JP4093346B2 - 美顔用発熱体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顔に直接固着し、水及び/または化粧剤を所望部位に吸収させ美肌効果を与える美顔用発熱体に関し、特に、余剰水を有する非粘稠性発熱組成物を使用することで、成形性、形状維持性、薄型化での発熱特性が良好で、発熱特性が均一で安定した発熱体の加温効果と封じ込め効果により水及び/または化粧剤を所望部位に効率よく浸透させ、美肌効果を一層向上させ、手軽に使用でき、肌に対して適度の固着性や湿潤性を有し、肌に対する安全性が優れ、使用時の使用感が良好で、使用中の剥れやめくれが無い優れた美顔用発熱体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からの美顔方法は、例えば、(I)顔に美顔用剤を含む化粧水、乳液、美容液または栄養クリーム等を塗布する方法、(II)顔に美顔用剤を含むパック剤を塗布する方法、或いは、(III)顔に蒸しタオルを当て、この蒸しタオルからの湿気と温熱を顔に供給する方法がある。
【0003】
しかし、前記(I)の方法では角質層に起因するバリヤー効果から美顔用剤が皮膚内部に吸収されず、所要の美顔効果が得られない。また、前記(II)の方法はパック剤で皮膚表面の汚れを吸着、除去できる効果はあるが、前記(I)と同様に、角質層に起因するバリヤー効果から美顔用剤が皮膚内部に吸収されず、所要の美顔効果が得られない。また、前記(III)の方法では、蒸しタオルの温度調整が困難で、加温時間が短く、角質層が充分に湿潤されず、美顔に必要な加温時間を確保できず、蒸しタオルの当て、除去を複数回繰り返す必要がある。
【0004】
そこで最近では、美顔用マスク等、各種美顔方法が提案されている。即ち、
(1)美顔用マスクとして、少なくとも顔に密着する側を柔軟性のあるシート材料で構成し、温水を収容し得る中空状のマスク本体の左右両側に締着けバンドを一体的に設けたもの(特開昭59−14804号公報)。
【0005】
(2)温熱治療パックとして、パラフィンを主成分とした温熱治療剤を水密性を有する袋中に収納したもの(実開昭61−96911号公報)。
【0006】
(3)美顔用温熱パックとして、柔軟性物質により顔形状の袋体を形成し、この袋体に貫通状の眼対応穴、口対応穴及び鼻突出穴を各々設け、袋体の一面に晶折発生小孔を穿設し、袋体内に、過冷却と晶折を反復し晶折時に発熱する溶液を充填して密封すると共に、ラベルを上記晶折発生小孔に剥離可能に接着して閉鎖したもの(実開昭63−180023号公報)。
【0007】
(4)美顔用マスクとして、人の顔形状に合わせ成形されたマスク本体中に、通電することで発熱する面状発熱体を埋め込み、面状発熱体としてシート状の基板上に導極線と発熱材を印刷し使用するもの(特開平9−122166号公報)。
【0008】
(5)顔面美容法として、シート状化学的発熱体を用いた加温器具を顔に装着し、顔を加温させるもの(特開昭56−85336号公報)。
【0009】
(6)発熱シートにおいて、内面に粘着剤層を有する粘着性シートと多孔質包材との間に空気の存在下で発熱する発熱剤が配置され、該発熱剤の周縁部の両包材が粘着性シートの粘着剤を用いて感圧シールされたもの(特公平7−49937号公報)。
【0010】
(7)美顔用粘着性発熱シートにおいて、空気の存在により発熱する発熱シートの片面に粘着層を付与し、増粘剤を使用し発熱組成物を粘稠化させたペースト状の発熱組成物や、粉末状の発熱組成物により美顔効果をもたらすもの(特開平11−299818)、(特開平11−299817)。
【0011】
(8)水蒸気発生体において、空気の存在により発熱して水蒸気を放出する水蒸気発生体の片面に粘着剤層を付与し、水蒸気及び化粧料成分により美顔効果をおたらすもの(特開2001−31559)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
前記(1)の美顔用マスクは、中空状に形成され、内部に温水を入れ顔を温めるもので、これは温水を作る装置が必要な上取り扱いが面倒で手軽に使用できない。
【0013】
また、このように温水を用いる場合、重く、使用中に違和感を感じ、落下時や取り扱う際の衝撃に充分耐え得る程度の厚みと強度が必要で、仮に、美顔用マスクが破れた場合、該マスク内の温水が顔や周囲に飛散し、火傷の発生や、顔や衣服、更にその周辺を汚す等の問題が生じる。
【0014】
更に、これは胎盤エキス、コラーゲン等を主成分とする美顔用クリーム等を顔に塗布後、美顔用マスクを顔に当て使用するが、これでは美顔用マスクと顔の間に隙間ができ密着性が悪く、角質層に基づくバリヤー性、更に、美顔用マスクの加温により顔に塗ったクリーム等が直ちに乾燥し、胎盤エキス等が経皮吸収され難い等の間題が発生する。
【0015】
特に、この美顔用マスクには締め付けバンドが取り付けられ、このバンドを締め付けて美顔用マスクを顔に固定するもので、取扱性が悪く、顔への違和感や側頭部や後頭部に痛みが生じる。
【0016】
前記(2)の温熱治療パックは、パラフィンを主成分とした温熱治療剤を、水密性を有する袋中に収納し、この温熱治療パックを直接温水中に入れ加熱し、55〜60℃程度の適温となった時に取り出し、患部に当て使用するものであるが、温水を作る装置が必要で取り扱いが面倒である。
【0017】
また、このようにパラフィンを主成分とした温熱治療剤を用いる場合、落下時や取り扱う際の衝撃で袋が破れ、温熱治療パック内の温熱治療剤が顔や周囲に飛散し、火傷の発生や、顔や衣服、更にその周辺を汚すだけでなく、パラフィンが用いられているから汚れがしつこく、後処理が極めて困難である。
【0018】
更に、顔にオリーブ油やクリーム、香料、テレビン油或いはメントール等を塗った後、温熱治療パックを顔に当て使用するが、これでは温熱治療パックと顔の間に隙間ができ密着性が悪く、角質層に基づくバリヤー性、更に温熱治療パックの加温により顔に塗ったメントール等が直ちに乾燥し、メントール等が経皮吸収され難い。
【0019】
特に、このものは温熱治療パックの顔への固定具が無く、不安定で、使用中に顔を前後左右に動かすだけで当該パックがズレ落ち、移動する為、手直しが必要で面倒である。
【0020】
前記(3)の美顔用温熱パックは、過冷却された液体が晶析する時に生ずる熱を熱源とし利用するが、これでは温度の上昇に時間が掛かり、温度が安定せず、所要の加温効果が得られない。
【0021】
また、このものは、美顔用温熱パックを顔に当て使用するが、これでは美顔用温熱パックと顔との密着性が悪く、顔に充分に加温を与えられず、所要の加温効果が得られない。
【0022】
更に、この美顔用温熱パックにヒモを取り付け、このヒモを頭部に巻き付け該美顔用温熱パックを顔に取り付けるものであるが、取扱性が悪い上、使用の際、顔への違和感や側頭部や後頭部に痛みが生じる。
【0023】
前記(4)の美顔用マスクは、人の顔形状に合わせて成形されたマスク本体中に、通電することで発熱する面状発熱体を埋め込んだものであるが、その電源としては商業用電源やバッテリーが用いられる。これではバッテリーの携帯が必要で、商業用電源の存在箇所以外では使用できず、しかも携帯性が悪く、手軽に使用できず、故障した場合の処置が困難である。
【0024】
更に、この美顔用マスクは、人の顔に被せて使用されるが、このとき、バンドを頭の後面に掛けて該マスクを顔に当て保持、固定するが、取扱性が悪く、使用の際、顔への違和感や頭部や後頭部に痛みが生じる。
【0025】
前記(5)の顔面美容法は、シート状化学的発熱体を用いた加温器具を顔に装着して顔を加温するもので、この加温器具は、顔の部位に合わせて形性し、そのまま顔を直接加温し、顔に化粧パックを施し、或いは栄養・漂白クリームを塗るものであるが、加熱器具と顔の間に隙間ができ密着性が悪く、角質層に基づくバリヤー性、更に、加熱器具の加温によって顔に塗ったクリーム等が直ちに乾燥し、栄養剤等が経皮吸収されない。
【0026】
また、この加温器具の顔への装着は、加温器具を顔に被せ、その上に圧カをかけるようなマスクで押えたり、或いは加温器具にゴムひも、ゴムバンド等を設け、耳或いは頭部にて、加温器具を顔に押しつけ固定するもので、取扱性が悪い上、使用の際、顔への違和感、耳部や側頭部や後頭部に痛みが生じる。
【0027】
前記(6)美顔用の発熱シートは、顔に装着できるように、顔の部位にあわせ形性したものであり、この美顔用の発熱シートを顔に装着するにあたり、その左右両端部に孔を設け、この孔に取り付けたひもやゴムひも等の固定用具で固定するもので、取扱性が悪い上、顔への違和感、耳部や側頭部や後頭部に痛みが生じる。
【0028】
ところで、美顔用の発熱シートは、そのこめかみや顎の左右に対応する箇所に単に切り込み部を設けたものもあるが、これは顔への固定手段が無く、不安定で、使用中に顔を前後左右に動かすだけで当該シートがズレ落ち移動する為、手直しが必要で面倒である。
【0029】
また、この発熱シートにおける基材シートの外面に湿布剤や薬効成分等を塗布したものは、発熱シートの温熱により顔に塗った湿布剤等が直ちに乾燥する結果、この薬効成分等が経皮吸収され難い。
【0030】
前記(7)美顔用粘着性発熱シートは、増粘剤により発熱組成物を粘稠化させ、印刷塗工性を上げ、製造過程での酸化をおさえるようにしたものであるが、製造直後は増粘剤により水分が発熱組成物中に保持され発熱し難く、ユーザーが使用する時には、水分が急激に基材/被覆材に吸収されて、該発熱組成物中の水分が想定した以上に減少しており、その結果、超高温発熱になり、固着部位の火傷の問題が発生する。
【0031】
更に、上記の理由より安定した発熱特性にする為に、厚みを増すと、増粘剤の影響で、発熱組成物中の水分が基材/被覆材に吸水される時間がかかりすぎて発熱し難い。従って、製造過程からユーザーまでの輸送期間中に、水分が基材/被覆材に吸収されない状態で、購入使用され、発熱しないという問題が発生する。
【0032】
更に、顔との密着性を向上させようとして、ペースト状の発熱組成物を、薄型化していくと、持続時間が極端に短くなり、加温効果が乏しく美顔用化粧用材が効率よく吸収できない等のさまざまな問題が発生し、発熱特性の関係から薄型化に限界がある。
【0033】
また、前記粉体状の発熱組成物を使用した美顔用粘着性発熱シートについては、発熱組成物自身に形状維持性が無い為、製品を製造工程からユーザーまでの輸送期間中、美顔用粘着性発熱シート中の組成物が、片ったりや落下する間題が発生する。
【0034】
その場合、該組成物が片寄ったり落下した美顔用粘着性発熱シートを使用すると、片寄り部分や落下部分の厚みが増し、使用感が悪くなったり、粘着剤が肌に密着せず、封じ込め効果を満足できなかったり、落下部分の組成物量が、多量になって、高温発熱になり、大事な肌を、害にあわせる等の間題が発生する。
【0035】
また、粉末状の発熱組成物については、製造過程において組成物が発熱反応を起こし、ロスが生じ品質が低下してしまい、安定した発熱特性が出ず、製造工程も複雑になる。
【0036】
更に、充填方式である粉末状の発熱組成物では、該発熱組成物の表面がゴツゴツとした不均一な凹凸状であるため、この不均一な凹凸状が固着層を反し、顔肌に密着し難く、安定した封じ込め効果が現れず、美顔用化粧用材が効率よく吸収され難い。
【0037】
また、密着効果及び封じ込め効果を上げる為に、該組成物の厚みを薄型化していくと、充填不良が生じたり、厚みが一定せず、その結果、発熱特性が安定せず加温効果が乏しくなり、美顔用化粧用材が効率よく吸収され難い。
【0038】
また、使用中に、該発熱組成物の片寄りが発生し、ごわごわして使用感が悪く、片寄り部分が高温発熱になり火傷の発生や、使用中美顔用粘着性発熱シート自身の落下等の間題もあり安定した加温効果を出せず、美顔用化粧用材が効率よく吸収され難い。
【0039】
