JPH11309941A - 記録材 - Google Patents

記録材

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JPH11309941A
JPH11309941A JP10118007A JP11800798A JPH11309941A JP H11309941 A JPH11309941 A JP H11309941A JP 10118007 A JP10118007 A JP 10118007A JP 11800798 A JP11800798 A JP 11800798A JP H11309941 A JPH11309941 A JP H11309941A
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JP
Japan
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group
recording material
resin
carbodiimide
compound
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Pending
Application number
JP10118007A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Nakagami
好章 中神
Takeshi Yoshikawa
猛 吉川
Akifumi Kuwabara
章史 桑原
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】画像鮮明性はもちろんのこと、耐水性に優れ、
表面タックを減少させたインキ受理層を有し、水性イン
キを使用した画像形成に用いられる記録材の提供。 【解決手段】基材の少なくとも一方の面に、カルボキシ
ル基、水酸基およびアミノ基から選ばれる少なくとも一
種の官能基を有する樹脂を、カルボジイミド基を有する
化合物で架橋した反応物を含むインキ受理層を有するこ
とを特徴とする記録材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に水性インキを
使用して画像形成するための記録材に関する。
【0002】
【従来技術】近年、印刷業界ではインキ中の有機溶剤が
印刷現場の作業環境の改善、大気汚染等の問題から注目
を浴びつつあり、その対応として溶剤型のインキに代わ
り、水性インキの使用が注目されている。水性インキ
は、溶剤型インキに比較して(1)石油資源の節約、
(2)環境汚染の影響が少なく、労働安全性が高い、
(3)非引火性で火災の危険が少なく、防爆設備、危険
物倉庫等の設備負担が軽減される、(4)残留溶剤によ
る印刷物の臭気が少ない等の特徴を有する。一方、水性
インキは、印刷後のインキの乾燥が遅く、インキのレベ
リング、滲み、乾燥不良によるブロッキング等が問題と
なるため、記録材としては浸透性を有する紙が中心であ
り、プラスチックフィルムを基材とした記録材への印刷
は余り普及していないのが現状である。
【0003】水性インキを用いる印刷方法としては、グ
ラビア印刷、インクジェット印刷、フレキソ印刷などが
あり、中でも、インクジェット印刷は騒音の発生が少な
く、高速印字、多色印刷が可能であり、近年、解像度の
向上が図られ画質の向上も著しい。また、低価格のパー
ソナル用インクジェットプリンターが発売されたことに
ともない、家庭あるいはオフィスへの普及も急速に図ら
れている。インクジェット印刷に用いられるインキは、
臭気等の問題から水性のものがほとんどであり、インキ
を受理する記録材としては、従来プレーンペーパーなど
の紙や合成紙、OHPシート等のプラスチック基材表面
にインキ受理層を設けたもの等が使用されている。
【0004】これらの記録材には、インキの吸収性が速
やかであるだけでなく、インキの定着性、発色性、鮮明
性、画像階調性が優れていることが要求される。更に、
インクジェット印刷を行った記録画像に対しては、画像
の保存性、耐久性、特に耐水性及び耐光性(耐候性)に
優れることが要求される。そのため、記録材の表面に
は、水溶性の樹脂あるいはシリカなどの無機フィラー
と、親水性の樹脂とを含むインキ受理層が設けられてお
り、前述の如き種々の特性を満足させるべく、様々な工
夫がなされている。
【0005】これまで、水性インキの記録材に設けられ
るインキ受理層については、イソシアネート化合物とポ
リエーテルポリオールの反応生成物からなるもの(特開
昭60−248387号公報、特開昭61−32787
号公報)、ポリビニルアルコール皮膜からなるもの(特
開昭60ー56587号公報)、ポリビニルピロリドン
を含有するもの(特開平2ー243380号公報)、フ
ィラーを充填して多孔質膜を形成し、インキの吸収性を
向上させたインキ受理層(特開昭62−79237号公
報)等が提案されている。しかし、これらはインキ吸収
性、画像鮮明性には優れているものの、耐水性に劣ると
いう欠点があった。
【0006】また、従来の記録材は、その表面が親水性
であるために温度または湿度の影響を受けやすく、高湿
度条件下ではインキ受理層の表面にタックを生じ、イン
クジェットプリンター等に装着した場合、プリンターの
送りローラー等に接着し、被記録材の搬送が不均一ある
