通常のアクリル酸を重合して得られた重合体のほか、カーボポール(商品名:米国グッドリッチ社製)等のアクリル酸重合体を一部架橋したものも好適に使用し得る。
【0009】
また、ポリアクリル酸塩としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム等のポリアクリル酸の一価金属塩、ポリアクリル酸モノエタノールアミン、ポリアクリル酸ジエタノールアミン、ポリアクリル酸トリエタノールアミン等のポリアクリル酸のアミン塩、ポリアクリル酸のアンモニウム塩等の1種又は2種以上が好適に使用し得る。
【0010】
ここで、ポリアクリル酸塩とポリアクリル酸との配合比(重量比)は1:0.1〜1:10、特に好ましくは、1:1〜1:9とすることが望ましいが、ポリアクリル酸又は塩を一部中和してポリアクリル酸塩が上記比率になるようにしたものを用いても差し支えない。また、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸塩の合計配合量は粘着剤組成物全体の0.5〜20質量%(以下、単に「%」という)、特に1〜15%とすることが好ましい。0.5%未満では粘着力が不足する場合がある。20%を超えると粘着剤ゲルの初期粘度が高くなり、繊維シート層の繊維間へのゲルの浸入が不十分となるため、粘着剤層と繊維シート層の接着強度が低下する。また、製造時の作業性に問題が生じることもある。
【0011】
さらに、セルロース誘導体を添加すると、粘着剤の使用感を向上させることができ好ましい。
セルロース誘導体としては、例えば、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等が挙げられる。特に、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカリウム等のカルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩が好適に使用し得る。好ましいセルロース誘導体は、25℃における1質量%粘度が500mPa・s〜8000mPa・sのものである。セルロース誘導体の配合量は、粘着剤組成物全体の15%以下とすることが好ましい。15%を超えると初期粘度が高くなり、繊維シート層との接着性、製造時の作業性に問題が生じる場合がある。
【0012】
さらに、粘着剤物性を向上するために、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ペクチン、ビニルピロリドン・ビニルアセテート共重合体、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、トラガントなどの前記以外の水溶性高分子を配合することが好ましい。これら水溶性高分子を配合する場合、その配合量は粘着剤組成物全体の0〜10%とする。配合量が10%より多いと組成物が硬くなり、皮膚への粘着性が損なわれる。
【0013】
上記含水系粘着剤に用いることができる架橋剤は、ポリカルボン酸のカルボキシル基に作用して架橋構造を形成するものであり、分子内に反応点を少なくとも2つ有する化合物である。
例えば、ビスエポキシドなどのエポキシ基を有する化合物、ジアルデヒドデンプン、グリシジルエーテル、ジベンジリデンソルビトール、多価金属化合物、ポリカチオン性高分子又はその塩などが挙げられるが、多価金属化合物、ポリカチオン性高分子又はその塩が特に好ましい。
【0014】
多価金属化合物としては、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、亜鉛化合物、カドミウム化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物、錫化合物、鉄化合物、クロム化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物等が使用し得るが、本発明の外用貼付剤は、皮膚に適用するものであり、皮膚に対する安全性を考慮するならば、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物等を用いることが好ましい。
具体的には、カリミョウバン、アンモニウムミョウバン、鉄ミョウバン等のミョウバン類、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミニウムグリシネート、酢酸アルミニウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、酸化カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、これら金属を含む複塩等の水可溶性化合物、水難溶性化合物等が挙げられる。好ましい化合物は、合成ヒドロタルサイト、(メタ)ケイ酸アルミン酸マグネシウム、アルミニウムグリシネートである。
【0015】
ここで、多価金属化合物の配合量は、粘着剤組成物全体の0.001〜10%、好ましくは0.01〜5%、更に好ましくは0.02〜2%とすることが好適であり、0.001%より少ないと、凝集力低下のため剥離時に粘着剤が皮膚に残る場合が生じる。10%より多いと粘着力低下のため貼付した時に剥がれ落ち、本来のサポート機能を発揮できない原因となる。
【0016】
また、架橋剤として使用可能なポリカチオン性高分子又はその塩としては、アニオン基を有するゲル形成高分子のアニオン基に作用して、架橋構造を形成する作用を有するものが挙げられる。