前記(8)水蒸気発生体は、粘着剤層で顔に貼付し、水蒸気を皮膚及び粘膜に吸収させるものであるが、これでは、水蒸気発生体から発生した水蒸気が、皮膚や粘膜部分で水滴となって溜まり、粘着剤層の粘着カを低下させ、水蒸気発生体がズレ落ちたり、移動してしまう問題が発生する。
【0040】
また使用後、水蒸気により皮膚や粘膜がふやけてしまったり、水蒸気が水滴となって滴り落ち、顔全体や衣服を汚す問題が発生する。
【0041】
加えて、前記(1)〜(7)のものは、上記のような数々の問題が発生し、顔との密着性が乏しく顔に適用しても当該固着部位を清涼にしたり、美化する効果が至極乏しく所要の美顔効果が得られない。
【0042】
従来のペースト状及びクリーム状の発熱組成物においては、増粘剤により、発熱組成物を粘稠化させることで、スクリーン印刷やコーティング等により発熱組成物の成形が容易、且つ高速成形性がある反面、増粘剤により粘稠化させることで、増粘剤が水分を保持し、水分が完全には除去できず、加温効果が乏しく美顔用化粧用材が効率よく吸収できない。更に、顔との密着性を向上させようとし、ペースト状及びクリーム状の発熱組成物を、薄型化していくと、発熱時間が極端に短くなり、加温効果が乏しくなり美顔用化粧用材が効率よく吸収できない問題がある。
【0043】
また、従来の粉末状の発熱組成物においては、発熱反応を早める為、金属粉や水分等の各成分が最適な状態で配合された粉末状である。従って、表面積が広く、空気との接触が極めて良好であり、空気と接触すると直ちに酸化反応、つまり発熱反応が生じる。このため、発熱組成物を適正な配合比で配合している間、及び粉末状の発熱組成物を製造し、これを基板上に投下し被覆材で被覆して発熱体を製造する間に発熱反応が起こり、発熱組成物の発熱反応によるロスが生じると共に組成物の品質が低下する上、発熱反応によって生成した生成物が凝固して種々の弊害が発生する。この弊害としては、具体的には、例えば、発熱組成物の投下量のバラツキ、凝固物除去による歩留りの低下、取扱の困難性、製造装置のメンテナンスの煩雑性、製造装置の稼働時間乃至作業者の就業時間に対する制約、凝固物処理の困難性等の弊害が挙げられる。
【0044】
薄型発熱体の製造が簡単で、温度上昇が開封後短時間で、所望温度に達し、使用中、発熱成形物の形状が維持され、均一な温度分布で、長時間発熱可能な美顔用発熱体が望まれてきており、その実現が課題であった。
【0045】
【課題を解決するための手段】
本発明の美顔用発熱体は、請求項1に記載の通り、顔全面または、特定の部位に固着され使用される発熱体において、空気と接触して発熱する非粘稠性発熱性成形物が、基材、被覆材から構成される収納袋に封入され、該収納袋の片面または両面の少なくとも一部に通気性を有し、該収納袋の片面に、全面または部分的に積層された固着層があり、前記固着層には、水及び/または化粧剤を配合してなる美顔用発熱体であって、前記発熱性成形物が、余剰水を有する非粘稠性発熱組成物を成形したものからなり、該余剰水を有する非粘稠性発熱組成物が、発熱物質として鉄粉100重量部に対して、炭素成分として活性炭1.0〜50重量部反応促進剤としてアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物0.01〜10重量部及び水20〜60重量部を必須成分とし、添加剤である保水剤0.01〜10重量部、吸水性ポリマー0.01〜20重量部、pH調整剤、水素発生抑制剤、界面活性剤、消泡剤0.01〜5重量部、疎水性高分子化合物、焦電物質、遠赤外線放射物質、マイナスイオン発生物質、骨材、繊維状物、肥料成分、発熱助剤0.01〜10重量部から少なくとも1種が配合され、No2の濾紙上に載置される内径20mm×高さ4mmの中空円筒状の穴に充填される発熱組成物から前記濾紙に浸み出す水の距離で表される水分値(mm)を、前記充填される発熱組成物の重量に相当する該発熱組成物の配合水分量に相当する水が前記中空円筒状の穴から前記濾紙に浸み出す水の距離で表される真の水分値(mm)で徐した値を百分率で表した値である易動水値が6〜20発熱物質、炭素成分、反応促進剤、水とからなる発熱組成物のBH型粘度Sとそれに他の物質を加えた発熱組成物のBH粘度Tの差である増粘度が1000cP未満であることを特徴とする。
また、請求項2に記載の美顔用発熱体は、請求項1記載の美顔用発熱体において、前記特定の部位が、顎、目の周辺、頬、鼻、鼻元やその周辺、目の周辺部、目元或いは目元周辺、または、額であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の美顔用発熱体は、請求項1または2の何れかに記載の美顔用発熱体において、前記固着層が、親水性からなる固着層であることを特徴とする。
また、請求項4に記載の美顔用発熱体は、請求項1または2の何れかに記載の美顔用発熱体において、前記固着層が、親油性からなる固着層であることを特徴とする。
また、請求項5に記載の美顔用発熱体は、請求項1または2の何れかに記載の美顔用発熱体において、前記固着層が、親水性ポリマーと親油性ポリマーから構成される固着層であることを特徴とする。
また、請求項6に記載の美顔用発熱体は、請求項1及至5の何れかに記載の美顔用発熱体において、前記固着層がボールタック法でNo.10〜No.25の範囲であることを特徴とする。
また、請求項7に記載の美顔用発熱体は、請求項1及至6の何れかに記載の美顔用発熱体において、前記固着層を、収納袋のどちらか片面に、全面、点状、線状、シマ状、網目状に形成したことを特徴とする。
また、請求項8に記載の美顔用発熱体は、請求項1及至7の何れかに記載の美顔用発熱体において、前記化粧剤が、美白剤、保湿剤、にきび用薬剤、アミノ酸類などの栄養剤、ビタミン類や動植物の抽出エキス或いはこれらから得られた成分などの老化防止剤またはエモリエント剤から選ばれた少なくとも1種からなることを特徴とする。
また、請求項9に記載の美顔用発熱体は、請求項1及至8の何れかに記載の美顔用発熱体において、前記美顔発熱体の少なくとも一部に、文字、図形、記号、数字、模様、写真、絵の何れか一種以上を設けたことを特徴とする。
また、請求項10に記載の美顔用発熱体は、請求項1及至9の何れかに記載の美顔用発熱体において、前記美顔発熱体の少なくとも一部に着色を施したことを特徴とする。
【0046】
以上の通り、本発明は空気の存在下で発熱し、形状維持度が70以上の発熱性成形物を発熱源としており、電源を使用せず、頭部や耳部の締め付けが無いため、手軽に、快適に使用でき、しかも、使用中、発熱性成形物のくずれ、変形や移動が起こらず、発熱体の顔固着部の剥れやめくれがなく、均一な発熱が長時間確保でき、使用感が抜群に良好である。
即ち、発熱性成形物を余剰水を有する非粘稠性発熱組成物から製造することで、該余剰水を有する非粘稠性発熱組成物中の水分率が、初期/劣化共に安定しており、更に、成形性が良好なことから、型擦り切り成形等により該発熱性成形物の表面の凹凸が無く、平らに成形でき、更に形状維持性が70以上である等の長所が発熱性成形物に生かせ、使用前、使用中と発熱性成形物の片寄りや落下がなく、違和感や、火傷の危険性がなく、安定した発熱特性を出せる加温効果と、薄型でも確実に発熱して顔に密に固着することができるために得られる封じ込め効果との相乗作用により、血行促進による疲労回復、新陳代謝の活発化がもたらされ、毛穴拡張により肌の汚れや老廃物が容易に且つ効果的に除去され、適用部位を清涼にし、水及び/または化粧剤の浸透を早め、更に効率よく吸収させることで、顔肌を効果的に活性化させ、顔肌を美化して美しさを増し、肌を健やかにして美肌に保ち、加えて、固着層に水分が含有されているとその水分が加温されることで、その湿潤効果がより高まる美顔発熱体を提供できる。
【0047】
【発明の実施の形態】
前記収納袋としては、基材と被覆材とで構成され、しかも基材と被覆材とが同種のフィルム乃至シートで形成したもの、或いは基材と被覆材とが異種のフィルム乃至シートで形成したもの、または1枚のフィルム乃至シートを折り返し基材と被覆材とを形成したもの等が挙げられる。
【0048】
この基材や被覆材としてはその少なくとも一方が吸水性を有するフィルム状乃至シート状のものや、基材や被覆材が非吸水性のフィルム状乃至シート状のものが挙げられる。
【0049】
また、収納袋は通気性を有するが、その通気性を高精度に管理するためには透湿度でフィルム乃至シート(基材及び/または被覆材)の通気性を菅理することが好ましく、具体的には、透湿度がリッシー法(Lyssy法L80−4000H型)で50〜10,000g/m2・24hrの範囲が一般的であるが、美顔用発熱体の用途及び目的などにより、異なるので特に限定されない。
【0050】
また、基材及び/または被覆材が複数層の通気性フィルムからなる場合には、全体としての透湿度をリッシー法(Lyssy法)で50〜10,000g/m2・24hrの範囲にすることが好ましい。
【0051】
この透湿度が、50g/m2・24hr末満では発熱量が少なく、十分な加温効果が得られず、一方、10,000g/m2・24hrを超えると発熱温度が高くなって安全性に間題が生じるので好ましくない。
【0052】
ところで、本発明に使用する余剰水を有する非粘稠性発熱組成物は、余剰水によって、成形性、形状維持性を向上させており、増粘性物質を含まない為、余剰水の脱水・吸収等が優れ、発熱組成物中の水分を容易に除去でき、成形性、形状維持性、発熱特性に優れる。
【0053】
以上のように、発熱組成物として余剰水を有する非粘稠性発熱組成物を使用すると、余剰水が金属粉末等の発熱物質と空気との接触を防止し、つまり余剰水が皮膜としての機能を発現し、発熱組成物を製造中、及び余剰水を有する非粘稠性発熱組成物を基材上に型通し擦り切り成形、型押し込み成形、型押し込み擦り切り成形等により、任意の形状に積層し転写した後、発熱組成物または、発熱体の製造工程における不均一化を防止し、品質の低下を抑え、安定した連続高速成形性を可能とし、成形性、形状維持性、発熱特性が優良で、発熱組成物の凝固及び酸化が防止される。
【0054】
更に、発熱組成物として余剰水を有する非粘稠性発熱組成物を使用すると、型通し擦り切り成形等により、余剰水を有する非粘稠性発熱組成物を基材上に簡単に且つ確実に転写、積層でき、高速で超薄型の発熱体を製造でき、粉末状と比較して、不均一な空気層を含まない為、計量精度が格段に向上し、しかも組成物を収納袋に均一に分布できる。
【0055】
また、形状維持度とは、発熱組成物の全周囲がシールされている独立発熱体1個を対象にし、試験し算出する。複数個存在する場合は各独立発熱体の形状維持度の算術平均とする。
図18に基づいて説明する。まず、測定しようとする美顔発熱体1を水平な場所に置き、発熱部に発熱組成物がほぼ均一に存在することを確認後、その発熱部の最長部の長さSLを測定する。不均一にある場合は均一にする。
次に、図18(a)に示すように、試験機30の駆動源31によって回転自在の回転軸32に固着された固定板33に美顔発熱体1を固定する。尚、固定箇所は美顔発熱体1の発熱組成物のない、被覆材6の上部先端部とする。次に、被覆材6の通気面に、発熱部の上先端から下5mmの位置に長さ10mmの切り込み8を入れ、発熱組成物2を外気圧と同圧にする(図18(b)参照)。その後、回転軸32の回転により、前記固定板33を移動角度60°で、一往復/秒の速度で回転往復運動させ、美顔発熱体1をそれに合わせ、振り子運動させる。そのときに、少なくとも発熱部の一部が試料叩き部材34に当たる様にする。往復10回後、固定板33に取り付けたままで、発熱部の発熱組成物が占める領域で、垂直方向に一番長い発熱組成物の長さTLを測定する(図18(c))。
ここで、形状維持度(K)は次の様に定義される。
1個の独立発熱体からなる発熱体の場合
K=100×TL/SL・・・(1)
K:形状維持度
SL:切り込みを入れる前の水平時の発熱部の発熱組成物の最長の長さ
TL:試験後の垂直板方向の発熱部の発熱組成物の最長の長さ