いは不能となったり、記録後の記録材同士がブロッキン
グを起こすことがある。さらに、同じく湿度の影響によ
り記録材にカールが生じて、プリンター内でのスムーズ
な搬送が困難になることもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、画像鮮明性
はもちろんのこと、耐水性に優れ、表面タックを減少さ
せたインキ受理層を有し、水性インキを使用した画像形
成に用いられる記録材の提供を目的とする。
【0008】
【発明を解決するための手段】本発明者らは、カルボキ
シル基、水酸基またはアミノ基を有する樹脂をカルボジ
イミド基を有する化合物で架橋(硬化)した反応物を含
有させることにより、インキ受理層の表面タック(ベタ
ツキ)を低減させ、耐水性を向上させ、吸水性とのバラ
ンスがとれた画像鮮明性に優れるインキ受理層となるこ
とを見出し、本発明に至った。
【0009】すなわち、本発明は、基材の少なくとも一
方の面に、カルボキシル基、水酸基およびアミノ基から
選ばれる少なくとも一種の官能基を有する樹脂を、カル
ボジイミド基を有する化合物で架橋した反応物を含むイ
ンキ受理層を有することを特徴とする記録材に関する。
また、本発明は、反応物が、カルボジイミド基の数/カ
ルボキシル基、水酸基およびアミノ基から選ばれる官能
基の数が0.1〜30/100の割合で樹脂を架橋した
反応物であることを特徴とする上記記録材に関する。
【0010】また、本発明は、カルボキシル基、水酸基
およびアミノ基から選ばれる少なくとも一種類の官能基
を有する樹脂が、吸水性樹脂であることを特徴とする上
記記録材に関する。また、本発明は、吸水性樹脂がポリ
ウレタンウレアであることを特徴とする上記記録材に関
する。また、本発明は、ポリウレタンウレアがポリエチ
レンオキサイド鎖を含み、ポリウレタンウレア中のポリ
エチレンオキサイド鎖の含有量が40〜95重量%であ
ることを特徴とする上記記録材に関する。さらに、本発
明は、樹脂がカルボキシル基を有し、その酸価が1〜1
00mg/gであることを特徴とする上記記録材に関す
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の記録材のインキ受理層
は、カルボキシル基、水酸基およびアミノ基から選ばれ
る少なくとも一種の官能基を有する樹脂を、カルボジイ
ミド基を有する化合物で架橋した反応物を含むため、耐
水性に優れ、表面タックが少ない。カルボキシル基(R
−COOH)、水酸基(R−OH)およびアミノ基(R
−NH2 )は、カルボジイミド基(−N=C=N−)と
下記のように反応し、それぞれカルバモイルアミド、イ
ソウレアおよびグアニジンを形成することにより樹脂を
架橋(硬化)する。カルボジイミド基と、カルボキシル
基および/またはアミノ基との反応性は、水酸基との反
応性と比べ高く、反応温度が25℃以上で、好ましくは
80℃以上で反応する。カルボジイミド基と水酸基と
は、通常反応温度が150℃以上の高温でなければ反応
しない。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】樹脂を適当量のカルボジイミド基を有する
化合物で架橋(硬化)することにより、インキ受理層の
耐水性の向上、表面タックの低減のみならず、インキ受
理層と基材との密着性を向上させることができる。カル
ボキシル基、水酸基およびアミノ基から選ばれる少なく
とも一種の官能基を有する樹脂は、成膜性、密着性、各
種耐性のバランスから、カルボジイミド基の数/カルボ
キシル基、水酸基およびアミノ基から選ばれる官能基の
数が0.1〜30/100の割合で、カルボジイミド基
を有する化合物により架橋することが好ましい。
【0016】カルボジイミド基の数/カルボキシル基、
水酸基およびアミノ基から選ばれる官能基の数が0.1
/100未満であると、樹脂の架橋(硬化)が不十分で
あり、インキ受理層の膜が柔らかく、タック(ベタツ
キ)が強くなり、耐水性、密着性、耐引っ掻き性等の耐
性に劣る。一方、30/100を超えると、塗工剤自体
がゲル化を引き起こす可能性があり、ゲル化を引き起こ
さない場合であっても塗工剤を基材に塗工してインキ受
理層を設けた場合、インキ受理層が硬すぎて、クラック
を生じたり、インキ受理層が基材から剥離したり、イン
キ受理層と基材との密着性が低下する。
【0017】カルボキシル基、水酸基およびアミノ基か
ら選ばれる少なくとも一種の官能基を有する樹脂として
は、インキ受理層上で水性インキを瞬時に吸収乾燥させ
るため、25℃のイオン交換水に30分浸漬したときの
吸水率が自重の150〜600重量%である吸水性樹脂
が好適に用いられる。上記吸水性樹脂として具体的に
は、例えば、ビスコース、メチルセルロース、エチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース等の親水性のセルロース類、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、アクリル樹脂、ポ
リエステル、ポリウレタン、ポリウレタンウレア等の親
水性樹脂が挙げられる。
【0018】なかでも、耐水性、基材への密着性、追随
性、伸長性の面から、ポリウレタンウレアが特に好まし
い。ポリウレタンウレアは吸水性と伸長性とを同時に具
