JP2006312711A - インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録用インク及びインクジェット画像記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1の液体及び第2の液体を少なくとも含み、複数種の液体から構成されるインクジェット記録用インクセットであって、前記第1の液体が、金属化合物を溶解してなり、前記複数種の液体の少なくとも1つが、重合性化合物を含有することを特徴とするインクジェット記録用インクセット、及び前記第1の液体を組成とするインクジェット記録用インク、並びに前記第1の液体及び第2の液体を記録媒体上に同時又はいずれか一方を先に、他方をその後に、両液体が接触するように付与することによって画像を形成するインクジェット画像記録方法。
【選択図】なし
Description
画像のにじみや打滴干渉の抑制のため、インクの硬化を促進する方法の一つとして、インク溶媒の揮発ではなく放射線によって硬化し固着するインクジェット用インクが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。これらのインクでは、重合性化合物と重合開始剤が共存しているために、インク保存中に好ましくない重合反応が起こりやすく、保存安定性が十分ではない場合があった。
しかし、これらの方法は、染料自体の析出により画像のにじみを抑制させようとするものであり、打滴干渉を抑制しうるものではなく、また、水性溶媒を含むため、乾燥速度が遅く、さらに、析出した染料が記録媒体上に不均一に分布しやすく、画質の低下を招く懸念もあった。
また、本発明の別の目的は、優れた定着性を維持しつつ、滲みや隣接する噴射インクの打滴干渉が抑制され、高画質な画像を形成することができるインクジェット画像記録方法を提供することにある。
即ち、本発明のインクジェット記録用インクセットは、
<1> 第1の液体及び第2の液体を少なくとも含み、複数種の液体から構成されるインクジェット記録用インクセットであって、
前記第1の液体が、金属化合物を溶解してなり、
前記複数種の液体の少なくとも1つが、重合性化合物を含有することを特徴とするインクジェット記録用インクセットである(以下、本発明の第1の態様という。)。
<14> 第1の液体と第2の液体とを少なくとも含み、複数種の液体から構成される前記<1>〜<13>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセットを用い、
前記第1の液体及び第2の液体を記録媒体上に同時に付与するか、又はいずれか一方を先に、他方をその後に、両液体が接触するように付与することによって画像を形成することを特徴とするインクジェット画像記録方法である(以下、本発明の第2の態様という。)。
<20> 少なくとも、高沸点有機溶媒と、金属化合物とを含有するインクジェット記録用インクである(以下、本発明の第3の態様という。)。
また、優れた定着性を維持しつつ、滲みや隣接する噴射インクの打滴干渉が抑制され、高画質な画像を形成することができるインクジェット画像記録方法を提供することができる。
本発明のインクジェット記録用インクセット(以下、単に「インクセット」ということがある。)は、第1の液体及び第2の液体を少なくとも含み、複数種の液体から構成されるインクジェット記録用インクセットであって、前記第1の液体が、金属化合物を溶解してなり、前記複数種の液体の少なくとも1つが、重合性化合物を含有することを特徴とする。
ここで、「溶解」とは、第1の液体に25℃において、0.05g/cm3以上溶けることをいう。このように本発明にかかる金属化合物を第1の液体に溶解させるには、第1の液体自身が油性であることが好適であり、仮に第1の液体が溶媒を含有する場合には該溶媒として高沸点有機溶媒を用いることが好ましく、実質的に水溶性溶媒を含まないことが好ましい。
また、第2の液体に重合性化合物を含有させることも好ましい。なお、第1の液体及び第2の液体ともに重合性化合物を含有させる場合も、両液間の馴染みが良好となるため、好ましい態様である。
本発明においては、第1の液体に金属化合物を含有する。既述のように、金属化合物は、記録媒体上での着色剤の拡散を抑えると推測され、上記条件を満たす第1の液体と第2の液体とを付与することにより、滲みや打滴干渉を効果的に抑制できる。
これらの基は、更に置換基を有していてもよく、該置換基としてはアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、カルバモイル基、アミノ基、カルボキシ基等が挙げられる。置換基としてより好ましいアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、カルバモイル基、アミノ基については、上記脂肪族カルボン酸の場合と同様である。
本発明における好ましい脂肪族カルボン酸の金属塩として、以下のものを挙げることができる。
また、第1の液体以外の液体(第2の液体など)は、金属化合物を含有しても、含有しなくてよいが、本発明においては実質的に金属化合物を含有しないことが好ましい。具体的には、金属化合物の含有率、特に着色剤を含有する液体における金属化合物の含有率は、0質量%〜10質量%が好ましく、0質量%〜5質量%がより好ましい。
本発明においては、第1の液体及び第2の液体を含む複数種の液体のうち、いずれの液体にも着色剤を含有しない無色インクであってもよいし、少なくともいずれか1つの液体に着色剤を含有してもよい。
金属化合物を含む第1の液体においては、着色剤の含有率は、1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが更に好ましく、特に好ましくは、前述の通り、第1の液体には実質的に着色剤を含有しない場合である。尚、「実質的に含有せず」とは、これは無色透明の染料・顔料の含有や、視認できない程度のごく微量の含有をも除外するものではない。
一方、第2の液体においては、着色剤を含有しなくても良いが、着色剤を含有することが好ましい。第2の液体に着色剤を含有させ、第1の液体に金属化合物を含有させると、着色剤と金属化合物が別々の液体に含有されることになり、特に本発明の効果のうちの一つである色分かれ防止の効果を発揮するため好ましい。
また、上記着色剤は、第1の液体及び第2の液体以外の他の液体に含有することもできる。但し、既述のように、他の液体であっても着色剤を含む液体には金属化合物を含有しないことが好ましい。
本発明に使用可能な油溶性染料には特に制限はなく、任意のものを使用することができる。以下、本発明に使用しうる油溶性染料を色相別に例示する。
イエロー染料としては、例えば、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;カップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン染料;ベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;ナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料などが挙げられ、その他の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。
着色剤として顔料を用いる態様もまた、複数種の液体の混合時に凝集が生じやすいという観点から好ましい。
