JP2004066573A - ラミネートシートおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大きさの異なる二種類以上のエンボス凸部を有する廉価で見栄えが良く、かつ柔らかさと破れ難さの両方を兼ね備えたラミネートシートおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】互いに対向して回転する一対の各ロール55,57に、別々に原紙シート11,21を巻き付け、これら原紙シート11,21のうちの少なくとも一方を前記巻き付け範囲の所定位置にてロール周面に押し付けて該原紙シート11にエンボス加工し、該エンボス凸部が形成された原紙シート11を他方の原紙シート21に重ねて貼り合わせて製造されるラミネートシート1である。前記一方の原紙シート11には、該原紙シート11が巻き付けられるロール55の周面が備える大きさの異なる二種類以上の突起55a,55bによって、大きさの異なるエンボス凸部13,14が形成されている。
【選択図】    図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2枚の原紙シートを貼り合わせてなるラミネートシートおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にキッチンペーパー等の紙製のシート製品は、図1(a)の平面図および図1(b)の縦断面図にて示すように、パルプ等からなる原紙シート11,21を2枚重ねに貼り合わせたラミネートシート101の形態で消費者に提供される。そして、これらのラミネートシート101の主な用途は液体等を拭き取ることであり、その品質には特に嵩高性および吸液性が要求される。そのため、通常、このラミネートシート101の前記原紙シート11,21にはエンボス凸部13,23が加工されて、貼り合わせた原紙シート11,21同士の間に空間Sを画成し、もって嵩高性および吸液性を高めるようにしている。
【0003】
そして、最近ではこのラミネートシートを柔らかくする目的で、図2(a)の平面図および図2(b)の縦断面図に示すように、原紙シート11(21)における前記エンボス凸部13,13(23,23)同士の間の部分であるエンボス凹部15(25)に前記エンボス凸部13(23)(以下ではマクロエンボス凸部とも言う)よりも小さいエンボス凸部14(24)(以下ではマイクロエンボス凸部とも言う)を多数形成したラミネートシート1も提供されている。
【0004】
この二種類の大きさのエンボス凸部13,14(23,24)が形成されたラミネートシート1は、通常、パルプ化および抄紙化工程を経てロール状に巻き取られた二つの原紙シートロールを、次に示す貼り合わせ工程のラインに搬入して製造される。
【0005】
このラインの概略側面図を図3に示す。この製造ライン151は、二つの原紙シートロール3,3をそれぞれシート状に巻き出すための上下一対の巻き出し用リール53,53と、この巻き出した上下一対の原紙シート11,21をそれぞれ周面に巻き付けて、これら原紙シート11,21のそれぞれにマイクロエンボス凸部14,24を加工するための一対のマイクロエンボスロール154,156と、このマイクロエンボス凸部14,24が形成された原紙シート11,21を周面に巻き付けて、これら原紙シート11,21のそれぞれにマクロエンボス凸部13,23を加工して貼り合わせるための上下一対のマクロエンボスロール155,157と、この貼り合わされ製造されたラミネートシート1をロール状に巻き取るための巻き取り用リール59とを備えている。そして、エンボス凸部の加工は、▲1▼押し付けロール61によって原紙シート11(21)をマイクロエンボスロール154(156)の周面に押し付けて、この周面が備える小突起154a(156a)にて原紙シート11(21)にマイクロエンボス凸部14(24)を形成し、▲2▼次いで、押し付けロール61によって原紙シート11(21)をマクロエンボスロール155(157)の周面に押し付けて、この周面が備える大突起155a(157a)にてマクロエンボス凸部13(23)を形成するという二段階でなされている。
【0006】
つまり、周面に亘って同じ大きさの突起が形成された一対のエンボスロールを、エンボス凸部の大きさの種類数だけ前記ラインに増設することによって、二種類以上の大きさのエンボス凸部を有するラミネートシートの製造に対処している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エンボスロール数が増えると、これに伴って設備費の増大を来たし、ラミネートシート1の製造コストが高騰する。また、エンボスロール数が増える分だけエンボスロール同士の間に掛け渡される原紙シートの箇所が増えるため、この掛け渡された箇所の増加分だけ原紙シートを張るための張力が必要となる。そして、この結果、柔らかなラミネートシートを製造できても、原紙シートに作用するトータル張力が大きくなり、もってシート破断といった操業トラブルが生じ易くなり、更なるコストアップも必至である。
【0008】
また、前記マイクロエンボスロール154(156)によって先行してマイクロエンボス凸部14(24)を形成した後に、マクロエンボスロール155(157)によってマクロエンボス凸部13(23)を形成するため、前記マイクロエンボス凸部14(24)が形成された原紙シート11(21)には長時間に亘って張力が作用する結果、マイクロエンボス凸部14(24)が消え易く、ラミネートシート1の見栄えが悪くなってしまう。
【0009】
