JP6686686B2 - トイレットペーパー - Google Patents

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Description

本発明は、1プライのトイレットペーパーに関する。
ロール状もしくはシート状のトイレットペーパー製品は、トイレットペーパーウェブを1枚又は2枚以上に重ねたトイレットペーパーを所定の大きさに切断して製造される。一般的には長尺のトイレットペーパーがロール状に巻回されてなるロール状トイレットペーパーが多用されている。1枚のトイレットペーパーウェブからなるトイレットペーパーは1プライのトイレットペーパーと称され、2枚重ねのトイレットペーパーウェブからなるトイレットペーパーは2プライのトイレットペーパーと称されている。
ロール状トイレットペーパーは、ロールから巻き解かれ使用されるものであるから、使用時にはある程度の引張強度が要求される。また、トイレットペーパーは使用時には湿潤状態となり、その状態においてもある程度の丈夫さが要求される。一方で、トイレットペーパーは、直接肌に触れるものであるから、強度のみならず柔らかな肌触りも要求されている。従来、強度と良好な触感を実現するために、トイレットペーパーの坪量や厚みを適切な範囲に調整すること等が検討されている(例えば、特許文献1及び2)。
特開2004−209150号公報 特開2013−217004号公報
しかしながら、特許文献1及び2で開示されたトイレットペーパーにおいても、湿潤状態における丈夫さと、柔らかな肌触りが両立されたものはなく、さらなる改善が求められていた。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、湿潤時に十分な丈夫さを発揮しつつも、柔らかな肌触りが両立されたトイレットペーパーを提供することを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、トイレットペーパーにおける特定の物性値を所定の範囲内とすることにより、湿潤時に十分な丈夫さを発揮しつつも、柔らかな肌触りを有するトイレットペーパーが得られることを見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1]第1面と、第1面とは反対側の第2面とを有する1プライのトイレットペーパーであって、第1面のハンドフィール値と、第2面のハンドフィール値の平均が75.0以上であって、トイレットペーパーの湿潤破裂強度が200kPa以上であることを特徴とする1プライのトイレットペーパー。
[2]トイレットペーパーの長さ方向の湿潤引張強度をTwとし、トイレットペーパーの幅方向の湿潤引張強度をYwとした場合、Tw/Ywは1.30以上2.20以下である[1]に記載のトイレットペーパー。
[3]トイレットペーパーの長さ方向の湿潤引張強度が0.65N/15mm以下であり、トイレットペーパーの幅方向の湿潤引張強度が0.40N/15mm以下である[1]又は[2]に記載のトイレットペーパー。
[4]トイレットペーパーの長さ方向の乾燥引張強度が1.40N/15mm以下であり、トイレットペーパーの幅方向の乾燥引張強度が0.50N/15mm以下である[1]〜[3]のいずれかに記載のトイレットペーパー。
[5]トイレットペーパーの長さ方向の乾燥引張強度をTdとし、トイレットペーパーの幅方向の乾燥引張強度をYdとした場合、Td/Ydは1.50以上3.0以下である[1]〜[4]のいずれかに記載のトイレットペーパー。
本発明によれば、湿潤時に十分な丈夫さを発揮しつつも、柔らかな肌触りが両立されたトイレットペーパーを得ることができる。
図1は、本発明のトイレットペーパーの構成を説明する概略図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。
(トイレットペーパー)
本発明は、第1面と、第1面とは反対側の第2面とを有する1プライのトイレットペーパーに関する。本発明のトイレットペーパーの第1面のハンドフィール値と、第2面のハンドフィール値の平均は75.0以上である。また、本発明のトイレットペーパーの湿潤破裂強度は200kPa以上である。
本発明のトイレットペーパーは、ロール状トイレットペーパーであることが好ましく、このようなロール状トイレットペーパーは、トイレットロールと称されることもある。
本発明のトイレットペーパーは、上記構成を有するため、湿潤時に十分な丈夫さを発揮しつつも、柔らかな肌触りを有するものである。本発明は、湿潤時における丈夫さと、柔らかな肌触りという両立が困難な2つの特性を兼ね備えたものであり、使用時における実用的耐久強度と、優れた触感の両方を兼ね備えたものである。
本発明のトイレットペーパーは1プライのトイレットペーパーである。1プライのトイレットペーパーは、1枚のトイレットペーパーウェブからなるトイレットペーパーである。
本発明では、トイレットペーパーはロール状トイレットペーパーであることが好ましい。ここで、ロール状トイレットペーパーの第1面とは、トイレットペーパーをロール状に巻き取った際にロールの外周面に配される面のことをいう。また、トイレットペーパーの第2面は、トイレットペーパーをロール状に巻き取った際にロールの内周面に配される面である。