本発明において使用される顔料としては、有機顔料、無機顔料のいずれも使用できるが、黒色顔料としては、カーボンブラック顔料等が好ましく挙げられる。また、一般には黒色、及び、シアン、マゼンタ、イエローの3原色の顔料が用いられるが、その他の色相、例えば、赤、緑、青、茶、白等の色相を有する顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色又は淡色の体質顔料なども目的に応じて用いることができる。
また、シリカ、アルミナ、樹脂などの粒子を芯材とし、表面に染料又は顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等も顔料として使用することができる。
さらに、樹脂被覆された顔料を使用することもできる。これは、マイクロカプセル顔料と呼ばれ、大日本インキ化学工業社製、東洋インキ社製などから市販品としても入手可能である。
着色剤は1種のみならず、2種以上を混合して使用してもよい。また、液体毎に異なった着色剤を用いても、同じであってもよい。
本発明においては、第1の液体及び第2の液体を含む複数種の液体の内、少なくとも1つの液体に重合性化合物を含有する。好適には、第2の液体に重合性化合物を含有させる場合であるが、第1の液体及び第2の液体ともに重合性化合物を含有させる場合も、両液間の馴染みが良好となるため、好ましい態様である。第2の液体に着色剤を含有することは好適な態様の一つであるが、両液間の馴染みが良好となることで、第2の液体に含有される着色剤が有効に捕捉されているものと推測する。
上記重合性化合物は、後述する重合開始剤から発生するラジカルなどの開始種により、重合反応を生起し、硬化する機能を有する。このような重合性化合物をいずれかの液体に含有させることで、光または熱等のエネルギーにより重合固化し、形成された画像を定着することができる。
なお、本明細書では、アクリル酸、メタアクリル酸のいずれか、又は、双方を指すとき、「(メタ)アクリル酸」と表記することがある。
本発明においては、前述したように、用いる複数種の液体(第1の液体及び第2の液体を含む)の内、少なくともいずれかに、重合性化合物を硬化させる重合開始剤を含有することが好ましい。また、該重合開始剤は、液体の保存安定性の観点から、重合性化合物を含まない液体中に含有させることが好ましく、記録媒体上において両者が活性エネルギーを付与されることで重合・硬化反応が生起する。
そのようなラジカル発生剤としては、有機ハロゲン化化合物、カルボニル化合物、有機過酸化化合物、アゾ系重合開始剤、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オニウム塩化合物等が挙げられる。
なお、重合開始剤としては、感度に優れるものが好ましいが、例えば、80℃以下の温度で熱分解を起こすものを用いることは、保存安定性の観点から好ましくなく、80℃までの温度では熱分解を起こさない重合開始剤を選択することが好ましい。
重合開始剤は、1種あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、本発明の効果を損なわない限りにおいて、感度向上の目的で公知の増感剤と併用することもできる。
本発明においては、第1の液体に金属化合物(a)を溶解させ、複数種の液体の少なくとも1つに重合性化合物(c)を含有すれば特に制限はないが、好ましくは、着色剤(b)を実質的に含有せず、且つ金属化合物(a)を含有してなる第1の液体と、金属化合物(a)を実質的に含有せず、且つ着色剤(b)を含有してなる第2の液体と、を少なくとも含む複数種の液体を用い、該複数種の液体の少なくとも1つに重合性化合物(c)を含有することが好ましい。
(1)第1の液体に金属化合物(a)と重合性化合物(c)が、第2の液体に着色剤(b)が含まれる組み合わせ、
(2)第1の液体に金属化合物(a)が、第2の液体に着色剤(b)と重合性化合物(c)が含まれる組み合わせ、
(3)第1の液体に金属化合物(a)と重合性化合物(c)が、第2の液体に着色剤(b)と重合性化合物(c)が含まれる組み合わせ、
が挙げられる。
また、3液式など、3液以上の液体を用いる場合においては、第1の液体及び/又は第2の液体に重合開始剤を含有してもよく、また第1の液体及び/又は第2の液体に重合開始剤を含有せず第3の液体に含有してもよい。あるいは第1の液体及び/又は第2の液体に重合開始剤を含有し且つ第3の液体に含有してもよい。
本発明における複数種の液体には、上記した成分の他、目的に応じて下記のような添加剤を併用することができる。
本発明においては、複数種の液体のいずれか1つ、又はそれ以上の液体中に、インクの極性や、粘度、表面張力、着色材料の溶解性・分散性の向上、導電性の調整および印字性能の調整などのため、溶媒を用いることができる。前記溶媒としては、非水溶性の液体であることが好ましく、実質的に水性溶媒を含有しないことがインク打滴安定性及び速乾性の観点から好ましい。
また、第1の液体等の金属化合物を含有する液体の少なくとも1つに、下記高沸点有機溶媒を用いることが好ましい。なお、高沸点有機溶媒は、金属化合物を含有しない液体にも用いることはできる。
溶媒として、100℃以下の有機溶媒である低沸点有機溶媒も挙げられるが、硬化性に影響を与える懸念があり、また、低沸点有機溶媒は環境汚染を考慮すると使用しないことが望ましい。使用する場合には、安全性の高いものを用いることが好ましく、安全性が高い溶媒とは、管理濃度(作業環境評価基準で示される指標)が高い溶媒であり、100ppm以上のものが好ましく、200ppm以上が更に好ましい。具体的には、例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、炭化水素などが挙げられ、具体的には、メタノール、2−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
本発明においては、複数種の液体のいずれか1つ、又はそれ以上の液体中に、高沸点有機溶媒を含有することができる。本発明における高沸点有機溶媒とは、(1)沸点が100℃以上である有機溶媒をいう。
(1)の条件である沸点は、150℃以上であることがより好ましく、170℃以上であることが特に好ましい。更に、上記高沸点有機溶媒は、融点が80℃以下であることが好ましく、25℃以下であることがより好ましい。
上記高沸点有機溶媒を含有させることにより、滲み、打滴干渉の発生をより効果的に防止することができる。
(1)の沸点条件を満たさない高沸点有機溶媒では、沸点が低くなりすぎて画像形成中に蒸発し、本発明の打滴干渉回避の効果を阻害することがある。また、蒸発して大気中に放出されるということは、環境面からも好ましくない。
尚、滲み、打滴干渉の発生の更なる抑制という観点からは、上記高沸点有機溶媒は、金属化合物を含む液体に含有することが好ましく、また重合性化合物を含まない液体中に含有することがより好ましい。
尚、(2)の条件の内、25℃での粘度は、更に70mPa・s以下であることが好ましく、40mPa・s以下であることがより好ましく、20mPa・s以下であることが特に好ましい。60℃での粘度は、更に20mPa・s以下であることが好ましく、10mPa・s以下であることが特に好ましい。また、上記高沸点有機溶媒は、水の溶解度(25℃)が4g以下であることが好ましい。水の溶解度は、更に3g以下であることが好ましく、2g以下であることがより好ましく、1g以下であることが特に好ましい。