更には、上記マイクロエンボス凸部14(24)を形成してラミネートシート1を柔らかくすると、一般にその紙力たる引張強度は低下してしまい、この結果、拭き取り時に破れ易くなって使い難い一方、これを防ぐべく原紙シート11(21)の引張強度を高くし過ぎると、前記ラミネートシート1が硬くなってしまう。つまり、柔らかさと破れ難さの両方を兼ね備えるのが一般に難しい。
【0010】
本発明はかかる従来の課題に鑑みて成されたもので、エンボスロールを追設することなく製造可能な、大きさの異なる二種類以上のエンボス凸部を有する廉価で見栄えが良く、かつ柔らかさと破れ難さの両方を兼ね備えたラミネートシートおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために請求項1に示す発明は、互いに対向して回転する一対の各ロールに、別々に原紙シートを巻き付け、これら原紙シートのうちの少なくとも一方を前記巻き付け範囲の所定位置にてロール周面に押し付けて該原紙シートにエンボス加工し、該エンボス凸部が形成された原紙シートを他方の原紙シートに重ねて貼り合わせて製造されるラミネートシートにおいて、前記一方の原紙シートには、該原紙シートが巻き付けられるロールの周面が備える大きさの異なる二種類以上の突起によって、大きさの異なるエンボス凸部が形成されていることを特徴とする。
【0012】
上記発明によれば、少なくとも前記一方のロールの周面は、二種類以上の大きさの突起を備えている。このため、この周面に原紙シートを押し付ければ、この原紙シートに二種類以上の大きさのエンボス凸部を一度に形成することができる。よって、大きさの異なるエンボス凸部を原紙シートに形成する目的で、周面に突起を備えたロールを別途設ける必要は無く、もって二種類以上の大きさのエンボスを有するラミネートシートの製造コストを低減可能となる。
【0013】
また、原紙シートに二種類以上の大きさのエンボス凸部を一度に形成することができるので、小さい方のエンボス凸部を先行して形成しなくて済む。そして、これにより、小さいエンボス凸部を形成後の原紙シートの張力作用時間の短縮化が図れて、もって小さいエンボス凸部は鮮明に残存して、ラミネートシートの見栄えは良くなる。
【0014】
請求項2に示す発明は、請求項1に記載のラミネートシートに記載のラミネートシートにおいて、前記一対のロールはロール間隙をもって対向するとともに、前記エンボス凸部が形成された原紙シートが、前記他方の原紙シートと重なった状態で前記ロール間隙に通されて貼り合わされることを特徴とする。
上記発明によれば、最小限のロール本数でラミネートシートを製造可能となる。
【0015】
請求項3に示す発明は、請求項1に記載のラミネートシートに記載のラミネートシートにおいて、前記一方の原紙シートを押し付ける前記所定位置よりも下流側の巻き付け範囲には、ロール間隙をもって貼り合わせロールが対向配置され、前記原紙シートが、前記他方の原紙シートと重なった状態で前記ロール間隙に通されて貼り合わされることを特徴とする。
上記発明によれば、請求項1と同様の作用を奏することができる。
【0016】
請求項4に示す発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のラミネートシートにおいて、前記他方の原紙シートが巻き付けられるロールの周面は、大きさの異なる二種類以上の突起を備え、前記他方の原紙シートは、前記巻き付け範囲の所定位置にて前記突起に押し付けられて形成された、大きさの異なるエンボス凸部を有していることを特徴とする。
【0017】
上記発明によれば、他方のロールの周面も、二種類以上の大きさの突起を備えており、もってこのロールに巻き付けられた他方の原紙シートに対しても二種類以上の大きさのエンボス凸部を、別途ロールを設ることなく形成可能となる。よって、二種類以上の大きさのエンボスを両面に備えたラミネートシートを廉価に製造可能となる。
【0018】
また、他方の原紙シートに対しても二種類以上の大きさのエンボス凸部を一度に形成することができるので、当該他方の原紙シートにも小さい方のエンボス凸部を先行して形成しなくて済む。そして、これにより、小さいエンボス凸部を形成後の原紙シートの張力作用時間の短縮化が図れて、もって、小さいエンボス凸部は鮮明に残存して、ラミネートシートの見栄えは良くなる。
【0019】
請求項5に示す発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のラミネートシートにおいて、前記大きさの異なるエンボス凸部は、互いのエンボス凸部の高さが異なることを特徴とする。
上記発明によれば、二種類以上の高さのエンボス凸部を有するラミネートシートを廉価に製造可能となる。
【0020】
請求項6に示す発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載のラミネートシートにおいて、前記大きさの異なるエンボス凸部は、互いのエンボス凸部の天部面積が異なることを特徴とする。
上記発明によれば、二種類以上の天部面積のエンボス凸部を有するラミネートシートを廉価に製造可能となる。
【0021】
請求項7に示す発明は、請求項6に記載のラミネートシートにおいて、前記エンボス凸部は大小の二種類で形成され、小さい方のエンボス凸部の天部面積が1mm未満であることを特徴とする。
上記発明によれば、小さい方のエンボス凸部の天部面積を1mm未満にしているため、ラミネートシートを効果的に柔らかくすることができる。
【0022】
請求項8に示す発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載のラミネートシートにおいて、前記原紙シートの坪量が17〜32g/mであることを特徴とする。
