JP2005076141A - 薄葉紙の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 CMC等の添加剤を含有する薄葉紙を製造する際に、乾燥工程において紙を乾燥機から円滑に剥離させて、薄葉紙の製造効率を向上させ得る方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の薄葉紙の製造方法は、所定の原料から調製された紙料を抄紙した後、抄紙された紙を脱水、乾燥して薄葉紙を製造する方法であって、前記紙を乾燥機で乾燥する直前に、前記紙に添加剤及び第1の剥離剤を供給すると共に前記乾燥機の表面に第2の剥離剤を供給することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水解紙を始めとする各種薄葉紙の製造方法に関し、更に詳しくは、乾燥工程において紙を乾燥機から円滑に剥離させて、目的とする薄葉紙を効率良く製造する方法に関する。
従来の薄葉紙の製造方法は一般に、紙料を調製する工程と、調製された紙料を抄造して薄葉紙にする工程とを備えている。紙料の調製工程は、パルプ繊維等に柔軟性等を供給する叩解工程と、サイズ剤、顔料、紙力増強剤、漂白剤、凝集剤等の添加剤を添加する添加工程とを備え、紙料に基本的特性を供給する工程である。抄造工程は、調製工程から供給される紙料を抄紙する抄紙工程と、脱水、乾燥する乾燥工程と、仕上げ工程とを備え、薄葉紙として仕上げる工程である。
このような製造方法における添加剤の添加方法としては、調製工程においてパルプ繊維等の原料に添加する、いわゆる内添法が採られている。また必要に応じ、抄紙工程において紙の表面に添加剤を供給する、いわゆる外添法も適宜組み合わせることがある。
しかしながら、紙力増強剤として用いられるカルボキシメチルセルロース(以下「CMC」という)等を添加剤として用い、これを調製工程において内添すると、接着力の特に強いCMCが抄造工程の乾燥工程で乾燥機に付着して紙が破れるなど、薄葉紙の製造に支障のあることが多い。また、CMCの歩留まりが低く所期の紙力が得難いという課題がある。CMC等の添加剤を乾燥工程の後で紙の表面に外添する方法も考えられる。しかしこの方法では、更に乾燥工程が必要となる。添加剤を外添する場合の不都合を解消するために種々の提案がなされているが(特許文献1及び2参照)、十分な解決策とはなっていない。
特開平7−310298号公報 特開2001−226891号公報
従って本発明の目的は、CMC等の添加剤を含有する薄葉紙を製造する際に、乾燥工程において紙を乾燥機から円滑に剥離させて、薄葉紙の製造効率を向上させ得る方法を提供することにある。
本発明は、所定の原料から調製された紙料を抄紙した後、抄紙された紙を脱水、乾燥して薄葉紙を製造する方法であって、前記紙を乾燥機で乾燥する直前に、前記紙に添加剤及び第1の剥離剤を供給すると共に前記乾燥機の表面に第2の剥離剤を供給することを特徴とする薄葉紙の製造方法を提供することにより前記目的を達成したものである。
本発明の薄葉紙の製造方法によれば、CMC等の添加剤を含有する紙を乾燥機から円滑に剥離させることができる。従って、薄葉紙を高速度且つ高効率で製造できる。
また2種類の剥離剤を用いているので、ヤンキードライヤへの紙の接着の程度をコントロールしやすく、その結果クレープ加工を効率的に行うことができ、風合いの良好な薄葉紙を容易に得ることができる。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には本発明の薄葉紙の製造方法の実施に好ましく用いられる薄葉紙の製造装置の一例の要部が示されている。