粘度は、東機産業(株)社製RE80型粘度計を用いて測定した値である。RE80型粘度計は、E型に相当する円錐ロータ/平板方式粘度計であり、通常、ロータコードNo.1のロータを用い、回転数は10rpmで測定する。但し、60mPa・sより高粘なものについては、必要により回転数を5,2.5,1,0.5に適宜変更し測定する。
本発明のインクセットにおいては、上記高沸点有機溶媒の使用量としては、使用する着色剤に対し、塗設量換算で5〜2000質量%が好ましく、10〜1000質量%がより好ましい。
式〔S−1〕においてR1、R2及びR3は、各々独立して、炭素原子数1〜24(好ましくは4〜18)の脂肪族基(例えばn−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、EH−オクチル、2−エチルヘキシル、3,3,5−トリメチルヘキシル、3,5,5−トリメチルヘキシル、n−ドデシル、n−オクタデシル、ベンジル、オレイル、2−クロロエチル、2,3−ジクロロプロピル、2−ブトキシエチル、2−フェノキシエチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−t−ブチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル)、又は炭素原子数6〜24(好ましくは6〜18)のアリール基(例えばフェニル、クレジル、p−ノニルフェニル、キシリル、クメニル、p−メトキシフェニル、p−メトキシカルボニルフェニル)が好ましい。これらの中でも、R1、R2及びR3は特に、n−ヘキシル、n−オクチル、EH−オクチル、2−エチルヘキシル、3,5,5−トリメチルヘキシル、n−ドデシル、2−クロロエチル、2−ブトキシエチル、シクロヘキシル、フェニル、クレジル、p−ノニルフェニル、クメニルが好ましい。
a、b、cは各々独立に0又は1であり、より好ましくはa、b、cすべて1である。
R6はハロゲン原子(好ましくは塩素原子)、炭素原子数1〜18のアルキル基(例えばメチル、イソプロピル、t−ブチル、n−ドデシル)、炭素原子数1〜18のアルコキシ基(例えばメトキシ、n−ブトキシ、n−オクチルオキシ、メトキシエトキシ、ベンジルオキシ)、炭素原子数6〜18のアリールオキシ基(例えばフェノキシ、p−トリルオキシ、4−メトキシフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ)又は炭素原子数2〜19のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル)又は炭素原子数6〜25のアリールオキシカルボニル基が好ましい。これらの中でも、R6は更に、アルコキシカルボニル基がより好ましく、特に、n−ブトキシカルボニルが好ましい。
dは0又は1である。
eは1〜4(好ましくは1〜3)の整数である。
R7はe価の炭素原子数2〜24(好ましくは2〜18)の炭化水素基〔例えば前記R4について挙げた脂肪族基、n−オクチル、前記R4について挙げたアリール基、−(CH2)2−、
fは1〜4(好ましくは1〜3)の整数である。
R9はf価の炭素原子数2〜24(好ましくは2〜18)の炭化水素基又はf価の炭素原子数4〜24(好ましくは4〜18)のエーテル結合で互いに連結した炭化水素基(例えば前記R7について挙げた基、1−メチル−2−メトキシエチル、2−ヘキシルデシル)が好ましく、これらの中でも、R9は特に、2−エチルヘキシル、2−ヘキシルデシル、1−メチル−2−メトキシエチル、
R10はg価の炭化水素基〔例えば、−CH2−、−(CH2)2−、−(CH2)4−、−(CH2)7−、−(CH2)8−、
R11は炭素原子数1〜24(好ましくは4〜18)の脂肪族基、又は炭素原子数6〜24(好ましくは6〜18)のアリール基(例えば前記R4について挙げた脂肪族基、アリール基)が好ましく、これらの中でも、R11は、更にアルキル基が好ましく、特に、n−ブチル、n−オクチル、2−エチルヘキシルが好ましい。
R13及びR14は、水素原子、炭素原子数1〜24(好ましくは1〜18)の脂肪族基(例えばメチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、シクロペンチル、シクロプロピル)又は炭素原子数6〜18(好ましくは6〜15)のアリール基(例えばフェニル、1−ナフチル、p−トリル)が好ましく、これらの中でも、R13及びR14は特に、メチル、エチル、n−ブチル、n−オクチル、n−テトラデシル、フェニルが好ましい。
R13とR14とが互いに結合し、Nとともにピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環を形成してもよく、R12とR13とが互いに結合し、Nとともにピロリドン環、ピペリジン環を形成してもよい。
Xは−CO−又は−SO2−であり、好ましくはXは−CO−である。
R16はハロゲン原子(好ましくはCl)、炭素原子数1〜24(好ましくは1〜18)の脂肪族基{より好ましくは、アルキル基(例えば前記R15について挙げたアルキル基)、炭素原子数3〜18(更に好ましくは5〜17)のシクロアルキル基(例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)}、炭素原子数6〜32(好ましくは6〜24)のアリール基(例えばフェニル、p−トリル)、炭素原子数1〜24(好ましくは1〜18)のアルコキシ基(例えばメトキシ、n−ブトキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ベンジルオキシ、n−ドデシルオキシ、n−ヘキサデシルオキシ)又は炭素原子数6〜32(好ましくは6〜24)のアリールオキシ基(例えばフェノキシ、p−t−ブチルフェノキシ、p−t−オクチルフェノキシ、m−ペンタデシルフェノキシ、p−ドデシルオキシフェノキシ)が好ましく、これらの中でも、R16は、更に炭素原子数1〜24の脂肪族基がより好ましく、特に炭素原子数1〜12の脂肪族基が好ましい。
hは1〜2の整数である。
R19の好ましい例は、前記R16と同じであり、これらの中でもR19は、更にアルキル基及びアルコキシ基がより好ましく、特に、n−オクチル、メトキシ、n−ブトキシ、n−オクチルオキシが好ましい。
iは1〜5の整数である。
R20とR21とが互いに結合し環を形成してもよく、形成される環としては、3〜10員環が好ましく、5〜7員環が特に好ましい。
jは1又は2を表し、好ましくは、jは1である。
本発明においては、複数種の液体の保存中の好ましくない重合を抑制する目的で、貯蔵安定剤を添加することができる。貯蔵安定剤は、重合性化合物と同じ液体に共存させて用いることが好ましく、また、該液体或いは共存する他の成分に可溶性のものを用いることが好ましい。
貯蔵安定剤としては、4級アンモニウム塩、ヒドロキシアミン類、環状アミド類、ニトリル類、置換尿素類、複素環化合物、有機酸、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノエーテル類、有機ホスフィン類、銅化合物などが挙げられ、具体的にはベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ジエチルヒドロキシルアミン、ベンゾチアゾール、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、クエン酸、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノンモノブチルエーテル、ナフテン酸銅などが挙げられる。
