JP3327198B2 - 水性インキ用記録材 - Google Patents

水性インキ用記録材

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JP3327198B2
JP3327198B2 JP02075398A JP2075398A JP3327198B2 JP 3327198 B2 JP3327198 B2 JP 3327198B2 JP 02075398 A JP02075398 A JP 02075398A JP 2075398 A JP2075398 A JP 2075398A JP 3327198 B2 JP3327198 B2 JP 3327198B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インキを使用
して画像形成するための記録材に関する。
【0002】
【従来技術】近年、印刷業界ではインキ中の有機溶剤が
印刷現場の作業環境の改善、大気汚染等の問題から注目
を浴びつつあり、その対応として溶剤型のインキに代わ
り、水性インキの使用が注目されている。水性インキ
は、溶剤型インキに比較して(1)石油資源の節約、
(2)環境汚染の影響が少なく、労働安全性が高い、
(3)非引火性で火災の危険が少なく、防爆設備、危険
物倉庫等の設備負担が軽減される、(4)残留溶剤によ
る印刷物の臭気が少ない等の特徴を有する。一方、水性
インキは、印刷後のインキの乾燥が遅く、インキのレベ
リング、滲み、乾燥不良によるブロッキング等が問題と
なるため、記録材としては浸透性を有する紙が中心であ
り、プラスチックフィルムを基材とした記録材への印刷
は余り普及していないのが現状である。
【0003】水性インキを用いる印刷方法としては、イ
ンクジェット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷などが
あり、中でも、インクジェット印刷は騒音の発生が少な
く、高速印字、多色印刷が可能であり、近年、解像度の
向上が図られ画質の向上も著しい。また、低価格のパー
ソナル用インクジェットプリンターが発売されたことに
ともない、家庭あるいはオフィスへの普及も急速に図ら
れている。インクジェット印刷に用いられるインキは、
臭気等の問題から水性のものがほとんどであり、インキ
を受理する記録材としては、従来プレーンペーパーなど
の紙や合成紙、OHPシート等のプラスチック基材表面
にインキ受理層を設けたもの等が使用されている。
【0004】これらの記録材には、インキの吸収性が速
やかであるだけでなく、インキの定着性、発色性、鮮明
性、画像階調性が優れていることが要求される。更に、
インクジェット記録を行った記録画像に対しては、画像
の保存性、耐久性、特に耐水性及び耐光性(耐候性)に
優れることが要求される。そのため、記録材の表面に
は、水溶性の樹脂あるいはシリカなどの無機フィラー
と、親水性の樹脂とを含むインキ受理層が設けられてお
り、前述の如き種々の特性を満足させるべく、様々な工
夫がなされている。
【0005】これまで、水性インキの記録材に設けられ
るインキ受理層については、イソシアネート化合物とポ
リエーテルポリオールの反応生成物からなるもの(特開
昭60−248387号公報、特開昭61−32787
号公報)、ポリビニルアルコール皮膜からなるもの(特
開昭60ー56587号公報)、ポリビニルピロリドン
を含有するもの(特開平2ー243380号公報)、フ
ィラーを充填して多孔質膜を形成し、インキの吸収性を
向上させたインキ受理層(特開昭62−79237号公
報)等が提案されている。しかし、これらはインキ吸収
性、画像鮮明性には優れているものの、耐水性に劣ると
いう欠点があった。また、従来の記録材には、印刷時の
水性インキの乾燥性、印字物の画像鮮明性(発色性、滲
み等)、耐水性を同時に満足するものがなく、これらを
同時に満足する水性インキ用の記録材が求められてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、画像鮮明性
はもちろんのこと、耐水性にも優れたインキ受理層を有
し、水性インキを使用した画像形成に用いられる記録材
の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】インクジェット記録にお
いては、水性のインキが速やかに記録材に浸透すること
が必要である。浸透が遅いと表面でインキが広がってド
ットが大きくなる(ドットゲイン)、異なる色のインキ
が混ざり合って色が汚くなる、印字後の定着時間が長く
なる等の問題を生じる。本発明者らは、このインキの吸
収速度の指標として、動的走査吸液計(ブリストー法)
による吸水量の測定結果を用いることができることか
ら、ブリストー法による吸水量と水の接触時間の平方根
とが特定の関係を満足する吸水性ポリウレタンウレアを
50〜100重量%含有させることにより、耐水性と吸
水性とのバランスがとれ、画像鮮明性に優れるインキ受
理層となることを見出し、本発明に至った。
【0008】すなわち、本発明は、基材の少なくとも一
方の面に、ヒドロキシ化合物、イソシアネート化合物、
