JP5246551B2 - 印刷用紙 - Google Patents
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また、紙の密度を低くする方法として、嵩高剤を用いる方法が知られている。嵩高剤は紙料中に添加して抄紙することによって紙の密度が低下する機能を有する薬品であり、分子内に疎水基と親水基の両方を有するもの、例えば、高級アルコールのエチレンオキサイド付加物、高級アルコールのプロピレンオキサイド付加物、高級アルコールのブチレンオキサイド付加物、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物等のノニオン界面活性剤、あるいは脂肪族ポリアミドアミンなどを例示することができる。
嵩高剤と柔軟剤は、明確に分類できるものではなく、両方の効果を発揮する薬品もある。
そして、印刷用紙の抄紙工程において、保湿剤を含有させ、標準状態における平衡水分を特定範囲とするとともに、スプレー方式により表面処理剤を塗布することにより、低密度であると同時に、製本したときのめくりやすさがあり、しかも表面強度の高い印刷用紙を提供することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
機械パルプを60〜100重量%含有し、保湿剤が内添および/または外添され、紙力増強剤として酸化澱粉を含む表面処理剤が湿紙にスプレー塗布され、前記酸化澱粉の塗布量が片面あたり0.5〜1.8g/m2でありかつ、温度23℃、湿度50%RHにおける平衡水分が9.0〜12%となるように調整されたことを特徴とする、坪量40〜65g/m2、密度0.20〜0.40g/cm3、J.TAPPI紙パルプ試験方法No.1:2000 ワックスによる表面強さ試験方法(A法)に基づくワックスピックが10A以上の印刷用紙。
(作用効果)
機械パルプを含有するので、低密度となり、しなやかさを付与することができる。機械パルプの含有率が高く、保湿剤が添加されているので平衡水分が高くなり、摩擦係数が高くなるので、めくりやすさを向上させることができる。更に紙力増強剤を含む表面処理剤により表面強度を付与するとともに、スプレー方式による塗布なので、塗布の際に圧縮力がかかることがなく、低密度でしなやかな印刷用紙を得ることができる。
紙力増強剤として酸化澱粉を含む表面処理剤が湿紙にスプレー塗布する際の湿紙の水分率が、5〜15%であることを特徴とする請求項1記載の印刷用紙。
本発明の印刷用紙の製造には、ワイヤーパート、プレスパート、ドライヤーパート、リールパートの各工程からなる抄紙機を用いる。そして抄紙機には表面処理剤を湿紙に塗布するスプレー装置が設置されている。スプレー装置は、ドライヤーパート内に設置することも出来るし、ゲートロールコーター等の既存の塗布装置があれば、その位置に設置することもできる。
スプレー塗布では、塗布量が不均一にならないように、スプレーノズルの形状や配置、塗布濃度、塗布量、圧力の設定を行う。
平衡水分が9.0%より低いと印刷用紙のめくりやすさが不十分となり、12%を超えると、表面強度が低くなり、印刷適性の悪化を招くという問題が生じる。
例えば、クラフトパルプを使用する印刷用紙では、クラフトパルプに代えて機械パルプや古紙パルプの含有量を増やすと、紙の平衡水分を高くすることができる。機械パルプはクラフトパルプに比べ、リグニン含有量が多く、平衡水分が高くなる。また、古紙パルプはクラフトパルプに比べ、一般に叩解が進んでおり、パルプ繊維の表面積が大きく、水分の吸着面積が大きいので平衡水分が高くなる。
その他、原料のパルプの叩解を進めて、フリーネスを下げることも、同じ理由で紙の平衡水分を高くすることができる。
これらの手段を組み合わせて、平衡水分を9.0〜12%にすることができる。
サーモメカニカルパルプ80重量部(110mlCSF)と新聞古紙脱墨パルプ20重量部(230mlCSF)からなる原料パルプ分散液を、硫酸バンドでpHを5.5に調整し、酸性ロジンサイズ剤0.50重量%、嵩高剤(花王株式会社製、商品名:KB−115)0.80重量%を添加して印刷用紙を抄紙した。ドライヤーパートで水分11%の湿紙に酸化澱粉(王子コーンスターチ株式会社製、商品名:王子エースA)を塗布量が片面当たり1.0g/m2、保湿剤(ミヨシ油脂株式会社製、商品名:ソフティーナGT−105)を塗布量が片面当たり0.50g/m2となるようにスプレー塗布、乾燥し、坪量51.2g/m2の印刷用紙を得た。スプレー装置は、フラット散水型スプレーノズル(株式会社ニイクラ製 1/4 SO495)を抄紙機の幅方向5cm間隔で配列したもの4系列を紙面両面に塗布できるように設置し使用した。得られた印刷用紙の評価結果を表1に示す。
サーモメカニカルパルプ90重量部(110mlCSF)と新聞古紙脱墨パルプ10重量部(230mlCSF)からなる原料パルプ分散液を、硫酸バンドでpHを5.5に調整し、酸性ロジンサイズ剤0.50重量%、嵩高剤(花王株式会社製、商品名:KB−115)0.50重量%を添加して印刷用紙を抄紙した。ドライヤーパートで水分11%の湿紙に酸化澱粉(王子コーンスターチ株式会社製、商品名:王子エースA)を塗布量が片面当たり1.5g/m2、保湿剤(ミヨシ油脂株式会社製、商品名:ソフティーナGT−105)を塗布量が片面当たり0.50g/m2となるようにスプレー塗布、乾燥し、坪量51.2g/m2の印刷用紙を得た。得られた印刷用紙の評価結果を表1に示す。
