JP6969639B2 - トイレットロール - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、フィルムからなる包装袋にロール製品を複数個収納してなるロール製品パッケージが開示されている。特許文献2には、ロール製品が1プライの場合、坪量が16.5〜21.5g/m2であることが好ましいと記載されている。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[2] トイレットペーパーの表面及び裏面のハンドフィール値の平均が65.0以上である[1]に記載のトイレットロール。
[3] トイレットペーパーに50gf/cm2の圧力をかけた際の厚みが75μm以上110μm以下である[1]又は[2]に記載のトイレットロール。
[4] トイレットペーパーに0.5gf/cm2の圧力をかけた際の厚みが180μm以上300μm以下である[1]〜[3]のいずれかに記載のトイレットロール。
本発明は、1プライのトイレットペーパーを巻き取ってロール状としたトイレットロールに関する。ここで、本発明のトイレットロールの巻長は95m以上150m以下であり、巻径は110mm以上120mm以下である。また、本発明のトイレットロールを構成するトイレットペーパーの1プライ当たりの坪量は10g/m2以上16g/m2以下である。そして、本発明のトイレットロールを構成する1プライのトイレットペーパーにはエンボス加工が施されている。
本発明においては、トイレットペーパーの坪量を上記範囲内とすることにより、所望の巻径を有するトイレットロールを製造しやすくなる。通常、巻長の長いトイレットロールを製造する際には、ロール状に巻き取る際の巻き締め力を強くすることによって巻径をコントロールしている。しかし、本発明においては、ロール状に巻き取る際の巻き締め力を従来法における強さまで強くしなくても所望の巻径を有するトイレットロールを製造することができる。また、巻取の固さを抑えることで所定の幅に断裁する際にコア芯(紙管)潰れの発生をより効果的に抑制することができる。
トイレットロールの巻き密度は、巻長が120mの場合は、1.15m/cm2以上であることが好ましく、1.31m/cm2以上であることがより好ましい。また、1.45m/cm2以下であることが好ましく、1.41m/cm2以下であることがより好ましい。
トイレットロールの巻き密度は、巻長が150mの場合は、1.45m/cm2以上であることが好ましく、1.63m/cm2以上であることがより好ましい。また、1.85m/cm2以下であることが好ましく、1.77m/cm2以下であることがより好ましい。
なお、上記巻き密度は、コア芯径を39mmとした場合の値である。
巻き密度(m/cm2)=巻長/トイレットロール断面積
まず、ティシューソフトネスアナライザーのサンプル台に、直径112.8mmの円形にカットしたサンプルを設置する。このサンプルに対し、ブレード付きローターを100mNの押し込み圧力をかけて上方から押し込む。その後、ブレード付きローターを回転数が2.0回転/秒となるように回転させ、その時の振動周波数を測定する。
また、直径112.8mmの円形にカットした別のサンプルに対し、ブレード付きローターを100mNと、60mNの圧力で押し込んだ際の上下方向の変形変位量を算出する。HF値は、振動周波数と変形変位量から算出される値であり、計算のアルゴリズムはTP IIを用いることができる。
HF値を算出する際は、表裏面について測定をそれぞれ10回ずつ行い、得られた測定データからHampel identifierの方法で異常値を除外する。そして、各表面のHF値の平均値から、トイレットペーパーのHF値の平均値を算出する。
なお、上記サンプルの測定はISO187に準拠した環境(温度23±1℃、相対湿度50±2%)で行う。また、測定の際には、付属の説明書に従い標準サンプル(emetec ref.2X(nn.n))で校正し、アルゴリズムをTP IIに設定する。計算ソフトウェアとしてはemetec measurement system ver.3.22を使用する。
トイレットペーパーの幅方向の引張強度は0.30N/15mm以上であることが好ましく、0.40N/15mm以上であることがより好ましい。また、トイレットペーパーの幅方向の引張強度は2.00N/15mm以下であることが好ましく、1.50N/15mm以下であることがより好ましく、1.20N/15mm以下であることがさらに好ましい。
トイレットペーパーは、繊維原料を含むスラリーを抄紙することによって得られる。繊維原料としては、パルプを用いることが好ましい。パルプとしては、木材パルプ、非木材パルプ、脱墨パルプを挙げることができる。木材パルプとしては例えば、広葉樹パルプ(広葉樹クラフトパルプ(LKP))、針葉樹パルプ(針葉樹クラフトパルプ(NKP))、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)、ソーダパルプ(AP)、未晒しクラフトパルプ(UKP)、酸素漂白クラフトパルプ(OKP)等の化学パルプ等が挙げられる。また、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)等の機械パルプ等が挙げられるが、特に限定されない。非木材パルプとしてはコットンリンターやコットンリント等の綿系パルプ、麻、麦わら、バガス等の非木材系パルプ、ホヤや海草等から単離されるセルロース、キチン、キトサン等が挙げられるが、特に限定されない。脱墨パルプとしては古紙を原料とする脱墨パルプが挙げられるが、特に限定されない。パルプは上記の1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
