JP5051739B2 - トレハロース含有貼付剤 - Google Patents
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Description
これらの皮膚冷却用貼付剤の冷却力及び持続力は、貼付剤中の含水率、水分放出性および膏体の水分保持時間等が重要な因子となる。そのため、貼付剤中の含水率、水分保持時間を高める目的で、保水剤としてD−ソルビトールを配合し、水分含量を60〜85%とした皮膚冷却用貼付剤が開発されている(特許文献1)。
すなわち、本発明は、
(1) 透湿性支持体に設けた粘着剤層中にトレハロース及び水を含有する皮膚冷却用貼付剤、
(2)トレハロースを0.1〜10%(質量:以下特に断らない限り同じ)含有する上記(1)に記載の皮膚冷却用貼付剤、
(3)水を30〜90%含有する、上記(1)又は(2)に記載の皮膚冷却用貼付剤、
(4)透湿性支持体が織布、編布、不織布より選択される1種である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の皮膚冷却用貼付剤、
(5)180分後における水分揮散率が15%以上である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の皮膚冷却用貼付剤、但し、水分揮散率とは、25℃、相対湿度60%の条件下に試験貼付剤を、その粘着剤表面を覆う剥離フィルムの付着した状態で、透湿性支持体を上にして、静置し、一定時間放置後(本請求項では180分後)の水分の減少率を意味し、下記の計算式で求めた値とする(以下同じ)。
水分揮散率 (%)={(X0−X)/X0}×100
(式中X0は試験貼付剤の初期質量、Xは計測時における試験貼付剤の質量を示す。)
(6)300分後における水分揮散率が25%以上である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の皮膚冷却用貼付剤、
(7)下記式
水分揮散向上率%=(上記(1)に記載のトレハロース含有貼付剤Aの水分揮散率/トレハロース非含有貼付剤Bの水分揮散率)×100
(式中トレハロース非含有貼付剤Bとはトレハロース含有貼付剤Aの粘着剤層中のトレハロースを除いた以外の他の組成は実質的にトレハロース含有貼付剤Aと同じ製剤を意味する)
で示される水分揮散向上率が、30分後における水分揮散率において、110%以上である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の皮膚冷却用貼付剤、
(8)非ステロイド系消炎鎮痛剤を含有するものである上記(1)〜(7)のいずれかに記載の皮膚冷却用貼付剤、
に関するものである。
本発明の皮膚冷却用貼付剤は、例えばトレハロースを含む水含有粘着剤組成物を粘着剤層として透湿性支持体に塗布又は積層することにより製造される。
本発明に用いるトレハロースは、2分子のD−グルコースが1,1結合した形の非還元性二糖の一種であり、グリコシド結合がα、α−結合であるもの(ミコース、α-D-glucopyranosyl α-D-glucopyranoside)、α、β−結合であるもの(ネオトレハロース、β-D-glucopyranosyl α-D-glucopyranoside)及びβ、β−結合であるもの(イソトレハロース、β-D-glucopyranosyl β-D-glucopyranoside)の3種類の異性体を含めたトレハロースを意味するものである。これらのトレハロースの異性体を単独で用いてもよく、混合物の状態にて使用してもよいが、グリコシド結合がα、α−結合であるトレハロースを用いることが好ましい。尚、グリコシド結合がα、α−結合であるトレハロースが最も安価に入手可能である。また、本発明のトレハロースは無水のトレハロースを用いても、含水のトレハロースを使用してもよいが、無水のトレハロースを用いることが好ましい。
トレハロースは無臭であることから、冷感剤として貼付剤に用いられるメントール類のような臭いを気にすることなく増量することが可能である。トレハロースの粘着層への配合量は、貼付剤適用初期における水分揮散率を向上させることができる量であれば特に制限はない。例えば水含有粘着剤組成物全量に対して0.1質量%(以下%は特に断りのない限り質量%を表わす)〜20%程度でもよいが、通常1〜15%、好ましくは2〜10%、より好ましくは3〜8%程度である。
これらの増粘粘着基剤成分の粘着剤層全体に対する含量は粘着剤層に適度な粘着性及び増粘性を賦与できる限り特に制限はないが、通常、粘着剤層全体の2〜30%、好ましくは4〜20%程度である。
該ポリアクリル酸系高分子としては、特に限定されることなく公知のものを使用し得るが、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、それらを主成分とする他のモノマーとの共重合体及びそれらの架橋体などを挙げることができる。
