JP2006308651A - ラベル用裏面コート剤及びそれを塗ったラベル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (a)アルカリ可溶性樹脂と、(b)ウレタン樹脂及び又はアクリル樹脂と、を含有するコート剤、及びそのコート剤を裏面に塗布したラベル。前記のアルカリ可溶性樹脂としては、スチレン−マレイン酸樹脂、ロジン−マレイン酸樹脂及びスチレン−アクリル酸樹脂等のカルボキシル基を有する樹脂が好適である。また前記のウレタン樹脂及びアクリル樹脂のTgは40℃以下であることが好ましい。さらに前記の(a)のアルカリ可溶性樹脂と、(b)のウレタン樹脂及び又はアクリル樹脂の合計と、の固形分比率(a)/(b)は、98/2〜25/75の範囲であることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
特許文献1には、飲料用ラベル裏面にアルカリ洗瓶性と耐水性を付与するために原紙裏面に耐水性かつアルカリ可溶性樹脂層を設ける発明が記載されている。この方法は、塗布量が多く、また工程が煩雑になるため生産性が低下する等の問題がある。
前記のアルカリ可溶性樹脂としては、スチレン−マレイン酸樹脂、ロジン−マレイン酸樹脂及びスチレン−アクリル酸樹脂等のカルボキシル基を有する樹脂が好適である。
また前記のウレタン樹脂及びアクリル樹脂のTgは40℃以下であることが好ましい。さらに前記の(a)のアルカリ可溶性樹脂と、(b)のウレタン樹脂及び又はアクリル樹脂の合計と、の固形分比率(a)/(b)は、98/2〜25/75の範囲であることが好ましい。
固形分比率の計算例を示すと、(a)のアルカリ可溶性樹脂100部(固形分50%)と、(b)のウレタン樹脂100部(固形分30%)とを使用する場合は、固形分比率(a)/(b)は62.5/37.5になる。ここで部及び%は質量基準である。
本発明のコート剤を塗布する基紙としては、通常の紙、アルミ蒸着加工紙、ニス加工紙、樹脂加工紙、合成紙、プラスチックフィルム等を用いることができる。それらの基紙のなかでも、樹脂加工紙等の耐水加工をしたものや、アルミ蒸着加工を施した蒸着紙は耐水性が高く、好ましく用いられる。
マレイン酸変性系のスチレン−マレイン酸樹脂及びロジン−マレイン酸樹脂はカゼイン接着剤との親和性が良く、該接着剤の接着性や機械貼り適性等を損なうことが少ない。
Tg40℃以上を有するアクリル樹脂の使用はラベル用裏面コート剤として被膜が硬くなり、ラベルを容器の曲面部に糊で添付する際、剥離し易くなる。
また、使用するウレタン樹脂又はアクリル樹脂は、極性基を有するアルカリ可溶性樹脂との相溶性を考慮し、分子内にカルボキシル基や水酸基等の極性基を本発明に影響ない範囲で導入しても良い。
前記の巻き取られたラベルはビールメーカー等のラベル使用者に供給される。ラベル使用者はラベルを巻き出して、ラベルを一枚ずつ打ち抜き、裏面にカゼイン等の接着剤を塗布して容器に貼り付ける。
前記のワックスは塗布後の巻き取り紙がローラーをスムーズに通過するように加えられる。また消泡剤は高速塗布時には液が発泡し易くなるので、それを防ぐために添加される。
基紙として、凸版印刷株式会社製ラベル用蒸着紙を使用し、蒸着面を表面として、その表面に絵柄を印刷する。
絵柄の印刷は、大日本インキ化学工業株式会社製セルロース−ポリアミド系グラビアインキ「ブライトップBL墨」を用い、さらにその印刷面にOPニスとして大日本インキ化学工業株式会社製セルロース系コート剤「SP822OPニス」をコートする。インキ及びOPニスのそれぞれの塗布量は2g/m2(固形分)である。
Hercules社製スチレン−マレイン酸樹脂(スクリプセット550樹脂)を21.1部、イソプロピルアルコール32.9部、酢酸エチル33部、大日本インキ化学工業株式会社製ポリエステルウレタン樹脂(バーノックDF−450 固形分30% Tg約−55℃)を13部、以上の合計100部を混合して良く撹拌し、コート剤(A−1)を作製する。
これをバーコーターにて塗布量1.0g/m2になるよう試験用ラベル(C)の裏面に塗布し80℃の熱風で15秒乾燥させ、ラベル(C−1)を得た。
更にこれを中瓶ビール用のラベルの大きさに切り、カゼインをバーコーター#3にて塗布した後、空のビール中瓶に貼り、24時間放置しラベルを貼り付けたガラス容器(YC−1)を得た。
Hercules社製スチレン−マレイン酸樹脂(スクリプセット550樹脂)を21.1部、イソプロピルアルコール32.9部、酢酸エチル36部、大成ファインケミカル社製アクリル樹脂(6kw−150 固形分39% Tg約21℃)を10部、以上の合計100部を混合して良く撹拌し、コート剤(A−2)を作製する。
これをバーコーターにて塗布量1.0g/m2になるよう試験用ラベル(C)の裏面に塗布し80℃の熱風で15秒乾燥させラベル(C−2)を得た。
更にこれを中瓶ビール用のラベルの大きさに切り、カゼインをバーコーター#3にて塗布した後、空のビール中瓶に貼り、24時間放置しラベルを貼り付けたガラス容器(YC−2)を得た。