貯蔵安定剤の添加量は、用いる重合開始剤の活性や重合性化合物の重合性、貯蔵安定剤の種類に基づいて適宜調整するのが好ましいが、保存安定性と液体混合時のインクの硬化性とのバランスといった観点からは、液体中における固形分換算で0.005〜1質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましく、0.01〜0.2質量%がさらに好ましい。
導電性塩類は、導電性を向上させる固体の化合物である。本発明においては、保存時に析出する懸念が大きいために実質的に使用しないことが好ましいが、導電性塩類の溶解性を上げたり、液体成分に溶解性の高いものを用いたりすることで溶解性が良い場合には、適当量添加してもよい。導電性塩類の例としては、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などが挙げられる。
また、その他の添加剤として、ポリマー、表面張力調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、pH調整剤等の公知の添加剤を併用することができる。
表面張力調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、pH調整剤に関しては、公知の化合物を適宜選択して用いればよいが、具体的には例えば、特開2001−181549号公報に記載されている添加剤などを用いることができる。
上記混合により反応して凝集物を生成するか、増粘する1組の化合物の反応例としては、酸/塩基反応、カルボン酸/アミド基含有化合物による水素結合反応、ボロン酸/ジオールに代表される架橋反応、カチオン/アニオンによる静電的相互作用による反応等が挙げられる。
本発明の第3の態様であるインクジェット記録用インクは、少なくとも、前記高沸点有機溶媒と、前記金属化合物とを含有する。更に、前記重合開始剤を含有させることができるが、前記着色剤及び前記重合性化合物は実質的に含有しないことが好ましい。つまり、本発明のインクジェット記録用インクは、上記本発明の第1の態様における、第1の液体の好適な組成及び態様を適用させることができる。
なお、本発明のインクジェット記録用インクは、上記本発明の第1の態様である、インクジェット記録用インクセットの第1の液体として用いることが好ましい。本発明のインクジェット記録用インクをこのような態様で使用することで、上記インクセットと同様に、滲みや打滴干渉を抑制することができる。
次に、本発明のインクジェット画像記録方法について説明する。
本発明のインクジェット画像記録方法(以下、単に「画像記録方法」ということがある。)は、前述の第1の液体と第2の液体とを含む複数種の液体を用い、前記第1の液体及び第2の液体を記録媒体上に同時又はいずれか一方を先に、他方をその後に両液体が接触するように付与することによって画像を形成することを特徴とする。
金属化合物を含有してなる第1の液体と、好適には着色剤を含有してなる第2の液体と、を接触するように付与することにより、滲みや打滴干渉を効果的に抑制でき、また色分かれが無い画像を得ることができる。
上記画像記録方法においては、第1の液体及び第2の液体を含む複数種の液体を、必ずしも全てインクジェットノズルでの噴射によって記録媒体上に付与する必要はなく、塗布等の他の手段によって付与してもよいが、着色剤を含有してなる第2の液体は、インクジェットノズルでの噴射によって記録媒体上に付与する態様が好ましく、更には、第1の液体を付与すると同時、又は付与した後に、第2の液体をインクジェットノズルによる噴射で行うことが、滲みや打滴干渉の抑制の観点から好ましい。
該付与手段としては、特に限定されるわけではないが、具体例として以下の2点が挙げられる。
本発明のインクジェット画像記録方法においては、塗布装置を用いて第1の液体を記録媒体上に塗布し、その後に第2の液体をインクジェットノズルによって噴射することにより、画像を形成する態様が好ましい。
上記塗布装置としては、特に制限はなく公知の塗布装置を目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エアドクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、リバースロールコーター、トランスファーロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、キャストコーター、スプレイコーター、カーテンコーター、押出コーター等が挙げられる。その他塗布の技術に関しては、原崎勇次著「コーティング工学」を参照することができる。
また、上記インクジェットノズルとしては、特に制限はなく公知のノズルを目的に応じて適宜選択することができる。インクジェットノズル(インクジェット方式)については後に詳述する。
(ii)インクジェットノズルによる噴射
また、インクジェットノズルによって前記第1の液体を噴射し、それと同時か又はその後に、第2の液体を同様にインクジェットノズルによって第1液と接触するように噴射することにより、画像を形成する態様が好ましい。
上記インクジェットノズルについては、前記と同様である。
また、前記同様、第1の液体及び第2の液体以外の他の液体は、上記塗布装置による塗布や、インクジェットノズルによる噴射など、いかなる方法で記録媒体上に付与してもよく、また付与のタイミングも特に限定されるわけではないが、着色剤を含有する場合には、インクジェットノズルでの噴射による手段が好ましく、且つ第1の液体を塗布した後に付与されることが好ましい。
尚、前記インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
尚、2種以上の液体が上記インクジェット記録方式によって記録媒体上に噴射される場合、それらの液体が互いに接触するように付与される。2種以上の液体が接触する態様には特に制限はなく、互いに隣接するよう噴射されてもよく、一方の液体の付与領域と同じ領域になるように噴射されてもよい。
噴射のタイミングは任意であり、同時であっても順次であってもよいが、順次噴射される場合には、最初の液体を噴射した後、1秒以下で、次の液体を噴射することが好ましい。また、液滴の質量には特に制限はなく、形成される画像の鮮鋭度により選択されるが、一般的には1つの液体の1液滴あたりの質量は0.5pl〜100pl程度であることが好ましい。
また、上記(i)及び(ii)の手段のいずれによる場合でも、第2の液体は、第1の液体と同時に、又は既に第1の液体が付与された記録媒体上に、第1の液体と接触するように噴射されるため打滴干渉は発生せず、ドット形状が保持された形となる。より良好なドット形状保持の観点から、第2の液体より先に記録媒体上に付与される第1の液体は、第2の液体を噴射しようとする範囲より幅広く付与することが好ましい。
さらに好ましい物性は、第1の液体と第2の液体との関係において、粘度差が25mPa・s以内であり、表面張力差は、20mN/m以内の場合である。
