JP6819805B1 - 衛生薄葉紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】肌ざわりが良好であり、しかも湿潤時に必要な湿潤破裂強度を確保できる衛生薄葉紙を提供する。【解決手段】3以上の複数の薄葉紙を重ね合わせたマルチプライ構成を有する衛生薄葉紙であって、マルチプライ構成における両外層を形成する外層薄葉紙301の少なくとも一方は、マルチプライ構成における両外層に挟まれた内層を形成する内層薄葉紙302の少なくとも1つと比較して、相対的に小さい湿潤破裂強度を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、衛生薄葉紙に関し、特には、3以上の複数の薄葉紙を重ね合わせた3プライ以上のマルチプライ構成を有する衛生薄葉紙に関する。
トイレットペーパーやティシュペーパー等の衛生薄葉紙では、直接肌に接するものであることから、良好な肌ざわりが求められる。一方、これらの衛生薄葉紙では、鼻をかんだり、鼻水を拭いたりするとき等に湿潤するものであることから、湿潤時に不用意に破れないように湿潤破裂強度を十分に確保する必要がある。
特開2017−202155号明細書
しかしながら、一般に、湿潤破裂強度を増大しようとすると、そのための湿潤紙力剤の増加等により柔軟性が損なわれて肌ざわりが悪化するという問題があった。
これに対し、例えば、特許文献1は、トイレレットペーパーを、2枚以上の複数の薄葉紙を重ね合わせた2プライ以上のマルチプライ構成とし、マルチプライ構成全体としての湿潤破裂強度と、マルチプライ構成における両外層を形成する薄葉紙のハンドフィール値(HF値)と、に着目し、湿潤状態における丈夫さと柔らかな肌ざわりとの両立を図っている。
本発明は、特許文献1とは別の構成により、肌ざわりが良好であり、しかも湿潤時に必要な湿潤破裂強度を確保できる衛生薄葉紙を提供することを目的とする。
鋭意検討の結果、本発明者は、3以上の複数の薄葉紙を重ね合わせたマルチプライ構成を有する衛生薄葉紙において、マルチプライ構成における両外層を形成する外層薄葉紙の少なくとも一方を、マルチプライ構成における両外層に挟まれた内層を形成する内層薄葉紙の少なくとも1つと比較して、相対的に小さい湿潤破裂強度を有するものとすることにより、上記課題を解決し得ることを見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1] 3以上の複数の薄葉紙を重ね合わせたマルチプライ構成を有する衛生薄葉紙であって、
マルチプライ構成における両外層を形成する外層薄葉紙の少なくとも一方は、マルチプライ構成における両外層に挟まれた内層を形成する内層薄葉紙の少なくとも1つと比較して、相対的に小さい湿潤破裂強度を有する、衛生薄葉紙。
[2] 外層薄葉紙の両方は、内層薄葉紙の少なくとも1つと比較して、相対的に小さい湿潤破裂強度を有することを特徴とする[1]に記載の衛生薄葉紙。
[3] 外層薄葉紙および内層薄葉紙は、それぞれ、薄葉紙の長さ方向の湿潤引張強度をTmとしおよび幅方向の湿潤引張強度をTcとした場合の両者の比Tm/Tcが、1.30以上2.70以下であることを特徴とする[1]または[2]に記載の衛生薄葉紙。
[4] 外層薄葉紙は、内層薄葉紙と比較して、薄葉紙の長さ方向の湿潤引張強度をTmとしおよび幅方向の湿潤引張強度をTcとした場合の両者の比Tm/Tcの値が、相対的に小さいことを特徴とする[1]から[3]のいずれか1つに記載の衛生薄葉紙。
本発明によれば、3以上の複数の薄葉紙を重ね合わせた3プライ以上のマルチプライ構成を有する衛生薄葉紙において、肌ざわりが良好であり、しかも湿潤時に必要な湿潤破裂強度を確保できる衛生薄葉紙を提供することができる。本発明は、トイレットペーパー、ペーパータオルロール、キッチンペーパー、ティシュペーパー、ちり紙のような衛生薄葉紙に好ましく適用することができる。
本発明の実施形態に係る衛生薄葉紙の構成を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。以下の実施形態および図面は例示の目的で記載したものであり、本発明を限定することを意図するものではない。
(第1の実施形態)
(衛生薄葉紙)
図1は、本発明の実施形態に係る衛生薄葉紙の構成を説明するための模式図である。本実施形態に係る衛生薄葉紙は、3以上の複数の薄葉紙を重ね合わせた3プライ以上のマルチプライ構成を有する衛生薄葉紙である。図1(a)は、本発明の実施形態に係る3枚の薄葉紙を重ね合わせた3プライ構成を有する衛生薄葉紙の例を示す。図1(b)は、本発明の実施形態に係る4枚の薄葉紙を重ね合わせた4プライ構成を有する衛生薄葉紙の例を示す。図1(c)は、本発明の実施形態に係る5枚の薄葉紙を重ね合わせた5プライ構成を有する衛生薄葉紙の例を示す。本発明の実施形態は、図示される例に限定されず、重ね合わされる薄葉紙の数は、3枚、4枚、5枚、またはそれ以上であってもよい。
