JP7013829B2 - トイレットペーパー、トイレットロールおよびトイレットペーパーの製造方法 - Google Patents
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Description
図1(a)は、本発明の一実施形態に係るトイレットペーパーを適用したトイレットロールの外観を示す斜視図である。また、図1(b)は、図1(a)におけるIb-Ib線に沿った所定方向であるトイレットペーパーの縦方向(長さ方向)Tにおける断面の一部を示す図である。本実施形態に係るトイレットロール10は、2枚(2プライ)の長尺のティシュ11a,11bを重ね合わせて形成されたトイレットペーパー11を、円筒状の巻き芯14に所定長巻回してなるものである。トイレットペーパー11には、後述する抄紙工程においてクレープ加工を施すことにより、長さ方向Tに直交する横方向(幅方向)Yに沿って延在する多数のクレープ15が平行に形成され、これにより長さ方向Tの伸張性を高めるようにされている。
まず、破れにくさと手触り感との両立を検討するにあたり、本発明者らは、引張吸収エネルギー(Tensile Energy Absorption;TEA。引張エネルギー吸収量とも称される)を紙質設計の指針とすることに着目した。TEAの値(単位:J/m2)は、トイレットペーパーの引張試験において、破断するまでの引張荷重-伸び曲線の積分値と言うことができる。すなわち、図2(a)に示すように、破断が生じるまでの引張試験の過程で引張荷重と伸びとを測定し、測定値をプロットして得た曲線から、斜線で示す面積として算出されるものである。
本発明のトイレットペーパーの製造方法は、繊維原料を含むスラリーを抄紙し、1プライのトイレットペーパーウェブを得る工程と、1プライのトイレットペーパーウェブ同士を積層する工程(以下、貼り合わせ工程ともいう)を含む。
本発明者らは、本実施形態の指針に従って製造したトイレットペーパーの実施例1~6と、そうでない比較例1、2と基づいて、上記知見を検証した。表1は、実施例1~6と比較例1、2との、紙厚その他の諸元をまとめるとともに、またそれらの官能評価の結果をまとめたものである。しかし以下の実施例に示す諸元、処理内容および処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。すなわち、本発明の範囲は以下に示す実施例によって限定的に解釈されるべきものではない。
まず、実施形態に関わる主な諸元の意味および測定方法について説明する。
実施例および比較例で得たトイレットペーパーの坪量はJIS P 8124に準拠して測定した。なお、表1に示す坪量は1プライについての値である。
2プライのトイレットペーパーの紙厚は、厚さ計(ハイブリッジ製作所製)を用いて、測定子を1秒間に1mm以下の速度で下ろしたときの値を読み取った。なお、紙厚は8サンプルの平均値を算出したものとした。紙厚の測定は、ISO187に準拠した環境(温度23±1℃、相対湿度50±2%)で行った。
トイレットペーパー中に含有される繊維成分(パルプ成分)の長さ加重平均繊維長であり、トイレットペーパー中に含有される繊維成分(パルプ成分)を離解して得られる繊維成分の繊維長であって、離解繊維長と称されることもある。繊維成分(パルプ成分)としては種々のものが採用され、混合して用いられることもある。加重平均繊維長は、以下の測定方法で算出された繊維長である。
JIS P 8113に準拠し、横型引張試験機(熊谷理機工業株式会社製)を用いて2プライの各トイレットペーパーの引張試験を行い、引張荷重、伸びおよび乾燥引張強度の測定を行うとともに、伸び率およびヤング率の算出を行った。この測定は、幅が15mmのサンプルを用い、引張速度50mm/分、スパン長100mmの条件で行った。なお、引張強度の測定は、ISO187に準拠した環境(温度23±1℃、相対湿度50±2%)で行う。引張強度の測定に際し、トイレットペーパーが破断するまでに得た引張荷重および伸びをプロットして引張荷重-伸び曲線を得、TEAを算出した。また、紙厚の値をもとにヤング率を算出した。各物性値はすべて6サンプルの平均値である。
