JP2004131383A5 - - Google Patents

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JP2004131383A5
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【発明の名称】シート状パック剤
【特許請求の範囲】
【請求項1】架橋されたポリアクリル酸系高分子マトリックスにグリチルレチン酸、グリチルリチン酸、それらのエステル誘導体から選ばれる1種以上の抗炎症剤と水を含有する水性粘着剤を、支持体に担持してなることを特徴とするシート状パック剤。
【請求項2】抗炎症剤が炭素数1〜20の炭化水素鎖を有するグリチルレチン酸エステルであることを特徴とする、請求項1に記載のシート状パック剤。
【請求項3】油分を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載のシート状パック剤。
【請求項4】保湿成分を含有することを特徴とする、請求項1〜3に記載のシート状パック剤。
【請求項5】エデト酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、コハク酸、及びそれらの塩から選ばれるキレート剤を含有することを特徴とする、請求項1〜4に記載のシート状パック剤。
【請求項6】層状珪酸塩を含有することを特徴とする、請求項1〜5に記載のシート状パック剤。
【請求項7】支持体が透湿度5000g/m2/24hr以下のフィルムであり、かつ粘着剤の含水率が30〜65質量%であることを特徴とする、請求項1〜6に記載のシート状パック剤。
【請求項8】支持体が織布、不織布、編布から選ばれる透湿性シートであり、かつ粘着剤の含水率が60〜95質量%であることを特徴とする、請求項1〜6に記載のシート状パック剤。
【請求項9】顔用パック剤であることを特徴とする、請求項1〜8に記載のシート状パック剤。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、乾燥やアレルギー、紫外線、日焼けなどで荒れた肌を改善するための貼付型シート状パック剤に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、肌荒れを改善するために保湿成分や美肌成分、抗炎症剤などを配合したクリームやローションが広く使用されている。これらは手軽に使用でき、ある程度の効果を有するため汎用性が高い。一方、一定時間密封状態で有効成分を継続的に経皮吸収させるパック剤は、前記塗布型タイプよりも効果が高いという利点がある。しかしパック剤は皮膚接触時間が長いため皮膚刺激の影響を受けやすく、特に刺激を有する成分を配合する場合は皮膚への安全性を十分検討する必要がある。
グリチルリチン酸類やグリチルレチン酸類は、抗炎症作用を有する薬物であり、シートパック剤に使用された例も知られている。特開平5−208907号公報には、グリチルレチン酸などの薬物をゴム系粘着剤に配合した消炎鎮痛貼付剤が記載されているが、これは水分を含まないため経皮吸収性が低く、また剥離時に刺激を感じるため、顔用パック剤とする場合には使用性の点でも問題がある。特開昭55−92306号公報には、水分5〜70%含有する含水系粘着剤にグリチルリチン酸ジカリウムを配合した粘着性シート状パック剤が開示されているが、水溶性のグリチルリチン酸ジカリウムは脂溶性(水難溶性)のグリチルレチン酸やそのエステル誘導体と比較すると、有効性が低い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は水難溶性であるグリチルレチン酸、グリチルリチン酸、それらのアルキルエステルから選ばれる有効成分を含有し、高い抗炎症効果と低刺激性、良好な使用性をあわせもつパック剤を提供する。特に、紫外線による顔の肌荒れと保湿に有効な低刺激性パック剤を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、検討の結果、架橋されたポリアクリル酸をマトリックスとする含水系ゲル基剤にグリチルレチン酸、グリチルリチン酸、それらのアルキルエステルから選ばれる水難溶性の抗炎症剤を配合することにより、上記課題を解決できることを見出した。さらに、油性成分や保湿剤を含有することによって、水難溶性薬物の含水系ゲルへの親和性と経皮吸収性が特に良好な、皮膚刺激も抑制された、使用感が良好なパック剤が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は
<1>架橋されたポリアクリル酸系高分子マトリックスにグリチルレチン酸、グリチルリチン酸、それらのエステル誘導体から選ばれる1種以上の抗炎症剤と水を含有する水性粘着剤を、支持体に担持してなることを特徴とするシート状パック剤。
<2>抗炎症剤が炭素数1〜20の炭化水素鎖を有するグリチルレチン酸エステルであることを特徴とする、<1>に記載のシート状パック剤。
<3>油分を含有することを特徴とする、<1>または<2>に記載のシート状パック剤。
<4>保湿成分を含有することを特徴とする、<1>〜<3>に記載のシート状パック剤。
<5>エデト酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、コハク酸、及びそれらの塩から選ばれるキレート剤を含有することを特徴とする、<1>〜<4>に記載のシート状パック剤。
<6>層状珪酸塩を含有することを特徴とする、<1>〜<5>に記載のシート状パック剤。
<7>支持体が透湿度5000g/m2/24hr以下のフィルムであり、かつ粘着剤の含水率が30〜65質量%であることを特徴とする、<1>〜<6>に記載のシート状パック剤。
<8>支持体が織布、不織布、編布から選ばれる透湿性シートであり、かつ粘着剤の含水率が60〜95質量%であることを特徴とする、<1>〜<6>に記載のシート状パック剤。
<9>顔用パック剤であることを特徴とする、<1>〜<8>に記載のシート状パック剤。
を提供する。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のシート状パック剤は、水性粘着剤組成物をシート状支持体の片面に塗布した貼付タイプのパック剤である。