1個以上複数の独立発熱体からなる発熱体の場合
Km=(K1+K2+・・・・・+Kn)/n
Kn:(1)式より求められた各独立発熱体の形状維持度
形状維持度Kは通常70以上、好ましくは80以上、より好ましくは90である。
尚、発熱体が1個以上複数の独立発熱体からなる発熱体の場合には、その発熱体を構成するすべての独立発熱体にある発熱組成物を対象にし、その各々の発熱体の形状維持度の数平均値が通常70以上、好ましくは、80以上、より好ましくは90である。
【0056】
本発明において、余剰水を有する非粘稠性発熱組成物としては、発熱物質と、炭素成分と、反応促進剤と、水を必須成分とし余剰水を有する発熱組成物で、必要に応じて、添加剤である保水剤及び、吸水性ポリマー、pH調整剤、水素発生抑制剤、界面活性剤、消泡剤、疎水性高分子化合物、焦電物質、遠赤外線放射物質、マイナスイオン発生物質、骨材、繊維状物、結合剤、肥料成分、発熱助剤から少なくとも1種配合し、全体として余剰水を有し、非粘稠性に形成されている発熱組成物が挙げられる。該余剰水を有する非粘稠性発熱組成物としては、易動水値3〜50、増粘度は1000cP未満であるものの使用が好ましい。尚、易動水値3〜50、増粘度1000cP末満の範囲内であれば、離水防止安定剤を加え、固形物と水溶液の分離を防止してもよい。
【0057】
また、余剰水を有する非粘稠性発熱組成物の配合割合は、特に限定されないが、発熱物質100重量部に対し、炭素成分1.0〜50重量部、反応促進剤0.01〜10重量部、水20〜60重量部、保水剤0.01〜10重量部、吸水性ポリマー0.01〜20重量部、離水防止安定剤0.01〜0.95重量部、pH調整剤0.01〜5重量部、水素発生抑制剤0.01〜5重量部、界面活性剤0.01〜5重量部、消泡剤0.01〜5重量部、疎水性高分子化合物、骨材、繊維状物、焦電物質、遠赤外線放射物質、マイナスイオン発生物質結合剤、肥料成分、発熱助剤はそれぞれ0.01〜10重量部で配合され、全体として余剰水を有する非粘稠性に形成されたものが挙げられる。
【0058】
ここで、易動水値とは、発熱組成物中の組成物外へ移動できる余剰水分の量を示す値である。この易動水値について、図19乃至図23を使って説明する。図19に示すように、中心点から放射状に45度間隔で8本の線が書かれたNo.2の濾紙17を、図20及び図21に示すように、ステンレス板18上に置き、該濾紙17の中心に、内径20mm×高さ4mmの中空円筒状の穴19を持つ型板20を置き、その中空円筒状の穴19付近に試料21を置き、押し込み板22を型板20上に沿って動かし、試料21を押し込みながら中空円筒状の穴19へ入れる(押し込み成形)。更に、図22に示すように、試料21の入った中空円筒状の穴19及びその周辺を風防23で覆い、5分間保持する。その後、濾紙17を取り出し(図23)、放射状に書かれた線に沿って、水または水溶液の浸みだし軌跡を中空円筒の穴19の縁である円周部から浸みだし先端までの距離24として、mm単位で読み取る。同様にして、各線上からその距離24を読み取り、合計8個の値を得る。読み取った8個の各値(a,b,c,d,e,f,g,h)を測定水分値とする。
その8個の測定水分値を算術平均したものをその試料の水分値(mm)とする。
また、真の水分値を測定するための水分量は内径20mm×高さ4mmの該発熱組成物の重量に相当する該発熱組成物の配合水分量とし、その水分量に相当する水のみで同様に測定し、同様に算出したものを真の水分値(mm)とする。水分値を真の水分値で除したものに100をかけた値が易動水値である。
即ち、
易動水値=[水分値(mm)/真の水分値(mm)]×100
尚、この易動水値は、型押し込み成形等による積層時の値である。
【0059】
本発明の発熱組成物の易動水値(0〜100)は通常3〜50、好ましくは6から35、より好ましくは6〜20である。3未満であると該組成物を型を通して基材へ積層しようとした場合、流動性が悪く積層ができず、50を越えると型形状から発熱組成物がはみ出して形状が維持できない。
【0060】
また、増粘度とは、発熱物質、炭素成分、酸化促進剤、水とからなる発熱組成物のBH型粘度(BH形)Sとそれに他の物質を加えた発熱組成物のBH型粘度(BH形)Tの差をいうもので、T−Sの値は通常1,000cP(センチポイズ)未満、好ましくは500cP以下、より好ましくは300cP以下である。0やマイナス値も入る。マイナス値は無制限であり、粘度が減少するのはいかほどでもよい。また、BH型粘度の測定はBH型粘度計(BH形)を用い、♯7で2rpmで、試料の中央部に♯7のローターを入れ、回転し始めてから5分以上たった安定状態の値を採用する。♯7で2rpmでのBH型粘度計(BH形)のフルスケールは2,000,000cPである。
尚、T−Sの値が1,000cP以上であると、発熱性が著しく落ちる等、発熱特性に悪影響が出る。
【0061】
前記発熱物質としては、有機物を用いることも可能であるが、反応に伴って異臭が発生しない鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム粉またはマグネシウム粉或いはこれらの2種以上の金属からなる合金の粉末、更に、これらのうちの2種以上を混合した混合金属粉などが用いられるが、特にこれらの金属粉の中では、安全性、取扱性、コスト、保存性及び安定性などの観点を総合して最も優れている鉄粉を用いることが望ましい。
【0062】
この鉄粉としては、鋳鉄鉄粉、アトマイズド鉄粉、電解鉄粉、還元鉄粉等を使用することができ、これらの鉄粉が炭素を含有しているものや含有させたものも有用である。
【0063】
前記炭素成分としてはカーボンブラック、木粉炭、ビート炭、黒鉛または活性炭などがその例として挙げられ、ココナツの殻、木材、木炭、石炭、骨炭などから調整された活性炭が有用であるが、動物産物、天然ガス、脂質、油及び樹脂のような他の原料から調整されたものも本発明の組成物に有用である。使用される活性炭の種類には制限はなく、優れた吸着保持能を有する活性炭がより好ましい。
【0064】
前記酸化促進剤としては、金属の塩化物、硫酸塩、有機酸、有機酸塩等が一例として挙げられるが、性能、経済性等から塩化物が好ましい。この塩化物としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属の塩化物、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等のアルカリ土類金属の塩化物等が一例として挙げられる。
【0065】
前記吸水性ポリマーとしては、水や金属の塩化物水溶液を円滑に、且つ、大量に吸水する高分子材料であればよく、水を吸収して結合性を発現するものでもよく、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール−アクリル酸塩共重合体、デンプン−アクリル酸塩グラフト重合体、ポリアクリル酸塩架橋物、アクリル酸塩−アクリル酸エステル共重合体、ポリアクリル酸塩−アクリルアミド共重合体、ポリアクリルニトリル架橋物の加水分解物、デンプン−ポリアクリロニトリル共重合体、架橋ポリアルキレンオキシド、ビニルエステル−エチレン系不飽カルボン酸共重合体ケン化物、自己架橋ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール系重合体と環状無水物との反応生成物、ポリアクリル酸塩架橋物、N−ビニルアセトアミド架橋体等から選ばれた一種または二種以上の混合物等が一例として挙げられる。
【0066】
前記離水防止安定剤としては、主として、水分または水溶液成分と固形成分の分離を防止するもので、増粘度1,000cP未満の範囲内で添加されるものである。ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキサイド、ベントナイト、アラビヤガム、アルギン酸塩、ペクチン、カルボキシビニルポリマー、多糖類系増粘剤、CMC、酢酸エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体系増粘剤、水溶性セルロースエーテル等から選ばれた1種または2種以上の混合物が一例として挙げられる。
【0067】
前記水溶性セルロースエーテルとしては、例えばセルロースをメトキシル基でエーテル化したメチルセルロース、セルロースをヒドロキシプロポキシル基でエーテル化したヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロースをヒドロキシエトキシル基でエーテル化したヒドロキシエチルメチルセルロースなどの水溶性セルロースエーテル、第一工業製薬製のセロゲンEP、セロゲンBSH−12、セスカMC、セスカMHEC、セスカMHPCなどの水溶性セルロースエーテルが一例として挙げられる。
【0068】
前記の吸水性ポリマー及び離水防止安定剤においては、所望により、これらを界面活性剤で処理したり、これらと界面活性剤を組み合せて親水性を向上してもよい。
【0069】
前記保水剤としては、保水性が高ければ特に限定されないが、具体的に、例えば、木粉、ヒル石、バーミキュライト、シリカ粉等の1種が一例として挙げられる。
【0070】
ところで、前述のように、余剰水を有する非粘稠性発熱組成物においてその構成成分である発熱物質が余剰水により被覆され、空気との接触が防止され、つまり余剰水が水皮膜層としての機能を発現していると、発熱組成物を用いて美顔発熱体を製造しても余剰水が空気との接触を防止する結果、発熱反応の発生がない。
【0071】
ところが、この場合において、余剰水を有する非粘稠性発熱組成物中の水分の一部を吸引、遠心、圧縮、減圧、圧縮減圧の物理的強制排水、または収納袋に吸収させると、水皮膜層が無くなり、しかも水分が、吸引、遠心、圧縮、減圧、圧縮減圧の物理的強制排水、または収納袋に吸収されることにより発熱組成物が細孔化され、空気との接触が良好となり、発熱特性が良好な、発熱体が得られる。
【0072】
また、このように余剰水により発熱スピードをコントロールした余剰水を有する非粘稠性発熱組成物においては、余剰水が過大になると、該組成物の水皮膜層を除去するために、基材や被覆材の吸水カが大になる必要があり、この場合、基材または被覆材の吸水量が過大になり過ぎて発熱組成物の発熱反応に必要な水分をも吸収しないように配慮することが大切である。
【0073】
この吸水性を有する基材または被覆材としては、非通気性のもの、通気性のものどちらでもよく、その素材自体が吸水性を有するか否かを問わず、結果として、吸水性を有するものであれば特に限定されない。
【0074】
また、吸水性を有する基材または被覆材としては、非通気性或いは通気性のフィルム乃至シートの発熱組成物中の水分を吸収できる側の片面或いは両面に、吸水性を有する吸水材を積層し、これにより、吸水性を付与すると共に、水分の染み出しを防止したものが望ましい。
【0075】
この吸水材としては、具体的には、例えば吸水性を有する発泡フィルム乃至シート(吸水性発泡ポリウレタン等の発泡体)や紙類、吸水性を有する繊維で形成された不織布や織布、或いは吸水性を有する繊維を含む不織布や織布、または吸水性の多孔質フィルム乃至シート等の他、吸水性の有無を問わず、発泡フィルム乃至シート、不織布、織布または多孔質フィルム乃至シートに、吸水材を含有、含浸、練り込み、転写または担持させて吸水性を付与乃至増大させたもの、或いはこの種の吸水材を前記発熱組成物が積層されるその平面形状に切断し、この吸水材の切断片を、非通気性或いは通気性のフィルム乃至シートの片面或いは両面(収納袋の内面)に積層、固定し、これにより、前記発熱組成物の片面または両面に当てがい吸水性が付与されたものが挙げられる。
【0076】
前記吸水性の不織布としては、優れた柔軟性を発現し、しかも風合が至極優れて顔への使用感が良好であるなどの観点から、レーヨン、パルプ、コットン等で形成されたものが挙げられる。