このようなものの例としては、N+、S+等のカチオン基を分子内に少なくとも2つ有する高分子又はその塩であって水溶性のものが挙げられる。このうち、カチオン基がN+基であるものが好ましく、さらにはカチオン基が、トリメチルアンモニウム基、又はポリジメチルアリルアンモニウム基であるものが好ましい。また、主鎖が多糖頼系である高分子が好ましい。
このようなものとしては、例えば、ビニル系カチオン高分子及びカチオン化多糖、具体的には、ポリー4(2)−ビニルピリジン、イオネンポリマー(アルドリッチ社製)、N−トリアルキルアミノメチルポリスチレン、アミノアセタール化ポリビニルアルコール、ポリー4(5)−ビニルイミダゾール、線状ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン、ポリジアルキルジアリルアンモニウム塩、ジアルキルジアリルアンモニウム塩−SO2共重合体、カチオン化デキストラン、カチオン化デンプン、カチオン化PVP、トリメチルアンモニウム型カチオン化セルロース、ポリジメチルジアリルアンモニウム型カチオン化セルロース、又はジメチルラウリルアンモニウム型カチオン化セルロース等のカチオン化セルロース、カチオン化PVA、ジメチルジアリルアンモニウム塩−アクリルアミド共重合体、カチオン型グアガム、キトサン、ゼラチン、又はこれらの塩、例えばフッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物等が挙げられる。好ましい高分子はカチオン化セルロースである。
【0017】
なお、ポリカチオン性高分子又はその塩としては、単一のものを使用してもよく、あるいは2種以上のものを併用してもよい。
ポリカチオン性高分子又はその塩の重量平均分子量は、例えば、1,000〜100,000,000であってよい。特に、粘着剤組成物の弾力性及び保形性の観点から、重量平均分子量は10,000〜10,000,000であるのが好ましく、より好ましくは50,000〜10,000,000である。
【0018】
ポリカチオン性高分子又はその塩の配合量は、粘着剤組成物全体の質量を基準として0.1〜40%とすることができ、所要の効果を有する一層良好な組成物を得る観点から、好ましくは0.5〜20%である。
また、ポリカチオン性高分子又はその塩とカルボキシル基含有ポリマー及び/又はその塩との配合比率は、質量比で、(ポリカチオン性高分子又はその塩)/(カルボキシル基含有ポリマー及び/又はその塩)=10/1〜1/100であるのが好ましく、更に好ましくは5/1〜1/40である。
【0019】
本発明において、カルボキシル基含有ポリマー及び/又はその塩を、適切な架橋剤を使用して架橋する場合において、架橋反応の速度調整剤を使用して、架橋反応を所望の速度で行わせることができる。
架橋反応の速度調整剤としては、例えば、エデト酸(EDTA)ニナトリウム、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、ピロリン酸ナトリウム、尿素、アンモニア等の、金属イオンに対して、キレート若しくは配位能を持つ有機酸、有機酸塩、有機塩基等を使用することが可能である。
【0020】
なお、本発明の水系粘着剤には、本発明の効果を損なわない限り、上記各成分に加えて無機粉体、多価アルコールなどその他の成分を適宜配合することもできる。
【0021】
無機粉体としては、例えば、カオリン、スメクタイト、酸化チタン、酸化亜鉛、無水ケイ酸及び層状珪酸塩等を挙げることができ、これらは1種又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
層状珪酸塩からなる粘土鉱物として、具体的にはモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等のスメクタイト系粘土鉱物を挙げることができ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いられる。
【0022】
スメクタイト系粘土鉱物は、天然より産出されるものとしては、例えばモンモリロナイトを含有する製品として、豊順鉱業(株)からベントナイトW,ベンゲル,クニミネエ業(株)からクニピアG及びクニピアF,アメリカンコロイド社からウエスタンボンド,ドレッサーミネラルズ社からのイエローストーン等、サポナイトを含有する製品として、バンダービルド社からビーガムT,ピーガムHV,ビーガムF及びビーガムK等、ヘクトライトを含有する製品として、アメリカンコロイド社からへクタブライトAW,へクタブライト200及びペントンEW、ナショナルリード社からマカロイドなどが市販されている。また、合成スメクタイト系粘土鉱物も各種販売されており、水澤化学工業(株)社からイオナイトH、コープケミカル(株)社からSWN,SAN,ラポルテインダストリー社からラボナイトなどが市販されている。その他、コープケミカル(株)製ソマシフ、トピー工業(株)製DP−DM又はDMクリーンが挙げられる。
【0023】
