JP5969243B2 - トイレットロールの製造方法 - Google Patents
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Description
〔請求項1記載の発明〕
2プライ以上のトイレットペーパーが巻き取られてなるトイレットロールの製造方法であって、
JIS P 8121に準拠して測定したフリーネスが400〜500cc、JIS P 8226に準拠して測定した平均繊維長が0.7〜0.9mmとなるようにパルプ原料を叩解し、
この叩解したパルプ原料からウェブを形成し、
剥離剤及び架橋型のコーティング剤を固形分質量基準で7:3〜9:1の配合割合にて含む薬液でヤンキードライヤの表面に被膜を形成しつつ、当該ヤンキードライヤの表面において前記ウェブを乾燥し、このウェブをヤンキードライヤの表面からクレーピングドクターで引き剥がして、JIS P 8124に準拠して測定した坪量が9〜14g/m2 、かつJIS P 8118に準拠して測定した紙厚が75〜150μmとなるウェブを得、
このウェブをプライ加工して前記2プライ以上のトイレットペーパーを得る、
ことを特徴とするトイレットロールの製造方法。
2プライ以上のトイレットペーパーが巻き取られてなるトイレットロールにおいて、トイレットペーパーを構成する各ウェブ(プライ)のJIS P 8124に準拠して測定した坪量が14g/m2以下であると、つまり、各ウェブが低坪量であると、2プライ以上とする場合においても、トイレットペーパーを長く巻き取ることができる。もっとも、各ウェブが低坪量であると、紙力が弱くなり、製品としての紙力が不十分になるおそれがある。また、ウェブが低坪量であると、例えば、ヤンキードライヤの表面からクレーピングドクターを使用してウェブを引き剥がす際に、ウェブが裂けたり、破れたりするおそれがある。しかしながら、JIS P 8121に準拠して測定したフリーネスが400〜500cc、平均繊維長が0.7〜0.9mmとなるようにパルプ原料を叩解することで、ウェブの紙力が弱くなるのを防止することができ、上記問題の発生が防止される。
前記各ウェブのクレープ率を12〜20%とする、
請求項1記載のトイレットロールの製造方法。
クレープ率が12%を下回ると、ウェブをプライ加工して2プライ以上のトイレットペーパーを得るとしても、トイレットロールの芯部側におけるトイレットペーパーが硬くなるおそれがある。また、トイレットペーパーが硬くなるのを防止するために巻き密度を下げると、トイレットペーパーを長く巻き取ることができなくなり、しかもトイレットロールが竹の子状に崩れてしまうおそれがある。他方、クレープ率が20%を上回ると、トイレットペーパーの嵩が高くなり過ぎて、トイレットペーパーを長く巻き取ることができなくなるおそれがある。
パルプ原料に湿潤紙力剤を内添し、
当該湿潤紙力剤の内添量を0.1質量%以下の範囲に留める、
請求項1又は請求項2記載のトイレットロールの製造方法。
パルプ原料に湿潤紙力剤を内添すると、低坪量下においてウェブの紙力が弱くなるのをより確実に防止することができる。もっとも、ウェブの坪量が14g/m2以下である本発明においては、湿潤紙力剤の内添量が0.1質量%を超えると、ウェブの柔らかさが低下するおそれがあり、湿潤紙力剤の内添量は0.1質量%以下の範囲に留めるのが好ましい。
前記各ウェブにエンボスを付与する、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のトイレットロールの製造方法。
各ウェブにエンボスを付与することでトイレットペーパーの柔らかさを向上することができる。しかも、エンボスの高さを調節することでトイレットロールの巻径を調節することができ、したがってトイレットペーパーが硬くなるのを防止しつつ、トイレットロールが崩れるのも防止することができる。
〔請求項5記載の発明〕
前記剥離剤及び前記コーティング剤の被膜量を1〜20mL/m 2 とし、かつ
前記ウェブの湿潤引張強さ(MD)を10〜100cNとする、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のトイレットロールの製造方法。
