JP2010275467A - 耐久性の優れたジェットプリンター用インク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のジェットプリンター用インク組成物が持つ問題点、すなわち、ポリオレフィン成形品、特に、ポリエチレン包装容器に対する付着性が著しく改善され、さらに、擦過、磨耗、手もみ耐性、アルコール耐性にも優れたジェットプリンター用インクは未だ提供されていなかった。
【解決手段】塩素化ポリオレフィン樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂とを組み合わせるとともに、特定の溶剤を使用することで、付着性だけでなく、擦過および手もみ耐性、アルコール耐性が良好であり、さらに、速乾性も持つジェットプリンター用インクとすることができた。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオレフィン類、特にポリエチレン、ポリプロピレン等の各種ポリオレフィン包装容器等の成形品に対する付着性に優れ、かつ、磨耗耐性、擦過耐性、手もみ剥離耐性及びアルコール耐性にも優れたジェットプリンター用インク組成物に関する。
さらに、高速成型性の観点から高度に滑剤が配合された塗膜を有する金属缶用の蓋などにも適用可能なジェットプリンター用インク組成物に関する。
ポリエチレンやポリプロピレンなどの基材はパウチやキャップ、ボトルなどの各種包装容器成形品に多用されている。
しかし、ポリオレフィン系樹脂は結晶性を有し、しかも側鎖に反応性に富む置換基も有していないため、一般的にはポリオレフィン類に対して付着性の良好なジェットプリンター用インク組成物を製造することは困難である。
そのようなポリオレフィン包装容器成形品に対して、印刷等の装飾印刷を施す場合は、通常コロナ放電処理を行い、インク皮膜等の密着性を上げる手段がとられている。
しかしコロナ放電処理をする場合、ホコリや塵埃の付着が製品品質に支障をきたすことも多く、また容器あるいはキャップその他器具等の成形品の形態によってはコロナ放電処理を施すことができない場合が多い。
さらに、コロナ放電処理を施すにあたっては、多大な設備コスト等の負担がかかることとなる。
また、装飾印刷の場合には、基材が変形しない程度に加熱乾燥して密着性をあげる手段もとられる。
インクジェットプリンター(以下、IJPともいう。)によるマーキングは、たとえば、製造日や賞味期限等の印字に多用されている。
このような場合、印字されるのは通常製品充填後であり、加熱乾燥手段をとることは容器そのものの変形やまた製品品質等に影響することから、通常、自然乾燥のままであり、更に速乾性が要求されることになる。
したがって、製品充填後のIJPによるマーキングの場合には、これらの加熱乾燥手段をとることができないので、基材に対する付着性が弱くなり、施された日付や記号等が容易に擦れて取れてしまう問題、基材のシワなどの部分で剥離してしまう問題などが生じる。
特にポリエチレン成形品の場合には、コロナ放電処理を施したとしても、これまで擦れやシワによる剥離に対して満足できる性能を有するIJP用インクは見られなかった。
また最近食品衛生に関する諸問題から、賞味期限等の日付印字に対して、より一層の磨耗、擦過やシワに対する耐性が求められている。更に、衛生性に関する注意意識が進み、アルコールによる噴霧あるいは洗浄などの処置が行われる場合もあり、それらの処置に対応して、印字マーキングのアルコール耐性も要求されるようになってきている。
以上のとおり、特に、ポリエチレン成形品に対する擦過、磨耗耐性の良好なジェットプリンター用インク組成物の製造は難しく、仮に、ポリエチレン成形品に対して付着性を示す樹脂は製造できたとしても、手もみ剥離耐性、擦過抵抗には弱く、未だ十分な性能を有するジェットプリンター用インク組成物の開発は、ほとんどなされていない現状である。
また、金属缶に使用される金属蓋などにおいては、近年、その内外面を水性塗料で被覆することが行われている。
そして、塗膜の成形追従性を補う観点から、滑剤を効果的に配合せしめた塗料が用いられる傾向にある。特にアルミニュム蓋においては、高速製蓋システムが一般的であり、よ
り一層高度に滑剤が配合された塗装系となっている。これら塗装系に使用される滑剤としてはマイクロクリスタリンワックスやポリエチレンワックスなどの炭化水素系滑剤、脂肪酸アミド類、およびカルナバワックス、ラノリン、パーム油、脂肪酸アミド類などの天然物系滑剤などが組み合わせて配合され、高速成型における加工性に耐えるよう内部潤滑及び外部潤滑などの形態で多用されため、これらの金属蓋へのIJPインクの付着問題もしばしば生じている。
特開2000−38530 特開平10−195356 特開2001−520298 特開2002−146245 特開平5−98203
特許文献1には、コロナ放電処理のないポリプロピレンフィルムなどの包装用フィルム対して充分な密着性と耐久性(耐擦過、耐モミ、耐摩耗性)を有するインクとして、ポリアミドとロジン樹脂の組み合わせからなるエタノールベースのインクジェット用インクが開示されている。