また、上記スメクタイト系粘土鉱物としては、酸性白土のアルカリ処理物も用いることができる。即ち、通常、酸性白土とは、1%水溶液分散液のpHが5〜6以下、膨潤度が10ml/2g以下、SiO2とA12O3の含有量がモル比でSiO2/A12O3=6〜10のものを指称し、このような酸性白土としては、新潟県中条、小戸、上赤谷、糸魚川産の酸性白土、山形県水澤産、川崎、松根、上赤谷、三川、青梅、上砂見産の酸性白土等の他、これらの酸性白土と類似の性質を示す英国産のFuller’s earth、米国産のFloride erth、ドイツ産のWarkel erde等が挙げられる。酸性白土中に存在する交換性の陽イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオン等がある。これらの酸性白土はアルカリ処理することにより、上記スメクタイト系粘土鉱物と同様に配合することができる。
【0024】
ここで、本発明の場合、上記スメグタイト系粘土鉱物としては、特に動的光散乱法により測定した平均粒径が10〜5000nm、電気泳動光散乱法により測定したζ電位の絶対値が30mV以上、粉末X線回折法により求めた純度が90%以上のものを用いることが好ましい。上記粘土鉱物の平均粒径が10nmより小さすぎると、粘着剤を増粘するのに多量の粘土鉱物が必要となる場合があり、一方、平均粒径が5000nmより大きすぎると、安定した分散状態が得られない場合がある。また、ζ電位の絶対値が30mV未満では粘土鉱物粒子が凝縮しやすくなり、粘着剤組成物の製造中に凝集物の沈降が生じたりして分散安定性が低下するおそれがある。
さらに、純度が低すぎると、十分な増粘効果が得られない場合がある。
【0025】
本発明の粘着剤中に配合する上記無機粉体は、これらを1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。無機粉体の配合量は、適宜選定することができるが、通常、粘着剤組成物全体の0.01〜30%程度、更に好ましくは0.1〜15%が好適である。この範囲で、適度な柔軟性を有する含水粘着剤が得られる。
【0026】
また、多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、マルチトール、キシリトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ベタインエチレングリコール、ヘキシルグリコール、ジグリセリン等の1種又は2種以上を使用し得る。
【0027】
本発明に使用する含水系粘着剤には、上記の他に、例えば薬効成分、高吸水性高分子化合物、乳化剤、防腐剤、色素、顔料、香料、保湿剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤等の外用貼付剤に使用可能な各種成分を本発明の効果を損なわない範囲で任意に配合することができる。
【0028】
本発明において、上記粘着剤層中に含有する薬効成分としては、特に限定されないが、非ステロイド系抗炎症剤、清涼化剤、温感付与剤、血流促進剤、生薬類、精油などが挙げられ、これらは単独で、または2種以上組み合わせて用いても良い。
【0029】
具体的に用いることができる非ステロイド系抗炎症剤としては、例えば、皮膚外用剤に配合し得るものであればその種類が特に制限されるものではなく、例えばアズレン、アセトアミノフェン、アセメタシン、アルクロフェナク、アルミノプロフェン、アンピロキシカム、アンフエナク、イソキシカム、イソキセバク、ブフエナク、イブプロフェン、インドシン、インドプロフェン、インドメタシン、エトドラク、エモルファゾン、オキサプロジン、オキサブロフェン、オキシカム、オキセビナク、オルセノン、オルトフェナミン酸、カルプロフェン、クリダナク、クリプロフェン、ケトチフェン、ケトプロフェン、ケトロラク、アスピリン、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール等のサリチル酸系薬剤、ザルトプロフェン、ジクロフエナク、シクロプロフエン、ジドメタシン、ジフルニサル、硝酸イソソルビド、スドキシカム、スプロフェン、スリンダク、ゾメビラク、チアプロフェン、チオキサブロフェン、チオビナク、テニラック、テノキシカム、トラマドール、トルメチン、トルフェナム酸、ナプロキセン、ニフルミン酸、ビルプロフェン、ピロキシカム、フェニドン、フェノプロフェン、フェルビナク、フェンクロフェナク、フェンチアザク、フェンブフェン、ブクロキシ酸、ブフェキサマク、プラノブロフェン、フルプロフェン、フルフェナミン酸、フルフェニサル、フルルビプロフェン、フルルビプロフェンアキセチル、フロクタフェニン、プロチジン酸、フロフェナク、ベノキサブロフエン、ベノリレート、ベンダザク、ミロプロフェン、メクロフェナミン酸、メピリゾール、メフェナム酸、リシブフェン、ロキソプロフェン及びこれらの塩等が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
本発明の場合、抗炎症作用、安全性などを考慮すると、これらの中でもフルルビプロフェン、フェルビナク、ブフェキサマク、スプロフェン、イブプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、ピロキシカム、インドメタシン、ザルトプロフェン、ケトプロフェン、メフェナム酸等が好適である。
【0030】
清涼化剤としては、例えば、リモネン、テルピノレン、メンタン、テルピネンなどのp−メンタン及びそれらから誘導される単環式モノテルペン系炭化水素化合物等のテルペン系炭化水素化合物、l−メントール、イソプレゴール,3,1−メントキシプロパン−1,2−ジオール等のメントール類縁化合物、カンフル、チモールなどが好適に使用される。
【0031】