トイレットペーパーには、繊維原料の他に任意成分が含まれていてもよい。任意成分としては、例えば、乾燥紙力剤、湿潤紙力剤、柔軟剤等を挙げることができる。乾燥紙力剤としては、例えば、カチオン化澱粉、ポリアクリルアミド(PAM)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を挙げることができる。湿潤紙力剤としては、ポリアミドエピクロロヒドリン、尿素、メラミン、熱架橋性ポリアクリルアミド等を挙げることができる。柔軟剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等を挙げることができる。上記の任意成分は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
トイレットペーパーに湿潤紙力剤が含まれている場合は、湿潤紙力剤の含有量は、トイレットペーパーに含まれる繊維成分の100質量部に対して、0.001質量部以上0.10質量部以下であることが好ましい。
また、トイレットペーパーに柔軟剤が含まれている場合は、柔軟剤の含有量は、トイレットペーパーに含まれる繊維成分の100質量部に対して、0.01質量部以上0.50質量部以下であることが好ましい。
本発明においては、上記のような任意成分の添加量を適宜調整することによって、坪量を下げた場合であっても、トイレットペーパーの強度を維持している。
本発明のトイレットロールの製造方法は、1プライのトイレットペーパーウェブを得る工程と、トイレットペーパーにエンボス加工を施す工程と、エンボス加工を施したトイレットペーパーをロール状に巻き取る工程と、を含む。
なお、トイレットロールの製造方法の全工程中において、上記のエンボス加工を施す工程は1回のみ設けられる。
ここで、エンボス加工に用いるエンボスロールには凸構造高さ0.75mm以上0.85mm以下の凸構造が設置されていることが好ましい。また、エンボスロールには凸構造密度(エンボス密度)が10個/cm2以上30個/cm2以下の略均一な凸構造が設置されていることが好ましい。そして、エンボス加工では、上記のエンボスロールを8kgf/cm以上20kgf/cm以下の圧力で型押しすることが好ましい。
巻き取り工程では、例えばマンドレルシャフトを有するワインダーを用いて、以下のように行うことができる。(1)まず巻芯となる紙管をマンドレルシャフトに挿入し、固定する。(2)紙管に接着剤を付着させ、紙管にトイレットペーパーの始端部を接着固定する。(3)マンドレルシャフトを回転させることにより、トイレットペーパーを製品長さ分だけ紙管に巻き取る。
針葉樹クラフトパルプ(NKP)23質量部、広葉樹クラフトパルプ(LKP)77質量部となるように混合したパルプスラリーを、ダブルディスクリファイナーを用いて叩解電力200Kwで叩解した。上記パルプスラリーに柔軟剤(星光PMC株式会社製)0.02質量部、湿潤紙力剤(星光PMC株式会社製)0.05質量部を添加して、抄紙用パルプスラリーを調製した。
調製した抄紙用パルプスラリーを、ツインワイヤーヤンキーマシンにより抄紙し、トイレットペーパーウェブ巻取を得た。なお、トイレットペーパーの坪量(1プライ)が表1に記載の通りとなるように抄紙条件を調整した。
得られた原紙巻取を加工機にかけ、巻き解いた後、エンボス加工を施した。その後、コア芯径39mmのコア芯に、サーフェイス方式で上記トイレットペーパーを巻き取った。サーフェイス方式の巻き取り工程では、表1の巻径になるようにライダーロールの押し付け圧を調整し、表1の長さになるように再度巻き取った。得られた巻取を所定の幅に断裁することで1プライのトイレットロールを得た。
坪量が表1に記載の通りとなるように、針葉樹クラフトパルプ(NKP)15質量部、広葉樹クラフトパルプ(LKP)85質量部となるように混合したパルプスラリーを叩解電力150Kwで叩解した以外は、実施例1と同様にして1プライのトイレットロールを得た。
坪量が表1に記載の通りとなるように、針葉樹クラフトパルプ(NKP)20質量部、広葉樹クラフトパルプ(LKP)75質量部となるように混合したパルプスラリーを叩解電力150Kwで叩解した以外は実施例1と同様にして1プライのトイレットロールを得た。
坪量が表1に記載の通りとなるように、針葉樹クラフトパルプ(NKP)23質量部、広葉樹クラフトパルプ(LKP)77質量部となるように混合したパルプスラリーを叩解電力250Kwで叩解し、柔軟剤の添加量を0.05質量部に変更した以外は実施例1と同様にして1プライのトイレットロールを得た。
(比較例2及び3)
比較例2及び3は、市販されている既知の製品である。
(坪量)
実施例及び比較例で得たトイレットペーパーの坪量はJIS P 8124に準拠して測定した。
実施例及び比較例で得たトイレットペーパーの引張強度は、サンプル幅15mm、引張速度50mm/分、スパン長100mmの条件で、横型引張試験機(熊谷理器社製)を用いて測定した。なお、引張強度は、1プライのトイレットペーパーの縦方向と横方向の両方向の強度を測定した。各々の方向について6サンプルの平均値を算出してそれぞれの引張強度とした。また、引張強度の測定は、ISO187に準拠した環境(温度23±1℃、相対湿度50±2%)で行った。