サーモメカニカルパルプ100重量部(130mlCSF)からなる原料パルプ分散液を、硫酸バンドでpHを5.5に調整し、酸性ロジンサイズ剤0.50重量%、嵩高剤(花王株式会社製、商品名:KB−115)0.50重量%、保湿剤(ミヨシ油脂株式会社製、商品名:ペレミンES30R)を2重量%添加して印刷用紙を抄紙した。ドライヤーパートで水分11%の湿紙に酸化澱粉(王子コーンスターチ株式会社製、商品名:王子エースA)を塗布量が片面当たり1.8g/m2となるようにスプレー塗布、乾燥し、坪量51.2g/m2の印刷用紙を得た。得られた印刷用紙の評価結果を表1に示す。
サーモメカニカルパルプ100重量部(140mlCSF)からなる原料パルプ分散液を、硫酸バンドでpHを5.5に調整し、酸性ロジンサイズ剤0.50重量%、嵩高剤(花王株式会社製、商品名:KB−115)0.50重量%、保湿剤(ミヨシ油脂株式会社製、商品名:ペレミンES30R)を2.0重量%添加して印刷用紙を抄紙した。ドライヤーパートで水分11%の湿紙に酸化澱粉(王子コーンスターチ株式会社製、商品名:王子エースA)を塗布量が片面当たり1.0g/m2、保湿剤(ミヨシ油脂株式会社製、商品名:ソフティーナGT−105)を塗布量が片面当たり1.0g/m2となるようにスプレー塗布、乾燥し、坪量51.2g/m2の印刷用紙を得た。得られた印刷用紙の評価結果を表1に示す。
サーモメカニカルパルプ90重量部(140mlCSF)とポリビニルアルコール系バインダー(1dt×3mm、70℃溶融タイプ)10重量部からなる原料分散液を、硫酸バンドでpHを5.5に調整し、酸性ロジンサイズ剤0.50重量%添加して印刷用紙を抄紙した。ドライヤーパートで水分11%の湿紙に酸化澱粉(王子コーンスターチ株式会社製、商品名:王子エースA)を塗布量が片面当たり0.50g/m2、保湿剤(ミヨシ油脂株式会社製、商品名:ソフティーナGT−105)を塗布量が片面当たり0.50g/m2となるようにスプレー塗布、乾燥し、坪量51.2g/m2の印刷用紙を得た。得られた印刷用紙の評価結果を表1に示す。
サーモメカニカルパルプ100重量部(140mlCSF)からなる原料パルプ分散液を、硫酸バンドでpHを5.5に調整し、酸性ロジンサイズ剤0.50重量%、保湿剤(ミヨシ油脂株式会社製、商品名:ペレミンES30R)を3.0重量%添加して印刷用紙を抄紙した。ドライヤーパートで水分11%の湿紙に酸化澱粉(王子コーンスターチ株式会社製、商品名:王子エースA)を塗布量が片面当たり1.0g/m2、保湿剤(ミヨシ油脂株式会社製、商品名:ソフティーナGT−105)を塗布量が片面当たり2.0g/m2となるようにスプレー塗布、乾燥し、坪量51.2g/m2の印刷用紙を得た。得られた印刷用紙の評価結果を表1に示す。
表面処理剤を塗布しなかったこと以外は実施例1と同様に印刷用紙を製造した。
保湿剤(ミヨシ油脂株式会社製、商品名:ソフティーナGT−105)を塗布量が片面当たり0.10g/m2となるように塗布したこと以外は実施例1と同様に印刷用紙を製造した。得られた印刷用紙の評価結果を表1に示す。
嵩高剤を添加しなかったことと、保湿剤(ミヨシ油脂株式会社製、商品名:ソフティーナGT−105)を塗布量が片面当たり0.10g/m2となるように塗布したことと、表面処理剤の塗布装置をゲートロールコーターに変えたこと以外は実施例1と同様にして、印刷用紙を製造した。得られた印刷用紙の評価結果を表1に示す。
(厚さ、密度)JISP8118:1998紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法
(平衡水分)JISP8111:1998で規定する条件に基づき標準状態に調湿した後、JISP8127:1998紙及び板紙−水分試験方法−乾燥器による方法により測定
(めくりやすさ評価)印刷用紙を150枚重ねて、A5縦目(縦210mm×横148mm)の寸法に断裁し、ラテックス系接着剤を縦1辺の断裁面に塗布して製本し、官能評価により、めくりやすさを次の4段階で評価した。(◎優れる、○良い、△やや悪い、×悪い)
(表面強度)J.TAPPI紙パルプ試験方法No.1:2000 ワックスによる表面強さ試験方法(A法)
Claims (2)
- 機械パルプを60〜100重量%含有し、保湿剤が内添および/または外添され、紙力増強剤として酸化澱粉を含む表面処理剤が湿紙にスプレー塗布され、前記酸化澱粉の塗布量が片面あたり0.5〜1.8g/m2でありかつ、温度23℃、湿度50%RHにおける平衡水分が9.0〜12%となるように調整されたことを特徴とする、坪量40〜65g/m2、密度0.20〜0.40g/cm3、J.TAPPI紙パルプ試験方法No.1:2000 ワックスによる表面強さ試験方法(A法)に基づくワックスピックが10A以上の印刷用紙。
- 紙力増強剤として酸化澱粉を含む表面処理剤が湿紙にスプレー塗布する際の湿紙の水分率が、5〜15%であることを特徴とする請求項1記載の印刷用紙。
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