図1(a)に示される衛生薄葉紙300は、3枚の薄葉紙301a、302、301bがこの順に重ね合わされた3プライのマルチプライ構成を有する。薄葉紙301aおよび薄葉紙301bは、それぞれ、このマルチプライ構成における外層を形成する外層薄葉紙301である。また、薄葉紙302は、このマルチプライ構成における両外層に挟まれた内層を形成する内層薄葉紙302である。
各薄葉紙の湿潤破裂強度に着目して、両外層薄葉紙301(薄葉紙301aおよび薄葉紙301b)の湿潤破裂強度は、同一であっても異なっていてもよい。外層薄葉紙301(薄葉紙301aおよび薄葉紙301b)と、内層薄葉紙302と、を比較した際に、外層薄葉紙301(薄葉紙301aおよび薄葉紙301b)のうちの少なくとも一方は、内層薄葉紙302よりも小さい湿潤破裂強度を有する。
次に、図1(b)に示される衛生薄葉紙400は、4枚の薄葉紙401a、402a、402b、401bがこの順に重ね合わされた4プライのマルチプライ構成を有する。薄葉紙401aおよび薄葉紙401bは、それぞれ、このマルチプライ構成における外層を形成する外層薄葉紙401である。また、薄葉紙402aおよび薄葉紙402bは、それぞれ、このマルチプライ構成における両外層に挟まれた内層を形成する内層薄葉紙402である。
各薄葉紙の湿潤破裂強度に着目して、両外層薄葉紙401(薄葉紙401aおよび薄葉紙401b)の湿潤破裂強度は、同一であっても異なっていてもよい。また、両内層薄葉紙402(薄葉紙402aおよび薄葉紙402b)の湿潤破裂強度は、同一であっても異なっていてもよい。
外層薄葉紙401(薄葉紙401aおよび薄葉紙401b)と、内層薄葉紙402(薄葉紙402aおよび薄葉紙402b)と、を比較した際に、外層薄葉紙401(薄葉紙401aおよび薄葉紙401b)のうちの少なくとも一方は、内層薄葉紙402(薄葉紙402aおよび薄葉紙402b)のうちの少なくとも一方よりも小さい湿潤破裂強度を有する。好ましくは、外層薄葉紙401(薄葉紙401aおよび薄葉紙401b)のうちの少なくとも一方は、内層薄葉紙402(薄葉紙402aおよび薄葉紙402b)の両方よりも小さい湿潤破裂強度を有する。
次に、図1(c)を参照して、本実施形態に係る衛生薄葉紙500は、5枚の薄葉紙501a、502a、502b、502c、501bがこの順に重ね合わされた5プライのマルチプライ構成を有する。薄葉紙501aおよび薄葉紙501bは、それぞれ、このマルチプライ構成における外層を形成する外層薄葉紙501である。また、薄葉紙502a、薄葉紙502bおよび薄葉紙502cは、それぞれ、このマルチプライ構成における両外層に挟まれた内層を形成する内層薄葉紙502である。
各薄葉紙の湿潤破裂強度に着目して、両外層薄葉紙501(薄葉紙501aおよび薄葉紙501b)の湿潤破裂強度は、同一であっても異なっていてもよい。また、3枚の内層薄葉紙502(薄葉紙502a、薄葉紙502bおよび薄葉紙502c)の湿潤破裂強度は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
外層薄葉紙501(薄葉紙501aおよび薄葉紙501b)と、内層薄葉紙502(薄葉紙502a、薄葉紙502bおよび薄葉紙502c)と、を比較した際に、外層薄葉紙501(薄葉紙501aおよび薄葉紙501b)のうちの少なくとも一方は、内層薄葉紙502(薄葉紙502a、薄葉紙502bおよび薄葉紙502c)のうちの少なくとも1つよりも小さい湿潤破裂強度を有する。好ましくは、外層薄葉紙501(薄葉紙501aおよび薄葉紙501b)のうちの少なくとも一方は、内層薄葉紙502(薄葉紙502a、薄葉紙502bおよび薄葉紙502c)のうちのいずれか2つよりも小さい湿潤破裂強度を有する。より好ましくは、外層薄葉紙501(薄葉紙501aおよび薄葉紙501b)のうちの少なくとも一方は、内層薄葉紙502(薄葉紙502a、薄葉紙502bおよび薄葉紙502c)のうちの全てよりも小さい湿潤破裂強度を有する。
6以上の複数の薄葉紙を重ね合わせた6プライ以上のマルチプライ構成(不図示)についても、上述の説明と同様の説明が適用される。
すなわち、本発明の第1の実施形態に係る衛生薄葉紙は、3以上の複数の薄葉紙を重ね合わせた3プライ以上のマルチプライ構成を有する衛生薄葉紙であって、マルチプライ構成における両外層を形成する外層薄葉紙の少なくとも一方は、マルチプライ構成における両外層に挟まれた内層を形成する内層薄葉紙の少なくとも1つと比較して、相対的に小さい湿潤破裂強度を有するものである。なお、マルチプライ構成における両外層に挟まれた内層を形成する内層薄葉紙の数は、図1(a)に示すように衛生薄葉紙が3プライ構成である場合は、1つであることは理解されたい。
