JP7013829B2 - トイレットペーパー、トイレットロールおよびトイレットペーパーの製造方法 - Google Patents

トイレットペーパー、トイレットロールおよびトイレットペーパーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、トイレットペーパー、該トイレットペーパーをロール形態としたトイレットロールおよびトイレットペーパーの製造方法に関する。
トイレットペーパー製品は、1枚または2枚以上重ねたトイレットペーパーウェブを所定の大きさに切断して製造され、長尺のトイレットペーパーがロール状に巻回されてなるトイレットロールとして提供されているものが多い。1枚のトイレットペーパーウェブから製造されたトイレットペーパーは1プライのトイレットペーパーと称され、2枚重ねのトイレットペーパーウェブから製造されたトイレットペーパーは2プライのトイレットペーパーと称されている。
トイレットペーパーは、直接肌に触れるものであるので、柔らかでふっくらとした手触りないしは肌触りが要求される。一方で、トイレットペーパーは、ロールに巻かれた状態から巻き出されて使用されるのが一般的であるので、使用時には好ましい引張強度(巻き出しを行うための引っ張り力の作用に対する破れにくさ)が要求される。しかし手触り感と引張強度とはトレードオフの関係にあり、これらを折衷させることを目的としたトイレットペーパーの発明に係る特許出願が多数なされている。例えば、本出願人は、手触りの評価基準の1つであるハンドフィール(HF)値と、トイレットペーパーの圧縮率とに着目し、2プライのトイレットペーパーの第1面(外面)および第2面(内面)のHF値の平均値を規定するとともに、異なる圧力をかけた際の圧縮率の関係を規定することで、官能的品質と引張強度とを両立させた提案を行っている(特許文献1)。
特開2017-169681号公報
本発明は、特許文献1その他の従来の技術とは異なる基準に基づいてトイレットペーパーの紙質の設計を行うことで、破れにくさと手触り感とを両立させることを目的とする。
また、本発明は、使用に先立つ乾燥時の強度だけでなく、使用に伴う湿潤時の強度を向上させたトイレットペーパーを提供することを他の目的とする。
そのために、本発明は、2プライのトイレットペーパーであって、所定方向の引張エネルギー吸収量が4.0~10.0J/m2であることを特徴とする。ここで、乾燥時における、前記所定方向の引張強度と前記所定方向に直交する方向の引張強度との積の平方根が0.70~0.95N/15mmであるものとすることができる。また、含有するパルプ成分の長さ加重平均繊維長が0.75~1.00mmであるもの、ないしは、湿潤破裂強度が90~160kPaであるものとすることができる。
また、本発明は、上記トイレットペーパーを、前記所定方向が巻き出し方向となるようにロール状に形成してなるトイレットロールに存する。
さらに、本発明は、上記トイレットペーパーを製造する方法であって、前記引張エネルギー吸収量が6.0~12.0J/m2となるように伸びを調整するために、前記所定方向と直交する方向に沿って延在するクレープを、前記所定方向に平行に形成するクレープ加工を施す工程を含む方法に存する。
本発明に係る2プライのトイレットペーパーは、所定方向(長さ方向)に4.0~10.0J/m2の引張エネルギー吸収量(TEA)を有するように形成される。また、乾燥時における所定方向の引張強度と所定方向に直交する方向の引張強度との幾何平均が0.70~0.95N/15mmであるものとする。これらにより、柔らかさと乾燥時の破れにくさが折衷される。さらに、含有するパルプ成分の長さ加重平均繊維長を0.75~1.00mmとし、ないしは、湿潤破裂強度を90~160kPaとすることで、湿潤時の破れにくさも実現される。
(a)は、本発明の一実施形態に係るトイレットペーパーを適用したトイレットロールの外観を示す斜視図、(b)は、図1(a)におけるIb-Ib線に沿った、トイレットペーパーの縦方向(長さ方向)Tにおける断面の一部を示す図である。 (a)~(c)は、実施形態の原理を説明するための説明図である。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。但し、以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例または変形例に基づいてなされることがあるが、本発明はそれらに限定されるものではない。