まず、本発明の薄葉紙の製造方法に好ましく用いられる製造装置の一例について説明する。本製造装置は、紙料を調製する調製装置と、調製装置から供給される原料を抄造する抄紙機とを備えている。調製装置は、パルプ繊維等の原料を叩解する叩解装置と、叩解された原料にサイズ剤、顔料、紙力増強剤、漂白剤、凝集剤等の添加剤を添加する添加装置とを備え、薄葉紙の特性に応じた所定濃度の原料からなる紙料を完成紙料として調製するように構成されている。抄紙機は、フォーマーと、ワイヤーパートと、プレスパートと、ドライパートと、ワインダーパートとを備えて構成されている。フォーマーは、調製装置から供給された完成紙料を所定の濃度に調節してワイヤーパートへ供給するものである。ワイヤーパートは、フォーマーから供給された完成紙料を抄き網に紙層として形成するものである。プレスパートは、ワイヤーパートにおいて形成された紙層をプレスロールのフェルトに挟んだ状態で紙層を圧搾、脱水して湿紙を形成するものである。ドライパートは、プレスパートにおいて形成された湿紙を一台又は複数台の乾燥機によって乾燥させるものである。この場合、乾燥と脱水を兼ねるものも含まれる。ワインダーパートは、ドライパートにおいて乾燥された紙を薄葉紙として巻き取るものである。
本製造装置は、抄紙機の複数の乾燥機のうち最終的な乾燥をする最下流に配設された乾燥機に、後述する装置(添加剤供給装置40及び剥離剤供給装置50等)を付加することが望ましい。この他は従来の製造装置に準じて構成されている。本製造装置のドライパートの好ましくは最下流に配設された乾燥機は、図1に示すように、大型の回転ドラムからなるヤンキードライヤ10からなる。ヤンキードライヤ10は、該ヤンキードライヤ10の上流側に配設された図示しない乾燥機(例えばスルーエアードライヤ)とコンベア20を介して連結されている。ヤンキードライヤ10の上流側にスルーエアードライヤなどの他の乾燥機を設置し、この乾燥機で紙30を予備乾燥させると、後述する添加剤等を紙30に供給する工程で、紙30の強度が低下しづらくなるという利点がある。予備乾燥では紙30を水分率20%以下に乾燥させることが好ましい。
コンベア20は、それぞれ矢示方向に回転する上コンベアベルト21と下コンベアベルト22とを備えている。コンベア20は、直前の乾燥機によって乾燥された紙30をこれら両ベルト21,22間に挟持した状態でヤンキードライヤ10へ搬送するように構成されている。上コンベアベルト21の下流側の折り返し端には真空ロール23が配置されている。真空ロール23は、上コンベアベルト21の表面に紙30を吸着させ、その吸着状態下に上コンベアベルト21を搬送させるようになっている。上コンベアベルト21の表面に吸着された紙30は、これに接触しているヤンキードライヤ10に引き渡される。ヤンキードライヤ10は矢示方向に回転している。
上コンベアベルト21及び下コンベアベルト22は何れもプラスチック製のネットから構成されることが好ましい。一般的な薄葉紙の製造装置においてはこれらのベルトはフェルト製であるが、本製造装置においてはプラスチック製が好ましい。この理由は次の通りである。後述するように、本発明においては、紙30をヤンキードライヤ10に引き渡す直前に、該紙30に添加剤及び第1の剥離剤を供給する。このとき、紙30は上コンベアベルト21の表面に吸着された状態となっている。従って、上コンベアベルト21がフェルト製である場合には、紙30に供給した添加剤及び第1の剥離剤の多くがフェルトに吸収されてしまい、十分な量が紙30に付着されない。これに対して上コンベアベルト21がプラスチック製のベルトであれば、そのような不都合は生ぜず十分な量の添加剤及び第1の剥離剤が紙30に付着する。またプラスチック製のネットはフェルト製のベルトに比べて洗浄しやすいという利点もある。同様の観点から下コンベアベルト22もプラスチック製としている。
図1に示すように本製造装置は、添加剤供給装置40と剥離剤供給装置50とドクターナイフ60とを更に備えている。添加剤供給装置40はヤンキードライヤ10の下方且つ真空ロール23の前に配設されている。添加剤供給装置40は、真空ロール23に向けてCMC等の添加剤及び第1の剥離剤の混合溶液を噴霧して、紙30の幅方向全域に該混合溶液を均一にまたは所定のパターン形状で塗布するものである。剥離剤供給装置50はヤンキードライヤ10の下方且つ添加剤供給装置40の隣に配設されている。剥離剤供給装置50は、ヤンキードライヤ10の幅方向全域に第2の剥離剤を均一に塗布するものである。ドクターナイフ60は、剥離剤供給装置50を該ドクターナイフ60と添加剤供給装置40とで挟む位置に配設されている。ドクターナイフ60は、紙30にクレープをかけながら、ヤンキードライヤ10から紙30を剥離させるものである。尚、図1中、符号70はクレープがかけられて形成された薄葉紙31を巻き取るワインダーである。