一般にポリアミド樹脂自体は、ポリオレフィンフィルムにはそれほど付着性はよいとはいえない。
また、ポリプロピレン上での磨耗抵抗は比較的よいが、擦過には弱い。該文献には、ポリエチレンフィルムへの適用例は開示が全く記載されていないが、本願発明者らの実験では、ポリエチレン上では指で2−3回こするととれてしまう結果が得られている。
一方、他の成分であるロジン樹脂はポリオレフィンに対して付着性を示すものの、磨耗および擦過に対してはきわめて弱いものである。
したがって、これらの樹脂成分を組み合わせたとしても、充分な磨耗、擦過耐性を有する実用可能なインクは実質的には得られない。
さらに、ポリアミド樹脂は、ケトン系溶剤には溶解しないためアルコール系溶剤を多用する必要があり、本開示例はエタノールベースのインクであることから、アルコール耐性を有さないことはいうまでもない。
また、開示例では酸価20以下のポリアミドを配合してなるとあるが、これらの樹脂は柔軟性はあるものの、IJP機上での溶液安定性に不安があり、沈殿が生じるなどの問題が生じる恐れがある。
特許文献2には、同様にコロナ放電処理のないポリオレフィン類への密着性が優れたジェット用インクとして、塩素化ポリオレフィンをバインダー樹脂とする例が開示されている。密着性については、印字フィルムをくしゃくしゃにしたとき及びセロテープ剥離等に対してよいとされている。
塩素化ポリオレフィンは、ポリプロピレンやポリエチレンに対して付着性を示す。
しかし、塩素化ポリオレフィンは、擦過や磨耗に対する性能の点で難点があり、また、擦過等に対してある程度耐性を示すものは、その溶剤溶解性に問題がある。
そこで、芳香族系溶剤や高沸点の溶剤を多用する必要が生じるが、それらの溶剤を用いたとしてもIJP機内で沈殿を生じたり、作業性などに問題をきたす。
この文献では、溶剤としてはケトン、アルコール、芳香族系溶剤があげられているものの、実際に実施例で使用されている溶剤は、シクロヘキサノンのみであり、きわめて速乾性にかけるものである。
ジェット用インクに速乾性をもたせるためには、MEKや酢酸エチル、アルコールなど
の低沸点溶剤を主として用いることが必要となる。
しかし、これらの溶剤に溶解可能な塩素化ポリオレフィンは、きわめて限られたものしかなく、耐久性能と溶解性を両立できる塩素化ポリオレフィンは、市販製品にはみられないのが実情である。
また、開示されているフィルム基材はいずれもプロピレンないしプロピレンを主体とした共重合樹脂フィルムであり、ポリエチレンフィルムそのものの開示例はみられない。
本開示例では、更に、色素量がバインダー樹脂100部に対して、50〜1000部の範囲とあるが、実施例ではすべて実質的に樹脂量の2倍以上であり、色素をこのように過剰量用いた場合は、バインダーによる結着性が弱くなり、磨耗や擦過耐性が弱くなるという問題を引き起こす。
特許文献3には、ポリプロピレン、ポリエチレンに付着良好であり、擦れ及び引っ掻き抵抗性の良好な結合材としてロジン樹脂を含むニトロセルロースが開示されている。
ニトロセルロース自体はオレフィン類に対してまったく付着性がなく、ロジン樹脂により付着性を補っているとされるが、付着性を補うためには、ロジン樹脂を少なくともニトロセルロースと同量以上含まれなければならない。
しかし、前述のようにロジンは擦れ、擦過抵抗性が弱いことから、ロジン含有量を抑えても、多くしても、いずれの場合も擦れ、擦過や手もみ抵抗性などに対して満足な性能を持つインクは得られず、さらに、エタノール耐性も満足できるものではない。
特許文献4および5には、好ましいバインダー樹脂としてブチラール樹脂やエポキシ樹脂を用いたインク組成物が開示されている。該インク組成物は、金属缶、ガラス、ナイロンやポリエステルなどのプラスチックス製品などに適用できるとされているが、高度に滑剤の配合された塗料の施された金属蓋などへの密着は乏しく、爪で掻くと容易にとれてしまう。
また、特許文献3のインクの場合も、このような金属蓋に対しては温水に浸すと自然に剥離しまうなどの問題を生じる。
本発明の目的は、従来のジェットプリンター用インク組成物が持つ問題点、すなわち、ポリオレフィン成形品、特に、ポリエチレン包装容器に対する付着性が著しく改善され、さらに、擦過、磨耗、手もみ耐性、アルコール耐性にも優れたジェットプリンター用インクを提供することである。