1.トイレットペーパーおよびトイレットロールの構成
図1(a)は、本発明の一実施形態に係るトイレットペーパーを適用したトイレットロールの外観を示す斜視図である。また、図1(b)は、図1(a)におけるIb-Ib線に沿った所定方向であるトイレットペーパーの縦方向(長さ方向)Tにおける断面の一部を示す図である。本実施形態に係るトイレットロール10は、2枚(2プライ)の長尺のティシュ11a,11bを重ね合わせて形成されたトイレットペーパー11を、円筒状の巻き芯14に所定長巻回してなるものである。トイレットペーパー11には、後述する抄紙工程においてクレープ加工を施すことにより、長さ方向Tに直交する横方向(幅方向)Yに沿って延在する多数のクレープ15が平行に形成され、これにより長さ方向Tの伸張性を高めるようにされている。
2.紙質の設計指針
まず、破れにくさと手触り感との両立を検討するにあたり、本発明者らは、引張吸収エネルギー(Tensile Energy Absorption;TEA。引張エネルギー吸収量とも称される)を紙質設計の指針とすることに着目した。TEAの値(単位:J/m2)は、トイレットペーパーの引張試験において、破断するまでの引張荷重-伸び曲線の積分値と言うことができる。すなわち、図2(a)に示すように、破断が生じるまでの引張試験の過程で引張荷重と伸びとを測定し、測定値をプロットして得た曲線から、斜線で示す面積として算出されるものである。
単に破れにくさに注目すれば、図2(b)に示すように、引張強度を増大させればよい。引張強度は、叩解処理、紙力増強剤の付与量あるいはパルプ成分などの調整によって増加させることができる。しかし単に引張強度を増加させるだけでは、紙質は硬くなる傾向にあり、この結果トイレットペーパーの柔らかさないしは手触り感が減殺されてしまう。そのため、柔らかさが犠牲にされないように、製造工程において上記調整を厳密に行う必要が生じ得る。
そこで本発明者らは、図2(c)に示すように、伸び率を高めることでTEAの値(面積)を増大させ、手触り感と破れにくさとを両立させることに想到した。ここで、官能的評価である手触り感などを客観的に表す基準として、ハンドフィール値(HF値)という指標があるが、トイレットペーパーの場合、このHF値が70より大きければ、概ね、手触りがよいと感じられる傾向にある。そして本発明者らは、具体的には、長さ方向TにおけるTEAが4.0~10.0J/m2であれば、ロールからの引き出し時の破れにくさと、70超のHF値とを両立できるとの知見を得た。
また、本発明者らは、柔らかさと破れにくさとの両立をさらに効果的に実現するために、乾燥時の長さ方向Tの引張強度と、乾燥時の幅方向Yの引張強度との積の平方根(幾何平均)に着目した。具体的には、当該乾燥時のそれらの方向の引張強度の幾何平均が0.70~0.95N/15mmであることが好ましいとの知見を得た。
さらに、トイレットペーパーには、使用に先立つ乾燥時の強度だけでなく、使用に伴う湿潤時の強度も十分であることが要求される。そこで本発明者らは、トイレットペーパーに含まれるパルプ成分の長さ加重平均繊維長および湿潤破裂強度に着目し、それぞれ、0.75~1.00mmおよび90~160kPaであることが好ましいとの知見を得た。
本発明者らは、以上の知見を検証するための実験を行った。また、その内容、および、より好ましい各値の範囲については、表1に基づいて後述する。
3.トイレットペーパーの製造方法
本発明のトイレットペーパーの製造方法は、繊維原料を含むスラリーを抄紙し、1プライのトイレットペーパーウェブを得る工程と、1プライのトイレットペーパーウェブ同士を積層する工程(以下、貼り合わせ工程ともいう)を含む。
スラリーを抄紙する工程の前には、繊維原料を漂白する工程を含んでもよい。漂白工程で使用する漂白剤としては、酸素系漂白剤や塩素系漂白剤等の公知の漂白剤を挙げることができる。
1プライのトイレットペーパーウェブを得る工程は、繊維原料を含むスラリーを得る工程を含む。スラリーを得る工程においては、繊維原料を叩解する工程を含むことが好ましい。叩解工程においては、例えば、ダブルディスクリファイナー等を用いて叩解処理を施すことができる。この時、針葉樹パルプと広葉樹パルプをそれぞれ単独で叩解してもよいし、混合させた後に叩解してもよい。