備し、基材への密着性、追随性も優れていることから極
めて有効な樹脂である。カルボキシル基、水酸基および
アミノ基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する
樹脂としては、上記吸水性樹脂と共に、ブロッキング防
止、カーリング防止、表面光沢の調整、耐候性の向上、
インキ滴の濡れ性の改善等の目的で、α−オレフィン/
無水マレイン酸系共重合体、スチレン/無水マレイン酸
系共重合体、ニトロセルロース等の非吸水性樹脂を用い
ることができる。
【0019】ポリウレタンウレアを合成するには、ヒド
ロキシ化合物、イソシアネート化合物、アミン化合物、
必要に応じてイソシアネート基と反応しうる基とイオン
性官能基とを有する化合物等を従来公知の方法に従って
室温〜140℃、好ましくは40〜100℃で反応させ
る。合成方法としては、これらの化合物を一括仕込みで
反応させるワンショット法や、両末端イソシアネートプ
レポリマーを生成した後に、鎖延長剤および/または反
応停止剤で高分子量化・分子量調節するプレポリマー法
があるが、特に好ましいのは後者の方法である。
【0020】プレポリマー法によるポリウレタンウレア
の合成は、例えば、ヒドロキシ化合物やアミン化合物等
の活性水素化合物(活性水素基を有する化合物)、イソ
シアネート化合物、さらに必要に応じてイソシアネート
基と反応しうる基とイオン性官能基とを有する化合物を
イソシアネート基過剰で反応させて得られる両末端イソ
シアネートプレポリマーに、鎖延長剤および/または反
応停止剤を反応させ、高分子量化・分子量調節して行
う。すなわち、活性水素基(水酸基またはアミノ基)に
対して過剰のイソシアネート基を反応させて両末端イソ
シアネートプレポリマーを生成したのち、アミン化合物
を鎖延長剤として反応させてウレア結合を生成せしめる
ことにより高分子量化・分子量調節を行う。このウレア
結合を生成することにより、ポリウレタン系樹脂、特に
ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリウレタン系樹脂
特有の表面のタックを低減することができ、しかもイン
キ受理層の膜強度を向上させることができる。
【0021】カルボキシル基を有するポリウレタンウレ
アは、前記のポリウレタンウレアの合成方法において、
イソシアネート基と反応しうる基とイオン性官能基とを
有する化合物として、イソシアネート基と反応しうる基
とカルボキシル基とを有する化合物を用いることによ
り、合成することができる。カルボキシル基を有するポ
リウレタンウレアは、その酸価が1〜100mg/g、
さらには10〜40mg/gの範囲に調整すると、ポリ
ウレタンウレアの合成反応時に触媒作用を有する点、イ
ンキ受理層の成膜性を向上させる等の点から好適であ
る。ポリウレタンウレアの酸価が1mg/g未満である
と、ポリウレタンウレアの反応時の触媒作用が不充分で
ある。一方、40mg/gを超えると、膜が硬くなりす
ぎてクラックを生じたり、耐水性が悪くなりインキ受理
層が基材から剥離したりする。
【0022】イソシアネート基と反応しうる基とカルボ
キシル基とを有する化合物としては、例えば、ジメチロ
ールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉
草酸等のジメチロールアルカン酸、アミノ酸やアミノス
ルホン酸並びにそれらのオキシアルキル化生成物及びポ
リエステル化生成物、ジアミノカルボン酸、ジアミノベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム、グリセリンモノ燐酸エス
テル2ナトリウム塩、ヒドロキシエチルホスフォン酸ナ
トリウム、ジメチロールホスフィン酸ナトリウム、N−
メチルエタノールアミン、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸骨格を有するポリエステルポリオール、低分子グ
リコールと脂肪族あるいは芳香族多塩基酸無水物との付
加・縮合反応によって得られるカルボキシル基含有ポリ
エステルポリオール、ジメチロールアルカン酸を開始剤
としてラクトンを付加開環重合させたカルボキシル基含
有ポリオール等が挙げられる。特に、ジメチロールプロ
ピオン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸等の
低分子量のジメチロールアルカン酸は、反応時に触媒作
用を有する、インキ受理層の成膜性を向上させる等の点
で好ましい。
【0023】また、水酸基を有するポリウレタンウレア
は、前記のポリウレタンウレアの合成方法において、水
酸基を有するアミン化合物を用いることにより、合成す
ることができる。水酸基を有するアミン化合物として
は、例えばN−アミノエチルエタノールアミン、2−ア
ミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−ヒドロキシ
エチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピ
レンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジア
ミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、