また、表面が滑剤などで高度に覆われている金属缶用の蓋などにも適用可能な、ジェットプリンター用インクを提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、ポリエチレン成形品や滑剤配合塗料で被覆された金属蓋に対して自然剥離することなく付着性を示す塩素化ポリオレフィン樹脂と靭性の良好な塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂とを組み合わせるとともに、特定の溶剤を使用することで、付着性だけでなく、擦過および手もみ耐性、アルコール耐性が良好であり、さらに、速乾性をも有するジェットプリンター用インクとすることができることを見出した。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)バインダー樹脂(A)、色素(B)、溶剤(C)を含むジェットプリンター用インク組成物において、上記バインダー樹脂(A)として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂及び塩素化ポリオレフィン樹脂をインク組成物重量の4〜25重量%含み、該塩素化ポリオレフィン樹脂はメチルエチルケトンとメタノールとが重量比で8/2である混合溶剤における不溶分が30%以下であり、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂と塩素化ポリオレ
フィン樹脂との配合割合が、80/20〜20/80重量%であることを特徴とするジェットプリンター用インク組成物。
(2)前記バインダー樹脂(A)の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂が、共重合成分として、さらに、アクリル酸、アクリル酸エステル、ビニルアルコール又はマレイン酸を含む共重合樹脂であることを特徴とする(1)に記載のジェットプリンター用インク組成物。
(3)前記バインダー樹脂(A)の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂又は共重合成分として、さらに、アクリル酸、アクリル酸エステル、ビニルアルコール若しくははマレイン酸を含む共重合樹脂が数平均分子量10000〜40000の共重合樹脂であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のジェットプリンター用インク組成物。
(4)前記バインダー樹脂(A)の塩素化ポリオレフィン樹脂が、塩素含有量10〜60重量%、重量平均分子量が10000〜100000であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のジェットプリンター用インク組成物。
(5)色素(B)がバインダー樹脂(A)10部に対して2〜10部であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のジェットプリンター用インク組成物。
(6)溶剤(C)の70重量%以上が沸点120℃以下のものであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のジェットプリンター用インク組成物。
(7)ポリオレフィン成形品に用いることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のジェットプリンター用インク組成物。
(8)コロナ放電処理が施されていないポリエチレン成形品に用いることを特徴とする(7)に記載のジェットプリンター用インク組成物。
(9)滑剤が配合された塗膜を有する金属缶用蓋に用いることを特徴とする請求項(1)〜(6)のいずれかに記載のジェットプリンター用インク組成物。
本発明により、ポリオレフィン成形品、特にポリエチレン包装容器に対して、付着性の良い、従来のインクでは得られなかった擦過、磨耗、手もみ耐性に優れ、更に、アルコール耐性も良好なジェットプリンター用インクを提供することができる。
さらに、本発明のジェットプリンター用インクは滑剤が高度に配合された塗膜を有する金属蓋に対しても優れた付着性を示すものである。
次に、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する樹脂成分としては、皮膜形成時の凝集力に優れ、靭性の良好な性質を有する樹脂成分が必要である。形成される皮膜が脆いと、手もみ抵抗、擦過抵抗が不十分となり、満足できる性能を有するジェットプリンター用インクの製造が困難となる。
アクリル樹脂は、分子量が数万〜十数万と高分子量のものでも溶剤溶解性が良好であるが、得られる皮膜は、概して、やや脆さがある。
その結果、磨耗や擦過耐性などの機械的特性はそれほどよくなく、本発明の目的を満足するものではなく、また、アルコール耐性も不十分である。
エポキシ樹脂は、皮膜が脆弱であり、機械的特性は弱い。さらに、ポリオレフィン成形品や滑剤配合塗膜に対する付着性は全く不十分である。
ダイマー酸とジアミンからなるポリアミド樹脂は、比較的柔軟性があり、磨耗特性はややよい。しかし、擦過には弱く、アルコール溶解性であるため、アルコール耐性は極めて不十分である。
ニトロセルロースやその他セルロース類の機械的特性も、ポリアミドと同程度であるが、ポリオレフィン成形品や滑剤配合塗膜に対する付着性は全くなく、アルコール耐性も不十分である。
ロジン樹脂は、ポリオレフィン成形品や滑剤配合塗膜に対して付着性を示すものの、そ
の付着性能は脆弱であり、機械的特性は極めて弱く、アルコール耐性も有していない。