1プライのトイレットペーパーウェブを得る工程は、繊維原料を含むスラリーを抄紙する工程を含む。抄紙する工程で用いられる抄紙機としては、例えば、サクションブレストフォーマー(円網タイプ、長網タイプ)、ツインワイヤーフォーマー、円網フォーマー(Cラップ、Sラップ)、クレセントフォーマー等の抄紙機を挙げることができる。
抄紙する工程では、網状のワイヤー上に繊維原料を含むスラリーが供給されてパルプの薄層が形成される。その後、プレスパートに向かって移送されながら、パルプの薄層の水分が網の下へ抜かれることでパルプの薄層は脱水される。このような工程を脱水工程と呼ぶこともある。一般に、ワイヤーは、金属またはプラスチック製の網を環にしたものである。
抄紙する工程では、例えば、針葉樹パルプと広葉樹パルプを混合したパルプスラリーを抄紙して均一な1つの層として湿紙を形成する方法、もしくは、針葉樹パルプ層と広葉樹パルプ層を抄き合わせて1枚の湿紙を形成する方法などがあるが、いずれの手法を採用してもよい。
脱水工程の後、湿紙はワイヤーからフェルトへと移動する。フェルトを介してプレスロールで湿紙に圧力を加えることにより、湿紙はさらに機械的に搾水される。これを、プレス工程あるいは搾水工程と呼ぶこともある。
抄紙する工程は、搾水工程の後に、さらに乾燥工程を含むことが好ましい。乾燥工程は、例えば、湿紙に向かって熱風を吹き付ける工程、もしくは、ドライヤシリンダーの外周面に圧着させる工程であることが好ましい。乾燥工程の過程でドライクレープ加工を施し、本発明規定のTEA値が得られるクレープが形成されるようにする。しかし、脱水工程ないしはプレス工程の過程で湿紙にウェットクレープ加工を施し、4.0~10.0J/m2のTEA値が得られるクレープが形成されるようにしてもよい。
乾燥工程の後には、原紙巻取り工程が設けられる。原紙巻取り工程では、上記の工程を経て仕上げられたトイレットペーパーウェブ(薄葉紙)が巻取られることで、1プライの原紙巻取が得られる。この際、トイレットペーパーウェブ(薄葉紙)の第1面(外面)が原紙巻取の外周面となるように巻取ることが好ましい。
1プライのトイレットペーパーウェブ同士を積層する工程(貼り合わせ工程)においては、上述した工程で得られた1プライの原紙巻取を2本用意する。この原紙巻取2本を加工機にかけ、巻き解きながら原紙表面へのエンボス加工ならびに2プライへの貼り合わせを行う。この際、1プライの原紙巻取の第1面(外面)同士が外側にくるように2プライへの貼り合わせを行うことが好ましい。
本発明は、上記のようにTEA値の範囲を規定することで、柔らかさと破れにくさとの両立を実現するもので、特許文献1に開示されたようなエンボス加工が施されることを有効な条件としないが、エンボス加工を行う工程を排除するものではない。エンボス加工を実施する場合は、エンボスの付与されたエンボスロールにより加圧することで行う。エンボスロールの押し込み量または押し込み圧を変更することによって、所定のエンボス高さを有するエンボス形状を形成することができる。エンボス加工は、後述するように貼り合わせ工程の前に行ってもよく、貼り合わせ工程の後に行ってもよい。なお、手触り感を良化する観点からエンボス加工は貼り合わせ工程の前に行うことが好ましい。
貼り合わせ工程では、1プライのトイレットペーパーウェブを2枚積層し、貼り合わせを行う。この工程では、例えば、原紙を重ねた後に製品の端部となる部分に幅狭のコンタクトエンボスを付与することによって貼り合わせることができる。その際、エンボスロールによって押し込まれた面を外側にして貼り合わせる方が、手触り感の観点から好ましい。
貼り合わせ工程の後には、さらに巻取り工程が設けられる。この巻取り工程においては、所定の製品長を満たすように、所定の長さ分の巻取りを行う。そして、得られたトイレットペーパー原紙のロールを所定の幅に断裁することで、図1(a)および(b)に示したトイレットロール10が形成される。
なお、本実施形態のトイレットペーパーには、繊維原料の他に任意成分が含まれていてもよい。任意成分としては、例えば、乾燥紙力剤、湿潤紙力剤、柔軟剤等を挙げることができる。
4.実施例および比較例
本発明者らは、本実施形態の指針に従って製造したトイレットペーパーの実施例1~6と、そうでない比較例1、2と基づいて、上記知見を検証した。表1は、実施例1~6と比較例1、2との、紙厚その他の諸元をまとめるとともに、またそれらの官能評価の結果をまとめたものである。しかし以下の実施例に示す諸元、処理内容および処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。すなわち、本発明の範囲は以下に示す実施例によって限定的に解釈されるべきものではない。