換言すると、本発明の第1の実施形態に係る衛生薄葉紙は、3以上の複数の薄葉紙を重ね合わせた3プライ以上のマルチプライ構成を有する衛生薄葉紙であって、衛生薄葉紙は、マルチプライ構成における両外層を形成する外層薄葉紙の少なくとも一方と比較して湿潤破裂強度が相対的に大きい薄葉紙を、マルチプライ構成における両外層に挟まれた内層を形成する内層薄葉紙に含むものである。
<湿潤破裂強度>
本実施形態における薄葉紙の湿潤破裂強度は、次のように測定される。5×5cmに切り出した薄葉紙を10枚重ねた試験片を作成し、重量を測定する。上記試験片を23℃の純水に浸漬させた後、ろ紙(東洋濾紙株式会社 標準用ろ紙No.26)で余分な水分を取り除き、再び重量を測定する。試験片の含水率が180%以上210%以下であることを確認した後、低圧型破裂試験機(熊谷理機工業株式会社製、2021−C)にて破裂強度(kPa)を測定する。6回の測定の平均値を算出して、薄葉紙(10枚当たり)の湿潤破裂強度とする。湿潤破裂強度の測定は、ISO187に準拠した環境(温度23℃±1℃、相対湿度50%±2%)で行う。試料の含水率は、下式(I)により算出される値である。
含水率(%)=(浸漬前後の試験片重量差)×100/浸漬前の試験片重量 ・・・(I)
衛生薄葉紙の各層の薄葉紙(10枚当たり)の湿潤破裂強度は、3.0〜25.0kPaとすることが好ましい。湿潤破裂強度が3.0kPa未満であると、鼻をかんだり鼻水を拭いたりするときのような使用の際の湿潤時に、破れが生じ易い。また、湿潤破裂強度が増大すると、肌ざわりが悪化する傾向がある。衛生薄葉紙の内層を形成する薄葉紙の湿潤破裂強度は、6.0〜16.0kPaとすることが好ましく、8.0〜12.0kPaとすることがより好ましい。また、衛生薄葉紙の外層を形成する薄葉紙の湿潤破裂強度は、3.0〜7.5kPaとすることが好ましく、3.0〜6.0kPaすることがより好ましい。
(作用効果)
本実施形態に係る衛生薄葉紙によれば、衛生薄葉紙に含まれる外層薄葉紙の少なくとも一方は、内層薄葉紙の少なくとも1つと比べて、相対的に小さい湿潤破裂強度を有する。そのため、湿潤破裂強度が相対的に小さい外層薄葉紙を肌に触れる側として使用することで、外層薄葉紙によって良好な肌ざわりが得られる。しかも、湿潤破裂強度が相対的に大きい内層薄葉紙によって、湿潤時に必要な湿潤破裂強度を確保することができる。
(薄葉紙)
衛生薄葉紙の構成要素となる薄葉紙は、繊維原料であるパルプ成分を含むスラリーを抄紙することによって得られる。薄葉紙は、衛生薄葉紙を製造するための原紙に相当するものであるので、以下、薄葉紙を「原紙」または「原紙シート」とも称する。
(パルプ成分)
パルプ成分としては、木材パルプ、非木材パルプ、脱墨パルプを挙げることができる。木材パルプとしては例えば、広葉樹パルプ(広葉樹クラフトパルプ(LKP))、針葉樹パルプ(針葉樹クラフトパルプ(NKP))、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)、ソーダパルプ(AP)、未晒しクラフトパルプ(UKP)、酸素漂白クラフトパルプ(OKP)等の化学パルプ等が挙げられる。また、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)等の機械パルプが挙げられるが、特に限定されない。非木材パルプとしてはコットンリンターやコットンリント等の綿系パルプ、麻、麦わら、バガス等の非木材系パルプ、ホヤや海草等から単離されるセルロース、キチン、キトサン等が挙げられるが、特に限定されない。脱墨パルプとしては古紙を原料とする脱墨パルプが挙げられるが、特に限定されない。パルプ成分は上記の1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。これらパルプ成分は衛生薄葉紙の品質に大きく影響するので、要求品質に合わせて所定の種類および配合割合で適宜配合される。
例えば、パルプ成分として、針葉樹パルプおよび広葉樹パルプから選択される少なくとも1種を好ましく用いることができる。針葉樹パルプは、繊維が長く強度があり、抄造される薄葉紙に強度を付与することができる。また、広葉樹パルプは、繊維が短く、抄造される薄葉紙が均一性および地合いのよさを提供することができる。本発明の実施形態において、針葉樹パルプと広葉樹パルプを併用することが好ましく、針葉樹クラフトパルプ(NKP)と広葉樹クラフトパルプ(LKP)を併用することがより好ましい。