添加剤供給装置40は、紙30に対してCMC等の添加剤及び第1の剥離剤の混合溶液を噴霧するスプレーノズルを備えている。スプレーノズルは紙30の幅方向にわたり複数個配置されている。スプレーノズル間の間隔は、隣り合うスプレーノズルから噴霧される混合溶液がオーバーラップするような間隔とすることが、混合溶液の均一塗布の点から好ましい。スプレーノズルは可動になっており、スプレーノズルの真空ロール23に対する距離や角度を適宜調節できるようになっている。混合溶液の噴射圧も調節できるようになっている。これによって、混合溶液が紙30の内部へ浸透する程度を適宜制御することができる。混合溶液の紙30への浸透度は、真空ロール23の真空度を調節することによっても制御できる。
スプレーノズルはそのノズルチップ部が、例えばタングステンカーバイドなどの超硬合金製であり且つ耐摩耗処理が施されていることが好ましい。添加剤及び第1の剥離剤の混合溶液を供給するに際して該混合溶液を高圧噴霧すると、該混合溶液が微粒化して均一塗布が可能になるという利点があるが、混合溶液に含まれるCMC等は高粘度であることから該混合溶液を高圧噴霧するとノズルチップ部の摩耗が激しくなる。そこでノズルチップ部を前述のように構成することで、そのような不都合が生じることを効果的に防止できる。また、高粘度であるが故に高濃度で噴霧しづらいCMCを、高圧のうえ高濃度で噴霧することも可能となり、これにより高速生産が可能になるという利点もある。
剥離剤供給装置50は、第2の剥離剤の溶液を噴霧するスプレーノズルを備えている。スプレーノズルはヤンキードライヤ10の幅方向にわたり複数個配置されている。スプレーノズル間の間隔は、隣り合うスプレーノズルから噴霧される第2の剥離剤の溶液がオーバーラップするような間隔とすることが、第2の剥離剤の均一塗布の点から好ましい。スプレーノズルは可動になっており、スプレーノズルのヤンキードライヤ10に対する距離や角度を適宜調節できるようになっている。第2の剥離剤の溶液の噴射圧も調節できるようになっている。
ドクターナイフ60は、紙30にクレープを形成させながらヤンキードライヤ10から紙30を剥がすように、ヤンキードライヤ10に接触させて配設されている。
ヤンキードライヤ10は、その表面に接着した紙30を剥離させるのに要する回転力に基づき検出し、該回転力の変動をフィードバックして第2の剥離剤の供給量を制御するようになっている。更に詳細には、ヤンキードライヤ10からの紙30の剥離力は、ヤンキードライヤ10の汚れの状態などによって変動する。そこで、ヤンキードライヤ10の回転力を負荷電流やトルクとして検出し、これをフィードバックして該負荷電流やトルクの変化に応じて剥離剤供給装置50からの第2の剥離剤の供給量を増減制御する。これによって、ヤンキードライヤ10に対する紙30の接着力を常時一定に保つことができる。なお第2の剥離剤と異なり、第1の剥離剤の供給量は常に一定に保っておくことが好ましい。
本実施形態に用いられるサイズ剤、顔料、紙力増強剤、剥離剤、漂白剤、凝集剤等の添加剤としては従来公知のものを用いることができる。薄葉紙として例えば水解紙を製造するときには、添加剤として紙力増強剤の一種であるCMC等の各種バインダを用いることができる。剥離剤については後述する。
本製造装置を用いた本発明の好ましい一実施形態こよれば、以下のようにして薄葉紙が製造される。即ち、調製装置において原料のパルプ繊維を叩解すると共にサイズ剤等の所定の添加剤をこの原料に添加することによって所定の完成紙料を調製する。この完成紙料をフォーマーへ供給する。フォーマーは完成紙料を所定の濃度に調整してワイヤーパートに供給する。ワイヤーパートでは完成紙料が抄紙されて湿紙が形成される。抄紙された湿紙はプレスロールによって押圧されその水分の80%程度が脱水される。脱水された湿紙はドライヤパートヘ引き渡される。