上記発明によれば、上記坪量の範囲において、請求項7と同様の作用を奏することができる。
【0023】
請求項9に示す発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載のラミネートシートにおいて、前記原紙シートのJIS P8113に規定される乾燥引張強度が、抄紙工程の流れ方向で600〜1000N/m、前記流れ方向に対する直交方向である幅方向で200〜400N/mであり、湿潤引張強度が前記流れ方向で200〜400N/m、前記幅方向で70〜150N/mであることを特徴とする。
【0024】
上記発明によれば、乾燥および湿潤のいずれの状態においても、ラミネートシートは柔らかく、かつ破れ難くなる。すなわち、流れ方向の乾燥引張強度を1000N/m以下かつ幅方向の乾燥引張強度を400N/m以下にするとともに、流れ方向の湿潤引張強度を400N/m以下かつ幅方向の湿潤引張強度を150N/m以下にしているので、乾燥状態および湿潤状態によらずシートは柔らかくなる。また、流れ方向の乾燥引張強度を600N/m以上かつ幅方向の乾燥引張強度を200N/m以上にするとともに、流れ方向の湿潤引張強度を200N/m以上かつ幅方向の湿潤引張強度を70N/m以上にしているので、乾燥状態および湿潤状態によらず、拭き取り時のシートの破れを有効に抑えることができる。
【0025】
請求項10に示す発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載のラミネートシートにおいて、前記原紙シートのソフトネスが12〜24gfであることを特徴とする。
上記発明によれば、上記ソフトネスの範囲において、請求項9と同様の作用を奏することができる。
【0026】
請求項11に示す発明は、請求項1乃至10のいずれかに記載のラミネートシートにおいて、前記原紙シートは針葉樹晒クラフトパルプを主体とするとともに、該針葉樹晒クラフトパルプと広葉樹晒クラフトパルプとの重量比率を100:0〜50:50としたことを特徴とする。
上記発明によれば、上記重量比率の範囲において、請求項9と同様の作用を奏することができる。
【0027】
請求項12に示す発明は、ロール間隙をもって対向して回転する一対の各ロールに、別々に原紙シートを巻き付け、これら原紙シートのうちの少なくとも一方を前記巻き付け範囲の所定位置にてロール周面に押し付けて該原紙シートにエンボス加工し、該エンボス凸部が形成された原紙シートを他方の原紙シートと重ねて前記ロール間隙に通すことによりこれら原紙シート同士を貼り合わせてラミネートシートを製造するラミネートシートの製造方法において、前記一方の原紙シートが巻き付けられるロールの周面は、前記エンボス凸部を形成するための大きさの異なる二種類以上の突起を備え、前記原紙シートに、前記エンボス加工によって大きさの異なるエンボス凸部を一度に形成することを特徴とする。
上記発明によれば、請求項2と同様の作用を奏することができる。
【0028】
請求項13に示す発明は、互いに対向して回転する一対の各ロールに、別々に原紙シートを巻き付け、これら原紙シートのうちの少なくとも一方を前記巻き付け範囲の所定位置にてロール周面に押し付けて該原紙シートにエンボス加工し、該エンボス凸部が形成された原紙シートを他方の原紙シートと重ねた状態で、前記所定位置よりも下流側の巻き付け範囲に対向配置された貼り合わせロールとのロール間隙に通すことによりこれら原紙シート同士を貼り合わせてラミネートシートを製造するラミネートシートの製造方法において、前記一方の原紙シートが巻き付けられるロールの周面は、前記エンボス凸部を形成するための大きさの異なる二種類以上の突起を備え、前記原紙シートに、前記エンボス加工によって大きさの異なるエンボス凸部を一度に形成することを特徴とする。
上記発明によれば、請求項3と同様の作用を奏することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る一実施形態のラミネートシートとしてキッチンペーパーを例にとって、以下の項目順に説明する。
(1)ラミネートシート
(2)ラミネートシートの製造方法
(3)他の接着形態のラミネートシート例
尚、本発明のラミネートシートは、主にその製造方法に特徴があり、この特徴点を、図2に示す「Tip to Tip」の接着形態のラミネートシートを例に説明する。
【0030】
==(1)ラミネートシート==
先ず、このラミネートシート自身の有り様について前記図2を用いて説明すると、このラミネートシート1は、大小二種類の大きさのエンボス凸部が複数形成されたパルプ製の原紙シート11,21を2枚重ねにして接着したものであり、その坪量は30〜60g/mとなっている。尚、以下の説明においては、原紙シート11,21における大きい方のエンボス凸部をマクロエンボス凸部13,23、小さい方をマイクロエンボス凸部14,24と言い、また、説明の所々において、裏面側の原紙シート21に関係する部材の符号は括弧でくくって示す。
【0031】
この原紙シート11,21は、前記エンボス凸部の形成前の平滑シートの状態において、それぞれに以下の条件を満たすのが望ましい。尚、これら条件が好ましい理由は前述したので省略する。
【0032】
(a)原紙シートの坪量は17〜32g/mである。尚、この坪量の数値範囲は、後記貼り合わせ工程での引っ張り伸長に伴う原紙シートの減量分を1〜2g/mと見込んでのものであり、もって、この数値範囲の原紙シート2枚から上記坪量の範囲(30〜60g/m)のラミネートシートが製造される。
(b)原紙シートのJIS P8113に規定される乾燥引張強度が、抄紙工程の流れ方向で600〜1000N/m、前記流れ方向に対する直交方向である幅方向で200〜400N/mであり、湿潤引張強度が前記流れ方向で200〜400N/m、前記幅方向で70〜150N/mである。