図1は本発明のトイレットペーパーの構成を説明する図である。ロール状トイレットペーパー10は外周面Pと内周面Qを有する。図1(a)において点線で囲った部分の構成の拡大図が図1(b)である。図1(b)にはトイレットペーパーウェブ1の構成が示されており、外周面に配される面が第1面2であり、内周面に配される面が第2面4となっている。
本発明のトイレットペーパーの第1面のハンドフィール値(以下、HF値ともいう)と、第2面のハンドフィール値の平均は75.0以上であればよく、76.0以上であることが好ましく、77.0以上であることがより好ましく、78.0以上であることがさらに好ましい。HF値は、柔らかさや滑らかさの要素を示す指標であるが、本発明においては、1プライのトイレットペーパーに適したHF値を見出したものであり、加えて他の条件も同時に満たすことにより、使用時における実用的耐久強度と優れた触感の両方を実現することに成功したものである。
ここで、ハンドフィール値(HF値)は、ティシューソフトネスアナライザー(Emtec Electronic GmbH社製)を用いて、以下の測定方法によって測定することができる。
まず、ティシューソフトネスアナライザーのサンプル台に、直径112.8mmの円形にカットしたサンプルを設置する。このサンプルに対し、ブレード付きローターを100mNの押し込み圧力をかけて上方から押し込む。その後、ブレード付きローターを回転数が2.0回転/秒となるように回転させ、その時の振動周波数を測定する。
また、直径112.8mmの円形にカットした別のサンプルに対し、ブレード付きローターを100mNと、60mNの圧力で押し込んだ際の上下方向の変形変位量を算出する。HF値は、振動周波数と変形変位量から、算出される値であり、計算のアルゴリズムはTP IIを用いることができる。
HF値を算出する際は、各サンプルの第1面(外面)と第2面(内面)についてそれぞれ10回ずつ行い、得られた測定データからHampel identifierの方法で異常値を除外する。そして、第1面及び第2面について各々平均値を算出し、そのように算出された2つの平均値から、HF値の平均値を算出し、それを本発明におけるHF値とする。
なお、上記サンプルの測定はISO187に準拠した環境(温度23±1℃、相対湿度50±2%)で行う。また、測定の際には、付属の説明書に従い標準サンプル(emetec ref.2X(nn.n))で校正し、アルゴリズムをTP IIに設定する。計算ソフトウェアとしてはemetec measurement system ver.3.22を使用する。
本発明のトイレットペーパーの湿潤破裂強度は200kPa以上であればよく、220kPa以上であることが好ましく、230kPa以上であることがより好ましく、250kPa以上であることがさらに好ましい。なお、湿潤破裂強度の上限は特に限定されるものではないが、一般的に500kPa以下であることが好ましい。トイレットペーパーの湿潤破裂強度を上記範囲内とすることにより、湿潤状態における丈夫さがより効果的に発揮される。
本発明のトイレットペーパーの含水率(%)をxとし、トイレットペーパーの湿潤破裂強度(kPa)をyとした場合、y≦−7.0x+1740であることが好ましく、y≦−6.0x+1520であることがより好ましく、y≦−5.0x+1300であることがより好ましい。またyは200以上であればよく、250以上であることが好ましく、300以上であることがより好ましい。ここで、xは170以上200以下である。このように、トイレットペーパーの含水率と湿潤破裂強度は所定の条件を満たすものであることが好ましく、これにより、湿潤時に十分な丈夫さを発揮しつつも、柔らかな肌触りを達成しやすくなる。
ここで、トイレットロールの湿潤破裂強度は以下のように測定される。
まずトイレットペーパーを5×5cmに切り出し、60枚重ねた試験片を作成し、重量を測定する。上記試験片を23℃の純水に浸漬させた後、ろ紙(東洋濾紙株式会社 標準用ろ紙No.26)で余分な水分を取り除き、再び重量を測定する。試験片の含水率が170%以上200%以下であることを確認した後、低圧型破裂試験機(熊谷理機工業株式会社製、2021−C)にて破裂強度(kPa)を測定する。6回の測定の平均値を算出して湿潤破裂強度とする。なお湿潤破裂強度の測定は、ISO187に準拠した環境(温度23℃±1℃、相対湿度50%±2%)で行う。
なお、トイレットペーパーの含水率は、下記の式により算出される値である。
含水率(%)=(浸漬前後の試験片重量差)×100/浸漬前の試験片重量
本発明のトイレットペーパーの長さ方向の湿潤引張強度は、0.30N/15mm以上であることが好ましく、0.35N/15mm以上であることがより好ましく、0.40N/15mm以上であることがさらに好ましい。トイレットペーパーの長さ方向の湿潤引張強度は、0.65N/15mm以下であることが好ましく、0.60N/15mm以下であることがさらに好ましく、0.55N/15mm以下であることがより好ましい。
