JP6428486B2 - ポリオレフィン基材用コーティング組成物および記録材 - Google Patents

ポリオレフィン基材用コーティング組成物および記録材 Download PDF

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Description

本発明は、文字、記録、記号、バーコード模様などの情報を記録する材料(記録材)に有用な、前記情報を安定かつ鮮明に保持する記録材用として有用なコーティング組成物に関する。特に筆記用すなわち、鉛筆、ボールペン、水性ペン、油性ペン等により文字、図柄等を極めて鮮明に筆記することができ、更には切手やシール等に対する貼合適性を付与するコーティング組成物に関するものである。更に詳しくは、ポリオレフィン基材上にコーティング組成物を2層以上積層した場合でも優れた外観を有し、ポリオレフィン基材への密着性を損なうことなく上記適性を付与する記録材に関するものである。
従来、食品用軟包装体、小袋包装物、あるいは身近な日用品として、葉書や封筒などの郵便関連資材にはプラスチックフィルムが広く利用されている。このような用途のプラスチックフィルムには、印刷や筆記が施され、印刷においては優れた意匠性、美粧性を付与すること、筆記においては鉛筆、ボールペン、水性ペン、油性ペン等により筆記可能な領域の形成が要求される。更には切手やシール等を貼合した後に剥離しないことが求められる。また、郵送時などに基材同士の接触による摩擦などが原因で印刷柄が剥離しないこと、といったフィルムへの接着性も求められる。
例えば、特許文献1では、様々な条件下での耐水性、強度を課題として、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、水酸基含有塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、界面活性剤及び顔料を溶剤中に溶解及び分散させてからなるインキ組成物が提案されている。
しかし、特許文献1の場合、ポリオレフィン基材に対する密着性に劣り、印刷物同士が接触する際にインキが剥離してしまう。更に、油性ペンや水性ペンで筆記したときは、インキが基材表面に吸収されないために、乾燥が遅く実用性に乏しいものである。
また、特許文献2では、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体からなる吸水樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物による筆記用記録材が提案されている。
しかし、特許文献2では、各種の筆記適性は良好であるが、ポリオレフィン基材に対する接着性に劣り、さらに、印刷時において、1層目の印刷柄上に2層目以降の柄を形成する場合に、2層目以上の柄が濡れ広がらず、もしくは2層目以上の柄が形成されず、外観不良が発生する(以下、重ね刷り適性と記述する)。
特公平5−87090号公報 特開2001−181995号公報
本発明は、ポリオレフィン基材に対する接着性に優れ、また、重ね刷り、重ね塗工もでき、さらに、これら印刷層、塗工層に対して鉛筆、ボールペン、水性ペン、油性ペン等により文字、図柄等を極めて鮮明に筆記することができ、切手やシール等に対して優れた貼合適性を付与するポリオレフィン基材用コーティング組成物および記録材を提供することを目的とする。
そこで上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ある特定のポリウレタンウレア樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂、シリカ粒子、ポリオレフィン系ワックスおよび/またはパラフィンワックスを含有するコーティング組成物を、ポリオレフィン基材上に塗工してなるコーティング組成物および記録材が、ポリオレフィン基材に対する接着性、文字、図柄等の優れた筆記適性、さらに切手やシール等に対しての優れた貼合適性を有することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、ポリオレフィン基材上に、コーティング組成物を塗工してなる筆記用記録材において、コーティング組成物が、下記(1)〜(4)であることを特徴とする筆記用記録材に関する。
(1)コーティング組成物が、ポリウレタンウレア樹脂(A)と、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)と、平均粒子径が2〜12μmのシリカ粒子(C)と、ポリオレフィン系ワックスおよび/またはパラフィンワックス(D)とを含有する。
(2)コーティング組成物中、ポリウレタンウレア樹脂(A)と、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)との固形分重量比が95/5〜60/40である。
(3)コーティング組成物全体に対して、平均粒子径が2〜12μmのシリカ粒子(C)の含有量が1〜7重量%である。
(4)コーティング組成物全体に対して、ポリオレフィン系ワックスおよび/またはパラフィンワックス(D)の含有量が0.5〜5重量%である。
