JP6692872B2 - 芳香機能付き衛生薄葉紙及びその製造方法 - Google Patents

芳香機能付き衛生薄葉紙及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、芳香機能付き衛生薄葉紙及びその製造方法に関する。
近年、トイレットペーパーに香料を付加することが実施されてきた。しかし、香料のほとんどは揮発性成分であることから、香り立ちを生産から実使用時まで維持させることは困難であるという問題があった。
そこで、例えば、香料を樹脂膜あるいは環状糖で包摂した、いわゆるカプセル化香料を用いることで、香り立ちを確保する技術が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−078373号公報
しかし、上記特許文献1に記載の発明では、カプセル化香料は製品加工時に破壊されやすく、その反面、使用時に充分な量が破壊されずに芳香効果が発揮されないことがあるという問題点があった。
さらに、通常のロール紙の製造工程に香料付与工程を追加する必要があるため、製造効率が低下するという問題点があった。
本発明の主たる課題は、製造効率がよく、使用時に芳香効果が容易に発揮される芳香機能付き衛生薄葉紙及びその製造方法を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、芳香機能付き衛生薄葉紙において、
原料パルプからなる原紙に、多孔質体に香料成分を含浸させて得られた芳香体が塗布されており、
前記原紙は複数の凹部を備え、
前記芳香体は、水性接着剤に混和されて、前記凹部の底にのみ塗布されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の芳香機能付き衛生薄葉紙において、
前記多孔質体は、平均粒径が1〜50μmであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の芳香機能付き衛生薄葉紙において、
前記多孔質体は、吸油量が10〜300ml/100g(JIS K 5101)であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、原料パルプからなる原紙に、多孔質体に香料成分を含浸させて得られた芳香体が水性接着剤に混和されて塗布されている芳香機能付き衛生薄葉紙を製造する製造方法であって、
前記原紙表面にエンボス加工を施す工程において、前記芳香体を、当該エンボス加工によって前記原紙に形成される凹部の底に転写させることを特徴とする。
本発明によれば、香料を含浸する芳香体は製造時に容易に破壊されないため、芳香機能付き衛生薄葉紙を効率よく製造することができる。また、多孔質体により香料を徐々に揮発させることができるため、芳香効果を使用時に容易に発揮させることができる。
(a)は第1の方法のトイレットペーパー製造装置のエンボス加工部の概略構成を示す図であり、(b)は第1の方法により製造された帯状ペーパーの拡大断面図である。 (a)は第2の方法のトイレットペーパー製造装置のエンボス加工部及び貼合部の概略構成を示す図であり、(b)は第2の方法により製造された帯状ペーパーの拡大断面図である。 (a)は第3の方法のトイレットペーパー製造装置のエンボス加工部及び貼合部の概略構成を示す図であり、(b)は第3の方法により製造された帯状ペーパーの拡大断面図である。
以下、図を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
本実施の形態では、衛生薄葉紙としてトイレットペーパーを例示して説明することとする。トイレットペーパーは、一定幅に形成された帯状ペーパーがロール状に巻かれた状態となっており、ペーパーホルダーに取り付けられて使用される。
<トイレットペーパー>
トイレットペーパーを構成する原紙は、原料パルプを主原料とする薄葉紙用抄紙原料により製造できる。その原料パルプは、特に限定されるものではなく、トイレットペーパーの具体的な用途に応じて適宜の原料パルプを選択し、また適宜配合して使用することができる。