本発明の水性粘着剤組成物は、ポリアクリル酸及び/またはポリアクリル酸塩を架橋させたポリアクリル酸系高分子を主マトリクス成分とし、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、それらのアルキルエステルから選ばれる1種または2種以上の抗炎症剤を有効成分として含有する。
【0007】
抗炎症剤は、好ましくは炭素数1〜20、さらに好ましくは3〜18のアルキル基を有するグリチルレチン酸アルキルエステルである。特に、グリチルレチン酸ステアリルが効果が高く好ましい。
前記抗炎症剤の組成物中の含有量は、0.001〜5質量%、好ましくは 0.005〜4質量%、特に好ましくは0.01〜3質量%である。この範囲で、特に肌荒れ改善効果が優れしかも刺激感がない良好なシート状パック剤が得られる。
【0008】
水性粘着剤には、前記抗炎症剤に加えて保湿剤を含有することが好ましい。保湿剤としては、アロエエキス、ベタイン、甘草エキス、カモミラエキス、イチョウエキス、メリッサエキスなどの植物抽出物、ダービリア属、キリンサイ属、アオサ属、ヒバマタ属、マクサ属などの海藻抽出物、ヒアロン酸やヘパリン類似物質などの酸性ムコ多糖類、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、大豆タンパクなどの機能性蛋白質、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸、尿素などのNMF成分などがあげられる。前記抗炎症剤と組み合わせることによって、特に優れた肌荒れ改善効果が得られる。保湿剤の含有量は、0.001〜15質量%、好ましくは0.01〜10質量%、特に好ましくは0.01〜5質量%である。
【0009】
本発明の水性粘着剤組成物は、ポリアクリル酸及び/またはポリアクリル酸塩の架橋体を主マトリックスとして含有する。ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩の架橋体は、例えば特開昭59−110614号公報、同59−110616号公報、同59−110617号公報、同60−99180号公報、同60−260512号公報、同60−260513号公報等に記載されたポリアクリル酸とポリアクリル酸塩との金属架橋体を含有する水系粘着基剤組成物を使用することができる。また、ポリアクリル酸とポリアクリル酸塩を放射線照射して架橋させたものを使用することも可能である。
【0010】
配合するポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩は、直鎖状あるいは分岐鎖状の分子量1万〜1000万のものを用いることが好ましい。特に、重量平均分子量が1万〜50万未満、50万〜200万未満、200万〜500万の平均分子量を有するポリアクリル酸及び/又はその塩を2種以上、特に好ましくは3種以上を組み合わせると、さらに良好な粘着力と使用感を得ることができる。
なお、通常のアクリル酸を重合して得られた重合体のほか、カーボポール(商品名:米国グッドリッチ社製)等のアクリル酸重合体を一部架橋したものも好適に使用し得る。
【0011】
また、ポリアクリル酸塩としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム等のポリアクリル酸の一価金属塩、ポリアクリル酸モノエタノールアミン、ポリアクリル酸ジエタノールアミン、ポリアクリル酸トリエタノールアミン等のポリアクリル酸のアミン塩、ポリアクリル酸アンモニウム塩等の1種又は2種以上が好適に使用し得る。好ましい塩は、一価金属塩、アンモニウム塩である。
【0012】
好ましくはポリアクリル酸塩とポリアクリル酸の混合とし、ポリアクリル酸塩:ポリアクリル酸(重量比)=1:0.1〜1:10、特に好ましくは、1:1〜1:9とすることが望ましい。 なお、ここでポリアクリル酸塩とポリアクリル酸の混合とは、ポリアクリル酸が一部中和されたものを使用しポリアクリル酸類全体としてカルボキシル基の塩:酸が上記比率になるように調整した場合も含むものとする。
また、ポリアクリル酸とポリアクリル酸塩の合計配合量は水性粘着剤組成物全体の0.5〜20質量%(以下、単に「%」という)、特に1〜15%とすることが好ましく、0.5%未満では粘着力が不足する場合があり、20%を超えると粘度が高くなり、製造時の作業性に問題が生じることがある。
【0013】
さらに本発明のシート状パック剤に使用する水性粘着剤組成物は、貼付時の使用感を向上させるために、セルロース誘導体を含有することが好ましい。
セルロース誘導体としては、例えば、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等が挙げられる。特に、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカリウム等のカルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩が好適に使用し得る。好ましいセルロース誘導体は、25℃における1質量%粘度が500mPa・s〜8000mPa・sのものである。セルロース誘導体の配合量は、粘着剤組成物全体の15%以下とすることが好ましい。15%を超えると粘度が高くなり、製造時の作業性に問題が生じる場合がある。好ましくは0.1〜15%、より好ましくは0.5〜15%配合される。
【0014】
さらに、粘着剤物性を向上するために、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ペクチン、ビニルピロリドン・ビニルアセテート共重合体、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、トラガントなどの水溶性高分子を配合し得る。これら水溶性高分子を配合する場合、その配合量は粘着剤組成物全体の0〜10%とすることが好ましい。なお、この配合量が10%より多いと、組成物が硬くなるため、貼付剤を製造する場合に問題となる。
【0015】
上記水系粘着剤に用いる架橋剤としては、ポリカルボン酸のカルボキシル基に作用して、架橋構造を形成する作用を有するものであり、分子内に反応点を少なくとも2つ有する化合物を使用することができる。