実施例及び比較例で得られたトイレットペーパーのHF値は、ティシューソフトネスアナライザー(Emtec Electronic GmbH社製)を用いて測定した。サンプル台に、直径112.8mmの円形にカットしたサンプルを設置し、このサンプルに対し、ブレード付きローターを100mNの押し込み圧力をかけて上方から押し込んだ。その後、ブレード付きローターを回転数が2.0回転/秒となるように回転させ、その時の振動周波数を測定した。また、直径112.8mmの円形にカットした別のサンプルに対し、ブレード付きローターを100mNと、60mNの圧力で押し込んだ際の上下方向の変形変位量を算出した。HF値は、振動周波数と変形変位量から、算出される値であり、計算のアルゴリズムはTPIIを用いた。なお、上記の測定は、各サンプルの表面(外面)と裏面(内面)についてそれぞれ10回ずつ行い、得られた測定データからHampel identifierの方法で異常値を除外し、表面及び裏面について各々平均値を算出した。さらにこのようにして算出した2つの面のHF値の平均値を算出し、それをHF値として評価に用いた。
なお、上記サンプルの測定はISO187に準拠した環境(温度23±1℃、相対湿度50±2%)で行った。また、測定の際には、付属の説明書に従い標準サンプル(emetec ref.2X(nn.n))で校正し、アルゴリズムをTP IIに設定した。計算ソフトウェアにはemetec measurement system ver.3.22を使用した。
実施例及び比較例で得たトイレットペーパーの圧縮性について、KES FB3−AUTO−A自動化圧縮試験機(カトーテック株式会社製)を用いて測定した。2cm2の加圧板と受圧板間に10cm×10cmにカットしたサンプルを設置し、50秒/mmの速さで加圧板を下降させ、その際に時々刻々と変化する圧力とその時のサンプルの厚みを測定することで、下記の項目を算出した。
T0:圧力0.5gf/cm2下におけるサンプルの厚み
Tm:圧力50gf/cm2下におけるサンプルの厚み
上記の項目の値は、各サンプルについて10回の測定を行い、得られた測定データからHampel identifierの方法で異常値を除外し、平均値として算出した値である。なお、上記サンプルの測定はISO187に準拠した環境(温度23±1℃、相対湿度50±2%)で行った。
エンボス加工工程の後には、巻き取り工程が設けられる。巻き取り工程においては、所定長さ分の巻き取りを行い、その後、得られた巻取を所定の幅に断裁する。この断裁後の断面の状態を50ロール分観察し、トイレットロールのコア芯(紙管)の状態について3段階で評価を行った。表1に示した記号は下記の意味を示す。
<コア芯潰れ>
○:コア芯の潰れが発生せず正常
△:コア芯の潰れが1個以上10個未満において発生
×:コア芯の潰れが10個以上で発生
実施例及び比較例で得たトイレットペーパーについて、水準を隠した状態で官能評価を実施した。50人に製品を触ってもらい、製品の肌触りについて3段階で評価を行った。表1に示した記号は下記の意味を示す。
<肌触り>
○:優れている
△:やや劣る
×:劣る
100 トイレットロール
a 表面
b 裏面
P トイレットロールロールの断面積
R トイレットロールロールの巻径
S 紙管径
Claims (5)
- 1プライのトイレットペーパーを巻き取ってロール状としたトイレットロールであって、
前記トイレットロールの巻長が95m以上150m以下であり、
前記トイレットペーパーにはエンボス加工が施されたものであり、
前記トイレットペーパーに50gf/cm2の圧力をかけた際の厚みが75μm以上110μm以下であり、
前記トイレットペーパーに0.5gf/cm 2 の圧力をかけた際の厚みが180μm以上300μm以下である、トイレットロール。 - 前記トイレットペーパーは、前記エンボス加工により形成されたエンボスパターンを有し、
前記エンボスパターンにおける、前記エンボス密度は10個/cm2以上30個/cm2以下であり、
前記エンボスパターンでは、1個のエンボス直径は0.5mm以上2.0mm以下である請求項1に記載のトイレットロール。 - 前記エンボスパターンでは、エンボス深さが0.85mm以下である請求項2に記載のトイレットロール。
- 1プライのトイレットペーパーにエンボス加工を施す工程と、
エンボス加工を施したトイレットペーパーをロール状に巻き取る工程とを含むトイレットロールの製造方法であって、
前記エンボス加工を施す工程は、1プライのトイレットペーパーにエンボスロールでエンボスを形成する工程であり、
前記エンボス加工を施す工程では、前記エンボスロールを8kgf/cm以上20kgf/cm以下の圧力で型押しし、
前記トイレットロールの巻長が95m以上150m以下であり、
前記トイレットペーパーに50gf/cm2の圧力をかけた際の厚みが75μm以上110μm以下であり、
前記トイレットペーパーに0.5gf/cm 2 の圧力をかけた際の厚みが180μm以上300μm以下である、トイレットロールの製造方法。 - 前記エンボスロールは凸構造を有し、前記凸構造の高さが0.85mm以下である請求項4に記載のトイレットロールの製造方法。
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