【0077】
前記収納袋を構成する基材と被覆材との接合箇所が熱接着、熱融着またはホットメルト系粘着剤等の粘着剤によって接着または粘着されているものが、使用中の剥離がなく、品質が安定する上、水分や組成物の染み出しが防止され望ましい。
【0078】
また、収納袋を構成する基材と被覆材としては前述のように吸水性を有するものであれば特に限定されず、このように吸水性を有する基材と被覆材は、一般に熱融着性が全く無いか、或いは殆ど無い。
従って、このような場合には、基材上に積層された組成物の外周縁部において、ホットメルト系接着剤の層、或いはホットメルト系粘着剤等の粘着剤の層、特に粘着剤の層を介在させて基材と被覆材とを熱接着或いは粘着すればよい。
このように基材と被覆材とを熱接着或いは粘着すると、至極柔軟で、風合や使用感が著しく優れる美顔発熱体が得られ望ましい
【0079】
また、熱融着或いは熱接着が可能なヒートシール性の基材及び被覆材を用いると、生産性が向上し、生産コストを廉価にでき望ましい。
【0080】
具体的には、例えば吸水性を有する基材が、ヒートシール性不織布、吸水性不織布及び合成樹脂製のフィルム乃至シート(通気性或いは非通気性のフィルム乃至シート)からなる積層体で形成され、この基材におけるヒートシール性不織布上に前記組成物を積層すると、当該組成物中の水分の一部がヒートシール性不織布を透過して、吸水性不織布に吸水され、水皮膜層が無くなる結果、発熱組成物は発熱反応に応じた安定した水分バランスになり、発熱反応により組成物中の水分が消費されると、吸水性不織布に吸水された水分が随時発熱反応に供給されるため、安定した発熱反応が得られる。
【0081】
本発明においては、基材と被覆材のうち少なくとも一方には発熱組成物と接触する不織布を備えるものが挙げられ、この不織布にはヒートシール性不織布と吸水性不織布からなるものが挙げられ、このヒートシール性不織布が疎水性である一方、吸水性不織布が親水性であるものが、優れたヒートシール性や吸水性を発現するので望ましい。
【0082】
前記ヒートシール性不織布としては、ポリエステルとポリエチレンとの複合不織布が挙げられ、具体的には、例えばポリエステル繊維とポリエチレン繊維の積層型不織布や複合型スパンボンド不織布、或いは他の複合型スパンボンド不織布が挙げられる。
【0083】
また、他のヒートシール性不織布としては、繊維状の芯と、この芯の外周囲が被覆層で被覆された二重構造の繊維で形成された不織布であり、前記芯がポリエステル細繊維或いはポリプロピレン細繊維で形成されており、しかも前記被覆層がポリエチレンで形成されているものが挙げられる。
【0084】
更に、他のヒートシール性不織布としては、ポリエチレン繊維の周囲をポリエステル極細繊維で取り囲んだ複合繊維を当該繊維の軸方向に分割した極細スパンボンドを用いて形成されたものが挙げられる。
【0085】
前記収納袋の包材は多層構造からなる包材でもよく、その構造については特に制限はないが、基材がA層/B層の二層またはC層/D層/E層の三層からなり、被覆材がF層/G層の二層またはH層/I層/J層の三層からなるものが一例として挙げられる。各層は通気性または非通気性の粘着剤または接着剤を介して積層されている。
前記A層は、発熱組成物、水分の染み出しを防止するための層であり、線状低密度ポリエチレン等のポリオレフィン等の合成樹脂で形成された防水性のフィルム乃至シートが挙げられる。
前記B層,E層及びF層は、吸水性及び通気性を有する層であり、紙類やコットン更にレーヨン等の吸水性素材で形成された不織布等が挙げられる。
前記C層及びJ層は、いわゆる補強層であり、各種不織布が挙げられる。
前記D層及びH層は、通気性を制御し、しかも発熱組成物の染み出しを防止するための層であり、ポリオレフィン等の合成樹脂で形成された通気性のフィルム乃至シートが挙げられる。
前記G層は、ポリオレフィン或いはポリエステル等の合成樹脂で形成された通気性或いは非通気性のフィルム乃至シートが挙げられる。
前記I層は、いわゆる補強層であり、紙類が挙げられる。
【0086】
前記のヒートシール性不織布及び吸水性不織布などの不織布としては、所要の機械的強度やヒートシール性、更に吸水性を発現させるために、その坪量が、5〜500g/m2の範囲、より好ましくは10〜350g/m2の範囲とするのが望ましい。
【0087】
また、前記のポリオレフィン系樹脂製フィルム、ポリエステル系樹脂製フィルムまたはポリウレタン系樹脂製フィルムとしては、所要の機械的強度やヒートシール性を発現させるために、その厚さが、5〜500μmの範囲、より好ましくは10〜350μmの範囲とするのが望ましい。
【0088】
前記収納袋の非通気性或いは通気性のフィルム乃至シート、非吸水性フィルムとしては、従来から発熱体に用いられているものであれば特に限定はなく、具体的には、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、天然ゴム、再生ゴム、合成ゴム等が挙げられ、特に、好ましくはポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
【0089】
前記ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂、更にエチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂が挙げられ、これらのうち、特に線状低密度ポリエチレン樹脂がフィルムの生産・加工性に優れ、生産コストが安価であり、しかも、得られた多孔質フィルムの機械的強度が大きいので望ましい。
【0090】
前記ポリオレフィン系樹脂には、充填剤が配合されたものも含まれるが、かかる充填剤としては炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、硫酸バリウム、硫酸カオリン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化チタン、アルミナ、マイカ等一例として挙げられる。
【0091】
また、前記収納袋は、目的に応じて2層以上の樹脂層で形成されたものでもよいが、その素材の選択に当たり、ヒートシール性があり、簡単に熱融着できるものを選ぶのが好ましい。この場合、2層以上の樹脂層が熱融着できないときには、その間にホットメルト系の接着フィルムを介在させてこれらの樹脂層を接合してもよく、このように構成する場合は、片面の通気性フィルムの透湿性が失われないように注意する必要がある。
【0092】
ところで、前記収納袋を補強するために織布もしくは不織布からなる通気性補強用フィルムを用いるのが好ましく、かかる通気性補強用フィルムは、例えば、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、レーヨン、アセテート、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の、人工繊維、綿、麻、絹等の天然繊維から選ばれる1種または2種以上の素材を用いて形成される。
【0093】
前記の基材及び被覆材の厚みは、用途によって大きく異なり、特に限定されるものではなく、一般には、両者共にそれぞれ10〜1000μmとするのが望ましい。
【0094】
基材と被覆材の膜厚が共にそれぞれ10μm未満の場合には、必要な機械的強度を得られず、膜厚を均一にすることが困難になるので好ましくない。
【0095】
一方、基材と被覆材の膜厚が共にそれぞれ1000μmを超える場合には柔軟性が低下して顔へのなじみ性が著しく低下すると共に、顔面の変形や移動に対する追従性が低下する上、ごわごわして風合が悪くなり、また、美顔発熱体全体の厚さが厚くなり好ましくない
【0096】
本発明において、固着層がボールタック法でNo.10〜No.25の範囲が望ましく、固着層がボールタック法で、No.10未満であると顔との密着性や固着性が弱く、使用中の顔の揺れなどにより美顔発熱体がズレる等、化粧剤の顔への吸収性が悪く、一方、No.25を超えると顔との密着性や固着性が強くなり過ぎて、使用後の美顔発熱体を剥離する際、加温効果やODT効果(密封効果)によってルーズ化された顔の肌の剥離が生じ、顔に傷を付け、安全性や美顔の観点から、逆に望ましくなく、従って、これらの観点から、好ましくはNo.13〜No.21の範囲、特に好ましくはNo.13〜No.21の範囲とするのが望ましい。
【0097】
ところで、ボールタック法はDow(ダウ)が開発した方法で、直径0.79mm(1/32インチ)〜25.4mm(1インチ)まで、0.79mm(1/32インチ)きざみの鋼球32個を用い傾斜角、30度の長さを30cmの傾斜面の、上部10cmと下部10cmには粘着テープを設けず、その上下間の10cm箇所に粘着テープを設け、この傾斜面の上端から32個の銅球をころがしてテープ上にとどまる最大の鋼球の直径のインチ表示の分子をもって表わした値である。例えば、停止球が20/32インチのときにタックNo.20と表示している。
【0098】
そして、本発明においては、前記発熱体の片面に、全面、点状、線状、シマ状、網目状に固着層が積層され、しかもこの固着層には顔への所望部位を清涼にし、顔を美しくして魅力を増し、または顔の肌を健やかに保つための水及び/または化粧剤が配合される。
【0099】
この固着層としては顔に固着し使用しても皮膚刺激性が殆ど無いか或いは全く無く、しかも剥離の際にも皮膚刺激性が殆ど無いか或いは全く無いものであれば特に限定されず、具体的には、親水性の固着層、親油性の固着層、親水性ポリマーと親油性ポリマーから構成された固着層のいずれでもよい。
【0100】
前記親水性ポリマーとしては親水性の高分子物質であれば特に限定されないが、安全性、信頼性及び安定性等の観点から、食品、化粧品または医薬品などの分野で用いられるものが特に好ましい。
【0101】
この親水性ポリマーの具体例としては、メトキシエチレン無水コハク酸共重合体、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、メトキシエチレンマレイン酸共重合体、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、N−ビニルアセトアミド共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸モノエタノールアミン、ポリアクリル酸ジエタノールアミン、ポリアクリル酸トリエタノールアミン、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸塩、ポリアクリル酸のアミン塩、ポリアクリル酸のアンモニウム塩、ポリビニルエーテル、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミド塩、ポリメタクリルアミド、ポリメタクリルアミド塩、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンイミン、重合性モノマー原料と他の重合性モノマーとの共重合体、アルギン酸塩、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体、プロピオン酸ビニル・クロトン酸共重合体、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン、エポキシ樹脂、寒天、トラガカント、ガラクタン、キャロプウガム、ペクチン、ガラクトマンナン、キサンタンガム、キトサン、カゼイン、ゼラチン、デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン、メチルまたはエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、結晶ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、カチオンポリマー、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライト、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の植物系高分子、徴生物系高分子、動物系高分子、デンプン系高分子、セルロース系高分子、アルギン酸系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、アクリル系高分子、無機系水溶性高分子等が一例として挙げられ、これらは1種或いは複数種を混合して用いられる。