また、上記画像記録方法においては、優れた定着性を得る観点から、画像形成後に活性エネルギーを付与することによって画像を固定する工程を設けることができる。活性エネルギーを付与することで、凝集体中の重合、硬化反応を促進させ、より強固な画像をより効率よく形成することができる。このような活性エネルギー付与は光照射又は加熱により行われることが好ましい。
この加熱は、非接触型の加熱手段を使用して行われ、オーブン等の加熱炉内を通過させる加熱手段や、紫外光〜可視光〜赤外光等による全面露光を行う加熱手段などが好ましく用いられる。ここで、加熱手段としての露光に用いられる光源としては、メタルハライドランプ、キセノンランプ、タングステンランプ、カーボンアーク灯、水銀灯等が挙げられる。
本発明においては、インク浸透性の記録媒体、インク非浸透性乃至緩浸透性の記録媒体共に使用することができる。インク浸透性の記録媒体としては、普通紙、インクジェット専用紙、コート紙、電子写真共用紙、布、不織布、多孔質膜、高分子吸収体等が挙げられる。これらについては、特開2001−1891549号公報などに「被記録材」として記載されている。
合成樹脂としては、いかなる合成樹脂も用いることができるが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブタジエンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等、ジアセテート、トリアセテート、ポリイミド、セロハン、セルロイド等が挙げられ、これらの合成樹脂基材の厚みや形状は、フィルム状でもよいし、カード状、ブロック状でもよく、何ら限定されることはない。また、これら合成樹脂は透明でも不透明でもよい。
合成樹脂の使用形態としては、所謂軟包装に用いられるフィルム状で用いることも好ましく、各種非吸収性のプラスチック及びそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、PNyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルム等を挙げることができる。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが使用できる。
1.第2の液体の調製
<インクジェット記録用液体(I−1)の調製>
(A)酸化合物<以下に示す化合物(A−1)> 3.56g
(B)重合性化合物:DPCA60(日本化薬製) 1.07g
(C)重合性化合物:1,6ヘキサンジオールジアクリレート 8.53g
(HDDA ダイセル・ユービーシー製)
(D)N−エチルジエタノールアミン 0.29g
(E)着色剤<以下に示す染料(M−1)> 0.46g
以上の成分を攪拌混合溶解し、マゼンタインクジェット記録用液体(I−1)を得た。25℃でのインクジェット記録用液体(I−1)の粘度は、19.6mPa・sであった。以下、粘度は25℃で測定を行い、その値を記載した。
<金属化合物を含有するインクジェット記録用液体(II−1)の調製>
(F)高沸点有機溶媒(前記具体例(S−6)) 10g
(G)重合開始剤 (TPO−L、下記(開始剤−1)) 1.8g
(H)本発明にかかる金属化合物(前記具体例 1−1) 2g
以上の成分を攪拌混合溶解し、インクジェット記録用液体(II−1)を得た。
前記インクジェット記録用液体(II−1)の調整において、金属化合物を下記表1の如く当重量で置き換えた以外は、インクジェット記録用液体(II−1)と同じようにして本発明の金属化合物を含有するインクジェット記録用液体(II−2)〜(II−9)を作製した。
表1に、II液の調製に用いた金属化合物と液体の粘度を示す。
<1液型の比較用インクジェット記録用液体I−0の調製>
(A)酸化合物<前記化合物(A−1)> 3.56g
(B)重合性化合物:DPCA60(日本化薬製) 1.07g
(C)重合性化合物:1,6ヘキサンジオールジアクリレート 7.67g
(HDDA ダイセル・ユービーシー製)
(D)N−エチルジエタノールアミン 0.29g
(E)着色剤<前記染料(M−1)> 0.46g
(G)重合開始剤 (TPO−L、前記(開始剤−1)) 1.81g
以上の成分を攪拌混合溶解し、マゼンタインクジェット記録用液体(I−0)を得た。インクジェット記録用液体(I−0)の粘度は、19.6mPa・sであった。
(A)酸化合物<前記化合物(A−1)> 3.56g
(B)重合性化合物:DPCA60(日本化薬製) 1.07g
(C)重合性化合物:1,6ヘキサンジオールジアクリレート 9.53g
(HDDA ダイセル・ユービーシー製)
(D)N−エチルジエタノールアミン 0.29g
(E)着色剤<前記染料(M−1)> 0.46g
(F)高沸点有機溶媒(前記具体例(S−6)) 13.10g
(G)重合開始剤 (TPO−L、前記(開始剤−1)) 1.81g
以上の成分を攪拌混合溶解し、インクジェット記録用液体(I−00)を得た。インクジェット記録用液体(I−00)の粘度は、19.6mPa・sであった。
(A)酸化合物<前記化合物(A−1)> 3.56g
(B)重合性化合物:DPCA60(日本化薬製) 1.07g
(C)重合性化合物:1,6ヘキサンジオールジアクリレート 8.53g
(HDDA ダイセル・ユービーシー製)
(D)N−エチルジエタノールアミン 0.29g
(E)着色剤<前記染料(M−1)> 0.46g
(F)高沸点有機溶媒(前記具体例(S−1)) 10.10g
(G)重合開始剤 (TPO−L、前記(開始剤−1)) 1.81g
(H)本発明にかかる金属化合物(前記具体例 1−1) 2g
比較用インクジェット記録用液体I−000は、調製中に凝集物が生成した。
<印字方法>
まず、1液型の液体を用いた印字について説明する。
調製したインクジェット記録用液体(I−0)をインクジェットプリンター(マイクロジェット社製実験機(商品名:インクジェット実験システムIJET1000R)、印字密度:300dpi、打滴周波数:2KHz、ノズル数:64、2列配列)で記録媒体上に印字した。
更に、調製したインクジェット記録用液体(II−1)〜(II−9)を、それぞれ、前記インクジェット記録用液体(I−0)と同様に印字した。次いで、表2に記載の組み合わせで、インクジェット記録用液体(I−1)を、それぞれインクジェット記録用液体(II−1)〜(II−9)を付与した後に、その上から、重なるように印字した。
いずれの液体も、インクジェットプリンター(マイクロジェット社製実験機(商品名:インクジェット実験システムIJET1000R)、印字密度:300dpi、打滴周波数:2KHz、ノズル数:64、2列配列)で印字した。
(ライン品質)
上記印字の工程において、各液体をライン状に重ね打ちし、打滴形状の重なり具合(滲み具合)を下記基準で評価した。具体的に、ライン状の重ね打ちとは、第1の液体を5列ラインが接するように打滴し、第1の液体打滴10秒後に、その上から第2の液体を1列打滴した。ただし、1液式である(I−0)(I−00)はその1液のみをライン状に打滴し、その滲み具合を評価した。
A:ラインの太さが均一である。
B:ラインのところどころに液だまり由来の微細な線太さのばらつきがある。
C:ライン上に液溜り由来のはっきりとした線のばらつきがある。
上記印字の工程において、各液体をベタ画像状に重ね打ちし、濃度ムラ具合を下記基準で評価した。具体的に、ベタ画像状の重ね打ちとは、第1の液体を60列ラインが接するように打滴し、第1の液体打滴10秒後に、その上から第2の液体を50列ラインが接するように打滴した。ただし、1液式である(I−0)(I−00)はその1液のみをベタ画像状に打滴し、その濃度ムラ具合を評価した。