ドライヤパートにおいては一台又は複数台の乾燥機が用いられる。何れの場合においても、図1に示すように、紙30を最終乾燥する直前において次の操作が行われる。即ち、上コンベアベルト21に吸着された状態で搬送されてくる紙30がヤンキードライヤ10の表面に接触して乾燥される直前に、剥離剤供給装置50によってヤンキードライヤ10の幅方向全域に第2の剥離剤が供給される。また、上コンベアベルト21に吸着された状態で搬送されてくる紙30がヤンキードライヤ10の表面に接触して乾燥される直前に、添加剤供給装置40によって紙30の幅方向全域に添加剤及び第1の剥離剤の混合溶液が供給される。添加剤及び第1の剥離剤並びに第2の剥離剤は、これらの噴霧に支障のない程度の粘度に希釈されて供給される。
これらの剤が供給された後、紙30は矢示方向へ搬送されて、表面に第2の剥離剤が供給されているヤンキードライヤ10に引き渡される。以後ヤンキードライヤ10が紙30を搬送する。ヤンキードライヤ10によって紙30が矢示方向に搬送されて乾燥が進行する。紙30がドクターナイフ60の位置に達すると、ドクターナイフ60によって紙30にクレープがかけられ、ヤンキードライヤ10から剥がされる。これによって薄葉紙31が得られる。得られた薄葉紙31はその後ワインダー70に巻き取られる。
このように本実施形態においては、第2の剥離剤が供給された状態のヤンキードライヤ10の表面に、添加剤及び第1の剥離剤が供給された紙30が搬送されて、該紙30がヤンキードライヤ10によって乾燥される。これによって、CMCのような接着性を有する添加剤を高濃度で紙30に外添しても、紙30がヤンキードライヤ10に貼り付いて剥がれなくなることが効果的に防止される。また、ヤンキードライヤ10に対する紙30の貼り付きの程度が適度なものとなるので、ドクターナイフ60によるクレープがけを効率的に行える。つまり、2種類の剥離剤を用いることで、ヤンキードライヤ10からの紙30の剥離のしやすさと、ドクターナイフ60によるクレープ加工の効率とを適度にバランスさせることが容易となる。その結果、風合いの良好な薄葉紙31を得ることができる。更に添加剤を外添することから、該添加剤を高濃度で供給することに制約がない。特に、添加剤として高粘度の物質であるCMCを用いた場合、これを紙料中に内添させると、内添させる為に更なるカチオン性の助剤等が必要になり、コストアップとなってしまう。また、このCMCを添加したパルプ原料は、抄紙の際にさらに多量の水に希釈されるので、シート化される際の歩留りが良くない。外添すれば、CMC単体を直接紙に付着させる事ができ、この様な問題が生じないので、CMCを高濃度で供給出来る。CMC等を高濃度で供給できることは、薄葉紙として例えば水解紙を製造する場合に該水解紙の水解性を向上させる点から極めて有利である。その上、CMCや剥離剤を外添することで、製造状況に応じ臨機応変にこれらの剤の添加量を増減できる。内添ではそのような増減操作は困難である。
第1の剥離剤と第2の剥離剤とは、ヤンキードライヤ10に対する紙30の貼り付きの程度が適切なレベルになるように選定される。一般的な選定基準は次の通りである。第1の剥離剤としては、該剥離剤はCMC等の添加剤と共に供給されることから、剥離性を有しつつも、ある程度の接着性を有する物質を用いることが好ましい。またCMC等の添加剤に対して凝集性を有しないものを用いることも好ましい。一方、第2の剥離剤としては、これがヤンキードライヤ10の表面に供給されることから、剥離性が速効的に発現する物質を用いることが好ましい。