温感付与剤としては、皮膚に適用した時に温感を感じさせる物質であればよく、このような物質として、例えば、カプシコシド,カプサイシン,カプサイシノイド,ジビトロキシカプサイシン、カプサンチン等のカプサイシン類似体、トウガラシエキス,トウガラシチンキ,トウガラシ末などのトウガラシ由来の温感付与物質、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、N−アシルワニルアミド、ノニル酸ワニルアミド、バニリルブチルエーテル等が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
また、血流促進剤としては、例えば、酢酸トコフェロール、アセチルオイゲノール、延命草エキス、ボータンピエキス、アハニカチンキ、ショウガエキスなどが挙げられる。
【0032】
生薬・精油としては、例えば、オオバク等の生薬末や、オウバク、サンショウ、センブリ、カンゾウ、オウゴン、サンシシ、トウキ、セッコツボク、ヨウバイヒ、ヨクイニンなどの生薬エキス、ハッカ油、ケイ皮油等の精油などが挙げられる。
【0033】
これらの薬効成分を粘着剤中に配合する場合、その物質が日本薬局方に収載されているか、他の文献等によって使用適量が定められている場合には、該使用適量に合わせて配合するのが好ましい。
その他の特に使用適量が定められていない物質の配合量は、粘着剤全量に対して、0.0001〜10%、好ましくは0.001〜5%程度とするのが望ましい。薬効成分の配合量が、0.0001%より低いと、薬物としての効果が認められず、また、10%を越えて配合しても効果は変わらない。
【0034】
また、以下の薬物、例えば創傷治療剤、抗生物質、化学療法剤、静菌・殺菌・消毒剤、ステロイド系抗炎症剤、局所麻酔剤、抗アレルギー剤、抗高血圧剤、血管拡張剤、乾癬治療剤、皮膚軟化剤、皮膚緩和剤、脂溶性ビタミン類、酵素類、多糖類等も使用できる。
【0035】
〔創傷治療剤〕アラントイン及びその誘導体、グルチルリチン酸、グリチルレチン酸およぴその誘導体、ε−アミノカプロン酸、甘草、紫根、アズレン、ヒノキチオール、アロエなどが挙げられるが、アラントイン及びその誘導体が好ましい。この成分の添加量は、粘着剤全量に対して、0.01〜5.0%、好ましくは、0.1〜1.0%とする。
〔抗生物質〕ペニシリンG、ペニシリンV、メチシリン、オキサシリン、クロキサシリン、アンピシリン、へタシリン、シクラシリン、アモキシシリン、カルペニシリン、スルベニシリン等のペニシリン系抗生物質。セファロリジン、セファロチン、セファゾリン、セファログリシン、セファレキシン等のセファロスポリン系抗生物質。ストレプトマイシン、カナマイシン、ジベカシン、ゲンタマイシン、フラジオマイシン等のアミノグルコシド系抗生物質。オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、ジメチルクロルテトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン等のテトラサイクリン系抗生物質。エリスロマイシン、ロイコマイシン、ジョサマイシン等のマクロライド系抗生物質。リンコマイシン、クリンダマイシン等のリンコマイシン系抗生物質。クロラムフェニコール、ミカマイシン、グラミシジン、グラミシジンS、カプレオマイシン、サイクロセリン、エンビオマイシン、リファンピシン、ナイスタチン、トリコマイシン、アムホテリシンB、グリセオフルビン、バリオチン、ピロールニトリン、シッカニン、ニトロフラントイン、5−ヨードー2−デオキシウリジン、セファメジン、フォスフオノマイシン、N−ホルムイミドイルチェナマイシン1水和物などが挙げられる。
〔化学療法剤〕酢酸マフェニド、スルファジアジン、スルファジアジン銀、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフィソミジン、スルフィソミジンナトリウム等の外用サルファ剤などが挙げられる。
〔静菌・殺菌・消毒剤〕ヨウ素、ボンピドンヨード、ジョードヒドロキシプロパン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化メチルロザニリン、ヘキサクロロフェン、クロルヘキシジン、ベンゾイルパーオキサイドトルナフテートなどが挙げられる。
【0036】
〔抗真菌剤〕ナフチオメート、クロトリマゾール、グリセオフルビン、シッカニン、トリコマイシン、ナイスタチン、ピロールニトリン、エキサラミド、塩酸クロコナゾール、硝酸イソコナゾール、硝酸エコナゾール、硝酸オキシコナゾール、硝酸スルコナゾール、ミコナゾール、チオコナゾール、トルシクラート、バリオテン、ハロプロジン、フェニルヨードウンデシレート、ビフォナゾール、ナフティフィン、ケトコナゾール、オクトピロックス、シクロピロックス、オラミンなどが挙げられる。
〔ステロイド系抗炎症剤〕アムシノイド、吉草酸プレドニゾロン、吉草酸ジフルコルトロン、吉草酸ベータメタゾン、酢酸ベータメタゾン、酢酸デキサメタゾン、ジプロビオン酸ベータメタゾン、デキサメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、リルシノニド、ヒドロコルチゾン、ビバル酸フルメタゾン、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、フルオトメトロン、フルドロキシコルチド、プレドニゾロン、プロピオン酸クロベタゾール、プロピオン酸ベクロメタゾン、べタメタゾン、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンアセテート、酪酸ヒドロコルチゾン等が挙げられる。