例えば、ビスエポキシドなどのエポキシ基を有する化合物、ジアルデヒドデンプン、グリシジルエーテル、ジベンジリデンソルビトール、多価金属化合物、ポリカチオン性高分子又はその塩などが挙げられるが、多価金属化合物、ポリカチオン性高分子又はその塩が特に好ましい。
【0016】
多価金属化合物としては、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、亜鉛化合物、カドミウム化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物、錫化合物、鉄化合物、クロム化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物等が使用し得るが、本発明の外用貼付剤は、皮膚に適用するものであり、皮膚に対する安全性を考慮するならば、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物等を用いることが特に好ましい。
この場合、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物及びカルシウム化合物はいずれのものも好適に使用し得、例えば,カリミョウバン、アンモニウムミョウン、鉄ミョウバン等のミョウバン類、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミニウムグリシネート、酢酸アルミニウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、酸化カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、これら金属を含む複塩等の水可溶性化合物、水難溶性化合物の1種又は2種以上を使用し得る。好ましい化合物は、合成ヒドロタルサイト、アルミニウムグリシネート、(メタ)ケイ酸アルミン酸マグネシウムである。
ここで、多価金属化合物の配合量は、粘着剤組成物全体の0.001〜5%、好ましくは0.01〜3%、更に好ましくは0.02〜1%、特に好ましくは0.02〜0.5%とすることが好適であり、0.001%より少ないと、凝集力低下のため剥離時に粘着剤が皮膚にる場合が生じる。5%より多いと粘着力低下のため貼付した時に剥がれ落ち、本来のサポート機能を発揮できない原因となる。
【0017】
また、架橋剤として使用可能なポリカチオン性高分子又はその塩としては、アニオン基を有するゲル形成高分子のアニオン基に作用して、架橋構造を形成する作用を有するものが挙げられる。
このようなものの例としては、N+、S+等のカチオン基を分子内に少なくとも2つ有する高分子又はその塩であって水溶性のものが挙げられる。このうち、カチオン基がN+基であるものが好ましく、さらにはカチオン基が、トリメチルアンモニウム基、又はポリジメチルアリルアンモニウム基であるものが好ましい。また、主鎖が多糖頼系である高分子が好ましい。
このようなものとしては、例えば、ビニル系カチオン高分子及びカチオン化多糖、具体的には、ポリー4(2)−ビニルピリジン、イオネンポリマー(アルドリッチ社製)、N−トリアルキルアミノメチルポリスチレン、アミノアセタール化ポリビニルアルコール、ポリー4(5)−ビニルイミダゾール、線状ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン、ポリジアルキルジアリルアンモニウム塩、ジアルキルジアリルアンモニウム塩−SO2共重合体、カチオン化デキストラン、カチオン化デンプン、カチオン化PVP、トリメチルアンモニウム型カチオン化セルロース、ポリジメチルジアリルアンモニウム型カチオン化セルロース、又はジメチルラウリルアンモニウム型カチオン化セルロース等のカチオン化セルロース、カチオン化PVA、ジメチルジアリルアンモニウム塩−アクリルアミド共重合体、カチオン型グアガム、キトサン、ゼラチン、又はこれらの塩、例えばフッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物等が挙げられる。最も好ましい化合物は、カチオン化セルロースである。
なお、ポリカチオン性高分子又はその塩としては、単一のものを使用してもよく、あるいは2種以上のものを併用してもよい。
ポリカチオン性高分子又はその塩の重量平均分子量は、例えば、1,000〜100,000,000であってよい。特に、粘着剤組成物の弾力性及び保形性の観点から、重量平均分子量は10,000〜10,000,000であるのが好ましく、より好ましくは50,000〜10,000,000である。
ポリカチオン性高分子又はその塩の配合量は、粘着剤組成物全体の質量を基準として0.1〜40%とすることができ、所要の効果を有する一層良好な組成物を得る観点から、好ましくは0.5〜20%である。
また、ポリカチオン性高分子又はその塩とカルボキシル基含有ポリマー及び/又はその塩との配合比率は、質量比で、(ポリカチオン性高分子又はその塩)/(カルボキシル基含有ポリマー及び/又はその塩)=10/1〜1/100であることが好ましく、更に好ましくは5/1〜1/40である。
【0018】
本発明において、ポリアクリル酸及び/又はその塩を、適切な架橋剤を使用して架橋する場合において、架橋反応の速度調整剤を使用して、架橋反応を所望の速度で行わせることができる。
架橋反応の速度調整剤としては、例えば、エデト酸(EDTA)ニナトリウム、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、ピロリン酸ナトリウム、尿素、アンモニア等の、金属イオンに対して、キレート若しくは配位能を持つ有機酸、有機酸塩、有機塩基等を使用することが可能である。
【0019】
なお、本発明の水性粘着基剤には、上記各成分に加えて油分、層状珪酸塩などの無機粉体、多価アルコールを配合することが好ましい。