(c)原紙シートのソフトネスは12〜24gfである。
(d)原紙シートは、針葉樹晒クラフトパルプ又は広葉樹晒クラフトパルプのうちの少なくともいずれか一方を主体とするとともに、これら針葉樹晒クラフトパルプと広葉樹晒クラフトパルプとの重量比率を100:0〜50:50である。
【0033】
ここで、前記乾燥引張強度は、JIS P8113に規定される引張特性試験方法に基づいて、以下のようにして測定される。先ず、試験片としての短辺長辺からなりその短辺長さが25mmのシートを、JISP8111に規定される雰囲気下(温度23±1℃、湿度50±2%の雰囲気下)に置き、前記試験片の温度および湿度が平衡状態となるまで待機する。そして、平衡状態となったら、この試験片の長辺方向の両端を180±1mmの間隔で掴んで、20±5mm/分の一定速度で破断するまで引っ張る。そして、その際の最大荷重を前記短辺長さ当たりに換算すれば前記乾燥引張強度が得られる。
【0034】
また、前記湿潤引張強度は、以下のようにして測定される。先ず、前記乾燥引張強度の場合と同サイズの試験片を、105℃の雰囲気下で3分間養生する。次いで、この試験片の長辺方向の両端を180±1mmの間隔で掴み、その長辺方向の中心に幅10mmに亘って、筆を用いて水を浸透させる。そして、この浸透後直ちに、前記両端を20±5mm/分の一定速度で破断するまで引っ張り、その際の最大荷重を前記短辺長さ当たりに換算すれば前記湿潤引張強度が得られる。
【0035】
また、前記ソフトネス(曲げ剛性)は、JIS L1096 E法に規定されるハンドルオメータ法に基づいて、ハンドルオメータ試験機を用いて測定される。尚、この試験機のスロット幅は10mmに設定されているとともに、試験片は、縦横に100mmの正方形のものを用いる。そして、前記スロット上に縦横に張られた前記試験片を、ブレードによってスロット内に押し込む際の抵抗値(gf)を、試験片の縦方向と横方向とで測定し、これら測定値を合計する。この測定を3回繰り返してこれら3回の平均値を算出し、この平均値をソフトネス(gf)とする。尚、このソフトネスの値が低い程、しなやかさがあることを示す。
【0036】
これら原紙シート11,21同士を接着する接着形態には、いわゆる「Tip to Tip」形態が適用されており、つまり表面側の原紙シート11のマクロエンボス凸部13に一対一に対応させて、裏面側の原紙シート21にマクロエンボス凸部23が形成される一方、これら原紙シート11,21の互いのマクロエンボス凸部13,23の天部同士をその突出方向面側で、接着剤31により接着することによって貼り合わされている。
【0037】
表面側および裏面側の原紙シート11,21のマクロエンボス凸部13,23の形状は共に同形状であり、四角錐の頭部を裁断したような裁頭四角錐状を呈し、もってこのマクロエンボス凸部13,23の天部は平坦になっている。そして、この互いの原紙シート11,21の平坦な天部同士が対向してPVA等の接着剤31によって接着され、これにより、マクロエンボス凸部13,23の周囲にはエンボス凹部15,25に挟まれた空間Sが形成されている。
【0038】
このマクロエンボス凸部13(23)の高さH1は、凸部13(23)の潰れ難さ等の観点から0.4〜1.5mmが好ましい。また、前記天部の面積A1(図2(a)の斜線部を参照)は、接着性および凸部13(23)の潰れ難さの観点から1〜10mmであるのが望ましく、凸部13(23)の底辺により画成される面積A2(図2(a)の斜線部を参照)は、凸部13(23)の潰れ難さの観点から前記天部の面積A1の1.0〜2.5倍であるのが望ましい
前記接着剤31には、PVA以外に、CMC、MC、およびでんぷん等が使用可能である。また、前記マクロエンボス凸部13(23)の形状は裁頭四角錐状に限るものではなく、裁頭三角錐状、裁頭多角錐状、および直方体状等でも良いが、その天部は、接着性の観点から平坦であるのが好ましく、つまりマクロエンボス凸部13(23)は裁頭形状が望ましい。但し、エンボスによる紙力低下の防止の観点からは、マクロエンボス凸部13(23)の端部は角状ではなく曲線状になっているのが望ましく、このことからマクロエンボス凸部13(23)の形状は、裁頭円錐状や裁頭楕円錘状であるのが更に好ましい。
【0039】
このようなマクロエンボス凸部13,23は、図2(a)に示すように、表面側の原紙シート11および裏面側の原紙シート21のそれぞれに対して、シート面上の縦横方向に所定ピッチPで形成されており、このマクロエンボス凸部13,23が形成されない部分である前記エンボス凹部15(25)は、シート面に対して縦横の筋からなる格子縞状になっている。
【0040】
一方、前記マイクロエンボス凸部14(24)は、前記エンボス凹部15(25)に、前記マクロエンボス凸部13(23)と突出方向を揃えて形成されている。このマイクロエンボス凸部14(24)は、ラミネートシート1を全体的に柔らかくするために形成され、本実施形態については、エンボス凹部15(25)の縦横の筋のそれぞれに対して、等ピッチに4列ずつ形成されている。
【0041】
このマイクロエンボス凸部14(24)は、前記マクロエンボス凸部13(23)よりも高さが低くかつ天部面積の狭いエンボス凸部であり、その形状は前記マクロエンボス凸部13(23)と類似形状の裁頭四角錐状に形成されている。
【0042】
このマイクロエンボス凸部14(24)の高さH2は、ラミネートシートに柔らかさを有効に付与すべく、マクロエンボス凸部13(23)の高さH1の30〜80%、好ましくは45〜60%である。また、同様の理由から、マイクロエンボス凸部14(24)の天部の面積A3は、マクロエンボス凸部13(23)の天部の面積A1の20%以下であるのが望ましく、この作用の確実性を増すためには、この条件に加えて前記天部面積A3が1mm未満であると良い。