以上のことから、本発明では、基本となる樹脂成分としては、機械的特性の良好な塩化ビニルー酢酸ビニル共重合樹脂とオレフィンや滑剤配合塗膜に付着性のある塩素化ポリオレフィン樹脂の組み合わせからなるものを用いる。
本発明者らは、上記塩化ビニルー酢酸ビニル共重合樹脂が、柔軟性があり、機械的特性やアルコール耐性にも優れること、一方、塩素化ポリオレフィンも、ポリオレフィン成形品等に対する付着性があり、手もみ耐性が良好であることを見出し、さらに、その両樹脂を組み合わせると、従来になかった、擦過、磨耗、手もみ及びアルコール耐性などの全般的性能を満足するジェットプリンター用インクが得られることを見出し、本件発明の完成に至ったものである。
バインダー樹脂(A)について
塩化ビニルー酢酸ビニル共重合樹脂
塩化ビニルー酢酸ビニル共重合樹脂、及び該共重合樹脂に対して、さらに共重合成分としてアクリル酸、アクリル酸エステル、ビニルアルコール又はマレイン酸を含む共重合樹脂などがあげられ、これらの樹脂は、国内外の種々メーカのものが入手可能である。
塩化ビニルモノマーと共重合モノマーとの割合は任意であるが、塩化ビニル成分が60重量%以上の共重合体であることが好ましく、これより少ない場合はアルコール耐性が低下する傾向がある。
塩化ビニルー酢酸ビニル共重合樹脂の分子量は、数平均分子量で10000〜40000、好ましくは15000〜30000である。
分子量が10000より低いと皮膜が脆弱となり易く、磨耗抵抗や擦過抵抗性が弱くなる傾向があり、40000より大きいとインク中の所望バインダー量に対する粘度が大きくなり、IJP適性が低下する傾向がある。
代表的な樹脂としては、例えば、ダウケミカルから販売さている種々グレードの樹脂が挙げられ、それらのグレードの中では、上記のとおり、数平均分子量が10000以上であれば、樹脂の靭性が大きく、磨耗耐性、擦過耐性、手もみに対する柔軟性に優れるだけでなく、アルコール耐性も良好なインクとすることができる。また、IJP適性についても、上述のとおりである。
塩素化ポリオレフィン
塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン及びこれらをアクリル酸あるいはウレタンで変性した変性塩素化ポリオレフィンが使用でき、塩素含有量10〜60%、重量平均分子量10000〜100000の範囲のものが好適に使用でき、これらは固形、溶液系で種々市販されている。
汎用IJPに適用するためには、速乾性が要求されるため、酢酸エチル、メチルエチルケトン(以下、MEKという。)や低級アルコール類が多用されるが、塩素化ポリオレフィン類は、一般に、これら溶剤への溶解性が乏しいものが多い。
本発明で重要なことは、MEK/メタノールの8/2混合溶剤に塩素化ポリオレフィン類を任意に溶解させたとき、不溶分が30%以下であることが、IJPの長期運転性、速乾性、印字安定性、インク貯蔵安定性などの観点から重要である。
MEK/メタノールの8/2混合溶剤に対する不溶分が30%より多いと、印字安定性やインクの貯蔵安定性などに支障をきたし、且つ、IJP運転中に圧力低下やノズル詰まりなどの重大な問題を生じる可能性が高い。
また、塩素化ポリオレフィン類に対しては、脱塩素反応を防ぐため安定剤を添加でき、その安定剤としては、ビスフェノールのジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル化合物、エポキシ化植物油などのエポキシ基含有化合物、
芳香族アミンや脂肪族アミンなどのアミン化合物などがあげられる。
次に、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合樹脂と塩素化ポリオレフィン樹脂の配合割合は、重量比で8/2〜2/8であることが好適である。
塩化ビニルー酢酸ビニル共重合樹脂が重量比で20%より少ないと、アルコール耐性や、磨耗耐性が低下することとなり、一方、塩素化ポリオレフィン樹脂が重量比で20%より少ないと、ポリオレフィン成形品に対する付着性が低下し、手もみ耐性が低下することとなる。
上記配合割合は、より好ましくは、7/3〜3/7の範囲である。
また、バインダー樹脂である塩化ビニルー酢酸ビニル共重合樹脂及び塩素化ポリオレフィン樹脂の総量は、インク重量の4〜25%であることが好ましく、バインダー樹脂の総量がインク重量の4%より少ない場合は色素保持性が弱くなるとともに磨耗耐性も低下する。反対に、バインダー樹脂の総量がインク重量の25%より多くなると印字安定性が低下する。さらに、インク重量に対するバインダー樹脂の総量は、より好ましくは6〜20%である。
他の配合可能な樹脂について
上記の基本樹脂の組み合わせによる性能を損なわない範囲で、他の樹脂を配合することも可能である。