本形態は、トイレットロールの製造方法に関するものであり、当該トイレットロールは2プライ又は3プライ以上のトイレットペーパーが巻き取られてなる。2プライ以上のトイレットペーパーは、例えば、プライマシンにおいて2枚以上の連続するウェブを積層する「プライ加工」をすることで形成する。
NBKP及びLBKPが3:7の質量割合で配合されたパルプ原料をフリーネス450cc、平均繊維長0.8mmとなるように叩解するとともに、柔軟剤を対パルプ固形分基準で0.15質量%添加し、ヤンキードライヤが備わるベストフォーマー抄紙機を使用して、坪量10.4g/m2、紙厚100μmのウェブを形成した。ウェブをヤンキードライヤで乾燥するにあたっては、当該ヤンキードライヤの表面に薬液をシャワー塗布して被膜を形成した。薬液としては、剥離剤(A)として鉱物油(理研グリーン社製のRHG1502N)を、コーティング剤(B)として架橋型のコーティング剤(理研グリーン社製のクレプトロール1085)を含むものを使用した。剥離剤(A)及びコーティング剤(B)の配合割合は、固形分質量基準で8:2であった。
このようにして得られたウェブをプライ加工等して2プライのトイレットペーパーを得るとともに、内径が30mm、外径が120mmとなるように巻き取ってトイレットロールを得、このトイレットロールの巻長さ及び柔らかさを評価した。評価結果を、ウェブやトイレットペーパーの他の物性とともに、表1に示した。なお、乾燥引張強さ及び湿潤引張強さは各ウェブについてのものであり、水解性は2プライのトイレットペーパーについてのものである。また、柔らかさは、次の基準に基づく3段階の官能評価によるものである。
〈柔らかさ〉
○:通常品トイレットロールより柔らかいと感じた場合。
△:通常品トイレットロールと同じ、若干堅いと感じた場合。
×:通常品トイレットロールより確実に堅い、ゴワゴワすると感じた場合。
実施例1について、パルプ原料に湿潤紙力剤を対パルプ固形分基準で0.1質量%内添して、実施例2とした。なお、湿潤紙力剤としては、星光PMC社WS4024を使用した。詳細は、表1に示した。
実施例1について、コーティング剤を熱硬化型のコーティング剤(理研グリーン社製のレゾソール8289)に変える等、各種ファクターを変化させて比較例1〜3とした。詳細は、表1に示した。
Claims (5)
- 2プライ以上のトイレットペーパーが巻き取られてなるトイレットロールの製造方法であって、
JIS P 8121に準拠して測定したフリーネスが400〜500cc、JIS P 8226に準拠して測定した平均繊維長が0.7〜0.9mmとなるようにパルプ原料を叩解し、
この叩解したパルプ原料からウェブを形成し、
剥離剤及び架橋型のコーティング剤を固形分質量基準で7:3〜9:1の配合割合にて含む薬液でヤンキードライヤの表面に被膜を形成しつつ、当該ヤンキードライヤの表面において前記ウェブを乾燥し、このウェブをヤンキードライヤの表面からクレーピングドクターで引き剥がして、JIS P 8124に準拠して測定した坪量が9〜14g/m2 、かつJIS P 8118に準拠して測定した紙厚が75〜150μmとなるウェブを得、
このウェブをプライ加工して前記2プライ以上のトイレットペーパーを得る、
ことを特徴とするトイレットロールの製造方法。 - 前記各ウェブのクレープ率を12〜20%とする、
請求項1記載のトイレットロールの製造方法。 - パルプ原料に湿潤紙力剤を内添し、
当該湿潤紙力剤の内添量を0.1質量%以下の範囲に留める、
請求項1又は請求項2記載のトイレットロールの製造方法。 - 前記各ウェブにエンボスを付与する、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のトイレットロールの製造方法。 - 前記剥離剤及び前記コーティング剤の被膜量を1〜20mL/m 2 とし、かつ
前記ウェブの湿潤引張強さ(MD)を10〜100cNとする、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のトイレットロールの製造方法。
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