油分としては、油脂、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル、ロウ類、炭化水素があげられる。油脂としては、ヒマシ油、オリーブ油、マカダミアナッツ油、カロット油、ヤシ油、菜種油、月見草油などの植物油が好ましく使用できる。高級脂肪酸、高級アルコールとしては、炭素数8〜20の炭化水素基を有する高級脂肪酸、高級アルコールがあげられる。具体的には、オレイン酸、ラウリン酸、オレイルアルコール、セタノール、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、コレステロール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコールが好ましい。脂肪酸エステルとしては、炭素数8〜18の脂肪酸と炭素数1〜3のアルコールのエステルがあげられる。好ましい脂肪酸エステルは、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピルである。ロウ類としては、ホホバ油、ラノリン、ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウがあげられる。炭化水素としては、スクワラン、流動パラフィン、パラフィン、ワセリンなどがあげられる。油分の含有量は、組成物中、0.001〜15質量%、好ましくは、0.01〜10質量%である。油分を配合することにより水難溶性のグリチルレチン酸、グリチルリチン酸の経皮吸収性が良好となる。
【0020】
無機粉体としては、例えば、カオリン、スメクタイト、酸化チタン、酸化亜鉛、無水ケイ酸及び層状珪酸塩等を挙げることができ、これらは1種又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。好ましい無機粉体は、層状珪酸塩である。
層状珪酸塩からなる粘土鉱物として、具体的にはモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等のスメクタイト系粘土鉱物を挙げることができ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いられる。
【0021】
スメクタイト系粘土鉱物は、天然より産出されるものとしては、例えばモンモリロナイトを含有する製品として、豊順鉱業(株)からベントナイトW,ベンゲル,クニミネエ業(株)からクニピアG及びクニピアF,アメリカンコロイド社からウエスタンボンド,ドレッサーミネラルズ社からのイエローストーン等、サポナイトを含有する製品として、バンダービルド社からビーガムT,ピーガムHV,ビーガムF及びビーガムK等、ヘクトライトを含有する製品として、アメリカンコロイド社からへクタブライトAW,へクタブライト200及びペントンEW、ナショナルリード社からマカロイドなどが市販されている。また、合成スメクタイト系粘土鉱物も各種販売されており、水澤化学工業(株)社からイオナイトH、コープケミカル(株)社からSWN,SAN,ラポルテインダストリー社からラボナイトなどが市販されている。その他、コープケミカル(株)製ソマシフ、トピー工業(株)製DP−DM又はDMクリーンが挙げられる。
【0022】
また、上記スメクタイト系粘土鉱物としては、酸性白土のアルカリ処理物も用いることができる。即ち、通常、酸性白土とは、1%水溶液分散液のpHが5〜6以下、膨潤度が10ml/2g以下、SiO2とA12O3の含有量がモル比でSiO2/A12O3=6〜10のものを指称し、このような酸性白土としては、新潟県中条、小戸、上赤谷、糸魚川産の酸性白土、山形県水澤産、川崎、松根、上赤谷、三川、青梅、上砂見産の酸性白土等の他、これらの酸性白土と類似の性質を示す英国産のFuller’s earth、米国産のFloride earth、ドイツ産のWarkel erde等が挙げられる。酸性白土中に存在する交換性の陽イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオン等がある。これらの酸性白土はアルカリ処理することにより、上記スメクタイト系粘土鉱物と同様に配合することができる。
【0023】
ここで、本発明の場合、上記スメクタイト系粘土鉱物としては、特に動的光散乱法により測定した平均粒径が10〜5000nm、電気泳動光散乱法により測定したζ電位の絶対値が30mV以上、粉末X線回折法により求めた純度が90%以上のものを用いることが好ましい。上記粘土鉱物の平均粒径が10nmより小さすぎると、粘着剤を増粘するのに多量の粘土鉱物が必要となる場合があり、一方、平均粒径が5000nmより大きすぎると、安定した分散状態が得られない場合がある。また、ζ電位の絶対値が30mV未満では粘土鉱物粒子が凝縮しやすくなり、粘着剤組成物の製造中に凝集物の沈降が生じたりして分散安定性が低下するおそれがある。
さらに、純度が低すぎると、十分な増粘効果が得られない場合がある。
【0024】
本発明の粘着剤中に配合する上記無機粉体は、これらを1種又は2種以上を適宜使用することができる。無機粉体の配合量は、適宜選定することができるが、通常、粘着剤組成物全体の0.01〜30%程度、更に好ましくは0.1〜15%が好適である。多すぎると展延ができなくなる程膏体硬度が硬くなる場合がある。無機粉体を配合することにより、パック剤の剥離時の刺激が抑制されるため、好ましい。
【0025】
また、多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、マルチトール、キシリトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ベタインエチレングリコール、ヘキシルグリコール、ジグリセリン等の1種又は2種以上を使用し得る。多価アルコールの配合量は、組成物中、1〜25質量%、好ましくは5〜20質量%である。
【0026】
本発明に使用する水性粘着剤組成物には、他に、グリチルレチン酸類とグリチルリチン酸類、保湿剤以外の薬効成分、高吸水性高分子化合物、界面活性剤、防腐剤、色酸、顔料、香料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜量配合することができる。
【0027】
本発明において、上記粘着剤層中に含有する薬効成分としては、特に限定されないが、非ステロイド系抗炎症剤、清涼化剤、温感付与剤、血流促進剤、生薬類、精油などが挙げられ、これらは単独で、または2種以上組み合わせて用いても良い。