4.1 諸元
まず、実施形態に関わる主な諸元の意味および測定方法について説明する。
坪量
実施例および比較例で得たトイレットペーパーの坪量はJIS P 8124に準拠して測定した。なお、表1に示す坪量は1プライについての値である。
紙厚
2プライのトイレットペーパーの紙厚は、厚さ計(ハイブリッジ製作所製)を用いて、測定子を1秒間に1mm以下の速度で下ろしたときの値を読み取った。なお、紙厚は8サンプルの平均値を算出したものとした。紙厚の測定は、ISO187に準拠した環境(温度23±1℃、相対湿度50±2%)で行った。
長さ加重平均繊維長
トイレットペーパー中に含有される繊維成分(パルプ成分)の長さ加重平均繊維長であり、トイレットペーパー中に含有される繊維成分(パルプ成分)を離解して得られる繊維成分の繊維長であって、離解繊維長と称されることもある。繊維成分(パルプ成分)としては種々のものが採用され、混合して用いられることもある。加重平均繊維長は、以下の測定方法で算出された繊維長である。
まず、トイレットペーパーを水に離解させて得られた繊維分散スラリーを作製する。繊維分散スラリーは、4gのトイレットペーパーを200mlの水に入れ、4500rpmで離解機を運転し、十分に離解するまで攪拌させることにより得る。得られた繊維分散スラリーを0.01質量%以上0.02質量%以下になるように希釈し、希釈液を作製する。この希釈液10mlに含まれる繊維成分の投影長さを、繊維長測定装置(メッツォオートメーション社製、カヤーニファイバーラボVer4.0)を用いて測定し、離解繊維の長さ加重平均値を算出する。
乾燥引張強度、伸び率、TEA、ヤング率
JIS P 8113に準拠し、横型引張試験機(熊谷理機工業株式会社製)を用いて2プライの各トイレットペーパーの引張試験を行い、引張荷重、伸びおよび乾燥引張強度の測定を行うとともに、伸び率およびヤング率の算出を行った。この測定は、幅が15mmのサンプルを用い、引張速度50mm/分、スパン長100mmの条件で行った。なお、引張強度の測定は、ISO187に準拠した環境(温度23±1℃、相対湿度50±2%)で行う。引張強度の測定に際し、トイレットペーパーが破断するまでに得た引張荷重および伸びをプロットして引張荷重-伸び曲線を得、TEAを算出した。また、紙厚の値をもとにヤング率を算出した。各物性値はすべて6サンプルの平均値である。
湿潤破裂強度
湿潤破裂強度は以下のように測定した。
まず、トイレットペーパーを5×5cmに切り出し、60枚(30組に相当)重ねた試験片を作製し、重量を測定する。上記試験片を23℃の純水に浸漬させた後、ろ紙(東洋濾紙株式会社 標準用ろ紙No.26)で余分な水分を取り除き、再び重量を測定する。試験片の含水率が175%以上200%以下であることを確認した後、低圧型破裂試験機(熊谷理機工業株式会社製、2021-C)にて破裂強度(kPa)を測定する。6回の測定の平均値を算出して湿潤破裂強度とする。なお湿潤破裂強度の測定は、ISO187に準拠した環境(温度23±1℃、相対湿度50±2%)で行う。なお、トイレットペーパーの含水率は、下記の式により算出される値である。
含水率(%)=(浸漬前後の試験片重量差)×100/浸漬前の試験片重量
HF
ハンドフィール値(HF値)は、ティシューソフトネスアナライザー(Emtec Electronic GmbH社製)を用いて、以下の測定方法によって測定した。
まず、ティシューソフトネスアナライザーのサンプル台に、直径112.8mmの円形にカットしたサンプルを設置する。このサンプルに対し、ブレード付きローターを100mNの押し込み圧力をかけて上方から押し込む。その後、ブレード付きローターを回転数が2.0回転/秒となるように回転させ、その時の振動周波数を測定する。また、直径112.8mmの円形にカットした別のサンプルに対し、ブレード付きローターを100mNと、600mNの圧力で押し込んだ際の上下方向の変形変位量を算出する。HF値は、振動周波数と変形変位量とから算出される値であり、計算のアルゴリズムはTPIIを用いることができる。
HF値を算出する際は、各サンプルの第1面(2プライで構成されるトイレットペーパーの巻外側のプライの外側の面)と第2面(2プライで構成されるトイレットペーパーの巻芯側のプライの内側の面)についてそれぞれ10回ずつ行い、その平均値を本実施形態におけるHF値とした。