ポリアクリル酸及びポリアクリル酸塩としては、通常、分子量1万〜1000万程度(重量平均分子量;以下同じ)のものが使用される。好ましくはポリアクリル酸は分子量10万〜500万程度、より好ましくは40万〜200万程度である。また、ポリアクリル酸塩は、好ましくは200万〜900万程度であり、より好ましくは300万〜700万程度である。必要に応じて平均分子量が異なる2種以上のものを組み合わせて用いてもよい。
該アクリル酸系高分子として、ポリアクリル酸とポリアクリル酸塩とを併用するのは本発明の好ましい態様の一つである。両者を併用する場合の両者の配合比は、ポリアクリル酸1部(質量:特に断らない限り部は以下同じ)に対して、通常ポリアクリル酸塩を0.1〜10部程度、好ましくは0.2〜6部程度、より好ましくは0.3〜4部程度である。
これらの高分子の配合量は、通常、ポリアクリル酸系高分子10部に対して、0〜30部、好ましくは0〜20部程度である。
多価金属化合物としては、皮膚に対する安全性の点からマグネシウム化合物、アルミニウム化合物、カルシウム化合物が好ましく、具体的には、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、合成ヒドロタルサイト、カリミョウバン、アンモニウムミョウバン、鉄ミョウバン、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミニウムグリシネート、酢酸アルミニウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、酸化カルシウム、リン酸カルシウムが挙げられる。
これら架橋剤の含量は前記増粘粘着基剤成分をゲル化できる量であれば特に制限はないが、通常前記増粘粘着基剤成分の総量100部に対して、0.5部〜20部、好ましくは1部〜5部程度である。
多価アルコール類としては、1分子中2〜3個の水酸基を持つC2〜C6、好ましくはC2〜C4多価アルコール又はポリC2〜C4アルキレングリコール、好ましくはポリC2〜C3アルキレングリコール等が挙げられる。より具体的にはグリセリン、プロピレングリコール及び1,3−ブチレングリコールが好適に使用でき、これらの1種もしくは2種以上を組み合わせて用いることもできる。ポリアルキレングリコール類としてはアルキレングリコール単位の繰り返し数が2〜100、好ましくは3〜50、より好ましくは3〜20程度のものを挙げることができる。これらのアルキレングリコールとしては平均分子量が200〜600のポリエチレングリコール又は平均分子量が500〜3000のポリプロピレングリコールが好ましく、これらの1種もしくは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
その他、保湿剤として、ヒアルロン酸、コラーゲン、ムコ多糖類、コンドロイチン硫酸等を挙げることができる。
以上の保湿剤の中でグリセリンは最も好ましい。
織布及び編布とは繊維を製糸し、これを機械的に製布したものであり、不織布とは短繊維を熱融着、圧着もしくはバインダー接着等によりシート状としたものである。これらの繊維の材料としては、綿、大麻、黄麻、マニラ麻、羊毛、羽毛繊維、レーヨン、キュプラ、セルロース繊維、プロミックス繊維、ナイロンアラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリオキシメチレン繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンズビスチアゾール繊維、ポリイミド繊維等が挙げられる。
非ステロイド系消炎鎮痛剤としては、ケトプロフェン、ロキソプロフェン、イブプロフェン、フルルビプロフェン、チアプロフェン、インドメタシン、アセメタシン、ジクロフェナク、フェルビナク、スリンダク、エトドラク、トルメチン、ピロキシカム、メロキシカム、アンピロキシカム、ナプロキセン、アザプロパゾン、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、バルデコキシブ、セレコキシブ、ロフェコキシブ、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸、アセトアミノフェン、アスピリン、スルピリン、塩酸ブプレノルフィンが挙げられる。
鎮痒剤としては、クロタミトンが挙げられる。
局所麻酔剤としては、塩酸リドカイン、塩酸ジブカイン、アミノ安息香酸エチル、塩酸プロカイン、リドカイン、塩酸オキシブプロカイン、シュウ酸ブチルスコポラミンが挙げられる。
抗ヒスタミン剤としては、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、塩酸トリプロピリジン、塩酸プロメタジン、種石酸アリメマジン、ヒベンズ酸プロメタジン、メキタジン、メチレンジサリチル酸プロメタジン、テオクル酸ジフェニルピラリン、塩酸シプロヘプタジン、塩酸ホモクロルシクリジン、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸イソチペンジル、アンモニア水が挙げられる。
抗生物質としては、ベンジルペニシリンカリウム、アモキシシリン、アンピシリン、ピペラシリンナトリウム、セファクロル、カナマイシン、ペニシリン、ホスホマイシンカルシウム、エリスロマイシン、アセチルスピラマイシン、キタサマイシン、ジョサマイシン、ミデカマイシン、クロラムフェニコール、塩酸テトラサイクリンが挙げられる。