〔抗アレルギー剤〕ジプロへブタジンハイドロクロライド、クロモグリク酸ナトリウム、ケトチフエンなどが挙げられる。
〔抗高血圧剤〕レセルピン、レシナミンなどのラウロルフィアアルカロイド類。クロニジン、プラゾシン、ナシル酸ジヒドロエルゴトキシン、メチクラン、メチルドーパ、グアネチジン、べタニジンなどが挙げられる。
〔乾癬治療剤〕メトキサレンなどが挙げられる。
〔皮膚軟化剤あるいは皮膚緩和剤〕ヒドロキノン、尿素、ヘパリン、コンドロイチン硫酸などが挙げられる。
〔ビタミン類〕1,25−ジヒドロキシビタミンD3、1α−ヒドロキシビタミンD3、1,24−ジヒドロキシビタミンD3、24,25−ジヒドロキシビタミンD3、1α,25−ジヒドロキシビタミンD3−26,23−ラクトン、25−ヒドロキシビタミンD3−26,23−ラクトン、ビタミンA、ビタミンE、酢酸トコフェロール、ビタミンK、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンF、ビタミンP、ビタミンU、カルニチン、フエルラ酸、γ−オリザノール、α−リポ酸、オロット酸およぴその誘導体などが挙げられる。
〔酵素製剤〕トリプシン、パパイン、プロテアーゼ、リゾチーム、ストレプトキナーゼ、プラスミン、ウロキナーゼ、ヒアルロニダーゼ、α−キモトリプシン、セラチオペプチダーゼ、ブロメライン、セミアルカリペプチダーゼなどが挙げられる。
〔多糖類〕ヘパリン、コンドロイチン硫酸などが挙げられる。
これらの薬効成分は、1種単独で又は2種以上を適宜組合わせて使用することができ、その配合量は、適宜設定することができる。
【0037】
高吸水性高分子化合物としては、その種類が特に限定されるものではなく、変性ポリアルキレンオキサイド,N−ビニルアセトアミド架橋体、アクリルアミド架橋体、酢酸ビニルーアルキル(メタ)アクリレート共重合体加水分解物の金属塩、ビニルアルコール−無水マレイン酸共重合体架橋物、ビニルアルコール−アクリル酸−無水マレイン酸共重合体架橋物、イソブチレン−マレイン酸共重合体架橋物、ポリアクリロニトリルグラフト重合体ケン化物、デンプン−アクリル酸グラフト重合体等を挙げることができ、より具体的には、サンウェット、サンフレッシユAT−35(三洋化成社製)、アクアコーク(住友精化社製)、ノニオレックスNA−010、ノニオレックスNA−150、ノニオレックスNA−500(昭和電工社製)等を好適に使用することができる。
【0038】
界面活性剤としては、例えば、ジグリセリンモノステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(POE=10)グリセリルモノオレエート等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、POE(25)ラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸(エステル)塩、脂肪酸石けん、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキル硫酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキルアンモニウム塩、酢酸ベタイン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ビタミン誘導体、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸及びこれらの誘導体等が挙げられ、具体的には、ソルビタンモノオレート、グリセリルモノオレート、デカグリセリルモノオレート、ジグリセリルジオレート、ヘキサグリセリルモノラウレート、プロピレングリコールモノステアレート、POE(20)ソルビタンモノオレート、POE(60)ソルビットテトラオレート、POE(40)モノステアレート、POE(10)オレイルエーテル、POE(10)ノニルフェニルエーテル、POE(50)硬化ヒマシ油、POE(5)オレイン酸アミド、ラウリル硫酸ナトリウム、POEアルキルエーテル硫酸ナトリウム、POEアルキルエーテル酢酸ナトリウム、トリPOE(10)アルキルエーテルリン酸、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、卵黄、レシチン、イミダゾリニウムベタイン、セバシン酸ジエチル等が挙げられる。
【0039】
保湿剤としては、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等のNMF成分;ヒアルロン酸、コラーゲン、ムコ多糖類、コンドロイチン硫酸等の水溶性高分子物質等を例示することができる。
酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸とその塩類等を;pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、アンモニア水、ホウ酸、ホウ砂、リン酸水素カリウム等をそれぞれ例示することができる。
【0040】
紫外線吸収・散乱剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチルパラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキシサイナメート、酸化チタン、カオリン、タルク等を例示することができる。