また、本発明は、ポリウレタンウレア樹脂(A)と、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)と、平均粒子径が2〜12μmのシリカ粒子(C)と、ポリオレフィン系ワックスおよび/またはパラフィンワックス(D)とを含有するポリオレフィン基材用コーティング組成物であって下記(1)〜(3)であることを特徴とするポリオレフィン基材用コーティング組成物に関する。
(1)組成物中、ポリウレタンウレア樹脂(A)と、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)との固形分重量比が95/5〜60/40である。
(2)組成物中、平均粒子径が2〜12μmのシリカ粒子(C)の含有量が1〜7重量%である。
(3)組成物中、ポリオレフィン系ワックスおよび/またはパラフィンワックス(D)の含有量が0.5〜5重量%である。
また、本発明は、ポリウレタンウレア樹脂(A)が、ポリイソシアネート(a1)とポリオール(a2)とを反応させてなる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを、有機ジアミン(a3)と反応させてなり、ポリイソシアネート(a1)のイソシアネート基と、ポリオール(a2)の水酸基との反応におけるモル比〔NCO〕/〔OH〕が、2.0〜2.5であることを特徴とする上記コーティング組成物に関する。
さらに、本発明は、ポリオール(a2)が、分岐構造を有するポリオールを1種類以上含有することを特徴とする上記コーティング組成物に関する
また、本発明は、前記ポリオレフィン基材用コーティング組成物をポリオレフィン基材に塗工した塗工物に関する。
さらに、本発明は、前記塗工物からなる記録材に関する。
ポリオレフィン基材上に、コーティング組成物を印刷、塗工してなる塗工物において、コーティング組成物にポリウレタンウレア樹脂と、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂と、シリカ粒子と、ポリオレフィン系ワックスおよび/またはパラフィンワックスとの組成を最適化することにより、ポリオレフィン基材に対する優れた接着性と、筆記適性と、切手やシール等に対する優れた貼合適性を有することが可能となった。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
<ポリウレタンウレア樹脂(A)>
本発明に用いるポリウレタンウレア樹脂(A)は、ポリイソシアネート(a1)とポリオール(a2)とを反応させてなる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを合成し、さらに有機ジアミン(a3)と反応せしめて得られる。なお、ポリウレタンウレア樹脂とは、ウレタン結合部位およびウレア結合部位を有する樹脂のことを指し、ウレタン結合部位とは、ヒドロキシル基とイソシアネート基が反応して得られ、ウレア結合部位とは、アミノ基とイソシアネート基が反応して得られる。
ポリイソシアネート(a1)のイソシアネート基と、ポリオール(a2)の水酸基との反応におけるモル比〔NCO〕/〔OH〕比は、ポリウレタンウレア樹脂の極性やコーティング組成物を塗工した塗膜の硬さを制御する上で重要であり、〔NCO〕/〔OH〕=2.0〜2.5であることが好ましい。〔NCO〕/〔OH〕が、2.0未満の場合、塗膜が柔らかくなり、ブロッキング(コーティング面同士、またはコーティング組成物とポリオレフィン基材同士がくっつく現象)が発生しやすくなる。〔NCO〕/〔OH〕が、2.5より大きくなる場合、塗膜が硬くなり、ポリオレフィン基材への接着性が悪くなる傾向にある。
本発明におけるポリイソシアネート(a1)としては、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。
例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4'−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメリールジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ビス−クロロメチル−ジフェニルメタン−ジイソシアネート、2,6−ジイソシアネート−ベンジルクロライドやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等が挙げられる。これらのジイソシアネート化合物は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本発明に用いるポリオール(a2)は、1種類以上のポリオールからなる。ポリオールの構造は、一般的に用いられる各種公知のポリオールを用いることができ、1種類または2種類以上を併用してもよい。
例えば、酸化メチレン、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体のポリエーテルポリオール類(1);
エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2−メチル−1,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオールオクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、1,4−ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエリスリトールなどの飽和または不飽和の低分子ポリオール類と、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸あるいはこれらの無水物とを脱水縮合または重合させて得られるポリエステルポリオール類(2);
環状エステル化合物、例えばポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)等のラクトン類、を開環重合して得られるポリエステルポリオール類(3);
前記低分子ポリオール類などと、例えばジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、ホスゲン等との反応によって得られるポリカーボネートポリオール類(4);
ポリブタジエングリコール類(5);
ビスフェノールAに酸化エチレンまたは酸化プロピレンを付加して得られるグリコール類(6);
1分子中に1個以上のヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロプル、アクリルヒドロキシブチル等、或いはこれらの対応するメタクリル酸誘導体等と、例えばアクリル酸、メタクリル酸又はそのエステルとを共重合することによって得られるアクリルポリオール(7)などが挙げられる。
ただし、ポリオール(a2)として、前記ポリオールの中から分岐構造を有するポリオールを1種類以上含有することが好ましい。さらに好ましくは2種類以上のポリオールを併用し、その内1種類以上は分岐構造を有するポリオールを、ポリオール全体の50重量%以上使用する。2種類以上のポリオールを併用することで、コーティング組成物中の他の化合物との相溶性の向上、塗膜の柔軟性の調整を容易に行えるなどの利点がある。ポリオールに全て直鎖のものを用いた場合、コーティング組成物中の他の化合物との相溶性の低下、塗膜が硬くなりすぎてポリオレフィン基材に対する接着不良等の原因となる傾向がある。
分岐構造を有するポリオールとしては、ポリエーテルポリオール類では特に酸化プロピレンの重合体が好ましい。ポリエステルポリオール類では特に1,2−プロパンジオールとアジピン酸の重合体、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸の重合体を用いることが好ましい。相溶性や塗膜の柔軟性、接着性の観点から、これらのポリオールが好ましい。
本発明においては、鎖伸長剤として有機ジアミン(a3)を用いる。有機ジアミン(a3)としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミンなどの他、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど分子内に水酸基を有するアミン類も用いることが出来る。これらの有機ジアミン(a3)は単独で、または二種類以上を混合して用いることができる。
本発明において、ポリウレタンウレア樹脂を用いることで、ポリオレフィン基材への接着性、および重ね刷り適性が向上する。ウレア結合を有さないポリウレタン樹脂では、接着性に起因するテープ接着性、耐スクラッチ性、および耐ブロッキング性に劣る。
また、末端封鎖剤として、一価の活性水素化合物を用いることもできる。例えば、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類やエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類があげられる。これらの末端封鎖剤は単独で、または二種類以上を混合して用いることができる。
本発明に用いるポリウレタンウレア樹脂(A)のアミン価は、1.0〜8.0mgKOH/gであることが好ましい。アミン価が1.0mgKOH/gより小さいとポリオレフィン基材への接着性が劣る傾向にあり、8.0mgKOH/gより大きいと、2層目以降の柄を形成する場合に、1層目の柄を溶かすことによる外観不良が発生する傾向にある。
本発明に用いるポリウレタンウレア樹脂(A)の分子量は、重量平均分子量で20000〜60000であることが好ましい。20000より小さいと、耐ブロッキング性が劣る傾向にある。また、60000より大きいと、コーティング組成物中の溶剤への溶解性が劣る傾向にある。なお、重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)装置を用いて(測定溶媒:テトラヒドロフラン)、ポリスチレン換算分子量として求めた値である。
本発明に用いるポリウレタンウレア樹脂の合成法は、まずプレポリマー反応としてポリオールとジイソシアネート化合物を、必要に応じイソシアネート基に不活性な溶媒を用い、また、更に必要であれば触媒を用いて10〜100℃の温度で反応させ、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造し、次いで、鎖延長反応としてウレタンプレポリマーと有機ジアミンとを、10〜80℃で反応させる。プレポリマー反応および鎖延長反応の終点は、粘度測定、IR測定によるNCOピ−ク、滴定によるアミン価測定等により判断される。