2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒ
ドロキシプロピルエチレンジアミン等が挙げられる。
【0024】また、アミノ基を有するポリウレタンウレ
アは、前記のポリウレタンウレアのプレポリマー法によ
る合成方法において、両末端イソシアネートプレポリマ
ーをジアミン化合物および/またはポリアミン化合物で
鎖延長(高分子量化)することにより合成される。ジア
ミン化合物としては、エチレンジアミン、プロピレンジ
アミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミ
ン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−
4,4’−ジアミン等の脂環式ジアミンを含む脂肪族ジ
アミン及びフェニレンジアミン、キシリレンジアミン等
の芳香族ジアミンが挙げられる。ポリアミン化合物とし
ては、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミ
ン、トリアミノプロパン等の脂環式ポリアミンを含む脂
肪族ポリアミン及び芳香族ポリアミンが挙げられる。
【0025】ヒドロキシ化合物としては、低分子量ポリ
オール類、高分子量ポリオール類、あるいはビスフェノ
ールAやビスフェノールF等のビスフェノール類、ビス
フェノール類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イド等のアルキレンオキサイドを付加させたグリコール
類等を用いることができる。
【0026】低分子量ポリオール類は、分子量50以上
500未満のポリオール類であり、例えば、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ブタンジオール、プロパンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキ
サンジメタノール、3,9−ビス(1,1−ジメチル−
2−ヒドロキシエチル)−2,2,8,10−テトラオ
キソスピロ〔5,5〕ウンデカン等のジオール類、グリ
セリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタ
ン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、メチルグル
コシド等が挙げられる。
【0027】高分子量ポリオール類は、重量平均分子量
500以上100000以下のポリオール類であり、例
えばポリエーテルポリオール類やポリエステルポリオー
ル類が挙げられる。ポリエーテルポリオール類として
は、例えば、テトラヒドロフラン、あるいはエチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド
等のアルキレンオキサイドの重合体、共重合体あるいは
グラフト共重合体、またはヘキサンジオール、メチルヘ
キサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール
あるいはこれらの混合物の縮合によるポリエーテルグリ
コール類等が挙げられる。
【0028】ポリエステルポリオール類としては、例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、ヘキサンジオール、メチル−1,5
−ペンタンジオール、オクタンジオール、シクロヘキサ
ンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、
ビスフェノールA、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ジプロピレングリコール等の飽和あるい
は不飽和の低分子量グリコールと、脂肪族あるいは芳香
族二塩基酸または芳香族二塩基酸エステルとから縮合反
応により得られるポリエステルポリオールや、ε−カプ
ロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合により得
られるポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリ
オール、シリコンポリオール等が挙げられ、これらとジ
イソシアネートとの反応によって得られる末端水酸基の
反応生成物も用いることができる。
【0029】ポリウレタンウレアは、エチレンオキサイ
ドまたはエチレングリコールによって形成されるポリエ
チレンオキサイド(EO)鎖を40〜95重量%の範囲
で含むと、適度な吸水性が付与され、水性インキの吸収
が良好となるため好ましい。EO鎖の含有量が40重量
%未満であるとインキの吸収性が遅く、ドットゲイン
(ドットの膨れ)を生じたり、滲みを生じたりするため
鮮明な画像が得られ難い。一方、95重量%を越える
と、水に容易に溶解し、耐水性が低下する。なお、カル
ボジイミド基を有する化合物により架橋しないポリウレ
タンウレアを含むインキ受理層の場合は、EO鎖の含有
量が70重量%を超えるとタックが強くブロッキングの
原因となり、耐水性も低下する。しかし、カルボジイミ
ド基を有する化合物により架橋したポリウレタンウレア
を含むインキ受理層の場合は、EO鎖の含有量が70重