また、本発明のトイレットペーパーの幅方向の湿潤引張強度は、0.25N/15mm以上であることが好ましく、0.30N/15mm以上であることがより好ましく、0.35N/15mmであることがさらに好ましい。トイレットペーパーの幅方向の湿潤引張強度は0.40N/15mm以下であることが好ましく、0.35N/15mm以下であることがより好ましい。
本発明においては、湿潤引張強度の値を上記範囲内とすることにより、トイレットペーパーの第1面と第2面のHF値の平均を所望の範囲に調整することが容易になり、かつトイレットペーパーの湿潤破裂強度を所定値以上とすることが容易となる。
ここで、本明細書におけるトイレットペーパーの湿潤引張強度は、トイレットペーパーを幅15mm、スパン長100mmにカットしたサンプルを6枚重ね、サンプル中央部に0.1mlの水を滴下し1秒後、引張速度50mm/分の条件で測定をし、10回の測定の平均を算出した値である。湿潤引張強度の測定には、例えば、横型引張試験機(熊谷理機工業株式会社製)を用いることができる。なお、湿潤引張強度の測定は、ISO187に準拠した環境(温度23℃±1℃、相対湿度50%±2%)で行う。
本発明のトイレットペーパーの長さ方向の湿潤引張強度(N/15mm)をTwとし、トイレットペーパーの幅方向の湿潤引張強度(N/15mm)をYwとした場合、TwとYwの幾何平均値は、0.30N/15mm以上であることが好ましく、0.35N/15mm以上であることがより好ましい。また、TwとYwの幾何平均値は、0.50N/15mm以下であることが好ましく、0.45N/15mm以下であることがより好ましい。
本発明のトイレットペーパーの長さ方向の湿潤引張強度(N/15mm)をTwとし、トイレットペーパーの幅方向の湿潤引張強度(N/15mm)をYwとした場合、Tw/Ywは2.20以下であることが好ましく、2.00以下であることがより好ましく、1.80以下であることがさらに好ましく、1.70以下であることが特に好ましい。なお、Tw/Ywは1.30以上であることが好ましい。本発明においては、Tw/Ywの値を上記範囲内とすることにより、トイレットペーパーの第1面と第2面のHF値の平均を所望の範囲に調整することが容易になり、かつトイレットペーパーの湿潤破裂強度を所定値以上とすることが容易となる。
本発明のトイレットペーパーの長さ方向の乾燥引張強度は、0.80N/15mm以上であることが好ましく、0.90N/15mm以上であることがより好ましく、1.00N/15mm以上であることがさらに好ましい。トイレットペーパーの長さ方向の乾燥引張強度は、1.40N/15mm以下であることが好ましく、1.30N/15mm以下であることがより好ましく、1.20N/15mm以下であることがさらに好ましい。
また、本発明のトイレットペーパーの幅方向の乾燥引張強度は、0.30N/15mm以上であることが好ましく、0.35N/15mm以上であることがより好ましく、0.40N/15mm以上であることがさらに好ましい。トイレットペーパーの幅方向の乾燥引張強度は0.50N/15mm以下であることが好ましく、0.45N/15mm以下であることがより好ましい。
本発明においては、乾燥引張強度の値を上記範囲内とすることにより、トイレットペーパーの第1面と第2面のHF値の平均を所望の範囲に調整することが容易になり、かつトイレットペーパーの湿潤破裂強度を所定値以上とすることが容易となる。
ここで、本明細書におけるトイレットペーパーの乾燥引張強度は、トイレットペーパーを幅15mm、スパン長100mmにカットしたサンプルを、引張速度50mm/分の条件で測定をし、6回の測定の平均を算出した値である。乾燥引張強度の測定には、例えば、横型引張試験機(熊谷理機工業株式会社製)を用いることができる。なお、乾燥引張強度の測定は、ISO187に準拠した環境(温度23℃±1℃、相対湿度50%±2%)で行う。
本発明のトイレットペーパーの長さ方向の乾燥引張強度(N/15mm)をTdとし、トイレットペーパーの幅方向の乾燥引張強度(N/15mm)をYdとした場合、TdとYdの幾何平均値は、0.60N/15mm以上であることが好ましく、0.65N/15mm以上であることがより好ましい。また、TdとYdの幾何平均値は0.80N/15mm以下であることが好ましい。
本発明のトイレットペーパーの長さ方向の乾燥引張強度(N/15mm)をTdとし、トイレットペーパーの幅方向の乾燥引張強度(N/15mm)をYdとした場合、Td/Ydは3.00以下であることが好ましい。また、Td/Ydは1.50以上であることが好ましい。本発明においては、Td/Ydの値を上記範囲内とすることにより、トイレットペーパーの第1面と第2面のHF値の平均を所望の範囲に調整することが容易になり、かつトイレットペーパーの湿潤破裂強度を所定値以上とすることが容易となる。
本発明のトイレットペーパーの長さ方向の伸び率(%)は、10%以上であることが好ましく、12%以上であることがより好ましく、15%以上であることがさらに好ましい。また、トイレットペーパーの長さ方向の伸び率(%)は、20%以下であることが好ましく、18%以下であることがより好ましい。