本発明におけるポリウレタンウレア樹脂の合成に用いる溶剤としては、エステル系、アルコール系を用いることが好ましい。エステル系としては、酢酸エチル、ノルマルプロピルアセテート、イソプロピルアセテート、イソブチルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなど、アルコール系としては、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロピルアルコール、ノルマルブタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなど公知の溶剤が挙げられる。
プレポリマー反応には触媒を用いることもできる。使用できる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジメチルアニリンなどの3級アミン系の触媒;スズ、亜鉛などの金属系の触媒などが挙げられる。これらの触媒は通常ポリオールに対して0.001〜1モル%の範囲で使用される。
<塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)>
本発明に用いる塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)は、塩化ビニルと酢酸ビニルのモル比、重合度、分子量により、塗膜の強靭性、接着性、溶解性が決定される。塩化ビニルは塗膜の強靭さや硬さ、およびオレフィン基材への接着性を付与し、酢酸ビニルは柔軟性やオレフィン基材以外への接着性を付与する。また、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)は、ヒドロキシル基やカルボキシル基を含有していてもよく、これらの官能基により溶解性や接着性の調整を容易にする。本発明においては、特にヒドロキシル基を有するものが、その他のコーティング組成物中の相溶性、水性ペンや油性ペンの筆記適性、切手やシール等の貼合適性の付与においても好ましい。
本発明に用いる塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)としては、例えば、SOLBIN C、SOLBIN CL、SOLBIN CLL、SOLBIN CH、SOLBIN CN、SOLBIN CNL、SOLBIN C5R、SOLBIN A、SOLBIN AL、SOLBIN TA5R、SOLBIN TA3、SOLBIN TAO、SOLBIN M5(いずれも、日信化学工業株式会社製:商品名)、VINNOL
E15/45、VINNOL E15/45M、VINNOL E15/48A、VINNOL E22/48A、VINNOL H15/50、VINNOL H15/42、VINNOL H14/36、VINNOL H11/59、VINNOL H15/45M(いずれも、Wacker Chemie AG社製:商品名)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いるポリウレタンウレア樹脂(A)と、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)とのコーティング組成物中の固形分重量比は、95/5〜60/40であることが必要であり、90/10〜65/35の範囲内であることがより好ましい。ポリウレタンウレア樹脂(A)の固形分重量比が95より大きくなると、塗膜が軟らかくなりすぎることによりブロッキングが発生し、固形分重量比が60より小さくなると、塗膜が硬くなりすぎることにより柔軟性が足りず耐もみ性が低下する。
<シリカ粒子(C)>
本発明に用いるシリカ粒子(C)は、本発明にかかる記録材を構成するコーティング組成物層の表面を粗くし、種々の筆記具の滑り性や受理性を向上させ、文字などの情報を保持させるために添加するものである。シリカ粒子の種類としては、多孔質シリカ、球状シリカがある。さらに、シリカは通常親水性であるが、コーティング組成物中への分散安定性の付与等の目的で変性処理をしても良く、例えば有機ケイ素化合物処理、ワックス処理、カルシウムなどの無機化合物処理が挙げられる。
また、シリカ粒子(C)の平均粒子径は、筆記適性や重ね刷適性の点から、レーザー回折法において2〜12μmの範囲内であることが必要である。さらに3〜8μmの範囲内であることがより好ましい。粒子径が2μm未満の場合、筆記時の滑り性や受理性に劣り、12μmより大きい場合、表面が粗くなりすぎることに起因する重ね刷適性に劣る。
シリカ粒子(C)の添加量は、筆記適性や重ね刷り適性の点から、コーティング組成物全体に対して、1〜7重量%の範囲内である。さらに1〜4重量%の範囲内であることがより好ましい。添加量が1重量%未満の場合、筆記時の滑り性や受理性に劣り、7重量%より多い場合、表面が粗くなりすぎることに起因する重ね刷適性に劣る。
<ポリオレフィン系ワックスおよび/またはパラフィンワックス(D)>
本発明に用いるポリオレフィン系ワックスおよび/またはパラフィンワックス(D)は、形成される塗膜の耐スクラッチ性を向上させる作用を有する。ポリオレフィン系ワックスとしては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。添加量は、コーティング組成物全体に対して0.5〜5重量%である。さらに1〜3.5重量%の範囲内であることがより好ましい。添加量が0.5重量%未満の場合、耐スクラッチ性に劣り、5重量%より多い場合、表面が粗くなりすぎることに起因する重ね刷り適性の不良が発生する。