量%を超えても、インキ受理層の成膜性が良好なため耐
水性が良好で、タック、ブロッキングの問題がない。
【0030】イソシアネート化合物としては、従来公知
のもの、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(H
DI)、ドデカメチレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシア
ネート(XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート(水添MDI)、トリレンジイソシアネート(T
DI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)、IPDI、TDI及びHDIの三量化物、粗製T
DI、ポリフェニルメタンポリイソシアネート(PAP
I)、ナフチレンジイソシアネート、及びこれらのイソ
シアネート変性物を用いることができる。なお、イソシ
アネート変性物とは、カルボジイミド基、ウレトジオン
基、ウレトイミン基、ビュレット基、イソシアヌレート
基の1種または2種以上の官能基を有するものである。
【0031】中でも、HDI、XDI、IPDI、水添
MDI等の無黄変型のイソシアネート化合物が耐候性の
点から好適に用いられる。また、必要に応じて従来公知
のウレタン化触媒、例えば、ジラウリン酸ジブチル錫、
オクチル酸錫、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベ
ンジルアミン、水酸化ナトリウム、ジエチル亜鉛テトラ
(n−ブトキシ)チタン等を用いることができる。
【0032】プレポリマーを鎖延長する際には、必要に
応じて、モノアミン化合物を反応停止剤(分子量調整
剤)として用いることもできる。モノアミン化合物とし
ては、例えばジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミ
ン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、2
−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリ(ヒド
ロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−2−エチル
−1,3−プロパンジオール等の水酸基を有するアミ
ン、モノメチルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジ
ン、ベンジルヒドラジン等のアルキルヒドラジン類、ホ
ルムヒドラジド、アセトヒドラジド、ラウリン酸ヒドラ
ジド等のヒドラジド類等が挙げられる。
【0033】前記プレポリマー法によるプレポリマーの
合成は、無溶剤でも行い得るが、反応の均一化や粘度調
整のために溶剤を使用することもできる。溶剤として具
体的には、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチ
ル、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラ
ン、ジグライム、ジメチルスルホキシド、N−メチルピ
ロリドン、トルエン等が挙げられ、これらの単独あるい
は混合物が用いられる。
【0034】ポリウレタンウレアは、鎖延長・反応停止
の前あるいは鎖延長・反応停止と同時に、あるいは後に
水に分散もしくは溶解せしめることもできる。カルボキ
シル基を有するポリウレタンウレアは、塩基性化合物を
用いて中和してもよい。中和に使用する塩基性化合物と
しては、アンモニア、モノエチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリメチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ
ブチルアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノ
ールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノー
ルアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン、N
−メチルモルホリン、2−アミノ−2−エチル−1−プ
ロパノール等の有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム等の無機アルカリ類等が挙げられ、1種または
2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中でも、
水溶性であり、かつ熱により容易に解離する揮発性の高
いものが望ましく、特にアンモニア、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミンが好ましい。
【0035】ポリウレタンウレアの重量平均分子量は
1.5×104 〜1.0×105 の範囲にあることが好
ましい。重量平均分子量が1.5×104 未満であると
インキ受理層の表面のタックが強く、ブロッキングの原
因となり、さらに耐水性にも劣る。また、1.0×10
5 より大きいと溶剤への溶解性が低下し、粘度が著しく
増加し、ゲル状態となるため、塗工時に均一な膜を形成