トイレットペーパーの幅方向の伸び率(%)は、3%以上であることが好ましく、4%以上であることがより好ましい。また、トイレットペーパーの幅方向の伸び率(%)は、10%以下であることが好ましく、8%以下であることがより好ましい。
ここで、本明細書におけるトイレットペーパーの伸び率は、トイレットペーパーを幅15mm、スパン長100mmにカットしたサンプルを、引張速度50mm/分の条件で測定し、6回の測定の平均を算出した値である。なお、伸び率の測定は、ISO187に準拠した環境(温度23℃±1℃、相対湿度50%±2%)で行う。
そして以下の式より、伸び率(%)を算出する。
伸び率(%)= 試料の伸び量(mm)×100 /スパン長(mm)
本発明のトイレットペーパーの紙厚は、60μm以上であることが好ましく、80μm以上であることがより好ましく、90μm以上であることがさらに好ましい。一般的に、トイレットペーパーの厚みの上限値は200μm程度である。
また、本発明のトイレットペーパーの坪量は、18.0g/m2以上であることが好ましく、19.0g/m2以上であることがより好ましく、20.0g/m2以上であることがさらに好ましく、21g/m2以上であることが特に好ましい。一般的にトイレットペーパーの坪量の上限値は、25g/m2程度である。
本発明においてはトイレットペーパーの坪量と厚みを上記範囲内とすることにより、湿潤状態における実用的強度を保持しつつも、柔らかな肌触りを達成することができる。
本発明のトイレットペーパーは、湿潤状態における丈夫さに優れているが、一方で優れた水解性を有するものでもある。具体的には、本発明のトイレットペーパーの水解性は、20秒以下であることが好ましく、18秒以下であることがより好ましく、15秒以下であることがさらに好ましい。トイレットペーパーの水解性を上記範囲内とすることにより、排水口等において紙詰まりが発生することなどを抑制することができる。本明細書におけるトイレットペーパーの水解性は、JIS P 4501に準拠して測定したものであり、5回の測定の平均値である。
本発明のトイレットペーパーは、エンボス入りトイレットペーパーであることが好ましい。すなわち、トイレットペーパーにはエンボス加工が施されていることが好ましい。
(繊維原料)
本発明のトイレットペーパーは、繊維原料を含むスラリーを抄紙することによって得られる。繊維原料としては、パルプを用いることが好ましい。パルプとしては、木材パルプ、非木材パルプ、脱墨パルプを挙げることができる。木材パルプとしては例えば、広葉樹パルプ(広葉樹クラフトパルプ(LKP))、針葉樹パルプ(針葉樹クラフトパルプ(NKP))、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)、ソーダパルプ(AP)、未晒しクラフトパルプ(UKP)、酸素漂白クラフトパルプ(OKP)等の化学パルプ等が挙げられる。また、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)等の機械パルプ等が挙げられるが、特に限定されない。非木材パルプとしてはコットンリンターやコットンリント等の綿系パルプ、麻、麦わら、バガス等の非木材系パルプ、ホヤや海草等から単離されるセルロース、キチン、キトサン等が挙げられるが、特に限定されない。脱墨パルプとしては古紙を原料とする脱墨パルプが挙げられるが、特に限定されないパルプは上記の1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
繊維原料として針葉樹パルプが用いられる場合は、針葉樹パルプの含有量は、トイレットペーパーに含まれるパルプ成分の全質量に対して、20質量%よりも多いことが好ましく、25質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましい。また、針葉樹パルプの含有量は、トイレットペーパーに含まれるパルプ成分の全質量に対して、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、70質量%未満であってもよい。
繊維原料としては、針葉樹パルプと広葉樹パルプを併用することが好ましい。すなわち、トイレットペーパーには、針葉樹パルプの他に広葉樹パルプがさらに含まれることが好ましい。広葉樹パルプの含有量は、トイレットペーパーに含まれるパルプ成分の全質量に対して、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましい。また、広葉樹パルプの含有量は、トイレットペーパーに含まれるパルプ成分の全質量に対して、70質量%以下であることが好ましい。
繊維原料として用いる針葉樹パルプの長さ加重平均繊維長は1.10mmよりも大きいことが好ましく、3.00mm以下であることが好ましい。
繊維原料として用いる広葉樹パルプの長さ加重平均繊維長は0.50mm以上であることが好ましく、1.00mm以下であることが好ましい。