原料パルプを例示すれば、木材パルプ、非木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプなどから、より具体的には、砕木パルプ(GP)、ストーングランドパルプ(SGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ブリーチケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)等の機械パルプ(MP)、化学的機械パルプ(CGP)、半化学的パルプ(SCP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等のクラフトパルプ(KP)、またそれらの未漂白パルプ、ソーダパルプ(AP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)等の化学的パルプ(CP)、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)等を原料とする合成パルプ、脱墨パルプ(DIP)、ウエストパルプ(WP)等の古紙パルプ、かすパルプ(TP)、木綿、アマ、麻、黄麻、マニラ麻、ラミー等を原料とするぼろパルプ、わらパルプ、エスパルトパルプ、バガスパルプ、竹パルプ、ケナフパルプ等の茎稈パルプ、靭皮パルプ等の補助パルプなどから、一種又は数種を適宜選択して使用することができる。
特に、原料パルプは、NBKPとLBKPとを配合したものが好ましい。適宜古紙パルプが配合されていてもよいが、風合いなどの点で、NBKPとLBKPのみから構成されているのがよく、その場合、配合割合としては、NBKP:LBKP=30:70〜50:50がよく、特に、NBKP:LBKP=40:60が望ましい。
原料パルプ等の原料は、例えば、公知の抄紙工程、具体的には、ワイヤパート、プレスパート、ドライヤパート、サイズプレス、カレンダパート等を経るなどして薄葉紙とする。抄紙に際しては、例えば、分散剤、苛性ソーダ、アンモニア水等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、蛍光染料、離型剤、耐水化剤、流動変性剤、歩留向上剤などの適宜の薬品を添加することができる。
また、トイレットペーパーの坪量は、その用途によって適宜調整することができるが、坪量は10〜30g/mの範囲内にあるものを使用するのが望ましい。坪量が10g/m未満では、柔らかさの向上の観点からは好ましいものの、使用に耐えうる十分な強度を適正に確保することが困難となる。逆に、坪量が30g/mを超えると紙全体が硬くなるとともに、ゴワ付き感が生じてしまい肌触りが悪くなる。なお、坪量の測定方法としては、例えば、JIS P8124に準じた方法等が挙げられる。
本実施形態に係るトイレットペーパーを構成する原紙は、従来の湿式方法により製造されるものである。即ち、原紙は、原料から繊維(原料パルプ)の懸濁液である紙料を調整する紙料調整工程と、紙料から繊維を抄いて繊維ウェブを形成し、当該形成した繊維ウェブを搬送しながら乾燥する抄紙工程と、を経て製造される。そして、抄造された原紙を巻き取ることで、一次原反ロールが製造される。トイレットペーパーは、一次原反ロールから引き出された原紙に対してエンボスを付与するエンボス加工工程等を経て、最後に巻取り軸に巻き取られることにより製造される。
<芳香体>
トイレットペーパーに添加される芳香体2は、平均粒径が1〜50μm(メジアン径)、吸油量10〜300ml/100g(JIS K 5101)である硬質の多孔質体に香料を含浸させたものである。
ここで、「平均粒径」とは、粉状または粒状である原料物質の各粒子の粒径を平均した値をいうが、全原料物質を母集団とする統計指標としての平均を意味することは勿論である。つまり、母集団(全原料物質)から適当なサンプル(各粒子)を抽出し、このサンプルの粒径を測定して算術平均した値を「平均粒径」とする。統計的手法により求める値であるから測定ごとに値が変動する可能性があることはいうまでもない。
多孔質体の平均粒径が1μm未満では、香料の保持量が少なくなり、50μmを上回ると、加工時の分散性が悪くなるという問題がある。
また、多孔質体の吸油量が10ml/100g未満では、香料の保持量が少なくなり、300ml/100gを上回ると、製造時に崩壊し易いため、使用前の香料漏出が増すという問題がある。
多孔質体の硬度が低すぎる場合は製造加工時に多孔質体が崩壊し易く、高すぎる場合は加工機が損耗するため不適当である。本発明に係る芳香体は、硬度15〜750Hv(JIS Z 2244)の鉱物または無機化合物(例えば、カオリナイト、炭酸カルシウム、合成シリカ)、又は硬さ90以上(JIS K 1474)の活性炭などにより形成されると好適である。