<着色剤>
本発明に用いるコーティング組成物には、必要に応じて着色剤を使用できる。着色剤として、例えば、白色着色剤を使用できる。また、白色着色剤に有色着色剤を併用することもできる。白色着色剤として使用する酸化チタンなどの顔料は、特に限定されるものではないが、顔料表面が塩基性であるものがより好ましい。また、白以外の無機顔料としては、カーボンブラック、アルミニウム、マイカ(雲母)などの顔料が挙げられる。アルミニウムは粉末またはペースト状であるが、取扱い性および安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングまたはノンリーフィングを使用するかは輝度感および濃度の点から適宜選択される。また、有色着色剤としては、一般のインキ、塗料、および記録剤などに使用されている有機顔料、無機顔料や染料を挙げることができる。併用できる有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、ジクトピロロピロール系、イソインドリン系などの顔料が挙げられる。
着色剤は、コーティング組成物の濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわちコーティング組成物の総重量に対して1〜50重量%の割合で含まれることが好ましい。また、これらの着色剤は単独で、または2種類以上を併用して用いることができる。
<溶剤>
本発明で用いるコーティング組成物は、必要に応じて溶剤を使用できる。溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノーなどのアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル系、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶剤、および水等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、遅乾性溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が少量使用することができる。溶剤は、樹脂の溶解性や乾燥性などを考慮して、混合して使用することが好ましい。これらの溶剤の使用量としては、通常のコーティング組成物では30重量%以上含有される。
<コーティング組成物>
本発明に用いるコーティング組成物は、樹脂、着色剤などを溶剤中に溶解および/または分散することにより製造することができる。具体的には、着色剤を樹脂により溶剤に分散させた分散体を製造し、得られた分散体に、樹脂、溶剤、必要に応じて他の化合物を配合することにより、コーティング組成物を製造することができる。
ポリウレタンウレア樹脂(A)、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)、シリカ粒子(C)、ポリオレフィン系ワックスおよび/またはパラフィンワックス(D)は、分散体の製造時に配合されても、分散体に配合されてもよい。
シリカ粒子または着色剤を溶剤に安定に分散させるには、樹脂単独でも分散可能であるが、さらに着色剤を安定に分散するため分散剤を併用することもできる。分散剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性などの界面活性剤を使用することができる。分散剤は、コーティング組成物の保存安定性の観点からコーティング組成物の総重量に対して0.05〜5.0重量%の範囲内であることが好ましく、0.1〜3重量%の範囲内であることがより好ましい。
分散体における顔料等の着色剤の粒度分布は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、分散体の吐出速度、分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては一般に使用される、例えばローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、ペイントシェーカー、サンドミルなどを用いることができる。
コーティング組成物中に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、コーティング物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器は従来公知のものを使用することができる。
前記方法で製造されたコーティング組成物の粘度は、シリカ粒子や顔料の沈降を防ぎ、適度に分散させる観点から10mPa・s以上、コーティング組成物製造時や印刷時の作業性効率の観点から1000mPa・s以下の範囲であることが好ましい。なお、上記粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定された粘度である。