また剥離性の程度に関しては、第1の剥離剤よりも第2の剥離剤の方が剥離性が高い(つまり紙30を剥離させやすい)ものであることが好ましい。この理由は、接着剤であるCMC等が多量にドライヤー10に供給されるため、剥離性の高い剤を使用しないと、ドライヤー10から紙が剥がれずコントロールできなくなるからである。各剥離剤の剥離性は、剥離力の大小を尺度として次のように測定できる。0.3重量%(固形分)の剥離剤及び2重量%のCMC(商品名 CMC−1330)を含む水溶液を調製し、これをアルミ箔上に塗布する。塗布量は100g/m2とする。その上に原紙を重ね120℃で1分間乾燥する。次いで、引張試験機を用いて180度剥離試験を行い剥離力を測定する。試験片の幅は50mmとし、チャック間距離は50mm、引張速度は50mm/分とする。
以上の観点から、第1の剥離剤としては例えばオレイン酸を主成分としている剥離剤を用いることが好ましい。具体的には、オレイン酸を40〜60重量%程度含み、更にポリアルキレンアルキルエーテル等の非イオン界面活性剤などの界面活性剤を数%程度含み、残部が水からなる剥離剤を用いることができる。一方、第2の剥離剤としてはジエチレントリアミンのアルキルアミドを主成分としているものが好ましい。具体的には脂肪酸のアルキル鎖がC14、C16、C18等であり、アミン成分がジエチレントリアミンエピクロルヒドリン四級化物からなるものを用いることができる。
第1の剥離剤及び第2の剥離剤の供給量の総和は、両剥離剤及び添加剤が供給される前の紙30の重量に対して0.05〜0.15重量%、特に0.12〜0.14重量%であることが、ヤンキードライヤ10に対する紙30の貼り付きの程度が適切なレベルになることから好ましい。また、第1の剥離剤及び第2の剥離剤の供給量の総和(つまり剥離剤の全供給量)に対する第1の剥離剤の供給量は80重量%以上、特に97重量%以上であることが、ヤンキードライヤ10からの紙30の剥離のしやすさと、ドクターナイフ60によるクレープ加工の効率とが適度にバランスする点から好ましい。
添加剤の供給量は、目的とする薄葉紙の用途や添加剤の種類に応じて適切な値とすることができる。例えば添加剤としてCMCを用い、薄葉紙として水解紙を製造する場合には、CMC及び両剥離剤が供給される前の紙30の重量に対するCMCの供給量は2〜10重量%、特に5〜8重量%であることが、水解性の良好な紙を得る点から好ましい。
以上のようにして製造された薄葉紙は添加剤の種類等に応じて種々の用途に用いられる。例えば添加剤としてCMCを用いた場合には、得られた薄葉紙を水解紙として用いることができる。この場合、水解紙は例えば、中間にトイレットペーパー等の中芯紙を介在させた3層構造からなる清掃用の洗浄剤含有吸収紙の両表面材(外層紙)として好適に用いることができる。
本発明は前記実施形態に制限されない。例えば本発明に用いられる製造装置として、図1に示すものに代えて図2に示すものを用いることができる。図2に示す製造装置においては、図1に示す製造装置で用いられたスプレーノズルからなる添加剤供給装置40に代えてロールコータ40’からなる添加剤供給装置が用いられている。本実施形態においても図1に示す実施形態と同様の作用効果を期することができる。
以下実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。特に断らない限り「%」は「重量%」を意味する。
〔実施例1〕
針葉樹クラフトパルプ(NBKP)からなる紙を湿式抄造した。この紙をスルーエアードライヤで予備乾燥させ水分率を4%とした。次に図1に示す装置を用い、前述した方法で、この紙にCMCと第1の剥離剤とを含む混合水溶液を供給し、またヤンキードライヤに第2の剥離剤を含む水溶液を供給した。混合水溶液中のCMCの濃度は4%、第1の剥離剤の濃度は0.07%であった。第2の剥離剤の水溶液の濃度は0.04%であった。紙の重量に対するCMC、第1の剥離剤及び第2の剥離剤それぞれの供給量はそれぞれ表1に示す通りであった。ヤンキードライヤでの乾燥後、ドクターナイフによってクレープ加工を行い、目的とする水解紙(薄葉紙)を得た。