なお、原紙に付与された芳香体2を脱離し難くするという観点から、芳香体2は、水性接着剤或いは水溶性樹脂に混和されることが望ましい。水性接着剤としては、酢酸ビニル系接着剤、セルロース系接着剤、アクリル系接着剤、デンプン系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤等を例示できる。水溶性樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、オレフィン樹脂、ロジン等を例示できる。
多孔質体に含浸される香料は、芳香を有する揮発性の物質であれば任意であり、例えば、メントール、ミント、ラベンダー、ローズマリーなどのハーブ系の香り成分、バラの香り成分、柑橘系の香り成分、ヒノキの香り成分など天然系の香料、あるいは合成系の香料などから、一種又は数種を適宜選択して使用することができる。
多孔質体は、湿潤剤、柔軟剤、平滑剤、消臭剤等を含浸しても良い。
多孔質体に含浸される香料の添加量は、揮発性や残香性、コスト等に応じて適宜任意に変更可能である。
また、芳香体2は多孔質体から形成されるため、香料等を含まない場合又は香料等が揮散した後でも消臭効果を発揮することができる。
<トイレットペーパーに芳香体を付与する方法>
(第1の方法)
第1の方法は、原紙をエンボス加工する工程において、水性接着剤3に混和した芳香体2を付与する方法である。
具体的には、例えば、図1(a)に示すトイレットペーパー製造装置10Aにより、エンボスロール11の凸部の一部又は全ての頂部に対して、芳香体2を付与し、エンボスロール11に0.05Mpa〜0.4Mpaの圧力を加えることで原紙S1、S2にエンボス加工を施し、エンボスロール11の凸部と原紙S2が接触する際に、原紙S2に芳香体を転写させる。
エンボスロール11への芳香体2の付与は、図1(a)に示すように、アニロックスロール13及び芳香体タンク14を用いて行うことができる。
アニロックスロール13は、エンボスロール11の幅と略同幅(同一幅も含む)に形成された円柱状のロールであり、外周面がエンボス凸部の頂部と当接するように配置されている。
芳香体タンク14は、芳香体2を混和した水性接着剤3を貯留可能に形成され、アニロックスロール13の外周面が、芳香体タンク14に貯留されている水性接着剤3に当接するように配置されており、アニロックスロール13の軸回りの回転に伴い、芳香体タンク14からアニロックスロール13の外周面に水性接着剤3が供給されるようになっている。アニロックスロール13の外周面に供給された水性接着剤3は、アニロックスロール13の外周面と当接するエンボス凸部の頂部に供給され、エンボスロール11が軸回りに回転することにより、原紙S1、S2にエンボス加工が施されると同時に、原紙S2に芳香体2が転写されることとなる。
水性接着剤3に混和された芳香体2は、図1(b)に示すように、加工後の帯状ペーパー1Aの外面のエンボス加工部(凹部)の底に、圧力を加えて押し付けられるため、芳香体2は帯状ペーパー1Aの巻取りの工程などにおいて容易に脱離することはない。
芳香体2の塗布量は、塗布のしやすさ等の観点から、固形分量として0.02〜0.08g/mである。
なお、図1に示す第1の方法においては、2プライのトイレットペーパーを形成する工程を示しているが、トイレットペーパーは、1プライであっても、3プライ以上であっても良い。
(第2の方法)
第2の方法は、2枚以上の原紙を重ねて2プライ以上のトイレットペーパーを形成する場合に、原紙間を接着する工程において、芳香体2を混和した水性接着剤3を付与する方法である
具体的には、図2(a)に示すトイレットペーパー製造装置10Bのように、アニロックスロール13及びゴムロール16を用いて、原紙S3に芳香体を転写させる。
アニロックスロール13及びゴムロール16は、エンボスロール11の幅と略同幅(同
一幅も含む)に形成された円柱状のロールである。
芳香体タンク14は、芳香体2を混和した水性接着剤3を貯留可能に形成され、アニロックスロール13の外周面が、芳香体タンク14に貯留されている水性接着剤3に当接するように配置されており、アニロックスロール13の軸回りの回転に伴い、芳香体タンク14からアニロックスロール13の外周面に水性接着剤3が供給されるようになっている。アニロックスロール13の外周面に供給された水性接着剤3は、アニロックスロール13の外周面と当接するゴムロール16に供給され、ゴムロール16が軸回りに回転することにより、原紙S3に水性接着剤3が転写される。