なお、上記繊維原料の長さ加重平均繊維長は、原料としての繊維長であり、叩解処理等を施す前の繊維長である。
なお、トイレットペーパー中に含有される繊維成分(パルプ成分)の長さ加重平均繊維長は0.70mm以上1.5mm以下であることが好ましく、0.80mm以上1.2mm以下であることがより好ましい。
ここで、トイレットペーパー中に含有される繊維成分(パルプ成分)の長さ加重平均繊維長は、トイレットペーパー中に含有される繊維成分(パルプ成分)を離解して得られる繊維成分の繊維長であり、離解繊維長と呼ぶこともある。繊維成分(パルプ成分)として、針葉樹パルプと広葉樹パルプが併用されている場合は、両方のパルプの繊維長から離解繊維長の長さ加重平均繊維長が算出される。離解繊維長は、以下の測定方法で算出された繊維長である。
まずトイレットペーパーを水に離解させて得られた繊維分散スラリーを作製する。繊維分散スラリーは、4gのトイレットペーパーを200mlの水に入れ、4500rpmで離解機を運転し、十分に離解するまで攪拌させることにより得る。得られた繊維分散スラリーを0.01質量%以上0.02質量%以下になるように希釈し、希釈液を作製する。この希釈液10mlに含まれる繊維成分の投影長さを、繊維長測定装置(メッツォオートメーション社製、カヤーニファイバーラボVer4.0)を用いて測定し、離解繊維の長さ加重平均値を算出する。
トイレットペーパー中に含有される繊維成分(パルプ成分)のフリーネスの上限、下限は特に限定されるものではないが、400ml以上であることが好ましく、450ml以上であることがより好ましく、500ml以上であることがさらに好ましい。また、フリーネスは700ml以下であることが好ましい。
フリーネスは、JIS P 8121に規定するカナダ標準ろ水度(C.S.F.)で示される値であり、繊維の叩解の度合いを示す値である。繊維の叩解は、繊維を分散させた紙料(スラリー)に対して、ビーダー、ディスクリファイナー等の公知の叩解機を用いて実施することができる。通常、繊維のフリーネスの値が小さいほど、叩解の度合いが強く、叩解による繊維の損傷が大きくてフィブリル化が進行している。繊維のフィブリル化が進行すると繊維間の結合点数が増加するため、強度が向上する。すなわち、本発明において乾燥引張強度と湿潤引張強度を好ましい範囲とするために、フリーネスは適宜調節することができる。
(任意成分)
本発明のトイレットペーパーには、繊維原料の他に任意成分が含まれていてもよい。任意成分としては、例えば、乾燥紙力剤、湿潤紙力剤、柔軟剤等を挙げることができる。乾燥紙力剤としては、例えば、カチオン化澱粉、ポリアクリルアミド(PAM)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を挙げることができる。湿潤紙力剤としては、ポリアミドエピクロロヒドリン、尿素、メラミン、熱架橋性ポリアクリルアミド等を挙げることができる。柔軟剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等を挙げることができる。上記の任意成分は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
トイレットペーパーに湿潤紙力剤が含まれている場合は、湿潤紙力剤の含有量は、トイレットペーパーに含まれる繊維成分の100質量部に対して、0.001質量部以上0.20質量部以下であることが好ましい。
また、トイレットペーパーに柔軟剤が含まれている場合は、柔軟剤の含有量は、トイレットペーパーに含まれる繊維成分の100質量部に対して、0.01質量部以上0.50質量部以下であることが好ましい。
さらに、トイレットペーパーに乾燥紙力剤が含まれている場合は、乾燥紙力剤の含有量は、トイレットペーパーに含まれる繊維成分の100質量部に対して、0.01質量部以上1.00質量部以下であることが好ましい。本発明において乾燥引張強度と湿潤引張強度を好ましい範囲とするために、添加薬品は適宜調節することができる。
(トイレットペーパーの製造方法)
本発明のトイレットペーパーの製造方法は、繊維原料を含むスラリーを抄紙し、1プライのトイレットペーパーウェブを得る工程を含む。
スラリーを抄紙する工程の前には、繊維原料を漂白する工程を含んでもよい。漂白工程使用する漂白剤としては、酸素系漂白剤や塩素系漂白剤等の公知の漂白剤を使用することができる。
1プライのトイレットペーパーウェブを得る工程は、繊維原料を含むスラリーを得る工程を含む。スラリーを得る工程においては、繊維原料を叩解する工程を含むことが好ましい。叩解工程においては、例えば、ダブルディスクリファイナー等を用いて叩解処理を施すことができる。叩解処理時には、針葉樹パルプと広葉樹パルプをそれぞれ単独で叩解してもよいし、混合させた後に叩解してもよい。
1プライのトイレットペーパーウェブを得る工程は、繊維原料を含むスラリーを抄紙する工程を含む。抄紙する工程で用いられる抄紙機としては、例えば、サクションブレストフォーマー(円網タイプ、長網タイプ)、ツインワイヤーフォーマー、円網フォーマー(Cラップ、Sラップ)、クレセントフォーマー等の抄紙機を挙げることができる。