湿潤破裂強度は以下のように測定した。
まず、トイレットペーパーを5×5cmに切り出し、60枚(30組に相当)重ねた試験片を作製し、重量を測定する。上記試験片を23℃の純水に浸漬させた後、ろ紙(東洋濾紙株式会社 標準用ろ紙No.26)で余分な水分を取り除き、再び重量を測定する。試験片の含水率が175%以上200%以下であることを確認した後、低圧型破裂試験機(熊谷理機工業株式会社製、2021-C)にて破裂強度(kPa)を測定する。6回の測定の平均値を算出して湿潤破裂強度とする。なお湿潤破裂強度の測定は、ISO187に準拠した環境(温度23±1℃、相対湿度50±2%)で行う。なお、トイレットペーパーの含水率は、下記の式により算出される値である。
含水率(%)=(浸漬前後の試験片重量差)×100/浸漬前の試験片重量
ハンドフィール値(HF値)は、ティシューソフトネスアナライザー(Emtec Electronic GmbH社製)を用いて、以下の測定方法によって測定した。
以上のように測定された諸元をもつ実施例1~6および比較例1、2に係るトイレットペーパーに対し、破れにくさ、柔らかさおよび湿潤時の強度について官能評価を実施した。評価は次の基準で行った。すなわち、実施例1~6および比較例1、2で得たトイレットペーパーについて、水準を隠した状態で官能評価を実施した。50人のモニターに製品を触ってもらい、製品の破れにくさ、柔らかさおよび湿潤時の強度について、「特に優れている」と感じたものを3点、「優れている」と感じたものを2点、「やや劣る」と感じたものを1点、「劣る」と感じたものを0点とした4段階の評価を行ってもらった。表1に示した記号◎、○、△および×は、それぞれ、50人全体の評価点の平均値が2.25~3点、1.5~2.25点、0.75~1.5点および0~0.75点のものを示している。
実施例1~6の官能評価の対比から明らかなように、2プライのトイレットペーパーのTEAが4.0~10.0J/m2であれば、ロールからの引き出し時の破れにくさと、柔らかさの指標となる70超のHF値とを概ね両立できるとの結論を得た。また、TEAの下限値が5.0J/m2以上であれば、ないしは、乾燥時における長さ方向Tの引張強度と幅方向Yの引張強度との幾何平均が0.70~0.95N/15mmであれば、破れにくさおよび柔らかさの官能評価が高まるので、より好ましいことが確認された。
Claims (5)
- 2プライのトイレットペーパーであって、前記トイレットペーパーの長さ方向の引張エネルギー吸収量が4.0~10.0J/m2であり、
乾燥時における、前記長さ方向の引張強度と前記長さ方向に直交する方向の引張強度との積の平方根が0.70~0.95N/15mmであり、
前記トイレットペーパーの前記長さ方向の伸び率は、8.66~17.63%であり、
前記トイレットペーパーの前記長さ方向のヤング率は、10~30GPaであることを特徴とするトイレットペーパー。 - 含有するパルプ成分の長さ加重平均繊維長が0.75~1.00mmであることを特徴とする請求項1に記載のトイレットペーパー。
- 湿潤破裂強度が90~160kPaであることを特徴とする請求項1または2に記載のトイレットペーパー。
- 請求項1ないし3のいずれか一項に記載のトイレットペーパーを、前記長さ方向が巻き出し方向となるようにロール状に形成してなることを特徴とするトイレットロール。
- 請求項1ないし3のいずれか一項に記載のトイレットペーパーを製造する方法であって、前記引張エネルギー吸収量が4.0~10.0J/m2となるように伸びを調整するために、前記長さ方向と直交する方向に沿って延在するクレープを平行に形成するクレープ加工を施す工程を含むことを特徴とする方法。
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