【0102】
前記親水性の固着層としては、顔との密着性や保型性、更に汗及び老廃物等の吸収性が良好であるなどの観点から、親水性ポリマー、水及び/または保湿剤を必須成分としゼリー状またはペースト状としたものが好ましい。
【0103】
前記親水性の固着層において、親水性ポリマー、水及び/または化粧剤、界面活性剤、充填剤の配合割合としては、顔との密着性や保型性、更に汗及び老廃物等の吸収性が良好で、更に使用感等が良好であれば特に限定されないが、一般に、親水性ポリマー2.5〜60重量部、水及び/または化粧剤7〜155重量部、界面活性剤5重量部以下、充填剤35重量部以下からなるもの、特に、親水性ポリマー5〜50重量部、水及び/または保湿剤10〜145重量部、界面活性剤0.1〜3重量部、充填剤1〜30重量部からなるものが望ましい。
【0104】
前記親水性の固着層には、所望により、顔料、乳化剤、無機鉱物、多価アルコール、水溶性高分子化合物、薬効成分、防腐剤、香料、色素等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合できる。
【0105】
前記親油性の固着層としては、親油性ポリマーで形成された固着性の層が挙げられ、具体的には、例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤またはホットメルト系粘着剤等で形成された層が一例として挙げられる。
【0106】
前記アクリル系固着剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸テトラデシルエステルの如きアクリル基の炭素数が4〜14個である(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合物、またはこれらの(メタ)アクリル酸アルキルエステル15〜90重量部と、この(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な単量体、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エチル、イタコン酸、無水イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステルスチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリル酸アミノエチルエステル、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリロニトリル、プロピオン酸ビニル、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸アミド、ビニルピロリドン、の如きビニル単量体などの単量体85〜10重量部とからなる共重合物が一例として挙げられる。
【0107】
前記ゴム系固着剤としては、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、合成ポリイソプレンゴム、ポリスチレン・ポリブタジエンゴム、ポリイソブチレン、シリコーンゴム、ポリアクリル酸エステル、スチレン−イソプレンースチレンブロック共重合体ゴム、スチレン−ブタジエンースチレンブロック共重合体ゴム、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体、アクリルゴム等が一例として挙げられる。
【0108】
前記ホットメルト系固着剤としてば、従来から公知のSIS系のホットメルト系固着剤等が挙げられる。
【0109】
前記親油性の固着層には、所望により、他の成分、例えば他の固着剤、ピコペールレジシ、ピコライト、ステベライトレジンまたはエステルガムH等の粘着付与剤、粘着調整剤、粘着改良剤、プロセスオイル、ポリブテンまたは流動パラフィン等の石油系軟化剤、ヒマシ油、綿実油、パーム油またはヤシ油等の脂肪油系軟化剤、蜜ロウ、カルナバロウまたはラノリン等のロウ類(軟化剤)、無機鉱物、色剤、顔料、界面活性剤、乳化剤、消泡剤、増粘剤、改質剤、防カビ剤、抗菌剤、殺菌剤、消臭剤または脱臭剤等が適宜配合できる。
【0110】
前記固着層が、親水性ポリマーと親油性ポリマーから構成させたものとは、上記の親水性ポリマーと親油性ポリマーとを含有する固着層である。
【0111】
上記、親水性ポリマーと親油性ポリマーの配合比は、重量比で、0:100〜100:0、好ましくは、68:32〜32:68である。
【0112】
この場合において、親水性ポリマーと親油性ポリマーの合成物を合成ポリマーとした場合、水及び/または化粧剤、合成ポリマーの配合割合としては、水及び/または化粧剤7〜155重量部、合成ポリマー2.5〜60重量部からなるもの、特に、水及び/または化粧剤10〜145重量部、合成ポリマー5〜50重量部からなるものが望ましい。
【0113】
前記親水性ポリマーと親油性ポリマーから構成される固着層には、所望により、充填剤、界面活性剤、顔料、乳化剤、無機鉱物、多価アルコール、水溶性高分子化合物、高吸水性高分子化合物、薬効成分、防腐剤、香料、色素等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合できる。
【0114】
また、本発明の美顔発熱体の固着層には水及び/または化粧剤が配合されるが、この化粧剤としては、顔への固着部位を清涼にし、美化して美しさを増し、または肌を健やかに保つために用いられるものであれば特に限定されない。
【0115】
この化粧剤としては、美白剤、保湿剤、にきび用薬剤、ビタミン類や動植物の抽出エキス或いはこれらから得られた成分等の老化防止剤、アミノ酸類等の栄養剤、エモリエント剤、から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
【0116】
本発明で用いられる美白剤としては、医薬品や化粧品などの分野で用いられるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、エンドセリン措抗薬、アスコルビン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、グルタチオン及びその誘導体並びにそれらの塩、N,N’−ジアセチルシスチンジメチル等のシスティン及びその誘導体並びにその塩、レゾルシン及びその誘導体並びにそれらの塩、ハイドロキノン及びその誘導体並びにそれらの塩、グラプリジン、及びこれらを含有するカンゾウ抽出物、胎盤抽出物、アスタキサンチン、カミツレ抽出物、卵黄、オキアミ、ルテイン、ニンジン等のカロチノイド類及びこれらを含有する動植物抽出物、ネオアガロビオース、アガロースオリゴサッカライド、アスパラガス抽出物、エンドウ豆抽出物、エイジツ抽出物、オウゴン抽出物、海藻抽出物、キイチゴ抽出物、キウイフルーツ抽出物、ゴマ及びエゴマ等のリノール酸を合有する植物油、コーヒー抽出物、コメヌカ抽出物、小麦胚芽抽出物、サンペンズ抽出物、シラユリ抽出物、シャクヤク抽出物、センプクカ抽出物、大豆抽出物、縁茶、紅茶、烏龍茶などの茶抽出物、糖蜜抽出物、トマト抽出物、ビャクレン抽出物、ブナノキ抽出物、フローデマニータ抽出物、ホップ抽出物、マイカイカ抽出物、ユーカリ抽出物、ヨクイニン抽出物及び羅漢果抽出物等が一例として挙げられる。
【0117】
上記のアスコルビン酸及びその誘導体並びにそれらの塩は、例えばL−アスコルビン酸、ジパルミチン酸L−アスコルビル、イソパルミチン酸L−アスコルビル、ミリスチン酸L−アスコルビル、ジミリスチン酸L−アスコルビル、L−アスコルビン酸リン酸エステルカリウム、L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸リン酸エステルカルシウム、L−アスコルビン酸硫酸エステルカルシウム、L−アスコルビン酸硫酸エステルアルミニウム、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸カリウム、L−アスコルビン酸マグネシウム、L−アスコルビン酸カルシウム、L−アスコルビン酸アルミニウム等が一例として挙げられる。
【0118】
上記の海藻抽出物としては、コンブ、マコンブ、ワカメ、ヒジキ、ヒバマタ、ウミウチワ、マツモ、モズク、イシゲ、ハバノリ、コンブモドキ、フクロノリ、イワヒゲ、カゴメノリ、アナメ、スジメ、トロロコンブ、オオバモク、ジヤイアントケルプ等の掲藻類、及びテングサ、フサノリ、カギノリ、ヒビロウド、コノハノリ、ヒメゴケ等の紅藻類、及びクロレラ、アナアオサ、マリモ、カサノリ、フトジユズモ、アオミドロ等の緑藻類などの海藻の抽出物が一例として挙げられる。
【0119】
本発明で用いられる保湿剤としては医薬品や化粧品などの分野で用いられるものであれば特に限定されないが、具体的には、例えば、アルカリ単純温泉水、深層水、硫酸化マンノースまたはその塩、トレハロース、グルコース、マルトース、マルチトール等の糖またはその還元体、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール等の多価アルコール、乳酸塩のNMF(自然保湿因子)の主成分、ヒアルロン酸塩、ヘパリン等のムコ多糖類及びその誘導体並びにそれらの塩、ケラチン等のタンパク質またはそれらの誘導体、加水分解物並びにそれらの塩、グリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、リジン、アルギニン、システイン、オルチニン等のアミノ酸及びそれらの誘導体、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、キシロース、イノシトール、グルコース、ペンタエリスリトール、果糖、庶糖およびその誘導体、ハチミツ等の糖類、D−パンテノール及びその誘導体、尿素、リン脂質、糖脂質、セラミド、アロエ抽出物、アーモンド抽出物、イナゴマメ抽出物、ステビア抽出物、スミレ抽出物、トウモロコシ抽出物、トウチユウカソウ抽出物、ドクダミ油出物、ノコギリソウ抽出物、ハッカ抽出物、マロニエ抽出物、マカデミアナッツ油、マロニエ抽出物、ムラサキ抽出物、リンゴ抽出物等やPCA一Na等が一例として挙げられ、一種または二種以上を適宜選択して配合できる。
【0120】
にきび用薬剤としては、ビタミンCおよび誘導体、プラセンタエキス、アルブチン、グルタチオン等の硫黄化合物、ヒドロキノン、パントテイン−s−スルフオン酸、イソフエルラ酸、アスコルビン酸リン酸マグネシウム塩、リノール酸、システィン、ハイドロキノンの配糖体、コウジ酸、胎盤抽出物、アスコルビン酸、ビタミンA酸或いはそのナトリウム塩、カリウム塩またはアンモニウム塩等が一例として挙げられる。
【0121】
前記ビタミン類としては、各種ビタミン或いはその誘導体が挙げられるが、具体的には、例えばビタミンA、ビタミンB群、ビタミンD、ビタミンE、パントテン酸、ビタミンH、酢酸dl−α−トコフエロール等が一例として挙げられる。
【0122】
また、前記動植物抽出物としては、アロエエキス、ニンジンエキス、カンゾウエキス、オオバコエキス、薬草エキス、ハーブエキス、カミツレエキスまたはビワ抽出液等が一例として挙げられる.