パルプ成分として針葉樹パルプと広葉樹パルプとを併用する場合、針葉樹パルプと広葉樹パルプとの配合割合(質量比)を示すL/N比は、例えば、10/90〜90/10とすることが好ましく、20/80以上とすることがより好ましく、30/70以上とすることがさらに好ましく、また、80/20以下とすることがより好ましく、70/30以下とすることがさらに好ましい。
(任意成分)
原紙シートには、要求品質および操業の安定のために、任意成分として様々な薬品が添加されていてもよい。任意成分としては、例えば、乾燥紙力剤、湿潤紙力剤、柔軟剤、嵩高剤、染料、香料、分散剤、濾水向上剤、ピッチコントロール剤、歩留向上剤、サイズ剤等を挙げることができる。乾燥紙力剤としては、例えば、カチオン化澱粉、ポリアクリルアミド(PAM)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を挙げることができる。湿潤紙力剤としては、ポリアミドエピクロロヒドリン、尿素、メラミン、熱架橋性ポリアクリルアミド等を挙げることができる。柔軟剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、および両性イオン界面活性剤等を挙げることができる。上記の任意成分は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
湿潤紙力剤は、湿潤状態における紙力、例えば、湿潤引張強度、湿潤破裂強度を向上させるために添加される。原紙シートに湿潤紙力剤が含まれている場合は、湿潤紙力剤の含有量は、原紙シートに含まれる繊維成分の100質量部に対して、0.001質量部以上0.20質量部以下であることが好ましい。
柔軟剤は、柔らかさを向上させるために添加される。原紙シートに柔軟剤が含まれている場合は、柔軟剤の含有量は、原紙シートに含まれる繊維成分の100質量部に対して、0.01質量部以上0.50質量部以下であることが好ましい。
乾燥紙力剤は、乾燥状態における紙力、例えば、乾燥引張強度、乾燥破裂強度を向上させるために添加される。原紙シートに乾燥紙力剤が含まれている場合は、乾燥紙力剤の含有量は、原紙シートに含まれる繊維成分の100質量部に対して、0.01質量部以上1.00質量部以下であることが好ましい。
(坪量)
原紙シートの坪量は、薄葉紙および衛生薄葉紙の要求品質に合わせて、例えば、7〜30g/m2とすることができる。例えば、原紙シートの坪量は、好ましくは9g/m2以上とすることができ、および好ましくは25g/m2以下とすることができる。坪量は、日本工業規格JIS P8124の規定に従って測定される。
(紙厚)
原紙シートの紙厚は、薄葉紙および衛生薄葉紙の要求品質に合わせて、例えば、30〜250μmとすることができる。例えば、原紙シートの紙厚は、好ましくは50μm以上とすることができ、および好ましくは200μm以下とすることができる。紙厚は、日本工業規格JIS P8118(2014)の規定に従って測定される。
(製造方法)
本発明の実施形態に係る衛生薄葉紙は、大まかに、
(1) その構成要素である薄葉紙(原紙シート)を抄造しつつ原紙シートが巻き取られた原紙巻取を製造する原紙製造工程、
(2) 3以上の複数の原紙巻取のそれぞれから原紙シートを繰り出し、当該複数の原紙シートを互いに重ね合わせてマルチプライ構成の積層体(積層シート)とするとともに、当該積層シートを巻芯に巻き取って衛生薄葉紙用の巻取を製造するプライ加工工程、および
(3) 衛生薄葉紙用の巻取から積層シートを繰り出し、必要に応じてスリット加工、エンボス加工、ミシン目加工、折り畳み、巻き取り、裁断等の工程を経て、所定の量および寸法の紙束の形態またはロールの形態の衛生薄葉紙(製品)に加工する製品仕上工程、
といった工程を経て製造され得る。
ここで、上記(1)の原紙製造工程について、より詳細に説明する。原紙製造工程は、繊維原料であるパルプ成分を含むスラリーを用いて抄紙を行う抄紙工程を含む。抄紙工程で用いられる抄紙機としては、例えば、サクションブレストフォーマー(円網タイプ、長網タイプ)、ツインワイヤーフォーマー、円網フォーマー(Cラップ、Sラップ)、クレセントフォーマー等の抄紙機を挙げることができる。
抄紙工程では、抄紙機のワイヤーパートにおいて、走行する網状のワイヤー上にスラリーが噴き付けられてパルプの薄層が形成される。その後、プレスパートに向かって移送されながら、パルプの薄層の水分が網の下へ抜かれることでパルプの薄層は脱水される。このような工程を脱水工程と呼ぶこともある。一般に、ワイヤーは、金属またはプラスチック製の網を環にしたものである。
脱水工程の後、湿紙はワイヤーからフェルトへと移動する。フェルトを介してプレスロールで圧力を加えられることにより、湿紙はさらに機械的に搾水される。これを、プレス工程あるいは搾水工程と呼ぶこともある。