アミン化合物およびジメチロールアルカン酸を反応させ
ることにより得られるポリウレタンウレアであって、該
ポリウレタンウレア中にポリエチレンオキサイド鎖を40
〜70重量%含み、ブリストー法による吸水量V (ml/
m2)と水の接触時間の平方根√T (msec1/2 )が、√T
<70msec1/2 において1.9027ex<V<34.321 ey(但し、x=
0.0427√T 、y=0.0352√T 。)を満足する吸水性ポリウ
レタンウレアを50〜100 重量%含むインキ受理層を設け
たことを特徴とする水性インキ用記録材に関する。ま
た、本発明は、インキ受理層の表面自由エネルギーが35
〜70mN/mであることを特徴とする上記水性インキ用記録
材に関する。
【0009】また、本発明は、インキ受理層の表面自由
エネルギーの水素結合成分(γh )が 2〜25mN/mである
ことを特徴とする上記水性インキ用記録材に関する。さ
らに、本発明は、ポリウレタンウレアの重量平均分子量
が1.5x104 〜1.0x105 であることを特徴とする上記水性
インキ用記録材に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】吸液挙動は、その基本的な原理と
して、円筒形の垂直毛管のモデルに基づく下記のLuc
as−Washburnの式で記述される。 H=(γrTcosθ/2η)1/2 H:液体の毛管への浸透深さ r:毛管の半径 γ:液体の表面自由エネルギー θ:液体と毛管の接触角 T:接触時間
【0011】すなわち、液体の浸透深さが時間の平方根
に比例し、比例係数は液体の粘度と表面自由エネルギ
ー、毛管の内径、及び液体と毛管内面の接触角で決ま
る。しかし、Lucas−Washburnの式では原
点を通る直線になるべきものが、切片を持ったり、折れ
曲がったりする。これは、濡れ遅れや凹凸への液体の転
移などの現象が同時に起こるためと考えられている。
【0012】本発明の記録材のインキ受理層中に含まれ
る吸水性ポリウレタンウレアの吸水量V(ml/m2)が
1.9027ex(但し、x=0.0427√T)未満
であると吸水速度が遅いため、水性インキがインキ受理
層上で乾燥せず、ドットゲインが生じたり、異なる色の
インキが混ざり合って発色性が悪くなる。また、吸水量
V(ml/m2)が34.321ey(但し、y=0.03
52√T)を越えると、水による膨潤により吸水性ポリ
ウレタンウレアを含むインキ受理層が基材から剥離して
しまう。
【0013】吸水性ポリウレタンウレアは、ヒドロキシ
化合物、イソシアネート化合物、アミン化合物、および
ジメチロールアルカン酸を反応させることにより得ら
れ、ポリウレタンウレア中にポリエチレンオキサイド鎖
を40〜70重量%含む。ヒドロキシ化合物としては、
低分子量ポリオール類、高分子量ポリオール類、あるい
はビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノ
ール類、ビスフェノール類にエチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させ
たグリコール類等を用いることができる。
【0014】低分子量ポリオール類としては、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、ブタンジオール、プロパンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘ
キサンジメタノール、3,9−ビス(1,1−ジメチル
−2−ヒドロキシエチル)−2,2,8,10−テトラ
オキソスピロ〔5,5〕ウンデカン等のジオール類、グ
リセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエ
タン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、メチルグ
ルコシド等が挙げられる。
【0015】高分子量ポリオール類としては、ポリエー
テルポリオール類やポリエステルポリオール類が挙げら
れる。ポリエーテルポリオール類としては、例えば、テ
トラヒドロフラン、あるいはエチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレン
オキサイドの重合体、共重合体あるいはグラフト共重合
体、またはヘキサンジオール、メチルヘキサンジオー
ル、ヘプタンジオール、オクタンジオールあるいはこれ
らの混合物の縮合によるポリエーテルグリコール類等が
挙げられる。
【0016】ポリエステルポリオール類としては、例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、ヘキサンジオール、メチル−1,5
−ペンタンジオール、オクタンジオール、シクロヘキサ
ンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、
ビスフェノールA、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ジプロピレングリコール等の飽和あるい
は不飽和の低分子量グリコールと、脂肪族あるいは芳香