なお、上記サンプルの測定はISO187に準拠した環境(温度23±1℃、相対湿度50±2%)で行った。また、測定の際には、ティシューソフトネスアナライザー付属の説明書に従い標準サンプル(emetec ref.2X(nn.n))で校正し、アルゴリズムをTPIIに設定した。計算ソフトウェアとしては、emetec measurement system ver.3.22を使用した。
4.2 官能評価
以上のように測定された諸元をもつ実施例1~6および比較例1、2に係るトイレットペーパーに対し、破れにくさ、柔らかさおよび湿潤時の強度について官能評価を実施した。評価は次の基準で行った。すなわち、実施例1~6および比較例1、2で得たトイレットペーパーについて、水準を隠した状態で官能評価を実施した。50人のモニターに製品を触ってもらい、製品の破れにくさ、柔らかさおよび湿潤時の強度について、「特に優れている」と感じたものを3点、「優れている」と感じたものを2点、「やや劣る」と感じたものを1点、「劣る」と感じたものを0点とした4段階の評価を行ってもらった。表1に示した記号◎、○、△および×は、それぞれ、50人全体の評価点の平均値が2.25~3点、1.5~2.25点、0.75~1.5点および0~0.75点のものを示している。
5.結論
実施例1~6の官能評価の対比から明らかなように、2プライのトイレットペーパーのTEAが4.0~10.0J/m2であれば、ロールからの引き出し時の破れにくさと、柔らかさの指標となる70超のHF値とを概ね両立できるとの結論を得た。また、TEAの下限値が5.0J/m2以上であれば、ないしは、乾燥時における長さ方向Tの引張強度と幅方向Yの引張強度との幾何平均が0.70~0.95N/15mmであれば、破れにくさおよび柔らかさの官能評価が高まるので、より好ましいことが確認された。
また、長さ加重平均繊維長が0.75~1.00mm、ないしは、湿潤破裂強度が90~160kPaであれば、破れにくさおよび柔らかさが両立するとともに、湿潤時の強度の官能評価が高まるので好ましい。長さ方向Tのヤング率が10~30GPaであれば、破れにくさの官能評価が高くなり、さらに上限値が15GPa以下であれば、HF値がさらに高まるのでより好ましい。
以上に対し、比較例1では、TEAが過小であり、この場合、HF値がある程度高く、柔らかさの評価は比較的良好であるものの、破れにくさおよび湿潤時の強度の官能評価は劣るものとなっている。また、比較例2では、TEAが過大であり、この場合、破れにくさの官能評価は高いものの、HF値が低く、柔らかさの官能評価は劣るものとなっている。
Figure 0007013829000001

Claims (5)

  1. 2プライのトイレットペーパーであって、前記トイレットペーパーの長さ方向の引張エネルギー吸収量が4.0~10.0J/m2であり、
    乾燥時における、前記長さ方向の引張強度と前記長さ方向に直交する方向の引張強度との積の平方根が0.70~0.95N/15mmであり、
    前記トイレットペーパーの前記長さ方向の伸び率は、8.66~17.63%であり、
    前記トイレットペーパーの前記長さ方向のヤング率は、10~30GPaであることを特徴とするトイレットペーパー。
  2. 含有するパルプ成分の長さ加重平均繊維長が0.75~1.00mmであることを特徴とする請求項1に記載のトイレットペーパー。
  3. 湿潤破裂強度が90~160kPaであることを特徴とする請求項1または2に記載のトイレットペーパー。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載のトイレットペーパーを、前記長さ方向が巻き出し方向となるようにロール状に形成してなることを特徴とするトイレットロール。
  5. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載のトイレットペーパーを製造する方法であって、前記引張エネルギー吸収量が4.0~10.0J/m2となるように伸びを調整するために、前記長さ方向と直交する方向に沿って延在するクレープを平行に形成するクレープ加工を施す工程を含むことを特徴とする方法。
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