抄紙工程は、搾水工程の後に乾燥工程を含む。乾燥工程は、例えば、湿紙に向かって熱風を吹き付ける工程、もしくは、湿紙をヤンキードライヤーの外周面に圧着させる工程であることが好ましい。ヤンキードライヤーによる乾燥工程では、乾燥された紙をヤンキードライヤーからドクターブレードで掻き取ることにより、ちりめん上の皺を形成させるクレープ処理を行うことが好ましい。クレープ処理により、原紙シート(薄葉紙)に柔らかさや厚手感を付与することができる。
乾燥工程の後には、原紙巻き取り工程が設けられる。原紙巻き取り工程では、上記の工程を経て仕上げられた原紙シート(薄葉紙)が巻き取られることで、原紙巻取が得られる。
得られた原紙巻取は、次いで、上記(2)および(3)のプライ加工工程および製品仕上工程に供されて、衛生薄葉紙が得られる。
(第2の実施形態)
再度図1(a)から図1(c)を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態の好ましい態様である。特段の記載のない限り、第1の実施形態に適用可能な構成は、本実施形態に適用可能である。
図1(a)を参照して、第2の実施形態に係る3プライのマルチプライ構成において、外層薄葉紙301(薄葉紙301aおよび薄葉紙301b)の両方が、内層薄葉紙302よりも小さい湿潤破裂強度を有する。
また、図1(b)を参照して、第2の実施形態に係る4プライのマルチプライ構成において、外層薄葉紙401(薄葉紙401aおよび薄葉紙401b)の両方が、内層薄葉紙402(薄葉紙402aおよび薄葉紙402b)のうちの少なくとも一方よりも小さい湿潤破裂強度を有する。好ましくは、外層薄葉紙401(薄葉紙401aおよび薄葉紙401b)の両方は、内層薄葉紙402(薄葉紙402aおよび薄葉紙402b)のうちの両方よりも小さい湿潤破裂強度を有する。
また、図1(c)を参照して、第2の実施形態に係る5プライのマルチプライ構成において、外層薄葉紙501(薄葉紙501aおよび薄葉紙501b)のうちの両方が、内層薄葉紙502(薄葉紙502a、薄葉紙502bおよび薄葉紙502c)のうちの少なくとも1つよりも小さい湿潤破裂強度を有する。好ましくは、外層薄葉紙501(薄葉紙501aおよび薄葉紙501b)のうちの両方は、内層薄葉紙502(薄葉紙502a、薄葉紙502bおよび薄葉紙502c)のうちのいずれか2つよりも小さい湿潤破裂強度を有する。より好ましくは、外層薄葉紙501(薄葉紙501aおよび薄葉紙501b)のうちの両方は、内層薄葉紙502(薄葉紙502a、薄葉紙502bおよび薄葉紙502c)の全てよりも小さい湿潤破裂強度を有する。
6以上の複数の薄葉紙を重ね合わせた6プライ以上のマルチプライ構成(不図示)についても、上述の説明と同様の説明が適用される。
すなわち、本発明の第2の実施形態に係る衛生薄葉紙は、3以上の複数の薄葉紙を重ね合わせた3プライ以上のマルチプライ構成を有する衛生薄葉紙であって、マルチプライ構成における両外層を形成する外層薄葉紙の両方が、マルチプライ構成における両外層に挟まれた内層を形成する内層薄葉紙の少なくとも1つと比較して、相対的に小さい湿潤破裂強度を有するものである。なお、マルチプライ構成における両外層に挟まれた内層を形成する内層薄葉紙の数は、図1(a)に示すように衛生薄葉紙が3プライ構成である場合は、1つであることは理解されたい。
換言すると、本発明の第2の実施形態に係る衛生薄葉紙は、3以上の複数の薄葉紙を重ね合わせた3プライ以上のマルチプライ構成を有する衛生薄葉紙であって、衛生薄葉紙は、マルチプライ構成における両外層を形成する外層薄葉紙の両方と比較して湿潤破裂強度が相対的に大きい薄葉紙を、マルチプライ構成における両外層に挟まれた内層を形成する内層薄葉紙に含むものである。
(作用効果)
第2の実施形態に係る衛生薄葉紙によれば、衛生薄葉紙に含まれる外層薄葉紙が両方とも内層薄葉紙の少なくとも1つと比べて相対的に小さい湿潤破裂強度を有する。そのため、上述した第1の実施形態と同様の発明の効果に加えて、さらに、衛生薄葉紙の表裏両側のどちらの側を肌ざわり側として使用したとしても、良好な肌ざわりが得られやすく、使用態様の自由度が向上するという発明の効果が奏される。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。特段の記載のない限り、上述の実施形態に適用可能な構成は、本実施形態に適用可能である。
本発明の第3の実施形態に係る衛生薄葉紙は、上述の実施形態の構成において、さらに、外層薄葉紙および内層薄葉紙を、それぞれ、薄葉紙の長さ方向の湿潤引張強度をTmとしおよび幅方向の湿潤引張強度をTcとした場合の両者の比Tm/Tcが1.30以上2.70以下となるようにしたものである。
(長さ方向)
薄葉紙の長さ方向とは、薄葉紙の抄紙方向であり、一般にMD方向とも称される。
(幅方向)