族二塩基酸または芳香族二塩基酸エステルとから縮合反
応により得られるポリエステルポリオールや、ε−カプ
ロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合により得
られるポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリ
オール、シリコンポリオール等が挙げられ、これらとジ
イソシアネートとの反応によって得られる末端水酸基の
反応生成物も用いることができる。
【0017】吸水性ポリウレタンウレア中に、エチレン
オキサイドまたはエチレングリコールによって形成され
るポリエチレンオキサイド(EO)鎖が40〜70重量
%の範囲で含まれると、適度な吸水性が付与され、水性
インキの吸収が良好となる。EO鎖の含有量が40重量
%未満であるとインキの吸収性が遅く、ドットゲイン
(ドットの膨れ)を生じたり、滲みを生じたりするため
鮮明な画像が得られ難い。また、EO鎖の含有量が70
重量%を越えるとタックが強くブロッキングの原因とな
り、耐水性も低下する。特に、EO鎖が吸水性ポリウレ
タンウレア中に45〜60重量%の範囲で含まれると、
吸水性、耐水性及びインキ受理層の成膜性のバランスが
とれるため好ましい。
【0018】イソシアネート化合物としては、従来公知
のもの、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(H
DI)、ドデカメチレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシア
ネート(XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート(水添MDI)、トリレンジイソシアネート(T
DI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)、IPDI、TDI及びHDIの三量化物、粗製T
DI、ポリフェニルメタンポリイソシアネート(PAP
I)、ナフチレンジイソシアネート、及びこれらのイソ
シアネート変性物を用いることができる。なお、イソシ
アネート変性物とは、カルボジイミド基、ウレトジオン
基、ウレトイミン基、ビュレット基、イソシアヌレート
基の1種または2種以上の官能基を有するものである。
中でも、HDI、XDI、IPDI、水添MDI等の無
黄変型のイソシアネート化合物が耐候性の点から好適に
用いられる。
【0019】アミン化合物は、後述する両末端イソシア
ネートプレポリマーを合成する際の活性水素化合物とし
て、あるいは該プレポリマーを鎖延長する際の鎖延長剤
として用いられる。具体例として、エチレンジアミン、
プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメ
チレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレント
リアミン、トリアミノプロパン、イソホロンジアミン、
ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン等の脂環
式ポリアミンを含む脂肪族ポリアミン及びフェニレンジ
アミン、キシリレンジアミン等の芳香族ポリアミンが挙
げられる。さらには、2−ヒドロキシエチルエチレンジ
アミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ
−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒ
ドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシプ
ロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピル
エチレンジアミン等の分子内に水酸基を有するジアミン
類及びダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化し
たダイマージアミン等も挙げられる。
【0020】プレポリマーを鎖延長する際には、必要に
応じて、モノアミン化合物を反応停止剤(分子量調整
剤)として用いることもできる。モノアミン化合物とし
ては、例えばジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミ
ン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、2
−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリ(ヒド
ロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−2−エチル
−1,3−プロパンジオール等の水酸基を有するアミ
ン、モノメチルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジ
ン、ベンジルヒドラジン等のアルキルヒドラジン類、ホ
ルムヒドラジド、アセトヒドラジド、ラウリン酸ヒドラ