具体的に用いることができる非ステロイド系抗炎症剤としては、例えば、皮膚外用剤に配合し得るものであればその種類が特に制限されるものではなく、例えばアズレン、アセトアミノフェン、アセメタシン、アルクロフェナク、アルミノプロフェン、アンピロキシカム、アンフエナク、イソキシカム、イソキセバク、イブフエナク、イブプロフェン、インドシン、インドプロフェン、インドメタシン、エトドラク、エモルファゾン、オキサプロジン、オキサブロフェン、オキシカム、オキセビナク、オルセノン、オルトフェナミン酸、カルプロフェン、クリダナク、クリプロフェン、ケトチフェン、ケトプロフェン、ケトロラク、アスピリン、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール等のサリチル酸系薬剤、ザルトプロフェン、ジクロフエナク、シクロプロフエン、ジドメタシン、ジフルニサル、硝酸イソソルビド、スドキシカム、スプロフェン、スリンダク、ゾメビラク、チアプロフェン、チオキサブロフェン、チオビナク、テニラック、テノキシカム、トラマドール、トルメチン、トルフェナム酸、ナプロキセン、ニフルミン酸、ビルプロフェン、ピロキシカム、フェニドン、フェノプロフェン、フェルビナク、フェンクロフェナク、フェンチアザク、フェンブフェン、ブクロキシ酸、ブフェキサマク、プラノブロフェン、フルプロフェン、フルフェナミン酸、フルフェニサル、フルルビプロフェン、フルルビプロフェンアキセチル、フロクタフェニン、プロチジン酸、フロフェナク、ベノキサブロフエン、ベノリレート、ベンダザク、ミロプロフェン、メクロフェナミン酸、メピリゾール、メフェナム酸、リシブフェン、ロキソプロフェン及びこれらの塩等が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
本発明の場合、抗炎症作用、安全性などを考慮すると、これらの中でもフルルビプロフェン、フェルビナク、ブフェキサマク、スプロフェン、イブプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、ピロキシカム、インドメタシン、ザルトプロフェン、ケトプロフェン、メフェナム酸等が好適である。
【0028】
清涼化剤としては、例えば、リモネン、テルピノレン、メンタン、テルピネンなどのp−メンタン及びそれらから誘導される単環式モノテルペン系炭化水素化合物等のテルペン系炭化水素化合物、l−メントール、イソプレゴール,n−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド等のメントール類縁化合物、カンフル、チモールなどが好適に使用される。
【0029】
温感付与剤としては、皮膚に適用した時に温感を感じさせる物質であればよく、このような物質として、例えば、カプシコシド,カプサイシン,カプサイシノイド,ジビトロキシカプサイシン、カプサンチン等のカプサイシン類似体、トウガラシエキス,トウガラシチンキ,トウガラシ末などのトウガラシ由来の温感付与物質、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、N−アシルワニルアミド、ノニル酸ワニリルアミド、バニリルブチルエーテル等が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
また、血流促進剤としては、例えば、酢酸トコフェロール、アセチルオイゲノール、延命草エキス、ボタンピエキス、アルニカチンキ、ショウガエキスなどが挙げられる。
【0030】
生薬・精油としては、例えば、オオバク等の生薬末や、オウバク、サンショウ、センブリ、カンゾウ、オウゴン、サンシシ、トウキ、セッコツボク、ヨウバイヒ、ヨクイニンなどの生薬エキス、ハッカ油、ケイ皮油等の精油などが挙げられる。
【0031】
これらの薬効成分を粘着剤中に配合する場合、その物質が日本薬局方に収載されているか、他の文献等によって使用適量が定められている場合には、該使用適量に合わせて配合するのが好ましい。
その他の特に使用適量が定められていない物質の配合量は、粘着剤全量に対して、0.0001〜10%、好ましくは0.001〜5%程度とするのが望ましい。薬効成分の配合量が、0.0001%より低いと、薬物としての効果が認められず、また、10%を越えて配合しても効果は変わらない。
【0032】
本発明では、上記以外に配合できる薬効成分としては、例えば、創傷治療剤、抗生物質、化学療法剤、静菌・殺菌・消毒剤、ステロイド系抗炎症剤、局所麻酔剤、抗アレルギー剤、抗高血圧剤、血管拡張剤、乾癬治療剤、皮膚軟化剤、皮膚緩和剤、脂溶性ビタミン類、酵素類などが挙げられる。これらの薬物の
具体例は以下の通りである。
【0033】
〔創傷治療剤〕アラントイン及びその誘導体、ε−アミノカプロン酸、甘草、紫根、アズレン、ヒノキチオールなどが挙げられるが、アラントイン及びその誘導体が好ましい。この成分の添加量は、粘着剤全量に対して、0.01〜5.0%、好ましくは、0.1〜1.0%とする。
〔抗生物質〕ペニシリンG、ペニシリンV、メチシリン、オキサシリン、クロキサシリン、アンピシリン、へタシリン、シクラシリン、アモキシシリン、カルペニシリン、スルベニシリン等のペニシリン系抗生物質。セファロリジン、セファロチン、セファゾリン、セファログリシン、セファレキシン等のセファロスポリン系抗生物質。ストレプトマイシン、カナマイシン、ジベカシン、ゲンタマイシン、フラジオマイシン等のアミノグルコシド系抗生物質。オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、ジメチルクロルテトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン等のテトラサイクリン系抗生物質。エリスロマイシン、ロイコマイシン、ジョサマイシン等のマクロライド系抗生物質。リンコマイシン、クリンダマイシン等のリンコマイシン系抗生物質。クロラムフェニコール、ミカマイシン、グラミシジン、グラミシジンS、カプレオマイシン、サイクロセリン、エンビオマイシン、リファンピシン、ナイスタチン、トリコマイシン、アムホテリシンB、グリセオフルビン、バリオチン、ピロールニトリン、シッカニン、ニトロフラントイン、5−ヨードー2−デオキシウリジン、セファメジン、フォスフオノマイシン、N−ホルムイミドイルチェナマイシン1水和物などが挙げられる。