することができない。表面のタック、耐水性及び溶解性
のバランスから、重量平均分子量は1.8×10 4
5.0×104 の範囲にあることがより好ましい。
【0036】本発明におけるカルボジイミド基を有する
化合物としては、従来公知のもの、および特開昭59−
187029号公報に記載される公知の方法、例えばモ
ノ、ジ、トリイソシアネート化合物を非反応性の溶媒中
で適当な触媒、例えば3-メチル-1-フェニル-2-ホスホレ
ート-1-オキシドの存在下で加熱し、脱二酸化炭 素を伴
う縮合反応によりイソシアネート基をカルボジイミド化
する方法で合成されるものが挙げられる。
【0037】カルボジイミド基を有する化合物の合成原
料のイソシアネート化合物としては、芳香族ジイソシア
ネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネ
ート、あるいはこれらの混合物が用いられる。芳香族ジ
イソシアネートとしては、例えば、1,5-ナフチレンジイ
ソシアネート、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、4,4-ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、
4,4-ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニル
メタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメ
タンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、m-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等
が挙げられる。
【0038】脂肪族ジイソシアネートとしては、例え
ば、ブタン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイ
ソシアネート、リジンジイソシアネート、ジメチルジイ
ソシアネート等が挙げられる。脂環族ジイソシアネート
としては、例えば、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシル
メタン-4,4-ジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアネ
ートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジ
イソシアネート等が挙げられる。また、化合物中のカル
ボジイミド基の含有量を調整するために、フェニルイソ
シアネート、ブチルイソシアネート等のモノイソシアネ
ートを併用してもよい。
【0039】インキ受理層には、ブロッキング防止、カ
ーリング防止、表面光沢の調整、耐候性の向上、インキ
滴の濡れ性の改善等の目的で、カルボキシル基、水酸基
またはアミノ基を有さない樹脂を、本発明の目的を妨げ
ない範囲で1種または2種以上配合することができる。
このような樹脂としては、ポリ酢酸ビニル、ポリビニル
アセタール、ポリスチレン、フッ素樹脂、ポリカーボネ
ート、ポリエーテル、ポリイソブチレン、ポリアミド、
石油樹脂、ロジン、しょ糖エステル、塩化ビニル/酢酸
ビニル系共重合体、エチレン/酢酸ビニル系共重合体等
の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミ
ン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、ケイ素樹
脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、およびエポキシア
クリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアク
リレート、ポリエーテルアクリレート、ホスファゼン樹
脂等の紫外線または電子線により硬化する樹脂が挙げら
れる。
【0040】また、体質顔料、親水性フィラー、紫外線
吸収剤、蛍光増白剤等の蛍光染料、着色染・顔料、増粘
剤、レベリング剤、クレーター防止剤、沈降防止剤、酸
化防止剤、難燃剤、ワックス、熱安定剤、等も、適宜添
加することができる。体質顔料としては、ケイソウ土、
タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられ
る。親水性フィラーとしては、シリカ、スメクタイト、
ベントナイト、ゼオライト、アルミナ、甘藷デンプン、
馬鈴薯デンプン、タピオカデンプン、小麦デンプン、コ
ーンスターチ、可溶性デンプン、カルボキシメチルデン
プン、ジアルデヒドデンプン等のデンプン類、マンナン
類、アルギン酸ナトリウム等の海藻成分類、トラガント
ゴム、アラビアゴム等の親水性または水膨潤性のゴム
類、ゼラチン、カゼイン、コラーゲン等のタンパク質等
が挙げられる。中でもシリカ、アルミナはインキ受理層
の外観を損ねることがなく、親水性または吸水性の付与
以外にブロッキング防止、インキ滴の形成するドット径
の調整、表面光沢の調整等の働きもするため好適に用い
られる。
【0041】インキ受理層は、基材の少なくとも一方の
面に、インキ受理層の構成成分を塗料化したもの(塗工
剤)を従来公知の方法でコーティングすることにより設