ジド等のヒドラジド類等が挙げられる。
【0021】ジメチロールアルカン酸は、ポリウレタン
ウレアの主に基材への密着性を向上させるために用いら
れる。
【0022】ジメチロールアルカン酸の具体例として
は、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジ
メチロール吉草酸等が挙げられる。ジメチロールプロピ
オン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸等の低
分子量のジメチロールアルカン酸は、反応時に触媒作用
を有する点、インキ受理層の成膜性を向上させる等の点
から好適に用いられる。
【0023】吸水性ポリウレタンウレアを合成するに
は、ヒドロキシ化合物、イソシアネート化合物、アミン
化合物、およびジメチロールアルカン酸を従来公知の方
法に従って室温〜140℃、好ましくは40〜100℃
で反応させる。合成方法としては、これらの化合物を一
括仕込みで反応させるワンショット法や、両末端イソシ
アネートプレポリマーを生成した後に、鎖延長剤及び/
または反応停止剤で高分子量化・分子量調節するプレポ
リマー法があるが、特に好ましいのは後者の方法であ
る。
【0024】プレポリマー法によるポリウレタンウレア
の合成は、例えば、ヒドロキシ化合物やアミン化合物等
の活性水素化合物(活性水素基を有する化合物)、イソ
シアネート化合物、およびジメチロールアルカン酸をイ
ソシアネート基過剰で反応させて得られる両末端イソシ
アネートプレポリマーに、鎖延長剤および/または反応
停止剤を反応させ、高分子量化・分子量調節して行う。
すなわち、活性水素基(水酸基またはアミノ基)に対し
て過剰のイソシアネート基を反応させて両末端イソシア
ネートプレポリマーを生成したのち、アミン化合物を鎖
延長剤として反応させてウレア結合を生成せしめること
により高分子量化・分子量調節を行う。このウレア結合
を生成することにより、ポリウレタン系樹脂、特にポリ
エチレンオキサイド鎖を有するポリウレタン系樹脂特有
の表面のタックを低減することができ、しかもインキ受
理層の膜強度を向上させることができる。
【0025】プレポリマー法における両末端イソシアネ
ートプレポリマー調整時のイソシアネート基の活性水素
基に対する当量比は、1.01〜4.00、好ましくは
1.40〜3.00の範囲内が適当である。また、必要
に応じて従来公知のウレタン化触媒、例えば、ジラウリ
ン酸ジブチル錫、オクチル酸錫、トリエチルアミン、
N,N−ジメチルベンジルアミン、水酸化ナトリウム、
ジエチル亜鉛テトラ(n−ブトキシ)チタン等を用いる
ことができる。
【0026】前記プレポリマーの生成は、無溶剤でも行
い得るが、反応の均一化や粘度調整のために溶剤を使用
することもできる。溶剤として具体的には、アセトン、
メチルエチルケトン、酢酸エチル、ジオキサン、アセト
ニトリル、テトラヒドロフラン、ジグライム、ジメチル
スルホキシド、N−メチルピロリドン、トルエン等が挙
げられ、これらの単独あるいは混合系が用いられる。
【0027】プレポリマー化に続く鎖延長・反応停止工
程においては、鎖延長剤及び/または反応停止剤を希釈
した溶液を前記プレポリマーに滴下して反応させること
もできるし、逆に前記プレポリマーを鎖延長剤及び/ま
たは反応停止剤溶液に滴下して反応させることもでき
る。鎖延長剤及び/または反応停止剤の使用量は、プレ
ポリマー中の末端イソシアネート基1当量に対して0.
5〜3.0になる量が望ましい。この範囲外では成膜性
が低下し、変着色等の悪影響が見られる。鎖延長反応
は、活性水素とイソシアネートの反応性に応じて室温〜
95℃の範囲で行うことができる。
【0028】吸水性ポリウレタンウレアは、鎖延長・反
応停止の前あるいは鎖延長・反応停止と同時に、あるい
は後に水に分散もしくは溶解せしめることもできる。前
記吸水性ポリウレタンウレア中の前駆体基、例えばカル
ボキシル基のイオン基への転化は、ポリウレタンウレア
を水に添加する前に、または添加と同時に、または添加
した後に行っても良い。カルボキシル基の中和に使用す
る塩基性化合物としては、アンモニア、モノエチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリイソプロ
ピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミ
ン、メチルジエタノールアミン、モノエタノールアミ
ン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールア
ミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−アミノ
−2−エチル−1−プロパノール等の有機アミン、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ類等が
挙げられ、1種または2種以上を組み合わせて用いられ
る。これらの中でも、水溶性であり、かつ熱により容易
に解離する揮発性の高いものが望ましく、特にアンモニ
ア、トリメチルアミン、トリエチルアミンが好ましい。
【0029】吸水性ポリウレタンウレアの重量平均分子