次に、水性接着剤3が塗布された原紙S3は、別の原紙S4と重ね合わされた後、貼合部15において1枚に貼り合わされ、2プライの帯状ペーパー1Bが形成される。
第2の方法においては、原紙S3にエンボスを付与し、形成された凸部の頂部に、アニロックスロール13及びゴムロール16を用いて芳香体2を混和した水性接着剤3を塗布したのち、原紙S4とエンボス加工された原紙S3を接着するので、図2(b)に示すように、原紙S3の凸部のみに芳香体を付与できるため、資材ロスを少なく加工することができる。
また、第2の方法においては、図2(b)に示すように、加工後の帯状ペーパー1Bの原紙S3と原紙S4の間に芳香体2が接着されるため、芳香体2は帯状ペーパー1Bの巻取りの工程などにおいて容易に脱離することはない。
第2の方法においては、水性接着剤3の塗布量を固形分量として0.05〜0.2g/mとし、うち芳香体2の固形分量を30〜70%とすると、塗布のしやすさ、肌触り、香りの強さ等の観点から好適である。
また、第2の方法においては、2プライのトイレットペーパーを形成する工程を示しているが、トイレットペーパーは3プライ以上であっても良い。
(第3の方法)
第3の方法は、第2の方法と同様に2枚以上の原紙を重ねて2プライ以上のトイレットペーパーを形成する場合に、原紙間を接着する工程において、水性接着剤3に混和した芳香体2をスプレー塗布する方法である。
具体的には、図3(a)に示すトイレットペーパー製造装置10Cのように、水性接着剤3をスプレー塗布した原紙S5を、原紙S6と重ね合わせた後、貼合部15において1枚に貼り合わせ、2プライの帯状ペーパー1Cを形成する。
第3の方法において、芳香体2を予め水性接着剤3に混和せず、水性接着剤3を塗布した後に芳香体2を転写又は噴霧すれば、芳香体2を付与したトイレットペーパーと付与しないトイレットペーパーとの製造の切り替えが容易に可能である。
また、第3の方法においては、エンボス加工を原紙S5のみに行うのではなく、貼合部15において、接着と同時にエンボス加工を施すと、芳香体2を原紙にさらに強力に接着させることができる。
第3の方法においては、図3(b)に示すように、加工後の帯状ペーパー1Cの原紙S5と原紙S6の間に芳香体2が接着されるため、芳香体2は帯状ペーパー1Cの巻取りの工程などにおいて容易に脱離することはない。
第3の方法においては、水性接着剤3の塗布量を固形分量として0.05〜0.2g/mとし、うち芳香体2の固形分量を30〜70%とすると、塗布のしやすさ、肌触り、香りの強さ等の観点から好適である。
また、第3の方法においては、2プライのトイレットペーパーを形成する工程を示しているが、トイレットペーパーは3プライ以上であっても良い。
以上説明した第1〜第3の方法によって製造されたトイレットペーパー10によれば、芳香体は、マイクロカプセル化した香料と比して製造が容易であり、歩留まりを向上させることによっても製品コストを下げることが可能である。
また、マイクロカプセル化した香料では、カプセルの崩壊時にのみ芳香効果が得られるため、使用時の芳香効率が悪い点が課題となっていたが、本発明による芳香体はその孔質(密度、直径)によって芳香成分を揮散することから、適切な芳香効果を確実に発揮し、さらに長時間維持することが可能である。
従来のマイクロカプセル化した香料の塗布は、製造時にマイクロカプセルを壊さないため、薄葉紙を紙管に巻きつける工程の前段に香料を紙管に塗布する等、通常の製造工程に芳香体付与工程を追加する必要があった。しかし、本発明によれば、硬度の高い芳香体を用いることにより、芳香体付与工程をエンボス加工工程又は接着剤塗布工程に組み込むことが可能であり、効率よく製品を製造できる。
芳香体付与工程は、必ずしもエンボス加工工程又は接着剤塗布工程に組み込む必要はない。例えば、衛生薄葉紙に模様を印刷する工程やミシン目を形成する工程等に組み込んだり、上記各種工程に組み込まずに芳香体付与工程を独立に設けても良い。芳香体付与工程を独立に設ける場合は、エンボス加工工程のように薄葉紙に大きな負荷がかかる工程の後に設けると、芳香体が薄葉紙から脱落し難いため好適である。
以下では、本発明に係る芳香機能付き衛生薄葉紙及び比較例のサンプルを作成し、香りの評価を実施した。
(実施例1)
第1の方法により、芳香体2を塗布した。