けることができる。インキ受理層は、伸長性、追随性、
インキ吸収性とのバランスから、基材の片面または両面
に5〜100μm、さらには10〜50μmの厚さ(乾
燥膜厚)で形成されることが好ましい。コーティング
は、例えばスプレー、スピンコーター、ダイコーター、
グラビアコーター、ナイフコーター、ディップコータ
ー、コンマコーター等を用いて行われる。
【0042】具体的には、樹脂を架橋した反応物を含む
インキ受理層は、塗工剤の状態において、カルボキシル
基、水酸基およびアミノ基から選ばれる少なくとも一種
の官能基を有する樹脂をカルボジイミド基を有する化合
物で架橋し、反応物を含む塗工剤を基材にコーティング
する方法や、コーティーングの直前にカルボジイミド基
を有する化合物とカルボキシル基、水酸基およびアミノ
基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する樹脂を
混合して塗工剤を調製し、基材にコーティングしたのち
基材上で樹脂を架橋する方法等により、基材に設けるこ
とができる。塗工剤のポットライフ等を考慮すると、後
者の方法が好ましい。
【0043】インキ受理層を設ける基材としては、例え
ば、紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレート、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデ
ン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロ
ン、ポリイミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコー
ル、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリカーボ
ネート、ポリアクリロニトリル、ポリブテン等の非伸長
性(JIS C2318による伸び率10以上150%
未満)のプラスチックフィルムだけでなく、軟質ポリ塩
化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合
体、ポリ酢酸ビニル等の伸長性(JIS C2318に
よる伸び率150以上1000%以下)のプラスチック
フィルムも用いることができる。この他、各種の不織
布、合成紙、金属箔、あるいはこれらを組み合わせた複
合シート、金属、ガラス等にも設けることが可能であ
る。
【0044】基材表面の表面自由エネルギーは、20〜
70mN/mの範囲であることが好ましい。また、密着
性を改善するために、本発明の目的を妨げない範囲で、
基材の表面にコロナ処理、プラズマ処理あるいは、基材
との密着性に優れた樹脂をコーティング処理しても差し
支えない。
【0045】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明の記録材の具
体的な構成を説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。なお、実施例中、部は重量部を表し、M
wは重量平均分子量を表す。また、樹脂の吸水率は、2
5℃のイオン交換水に樹脂を30分浸漬したときの自重
に対する吸水率である。
【0046】[実施例1]下記処方の樹脂をメチルエチ
ルケトン/イソプロピルアルコール混合溶液に溶解し、
固形分(NV)30重量%の樹脂溶液を得た。樹脂溶液 1
00部に対して、カルボジイミド化合物(日清紡社製「カ
ルボジライトV-05」、カルボジイミド当量262)0.36部
を加え(カルボジイミド基の数/カルボキシル基の数=
28/100)、25℃で架橋してカルバモイルアミドを含む
塗工剤を得た。JIS C2318による伸び率 200%、表面自
由エネルギー35mN/m、厚さ80μmの軟質 ポリ塩化ビニ
ルフィルム上に、得られたカルバモイルアミド溶液をブ
レードコーターを用いて乾燥膜厚が約30μmとなるよう
に塗工し、100℃で2分間乾燥させて 記録材を得た。 カルボキシル基を有するアクリル樹脂 50.0部 (三菱レイヨン社製「ダイヤナールBR-77 」、Mw65000 、酸価18.5mg/g、 吸水率5重量%) カルボキシル基、水酸基またはアミノ基を有さないアクリル樹脂 (三菱レイヨン社製「ダイヤナールBR-101」、Mw16000) 25.0部 シリカ(水澤化学社製「ミズカシルCP-402」) 25.0部
【0047】[実施例2]下記組成のヒドロキシ化合物
とイソシアネート化合物をメチルエチルケトン溶媒中に
溶解し、触媒としてオクチル酸錫を添加し、85〜90℃で
攪拌しながら3〜4時間反応させ、イソシアネート残量
が所定量に達するまで反応させプレポリマーを合成し
た。プレポリマーを45〜55℃に冷却した後、アミン化合
物としてイソホロンジアミン 1.5部、ジブチルアミン
1.0部を滴下し、赤外吸収測定によるイソシアネートの
ピーク(2250cm-1)が消失するまで反応させ、Mw 6.5
×104 、理論酸価10mg/g、吸水率 350重量%のカルボキ
シル基を有するポリウレタンウレアの溶液(NV30重量
%)を得た。ポリウレタンウレアの溶液 100部に対し
て、カルボジイミド化合物(日清紡社製「カルボジライ
トT-01」、カルボジイミド当量340)0.18部を加え(カル