本発明で用いるコーティング組成物には、必要な物性に応じて、イソシアネート硬化剤を併用して使用することができる。用いられるイソシアネート硬化剤の例としては、ジイソシアネートがヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等をあげることができる。また、ポリイソシアネートの変性体にはアダクト型、2官能プレポリマー型、ビゥレット型をあげられる。これらの硬化剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができ、上記コーティング組成物100重量部中、1〜10重量%が好ましい。前記範囲内であると、ポリオレフィン基材への接着性や塗膜強度が向上し、テープ接着性、耐スクラッチ性、耐ブロッキング性が向上する。
<ポリオレフィン基材>
本発明に用いるポリオレフィン基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、フィルムの厚さとしては、10μm〜100μmのものを使用することができる。さらに、ポリオレフィン基材には、コロナ処理などの表面処理が施されていても良い。
本発明で用いるコーティング組成物は、グラビア印刷、フレキソ印刷などの既知の印刷方式で用いることができる。例えば、グラビア印刷に適した粘度及び濃度にまで希釈溶剤で希釈され、単独でまたは混合されて各印刷ユニットに供給される。
ポリオレフィン基材に、上記の印刷方式を用いてコーティング組成物を塗布し、オーブンによる乾燥によって乾燥させて定着することで、本発明の記録材を得ることができる。
以下、本発明を実施例および比較例を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれら各例に限定されるものではない。また、実施例および比較例に用いた材料は以下の通りである。なお、本発明中、特に断らない限り「部」は「重量」、「%」は重量%を表す。
まず、ポリウレタンウレア樹脂(A)および塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)は以下の方法で作製した。
[合成例1]
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、高分子ポリオール(a2)−1(PPG2000:EXCENOL 2020、旭硝子株式会社製、数平均分子量2000)11.44部、高分子ポリオール(a2)−2(PMPA2000 : クラレポリオールP−2010、株式会社クラレ製、数平均分子量2000)11.44部、イソホロンジイソシアネート5.08部、2−エチルヘキサン酸錫0.003部および酢酸エチル10.64部を仕込み、窒素気流下に100℃ で6時間反応させ、末端イソシアネートプレポリマーの溶液38.60部を得た。次いでイソホロンジアミン2.04部、酢酸エチル24.34部およびイソプロピルアルコール35.02部を混合したものへ、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶液38.60部を室温で徐々に添加し鎖伸張を行い、次に50℃で1時間反応させ、固形分30%、重量平均分子量40000、アミン価2.0mgKOH/gのポリウレタンウレア樹脂溶液(A1)を得た。
[合成例2〜8]
表1の仕込み比にて、合成例1と同様の操作で、ポリウレタンウレア樹脂溶液(A2〜A8)を得た。なお、用いた高分子ポリオール(a2)の種類は以下の通りである。
高分子ポリオール(a2)−1 : 1,2−プロパンジオールの重合体
(PPG2000:EXCENOL 2020、旭硝子株式会社製、数平均分子量2000)
高分子ポリオール(a2)−2 : 3−メチル−1,5ペンタンジオール/アジピン酸の重合体(PMPA2000 : クラレポリオールP−2010、株式会社クラレ製、数平均分子量2000)
高分子ポリオール(a2)−3 : テトラヒドロフランの重合体
(PTG3000SN、保土谷化学工業株式会社製、数平均分子量3000)
高分子ポリオール(a2)−4 : 1,2−プロパンジオール/アジピン酸の重合体
(PPA2000 :ETERKYD5052、長興化学社製)
[合成例9]
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、高分子ポリオール(a2)−1(PPG2000:EXCENOL 2020、旭硝子株式会社製、数平均分子量2000)12.27部、高分子ポリオール(a2)−2(PMPA2000 : クラレポリオールP−2010、株式会社クラレ製、数平均分子量2000)12.27部、イソホロンジイソシアネート5.46部、2− エチルヘキサン酸錫0.003部および酢酸エチル10.64部を仕込み、窒素気流下に100℃ で6時間反応させた。この溶液を酢酸エチル24.34部およびイソプロピルアルコール 35.02部で希釈し、固形分30%、重量平均分子量50000のポリウレタン樹脂溶液(A9)を得た。
Figure 0006428486
[塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂溶液(B)の調整]
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂溶液(B)〔SOLBIN TA5R(日信化学工業株式会社製)、分子量28000、塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール=88/1/11〕30部を、酢酸エチル70部に溶解させ、固形分30%の塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂溶液(B1)を得た。
[塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂溶液ス(B)の調整]
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂溶液(B)[SOLBIN M5(日信化学工業株式会社製)、分子量22000、塩化ビニル/酢酸ビニル/ジカルボン酸=85/14/1〕30部を、酢酸エチル70部に溶解させ、固形分30%の塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂溶液(B2)を得た。
[製造例1]
着色剤(酸化チタン、タイトーンR45M、堺化学株式会社製)30.00部、ポリウレタンウレア樹脂溶液(A1)15.00部、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂溶液(B1)15.00部を撹拌混合しサンドミルで練肉した後、ポリウレタンウレア樹脂溶液(A1)20.00部、シリカ粒子C1(Mizukasil C−002、水澤化学工業株式会社製 平均粒子径2μm)3.00部、ワックスD1(ハイワックス220MP、ポリエチレンワックス、三井化学株式会社製)3.00部、イソプロピルアルコール7.00部、酢酸エチル7.00部を撹拌混合し、コーティング組成物(コーティング剤1)を得た。
[製造例2〜30]
表2−1および表2−2に示す配合比で、製造例1と同様の操作で、製造例2〜30のコーティング組成物(コーティング剤1〜30)を調製した。
着色剤 タイトーンR45M(酸化チタン、堺化学株式会社製)
シリカ粒子C1 Mizukasil C−002(水澤化学工業株式会社製 平均粒子径2μm)
シリカ粒子C2 Mizukasil P−803(水澤化学工業株式会社製 平均粒子径5μm)
シリカ粒子C3 Mizukasil P−78D(水澤化学工業株式会社製 平均粒子径12μm)
シリカ粒子C4 sicastar (コアフロント株式会社 平均粒子径1μm)
シリカ粒子C5 sicastar (コアフロント株式会社 平均粒子径15μm)
ワックスD1 : ハイワックス220MP(ポリエチレンワックス、三井化学株式会社製)
ワックスD2 ハイワックスNP055(ポリプロピレンワックス、三井化学株式会社製)
ワックスD3 VESTWAX H 2050 SF(パラフィンワックス、EVONIK社製)
ワックスD4 SST−4MG(ポリテトラフルオロエチレンワックス、Shamrock Technologies社製)
Figure 0006428486
Figure 0006428486
[実施例1〜20、比較例1〜10]
上記の配合及び手順で作成した実施例の1〜20および比較例1〜10のコーティング組成物(コーティング剤1〜30)をグラビア印刷機を使用し、印刷速度40m/分、線数175線/inch、版深30μmの網グラビア版で、厚さ50μmのポリエチレンフィルムに印刷を行った。さらに、得られた印刷柄上に、同様の条件にて、版のみ線数175線/inchの網グラデーション版に変更し、PANNECO AM39藍(東洋インキ株式会社製)を印刷した。その後、テープ接着性、重ね刷り適性、耐スクラッチ性、耐もみ性、筆記適性、切手・シール貼り適性、耐ブロッキング性について評価した。評価結果を表3−1および表3−2に示す。なお、各評価方法は、以下に記した方法による。
[テープ接着性]
セロハンテープ(幅12mm)を印刷面に貼りあわせ、指にて5回擦った後、テープを剥離しコーティング剤のとられ程度を評価。
◎ コーティング剤とられが全くないもの
〇 コーティング剤とられが10%未満であるもの
△ コーティング剤とられが10〜20%あるが、実用上問題ないもの
× コーティング剤とられが20%以上であり、実用上支障があるもの
[重ね刷り適性]
1層目の印刷柄に2層目の柄を形成したときの外観を目視にて評価。
〇 非常に良好に2層目の柄が形成され、優秀であるもの
△ 僅かに外観が悪いが、実用上問題ないもの
× 2層目の柄の外観が悪く、実用上支障があるもの
[耐スクラッチ性]
印刷面を爪で擦り、傷つき程度を評価。
〇 傷がつかないもの
△ 強く擦ると傷が生じるが、実用上問題ないもの
× 傷がつきやすく、実用上支障があるもの
[耐もみ性]
印刷物を両手の親指と人差し指ではさみ、30回もんだ後のコーティング剤の剥離程度を評価。
〇 コーティング剤とられがないもの
△ 20%未満のコーティング剤とられがあるが、実用上問題ないもの
× コーティング剤とられが20%以上であるもの
[筆記適性]
印刷物表面をHBの鉛筆(1)、ボールペン(2)、油性ペン(3)、水性ペン(4)、蛍光ペン(5)で筆記し、紙に筆記した場合と濃度および乾燥性について目視比較。
〇 紙と同等またはそれ以上であり、優秀であるもの
△ 紙と比較しやや劣るものの、実用上問題ないもの
× 紙と比較して劣っており、実用上支障があるもの
[切手・シール貼り適性]
印刷物表面に切手およびシールを貼合し、1日後の剥離状態を評価
◎ まったく剥離しておらず、強制的に剥離しても剥離強度が非常に強いもの