アミノ酸類としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジンおよびその誘導体等を例示することができる。
【0041】
防腐剤としては、パラベン、レゾルシン、フェノール、フエノキシエタノール、チモール、クレゾール、ヒノキチオールなどのフェノール類、安息香酸(塩)、安息香酸ベンジル、サリチル酸(塩)、ソルビン酸(塩)、ホウ酸などの酸類、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどの4級アンモニウム化合物、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ケイソンCGなどのイソチアゾリン化合物、ジブチルヒドロキシトルエン、チモールなどが挙げられる。
好ましい防腐剤は、パラベン、安息香酸(塩)、ヒノキチオール、イソチアゾリン化合物、ジブチルヒドロキシトルエン、チモールである。
【0042】
香料としては、特に限定されないが、例えば、アニス、アンジェリカ、安息香、イモーテル、カモミール、ガーリック、カルダモン、ガルバナム、キャラウェイ、キャロットシード、グアアックウッド、グレープフルーツ、サイプレス、サンダルウッド、シダーウッド、ジュニパー、スターアニス、セージ、ゼラニウム、セロリ、タイム、タラゴン、テレビン、トウヒ、乳香、バイオレット、パイン、パセリ、バーチ、パチュリー、バラ、ヒソップ、フェンネル、ブラックペッパー、ボダイジュ花、没薬、ヤロウ、レモン、レモングラス、ローズマリー、ローレル、シモツケギク、モモ、ヤグルマギク、ユーカリ、ユズ、ラベンダー、などのハーブ系精油やエキス、その他低級アルコールやアルデヒド類が挙げられ、これらの内の1種または2種以上混合して使用でき、通常それぞれ粘着剤組成物船体に対して、0.0001〜1%の範囲で配合される。
【0043】
色素としては、酸性染料、顔料が好ましく使用され、皮膚への色移り防止の点から特に好ましくは顔料である。
顔料としては、青色404号、黄色205号、黄色401号、橙色204号、橙色401号、赤色201号、赤色202号、赤色203号、赤色204号、赤色205号、赤色206号、赤色207号、赤色208号、赤色219号、赤色220号、赤色221号、赤色228号、赤色404号、赤色405号、黄酸化鉄、ベンガラ、グンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カラミン、タルク等が挙げられる。
【0044】
本発明の貼付剤の疎水性繊維シート層に使用する繊維としては、ポリアミド系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維等)、ポリスチレン系繊維、ポリテトラフルオロエチレン系繊維、ポリユリア系繊維、ポリシアン化ビニリデン系繊維ポリウレタン系繊維、ナイロン系繊維などがあげられる。
好ましくは、ポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維等)で、これらの繊維は単独で、あるいは2種以上の混紡繊維として使用しても良い。
【0045】
前記繊維は、太さ0.5〜50μm、好ましくは1〜20μmの繊維を用いて、目付け3〜100g/m、好ましくは5〜90g/m、より好ましくは10〜80g/mのシート状に加工したものである。シートの厚さは0.01〜0.8mm、好ましくは0.03〜0.7mm、より好ましくは0.05〜0.6mmであることが好ましい。厚さの測定にはpeacock社製ダイヤルシックネスゲージH型(加圧子の直径10mm、面積0.785cm)を用い、各試料ごとに5点測定し、平均値であらわす。前記範囲の繊維シートを使用すると、含水ゲルを塗布して貼付剤とした際、透明性に優れしかも繊維層と粘着剤層との投錨性が良好で、樹脂フィルム層▲2▼を剥がすときのゲル層と繊維層との剥離がない。また繊維層によるシート体のごわつきがないため、皮膚に貼付したときの使用感が優れ、貼付中の剥がれ、めくれもないため、好ましい。
【0046】
また、繊維シートの伸長率としては、20%モジュラスが10g/50mm〜2000g/50mm、好ましくは20g/50mm〜1500g/50mmである。更にフィルム層▲1▼▲2▼を剥した貼付剤(含水粘着剤層+繊維シート層)の繊維シートの伸長率も繊維シートの伸張率と同等の上記範囲が好適である。繊維層(貼付剤)の伸張率をこの範囲とすると、使用時に樹脂フィルムが繊維層から剥離しやすく、使用性に優れた貼付剤が得られる。20%モジュラスは、以下のように測定する。
〔伸張率測定方法〕
20%モジュラス測定方法
50mm×300mmの試験片につき定速伸長形引張試験機を用いて、つかみ間隔(試長)が200mm、引張速度が200mm/分で測定し、試料の把握間距離が240mmになるまで引き伸ばし、この強度(g)を測定し、20%モジュラスとする。
【0047】
また、繊維シートに、含水粘着剤に使用する高分子化合物を架橋可能な前記の架橋剤を担持することもできる。これにより、繊維シート剤付近の架橋濃度が高くなり、架橋速度とゲル強度が高くなるため、粘着剤によるべたつきが更に抑制され使用感がよい。担持方法は特に制限されず、例えば架橋剤が水溶性の場合は水溶液に繊維シートを含浸させたり、水難溶性の場合は粉末を繊維シートに施したり、また繊維に練りこんでも良い。