A:濃度ムラがほとんど観察されない。
B:僅かに濃度ムラが観察されるが、全体として問題の無いレベルである。
C:ベタ画像に濃度ムラがあり、品質が劣る。
上記印字の工程において、各液体をライン状に重ね打ちし、ラインの色分かれを下記基準で評価した。ただし、1液式である(I−0)(I−00)はその1液のみをライン状に打滴し、その色分かれを評価した。
A:色分かれが無い。
B:僅かに色分かれが観測され、中心に僅かな白抜けが観測される。
C:大きく色分かれし、中心に太い白抜けが観測される。
印字面を指で触り、下記基準で評価した。
A:ベタツキが無い
B:若干ベタツキがある
C:著しくベタツキがある
前記PETシート又はアート紙上に印字した後、30分経過した画像について、印字部を消しゴムで10往復擦り、その変化を下記基準で評価した。
A:色落ち(濃度の低下)がまったく無い
B:色落ちが僅かに生じる
C:著しく色落ちが生じる
画像を形成したPETシート又はアート紙に、ウェザーメーター(アトラスC.I65)を用いて、キセノン光(85000Lux)を1週間照射し、その照射前後での画像部の濃度をX−rite310濃度計(X−rite社製)にて測定し、測定結果から色素残存率を求め、下記基準で評価した。尚、反射濃度は、〜1.0で測定した。
A:色素残存率が90%以上
B:色素残存率が80%以上、90%未満
C:色素残存率が70%以上、80%未満
D:色素残存率が50%以上、70%未満
E:色素残存率が50%未満
画像を形成したPETシート又はアート紙を、オゾン濃度5.0ppm条件下に1週間保存し、その前後での画像部の濃度をX−rite310濃度計(X−rite社製)にて測定し、測定結果から色素残存率を求め、下記基準で評価した。
A:色素残存率が90%以上
B:色素残存率が80%以上、90%未満
C:色素残存率が70%以上、80%未満
D:色素残存率が50%以上、70%未満
E:色素残存率が50%未満
一方、1液で打滴したサンプルはベタツキが無く、高度の擦過性、耐光性、オゾン耐性を有する安定な画像品質は得られるが、PETシート上、又はアート紙上で打滴干渉が起こり、画像形成性が十分でなく、高品質画像の観点からは問題があることが分かる。
尚ここで、上記色分かれとは、顔料などの微粒子を含む液体中では、温度差、溶媒濃度差、硬化速度差などにより過流が発生し、粒子の大きさ、比重、電荷の違いが、動き易さの差となって、顔料と溶媒(モノマー)が分離する現象である。インクジェット方式でライン状に打滴した場合に、上記色別れが発生すると、液滴の周辺部のみに色素が集まり、中心部が白抜けすることとなる。
実施例1の第2の液体の調製において、染料(M−1)をフタロシアニンに代え同様の実験を行った。以下に、顔料を用いたインク液の処方を示す。
(A)酸化合物<前記化合物(A−1)> 0.22g
(B)重合性化合物:DPCA60(日本化薬製) 0.38g
(C)重合性化合物:1,6ヘキサンジオールジアクリレート 11.70g
(HDDA ダイセル・ユービーシー製)
(D)N−エチルジエタノールアミン 0.20g
(E)着色剤<顔料:フタロシアニン> 1.40g
(商品名::Irgulite Blue GLO、チバスペシャリティケミカルズ製)
但し、顔料は事前にボールミル(硬質硝子製ボールミルポット,ボールミル回転架台1段式―A型:堀江商会(株)製)にて、分散剤としてソルスパース3200(ゼネカ(株)社製)を用い、1,6ヘキサンジオールジアクリレートに、20質量%になるように分散したものを添加した。
添加量は顔料として上記の量になるように添加した。
(A)酸化合物<前記化合物(A−1)> 0.22g
(B)重合性化合物:DPCA60(日本化薬製) 0.38g
(C)重合性化合物:1,6ヘキサンジオールジアクリレート 10.89g
(HDDA ダイセル・ユービーシー製)
(D)N−エチルジエタノールアミン 0.20g
(E)着色剤<顔料:フタロシアニン> 1.40g
(商品名::Irgulite Blue GLO、チバスペシャリティケミカルズ製)
(G)重合開始剤 (TPO−L、前記(開始剤−1)) 1.81g
以上の成分を攪拌混合分散し、シアンインクジェット記録用液体(III−0)を得た。インクジェット記録用液体(III−0)の粘度は19.8mPa・sであった。
但し、顔料は事前にボールミル(硬質硝子製ボールミルポット,ボールミル回転架台1段式―A型:堀江商会(株)製)にて、分散剤としてソルスパース3200(ゼネカ(株)社製)を用い、1,6ヘキサンジオールジアクリレートに、20質量%になるように分散したものを添加した。
添加量は顔料として上記の量になるように添加した。
(A)酸化合物<前記化合物(A−1)> 0.22g
(B)重合性化合物:DPCA60(日本化薬製) 0.38g
(C)重合性化合物:1,6ヘキサンジオールジアクリレート 12.70g
(HDDA ダイセル・ユービーシー製)
(D)N−エチルジエタノールアミン 0.20g
(E)着色剤<顔料:フタロシアニン> 1.40g
(商品名::Irgulite Blue GLO、チバスペシャリティケミカルズ製)
(F)高沸点有機溶媒(前記具体例(S−6)) 13.10g
(G)重合開始剤 (TPO−L、前記(開始剤−1)) 1.81g
以上の成分を攪拌混合分散し、シアンインクジェット記録用液体(III−00)を得た。インクジェット記録用液体(III−00)の粘度は19.8mPa・sであった。
但し、顔料は事前にボールミル(硬質硝子製ボールミルポット,ボールミル回転架台1段式−A型:堀江商会(株)製)にて、分散剤としてソルスパース3200(ゼネカ(株)社製)を用い、1,6ヘキサンジオールジアクリレートに、20質量%になるように分散したものを添加した。
添加量は顔料として上記の量になるように添加した。
(A)酸化合物<前記化合物(A−1)> 0.22g
(B)重合性化合物:DPCA60(日本化薬製) 0.38g
(C)重合性化合物:1,6ヘキサンジオールジアクリレート 11.60g
(HDDA ダイセル・ユービーシー製)
(D)N−エチルジエタノールアミン 0.20g
(E)着色剤<顔料:フタロシアニン> 1.40g
(商品名::Irgulite Blue GLO、チバスペシャリティケミカルズ製)
(F)高沸点有機溶媒(前記具体例(S−1)) 10.10g
(G)重合開始剤 (TPO−L、前記(開始剤−1)) 1.81g
(H)本発明にかかる金属化合物(前記具体例 1−1) 2g
また、顔料を用いた場合には、耐光性、耐オゾン性が更に良化するのみならず、僅かにムラの観測された金属化合物を用いた場合でも、ムラの無い画像を得ることができる。
実施例2にて調製した液体のうち、2液式用のインクジェット記録用液体(III−1)及び(II−1)〜(II−9)を用い、液体(II−1)〜(II−9)の記録媒体上への付与を、ロットコーター((株)マツボー製)での塗布によって行った以外は、実施例2と同様に印字し、評価を行った。実施例2と同様の評価を得ることができた。
<金属化合物を含有するインクジェット記録用液体(IV−1)〜(IV−9)の調製>
実施例2にて調整した液体(II−1)〜(II−9)の調整において、高沸点有機溶媒を除き、本発明にかかる金属化合物の量を11.8gに変えた以外は同様にして、インクジェット記録用液体(IV−1)〜(IV−9)を調整した。