配合可能な他の樹脂には、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ジアミンとダイマー酸からなるポリアミド樹脂、ロジンおよびロジンエステル、フェノール変性ロジン、テルペンフェノール樹脂、スチレンーマレイン酸樹脂、キシレン樹脂、クマロン・インデン樹脂、ニトロセルロースやエチルセルロースなどのセルロース樹脂類、酢酸ビニル樹脂、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂は単独あるいは混合する形で配合してもよいが、その配合量は、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合樹脂と塩素化ポリエチレン樹脂の総量にたいして多くとも30重量%にすることが必要であり、これより多いとポリオレフィン成形品に対する付着性の低下を招くことになる。
色素(B)について
本発明で使用できる着色剤としては、モノアゾ系、ジスアゾ系、金属錯体系、アントラキノン系、フタロシアニン系、トリフェニルメタン系等の油溶性カーボンブラックや無機顔料系などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
代表的な色素としては、ソルベントブラック3、22、27、28、29、43,ソルベントレッド83、125、132,ソルベントブルー47、48、70、136,ソルベントイエロー88、89,ベーシクブルー5、7,ベーシクバイオレット1、3,ベーシクレッド1、8、などの塩基性染料、アシッドブラック2などの酸性染料が挙げられる。
色素の配合量は、バインダー樹脂10部に対して2〜10部の割合で配合することが重要であり、これより少ないと印字の色調が薄くなり、見栄えが悪くなる。
また、バインダー量に対する色素量の割合がこれより多いと、バインダーによる色素の保持性が低下し、磨耗や擦過、手もみに対する抵抗性が著しく低下することとなる。さらに好ましい色素の配合量は、バインダー樹脂10部に対して3〜7部である。
溶剤(C)について
本発明に使用される溶剤は、ケトン系、アルコール系、グリコールエーテル系、トルエンなどの芳香族系、エステル系などいずれの溶剤でもよいが、それらの溶剤は、沸点が120℃以下の成分が溶剤全体の70重量%以上を占めることが速乾性を維持する為に重要である。
代表的には、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、メタノール、エタノール、イソ
プロパノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、トルエン、メチルセロソルブなどが挙げられる。
他の添加剤について
レベリング剤
インク皮膜のオレフィン表面へのヌレ性を向上するため、シリコーン系化合物、フッソ系化合物を使用できる。
上記シリコーン系化合物としては、各種シリコーンオイル、アルキル基や脂肪酸あるいはポリエーテル、アミノ化合物などで変性された変性シリコーンオイルが使用でき、代表的なシリコンレベリング剤としては、信越化学(株)製のFZ2123、2208、KF−56が挙げられる。
また、上記フッソ系化合物としては、具体的にはダイキン工業(株)製のDS−403や大日本インキ(株)製のメガファックF―470などがあげられ、これらは単独でも複数混合して使用してもよい。尚レベリング剤はこれらに限定されるものではなく、本発明の組成物の特性を損なわなければ、上記以外のレベリング剤を使用しても差し支えない。
これらのレベリング剤は、インクジェットで印字されたインクが滲んだり、はじいたりすることを防ぎ、インクドット皮膜を平滑にする効果があるほか、磨耗や擦過性を向上させる効果もある
該レベリング剤の添加量は、インク重量の0.1−1.5%、より好ましくは0.2−1%である。
導電剤
本発明のジェットプリンター用インクにコンテニュアス方式によるインクジェットプリンター適用性を付与するため、導電剤を添加してもよい。
該導電剤としては、沃化カリウム、臭化リチウムなどのアルカリあるいはアルカリ土類金属のハロゲン化塩、チオオシアン酸ナトリウムなどの有機アルカリ金属塩、チオシアン酸アンモン、ジメチチルアミンやヒドロキシアミンの塩酸塩等の有機アミン塩など、テトラブチルアンモニウムおよびホスホニゥムのハロゲン化塩やトリフェニルブチルのアンモニゥムおよびホスホニゥムのハロゲン化塩など一般にコンテニュアス方式のIJPに使用される導電剤が使用できる。
これらの導電剤は、単独でも複数混合して使用してもよいが、その添加量はインク重量の0.1−2%が好ましい。
さらに、本発明では、塩ビ樹脂の柔軟性を向上させる目的で可塑剤を配合してもよい。
該可塑剤としては、脂肪酸エステル類、脂肪族2塩基酸エステル類、ポリアルキレングリコール類及びこれらのエーテルないしエステル類、ポリエステル系可塑剤、DDPやDOAなどのフタル酸エステル類、エポキシ化大豆油、モノ、ジあるいはトリグリセライドなど一般にビニル樹脂に使用される可塑剤ならば適宜使用することができる。
上記以外の添加剤では、さらに、磨耗や擦過性を向上させる目的で脂肪酸アミドやワックス類を添加することもできる