【0123】
老化防止剤としては、パントテニールエチルエーテル、プエライアミリフェカ、デオキシリボ核酸及びその塩、アデノシン三リン酸、アデノシン二リン酸、アデノシン一リン酸などのアデニル酸誘導体及びそれらの塩、リボ核酸及びその塩、サイクリックAMP、サイクリックGMP、フラビンアデニンヌクレオチド、グアニン、アデニン、シトシン、チミン、キサンチン及びそれらの誘導体であるカフェイン、テオフェリン並びにそれらの塩等の核酸関連物質、幼牛血液抽出液、血清除蛋白抽出物、脾臓抽出物、胎盤抽出物、トリ等の卵成分、鶏冠抽出物、貝殻抽出物、貝肉抽出物、ローヤルゼリー、シルクプロテイン及びその分解物またはそれらの誘導体、へモグロビンまたはその分解物、ラクトフェリンまたはその分解物、軟体動物抽出物、魚肉抽出物、哺乳類、貝類、魚類、甲殻類等の動物由来の抽出物、酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物の発酵代謝産物から選ばれる徴生物由来の抽出物等が一例として挙げられる。
更にレチノール及びその誘導体、レチナール及びその誘導体、デヒドロレチナール、カロチン等のカロチノイド等のビタミンA類、チアミン類、リボフラビン類、ピリドキシン類、フラビンアデニンヌクレオチド、葉酸類、コリン類等のビタミンB類、及びγ−リノレン酸、エイコサペンタエン酸及びそれらの誘導体、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸、コハク酸、サチル酸、グルタミン酸、ラズベリー抽出物、ライム抽出物、レモン抽出物、霊芝抽出物、麦芽根抽出物、ローズマリー抽出物、ヒノキチオール、セファランヂン等の植物由来の抽出物、エイコサペンタエン酸及びそれらの誘導体、エストラジオール及びその誘導体並びにそれらの塩等が一例として挙げられる。
【0124】
更に、前記アミノ酸類としては、アミノ酸或いはその誘導体、例えばシスチン、メチオニン、セリン、ロイシン、トリプトファンまたはアミノ酸エキス等が一例として挙げられる。
【0125】
本発明で用いられるエモリエント剤としては、肌につやを与え、顔への展延性を向上させて肌への密着性を向上させ、顔肌(角質層)との親和性が高く、化粧剤の安定性や吸収性を向上させるものであり、医薬品や化粧品などの分野で用いられる油分であれば特に限定されないが、具体的には、例えば、天然系油であるか、合成油であるか、或いは、固体、半固体、液体であるか等の性状は問わず、炭化水素類、ロウ類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル油、シリコーン油類、フッ素系油類等を使用できる。例えば、オリーブ油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油等の油脂、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、ワセリン、ワセリンワックス等の炭化水素類、ミツロウ、カルナウバロウ、ホホバ油等のロウ類、牛脂、卵黄油等の動物油、ラノリン、液状ラノリン、硬化ラノリン、オクチルドデカノール等の高級アルコール、ラウリン酸エチル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油、テトラメチルテトラハイドロジエンシクロテトラシロキサン、ステアロキシシリコーン等のシリコーン油、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤、鉱物ワックス、シリコーンワックス等が一例として挙げられる。一種または二種以上を適宜選択して配合できる。
【0126】
本発明で用いられる充填剤としては、固着層の粘度を調整したり、架橋剤としての役割を果たして保型性の向上を図ったり、増量剤としての役割を果たすものであり、具体的には、例えば、雲母、シリカ、カオリン、ベントナイト、ナイロン、ポリ−β−アラニン末、ポリエチレン末、テフロン、デンプン、窒化ホウ素、及びシリコーン樹脂、ミクロビーズのような中空マイクロスフェア、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、中空シリカマイクロスフェア、ガラス、セラミックマイクロカプセル、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、亜鉛化合物、カドミウム化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物、鉄化合物、クロム化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、亜鉛華、二酸化チタン等の酸化チタン、タルク、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、ミョウバン等、球状セルロース等の有機質球状体、ポリブテン、アセトアルデヒド、炭素原子8〜22個を有する有機カルボン酸誘導された金属石けん、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸アルミニウム、セチルリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム等や、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、アルミニウムグリシネート等が一例として挙げられ、一種または二種以上を適宜選択して配合できる。
【0127】
本発明で用いられる界面活性剤としては、乳化、可溶性、浸透性、濡れ性、分散性或いは洗浄カを促進乃至向上させる他、保湿性、殺菌力、潤滑性、帯電防止、柔軟性、消泡等の機能を発現させるものであり、化粧品の分野で用いられているものであれば特に限定されないが、具体的には、例えばアニオン性界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸トリエタノールアミン等である脂肪酸石けん、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、N−アシルグルタミン酸塩等であるN−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合物等のカルボン酸塩、アルキルスルホン酸、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩とそのホルマリン縮合物のスルホン酸塩、第2高級アルコール硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩類、アミドリン酸塩等が一例として挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、アミノアルコール脂肪酸有機シリコーン樹脂、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が一例として挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルアミドプロピルジメチルアミノ酢酸べタイン等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、エーテル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、糖エーテル、糖アミド、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、動植物享油脂脂肪酸、POEソルビタンモノラウリン酸エステル等が一例として挙げられ、一種または二種以上を適宜選択して配合できる。
【0128】
顔料としては、特に限定されないが、例えば、黄酸化鉄、ベンガラ、グンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カラミン、酸化チタン、タルク等が一例として挙げられ、一種または二種以上を適宜選択して配合できる。
【0129】
乳化剤としては、その種類は特に制限はされず、従来より使用されているもの、例えばサンタンガム、アラビヤガム、トラガントガム、カラヤガム、無水マレイン酸共重合体、カラギーナン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸、脂肪酸石けん、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキル硫酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキルアンモニウム塩、ビタミン誘導体、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸及びこれらの誘導体等が挙げられ一種または二種以上を適宜選択して配合できる。
【0130】
無機鉱物としては、その種類は特に限定されず、カオリン、スメクタイト、酸化チタン、酸化亜鉛、無水ケイ酸等が一例として挙げられ、一種または二種以上を適宜選択して配合できる。
【0131】
高吸水性高分子化合物としては、その種類は特に限定されないが、変性ポリアルキレンオキサイド、N−ビニルアセトアミド架橋体、アクリルアミド架橋体、酢酸ビニル−アルキル(メタ)アクリレート共重合体加水分解物の金属塩、ビニルアルコール−無水マレイン酸共重合体架橋物、ビニルアルコール−アクリル酸−無水マレイン酸共重合体架橋物、イソブチレン−マレイン酸共重合体架橋物、ポリアクリロニトリルグラフト重合体ケン化物、デンプン−アクリル酸グラフト重合体等が一例として挙げられる。
【0132】
薬効成分としては、特に限定されないが、例えばサリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、インドメタシン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、イブブロフェン、ジクロフエナツクナトリウム、メフェナム酸とその誘導体、フルフェナム酸とその誘導体、プフェキサマック、イプフェナック、アルクロフェナック、プレドニゾロン、酢酸ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、1−メントール、クロタミトン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、酢酸トコフェロール、ノニル酸ワニリルアミド、ナプロキセン、ピロキシカム、生薬末、生薬軟エキス、生薬乾燥エキス、生薬流エキス、生薬チンキ、精油等が一例として挙げられこれら薬効成分は、単独でも複数配合してもよく配合量は通常0.001〜20重量%配合できる。
【0133】
防腐剤としては、例えばメチルパラベン、プロビルパラベン、チモール等が一例として拳げられ、一種または二種以上を適宜選択して配合できる。
【0134】
香料としては、特に限定されないが、例えば、アンジエリカ、安息香、イモーテル、カモミール、ガーリック、カルダモン、キャロットシード、グァアックウッド、グレープフルーツ、セロリ、タラゴン、トウヒ、乳香、バイオレット、パイン、バラ、フェンネル、没薬、ヤロウ、レモン、ローズマリー、ユズ、ラベンダーなどのハーブ系精油やエキス、その他低級アルコールやアルデヒド類が一例として挙げられ、これらの内の1種または2種以上混合して使用でき通常それぞれ0.0001〜1重量%の範囲で配合される。
【0135】
色素としては、その種類は特に限定されず、法定色素ハンドブック記載を一種または二種以上を適宜選択して配合できる。
【0136】
また、本発明の美顔発熱体には、特に、化粧品などに一般に用いられる他の各種基剤及び薬剤等、例えば他の水性成分や油性成分、或いは酸化防止剤、パラベン類等の防腐剤、緩衝剤、収斂剤、キレート剤、紫外線吸収剤、或いは殺菌剤、局所麻酔剤、感光素、TCCまたは消炎剤などの薬剤等を必要に応じて適宜配合できる。
【0137】
前記緩衝剤としては、pH調整作用や粘着層の安定化を図るものであって、具体体的には、例えばクエン酸、乳酸、アミノ酸類、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等が一例として挙げられる。
【0138】
前記消炎剤としては、具体的には、例えば非ステロイド系消炎鎮痛剤や抗ヒスタミン剤等グリチルリチン酸モノアンモニウム等のグリチルリチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、3−サクシニルオキシグリチルレチン酸二ナトリウム等のグリチルレチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、8−アミノカプロン酸、ジクロフェナクナトリウム、コンドロイチン硫酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、アロエ抽出物、アシタバ抽出物、インチンコウ抽出物、ウコン抽出物、オウバク抽出物、クレソン抽出物、コンフリー抽出物、サルビア描出物、ヨモギ抽出物、ユーカリ抽出物が挙げられる。アラントイン、アミノカプロン酸、ヒドロコルチゾン、ヒリハリ草等が一例として挙げられる。
【0139】
更に中枢神経系用薬、末梢神経系用薬、循環器官用薬、呼吸器官用薬、消化器官用薬、ホルモン剤等も用いることができる。
【0140】