抄紙する工程では、網状のワイヤー上に繊維原料を含むスラリーが供給されてパルプの薄層が形成される。その後、プレスパートに向かって移送されながら、パルプの薄層の水分が網の下へ抜かれることでパルプの薄層は脱水される。このような工程を脱水工程と呼ぶこともある。一般に、ワイヤーは、金属またはプラスチック製の網を環にしたものである。
抄紙する工程では、トイレットペーパーの長さ方向の湿潤引張強度をTwとし、幅方向の湿潤引張強度をYwとした場合、Tw/Ywが1.30以上2.20以下となるように抄き出し水流速度/ワイヤー速度の比(ジェットワイヤー比(J/W比))を調整することが好ましい。ジェットワイヤー比とは、スラリーの供給速度とワイヤー走行速度の比であり、ジェットワイヤー比が1よりも大きい場合は、スラリーの供給速度がワイヤーの走行速度よりも速く、この場合を「押し地合」という。また、ジェットワイヤー比が1以下の場合は、スラリーの供給速度はワイヤーの走行速度よりも遅く、この場合を「引き地合」という。
抄紙する工程では、例えば、針葉樹パルプと広葉樹パルプを混合したパルプスラリーを抄紙して均一な1つの層として湿紙を形成する方法、もしくは、針葉樹パルプ層と広葉樹パルプ層を抄き合わせて1枚の湿紙を形成する方法があるが、いずれの手法を採用してもよい。
脱水工程の後、湿紙はワイヤーからフェルトへと移動する。フェルトを介してプレスロールで圧力を加えられることにより、湿紙はさらに機械的に搾水される。これを、プレス工程あるいは搾水工程と呼ぶこともある。
抄紙する工程は、搾水工程の後に乾燥工程を含む。乾燥工程は、例えば、湿紙に向かって熱風を吹き付ける工程、もしくは、湿紙をヤンキードライヤーの外周面に圧着させる工程であることが好ましい。ヤンキードライヤーによる乾燥工程では、乾燥された紙をヤンキードライヤーからドクターブレードで掻き取ることにより、ちりめん上の皺を形成させるクレープ処理を行うことが好ましい。クレープ処理により、トイレットペーパーウェブ(薄葉紙)に柔らかさや厚手感を付与することができる。
乾燥工程の後には、原紙巻取り工程が設けられる。原紙巻取り工程では、上記の工程を経て仕上げられたトイレットペーパーウェブ(薄葉紙)が巻取られることで、1プライの原紙巻取が得られる。この際、トイレットペーパーウェブ(薄葉紙)の第1面が原紙巻取の外周面となるように巻取ることが好ましい。
エンボス加工は、エンボスの付与されたエンボスロールにより加圧することで行う。エンボスロールの押し込み量または押し込み圧を変更することによって、所定のエンボス高さを有するエンボス形状を形成することができる。エンボス加工を施す際には、原紙巻取からトイレットペーパーウェブを一度巻き解きながら、エンボス加工を行うことが好ましい。
エンボス加工工程の後には、再度巻取り工程が設けられる。この巻取り工程においては、所定の製品長を満たすように、所定の長さ分の巻取りを行う。そして、得られた巻取を所定の幅に断裁し、トイレットペーパー製品を得る工程を含む。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
針葉樹クラフトパルプ(NBKP)50質量%、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)50質量%となるようにパルプ原料を混合したパルプスラリーを、ダブルディスクリファイナーを用いてフリーネスが590mlとなるように叩解した。
次にトイレットペーパーに含まれるパルプ原料100質量部に対して、湿潤紙力増強剤を0.05質量部、柔軟剤を0.10質量部添加し、各成分が均一になるように十分撹拌して、パルプスラリーを調製した。
このように調製したパルプスラリーを、ツインワイヤーヤンキーマシンにより抄紙し、トイレットペーパー原紙巻取を得た。なお抄紙の際、トイレットペーパー製品の長さ方向の湿潤引張強度をTwとし、幅方向の湿潤引張強度をYwとした場合、Tw/Ywが1.50±0.20の範囲となるように、抄き出し水流速度/ワイヤー速度の比(J/W比)を調整した。また、トイレットペーパーの坪量及び紙厚は表1に記載の通りとなるように抄紙条件を調整した。
得られた原紙巻取を加工機にかけ、一度巻き解きながら、エンボス加工を行った後、再度所定の長さに巻取り、得られた巻取を所定の幅に断裁することで1プライのトイレットペーパー製品を得た。
(実施例2)
針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)の添加率を表1に示すとおりに変更し、フリーネスが620mlとなるように叩解した以外は実施例1と同様にして、1プライのトイレットペーパーを作製した。1プライのトイレットペーパーの坪量及び紙厚は表1に記載の通りとした。
(実施例3)
針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)の添加率を表1に示す通りに変更し、フリーネスが540mlとなるように叩解した以外は実施例1と同様にして、1プライのトイレットペーパーを作製した。1プライのトイレットペーパーの坪量及び紙厚は表1に記載の通りとした。