実施例3においてインクジェット記録用液体(II−1)〜(II−9)の代わりにインクジェット記録用液体(IV−1)〜(IV−9)を用いた以外は同様にして、実施例3と同様の評価を行った。この場合でも、実施例3と同様の優れた効果が得られた。
以下の組成のインクジェット記録用液体を作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
(A)ユニディック SI−929(大日本インキ化学工業(株)社製) 20g
(B)染料X 1.5g
(C)水 68.5cc
(D)グリセリン(和光純薬社製) 10g
<比較用インクジェット記録用液体II−X>
(A)水 97cc
(B)ダイロキュア2529(メルク社製) 3g
実施例1では第2の液体のみに重合性化合物を含有させて調製したが、実施例5では、第1の液体及び第2の液体ともに重合性化合物を含有させて調製を行い、実施例1と同様の実験を行った。更に、第2の液体の重合性化合物の種類を変更して実験を行った。以下に、実施例5における第1の液体及び第2の液体の処方を示す。
<インクジェット記録用液体(I’−1)の調製>
(A)酸化合物[前記化合物(A−1)] 3.56g
(B)重合性化合物:DPCA60(日本化薬製) 0.87g
(C)重合性化合物:1,6ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA;ダイセル・ユービーシー製) 6.93g
(D)N−エチルジエタノールアミン 0.29g
(E)着色剤[前記染料(M−1)] 0.46g
(F)重合開始剤(TPO−L、前記(開始剤−1)) 1.8g
以上の成分を攪拌混合溶解し、マゼンタインクジェット記録用液体(I’−1)を得た。25℃でのインクジェット記録用液体(I’−1)の粘度は、19.6cpであった。以下、粘度は25℃で測定を行い、その値を記載した。
〜インクジェット記録用液体(I’−1)の重合性化合物を一部変更したもの〜
(A)酸化合物[前記化合物(A−1)] 3.56g
(B)重合性化合物:DPCA−60(日本化薬社製) 0.87g
(C)重合性化合物:ACMO(興人製) 6.93g
(D)N−エチルジエタノールアミン 0.29g
(E)着色剤[前記染料(M−1)] 0.46g
(F)重合開始剤(TPO−L、前記(開始剤−1)) 1.8g
以上の成分を攪拌混合溶解し、マゼンタインクジェット記録用液体(I’−11)を得た。25℃でのインクジェット記録用液体(I’−11)の粘度は、23.5cpであった。
<本発明の金属化合物を含有するインクジェット記録用液体(II−31)の調製>
(G)高沸点有機溶媒(前記具体例(S−32)) 2g
(H)重合開始剤(TPO−L、前記(開始剤−1)) 1.8g
(I)本発明にかかる金属化合物(前記具体例 1−1) 2g
(J)重合性化合物:DPCA60(日本化薬製) 1.1g
(K)重合性化合物:1,6ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA;ダイセル・ユービーシー製) 8.7g
前記インクジェット記録用液体(II−31)の作製において、本発明にかかる金属化合物を下記表5の如く当重量で置き換えた以外は、インクジェット記録用液体(II−31)と同様にして本発明の金属化合物を含有するインクジェット記録用液体(II−32)を作製した。
(G)高沸点有機溶媒(前記具体例(S−1)) 2g
(H)重合開始剤(TPO−L、前記(開始剤−1)) 1.8g
(I)本発明にかかる金属化合物(前記具体例 1−1) 2g
(J)重合性化合物:DPCA−60(日本化薬社製) 1.1g
(K)重合性化合物:ACMO(興人製) 8.7g
前記インクジェット記録用液体(II−41)の作製において、本発明にかかる金属化合物を下記表5の如く当重量で置き換えた以外は、インクジェット記録用液体(II−41)と同様にして、着色剤を含有しないインクジェット記録用液体(II−42)を作製した。
表5に、第1の液体の調製に用いた金属化合物と重合性化合物の種類、及び第1の液体の25℃における粘度を示す。
このような重合性化合物と重合開始剤の両方を含有するインク組成物を用いてインクジェット記録行った場合には、長時間の印字を行うとノズルのつまりが見られた。重合性化合物と重合開始剤が入っているインクに、さらに着色剤が入っている場合には、そのノズルつまりは抑制された。
実施例5の第2の液体の調製において、染料(M−1)をフタロシアニン顔料に代え、さらに第1の液体の調整において重合開始剤を除いて同様の実験を行った。以下に、顔料を用いた液体の処方を示す。
1.第2の液体の調製
<インクジェット記録用液体(III’−1)の調製>
(A)酸化合物[前記化合物(A−1)] 0.22g
(B)重合性化合物:DPCA60(日本化薬製) 0.32g
(C)重合性化合物:1,6ヘキサンジオールジアクリレート 9.86g
(HDDA ダイセル・ユーシービー製)
(D)N−エチルジエタノールアミン 0.20g
(E)着色剤[顔料:銅フタロシアニン(PB15:3)] 1.40g
(商品名:Irgalite Blue GLO、チバスペシャリティケミカルズ製)
(F)重合開始剤(TPO−L、前記(開始剤−1)) 1.8g
但し、顔料は事前にボールミル(硬質硝子製ボールミルポット、ボールミル回転架台1段式−A型:堀江商会(株)製)にて、分散剤としてソルスパース3200(ゼネカ(株)製)を用い、1,6ヘキサンジオールジアクリレートに、20質量%になるように分散したものを添加した。
添加量は含量として上記した量になるように添加した。
(A)酸化合物<前記化合物(A−1)> 0.22g
(B)重合性化合物:DPCA60(日本化薬社製) 0.32g
(C)重合性化合物:ACMO(興人社製) 9.86g
(D)N−エチルジエタノールアミン 0.20g
(E)着色剤<顔料:フタロシアニン> 1.40g
(商品名::Irgulite Blue GLO、チバスペシャリティケミカルズ製)
(F)重合開始剤(TPO−L、前記(開始剤−1)) 1.8g
但し、顔料は事前にボールミル(硬質硝子製ボールミルポット,ボールミル回転架台1段式−A型:堀江商会(株)製)にて、分散剤としてソルスパース3200(ゼネカ(株)社製)を用い、1,6ヘキサンジオールジアクリレートに、20質量%になるように分散したものを添加した。添加量は顔料として上記の量になるように添加した。
<本発明の金属化合物を含有するインクジェット記録用液体(II’ −31)の調製>
(G)高沸点有機溶媒(前記具体例(S−32)) 2g
(I)本発明にかかる金属化合物(前記具体例 1−1) 2g
(J)重合性化合物:DPCA60(日本化薬製) 1.1g
(K)重合性化合物:1,6ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA;ダイセル・ユービーシー製) 10.5g
前記インクジェット記録用液体(II’−31)の作製において、本発明の金属化合物を下記表7の如く当重量で置き換えた以外は、インクジェット記録用液体(II’−31)と同様にして本発明の金属化合物を含有するインクジェット記録用液体(II’−32)を作製した。
(G)高沸点有機溶媒(前記具体例(S−1)) 2g
(I)本発明の金属化合物(前記具体例1−1) 2g
(J)重合性化合物:DPCA−60(日本化薬社製) 1.1g
(K)重合性化合物:ACMO(興人製) 10.5g