旭化成株式会社製の硝化綿S1/8(イソプロピルアルコール30%含有)を30部、イソプロピルアルコール35部、酢酸エチル35部の合計100部を混合、撹拌して調製したニス(B)を得る。このニス(B)は硝化綿を21%含有する。
前記のコート剤(A−1)100部に前記のニス(B)30部を加えて混合し、コート剤(A−3)を得る。
コート剤(A−3)をバーコーターにて塗布量1.0g/m2になるよう試験用ラベル(C)の裏面に塗布し80℃の熱風で15秒乾燥させラベル(C−3)を得た。そして実施例1に記載したものと同様の方法でラベルを貼り付けたガラス容器(YC−3)を得た。
前述のコート剤(A−1)を使用し、バーコーターにて塗布量2.0g/m2になるよう試験用ラベル(C)の裏面に塗布し80℃の熱風で20秒乾燥させラベル(C−4)を得た。実施例1に記載したものと同様の方法でラベルを貼り付けたガラス容器(YC−4)を得た。
試験用ラベル(C)を使用し、コート剤等は塗布しない。これを中瓶ビール用のラベルの大きさに切り、カゼインをバーコーター#3にて塗布した後、空のビール中瓶に貼り、24時間放置しラベルを貼り付けたガラス容器(YS−1)を得た。
Hercules社製スチレン−マレイン酸樹脂(スクリプセット550樹脂)を21部、イソプロピルアルコール39部、酢酸エチル40部、以上の合計100部を混合し、コート剤(A−4)を得た。
これをバーコーターにて塗布量1.0g/m2になるよう試験用ラベル(C)の裏面に塗布し80℃の熱風で15秒乾燥させラベル(S−2)を得た。
更にこれを中瓶ビール用のラベルの大きさに切り、カゼインをバーコーター#3にて塗布した後、空のビール中瓶に貼り、24時間放置しラベルを貼り付けたガラス容器(YS−2)を得た。
Hercules社製スチレンマレイン酸樹脂(スクリプセット550樹脂)を5部、イソプロピルアルコール14.1部、酢酸エチル14.2部、大日本インキ化学工業株式会社製ポリエステルウレタン樹脂(バーノックDF−450 固形分30% Tg約−50℃)を66.7部、以上の合計100部を混合し、コート剤(A−5)とした。
これをバーコーターにて塗布量1.0g/m2になるよう試験用ラベル(C)の裏面に塗布し80℃の熱風で15秒乾燥させラベル(S−3)を得た。
更にこれを中瓶ビール用のラベルの大きさに切り、カゼインをバーコーター#3にて塗布した後、空のビール中瓶に貼り、24時間放置しラベルを貼り付けたガラス容器(YS−3)を得た。
樹脂比・・・(a)アルカリ可溶性樹脂と、(b)ウレタン樹脂又はアクリル樹脂の少なくとも1成分以上使用する樹脂と、の固形分比率(a)/(b)。
裏面コート剤の塗布量の単位はg/m2。
耐水性(水漬け損傷率)・・・糊でラベルを貼った容器を24時間室温にて乾燥放置させた後、13〜15℃の水に24時間浸漬する。その後水中から容器を出し、水気を軽くふき取った後、直径約2cmの金属丸棒の側面で、約800gの荷重をかけながら、ラベル面を擦る。擦る際は、ラベルの無い部分からスタートして、ラベル全長にわたって擦る。丸棒で擦られてラベル面にできた傷の長さをラベルの全長で除する。損傷率(%)=傷の長さ÷ラベル全長×100。
洗瓶性・・・糊でラベルを貼った容器を48時間室温にて乾燥放置させた後、75℃、4%苛性ソーダ液に浸漬する。ビール瓶とラベルが剥離した時間(秒)を測定する。
ブロッキング性・・・作成したラベルを5枚重ね合わせ40℃で5kg/cm2の荷重をかけ、24時間40℃中に静置させた後、OPニス面と裏面との剥離抵抗を手で引き剥がして評価する。ブロッキングしていないものは抵抗なくはがすことができる。
2 ラベルの絵柄等のインキ層
3 アルミ蒸着層
4 紙
5 本発明のコート剤
6 カゼイン
7 容器
Claims (7)
- (a)アルカリ可溶性樹脂と、(b)ウレタン樹脂及び又はアクリル樹脂と、を含有するラベル基紙の裏面に塗工されるコート剤。
- 前記のアルカリ可溶性樹脂が、カルボキシル基を有する樹脂である請求項1に記載のコート剤。
- 前記のカルボキシル基を有する樹脂が、スチレン−マレイン酸樹脂、ロジン−マレイン酸樹脂及びスチレン−アクリル酸樹脂から成る群から選ばれる一つ以上である請求項2に記載のコート剤。
- 前記のウレタン樹脂及びアクリル樹脂のTgが40℃以下である請求項1に記載のコート剤。
- 請求項1に記載のコート剤において、(a)のアルカリ可溶性樹脂と、(b)のウレタン樹脂及び又はアクリル樹脂の合計と、の固形分比率(a)/(b)が、98/2〜25/75の範囲であるコート剤。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のコート剤をラベル基紙の裏面に塗工したラベル。
- 請求項6に記載のラベルに接着剤を塗布し、貼り付けた容器。
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