(比較例1)
針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)の添加率を表1に示すとおりに変更し、フリーネスが600mlとなるように叩解したスラリーを、トイレットペーパー製品の長さ方向の湿潤引張強度をTwとし、幅方向の湿潤引張強度をYwとした場合、Tw/Ywが2.40±0.20の範囲となるように、抄き出し水流速度/ワイヤー速度の比(J/W比)を変更した以外は実施例1と同様にして、1プライのトイレットペーパーを作製した。1プライのトイレットペーパーの坪量及び紙厚は表1に記載の通りとした。
(比較例2)
針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)の添加率を表1に示す通りに変更し、フリーネスが590mlとなるように叩解した。その後、トイレットペーパーに含まれるパルプ原料100質量部に対して、澱粉(乾燥紙力剤)を0.20質量部、湿潤紙力増強剤を0.10質量部、柔軟剤を0.10質量部添加した。トイレットペーパー製品の長さ方向の湿潤引張強度をTwとし、幅方向の湿潤引張強度をYwとした場合、Tw/Ywが2.40±0.20の範囲となるように、抄き出し水流速度/ワイヤー速度の比(J/W比)を変更した。上記以外は実施例1と同様にして、同様にして、1プライのトイレットペーパーを作製した。トイレットペーパーの坪量及び紙厚は表1に記載の通りとした。
(比較例3)
トイレットペーパーに含まれるパルプ原料100質量部に対して、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)の添加率を表1に示す通りに変更し、フリーネスが560mlとなるように叩解した以外は実施例1と同様にして、1プライのトイレットペーパーを作製した。トイレットペーパーの坪量及び紙厚は表1に記載の通りとした。
(評価)
(坪量)
実施例及び比較例で得たトイレットペーパーの坪量はJIS P 8124に準拠して測定した。
(紙厚)
実施例及び比較例で得たトイレットペーパーの紙厚は、厚さ計(ハイブリッジ製作所製)を用いて、測定子を1秒間に1mm以下の速度で下ろした時の値を読み取った。なお、紙厚は8サンプルの平均値を算出して紙厚とした。紙厚の測定は、ISO187に準拠した環境(温度23℃±1℃、相対湿度50%±2%)で行った。
(製品離解繊維長)
実施例及び比較例で得たトイレットペーパーの製品離解繊維長は、製品を離解させて得られた繊維分散スラリーを繊維長測定装置カヤーニファイバーラボVer4.0(メッツォオートメーション社製)を用いて測定した。繊維分散スラリーは、4gのトイレットペーパーを200mlの水に入れ、4500rpmで離解機を運転し、十分に離解するまで攪拌させることにより得た。得られた繊維分散スラリーについて、0.01質量%以上0.02質量%以下になるように薄め10mlを繊維長測定装置により投影長さを測定し、長さ加重平均繊維長を算出した。
(HF値の測定)
実施例及び比較例で得られたトイレットペーパーのHF値は、ティシューソフトネスアナライザー(Emtec Electronic GmbH社製)を用いて測定した。サンプル台に、直径112.8mmの円形にカットしたサンプルを設置し、このサンプルに対し、ブレード付きローターを100mNの押し込み圧力をかけて上方から押し込んだ。その後、ブレード付きローターを回転数が2.0回転/秒となるように回転させ、その時の振動周波数を測定した。また、直径112.8mmの円形にカットした別のサンプルに対し、ブレード付きローターを100mNと、60mNの圧力で押し込んだ際の上下方向の変形変位量を算出した。HF値は、振動周波数と変形変位量から、自動的に算出される値であり、計算のアルゴリズムはTP IIを用いた。なお、上記の測定は、各サンプルの第1面(外面)と第2面(内面)についてそれぞれ10回ずつ行い、得られた測定データからHampel identifierの方法で異常値を除外し、第1面及び第2面について各々平均値を算出した。このようにして算出した、第1面及び第2面のHF値の平均値から、HF値の平均値を算出した。
なお、上記サンプルの測定はISO187に準拠した環境(温度23℃±1℃、相対湿度50%±2%)で行った。また、測定の際には、付属の説明書に従い標準サンプル(emetec ref.2X(nn.n))で校正し、アルゴリズムをTP IIに設定した。計算ソフトウェアにはemetec measurement system ver.3.22を使用した。
(湿潤破裂強度)
実施例及び比較例で得られたトイレットペーパーの湿潤破裂強度は、以下のようにして測定した。まずトイレットペーパーを5×5cmに切り出し、60枚重ねた試験片を作成し、重量を測定した。上記試験片を23℃の純水に浸漬させた後、ろ紙(東洋濾紙株式会社 標準用ろ紙No.26)で余分な水分を取り除き、再び重量を測定した。試験片の含水率が170%以上であることを確認した後、低圧型破裂試験機(熊谷理機工業株式会社製、2021−C)にて破裂強度(kPa)を測定した。6回の測定の平均値を算出して湿潤破裂強度とした。なお湿潤破裂強度の測定は、ISO187に準拠した環境(温度23℃±1℃、相対湿度50%±2%)で行った。