【0048】
本発明に使用する樹脂フィルム層▲2▼の材質としては、その種類が特に制限されるものではないが、透明性を有する樹脂が好適であり、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のエステル系樹脂、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン等のウレタン系樹脂、ナイロン12、ポリエーテルブロックアミド共重合体等のアミド系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリフルオロカーボン系樹脂等があげられる。なお、これらの重合度は、特に制限されるものではなく、貼付剤の基材に通常しようされている重合度のものを使用することができる。
【0049】
好ましい樹脂フィルム▲2▼は非〜低透湿性フィルムであり、JIS一般試験法「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」条件Bで試験するときの透湿度が0〜100g/m/24hrであるフィルムが好ましい。
非透湿性樹脂フィルムの材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ3フッ化塩化エチレン、ポリエステル、塩化ビニリデン−塩化ビニル、ポリアミド等があげられる。好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレンである。
【0050】
樹脂フィルムの厚さは、通常5〜200μm、特に好ましくは10〜100μmである。フィルムの厚さが薄すぎると剥離する際にフィルムが切れたり剥がしにくい場合があり、厚すぎると凹凸面へ貼付しづらく、剤がきれいに貼付できない場合がある。
【0051】
疎水繊維シート層と樹脂フィルム▲2▼は熱溶融により、あるいは接着剤により部分的あるいは全面ラミネートして積層される。部分的にラミネートする場合は、特に制限はないがドット状で全面にラミネートされることが好ましい。ラミネートする場合は、例えば熱溶融法ではエキストルージョンラミネート、接着剤法ではホットメルトラミネート、ドライラミネート、ウェットラミネート(参考:「プラスチックフィルム第ニ版、技報堂出版」が好ましく使用される。接着剤を用いて積層加工する場合、接着剤としてはポリウレタン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、アクリル、アミド、ゴム系、デンプン、カゼイン、酢酸ビニルエマルジョン等があげられる。
【0052】
上記方法によって、繊維層と樹脂フィルム層の剥離強度が、好ましくは0.35kgf/25mm以下となるように、剥離可能に接着される。0.35kgf/25mm以上であると、使用時に樹脂フィルムを剥離する際剥がれにくく、使用性が悪くなる。また繊維層にゲルが塗布された状態で測定した場合、繊維層と樹脂フィルム層の剥離強度は0.25kgf/25mm以下であることが好ましい。剥離強度の測定方法は、以下のように測定された値である。
〔剥離強度の測定〕
縦方向100mm×横方向25mmに裁断された繊維層と樹脂フィルム層について、引張試験機を用いて、つかみ間隔50mm、引張速度100mm/minで繊維層と樹脂フィルム層とを180度方向に引き剥がすときの強度(kgf/25mm)。
<ゲルが塗布された状態での測定>
縦方向100mm×横方向25mmに裁断された貼付前の貼付剤を用いて、その形に合わせたろ紙上に化学反応型接着剤(シアノアクリレート)を塗付した面と貼付シート剤の粘着剤層面を貼り合わせ、2kgのローラーで接着し試験片とする。10分の放置後、引張試験機を用いて、つかみ間隔50mm、引張速度100mm/minでろ紙と貼付シート剤支持体とを180度方向に引き剥がすときの強度(kgf/25mm)。
【0053】
本発明の樹脂フィルム層▲1▼(フェイシングフィルム)は、粘着剤層表面を覆って主に粘着剤を保護する目的で施す。樹脂フィルム層▲1▼の素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレンなどが好ましく使用される。粘着剤側の表面にシリコーン処理を施したフィルムは、粘着剤と樹脂フィルム層▲1▼の剥離性が良好であるため、好ましい。樹脂フィルム層▲1▼と含水粘着剤層の好ましい剥離強度は0.01〜0.25kgf/25mm程度である。また樹脂フィルム層の厚みは特に制限されないが、20〜100μmの範囲とすると、粘着剤層の保護と使用性の双方が満足されるため好ましい。
【0054】
本発明の含水系粘着組成物は、その用途、剤型が特に制限されるものではなく、例えばパップ剤などの医薬品、冷却シート剤、フットケアシート剤などの雑貨、フェイス用、ボディ用、爪用、ハンド用パック剤などの化粧品として使用することができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、樹脂フィルム層▲1▼、架橋された高分子マトリクスが形成された含水粘着剤層、低目付けの疎水性繊維シート層、樹脂フィルム層▲2▼の順に積層され、貼付時に樹脂フィルム層▲1▼▲2▼を剥離して使用する貼付剤とすることによって、貼付しても目立たない透明〜半透明で、高い冷却効果を有し、しかも支持体表面のべたつきがない良好な貼付剤とすることができる。