【0043】
尚、前記マイクロエンボス凸部14(24)の形状は、前述したマクロエンボス凸部13(23)と同様に裁頭四角錐状に限るものではなく、裁頭三角錐状、裁頭多角錐状、および直方体状等でも良い。但し、エンボスによる紙力低下の防止の観点からは、マイクロエンボス凸部14(24)の端部は角状ではなく曲線状になっているのが望ましく、このことからマイクロエンボス凸部14(24)の形状は、裁頭円錐状や裁頭楕円錘状であるのが更に好ましい。
【0044】
==(2)ラミネートシートの製造方法==
ここで、本発明のラミネートシート1の特徴点である製造方法について説明する。
パルプ化工程および抄紙化工程等を経て製造された原紙シートは、抄紙化工程の終端にて巻き取り用リールに巻き取られて原紙シートロールとなる。ここで、パルプ化工程とは、原料である木材片等を蒸解液によって煮込んで繊維(パルプ)を取り出す工程を指し、また抄紙化工程とは、パルプ化工程で取り出されたパルプを含んだパルプ溶液をワイヤーパート上に流して抄くことにより均一で薄い連続シートに仕上げる工程を指す。
【0045】
次に、この原紙シートロール3を二つ、図4に示す貼り合わせ工程のライン51に搬入し、これら原紙シートロール3の一方を表面側の原紙シート11、もう一方を裏面側の原紙シート21として、それぞれをシートの状態に巻き出して互いに貼り合わせて前記ラミネートシート1にする。
【0046】
上記作業を行う貼り合わせ工程のライン51は、二つの原紙シートロール3,3をそれぞれシート状に巻き出すための上下一対の巻き出し用リール53,53と、この巻き出した上下一対の原紙シート11,21に前記エンボス加工して貼り合わせるための上下一対のエンボスロール55,57と、この2枚の原紙シート11,21が貼り合わされて形成されたラミネートシート1をロール状に巻き取るための巻き取り用リール59とを備えている。
【0047】
上下一対のエンボスロール55,57は、互いの周面を平行に対向させて中心軸周りに駆動回転可能に配置された同径の鋼製ロールである。その各ロール55,57の周面には、それぞれに、前記表面側の原紙シート11にマクロエンボス凸部13を、また裏面側の原紙シート21にマクロエンボス凸部23を形成すべく、これに対応する多数の突起55a,57aが同高に刻設されている。そして、そのロール間隙56aを、前記2枚の原紙シート11,21が通過する際にこれら原紙シート11,21同士を貼り合わせるようになっている。
【0048】
尚、それぞれの原紙シート11,21は、前記ロール間隙56aに至る前に、各エンボスロール55,57の周面に、その回転方向の所定範囲に亘って巻き付けられており、その周面と相対滑りをすることなくエンボスロール55,57の駆動回転によって前記ロール間隙56aまで移動するようになっている。この巻き付き始めの位置56bから前記ロール間隙56aまでの間に、貼り合わせるための処理がそれぞれの原紙シート11,21に施される。
【0049】
この処理について詳細に説明すると、この上下のエンボスロール55,57のそれぞれには、前記処理のために、その回転方向に沿って順に、エンボス形成位置と貼り合わせ位置とが設定されている。エンボス形成位置には、エンボスロール55,57の各周面に原紙シート11,21を押し付けるための押し付けロール61が、その周面をエンボスロール55,57に対向させて平行に配置されている。この押し付けロール61の表層部は、押し付け時にこの表層部に、エンボスロール55(57)の前記突起55a(57a)がめり込むような例えばゴムのような弾性素材で形成されている。そして、この押し付けロール61周面と、エンボスロール55(57)の前記突起55a(57a)との間で原紙シート11(21)を狭圧することにより、原紙シート11(21)にエンボス凸部13(23)を形成するようになっている。
【0050】
また、前記貼り合わせ位置では、前述したように、前記上下のエンボスロール55,57のロール間隙56aにて、前記2枚の原紙シート11,21が重ね合わされた状態で狭圧されて貼り合わされる。この狭圧時には、上下のエンボスロール55,57の周面に形成された前記突起55a,57aは、互いに対向するようになっており、これら突起55a,57aに狭圧されて、各原紙シート11,21の互いのエンボス凸部13,23の天部同士が接着される。
【0051】
尚、上エンボスロール55については、前記エンボス形成位置と貼り合わせ位置との間に、エンボス凸部13の天部に接着剤31を塗布するための接着剤塗布位置が設定されている。この接着剤塗布位置には、接着剤31を周面に担持するゴム素材の塗布ロール63がその周面を対向させて配置され、この塗布ロール63周面と前記エンボスロール55との間を原紙シート11が通過する際に、エンボス凸部13の天部にのみに選択的に前記塗布ロール63周面が接触して、もって当該天部にのみ接着剤31を塗布するようになっている。
【0052】
ここで、本発明のラミネートシート1にあっては、その製造方法における特徴点として、前記各エンボスロール55(57)の周面における前記突起55a,55a(57a,57a)同士の間の位置に、前記マイクロエンボス凸部14(24)を形成するための突起55b(57b)が設けられている。この突起55a,55b(57a,57b)の配置パターンを図5に拡大して示す。尚、図5(a)は平面図であり、図5(b)は図5(a)中のB−B線矢視の断面図である。
【0053】