〔静菌・殺菌・消毒剤〕ヨウ素、ボンピドンヨード、ジョードヒドロキシプロパン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化メチルロザニリン、ヘキサクロロフェン、クロルヘキシジン、ベンゾイルパーオキサイドトルナフテートなどが挙げられる。
〔抗真菌剤〕ナフチオメート、クロトリマゾール、グリセオフルビン、シッカニン、トリコマイシン、ナイスタチン、ピロールニトリン、エキサラミド、塩酸クロコナゾール、硝酸イソコナゾール、硝酸エコナゾール、硝酸オキシコナゾール、硝酸スルコナゾール、ミコナゾール、チオコナゾール、トルシクラート、バリオテン、ハロプロジン、フェニルヨードウンデシレート、ビフォナゾール、ナフティフィン、ケトコナゾール、オクトピロックス、シクロピロックス、オラミンなどが挙げられる。
〔ステロイド系抗炎症剤〕アムシノイド、吉草酸プレドニゾロン、吉草酸ジフルコルトロン、吉草酸ベータメタゾン、酢酸ベータメタゾン、酢酸デキサメタゾン、ジプロビオン酸ベータメタゾン、デキサメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、リルシノニド、ヒドロコルチゾン、ビバル酸フルメタゾン、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、フルオトメトロン、フルドロキシコルチド、プレドニゾロン、プロピオン酸クロベタゾール、プロピオン酸ベクロメタゾン、べタメタゾン、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンアセテート、酪酸ヒドロコルチゾン等が挙げられる。
〔抗アレルギー剤〕ジプロへブタジンハイドロクロライド、クロモグリク酸ナトリウム、ケトチフエンなどが挙げられる。
〔乾癬治療剤〕メトキサレンなどが挙げられる。
〔皮膚軟化剤あるいは皮膚緩和剤〕ヒドロキノン、尿素などが挙げられる。
〔ビタミン類〕1,25−ジヒドロキシビタミンD3、1α−ヒドロキシビタミンD3、1,24−ジヒドロキシビタミンD3、24,25−ジヒドロキシビタミンD3、1α,25−ジヒドロキシビタミンD3−26,23−ラクトン、25−ヒドロキシビタミンD3−26,23−ラクトン、ビタミンA、ビタミンE、酢酸トコフェロール、ビタミンK、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンF、ビタミンP、ビタミンU、カルニチン、フエルラ酸、γ−オリザノール、α−リポ酸、オロット酸およぴその誘導体などが挙げられる。
〔酵素製剤〕トリプシン、パパイン、プロテアーゼ、リゾチーム、ストレプトキナーゼ、プラスミン、ウロキナーゼ、ヒアルロニダーゼ、α−キモトリプシン、セラチオペプチダーゼ、ブロメライン、セミアルカリペプチダーゼなどが挙げられる。
〔アミノ酸類〕グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジンおよびその誘導体等などが挙げられる。
これらの薬効成分は、1種単独で又は2種以上を適宜組合わせて使用することができ、その配合量は、適宜設定することができる。
【0034】
高吸水性高分子化合物としては、その種類が特に限定されるものではなく、変性ポリアルキレンオキサイド,N−ビニルアセトアミド架橋体、アクリルアミド架橋体、酢酸ビニルーアルキル(メタ)アクリレート共重合体加水分解物の金属塩、ビニルアルコール−無水マレイン酸共重合体架橋物、ビニルアルコール−アクリル酸−無水マレイン酸共重合体架橋物、イソブチレン−マレイン酸共重合体架橋物、ポリアクリロニトリルグラフト重合体ケン化物、デンプン−アクリル酸グラフト重合体等を挙げることができ、より具体的には、サンウェット、サンフレッシユAT−35(三洋化成社製)、アクアコーク(住友精化社製)、ノニオレックスNA−010、ノニオレックスNA−150、ノニオレックスNA−500(昭和電工社製)等を好適に使用することができる。
【0035】
界面活性剤としては、例えば、ジグリセリンモノステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(POE=10)グリセリルモノオレエート等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、POE(25)ラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸(エステル)塩、脂肪酸石けん、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキル硫酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキルアンモニウム塩、酢酸ベタイン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ビタミン誘導体、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸及びこれらの誘導体等が挙げられ、具体的には、ソルビタンモノオレート、グリセリルモノオレート、デカグリセリルモノオレート、ジグリセリルジオレート、ヘキサグリセリルモノラウレート、プロピレングリコールモノステアレート、POE(20)ソルビタンモノオレート、POE(60)ソルビットテトラオレート、POE(40)モノステアレート、POE(10)オレイルエーテル、POE(10)ノニルフェニルエーテル、POE(50)硬化ヒマシ油、POE(5)オレイン酸アミド、ラウリル硫酸ナトリウム、POEアルキルエーテル硫酸ナトリウム、POEアルキルエーテル酢酸ナトリウム、トリPOE(10)アルキルエーテルリン酸、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、卵黄、レシチン、イミダゾリニウムベタイン、セバシン酸ジエチル等が挙げられる。
【0036】
酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸とその塩類等を;pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、アンモニア水、ホウ酸、ホウ砂、リン酸水素カリウム等をそれぞれ例示することができる。