〇 剥離はしていないが、強制的に剥離しても強度はやや強いもの
△ 剥離はしてないが、強制的に剥離すると強度は弱いが、実用上問題ないもの。
× 一部が剥離しており、実用上支障があるもの
[耐ブロッキング性]
印刷物を4cm×4cmに2枚サンプリングし、このサンプルの印刷面同士を合わせて、40℃12時間、10Kgfの加圧を行い、サンプルを剥離したときのコーティング剤とられおよび剥離抵抗感を評価した。
〇 印刷物からコーティング剤の転移が全く認められず、剥離時の抵抗もないもの
△若干の剥離抵抗があるものの、印刷物からコーティング剤の転移が認められず、実用上問題ないもの
× 印刷物からコーティング剤の転移が認められた
以上のように、ポリウレタンウレア樹脂(A)と、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)と、平均粒子径が2〜12μmのシリカ粒子(C)と、ポリオレフィン系ワックスおよび/またはパラフィンワックス(D)とを含有するコーティング組成物において、ポリウレタンウレア樹脂(A)と、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)との固形分重量比が95/5〜60/40であり、シリカ粒子(C)の含有量が1〜7重量%であり、さらにポリオレフィン系ワックスおよび/またはパラフィンワックス(D)の含有量が0.5〜5重量%であることを特徴とする筆記用記録材は、ポリオレフィン基材に対する接着性に優れ、さらに、鉛筆、ボールペン、水性ペン、油性ペン等により文字、図柄等を極めて鮮明に筆記することができ、切手やシール等に対して優れた貼合適性を確保することを可能とした。さらに、〔NCO〕/〔OH〕=2.0〜2.5であり、ポリオール(a2)が、分岐構造を有するポリオールを1種類以上含有すると、さらに良好な各物性が得られた。
Figure 0006428486
Figure 0006428486
以上、オレフィン基材上にコーティング組成物を塗工した塗工物の代表例として、筆記用記録材を示したが、本組成物は、オレフィン基材上に、塗工するアンカーコート剤、下塗り剤、塗工液、印刷インキとして用いても同様のオレフィン基材への接着性と、耐スクラッチ性、耐プロッキング性などの特性を発揮できる。

Claims (6)

  1. ポリオレフィン基材上に、コーティング組成物を塗工してなる筆記用記録材において、コーティング組成物が、下記(1)〜(4)であることを特徴とする筆記用記録材。
    (1)コーティング組成物が、ポリウレタンウレア樹脂(A)と、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)と、平均粒子径が2〜12μmのシリカ粒子(C)と、ポリオレフィン系ワックスおよび/またはパラフィンワックス(D)とを含有する。
    (2)コーティング組成物中、ポリウレタンウレア樹脂(A)と、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)との固形分重量比が95/5〜60/40である。
    (3)コーティング組成物全体に対して、平均粒子径が2〜12μmのシリカ粒子(C)の含有量が、1〜7重量%である。
    (4)コーティング組成物全体に対して、ポリオレフィン系ワックスおよび/またはパラフィンワックス(D)の含有量が、0.5〜5重量%である。
  2. ポリウレタンウレア樹脂(A)と、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)と、平均粒子径が2〜12μmのシリカ粒子(C)と、ポリオレフィン系ワックスおよび/またはパラフィンワックス(D)とを含有するポリオレフィン基材用コーティング組成物であって下記(1)〜(3)を特徴とする。
    (1)組成物中、ポリウレタンウレア樹脂(A)と、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)との固形分重量比が95/5〜60/40である。
    (2)組成物中、平均粒子径が2〜12μmのシリカ粒子(C)の含有量が1〜7重量%である。
    (3)組成物中、ポリオレフィン系ワックスおよび/またはパラフィンワックス(D)の含有量が0.5〜5重量%である。
  3. ポリウレタンウレア樹脂(A)が、
    ポリイソシアネート(a1)とポリオール(a2)とを反応させてなる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを、有機ジアミン(a3)と反応させてなり、
    ポリイソシアネート(a1)のイソシアネート基と、ポリオール(a2)の水酸基との反応におけるモル比〔NCO〕/〔OH〕が、2.0〜2.5であることを特徴とする請求項2記載のコーティング組成物。
  4. ポリオール(a2)が、分岐構造を有するポリオールを1種類以上含有することを特徴とする請求項3記載のコーティング組成物。
  5. 請求項2〜4いずれか記載のポリオレフィン基材用コーティング組成物をポリオレフィン基材に塗工してなる塗工物。
  6. 請求項5記載の塗工物からなる記録材。
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