本発明のジェットプリンター用インク組成物は、コロナ放電処理が施されていないポリエチレン成形品に対しても十分な付着性能を有し、これまでのインク組成物では実現できなかった優れた付着性を有するものである。
また、本発明のジェットプリンター用インク組成物を用いて印刷できる対象物は、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン成形品、表面に滑剤配合塗料が塗布された金属蓋にかぎらず、金属缶、PETボトルなど一般的な包装容器や、その他の容器、器具、電機部品など一般的にIJPにより印字やマーキングの施される分野に広く使用することができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、いかなる場合も、該実施例によって本発明の範囲を制限するものではない。
本発明に示す実施例及び比較例に引用した樹脂の一覧と、各々の樹脂単独での特性を参考例として以下に示す。
Figure 2010275467
Figure 2010275467
Figure 2010275467
ポリアミド樹脂A GAX−11−250;ヘンケル 酸価50>
ポリアミド樹脂B バーサミド744 ;ヘンケル 酸価20<
ポリアミド樹脂C バーサミド756 ;ヘンケル 酸価20<
セルロース樹脂A ニトロセルロース 大成テクノケミカル
セルロース樹脂B エチルセルロース ダイセル
ロジン樹脂A エステルガムAAG 荒川化学
ロジン樹脂B SE10水添ロジンエステル リカタック
テルペン樹脂 YSポリスターN125 ヤスハラケミカル
着色剤A ソルベントブラック29
着色剤B ソルベントレッド83
参考例
樹脂バインダーとして塩素化ポリオレフィン樹脂を含まないものについては、以下の方法でインクを作成した
各々の樹脂をメチルエチルケトン/メタノールの8/2混合溶剤に樹脂固形分が12重量%となるように溶解させ、更に樹脂溶液量に対して着色剤Aを5重量%溶解させた。
この溶液をバーコーター#12により所定のフィルム上に塗布し、自然乾燥させたのち評価した。
磨耗耐性、アルコール耐性
ポリエチレンテレフタレートフィルムをラミネートした金属板
手もみ耐性、付着性
各々80ミクロンの放電処理のないポリエチレンフィルム(以下PE)およびポリプロピレンフィルム
(以下PP)
以下に評価の方法および評価の基準を示す
磨耗耐性
市販の消しゴムを用いて、塗布面に強く押し当て擦る
○ ;往復20回擦ってもほとんど変化ないか微かに下地が見える程度
△ ;20回擦ると下地が見える
× ;10回擦ると下地が見えてしまう
××;5回程度擦るだけで下地が見えてしまう
手もみ耐性
フィルムを両手ではさんで揉むようにして、強く10回擦り合わせる
○ ;割れや剥離は生じない
△ ;一部剥離が生じる
× ;5−6回揉むと粉状にとれてくる
付着性
○ ;セロテープにより剥離しないか、少し剥離する程度
△ ;セロテープ剥離するが、フィルムを2−3回揉んでも剥離はしない
× ;乾燥後自然に剥離するが、皮膜は比較的しっかりしている
××;乾燥後自然剥離するうえに、皮膜は脆く細かく砕けてしまう
アルコール耐性
塗装板をエタノールに浸漬し以下の基準で評価した
○ ;10分浸漬して少し色が薄くなる程度
△ ;5分浸漬して色が少し薄くなる
× ;2−3分で浸漬して色が消える
××;1分以内で色が消えてしまう
Figure 2010275467
Figure 2010275467
参考例3
塩素化PO樹脂H、及びIを除く樹脂については、MEKに12%となるように溶解させ評価した。
樹脂H、及びIについては、MEK/トルエンの6/4混合溶剤に同様に溶解させて評価した。
いずれの塩素化ポリオレフィンも、あらかじめビスフェノール系ジグリシジル化合物を安定剤として添加されているものを使用した
Figure 2010275467
溶解度は以下の基準で評価した
メチルエチルケトン(以下MEK)とメタノール(以下MeOH)の8/2重量比の混合溶剤に30重量%となるように溶解させたときの不溶分の割合である。
以上の参考例の結果に示すように、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合樹脂はポリオレフィンに対する付着性は弱いものの、磨耗耐性や耐アルコール性は他の樹脂より優れている。
また、塩素化ポリオレフィン樹脂は、ポリオレフィンに対する付着性が他の樹脂より良好であるものの、溶解度の劣るG、H、I以外は磨耗耐性を満足する材料はなかった。
さらに、使用可能な程度のアルコール耐性を満たすものは、H、Iのみであった。
以下に本発明の具体的な例を示すが、本発明は、無論ここに示した例に限定されるものではない。
インク溶液重量基準で塩酢ビ樹脂Aを7%、塩素化PO樹脂Aを5%、色素としてソルベントブラック29を4%となるようにMEK/MeOH/トルエンの7/2/1重量比の混合溶剤に溶解し、更にレベリング剤としてダウコーニング製シリコンFZ2123を0.5%加えて、東洋ろ紙Cにてろ過して実施例1のインク溶液を得た。