図5(a)に示すように、これら突起55a,55b(57a,57b)は、前述したマクロエンボス凸部13(23)およびマイクロエンボス凸部14(24)に対応させて刻設されている。すなわち、ロール55(57)周面に亘ってその回転方向およびロール幅方向に所定ピッチPで、大突起55a(57a)が形成され、この大突起55a,55a(57a,57a)同士の間の部分は、ロール周面上において格子縞状になっている。この格子縞状の部分を構成する縦横の各筋部には、筋部毎に4列ずつ小突起55b(57b)が直線列状に配置されている。尚、この大小突起55a,55b(57a,57b)は、マクロエンボス凸部13(23)およびマイクロエンボス凸部14(24)の前述した寸法に対応させて、これらエンボス凸部13,14(23,24)とほぼ同寸法に設定されている。
【0054】
そして、このようにエンボスロール55(57)の周面は、大突起55a(57a)に加えて小突起55b(57b)を備えているので、前記押し付けロール61によって原紙シート11(21)をエンボスロール55(57)の周面に押し付ければ、当該周面の大小突起55a,55b(57a,57b)と共に原紙シート11(21)が押し付けロール61内にめり込んで、もってこの原紙シート11(21)にはマクロエンボス凸部13(23)およびマイクロエンボス凸部14(24)という二種類の大きさのエンボス凸部が一度に形成される。よって、二種類の大きさのエンボス凸部13,14(23,24)を原紙シート11(21)に形成するだけの目的で、周面に突起を備えたエンボスロールを追設しなくて済み、もって二種類の大きさのエンボス凸部が形成されたラミネートシート1の製造コストを低減可能となる。
【0055】
また、原紙シート11(21)に、マクロエンボス凸部13(23)およびマイクロエンボス凸部14(24)という二種類の大きさのエンボス凸部が一度に形成されるので、マイクロエンボス凸部14(24)をマクロエンボス凸部13(23)よりも先行して形成しなくて済む。そして、これにより、マイクロエンボス凸部14(24)を形成後の原紙シート11(21)の張力作用時間の短縮化が図れて、もって、マイクロエンボス凸部14(24)は鮮明に残存して、ラミネートシート1の見栄えは良くなる。
【0056】
尚、本実施形態にあっては、二種類の大きさのエンボス凸部を形成するために、大小突起という二種類の突起をロール周面に刻設したが、三種類以上の大きさのエンボス凸部を形成するためには、このエンボス凸部の大きさの種類と同数の種類の突起を刻設すれば良いのは言うまでもない。
【0057】
次に、図4に示すように、前記ロール間隙56aにて貼り合わされたラミネートシート1は、巻き取り用リール59によってロール状に巻き取られて次工程へと搬送される。そして、この次工程においては、このラミネートシート1は、パーフォレーションロール(ミシン刃ロール)によって、長手方向の適宜間隔に幅方向のミシン目が形成された後、ロール状に巻き取られて巻物の製品となるか、又は長手方向の適宜間隔に切断されて枚葉状シートの製品のいずれかになる。そして、前記収納箱に収納等された後、出荷される。
【0058】
尚、上記製造方法の説明にあっては、貼り合わせ工程のライン51を、前記パルプ化工程や抄紙化工程と別に設けたが、これに限るものではなく、この貼り合わせ工程のライン51を前記抄紙化工程に連続化させて、連続的に処理できるようにしても良い。
【0059】
(3)他の接着形態のラミネートシート例
ここで、他の接着形態のラミネートシートを図6を用いて説明する。図6(a)はこのラミネートシートの平面図であり、図6(b)は図6(a)中のB−B線矢視の断面図である。
【0060】
前述した実施形態のラミネートシート1は「Tip to Tip」の接着形態であったところ、本ラミネートシート1’の接着形態は「ネステッド」となっている。すなわち、同一シート面上における、マクロエンボス凸部13(23)とマイクロエンボス凸部14(24)との間の相対位置関係は、前記「Tip to Tip」の実施形態と同じであるが、表面側の原紙シート11と裏面側の原紙シート21との貼り合わせが、シート面の縦横に対して前記所定ピッチPの半分ずつずらされており、もって凸部と凹部とが接着されている。そして、この結果、図6(b)に示すように、表面側の原紙シート11のマクロエンボス凸部13が、裏面側の原紙シート21のマクロエンボス凸部23の周囲の部分であるエンボス凹部25に嵌り込んで、表面側の原紙シート11のマクロエンボス凸部13の天部が、前記エンボス凹部25に形成されたマイクロエンボス凸部24に接着されている。
【0061】
尚、図7に示すように、このマクロエンボス凸部13の天部が突き合わされるエンボス凹部25の位置にはマイクロエンボス凸部24を形成しないようにしても良く、このようにすると原紙シート11,21間の接着性が向上する。
【0062】
このような「ネステッド」のラミネートシート1’を製造するための貼り合わせ工程を図8に示す。
前述した「Tip to Tip」の貼り合わせ工程ライン51の場合は、上下一対のエンボスロール55,57間のロール間隙56aを、前記2枚の原紙シート11,21が重ね合わされた状態で通過する際に狭圧されて貼り合わされるものであった。これに対して、この貼り合わせ工程ライン51’は、前記エンボスロール55とエンボスロール57との間は大きく離間していて、もってこれらロール間では貼り合わされずに、前記エンボスロール55と、これに別途対向配置されたゴム製貼り合わせロール58との間のロール間隙58aを通過する際に貼り合わされるようになっている。尚、以下の説明においては、前記貼り合わせ工程ライン51と同様の構成部位については同じ符号を付してその説明は省略する。