薄葉紙の幅方向とは、薄葉紙の抄紙方向に直交する方向であり、一般にCD方向とも称される。
<湿潤引張強度>
本実施形態における薄葉紙の湿潤引張強度は、薄葉紙を幅15mm、スパン長100mmにカットした試料を6枚重ね、試料中央部に0.1mlの水を滴下し1秒後、引張速度50mm/分の条件で測定をし、6回の測定の平均を算出した値である。湿潤引張強度の測定には、例えば、横型引張試験機(熊谷理機工業株式会社製)を用いることができる。なお、湿潤引張強度の測定は、ISO187に準拠した環境(温度23℃±1℃、相対湿度50%±2%)で行う。
なお、薄葉紙の長さ方向の湿潤引張強度を測定する際は、薄葉紙の長さ方向がスパン方向になるように試料をカットする。同様に、薄葉紙の幅方向の湿潤引張強度を測定する際は、薄葉紙の幅方向がスパン方向になるように試料をカットする。
一般に、薄葉紙の長さ方向の湿潤引張強度が大きくても、薄葉紙の幅方向の湿潤引張強度が小さいと、すなわち湿潤引張強度の縦横比が大きいと、薄葉紙の湿潤破裂強度は小さくなる傾向がある。より大きい湿潤破裂強度を得るためには、薄葉紙の長さ方向の湿潤引張強度をTmとしおよび幅方向の湿潤引張強度をTcとした場合の両者の比Tm/Tcを、可能な限り1.0に近づけることが望ましい。薄葉紙の長さ方向の湿潤引張強度Tmが同等の場合に、比Tm/Tcが1.0に近いほど、薄葉紙の湿潤破裂強度は大きくなる傾向がある。また、薄葉紙の長さ方向の湿潤引張強度Tmが相対的に小さい場合であっても、比Tm/Tcを1.0に近づけることにより、所望の大きさの湿潤破裂強度を得ることが可能となり得る。
ここで、一般に、薄葉紙のパルプ繊維は抄紙方向に配向しやすい。そのため、薄葉紙の長さ方向の湿潤引張強度は、幅方向の湿潤引張強度よりも大きくなる傾向があり、比Tm/Tcは、厳密に1.0にはならずに、概して1.0よりも大きい値となる。本実施形態においては、薄葉紙の長さ方向の湿潤引張強度Tmと幅方向の湿潤引張強度Tcとの比Tm/Tcを、可能な限り1.0に近い値とするものであり、具体的には、1.30以上2.70以下とするものである。
(達成手段)
薄葉紙の長さ方向の湿潤引張強度Tmと幅方向の湿潤引張強度Tcとの比Tm/Tcは、例えば、薄葉紙の抄紙工程におけるJ/W比の調整により調整可能である。
(J/W比)
上述のように、薄葉紙の抄紙工程では、抄紙機のワイヤーパートにおいて、走行する網状のワイヤー上にスラリーが噴き付けられてパルプの薄層が形成される。このときのスラリーの供給速度をジェット速度(J)とし、ワイヤーの走行速度をワイヤー速度(W)とした場合の両者の速度比を、ジェットワイヤー比(J/W比)という。
J/W比は、薄葉紙における繊維配向を管理する指標となる。ジェット速度(J)が遅くてワイヤー速度(W)が速ければ、J/W比は1未満となる。その反対に、ジェット速度(J)が早くてワイヤー速度(W)が遅ければ、J/W比は1より大きくなる。このいずれにおいても、形成された薄葉紙においてMD方向に繊維配向が生じやすい。J/W比が1付近では、薄葉紙における繊維配向は、比較的等方性を示す。
したがって、薄葉紙を、J/W比が1に近い条件で製造されたものとすることで、薄葉紙の長さ方向の湿潤引張強度Tmと幅方向の湿潤引張強度Tcとの比Tm/Tcを、1に近い値、具体的には1.30以上2.70以下とすることができる。J/W比は、ジェット速度およびワイヤー速度の一方または両方を調整することにより、制御することができる。
(作用効果)
本実施形態に係る衛生薄葉紙によれば、外層薄葉紙および内層薄葉紙を、それぞれ、薄葉紙の長さ方向の湿潤引張強度をTmとしおよび幅方向の湿潤引張強度をTcとした場合の両者の比Tm/Tcが、1.30以上2.70以下とすることにより、内層薄葉紙および外層薄葉紙のそれぞれにおける湿潤時に必要な湿潤破裂強度を効果的に確保することができる。
また、比Tm/Tcをこの範囲内とすることによって、薄葉紙の長さ方向の湿潤引張強度Tmを低減させたとしても、薄葉紙全体として所望の大きさの湿潤破裂強度を得ることができる。そのため、内層薄葉紙および外層薄葉紙において、湿潤紙力剤の含有量等を抑制することができる。これにより、内層薄葉紙および外層薄葉紙の柔軟性を向上させ、その結果、衛生薄葉紙の肌ざわりを向上させることができる。
したがって、本実施形態によれば、外層薄葉紙および内層薄葉紙において湿潤時に必要な湿潤破裂強度を効果的に確保しつつ、肌ざわりが良好な衛生薄葉紙が得られる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。特段の記載のない限り、上述の実施形態に適用可能な構成は、本実施形態に適用可能である。