紫外線吸収剤は、肌を紫外線から守り、美白剤と組み合せて用いると有用なものであり、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシルパラメトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、ジイソプロビルケイ皮酸エステル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2−ヒドロキシクロロベンゾフェノン、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸イソブチルパラアミノ安息香酸アミル等の安息香酸系紫外線吸収剤、サリチル酸−2−エチルヘキシル、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸メチル、サリチル酸カリウム等のサリチル酸系紫外線吸収剤、4−メトキシジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤、2−フェニルーベンズイミダゾール−5−硫酸−2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛等の紫外線散乱剤が一例として挙げられる。
【0141】
前記美顔発熱体の固着層の厚みは、特に限定されないが、一般的に、5〜5000μm、好ましくは20〜2500μm、更に好ましくは35〜1500μmとするのが好ましく固着層の厚みが、5μm未満になると厚みが薄過ぎる為、顔の密着性や固着性が乏しく所量の化粧剤を保持できず、所量の美顔効果が得られにくく、均一で安定したものが得られない。
一方、5000μmを超えると美顔効果に限界が生じ、嵩が張って使用感が悪くなり、携帯性、コスト高により経済性が悪くなる。
【0142】
前記基材、被覆材、固着層は、それぞれは透明、不透明、着色、無着色等いかなるものでもよく、また、各材または層のそれぞれを構成する層のうち少なくとも1層を構成する他の層と異なる色に着色してもよい。
【0143】
このようにして得られた発熱体は使用されるまでの間、空気中の酸素に接触しないように非通気性の袋などに密封保存される。
【0144】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0145】
(実施例1)
図1及び図2は本発明の一例である頬に固着させ使用する美顔用発熱体1であり、該美顔用発熱体1は、空気と接触して発熱する発熱体2とその片面の全面に積層された固着層3を基本構造とし、前記固着層3には水及び/または化粧剤が配合されており、前記固着層3の表面には保護フィルム(離型フィルム)7が設けられている。
【0146】
詳細には、この美顔用発熱体1は、幅50mm、長さ75mmで、通気性を有する長方形状の収納袋4内に余剰水を有する非粘稠性発熱組成物から成形された発熱性成形物Sを封入し、シール幅5mmで、発熱性成形物Sの周囲をシールしたものである。該発熱性成形物S中の水分の一部を収納袋4に吸収させ、水皮膜層を無くし、これにより、発熱性成形物Sが細孔化し空気との接触が良好になるように構成した、前記収納袋4は、この場合、非通気性を有する基材5と、通気性を有する被覆材6とからなる。
【0147】
前記基材5は、十分な柔軟性が得られるように、疎水性且つヒートシール性のポリエステル繊維とポリエチレン繊維からなる坪量50g/m2の不織布層と、吸水性のコットン不織布の複合型積層坪量50g/m2不織布と、補強材及びヒートシールするために露出面が融点の高い、ポリエステル坪量30g/m2不織布を、厚さ40μmのポリエチレン樹脂でサンドラミネートしてなる非通気性積層フィルムを用いた。
【0148】
また、前記被覆材6は補強材として機械的強度を高めると共に、ヒートシール時に十分な耐熱性が得られるようにするため、露出面から、坪量30g/m2、ポリエステル不織布と、厚さ40μmのポリエチレン製多孔質フィルムとを、接着部1mm非接着部1mmのパターンで45度の角度でスチレン−イソプレンースチレンブロック共重合体のホットメルト接着剤で、全面にわたって接着積層後、更に同様の接着方法で(但し、接着パターンは、前回の角度と直角に交差するように)、親水吸水性のコットン坪量50g/m2不織布と、疎水性且つヒートシール性のポリエステル繊維とポリエチレン繊維複合型坪量50g/m2スパンボンド不織布のアルシーマ・コットン交絡品を順次接着した積層フィルムを用いた。この披覆材25の透湿度は、被覆材の透湿度はリッシー法で、400g/m2・24hrであった。
【0149】
そして、本発明においては、前記基材5におけるヒートシール性複合不織布上の所定の位置に、後述する余剰水を有する非粘稠性発熱組成物SHを型擦り切り成形により長方形状に、発熱組成物を擦り切り、発熱性成形物Sを作成し、その上から被覆材6におけるヒートシール性複合不織布が発熱性成形物Sと接触するように当該被覆材6を被せ、この組成物Sの外周囲部において、基材5と被覆材6とのシール部をヒートシールし、しかも余剰水を有する非粘稠性発熱組成物SH中の水分の一部を基材5におけるコットン不織布と、被覆材6におけるコットン不織布とに吸水させ、水皮膜層を無くし、これにより、発熱性成形物Sが細孔化され空気との接触が良好になるようにした。
【0150】
前記余剰水を有する非粘稠性発熱組成物SHは、以下の方法で製造した。即ち、発熱物質である鉄粉(同和鉄粉社製DKP)100重量部に対し、吸水性ポリマー(クラレ製KI−ゲル201K)0.3重量部、保水剤として木粉3.0重量部、活性炭(ノリツト社製SA―Super)8.0重量部、金属の塩化物として塩化ナトリウム4.0重量部及びpH調整剤として水酸化カルシウム0.15重量部、水を50重量部加えて混合した。
【0151】
つまり、前記配合割合を活性炭、保水材、吸水性ポリマー、金属の塩化物、pH調整剤の順で混合機(特殊機化工業株式会社製T.K.ハイビスミックス2P−100型容量100リットル)に投入し、5分間撹絆した後、撹絆しながら水を投入し、5分間混合し、更に鉄粉を加え5分間混合後、容器内の付着物を除去し、再度、5分間混合後、排出を行う。得られ余剰水を有する非粘稠性発熱組成物の増粘度は、500cPで、易動水値は12であった。
【0152】
この実施例1では、前述のように、前記基材5上に前記余剰水を有する非粘稠性発熱組成物SHを、厚さ850μmの中空板を使用して長方形状に型擦り切り成形で積層し、その上から被覆材6を被せ、この発熱性成形物Sの外周囲部において、基材5と被覆材6とをヒートシールし美顔発熱体1の各周囲のシール幅Lが5mmになるように、ダイカットにより裁断し、美顔発熱体1を製造した。なお、裁断された美顔発熱体は、図示しない気密性を有する外袋内に封入した。
【0153】
ところで、前記固着層3は、以下の成分からなる美白用固着剤で形成した層(厚さ550μm)を用いた。即ち、美白用固着剤として、ポリ酢酸ビニルエマルジョン19.5重量部ポリビニルアルコール9.5重量部、ソルビトール5.0重量部、PEG400(5.0重量部)、L−アスコルビン酸1.0重量部、ホホバ油2.0重量部、スクワラン2.0重量部、酸化チタン5.0重量部、タルク5.0重量部、工タノール8.0重量部、POEソルビタンモノステアリン酸エステル1.0重量部及びイオン交換水37.0重量部からなるものを用いた。
【0154】
その調整について詳述すれば、イオン交換水に酸化チタン及びタルクを加え充分に分散後、ソルビトール及びPEG400を添加して均一な混合物にし、これを70〜80℃に昇温後、ポリ酢酸ビニルエマルジョンとポリビニルアルコールを添加し溶解する。以下、これを水相混合物という。
【0155】
一方、エタノールに、L−アスコルビン酸、ホホバ油、スクワラン及びPOEソルビタンモノステアリン酸エステルを添加し、均一になるまで混合する。以下、これを油相混合物という。
【0156】
この油相混合物を前述の水相混合物に加えて均一になるまで混合後、室温になるまで冷却することにより調整した。尚、前記混合は全てホモミキサーで行った。
【0157】
(比較例1)
実施例1の余剰水を有する非粘稠性発熱組成物を、ぺースト状の発熱組成物(増粘度3,040,000、易動水値2)に代え、積層方法を、スクリーン印刷に変えて、発熱体を作成した。即ち、実施例1で使用したのと同じ基材上にペースト状の発熱組成物を、厚さ850μmのスクリーン版を使用して実施例同じ大きさに、スクリーン印刷で積層し、その上から、実施例1と同じ被覆材を被せ、この発熱組成物の外周囲部において、基材と被覆材とをヒートシールした。
尚、ぺースト状の発熱組成物は次のようにして作成した。
即ち、発熱物質である鉄粉(同和鉄粉社製DKP)100重量部に対し、CMC(第一工業薬品社製セロゲンEP)1.2重量部、吸水性ポリマー(クラレ製商品名KI−ゲル201K)0.3重量部、ベントナイト(豊洋ベントナイト社製豊300)3.0重量部、活性炭(ノリツト社製SA一Super)8.0重量部、金属の塩化物として塩化ナトリウム4.0重量部及びpH調整剤として水酸化カルシウム0.15重量部、水を34重量部を加えて混練した。
また、固着層は実施例1と同様のものを使用した。
【0158】
(比較例2)
実施例1の余剰水を有する非粘稠性発熱組成物を、粉未状の発熱組成物に代えて発熱体を作成した。即ち、基材におけるヒートシール性複合不織布上の所定の位置に粉末状の発熱組成物を実施例1と同じ長方形状に打ち抜いた厚さ850μmの打ち抜き板を用い、手作業で、長方形状に積層し、その上から被覆材におけるヒートシール性不織布が粉末状の発熱組成物と接触するように該被覆材を被せ、この発熱組成物の外周囲部において、基材と被覆材とのシール部をヒートシールして、製造した。尚、裁断された美顔用発熱体は、図示しない気密性を有する外袋内に封入した。
ここで、基材は、疎水性且つヒートシール性複合型不織布(坪量50g/m2)とポリエステル不織布(坪量30g/m2)とを厚さ40μmのポリエチレン樹脂でサンドラミネートした非通気性積層フィルムを用いた。
また、被覆材としては露出面からポリエステル不織布(坪量30g/m2)とポリエチレン製多孔質フィルム(厚さ40μm)とを接着部1mm、非接着部1mmのパターンで45度の角度で、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体のホットメルト接着剤で全面にわたって接着積層後、更に同様の接着方法で(但し、接着パターンは、前回の角度と直角に交差するように)、坪量50g/m2で、疎水性且つヒートシール性のポリエステル繊維とポリエチレン繊維複合型スパンボンド不織布のアルシーマ・コットン交絡品を順次接着した積層フィルムを用いた。この被覆材6の透湿度は、被覆材の透湿度はリッシー法で、410g/m2・24hrであった。
また、粉未状の発熱組成物は次のようにして製造した。
即ち、発熱物質である鉄粉(同和鉄粉社製DKP)60重量部、保水剤であるバーミキュライト1.5重量部と木粉1.5重量部、炭素成分である活性炭(ノリツト社製SA−Super)4重量部、金属の塩化物として塩化ナトリウム3.0重量部及びpH調整剤としてポリン酸ナトリウム0.15重量部、水を29.85重量部加えて混練し調整した。
また、固着層は実施例1と同様のものを使用した。
【0159】
(実施例2)
実施例1、比較例1及び比較例2の美顔用発熱体を製造後、非通気性の外袋に封入した後、24時間経過してから該外袋を破って、図12に示すように、顔における頬に固着、使用したところ、実施例1の美顔用発熱体は30秒で発熱温度が38℃まで昇温し、以後38から41℃で約30分間にわたって発熱した。使用中に発熱組成物の形状は変化なく保たれ、均一な加温ができた。
比較例1の美顔用発熱体は120秒で発熱温度が38℃まで昇温し、以後38から40℃で約10分間しか発熱しなかった。使用中に発熱組成物の形状は変化なく保たれた。
比較例2の美顔用発熱体は30秒で発熱温度が38℃まで昇温し、以後38から41℃で約10分間にわたって発熱したが、その後、使用中に発熱組成物の形状が崩れ、均一な加温ができなくなった。
【0160】
(実施例3)
実施例1で用いた美白用固着剤に代えて、以下に述べる美白用粘着剤で形成した層(厚さ550μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、頬に固着して使用する美顔用発熱体1を得た。
【0161】
即ち、美白用固着剤として、ポリビニルアルコール17.5重量部、カルボキシメチルセルロース7.5重量部、1.3ブチレングリコール7.5重量部、L−アスコルビン酸1.0重量部、エタノール12重量部、乳酸ナトリウム0.3重量部、POEオレイルアルコールエーテル0.7重量部及びイオン交換水53.5重量部からなるものを用いた。
【0162】
その調整について詳述すれば、まず、イオン交換水に乳酸ナトリウム、1,3ブチレングリコールを添加して均一な混合物にし、これを70〜80℃に昇温後、ポリビニルアルコールとカルボキシメチルセルロースを添加し撹枠、溶解する。以下、これを水相混合物という。
【0163】
一方、エタノールに、L−アスコルビン酸及びPOEソルビタンモノステアリン酸エステルを添加し、均一になるまで混合する。以下、これを油相混合物という。
【0164】
この油相混合物を前述の水相混合物に加えて均一になるまで混合後、室温になるまで冷却することにより調整した。尚、前記混合は全てホモミキサーで行った。
【0165】
実施例2と同様の試験を行い実施例1の試料と同等な結果を得た。
【0166】
(実施例4)
図3に示すように、実施例1と同様の基材5上に、実施例1と同様の余剰水を有する非粘稠性発熱組成物SHを厚さ850μmの中空板を目の部分を除いて目の周辺部を覆う形状にし、型通し擦り切り成形で積層し、その上から実施例1と同様の被覆材6を被せ、この発熱性成形物Sの外周囲部において、基材5と被覆材6とをヒートシールし、目の部分を打ち抜いたアイマスク状の美顔用発熱体8を得た。
【0167】
以下の実施例5〜12は、本実施例1と同様の方法で製造した。
【0168】
(実施例5)
実施例1と同様にして、図4(a)、(b)に示すような顔全体を覆う美顔用発熱体9、9を製造した。
【0169】
(実施例6)
実施例1と同様にして、図5に示すアイマスク状の美顔用発熱体10を製造した。