また、含水率は以下の式により算出した。
含水率(%)=(浸漬前後の試験片重量差)×100/浸漬前の試験片重量
(乾燥引張強度)
実施例及び比較例で得たトイレットペーパーの乾燥引張強度は、横型引張試験機(熊谷理機工業株式会社製)を用いて測定した。測定は、サンプル幅15mm、スパン長100mm、引張速度50mm/分の条件で実施した。6回の測定の平均値を算出して乾燥引張強度とした。なお、乾燥引張強度の測定は、ISO187に準拠した環境(温度23℃±1℃、相対湿度50%±2%)で行った。
(伸び率)
実施例及び比較例で得たトイレットペーパーの伸び率は、横型引張試験機(熊谷理機工業株式会社製)を用いて測定した。測定は、サンプル幅15mm、スパン長100mm、引張速度50mm/分の条件で実施した。6回の測定の平均値を算出して伸び率とした。なお、伸び率の測定は、ISO187に準拠した環境(温度23℃±1℃、相対湿度50%±2%)で行った。
伸び率(%)は以下の式により算出した。
伸び率(%)= 試料の伸び量(mm)×100/スパン長(mm)
(湿潤引張強度)
実施例及び比較例で得たトイレットペーパーの湿潤引張強度は、横型引張試験機(熊谷理機工業株式会社製)を用いて測定した。測定は、サンプル幅15mm、スパン長100mmとし、6枚重ねたサンプル中央部に0.1mlの水を滴下し1秒後、引張速度50mm/分の条件で実施した。6回の測定の平均値を算出して湿潤引張強度とした。なお、湿潤引張強度の測定は、ISO187に準拠した環境(温度23℃±1℃、相対湿度50%±2%)で行った。
(水解性)
実施例及び比較例で得たトイレットペーパーの水解性はJIS P 4501に準拠して測定した。測定は5回行い、平均値を算出して水解性とした。
(官能評価)
実施例及び比較例で得たトイレットペーパーの柔らかさについては、下記の評価基準で評価を行った。具体的には、実施例及び比較例で得たトイレットペーパーを、50人に触ってもらい、トイレットペーパーの柔らかさについて4段階で評価を行った。表1に示した記号は下記の意味を示す。
<柔らかさ>
◎:特に優れている
○:優れている
△:やや劣る
×:劣る
(官能評価)
実施例及び比較例で得たトイレットペーパーの湿潤時の丈夫さについては、下記の評価基準で評価を行った。具体的には、実施例及び比較例で得たトイレットペーパーを10×10cmに切り出して5枚重ね、スポイトを用いて中央部付近に0.5mlの水を滴下した。湿潤状態の同サンプルを、手の甲に数回擦り付けたときの丈夫さについて4段階で評価を行った。表1に示した記号は下記の意味を示す。
<湿潤時の丈夫さ>
◎:特に優れている
○:優れている
△:やや劣る
×:劣る
Figure 0006686686
実施例で得られたトイレットペーパーにおいては、湿潤時に十分な丈夫さを有しつつも、柔らかな肌触りが達成されている。一方で、比較例で得られたトイレットペーパーにおいては、湿潤時の丈夫さと柔らかな肌触りが両立されていなかった。
1 トイレットペーパーウェブ
2 第1面
4 第2面
10 トイレットペーパー
P 外周面
Q 内周面

Claims (4)

  1. 第1面と、前記第1面とは反対側の第2面とを有する1プライのトイレットペーパーであって、
    前記第1面のハンドフィール値と、前記第2面のハンドフィール値の平均が75.0以上であって、
    前記トイレットペーパーの湿潤破裂強度が200kPa以上であり、
    前記トイレットペーパーの水解性が14秒以下であり、
    前記トイレットペーパーは針葉樹パルプと広葉樹パルプを含み、前記針葉樹パルプの含有量は前記トイレットペーパーに含まれるパルプ成分の全質量に対して30質量%以上70質量%以下であり、前記広葉樹パルプの含有量は前記トイレットペーパーに含まれるパルプ成分の全質量に対して30質量%以上70質量%以下であり、
    前記トイレットペーパーの長さ方向の湿潤引張強度をTwとし、前記トイレットペーパーの幅方向の湿潤引張強度をYwとした場合、Tw/Ywは1.30以上2.20以下であることを特徴とする1プライのトイレットペーパー。
  2. 前記トイレットペーパーの長さ方向の湿潤引張強度が0.65N/15mm以下であり、前記トイレットペーパーの幅方向の湿潤引張強度が0.40N/15mm以下である請求項1に記載のトイレットペーパー。
  3. 前記トイレットペーパーの長さ方向の乾燥引張強度が1.40N/15mm以下であり、前記トイレットペーパーの幅方向の乾燥引張強度が0.50N/15mm以下である請求項1又は2に記載のトイレットペーパー。
  4. 前記トイレットペーパーの長さ方向の乾燥引張強度をTdとし、前記トイレットペーパーの幅方向の乾燥引張強度をYdとした場合、Td/Ydは1.50以上3.0以下である請求項1〜のいずれか1項に記載のトイレットペーパー。
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