本発明の第4の実施形態に係る衛生薄葉紙は、上述の実施形態の構成において、さらに、外層薄葉紙を、内層薄葉紙と比較して、薄葉紙の長さ方向の湿潤引張強度をTmとしおよび幅方向の湿潤引張強度をTcとした場合の両者の比Tm/Tcの値が相対的に小さくなるようにしたものである。
(作用効果)
本実施形態に係る衛生薄葉紙において、外層薄葉紙は、内層薄葉紙と比較して、薄葉紙の長さ方向の湿潤引張強度をTmとしおよび幅方向の湿潤引張強度をTcとした場合の両者の比Tm/Tcが、相対的に小さい。ここで、上述のように、一般に、薄葉紙のパルプ繊維は抄紙方向に配向しやすい。そのため、薄葉紙の長さ方向の湿潤引張強度は、幅方向の湿潤引張強度よりも大きくなる傾向があり、比Tm/Tcは、厳密に1.0にはならずに、概して1.0よりも大きい値となる。すなわち、本実施形態において、外層薄葉紙は、内層薄葉紙と比較して、比Tm/Tcの値が、より1.0に近いものである。
上述のように、薄葉紙の長さ方向の湿潤引張強度Tmが同等の場合には、比Tm/Tcが1.0に近いほど、薄葉紙の湿潤破裂強度は大きくなる傾向がある。ここで、本実施形態に係る衛生薄葉紙において、マルチプライ構成における両外層を形成する外層薄葉紙の少なくとも一方は、マルチプライ構成における両外層に挟まれた内層を形成する内層薄葉紙の少なくとも1つと比較して、相対的に小さい湿潤破裂強度を有するものである。これに対して、所望の大きさの湿潤破裂強度、すなわち内層薄葉紙の少なくとも1つと比較して相対的に小さい湿潤破裂強度を得るために、外層薄葉紙における湿潤紙力剤の含有量等を抑制することができる。これにより、外層薄葉紙の柔軟性を向上させることができ、その結果、衛生薄葉紙の肌ざわりを向上させることができる。
したがって、本実施形態によれば、外層薄葉紙の湿潤破裂強度を内層薄葉紙よりも効果的に確保することができ、衛生薄葉紙の肌ざわりをより向上させることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(評価)
実施例で用いた評価は、以下の評価方法に従った。坪量、紙厚、および湿潤破裂強度の測定方法は、上述の通りである。
(官能評価)
衛生薄葉紙の両面のそれぞれについて、衛生薄葉紙を肌に当てたときの肌触りを5段階で官能評価し、50人の評価の平均値を求めた。第1表および第2表中、官能評価(肌ざわり)の項目における各数字は、以下の意味を示す。
5: 良い
4: やや良い
3: 普通
2: やや悪い
1: 悪い
(実施例1および比較例1)
同一配合のパルプスラリーを用い、ツインワイヤーヤンキーマシンにより抄紙を行い、ティシュペーパー用の薄葉紙となる原紙の巻取を得た。得られた原紙巻取3本をプライ機にかけ、原紙巻取から繰り出される原紙(薄葉紙)を重ね合わせて巻き取るプライ加工を行った。次いで、プライ加工により得られた3プライ構成の薄葉紙の積層体を、所定の長さに再度巻き取り、得られた巻取を所定の幅に断裁することで、表層、中層、裏層を形成する薄葉紙をこの順に含む3プライ構成のティシュペーパー(ロールタイプ)製品を得た。各薄葉紙の坪量および紙厚は、第1表に記載される通りである。
(実施例2および比較例2)
同一配合のパルプスラリーを用い、ツインワイヤーヤンキーマシンにより抄紙を行い、トイレットロール用の薄葉紙となる原紙の巻取を得た。得られた原紙巻取4本をプライ機にかけ、原紙巻取から繰り出される原紙(薄葉紙)を重ね合わせて巻き取るプライ加工を行った。次いで、プライ加工により得られた4プライ構成の薄葉紙の積層体を、所定の長さに再度巻き取り、得られた巻取を所定の幅に断裁することで、表層、中層1、中層2、裏層を形成する薄葉紙をこの順に含む4プライ構成のトイレットロール製品を得た。各薄葉紙の坪量および紙厚は、第2表に記載される通りである。
上述した測定方法に従い、実施例および比較例のそれぞれについての湿潤破裂強度を測定した。具体的には、実施例1および比較例1については、3プライ構成の表層、中層、裏層を形成する3枚の薄葉紙を、それぞれ引っ張られて伸びることのないように丁寧に剥離し、それぞれの層について各10枚の試料を得て測定を行い、これを6回繰り返して平均を求めた。同様に、実施例2および比較例2については、4プライ構成の表層、中層1、中層2、裏層を形成する4枚の薄葉紙を、それぞれ引っ張られて伸びることのないように丁寧に剥離し、それぞれの層について各10枚の試料を得て測定を行い、これを6回繰り返して平均を求めた。
また、上述した評価方法に従い、実施例および比較例のそれぞれについて、表層を肌に当てたときの肌ざわりと、裏層を肌に当てたときの肌ざわりと、を官能評価した。
測定結果および官能評価結果を第1表および第2表に示す。
Figure 0006819805
Figure 0006819805
第1表を参照して、実施例1および比較例1は、3枚の薄葉紙を重ね合わせた3プライ構成を有するティシュペーパーである。