【0056】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。
表1〜2の貼付剤を製造し、冷却効果とべたつきを評価した。その結果を、表3にまとめた。
比較例としては、実施例1の貼付剤の繊維シート層を下記(12)の親水性繊維シートとした比較例1、(13)とした比較例2、繊維シートがない比較例3(これは樹脂フィルム▲2▼を支持体とする)を示した。
なお、表1〜2に示した本発明の貼付剤(繊維シート層+粘着剤層)は、全て色差計でのL値(透明性の尺度:下記)が70%以上であり、皮膚に貼付しても目立たない良好な外観を有していた。
【0057】
<透明性(L値)評価方法>
色差計を用いて25℃にて透過法により測定し、(L、a、b)値を求め、L値をもって透明性を評価する。なお、測定の標準としては(L、a、b)=(94.59、92.57、111.43)なる特性値を有する標準白色板を用いる。
<冷却効果>
25℃・湿度50%に設定された部屋で5人のモニターの額部に樹脂フィルム▲1▼を剥した貼付剤を貼付し、樹脂フィルム▲2▼を剥してから1時間後の皮膚冷却温度を測定した。皮膚冷却温度は、貼付直前と1時間後の貼付部位の温度差を、サーモグラフィーを用いて測定した。表の値は、平均値である。
<べたつき、冷感評価方法>
10人のパネラーにて行った。樹脂フィルム層▲1▼を剥がし、額に貼付した後、樹脂フィルム層▲2▼を剥し、繊維層側のべたつきと、貼付1時間後の冷感を評価した。表の値は、平均値である。
(べたつき)
5点:非常にべたつきを感じる
4点:かなりべたつきを感じる
3点:少しべたつきを感じる
2点:ややべたつきを感じる
1点:べたつきを感じない
(冷感)
5点:非常に冷感を感じる
4点:かなり冷感を感じる
3点:少し冷感を感じる
2点:やや冷感を感じる
1点:冷感を感じない
【0058】
なお、表中の樹脂フィルム▲2▼、繊維シート層、接着方法、樹脂フィルム▲1▼は、以下に記したとおりである。
【0059】
<樹脂フィルム▲2▼>
(1)ポリエチレン(厚さ40μ)
(2)ポリエチレン(厚さ20μ)
(3)ポリエチレン(厚さ15μ)
(4)ポリプロピレン(厚さ40μ)
(5)ポリプロピレン(厚さ20μ)
(6)ポリエステル(厚さ40μ)
(7)ポリエステル(厚さ20μ)
(8)ポリウレタン(厚さ40μ)
(9)ポリウレタン(厚さ20μ)
(10)ポリスチレン(厚さ40μ)
(11)ポリスチレン(厚さ20μ)
【0060】
<繊維シート層>
(1)サーマルボンドポリエステル不織布(25g/m2)
(2)サーマルボンドポリプロピレン不織布(40g/m2)
(3)メルトブローポリプロピレン不織布(15g/m2)
(4)ポリエステル織布(35g/m2)
(5)スパンボンドポリプロピレン不織布(20g/m2)
(6)スパンボンドポリプロピレン不織布(40g/m2)に合成ヒドロヒドロタルサイト100g/mをウレタン系接着剤で担持
(7)ポリエステルニット(30g/m2)
(8)スパンレースポリプロピレン不織布(50g/m2)
(9)スパンレースポリエステル不織布(20g/m2)
(10)ニードルパンチポリプロピレン不織布(35g/m2)
(11)ニードルパンチポリエチレン不織布(10g/m2)
(12)コットン不織布(25g/m2)
(13)レーヨン不織布(40g/m2)
【0061】
<樹脂フィルム▲2▼/繊維シート接着方法>
(1)押し出しラミ(接着面積30%)
(2)押し出しラミ(接着面積20%)
(3)接着剤(ポリエステル樹脂、接着面積10%)
(4)接着剤(ポリエステル樹脂、接着面積20%)
(5)接着剤(ポリウレタン樹脂、接着面積40%)
(6)接着剤(ポリウレタン樹脂、接着面積25%)
【0062】
<樹脂フィルム▲1▼(フェイシングフィルム)>
(1)PET(50μ)
(2)PET(50μ、シリコンコート)
(3)PET(38μ)
(4)PP(50μ)
(5)PP(30μ)
(6)発泡PP(110μ)
【0063】
【表1】
Figure 2004033279
【0064】
【表2】
Figure 2004033279
【0065】
【表3】
Figure 2004033279

Claims (5)

  1. 樹脂フィルム層▲1▼、含水粘着剤層、繊維シート層、樹脂フィルム層▲2▼の順に積層され、貼付時に樹脂フィルム層▲1▼▲2▼を剥離して使用するための貼付剤であって、
    ・含水粘着剤層が架橋性水溶性高分子化合物、架橋剤、及び30〜95質量%の水を含有する含水粘着剤組成物であり、
    ・繊維シート層が疎水性繊維からなる織布、不織布、編布から選ばれるシートであることを特徴とする、貼付剤。
  2. 繊維シート層と樹脂フィルム層▲2▼が0.25kgf/25mm以下の剥離強度となるように接着されていることを特徴とする、請求項1に記載の貼付剤。
  3. 繊維シートが、太さ0.5〜5μmのポリオレフィン繊維またはポリエステル繊維から選ばれる目付け3〜100g/m、厚さ0.01〜0.8mmの繊維シートであることを特徴とする、請求項1または2に記載の貼付剤。
  4. 含水粘着剤層がポリアクリル酸及び/又はその塩、粒径0.5〜400μmの架橋剤、水50〜95質量%を含有することを特徴とする、請求項1〜3に記載の貼付剤。
  5. 繊維シート剤が架橋剤を担持することを特徴とする、請求項1〜4に記載の貼付剤。
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