量は1.5×104 〜1.0×10 5 の範囲にあること
が好ましい。重量平均分子量が1.5×104 未満であ
るとインキ受理層の表面のタックが強く、ブロッキング
の原因となり、さらに耐水性にも劣る。また、1.0×
105 より大きいと溶剤への溶解性が低下し、粘度が著
しく増加し、ゲル状態となるため、塗工時に均一な膜を
形成することができない。表面のタック、耐水性及び溶
解性のバランスから、重量平均分子量は1.8×104
〜5.0×104 の範囲にあることがより好ましい。
【0030】インキ受理層には、ブロッキング防止、カ
ーリング防止、表面光沢の調整、耐候性の向上、インキ
滴の濡れ性の改善等の目的で、前記吸水性ポリウレタン
ウレア以外に、ポリウレタン、非吸水性ポリウレタンウ
レア、ポリエーテルポリオール、飽和ポリエステル、ポ
リ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビ
ニルアセタール、ポリスチレン、フッ素樹脂、ポリカー
ボネート、ポリエーテル、ポリイソブチレン、ポリアミ
ド、石油樹脂、ロジン、ニトロセルロース、しょ糖エス
テル、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体、エチレン/
酢酸ビニル系共重合体、α−オレフィン/無水マレイン
酸系共重合体、スチレン/無水マレイン酸系共重合体等
の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミ
ン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、ケイ素樹
脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂の他、エポキシアク
リレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリ
レート、ポリエーテルアクリレート、ホスファゼン樹脂
等の紫外線または電子線により硬化する樹脂を、本発明
の目的を妨げない範囲で1種または2種以上配合するこ
とができる。
【0031】さらに、シリカ、アルミナ、ケイソウ土、
タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の体質顔料、
紫外線吸収剤、蛍光増白剤等の蛍光染料、着色染・顔
料、増粘剤、レベリング剤、クレーター防止剤、沈降防
止剤、酸化防止剤、難燃剤、ワックス、熱安定剤等も、
適宜添加することができる。なかでも、シリカおよびア
ルミナは、インキ受理層の外観を損ねることがなく、親
水性または吸水性を持たせる目的のほかに、ブロッキン
グ防止、インキ滴の形成するドット径の調整、表面光沢
の調整などの目的にも使用できるため好適である。
【0032】インキ受理層は、基材の少なくとも一方の
面に、インキ受理層の構成成分を塗料化したものを従来
公知の方法でコーティングすることにより設けることが
できる。インキ受理層は、インキ吸収性の点から、基材
の片面または両面に5〜100μ、さらには10〜50
μの厚さで形成されることが好ましい。コーティング
は、例えばスプレー、スピンコーター、ダイコーター、
グラビアコーター、ナイフコーター、ディップコータ
ー、コンマコーター等を用いて行われる。
【0033】インキ受理層を設ける基材としては、例え
ば、紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレート、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデ
ン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロ
ン、ポリイミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコー
ル、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリカーボ
ネート、ポリアクリロニトリル、ポリブテン、軟質ポリ
塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重
合体、ポリ酢酸ビニル等のプラスチックフィルムを用い
ることができる。この他、各種の不織布、合成紙、金属
箔、あるいはこれらを組み合わせた複合シート、金属、
ガラス等にも設けることが可能である。また、密着性を
改善するために、本発明の目的を妨げない範囲で、基材
の表面にコロナ処理、プラズマ処理あるいは、基材との
密着性に優れた樹脂をコーティングしてもよい。
【0034】本発明のインキ受理層は、水性インキの吸
収性、滲み、定着性並びにインキ受理層の経時の湿度変
化に対する安定性を同時に満足させるために、その表面
自由エネルギーが35〜70mN/mであることが好ま
しい。表面自由エネルギーは、水、ヨウ化メチレン、α
−ブロモナフタレンの3種の液滴をインキ受理層上に滴
下した直後(0.1秒後)の接触角を測定し、Wuの理
論または拡張Fowkesの理論により求められる。求
められる表面自由エネルギーγはいずれの理論において