比較例1のティシュペーパーにおいて、3プライ構成の外層(表層、裏層)を形成する薄葉紙と、3プライ構成の内層を形成する薄葉紙と、を比較した際に、表層は内層よりも湿潤破裂強度が大きく、また、裏層は内層と同一の湿潤破裂強度を有していた。プライ構成中の最大の湿潤破裂強度は、表層の8.0kPa(10枚当たり)であった。官能評価試験において、表層側の肌ざわりは悪く(評価1)、裏層側の肌ざわりはやや悪かった(評価2)。
これに対し、実施例1のティシュペーパーにおいて、3プライ構成の外層(表層、裏層)を形成する薄葉紙と、3プライ構成の内層を形成する薄葉紙と、を比較した際に、表層および裏層は両方とも内層よりも湿潤破裂強度が小さかった。プライ構成中の最大の湿潤破裂強度は、中層の9.5kPa(10枚当たり)であった。官能評価試験において、表層側の肌ざわりは普通(評価3)であり、裏層側の肌ざわりは悪かった(評価1)。
実施例1は、表層側の肌ざわりが普通(評価3)であり、比較例1と比較して、良好な肌ざわりを示した。また、プライ構成の1つの層として湿潤破裂強度が9.5kPa(10枚当たり)を含むため、湿潤時に必要な湿潤破裂強度を確保し得る。
次に、第2表を参照して、実施例2および比較例2は、4枚の薄葉紙を重ね合わせた4プライ構成を有するトイレットロールである。
比較例2のトイレットロールにおいて、4プライ構成の外層(表層、裏層)を形成する薄葉紙と、4プライ構成の内層(中層1、中層2)を形成する薄葉紙と、を比較した際に、表層は内層(中層1、中層2)のいずれよりも湿潤破裂強度が大きく、裏層もまた、内層(中層1、中層2)のいずれよりも湿潤破裂強度が大きかった。プライ構成中の最大の湿潤破裂強度は、表層の8.3kPa(10枚当たり)であった。官能評価試験において、表層側の肌ざわりは悪く(評価1)、裏層側の肌ざわりはやや悪かった(評価2)。
これに対し、実施例2のトイレットロールにおいて、4プライ構成の外層(表層、裏層)を形成する薄葉紙と、4プライ構成の内層(中層1、中層2)を形成する薄葉紙と、を比較した際に、表層は、内層(中層1、中層2)のいずれよりも湿潤破裂強度が小さかった。また、裏層は、内層(中層1、中層2)のうちの一方(中層2)よりも湿潤破裂強度が小さく、他の一方(中層1)よりも湿潤破裂強度が大きかった。プライ構成中の最大の湿潤破裂強度は、中層2の8.2kPa(10枚当たり)であった。官能評価試験において、表層側の肌ざわりは良い(評価5)であり、裏層側の肌ざわりは普通(評価3)であった。
実施例2では、表層側の肌ざわりが良い(評価5)であり、また裏層側の肌ざわりが普通(評価3)であり、両面とも、比較例2と比較して、肌ざわりが良好であった。また、プライ構成の1つの層として湿潤破裂強度が8.2kPa(10枚当たり)を含むため、湿潤時に必要な湿潤破裂強度を確保し得る。
(発明の用途)
本発明の実施形態を適用可能な衛生薄葉紙としては、例えば、ティシュペーパー、ちり紙、ペーパータオル、キッチンペーパー、およびトイレットペーパー等を挙げることができる。本発明の実施形態に係る衛生薄葉紙は、特に、鼻をかんだり、鼻水を拭いたりする用途、濡れたものの水分を拭き取る用途または吸収する用途など、湿潤を伴う用途に好ましく用いられる。
300、400、500 衛生薄葉紙
301、401、501 外層薄葉紙
302、402、502 内層薄葉紙

Claims (4)

  1. 3以上の複数の薄葉紙を重ね合わせたマルチプライ構成を有する衛生薄葉紙であって、
    前記マルチプライ構成における両外層を形成する外層薄葉紙の少なくとも一方は、前記マルチプライ構成における前記両外層に挟まれた内層を形成する内層薄葉紙の少なくとも1つと比較して、相対的に小さい湿潤破裂強度を有することを特徴とする衛生薄葉紙。
  2. 前記外層薄葉紙の両方は、前記内層薄葉紙の少なくとも1つと比較して、相対的に小さい湿潤破裂強度を有することを特徴とする請求項1に記載の衛生薄葉紙。
  3. 前記外層薄葉紙および前記内層薄葉紙は、それぞれ、薄葉紙の長さ方向の湿潤引張強度をTmとしおよび幅方向の湿潤引張強度をTcとした場合の両者の比Tm/Tcが、1.30以上2.70以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の衛生薄葉紙。
  4. 前記外層薄葉紙は、前記内層薄葉紙と比較して、薄葉紙の長さ方向の湿潤引張強度をTmとしおよび幅方向の湿潤引張強度をTcとした場合の両者の比Tm/Tcの値が、相対的に小さいことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の衛生薄葉紙。
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