第1の剥離剤としては、オレイン酸を約50%含みポリオキシエチレンアルキルエーテルを3%含む水溶液を用いた。前述した方法で測定したこの剥離剤の剥離力は38g/50mmであった。第2の剥離剤としては、ジエチレントリアミンのアルキルアミド(脂肪酸のアルキル鎖がC14、C16、C18等であり、アミン成分がジエチレントリアミンエピクロルヒドリン四級化物からなる)を用いた。前述した方法で測定したこの剥離剤の剥離力は11g/50mmであった。第2の剥離剤の供給に際しては、ヤンキードライヤの表面からの紙の剥離力を、ヤンキードライヤの回転力(負荷電流)に基づき検出し該回転力の変動をフィードバックして第2の剥離剤の供給量を制御した。
〔実施例2〜8並びに比較例1及び2〕
抄造する紙の原料組成、並びにCMC、第1の剥離剤及び第2の剥離剤の供給量を表1に示す通りとする以外は実施例1と同様にして水解紙(薄葉紙)を得た。
〔性能評価〕
実施例及び比較例で得られた水解紙について以下の方法で湿潤状態での裂断長及びほぐれやすさの程度を測定した。また、ヤンキードライヤからの紙の剥離性の良否を評価した。それらの結果を表1に示す。
〔裂断長〕
水解紙から長さ150mm×幅15mmの試験片を切り出す。試験片に評価液を含浸させる。含浸率は200%とする。JIS P8113に準じて裂断長を測定する。引張試験機のチャック間隔は100mmとし、引張速度は20mm/分とする。測定は、水解紙の流れ方向(MD)及び幅方向(CD)の両方向について行った。裂断長は湿潤紙力強度の尺度となるものであり、裂断長が大きいほど湿潤紙力強度が高いことを意味する。
〔ほぐれやすさの程度〕
JIS P4501−1993(トイレットペーパー)に準じて測定する。
〔ヤンキードライヤからの紙の剥離性〕
ヤンキードライヤから紙が剥離する様子を目視観察する。紙に破れが生ぜずクレープがけを十分に行えた場合を「○」とし、紙が破れたりクレープがけが不十分な場合を「×」と評価する。
Figure 2005076141
表1に示す結果から明らかなように、本発明に従い製造された水解紙は湿潤紙力強度が高く、また水解性が良好であることが判る。また本発明に従い水解紙を製造すると、ヤンキードライヤにおいて紙の破れが発生せず、またクレープがけが十分に行われることが判る。これに対して比較例1では、抄紙は可能なものの剥離性が不安定でクレープがけが安定して行えなかった。比較例2では抄紙ができなかった。なお表に示していないが、CMCと第1の剥離剤との混合溶液では凝集は観察されなかった。
本発明の薄葉紙の製造方法の実施に好ましく用いられる薄葉紙の製造装置の一例の要部を示す工程図である。 本発明の薄葉紙の製造方法の実施に好ましく用いられる薄葉紙の製造装置を示す図1相当図である。
符号の説明
10 ヤンキードライヤ(乾燥機)
30 紙
31 薄葉紙
40 添加剤供給装置
50 剥離剤供給装置

Claims (7)

  1. 所定の原料から調製された紙料を抄紙した後、抄紙された紙を脱水、乾燥して薄葉紙を製造する方法であって、前記紙を乾燥機で乾燥する直前に、前記紙に添加剤及び第1の剥離剤を供給すると共に前記乾燥機の表面に第2の剥離剤を供給することを特徴とする薄葉紙の製造方法。
  2. 第1の剥離剤よりも第2の剥離剤の方が剥離性が高いものである請求項1記載の薄葉紙の製造方法。
  3. 前記添加剤がカルボキシメチルセルロースである請求項1又は2記載の薄葉紙の製造方法。
  4. 第1の剥離剤がオレイン酸を主成分としている請求項1〜3の何れかに記載の薄葉紙の製造方法。
  5. 第2の剥離剤がジエチレントリアミンのアルキルアミドを主成分としている請求項1〜4の何れかに記載の薄葉紙の製造方法。
  6. 第1の剥離剤の供給量が剥離剤の全供給量の80%以上である請求項1〜5の何れかに記載の薄葉紙の製造方法。
  7. 乾燥機の表面からの前記紙の剥離力を、乾燥機の回転力に基づき検出し該回転力の変動をフィードバックして第2の剥離剤の供給量を制御する請求項1〜6の何れかに記載の薄葉紙の製造方法。
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