も、以下の成分分けと加算則が成立しており、いずれの
理論によってもほぼ同じ値を示す。
【0035】Wuの理論 γ=γd1+γp1 γ:固体表面の表面自由エネルギー γd1:固体表面の表面自由エネルギーの分散力成分 γp1:固体表面の表面自由エネルギーの双極子力成分
【0036】拡張Fowkesの理論 γ=γd2+γp2+γh γ:固体表面の表面自由エネルギー γd2:固体表面の表面自由エネルギーの分散力成分 γp2:固体表面の表面自由エネルギーの双極子力成分 γh:固体表面の表面自由エネルギーの水素結合成分
【0037】インキ受理層の表面自由エネルギーが35
mN/m未満であると、着弾したインキ滴の濡れ性が悪
くなり、インキ滴の形成するドット径が小さくなるた
め、発色濃度が低下する。また70mN/mを超える
と、親水性の高い表面であるために、耐水性が低下する
だけでなく、耐湿性も悪く、インキ受理層が大気中の水
分を吸収して経時により表面が白化し、グロスが低下す
ることがある。さらに、インキ受理層の表面自由エネル
ギーは、45〜65mN/mの範囲にあることが発色
性、耐水性のバランスの点から好ましい。
【0038】拡張Fowkesの理論によれば、水素結
合の寄与する成分γhを分離することができるため、γ
hを表面の親水性の尺度として用いることができる。イ
ンキ受理層の表面自由エネルギーの水素結合成分(γ
h)は、2〜25mN/mであることが好ましい。γh
が2mN/mであると、インキ滴の濡れ性が悪くなり、
発色濃度が低下する。一方、γhが25mN/mである
と、インキ滴の濡れ性は優れているが、耐水性、耐湿性
に劣る。さらに、γhが3〜15mN/mの範囲にある
ことが発色性、耐水性のバランスの点から好ましい。
【0039】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明の記録材の具体
的な構成を説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。なお、実施例中、部は重量部を表す。ま
た、Mwは重量平均分子量を表す。Mwは、ゲル濾過ク
ロマトグラフィーにより、屈折率検出器を用いて、ポリ
スチレン換算にて測定した。
【0040】[吸水性ポリウレタンウレアAの合成]ヒ
ドロキシ化合物とイソシアネート化合物をメチルエチル
ケトン(MEK)中に溶解し、触媒としてオクチル錫を
添加し、85〜90℃で攪拌しながら3〜4時間反応さ
せ、イソシアネート残量が所定量に達するまで反応させ
プレポリマーを合成した。プレポリマーを45〜55℃
に冷却した後、アミン化合物としてイソホロンジアミン
10.8部を添加し、赤外吸収測定によるイソシアネー
トのピーク(2250-1cm-1)が消失するまで反応させ、M
w2.0×104 の吸水性ポリウレタンウレアAの溶液
(固形分(NV)30重量%)を得た。 ポリテトラメチレンエーテルグリコール(Mw3000) 1.3部 ポリエチレングリコール(Mw2000) 51.9部 ジメチロールプロピオン酸 6.4部 イソホロンジイソシアネート 29.6部
【0041】[吸水性ポリウレタンウレアBの合成]下
記の原料を用い、吸水性ポリウレタンウレアAと同様に
して、Mw2.3×104 の吸水性ポリウレタンウレア
Bの溶液(NV30重量%)を得た。 ポリテトラメチレンエーテルグリコール(Mw3000) 0.6部 ポリエチレングリコール(Mw1000) 60.0部 ジメチロールプロピオン酸 2.6部 イソホロンジイソシアネート 28.0部 イソホロンジアミン 8.7部 ジブチルアミン 0.1部
【0042】[吸水性ポリウレタンウレアCの合成]下
記の原料を用い、吸水性ポリウレタンウレアAと同様に
して、Mw1.8×104 の吸水性ポリウレタンウレア
Cの溶液(NV30重量%)を得た。 ポリテトラメチレンエーテルグリコール(Mw3000) 52.5部 ポリエチレングリコール(Mw2000) 5.1部 ジメチロールプロピオン酸 7.3部 イソホロンジイソシアネート 26.6部 イソホロンジアミン 7.7部 ジブチルアミン 0.8部
【0043】[吸水性ポリウレタンウレアDの合成]下
記の原料を用い、吸水性ポリウレタンウレアAと同様に
して、Mw1.4×104 の吸水性ポリウレタンウレア
Dの溶液(NV30重量%)を得た。 ポリテトラメチレンエーテルグリコール(Mw3000) 0.2部 ポリエチレングリコール(Mw1000) 71.0部 ジメチロールプロピオン酸 6.5部 イソホロンジイソシアネート 17.4部 イソホロンジアミン 4.8部 ジブチルアミン 0.1部
【0044】(実施例1)厚さ80μのポリ塩化ビニル
フィルム上に、吸水性ポリウレタンウレアAの溶液(N
V30重量%)をバーコーターを用いて乾燥膜厚が約3
0μとなるように塗工し、100℃で2分間乾燥させて
記録材を得た。 (実施例2)厚さ80μのポリ塩化ビニルフィルム上
に、実施例1と同様にして吸水性ポリウレタンウレアB
の溶液(NV30重量%)を塗工し、記録材を得た。
【0045】(実施例3)厚さ80μのポリ塩化ビニル
フィルム上に、実施例1と同様にして下記処方の塗工剤