【0063】
すなわち、本貼り合わせ工程ライン51’にあっては、エンボスロール55の回転方向における前記接着剤塗布位置よりも下流側に位置させて、前記貼り合わせロール58がその周面を対向させて配置されている。そして、巻き出し用リール53から巻き出されてエンボスロール55に巻き付けられた表面側の原紙シート11は、エンボスロール55の回転と共に、エンボス形成位置および接着剤塗布位置を順次通過した後、前記貼り合わせロール58との間のロール間隙58aを通過するようになっている。
【0064】
一方、巻き出し用リール53から巻き出されてエンボスロール57に巻き付けられた裏面側の原紙シート21は、前記エンボスロール57の回転と共にエンボス形成位置を通過後、巻き付きを解かれて前記ロール間隙58aの方向へ指向され、前記ロール間隙58aを通過するようになっている。そして、この通過時には前記表面側の原紙シート11に裏面側の原紙シート21は重ね合わされ、前記ロール55,58に狭圧されて貼り合わされる。
【0065】
尚、この貼り合わせにおいては、前記2枚の原紙シート11,21がロール間隙58aを通過する際に原紙シート11のマクロエンボス凸部13とマクロエンボス凸部23が、各々の凸部の間で嵌る形になっている。
【0066】
=== 実施例 ===
以下、実施例を参照して本発明の効果について説明する。
表1に、本発明に係るラミネートシート(キッチンペーパー)の一実施例における紙質および実使用による評価結果(ソフトネス、拭き取り易さ、破れ難さ)を、現在市場に流通している市販品のラミネートシートたるキッチンペーパー(比較例1、比較例2)と比較して示す。尚、紙質中の坪量、乾燥引張り強度(縦横)および湿潤引張り強度(縦横)は、ラミネートシートにおける値である。また、比較例1および比較例2のラミネートシートにはマクロエンボス凸部のみが形成されている一方で、実施例には、前記マクロエンボス凸部に加えてマイクロエンボス凸部が形成されている。尚、表中の実使用評価は、モニター30人に実際にラミネートシートを使用してもらい、拭き取り易さに関しては、拭き取り易い;3点、普通;2点、拭き取り難い1点と評価、また破れ難さに関しては、破れ難い;3点、普通;2点、破れ易い;1点として点数をつけてもらい、その平均点について3段階評価した(平均点が、2.6〜3点:○、1.6〜2.5点:△、1.0〜1.5点:×)。
【0067】
【表1】
Figure 2004066573
【0068】
以下、表1を参照して比較例と実施例とを対比する。比較例1は、良好な破れ難さを備える代表例であり、その破れ難さを奏するように引張り強度(乾燥および湿潤)は高く設定され、もって柔らかさの点では比較例2に劣る。このため、実使用評価の拭き取り易さは劣っている。逆に比較例2は、良好な柔らかさを備える代表例であり、その柔らかさを奏するように引張り強度は低く設定され、もって実使用評価の破れ難さは比較例1よりも劣っている。
【0069】
これに対して、本実施例は、比較例1と同等の高い引張り強度を備えることから、比較例1と同等の良好な破れ難さを奏するようになっている。一方で、柔らかさは、マイクロエンボス凸部を形成することによって付与されているので、上記引張り強度を維持しつつ、比較例2と同等の柔らかさを奏し、もって比較例2と同等の良好な拭き取り易さを奏するようになっている。
【0070】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で以下に示すような変形が可能である。
本実施形態においては、ラミネートシートとしてキッチンペーパーを例にとって説明したが、これに限るものではなく、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、および化粧用紙等にも適用可能である。
本実施形態においては、表面側の原紙シートおよび裏面側の原紙シートという両方の原紙シートに、マクロエンボス凸部と共にマイクロエンボス凸部を形成したが、これに限るものではなく、少なくともいずれか一方の原紙シートに、マクロエンボス凸部およびマイクロエンボス凸部といった二種類以上の大きさのエンボス凸部が形成されていれば本発明に該当するのは言うまでもない。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、大きさの異なる二種類以上のエンボス凸部を有する廉価で見栄えが良く、かつ柔らかさと破れ難さの両方を兼ね備えたラミネートシートおよびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の「Tip to Tip」形態のラミネートシートを示す図であって、図1(a)にその平面図を、図1(b)に、図1(a)中のB−B線矢視の縦断面図を示す。
【図2】本発明に係るラミネートシートを示す図であって、図2(a)にその平面図を、図2(b)に、図2(a)中のB−B線矢視の縦断面図を示す。
【図3】従来の貼り合わせ工程のラインの概略側面図である。
【図4】本発明のラミネートシートを製造するための貼り合わせ工程のラインの概略側面図である。
【図5】図5(a)は、本発明に係るエンボスロールの周面を拡大して示す平面図であり、図5(b)は、図5(a)中のB−B線矢視の縦断面図である。
【図6】本発明に係る、他の接着形態のラミネートシートを示す図であって、図6(a)にその平面図を、図6(b)に、図6(a)中のB−B線矢視の縦断面図を示す。
【図7】本発明に係る、他の接着形態のラミネートシートを示す図であって、図7(a)にその平面図を、図7(b)に、図7(a)中のB−B線矢視の縦断面図を示す。
【図8】本発明のラミネートシートを製造するための貼り合わせ工程のラインの概略側面図である。