このインクを用いてコンテニュアス方式のIJP(ノズル径65ミクロン)により、所定のフィルムに印字し、以下に示した基準に従って評価を行なったところ、いずれも良好であり、実用的に十分な耐性を有していた。
次に、表に示した実施例2−7の組成のインクを、実施例1と同様にして作製したところ、実施例1のインクと同様に良好な結果が得られた。
また、これら実施例のインクのIJP適性は、いずれも問題なく良好であった。
Figure 2010275467
印字対象フィルムは各々80ミクロンの放電処理のないポリエチレンフィルム(以下PE)、ポリプロピレンフィルム(以下PP)を使用した。
磨耗耐性
印字したサンプルについて、市販の消しゴムを用いて塗布面に強く押し当て擦り評価した
○ ;往復20回擦っても変化ないか、少し薄くなる程度
△ ;15回こすると印字が薄くなるが判読はできる
× ;10回擦ると印字が消えてしまう
手もみ耐性
フィルムを両手ではさんで20回揉むように擦り合わせる
○ ほとんど変化ない
△ 少しかすれが生じるが判読はできる
× 5−6回揉むと印字が消えてしまう
擦過耐性
印字部を爪で10回程度する
○ ほとんど変化ないか少しかすれる程度
△ かすれが生じるが判読はできる、
× 印字が消えてしまう
付着性
印字部にセロテープを貼り付け剥離させる。
○ ;印字が取れないか、若干取れる程度
△ ;印字が取れてしまうが、フィルムを数回揉んでもとれない
× ;フィルムを2−3回揉むだけで一部印字がとれてしまう
アルコール耐性
塗装板をエタノールに浸漬し以下の基準で評価した
○ ;10分間浸漬すると色は薄くなるが判読可能
△ ;5分間程度浸漬すると色は薄くなるが判読可能
× ;1−2分浸漬するだけで色が消える、
×× 10秒程度で色が消えてしまう
IJP適性
1日8時間の運転を1ケ間実施し、IJPのトラブルおよび印字状態を確認した。
○ ;特にIJPのトラブルもなく、印字可能条件も広く安定している
△ ;IJPのトラブルもなく運転可能だが、印字条件はやや狭い
× ;IJPの重大なトラブル(ノズル汚れの頻発、圧力低下やノズル詰まりなど)
が発生
比較例1−7として塩化ビニルー酢酸ビニル共重合樹脂の代わりに、アクリル共重合樹脂やポリアミド樹脂あるいはセルロース樹脂など従来の開示例に示された配合と類似したな組成にて、実施例1と同様にしてインクを作製し評価を行なった。
また、比較例8は、塩素化ポリオレフィンに代えてロジン樹脂を用いた例である。
比較例3は、ポリアミド樹脂において柔軟性のある酸価20の樹脂を併用して評価した。
また、比較例5,6では、セルロース樹脂にオレフィンに対して付着性の比較的よいといわれる変性ロジン樹脂やテルペン樹脂と合わせてインクを作製した。
これらの例では、磨耗、擦過や手もみなどの機械的特性において実用に耐えるものはなく、また塩素化ポリオレフィン樹脂を併用した例においても、意外にも付着性の向上が見られず、同様に満足できるインクは作成できなかった。
Figure 2010275467
実施例8−15
次表に示した組成のインクを実施例1と同様にして実施例8−15のインクを作製した。
それぞれのインクを評価したところ、例えば、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合樹脂の分子量が高い場合にはIJPにおける印字可能範囲がやや狭くなるなど、それぞれの特性にやや劣る面がでるものの、総合的にはいずれの例も十分実用に耐え得るものであった。
Figure 2010275467
実施例16
塩酢ビ樹脂Bと塩素化PO樹脂Aをインク重量に対して各々5重量%を、MEK/MeOHの8/2の混合溶剤に溶解させ、更に色素Aを14重量%となるように溶解させ実施例1と同様にしてインクを作製した。
比較例9
塩酢ビ樹脂Aを5重量%および塩素化PO樹脂Gを5重量%用いて、溶剤MEK/トルエンの6:4の混合溶剤に溶解させる以外は実施例1と同様にしてインクを作製した。
以上の例において、実施例16は色素量が樹脂量10部に対してより14部と過剰であるため、磨耗耐性および擦過耐性が他の実施例に比べ若干劣るものであった。
また、比較例9は塩素化PO樹脂GのMEK/メタノール8/2の溶剤に対する不溶分が30%を超えるもののため、ノズル汚れや圧力低下などにより運転中にIJPが停止するなどのトラブルが頻発し、実用に供することはできなかった。
比較例10
トルエンの代わりにシクロヘキサノンを用いる以外は比較例9と同様のインクを作製しIJP印字を実施したが、乾燥性が著しく劣り、1時間後でも手で軽く擦ると印字が取れてしまい評価に供することができなかった。
実施例17
インク重量に対して、塩酢ビ樹脂Eを4重量%、塩素化PO樹脂Dを4重量%に加えて、ポリアミド樹脂Bを3重量%とする以外は実施例1と同様にしてインクを作製した。
実施例18
実施例17においてポリアミド樹脂の代わりに、ロジン樹脂Aを使用する以外は実施例1と同様にしてインクを作製した。
これらの実施例に示したインクはアルコール耐性が少し低下するものの、これまでの実施例のインクと同様実用的に十分な耐性を有するものであった。