を塗工し、記録材を得た。 吸水性ポリウレタンウレアBの溶液(NV30重量%) 78.4部 アクリル樹脂ワニス 17.7部 (大成化工社製「アクリットQT510−15LV」、NV38重量%) 脂肪族ポリイソシアネート溶液 2.2部 (住友バイエルウレタン社製「スミジュールN−75」、NV75重量%) シリカ(水澤化学社製「ミズカシルCP−402」) 1.7部
【0046】(実施例4)吸水性ポリウレタンウレアB
の溶液にイオン交換水と25重量%アンモニア水を滴下
しながら、70℃で脱溶剤(MEK)を行い、NV30
重量%の吸水性ポリウレタンウレアBの水性エマルジョ
ンを得た。得られた水性エマルジョンを用いて下記の処
方の塗工剤を調整し、厚さ80μのポリ塩化ビニルフィ
ルム上に、実施例1と同様にして塗工して記録材を得
た。 変性ポリエステル樹脂の水性エマルジョン 30.4部 (高松油脂社製「NS63P」、NV18重量%) 吸水性ポリウレタンウレアBの水性エマルジョン 45.6部 ポリエチレングリコール(Mw40000)水溶液(NV5重量%)22.8部 シリカ(水澤化学社製「ミズカシルCP−402」) 1.2部
【0047】(比較例1)厚さ80μのポリ塩化ビニル
フィルム上に、実施例1と同様にして吸水性ポリウレタ
ンウレアCの溶液(NV30重量%)を塗工し、記録材
を得た。 (比較例2)厚さ80μのポリ塩化ビニルフィルム上
に、実施例1と同様にして吸水性ポリウレタンウレアD
の溶液(NV30重量%)を塗工し、記録材を得た。 (比較例3)厚さ80μのポリ塩化ビニルフィルム上
に、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂変性物の水
性エマルジョン(高松油脂社製「NS63P」、NV1
8重量%)を塗工し、記録材を得た。
【0048】(比較例4)厚さ80μのポリ塩化ビニル
フィルム上に、実施例1と同様にして下記処方の塗工剤
を塗工し、記録材を得た。 ポリビニルピロリドン水溶液 75.2部 (五協産業社製「K−90、NV15重量%) スチレンアクリル樹脂の水性エマルジョン 23.6部 (ジョンソンポリマー社製「ジョンクリル840」、NV43重量%) シリカ(水澤化学社製「ミズカシルCP−402」) 1.2部
【0049】(比較例5)吸水性ポリウレタンウレアA
の溶液にイオン交換水と25重量%アンモニア水を滴下
しながら、70℃で脱溶剤(MEK)を行い、NV30
重量%の吸水性ポリウレタンウレアAの水性エマルジョ
ンを得た。得られた水性エマルジョンを用いて下記の処
方の塗工剤を調整し、厚さ80μのポリ塩化ビニルフィ
ルム上に、実施例1と同様にして塗工して記録材を得
た。 ポリビニルアルコール水溶液 62.4部 (クラレ社製「PVA117」、NV15重量%) ポリエチレングリコール(Mw40000)水溶液(NV5重量%)11.2部 吸水性ポリウレタンウレアAの水性エマルジョン 25.0部 シリカ(水澤化学社製「ミズカシルCP−402」) 1.4部
【0050】(比較例6)厚さ80μのポリ塩化ビニル
フィルム上に、実施例1と同様にして下記処方の塗工剤
を塗工し、記録材を得た。 アクリル樹脂のMEK溶液 99.5部 (三菱レーヨン社製「ダイヤナールBR100」、NV20重量%) シリカ(水澤化学社製「ミズカシルCP−402」) 0.5部
【0051】吸水性ポリウレタンウレアA〜吸水性ポリ
ウレタンウレアD、並びに参考のために比較例3で用い
た樹脂のブリストー法による吸水量を、動的走査吸液計
(協和精工社製「KM350D」)により測定した。図
1及び図2(図1の拡大図)にブリストー法による吸水
量のデータを示す。なお、水は1回蒸留した後、イオン
交換樹脂に通したものを用いた。図1及び図2より明ら
かなように、吸水性ポリウレタンウレアA及び吸水性ポ
リウレタンウレアBは、1.9027ex(下限値)<V
<34.321ey(上限値)(但し、x=0.0427
√T、y=0.0352√T。)を満足するが、吸水性
ポリウレタンウレアCは下限値未満の吸水量しかなく、
また吸水性ポリウレタンウレアDは一部の範囲で上限値
を超える。また、比較例3で用いたポリエステル樹脂変
性物は下限値未満の吸水量を示す。
【0052】また、得られた記録材について、インクジ
ェット印字性、グラビア印刷インキセット性ならびに耐
水性を評価し、インキ受理層の表面自由エネルギーを測
定した。結果を表1に示す。インクジェット印字性は、
インクジェットプリンター(シャープ社製「IO−73
5X」)で、水系の顔料インキ(レーベル製「エクセレ
ント」)を用いてインクジェット印刷を行い、インキの
吸水性及び印字品位を4段階で評価した。 ◎:極めて良好。 ○:良好。 △:乾燥、滲み、発色性においてやや不良。 ×:乾燥、滲み、発色において不良。
【0053】グラビア印刷インキセット性は、電動式グ
ラビア印刷試験機(倉敷紡績社製「GP−2」)で、水
性グラビアインキ(東洋インキ製造社製「アクアキング
3赤」)を用いてグラビア印刷を行い、4段階で評価し
た。 ◎:極めて良好。 ○:良好。 △:乾燥、滲み、発色性においてやや不良。 ×:乾燥、滲み、発色において不良。
【0054】耐水性は、記録材を蒸留水中に24時間浸