抗菌剤としては、エノキサシン、塩酸シプロフロキサシン、ナリジクス、ノルフロキサシン、フレロキサシン、オフロキサシンが挙げられる。
殺菌成分としては、イソプロピルメチルフェノール、塩酸クロルヘキシジン、塩酸ベンザルコニウム、フェノール、チモールが挙げられる。
血行促進成分としては、トウガラシ、ニコチン酸ベンジルエステル、酢酸トコフェロールが挙げられる。
生薬抽出成分としては、オウバク、カッコン、カミツレ、カンゾウ、キキョウ、シコン、ソウジュツ、ソウハクヒ、チョウジ、チンピ、セイヨウトチノキ、トウキ、ビャクジツ、マオウの各種生薬からのエキス/粉末等、トウガラシエキス、ハッカ油、ユーカリ油、カンフル、サンシシエキス、セイヨウトチノミエキス等が挙げられる。
これらの各種の薬効成分の2種以上を組み合わせて用いることもできる。
充填剤としては、酸化チタン、タルク、酸化亜鉛、含水シリカ、炭酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸等の無機充填剤や、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等のケイ酸塩からなる粘土鉱物が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
界面活性剤としては、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールトリデシルエーテル、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミネート、ソルビタンセスキオレエート、ポリエチレングリコールソルビタンモノラウレート、モノステアリン酸グリセロール、ポリエチレングリコールオクタデシルアミン等の非イオン界面活性剤、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルサルフェート塩、2−エチルヘキシルアルキル硫酸エステルナトリウム塩、ノルマルドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレンドデシルモノメチルアンモニウムクロライド等の陽イオン界面活性剤が挙げられる。
pH調整剤としては、酢酸、蟻酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、安息香酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、塩酸、硝酸、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、モノメタノールアミン、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジメタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン等が挙げられる。
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル(例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン)、1,2−ペンタンジオール、安息香酸、安息香酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、4−イソプロピル−3−メチルフェノール、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、フェノール、ヒノキチオール、クレゾール、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロカルバニド、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
清涼化剤としては、リモネン、テルピノレン、メンタン、テルピネンなどのp−メンタン及びそれらから誘導される単環式モノテルペン系炭化水素化合物等のテルペン系炭化水素化合物、l−メントール、イソプレゴール,3,1−メントキシプロパン−1,2−ジオール等のメントール類縁化合物、カンフル、チモールなどが挙げられる。
本発明の皮膚冷却用貼付剤は、その貼付初期段階における高い水分揮散率により優れた冷却作用が期待されることから、湿布用貼付剤として極めて有用である。例えば発熱、打撲、捻挫、関節痛、腰痛、肩こり、筋肉痛等における冷感湿布剤として、また、薬効成分として消炎鎮痛剤を含有する場合には、本貼付剤による冷却作用と薬効成分による消炎鎮痛作用により、優れた消炎鎮痛作用を奏する冷感湿布として有用である。また、清涼剤などを配合して勤務中や日常生活において清涼感を与える目的で使用する冷熱シートとすることもできる。
水分揮散率 (%)={(X0−X)/X0}×100
(式中X0は試験貼付剤の初期質量、Xは計測時における試験貼付剤の質量を示す)