実施例19
実施例1のインクを用いて、20KGプラスチック製飲料水容器のポリエチレンキャップ、ポリオレフィン性ラミコンボトル、PETボトルのPPキャップ、牛乳瓶のポリエチレン製キャップ、ポリエチレンコートされた牛乳用紙容器、豆腐容器の蓋や、ゼリーカップ、表面にポリエチレンワックスが配合された塗膜を有する金属缶のアルミ蓋など種々の包装容器等に印字を行なった。
これら容器を水に1日浸漬後、あるいは80℃の熱水で10分処理後爪で引っ掻くなどの擦過性、指や消しゴムで擦るなどの磨耗耐性、フィルムの場合は手で揉んでみるなどしたが、いずれも印字が消えたりせず良好な状態を保っていた。
また、容器にエタノールを噴霧し、しばらく放置した後印字の状態を観察したが、滲んで文字が判読できないなどの支障も生じなかった。
さらに、実施例1のインクを用いて、ポリオレフィン以外の材質の容器や器材、例えば金属缶、ガラス瓶、最外層がPETやナイロンからなるパウチ製品、他の樹脂製品などにおいても実施例19と同様に試験したところ、ポリオレフィン成形品と同様に実用的に十分すぐれた耐久性を有していた。
本発明によれば、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合樹脂とMEK/MeOH8/2の混合溶剤に溶解させたときの不溶分が30%以下である塩素化ポリオレフィン樹脂とを組み合わせることにより、IJP運転安定性が良好であり、各種包装用オレフィンフィルムや器具、特にポリエチレン類及び滑剤が高度に配合された塗料の施された金属缶の蓋などに対して、従来では得られなかった擦過、磨耗、揉みさらにはアルコール耐性などにおいて優れた耐久性を有するインクを得ることができる。

Claims (9)

  1. バインダー樹脂(A)、色素(B)、溶剤(C)を含むジェットプリンター用インク組成物において、上記バインダー樹脂(A)として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂及び塩素化ポリオレフィン樹脂をインク組成物重量の4〜25重量%含み、該塩素化ポリオレフィン樹脂はメチルエチルケトンとメタノールとが重量比で8/2である混合溶剤における不溶分が30%以下であり、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂と塩素化ポリオレフィン樹脂との配合割合が、80/20〜20/80重量%であることを特徴とするジェットプリンター用インク組成物。
  2. 前記バインダー樹脂(A)の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂が、共重合成分として、さらに、アクリル酸、アクリル酸エステル、ビニルアルコール又はマレイン酸を含む共重合樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のジェットプリンター用インク組成物。
  3. 前記バインダー樹脂(A)の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂又は共重合成分として、さらに、アクリル酸、アクリル酸エステル、ビニルアルコール若しくはマレイン酸を含む共重合樹脂が数平均分子量10000〜40000の共重合樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載のジェットプリンター用インク組成物。
  4. 前記バインダー樹脂(A)の塩素化ポリオレフィン樹脂が、塩素含有量10〜60重量%、重量平均分子量が10000〜100000であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のジェットプリンター用インク組成物。
  5. 色素(B)がバインダー樹脂(A)10部に対して2〜10部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のジェットプリンター用インク組成物。
  6. 溶剤(C)の70重量%以上が沸点120℃以下のものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のジェットプリンター用インク組成物。
  7. ポリオレフィン成形品に用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のジェットプリンター用インク組成物。
  8. コロナ放電処理が施されていないポリエチレン成形品に用いることを特徴とする請求項7に記載のジェットプリンター用インク組成物。
  9. 滑剤が配合された塗膜を有する金属缶用蓋に用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のジェットプリンター用インク組成物。
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