紫外線吸収・散乱剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチルパラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキシサイナメート、酸化チタン、カオリン、タルク等を例示することができる。
【0037】
防腐剤としては、パラベン、レゾルシン、フェノール、フエノキシエタノール、チモール、クレゾール、ヒノキチオールなどのフェノール類、安息香酸(塩)、安息香酸ベンジル、サリチル酸(塩)、ソルビン酸(塩)、ホウ酸などの酸類、塩化エンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどの4級アンモニウム化合物、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ケイソンCGなどのイソチアゾリン化合物、ジブチルヒドロキシトルエン、チモールなどが挙げられる。
好ましい防腐剤は、パラベン、安息香酸(塩)、ヒノキチオール、イソチアゾリン化合物、ジブチルヒドロキシトルエン、チモールである。
【0038】
香料としては、特に限定されないが、例えば、アニス、アンジェリカ、安息香、イモーテル、カモミール、ガーリック、カルダモン、ガルバナム、キャラウェイ、キャロットシード、グアアックウッド、グレープフルーツ、サイプレス、サンダルウッド、シダーウッド、ジュニパー、スターアニス、セージ、ゼラニウム、セロリ、タイム、タラゴン、テレビン、トウヒ、乳香、バイオレット、パイン、パセリ、バーチ、パチュリー、バラ、ヒソップ、フェンネル、ブラックペッパー、ボダイジュ花、没薬、ヤロウ、レモン、レモングラス、ローズマリー、ローレル、シモツケギク、モモ、ヤグルマギク、ユーカリ、ユズ、ラベンダー、などのハーブ系精油やエキス、その他低級アルコールやアルデヒド類が挙げられ、これらの内の1種または2種以上混合して使用でき、通常それぞれ粘着剤組成物全体に対して、0.0001〜1%の範囲で配合される。
色素としては、水溶性または水難溶性の酸性染料、顔料がポリアクリル酸系含水ゲル中で安定であり、任意に使用することができる。好ましい色素は、皮膚への色移り防止の点から顔料である。
【0039】
上記粘着剤層は、次のようにして調製することができる。まず、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサー、リボンミキサー、ニーダーなどの通常使用されるミキサーを回転させながら、予備分散させたポリアクリル酸(塩)などのカルボキシル基含有ポリマー及び/又はその塩を添加する。次いで、ミキサーの回転数を落とすかあるいは回転を止めて、予め分散あるいは溶解した粘土鉱物、無機粉体、吸油剤、他の水溶性高分子化合物、色素、薬効成分、防腐剤、油分などを順次添加する。最後に、ミキサーを回転させながら、予備分散させた架橋剤を添加して、全ての配合物を練合する。なお、練合する際の温度は10〜60℃であるのが望ましく、好ましくは20〜50℃である。
本発明の外用貼付剤は、このようにして得られた含水性の粘着剤組成物を、ロールサンドあるいはナイフコー夕ー方式などにより、支持体の少なくとも一方の面に均一に塗布し、必要によりポリエチレンフィルム等のフェイシングを被覆することによつて得ることができる。
【0040】
本発明のシート状パック剤に使用される支持体としては、不織布、編布、織布などの繊維シート、フィルムシート、フィルムと繊維シートとが積層されたシートなどを使用することができる。
【0041】
日焼けや紫外線などによる熱をもった炎症の抑制を主目的とする場合は、患部を冷却しながら有効成分を吸収させることが好ましいため、透湿性が高い繊維シートを使用することが好ましい。
繊維シートの目付けとしては、5〜160g/m2、好ましくは10〜130g/m2であることが好ましい。詳しくは、0.1〜330デシテックスの繊維、好ましくは1〜165デシテックスの繊維を用いて、目付け5〜160g/m2、好ましくは5〜130g/m2のシート状体(織布、不織布、編布)に加工したものである。
使用する好ましい繊維は、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、レーヨン、キュプラ、麻、絹、綿などがあげられる。好ましくは、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレンである。これらの繊維は、単独で、あるいは2種以上の混紡繊維として使用してもよい。
【0042】
上記貼付剤は、前記支持体に前記水性粘着剤組成物を350〜2500g/m2となるように塗布することが好ましい。また、水性粘着剤の含水率は60〜95%、好ましくは65〜90%とすることが好ましい。
【0043】
炎症が軽度あるいは乾燥による荒れの場合は、透湿性が低いフィルムシート、特にフィルムと繊維シートとが積層されたシートを使用することが好ましい。
本発明における低透湿性フィルムとは、透湿度がJIS一般試験法「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」条件Aで試験するときの透湿度が0〜5000g/m2/24hrであるフィルムを意味する。詳細には、前記試験において、25℃、90%の相対湿度差で、面積1m2の試料を24時間に通過する水蒸気のg数を透湿度とする。
上記積層シートの支持体に使用されるフィルムとしては、好ましくは透湿度0〜3000g/m2・24hr、より好ましくは0〜1500g/m2・24hrであるフィルムを使用する。フィルムの材質としては、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンである。
フィルムの厚さは、好ましくは200μm以下、より好ましくは5〜150μm、特に好ましくは10〜100μmである。この範囲で、湾曲した皮膚にもフィットして、貼付中の剥離がない良好な肌荒れ改善シートが得られる。
【0044】