本発明の皮膚冷却用貼付剤の水分揮散率は、水分揮散試験の開始から180分後における値が15%以上であることが好ましい。また、該試験開始から300分後における水分揮散率は25%以上であることが望ましい。
本発明の皮膚冷却用貼付剤はトレハロースを含有しない場合に比して、初期の水分揮散率の向上が大きいことを特徴であり、該水分揮散向上率(%)は下記式
水分揮散向上率%={上記(1)に記載のトレハロース含有貼付剤Aの水分揮散率/トレハロース非含有貼付剤Bの水分揮散率}×100
(式中トレハロース非含有貼付剤Bとはトレハロース含有貼付剤Aの粘着剤層中のトレハロースを取り除いた以外はトレハロース含有貼付剤Aと実質的に同じ組成を持つ製剤を意味する。)
で求めることができる。なお、実質的に同じ組成とはトレハロース含有貼付剤Aからトレハロースを取り除いた貼付剤の他、比較するため粘着力を同等にするなどの多少の製剤組成に差異があっても、水分揮散率が実質的に変化しない程度の差異の組成でもよいことを意味する。該水分揮散向上率が、上記の水分揮散試験において、開始から30分後の水分揮散率において、110%以上、好ましくは120%以上、より好ましくは125%以上である本発明の皮膚冷却用貼付剤が好ましい。また更には、開始から60分後及び180分後においても、同様な水分揮散向上率が達成される本発明の皮膚冷却用貼付剤がより好ましい。また、トレハロースを含有しない貼付剤の水分揮散率にもよるが、あまり水分揮散向上率が上がりすぎると、冷却持続時間が短くなりすぎるおそれがあることから、通常冷却持続時間が7〜8時間程度に調整するのが好ましく、通常30分後の水分揮散率で、水分揮散向上率が150%以下、より好ましくは140%以下程度が好ましい。
ポリソルベート80(日光ケミカル製、商品名TO-10M) 0.3部
酸化チタン 0.5部
合成ケイ酸アルミニウム 1.0部
EDTA 0.1部
トレハロース 5.0部
ポリビニルアルコール 4.0部
グリセリン 30.0部
クエン酸 0.1部
ポリアクリル酸ナトリウム 3.0部
ケイ酸アルミン酸マグネシウム 0.1部
精製水 55.6部
まず、練合機に精製水を取り、トレハロース5.0部、グリセリン30.0部、ポリソルベート80 0.3部、クエン酸0.1部、EDTA0.1部を溶解させた。
次いで、酸化チタン0.5部、合成ケイ酸アルミニウム1.0部を分散させた。
さらに、水溶性高分子(アガロース0.3部、ポリビニルアルコール4.0部、ポリアクリル酸ナトリウム0.1部)およびケイ酸アルミン酸マグネシウム0.1部を順次溶解させた。水溶性高分子が完全に溶解し、均一な状態となるまで練合して膏体を得た。
得られた膏体を、架橋が進行する前にポリエステル製不織布支持体に均一な厚さとなるように塗布し、剥離フィルムで膏体表面を覆い本発明の皮膚冷却用貼付剤を得た。
下記表1の処方に従い、トレハロースを配合しない以外は、実施例1と同様にして比較例1の貼付剤を得た。同様に、トレハロースに替えて還元オリゴ糖を配合した比較例2の貼付剤を得た。なお、比較例1及び2では、基剤の配合量を調整することにより、実施例1と付着性がほぼ同等となるようにした。
次に、実施例1、比較例1及び比較例2の各貼付剤について、下記のようにして水分揮散率の測定を行った。
各試験貼付剤の初期質量(X0)を測定した後、25℃、相対湿度60%の条件下に、各試験貼付剤を、その粘着剤表面を覆う剥離フィルムの付着した状態で、透湿性支持体を上にして、静置し、一定時間放置後、各試験貼付剤の質量(X)を測定した。その値から下記の計算式により、水分揮散率を算出した。その結果を表2に示した。
水分揮散率 (%)={(X0−X)/X0}×100
(式中X0は試験貼付剤の初期質量、Xは計測時における試験貼付剤の質量を示す)
以上の結果から、本発明の皮膚冷却用貼付剤は、トレハロースを含有しない皮膚冷却用貼付剤(比較例1)及びトレハロースに代えて還元オリゴ糖を使用した皮膚冷却用貼付剤(比較例2)に比べて、適用初期の水分揮散率が顕著に高く、皮膚への適用初期段階における多量の気化熱により、強い皮膚冷却作用が期待される。
Claims (5)
- グリセリン、又は、グリセリンに加えてヒアルロン酸、コラーゲン、ムコ多糖類、コンドロイチン硫酸から選択される1以上の成分のみからなる保湿剤を含有する水含有粘着剤組成物を粘着剤層として透湿性支持体に設け、含まれている水分が気化する際にその気化熱により冷却作用を示す皮膚冷却用貼付剤において、水分揮散率を高めるために粘着剤層中に0.1〜10質量%のトレハロースを含有させることを特徴とする皮膚冷却用貼付剤。
- 保湿剤が、グリセリンのみからなるものである請求項1に記載の皮膚冷却用貼付剤。
- 水を30〜90%含有する、請求項1又は2に記載の皮膚冷却用貼付剤。
- 透湿性支持体が、織布、編布、不織布より選択される1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の皮膚冷却用貼付剤。
- 非ステロイド系消炎鎮痛剤を含有するものである、請求項1〜4のいずれかに記載の皮膚冷却用貼付剤。
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