【符号の説明】
1 ラミネートシート
11 表面側の原紙シート(一方の原紙シート)
21 裏面側の原紙シート(他方の原紙シート)
13,23 マクロエンボス凸部(エンボス凸部)
14,24 マイクロエンボス凸部(エンボス凸部)
15,25 エンボス凹部
31 接着剤
55,57 エンボスロール(ロール)
55a,57a 大突起(突起)
55b,57b 小突起(突起)
56a ロール間隙
S 空間

Claims (13)

  1. 互いに対向して回転する一対の各ロールに、別々に原紙シートを巻き付け、これら原紙シートのうちの少なくとも一方を前記巻き付け範囲の所定位置にてロール周面に押し付けて該原紙シートにエンボス加工し、該エンボス凸部が形成された原紙シートを他方の原紙シートに重ねて貼り合わせて製造されるラミネートシートにおいて、
    前記一方の原紙シートには、該原紙シートが巻き付けられるロールの周面が備える大きさの異なる二種類以上の突起によって、大きさの異なるエンボス凸部が形成されていることを特徴とするラミネートシート。
  2. 前記一対のロールはロール間隙をもって対向するとともに、
    前記エンボス凸部が形成された原紙シートが、前記他方の原紙シートと重なった状態で前記ロール間隙に通されて貼り合わされることを特徴とする請求項1に記載のラミネートシート。
  3. 前記一方の原紙シートを押し付ける前記所定位置よりも下流側の巻き付け範囲には、ロール間隙をもって貼り合わせロールが対向配置され、
    前記原紙シートが、前記他方の原紙シートと重なった状態で前記ロール間隙に通されて貼り合わされることを特徴とする請求項1に記載のラミネートシート。
  4. 前記他方の原紙シートが巻き付けられるロールの周面は、大きさの異なる二種類以上の突起を備え、前記他方の原紙シートは、前記巻き付け範囲の所定位置にて前記突起に押し付けられて形成された、大きさの異なるエンボス凸部を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のラミネートシート。
  5. 前記大きさの異なるエンボス凸部は、互いのエンボス凸部の高さが異なることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のラミネートシート。
  6. 前記大きさの異なるエンボス凸部は、互いのエンボス凸部の天部面積が異なることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のラミネートシート。
  7. 前記エンボス凸部は大小の二種類で形成され、小さい方のエンボス凸部の天部面積が1mm未満であることを特徴とする請求項6に記載のラミネートシート。
  8. 前記原紙シートの坪量が17〜32g/mであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のラミネートシート。
  9. 前記原紙シートのJIS P8113に規定される乾燥引張強度が、抄紙工程の流れ方向で600〜1000N/m、前記流れ方向に対する直交方向である幅方向で200〜400N/mであり、湿潤引張強度が前記流れ方向で200〜400N/m、前記幅方向で70〜150N/mであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のラミネートシート。
  10. 前記原紙シートのソフトネスが12〜24gfであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のラミネートシート。
  11. 前記原紙シートは針葉樹晒クラフトパルプを主体とするとともに、該針葉樹晒クラフトパルプと広葉樹晒クラフトパルプとの重量比率を100:0〜50:50としたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のラミネートシート。
  12. ロール間隙をもって対向して回転する一対の各ロールに、別々に原紙シートを巻き付け、これら原紙シートのうちの少なくとも一方を前記巻き付け範囲の所定位置にてロール周面に押し付けて該原紙シートにエンボス加工し、該エンボス凸部が形成された原紙シートを他方の原紙シートと重ねて前記ロール間隙に通すことによりこれら原紙シート同士を貼り合わせてラミネートシートを製造するラミネートシートの製造方法において、
    前記一方の原紙シートが巻き付けられるロールの周面は、前記エンボス凸部を形成するための大きさの異なる二種類以上の突起を備え、前記原紙シートに、前記エンボス加工によって大きさの異なるエンボス凸部を一度に形成することを特徴とするラミネートシートの製造方法。
  13. 互いに対向して回転する一対の各ロールに、別々に原紙シートを巻き付け、これら原紙シートのうちの少なくとも一方を前記巻き付け範囲の所定位置にてロール周面に押し付けて該原紙シートにエンボス加工し、該エンボス凸部が形成された原紙シートを他方の原紙シートと重ねた状態で、前記所定位置よりも下流側の巻き付け範囲に対向配置された貼り合わせロールとのロール間隙に通すことによりこれら原紙シート同士を貼り合わせてラミネートシートを製造するラミネートシートの製造方法において、
    前記一方の原紙シートが巻き付けられるロールの周面は、前記エンボス凸部を形成するための大きさの異なる二種類以上の突起を備え、前記原紙シートに、前記エンボス加工によって大きさの異なるエンボス凸部を一度に形成することを特徴とするラミネートシートの製造方法。
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