本発明の積層シートの支持体に使用される繊維層としては、織布、不織布、編布などがあげられる。好ましい繊維は熱可塑性繊維あるいは熱可塑性繊維と非熱可塑性繊維の混紡である。具体的には、熱可塑性繊維としては、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリウレタン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ガラス繊維、金属繊維等が挙げられる。好ましくは、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、である。これらの繊維は、単独で、あるいは2種以上の混紡繊維として使用してもよい。非熱可塑性繊維としては、パルプ、アセテート、レーヨン、キュプラ、麻、絹、綿、竹、羊毛等があげられる。
前記繊維は、0.1〜330デシテックスの繊維、好ましくは1〜165デシテックスの繊維を用いて、目付け3〜500g/m2、好ましくは5〜200g/m2、より好ましくは10〜100g/m2のシート状に加工したものである。この範囲のものが、繊維層と粘着剤の投錨性が特によく、また繊維層によるシート体のごわつきがないため、皮膚に貼付したときの使用感が優れ、貼付中の剥離もないため、好ましい。
【0045】
前記低透湿性フィルムとシート状繊維は熱溶融により、あるいは接着剤により部分あるいは全面ラミネートして積層体に一体化される。
ラミネートする場合は、例えば熱溶融法では、エキストルージョンラミネート、接着剤法では、ホットメルトラミネート、ドライラミネート、ウェットラミネート(参考:「プラスティックフィルム第二版、技報堂出版社」)が好ましく使用される。
接着剤を用いて積層加工する場合、接着剤としては、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル、アミド、ゴム系、デンプン、カゼイン、酢酸ビニルエマルジョン等などがあげられる。
【0046】
上記貼付剤は、前記支持体に前記水性粘着剤組成物を350〜2500g/m2となるように塗布することが好ましい。また、水性粘着剤の含水率は30〜75%、好ましくは40〜65%とすることが好ましい。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、水難溶性であるグリチルレチン酸、グリチルリチン酸、それらのアルキルエステルから選ばれる抗炎症剤をポリアクリル酸系水性粘着剤に配合し、これを支持体に担持(好ましくは塗布)させたシート状パックとすることによって、特に日焼け・紫外線による炎症など、熱をもった炎症の鎮静、改善に有効なパック剤が得られる。本発明は低刺激であるため、主に顔用パック剤として有用である。
【0048】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明を説明する。
以下の表に示した組成の水性粘着剤を下記の方法で調製し、支持体に700g/m2となるように塗布した後、水性粘着剤表面をフェイシングフィルムで覆った。
【0049】
<水性粘着剤製造方法>
ヘンシェルミキサーを回転させながら、予備分散させたポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、カルボキシル基含有ポリマー及び/又はその塩を添加する。次いで、ミキサーの回転を止めて、予めグリセリンに分散あるいは溶解した粘土鉱物、無機粉体、吸油剤、水溶性高分子化合物、色素、薬効成分、防腐剤、油分などを順次添加する。最後に、ミキサーを回転させながら、グリセリンに予備分散させた架橋剤を添加して練合する。なお、練合する際の温度は30℃で行った。
【0050】
<評価>
(炎症抑制効果)
モルモット背部に1.36j/cm2の紫外線(UVB)を照射後、シート状パック剤を貼付し、30時間後の紅斑のレベルを肉眼(Draiz法)で評価した(n=10の平均値)。
判定基準:
4:紅斑極めて強い
3:紅斑中〜強
2:紅斑あり(弱)
1:紅斑なし
(保湿効果)
図1のように裁断したシート状パックを成人女性10名の顔面に20分貼付し、貼付後の潤い感を官能評価した。
5:非常に潤い感を感じる
4:かなり潤い感を感じる
3:潤い感を感じる
2:やや潤い感を感じる
1:潤い感を感じない
【0051】
【表1】
Figure 2004131383
【0052】
【表2】
Figure 2004131383
【0053】
【表3】
Figure 2004131383
【0054】
【表4】
Figure 2004131383
【0055】
<表中の支持体> ((数)は表中の丸付数字を表す)
(1)ポリエチレン(40μ:透湿度=0)+サーマルボンドポリエステル不織布(25g/m2)
(2)ポリエチレン(40μ:透湿度=10)+ポリエステルニット(40g/m2)
(3)ポリエチレン(40μ:透湿度=10)+ニードルパンチポリプロピレン不織布(25g/m2)
(4)ポリエチレン(20μ:透湿度=0)+スパンレースポリプロピレン不織布(35g/m2)
(5)ポリエチレン(20μ:透湿度=20)+スパンボンドポリプロピレン不織布(20g/m2)
(6)ポリエチレン(60μ:透湿度=5)+メルトブローポリプロピレン不織布(35g/m2)
(7)ポリウレタン(50μ:透湿度=700)+ポリエステルニット(40g/m2)
(8)ポリウレタン(50μ:透湿度=700)+スパンボンドポリプロピレン不織布(40g/m2)
(9)ポリウレタン(30μ:透湿度=1500)+サーマルボンドポリエステル不織布(25g/m2)
(10)ポリウレタン(30μ:透湿度=1500)+ポリプロピレン及びポリエチレン芯鞘不織布(35g/m2)
(11)ポリウレタン(20μ:透湿度=2000)+スパンレースポリプロピレン不織布(25g/m2)
【0056】
<表中のフィルム/繊維シートの一体化方法> ((数)は表中の丸付数字を表す)
(1)押し出しラミ
(2)接着剤(ポリエステル樹脂)
(3)接着剤(ポリウレタン樹脂)
【0057】
<表1、2のフェイシングフィルム> ((数)は表中の丸付数字を表す)
(1)PET(50μ)
(2)PET(50μ、シリコンコート)
(3)PET(38μ)
(4)OPP(50μ)
(5)CPP(30μ)
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のシート状パックを、顔用に裁断した1例である。
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