【0170】
(実施例7)
実施例1と同様にして、図6に示す目尻や目尻の周辺部を覆う左右対称の美顔用発熱体11を製造した。
【0171】
(実施例8)
実施例1と同様にして、図7に示す顎を覆う美顔発熱体12を製造した。
【0172】
(実施例9、10)
実施例1と同様にして、図8、図9、に示す鼻や鼻元更にその周辺を覆う美顔発熱体13、14を製造した。
【0173】
(実施例11)
実施例1と同様にして、図10に示す額を覆う美顔用発熱体15を製造した。
【0174】
(実施例12)
実施例1と同様にして、図11に示す口と鼻の間を覆う美顔用発熱体16を製造した。
【0175】
(実施例13)
図13は、本発明の他の固着層態様の美顔発熱体の平面図である。
【0176】
この美顔発熱体は、固着層には、円形の開口部Kが複数開けられている。この開口部Kにより、固着層と皮膚との間に、多量の汗がたまりシートが剥れやすくなることが防止される。更に、通気性フィルムが固着層側にある場合、化粧剤が、開口部Kを通して、皮膚に効率的に導くことが可能になる。
【0177】
固着眉の開口部Kの、形状及び寸法は、加温効果及び美顔効果更には密着効果に影響されなければ、特に制限はない。
【0178】
また、美顔発熱体において、固着層は、図14に示したような線状、図15に示したような点状、図16に示したようなシマ状、図17に示したような網目状等に形成することができる。
【0179】
この場合においても、固着層と皮膚との間に、多量の汗がたまりシートが剥れやすくなることが防止される。更に、通気性フィルムが固着層側にある場合、発熱体の加温効果により、開口部Jを通して、化粧剤が肌により効果的に湿潤効果を、導くことが可能になる。
【0180】
固着層の開口部Jの、形状及び寸法は、加温効果及び美顔効果更には密着効果に影響なければ、特に制限はない。
【0181】
このように顔全面または、特定部位に固着して使用できるようにすることにより、固着部位との密着性が至極向上し、優れた美顔効果が得られる上、顔の気になる箇所に適用できる結果、経済的にも無駄が無いので望ましい。
【0182】
前記各実施例においては、余剰水を有する非粘稠性発熱組成物SHを用いているので、安定した発熱特性であり、基材5上に、型通し擦り切り成形等によって任意の形状で余剰水を有する非粘稠性発熱組成物SHを積層できる結果、任意形状の美顔発熱体が容易に得られ、また余剰水を有する非粘稠性発熱組成物SH中の水分の一部を収納袋4に吸収させ、水皮膜層をなくし、これによって、発熱性成形物Sが細孔化となり空気との接触が良好になる。
【0183】
次に、実施例1、比較例1および比較例2に示す頬用の美顔発熱体1を用い、美顔身体試験を行い、評価した。
【0184】
美顔効果は、しみ、皺、そばかす等に悩む40〜53才の女性モニター75名を対象にし、これらを1グループ25名として、3グループに区分した。
【0185】
その中の1グループ25名に対し、実施例1に示す美顔発熱体1を製造1日後、図12に示すように、頬に固着して使用をした。
【0186】
この場合、毎日、朝と、入浴後30〜60分の間に、図22に示すように、35日間繰り返し固着して使用し、35日目にその顔に対するしみ、皺、そばかすなどの美顔効果を評価した。
【0187】
実施例1の美顔発熱体を図12に示すように、固着して使用したところ、1分以内で38℃に達し、以後38℃から40℃にかけておよそ30分間にわたり発熱した。
【0188】
また、この各実施例に係る美顔発熱体の繰り返し使用による美顔効果は以下のとおりである。顔における頬において、顔に対するしみ、皺、そばかすが目立たず、美白で肌がしっとりして若肌になり、その美顔効果が顕著であると認めたものが15名、また、顔に対するしみ、皺、そばかすが薄く目立たず、肌がしっとりして若月肌になり、その美顔効果が有ると認めたものが7名、残りの3名からもしみ、皺、そばかすが幾分薄くなり、幾分かの美白効果が認められたとの回答が得られた。
【0189】
また、この使用中、美顔発熱体は顔に密着し、皮膚刺激もなく、該美顔発熱体の落下及び、発熱組成物の落下または片奇りは、発生せず、全面にわたって平均した発熱が認められた。また剥離の際にも皮膚刺激は全く認められなかった。
【0190】
この比較例1および2に係る美顔用発熱体を用い、前記他の1グループ25名に対して、各実施例の場合と同様の条件で、図12のように固着して使用し35日間繰り返し固着して使用し、35日目にその顔に対するしみ、皺、そばかすなどの美顔効果を評価した。
【0191】
この各比較例に係る美顔発熱体の繰り返し使用による美顔効果は以下のとおりである。顔における頬において、その美顔効果が顕著であると認めたものは存在しなかったが、顔に対するしみ、皺、そばかすが薄くなって目立たず、美白で肌がしっとりして若肌になり、その美顔効果が有ると認めたものが8名、また、11名からしみ、皺、そばかすが幾分薄くなり、幾分かの美白効果が認められたとの回答が得られた。更に、残りの6名からは変化がなく美顔効果が認められないとの回答が得られた。また、比較例1および、2ともに、温度や固着性に問題があり、使い勝手が悪いとの回答が得られた。
【0192】
以上の結果より、実施例のものは、比較例のものと比較して、使い勝手がよく、加温効果と水及び/または化粧剤との相乗作用により、しみやそばかすを目立たなくさせ、肌がしっとりし若肌にしたりする等、優れた美顔効果が得られるのである。
【0193】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、顔の肌に直接固着することで固着部位を清涼にし、美肌にして美しさを増し、また、肌を健やかに保つために用いられる美顔発熱体に関し、特に、余剰水を有する非粘稠性発熱組成物を使用することで、発熱組成物成形物の形状維持性、薄型化での発熱特性、成形性が良好になる為、発熱特性が均一で安定した発熱体の加温効果と封じ込め効果の相乗作用によって血行促進による疲労回復、新陳代謝の活発化がもたらされ、毛穴拡張により肌の汚れや老廃物を除去し、所望部位を清涼にし、水及び/または化粧剤の浸透を早め、更に化粧剤を効率よく吸収させ、肌を健やかにし、潤いを保ち、加えて、固着層に水分が含有されているとその水分が加温されることにより水及び/または化粧剤を所望部位に効率よく浸透させ、美肌効果を一層向上させ、簡便に使用でき、肌に対して適度の固着性や湿潤性を有し、製剤物質の安定性、肌に対する安全性が優れ、使用時の使用感が良好で、使用中の剥れめくれの少ない優れた美顔発熱体を提供できる。
【0194】
そして、本発明においては、余剰水を有する非粘稠性発熱組成物を使用する事で、余剰水を有する非粘稠性発熱組成物の形状維持性と薄型化で確実に顔に密着して封じ込め効果(いわゆるODT効果)が得られ、初期及び劣化後においても、安定した発熱特性と超薄型であっても確実に発熱する余剰水を有する非粘稠性発熱組成物の加温効果の相乗作用によって、発熱体並びに組成物も片寄りや落下が発生しない為、血行促進による疲労回復、新陳代謝の活発化、毛穴拡張により肌の汚れや老廃物が容易に且つ効果的に除去され、固着部位を清涼にしたり、水及び/または化粧剤の浸透を促進させ、効率よく吸収させ、顔肌を美化して美しさを増し、肌を健やかにし美肌に保ったり、若肌に改善する等の至極優れた効果が得られる。
【0195】
また、本発明において、固着層に水分が含有されているとその水分が加温されることで、前記効果に加えて、その湿潤効果により一層優れた美顔効果が得られる。
【0196】
更に、本発明に係る美顔発熱体は、顔に固着して使用され、使用感が優れ、しかも発熱温度が透湿度によって制御され、また余剰水を有する非粘稠性発熱組成物の優れた形状維持性、発熱特性により火傷が発生せず、年齢性別を問わず、特に肌が敏感な人でも、手軽に安心し容易に使用できる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る美顔発熱体の平面図である。
【図2】本発明の第1実施例に係るA−A断面図である。
【図3】本発明の第4実施例に係る美顔発熱体の平面図である。
【図4】(a),(b)は、本発明の第5実施例に係る美顔発熱体の平面図である。
【図5】本発明の第6実施例に係る美顔発熱体の平面図である。
【図6】本発明の第7実施例に係る美顔発熱体の平面図である。
【図7】本発明の第8実施例に係る美顔発熱体の平面図である。
【図8】本発明の第9実施例に係る美顔発熱体の平面図である。
【図9】本発明の第10実施例に係る美顔発熱体の平面図である。
【図10】本発明の第11実施例に係る美顔発熱体の平面図である。
【図11】本発明の第12実施例に係る美顔発熱体の平面図である。
【図12】各実施例の使用形態の図である。
【図13】本発明の固着層平面図である。
【図14】本発明の固着層平面図である。
【図15】本発明の固着層平面図である。
【図16】本発明の固着層平面図である。
【図17】本発明の固着層平面図である.
【図18】(a),(b),(c)は、本発明の形状維持度試験方法の手順説明図である。
【図19】本発明の易動水値試験方法の手順図である。
【図20】本発明の易動水値試験方法の手順図である。
【図21】本発明の易動水値試験方法の手順図である。
【図22】本発明の易動水値試験方法の手順図である。
【図23】本発明の易動水値試験方法の手順図である。
【符号の説明】
1 美顔発熱体
2 発熱体
3 固着層
4 収納袋
5 基材
6 被覆材
7 保護フィルム
8 切り込み
S 発熱性成形物
SH余剰水を有する非粘稠性発熱組成物
SL試験前の発熱性成形物の最大長さ
TL試験後の発熱性成形物の最大長さ
K 開口部
J 開口部
9 美顔発熱体
10 美顔発熱体
11 美顔発熱体
12 美顔発熱体
13 美顔発熱体
14 美顔発熱体
15 美顔発熱体
16 美顔発熱体
17 濾紙
18 ステンレス板
19 中空円筒状の穴
20 型板
21 試料
22 押し込み板
23 風防
24 染み出し距離
30 試験機
31 駆動源
32 回転軸
33 固定板
34 試料叩き部材

Claims (10)

  1. 顔全面または、特定の部位に固着され使用される発熱体において、空気と接触して発熱する非粘稠性発熱性成形物が、基材、被覆材から構成される収納袋に封入され、該収納袋の片面または両面の少なくとも一部に通気性を有し、該収納袋の片面に、全面または部分的に積層された固着層があり、前記固着層には、水及び/または化粧剤を配合してなる美顔用発熱体であって、前記発熱性成形物が、余剰水を有する非粘稠性発熱組成物を成形したものからなり、該余剰水を有する非粘稠性発熱組成物が、発熱物質として鉄粉100重量部に対して、炭素成分として活性炭1.0〜50重量部反応促進剤としてアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物0.01〜10重量部及び水20〜60重量部を必須成分とし、添加剤である保水剤0.01〜10重量部、吸水性ポリマー0.01〜20重量部、pH調整剤、水素発生抑制剤、界面活性剤、消泡剤0.01〜5重量部、疎水性高分子化合物、焦電物質、遠赤外線放射物質、マイナスイオン発生物質、骨材、繊維状物、肥料成分、発熱助剤0.01〜10重量部から少なくとも1種が配合され、No2の濾紙上に載置される内径20mm×高さ4mmの中空円筒状の穴に充填される発熱組成物から前記濾紙に浸み出す水の距離で表される水分値(mm)を、前記充填される発熱組成物の重量に相当する該発熱組成物の配合水分量に相当する水が前記中空円筒状の穴から前記濾紙に浸み出す水の距離で表される真の水分値(mm)で徐した値を百分率で表した値である易動水値が6〜20発熱物質、炭素成分、反応促進剤、水とからなる発熱組成物のBH型粘度Sとそれに他の物質を加えた発熱組成物のBH粘度Tの差である増粘度が1000cP未満であることを特徴とする美顔用発熱体。
  2. 前記特定の部位が、顎、目の周辺、頬、鼻、鼻元やその周辺、目の周辺部、目元或いは目元周辺、または、額であることを特徴とする請求項1記載の美顔用発熱体。
  3. 前記固着層が、親水性からなる固着層であることを特徴とする請求項1または2の何れかに記載の美顔用発熱体。
  4. 前記固着層が、親油性からなる固着層であることを特徴とする請求項1または2の何れかに記載の美顔用発熱体。
  5. 前記固着層が、親水性ポリマーと親油性ポリマーから構成される固着層であることを特徴とする請求項1または2の何れかに記載の美顔発熱体。
  6. 前記固着層がボールタック法でNo.10〜No.25の範囲であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の美顔用発熱体。
  7. 前記固着層を、収納袋のどちらか片面に、全面、点状、線状、シマ状、網目状に形成したことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の美顔用発熱体。
  8. 前記化粧剤が、美白剤、保湿剤、にきび用薬剤、アミノ酸類などの栄養剤、ビタミン類や動植物の抽出エキス或いはこれらから得られた成分などの老化防止剤またはエモリエント剤から選ばれた少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の美顔用発熱体。
  9. 前記美顔発熱体の少なくとも一部に、文字、図形、記号、数字、模様、写真、絵の何れか1種以上を設けたことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の美顔用発熱体。
  10. 前記美顔発熱体の少なくとも一部に、着色を施したことを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の美顔用発熱体。
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