前記インクジェット記録用液体(II’−41)の作製において、本発明の金属化合物を下記表7の如く当重量で置き換えた以外は、インクジェット記録用液体(II’−41)と同様にして、着色剤を含有しないインクジェット記録用液体(II’−42)を作製した。
表7に、第1の液体の調製に用いた金属化合物と重合性化合物の種類、及び第1の液体の25℃における粘度を示す。
また、顔料を用いた場合には、耐光性、耐オゾン性が更に良化し、ムラの無い画像を得ることができる。
実施例6にて調製した液体のうち、2液式用のインクジェット記録用液体(III’−1)及び(II’−31)、(II’−32)を用い、液体(II’−31)、(II’−32)の記録媒体上への付与を、ロットコーター((株)マツボー製)での塗布によって行った以外は、実施例6と同様に印字し、評価を行った。実施例6と同様の評価を得ることができた。
<本発明の金属化合物を含有するインクジェット記録用液体(IV−31)、(IV−32)の調製>
実施例5にて調製した液体(II−31)、(II−32)の調製において、高沸点有機溶媒を除き、本発明にかかる金属化合物の量を12gに変えた以外は同様にして、インクジェット記録用液体(IV−31)、(IV−32)を調製した。
次いで、実施例7において、用いたインクジェット記録用液体(II’−31)、(II’−32)の代わりに上記インクジェット記録用液体(IV−31)、(IV−32)を用いた以外は同様にして、サンプルを作製した。得られたサンプルは実施例7と同様の評価を行った。この場合でも、実施例7と同様の優れた効果が得られた。
Claims (26)
- 第1の液体及び第2の液体を少なくとも含み、複数種の液体から構成されるインクジェット記録用インクセットであって、
前記第1の液体が、金属化合物を溶解してなり、
前記複数種の液体の少なくとも1つが、重合性化合物を含有することを特徴とするインクジェット記録用インクセット。 - 前記金属化合物が、脂肪族カルボン酸の金属塩又は1,3−ジケトン金属化合物であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 前記金属化合物の金属が、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、コバルト、ニッケル、及び銅からなる群より選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 前記第1の液体が、着色剤を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 前記第2の液体が、着色剤を含有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 前記第2の液体が、金属化合物を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 前記第2の液体が、重合性化合物を含有することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 前記第1の液体と前記第2の液体とが、それぞれに重合性化合物を含有することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 前記金属化合物を含有する液体のうち少なくとも1つに、高沸点有機溶媒を含有してなることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 前記複数種の液体が溶媒を含有するとき、該溶媒が実質的に水溶性の液体を含有しないことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 前記高沸点有機溶媒が、100℃以上の沸点を有することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 前記着色剤が、油溶性染料又は顔料であることを特徴とする請求項5〜請求項11のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 前記着色剤が、顔料であることを特徴とする請求項12に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 第1の液体と第2の液体とを少なくとも含み、複数種の液体から構成される請求項1〜13のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセットを用い、
前記第1の液体及び第2の液体を記録媒体上に同時に付与するか、又はいずれか一方を先に、他方をその後に、両液体が接触するように付与することによって画像を形成することを特徴とするインクジェット画像記録方法。 - 前記第1の液体を記録媒体上に付与すると同時、又は付与した後に、前記第2の液体をインクジェットノズルによって噴射し画像を形成することを特徴とする請求項14に記載のインクジェット画像記録方法。
- 前記第1の液体を記録媒体上に付与する手段が、塗布装置を用いた塗布であり、第1の液体を塗布した後に第2の液体をインクジェットノズルによって噴射することを特徴とする請求項14又は請求項15に記載のインクジェット画像記録方法。
- 前記第1の液体及び第2の液体を記録媒体上に付与する手段が、インクジェットノズルによる噴射であることを特徴とする請求項14又は請求項15に記載のインクジェット画像記録方法。
- 記録媒体上に形成された画像に、エネルギーを付与して画像を固定する工程を設けたことを特徴とする請求項14〜請求項17のいずれか1項に記載のインクジェット画像記録方法。
- 前記エネルギーの付与が、光照射又は加熱により行われることを特徴とする請求項18に記載のインクジェット画像記録方法。
- 少なくとも、高沸点有機溶媒と、金属化合物とを含有するインクジェット記録用インク。
- 前記金属化合物が、脂肪族カルボン酸の金属塩又は1,3−ジケトン金属化合物であることを特徴とする請求項20に記載のインクジェット記録用インク。
- 前記金属化合物の金属が、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、コバルト、ニッケル、及び銅からなる群より選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項20又は請求項21に記載のインクジェット記録用インク。
- 更に、重合開始剤を含有することを特徴とする請求項20〜請求項22のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
- 着色剤を実質的に含有しないことを特徴とする請求項20〜請求項23のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
- 重合性化合物を実質的に含有しないことを特徴とする請求項20〜請求項24のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
- 少なくとも1つの液体で重合性化合物を含有してなる複数種の液体から構成されるインクジェット記録用インクセットに用いることを特徴とする請求項20〜請求項25のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
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