漬し、インキ受理層の基材からの剥離の程度を4段階で
評価した。 ◎:全く剥離しない。 ○:記録材の端部で一部剥離。 △:一部剥離。 ×:全部剥離。
【0055】表面自由エネルギーの測定は動的接触角計
(協和界面科学社製)を用い、水(吸水量の測定に用い
たものと同等)、ヨウ化メチレン、α−ブロモナフタレ
ンの3種の液滴を約2μlインキ受理層上に滴下し、滴
下後0.1秒後の接触角を測定し、拡張Fowkesの
理論を用いてインキ受理層表面の表面自由エネルギーを
求めた。
【0056】
【表1】
【0057】表1から明らかなように、実施例で得られ
た記録材は、インクジェット印字性、グラビア印刷イン
キセット性及び耐水性において良好な結果が得られた。
特筆すべきは、本発明のインキ受理層は水性インキを吸
収するにも関わらず、優れた耐水性を示したことであ
る。これは吸水性ポリウレタンウレアが吸水性であるに
も関わらず、水に溶解せず、基材との密着性にも優れて
いるためと考えられる。実施例3の記録材は、γが3
3.1mN/m、γhが0.0mN/mと小さいために
インキが形成するドットが小さくなり、やや濃度感に劣
っていた。
【0058】比較例1は吸水量が下限値未満の吸水性ポ
リウレタンウレアを使用した例であるが、耐水性は良好
であったものの、インキ吸収性が悪く、滲みを生じ、画
像鮮明性に劣っていた。比較例2は吸水量が上限値以上
の吸水性ポリウレタンウレアを使用した例であるが、イ
ンキ吸収性は十分であるものの、耐水性試験において吸
水量が大きく、インキ受理層が膨潤し、基材から剥離し
た。比較例3は下限値未満の吸水量しかない樹脂をイン
キ受理層に用いた例であるる。この記録材はインキの吸
収が遅く、滲みを生じ鮮明な画像が得られなかった。さ
らに、耐水性試験においては、インキ受理層が水に溶解
してしまった。
【0059】比較例4は親水性樹脂(ポリビニルピロリ
ドン)を含有し、吸水性ポリウレタンウレアを含有しな
いインキ受理層を設けた例であるが、印字性、インキセ
ット性は良好であるものの、耐水性試験においては、イ
ンキ受理層が一部溶解し、表面が白濁した。比較例5は
吸水性ポリウレタンウレアが固形分中50重量%未満で
ある例である。吸水性を発現させるために親水性の樹脂
を混合してあるが、印字性、インキセット性は満足する
ものの、耐水性に劣っていた。比較例6は吸水量の小さ
い樹脂を用いた例であるが、耐水性には優れるものの、
インキ受理層がインキを吸収せず、インクジェット印字
性、グラビア印刷インキセット性ともに劣っていた。
【0060】
【発明の効果】本発明により、画像鮮明性はもちろんの
こと、耐水性にも優れた記録材を提供することができ
た。
【0061】
【図面の簡単な説明】
【図1】ブリストー法によるポリウレタンウレアの吸水
量Vと接触時間√Tの関係を示すグラフ。
【図2】図1の拡大図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−292137(JP,A) 特開 平11−180036(JP,A) 特開 平10−324052(JP,A) 特開 平10−291362(JP,A) 特開 平11−240244(JP,A) 特開 平11−263066(JP,A) 特開 平9−99531(JP,A) 特開 平9−202040(JP,A) 特開 平2−20511(JP,A) 特開 平3−128912(JP,A) 欧州特許出願公開802245(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00 C08G 18/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の少なくとも一方の面に、ヒドロキシ
    化合物、イソシアネート化合物、アミン化合物およびジ
    メチロールアルカン酸を反応させることにより得られ
    ポリウレタンウレアであって、該ポリウレタンウレア中
    にポリエチレンオキサイド鎖を40〜70重量%含み、ブリ
    ストー法による吸水量V (ml/m2)と水の接触時間の平
    方根√T (msec1/2 )が、√T <70msec1/2 において1.
    9027ex<V<34.321 ey(但し、x=0.0427√T 、y=0.0352√
    T 。)を満足する吸水性ポリウレタンウレアを50〜100
    重量%含むインキ受理層を設けたことを特徴とする水性
    インキ用記録材。
  2. 【請求項2】インキ受理層の表面自由エネルギーが35〜
    70mN/mであることを特徴とする請求項1記載の水性イン
    キ用記録材。
  3. 【請求項3】インキ受理層の表面自由エネルギーの水素
    結合成分(γh )が2〜25mN/mであることを特徴とする
    請求項2に記載の水性インキ用記録材。
  4. 【請求項4】ポリウレタンウレアの重量平均分子量が1.
    5x104 〜1.0x105 であることを特徴とする請求項1ない
    いずれか1項に記載の水性インキ用記録材。
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