芳香体2は1gのカオリナイト(平均粒径2μm、吸油量80ml/100g、硬度60Hv)に0.5mlのミント精油を加え、深さ58mm直径37mmのプラスチック容器内にて、プラスチック製スパーテルを用いて、5分程度よく撹拌することにより生成した。1%カルボキシメチルセルロース溶液で50倍希釈(カオリナイトの質量比)した芳香体2を、凸部の面積率が7.81%であるプラスチック製エンボス版(25.8cm×12.9cm)の凸部に、ローラーを用いて芳香体2が0.05g/mとなるよう塗布した。22.4cm×11.4cm、米坪14.5g/mの原紙を2枚重ねて、芳香体
2を付与したエンボス版に載せ、さらに原紙の上からウレタン樹脂製シート(25.8cm×12.9cm)を載せ、0.07Mpaの圧力でウレタン樹脂シートの上から原紙をエンボス版に押し付け、芳香体2を原紙に転写して、2プライの帯状ペーパーを形成した。
(実施例2)
第3の方法により、芳香体2を塗布した。
原紙及び芳香体2は、実施例1と同様の物を用いた。4%カルボキシメチルセルロース溶液で25倍希釈(カオリナイトの質量比)した芳香体2を、原紙表面に1.3ml/mとなるよう市販のスプレー容器を用いて噴霧した。噴霧後ただちに、噴霧した原紙の噴霧側と、噴霧していない原紙とを重ね、さらに原紙2枚の上に実施例1のウレタン樹脂シートを載せ、面積率7.81%のエンボス版に0.07Mpaの圧力でウレタン樹脂シートを押し付け、原紙2枚を重ねた状態で押し付けて接着し、2プライの帯状ペーパーを形成した。
(比較例1)
実施例1と同様の塗布方法を用いて、カオリナイトを含まないサンプルを作成した。香料の塗布量は、実施例1と同量となるように調整した。
全てのサンプルを室温にて48時間放置した後、3名のテスターにより香りの強さを評価したところ、3名のテスターとも、香りの強さは「実施例1>実施例2>比較例」の順であると評価した。
従って、本発明によれば、通常の製造工程において芳香体2を塗布し、長時間の芳香効果を維持する衛生薄葉紙を製造することができる。
実施例2においては、2枚の原紙の間に芳香体2が挟まれるため、実施例1と比較すると香り立ちが弱いと考えられる。
(比較例2)
実施例1と同様の塗布方法を用いて、カオリナイトの代わりにαシクロデキストリン(
平均粒径53nm以下)を用いたサンプルを作成した。香料の塗布量は、実施例1と同量
となるように調整した。
各サンプルを室温にて48時間放置した後、4名のテスターにより香りの強さを5件法にて評価したところ(5点:香りが強い、1点:香りが弱い)、実施例1のサンプルが3.
0点、比較例2のサンプルが1.25点と評価された。
従って、本発明によれば、従来の香料包接用途で用いられるαシクロデキストリンと比較し、長期間の芳香効果を維持する衛生薄葉紙を製造することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
衛生薄葉紙は、上記実施形態で示したトイレットペーパーに限られるものではなく、例えば、ティシュペーパー、ウエットティシュー、キッチンペーパー等にも適用可能である。形状に関しては、ロール状に限られるものではなく、ポップアップ式、ポケット型など任意の形状に適用可能である。
1A、1B、1C 帯状ペーパー
2 芳香体
3 水性接着剤
S1〜S6 原紙
10A、10B、10C トイレットペーパー製造装置
11 エンボスロール
12 受けロール
13 アニロックスロール
14 芳香体タンク
15 貼合部
16 ゴムロール

Claims (4)

  1. 原料パルプからなる原紙に、多孔質体に香料成分を含浸させて得られた芳香体が塗布されており、
    前記原紙は複数の凹部を備え、
    前記芳香体は、水性接着剤に混和されて、前記凹部の底にのみ塗布されていることを特徴とする芳香機能付き衛生薄葉紙。
  2. 前記多孔質体は、平均粒径が1〜50μmであることを特徴とする請求項1に記載の芳香機能付き衛生薄葉紙。
  3. 前記多孔質体は、吸油量が10〜300ml/100g(JIS K 5101)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の芳香機能付き衛生薄葉紙。
  4. 原料パルプからなる原紙に、多孔質体に香料成分を含浸させて得られた芳香体が水性接着剤に混和されて塗布されている芳香機能付き衛生薄葉紙を製造する製造方法であって、
    前記原紙表面にエンボス加工を施す工程において、前記芳香体を、当該エンボス加工によって前記原紙に形成される凹部の底に転写させることを特徴とする芳香機能付き衛生薄葉紙の製造方法。
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