ボジイミド基の数/カルボキシル基の数=10/100)、25
℃で架橋してカルバモイルアミドを含む塗工剤を得た。
実施例1と同様に塗工して記録材を得た。 ポリエチレングリコール(Mw2000) 79.4部 ジメチロール酪酸 2.6部 イソホロンジイソシアネート 15.4部
【0048】[実施例3]下記の原料を用いて、実施例
2と同様にして、Mw 2.2×104 、理論酸価20mg/g、吸
水率 300重量%のアミノ基およびカルボキシル基を有す
るポリウレタンウレアの溶液(NV30 重量%)を得
た。ポリウレタンウレアの溶液100部に対して、カルボ
ジイミド化合物 (日清紡社製「カルボジライトT-0
1」、カルボジイミド当量340)0.36部を加え(カルボジ
イミド基の数/アミノ基とカルボキシル基の合計数=10
/100)、25 ℃で架橋して、カルバモイルアミドおよび
グアニジンを含む塗工剤を得た。実施例1と同様に塗工
して記録材を得た。 ポリテトラメチレンエーテルグリコール(Mw3000) 1.5部 ポリエチレングリコール(Mw4000) 69.4部 EO含有ポリエーテルポリオール 2.5部 (旭電化製「アデカ ポリエーテルCM−294」、EO40重量%) ジメチロール酪酸 5.3部 イソホロンジイソシアネート 17.8部 イソホロンジアミン 3.5部
【0049】[実施例4]下記の原料を用いて、実施例
2と同様にして、Mw 2.2×104 、理論酸価16mg/g、吸
水率 300重量%の水酸基およびカルボキシル基を有する
ポリウレタンウレアの溶液(NV30重量%)を得た。ポ
リウレタンウレアの溶液 100部に対して、カルボジイミ
ド化合物(日清紡社製「カルボジライトT-01」、カルボ
ジイミド当量340)0.29部を加え(カルボジイミド基の数
/カルボキシル基の数=10/100)、25℃で架橋してカル
バモイルアミドを含む塗工剤を得た。実施例1と同様に
塗工して記録材を得た。 ポリテトラメチレンエーテルグリコール(Mw3000) 1.5部 ポリエチレングリコール(Mw2000) 70.1部 ジメチロール酪酸 4.2部 イソホロンジイソシアネート 20.1部 N-アミノエチルエタノールアミン 3.1部 2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール 1.0部
【0050】[実施例5]実施例4と同様の水酸基およ
びカルボキシル基を有するポリウレタンウレアの溶液
に、イオン交換水と25重量%アンモニア水を滴下しなが
ら、70℃でメチルエチルケトンを除去し、ポリウレタン
ウレアの水性エマルジョンを得た(NV30重量%)。得
られた水性エマルジョン 100部に対して、カルボジイミ
ド化合物(日清紡社製「カルボジライトT-01」、カルボ
ジイミド当量340) 2.1部を加えて(カルボジイミド基の
数/水酸基とカルボキシル基の合計数=30/100)塗工剤
を調製し、実施例1と同様の軟質ポリ塩化ビニルフィル
ム上に、ブレードコーターを用いて乾燥膜厚が約30μm
となるように塗工し、 150℃で3分間乾燥と同時にフィ
ルム上で架橋させてイソウレアおよびカルバモイルアミ
ドを含むインキ受理層を有する記録材を得た。
【0051】[実施例6]下記処方の樹脂溶液(NV30
重量%) 100部に対して、カルボジイミド化合物(日清
紡社製「カルボジライトT-01」、カルボジイミド当量34
0)0.21部を加え(カルボジイミド基の数/カルボキシル
基の数=10/100)、25℃で架橋して塗工剤を調製した。
実施例1と同様の軟質ポリ塩化ビニルフィルム上に、得
られた塗工剤をブレードコーターを用いて乾燥膜厚が約
30μmとなるように塗工し、 100℃で2分間乾燥させて
記録材を得た。 実施例2のポリウレタンウレア溶液(理論酸価10mg/g) 80.0部 カルボキシル基を有するアクリル樹脂 20.0部 (三菱レイヨン社製「ダイヤナールBR-77 」、Mw65000 、酸価18.5mg/g、 吸水率5重量%)
【0052】[実施例7]実施例2と同様のポリウレタ
ンウレアの溶液 100部に対して、カルボジイミド化合物
(日清紡社製「カルボジライトT-01」、カルボジイミド
当量340)0.9部を加え(カルボジイミド基の数/カルボ
キシル基の数=50/100)、25℃で架橋し、カルバモイル
アミドを含む塗工剤を得た。実施例1と同様に塗工して
記録材を得た。
【0053】[比較例1]カルボジイミド化合物を除い
た以外は、実施例1と同様にして記録材を得た。[比較
例2]カルボジイミド化合物を除いた以外は、実施例2
と同様にして記録材を得た。[比較例3]実施例1と同
様の軟質ポリ塩化ビニルフィルム上に、下記処方の塗工
剤をブレードコーターを用いて、乾燥膜厚が約30μとな
るように塗工し、 120℃で2分間乾燥させて記録材を得
た。 ポリビニルアルコール水溶液 75.0部 (クラレ社製「PVA117」、NV15重量%) シリカ(水澤化学社製「ミズカシルCP−402」) 25.0部
【0054】得られた記録材について、インクジェット
印字性、グラビア印刷インキセット性、インキ受理層の
密着性、耐水性ならびに表面タックを評価した。結果を
表1に示す。
【0055】インクジェット印字性は、インクジェット
プリンター(シャープ社製「IO−735X」)で、水
系の顔料インキ(レーベル製「エクセレント」)を用い
てインクジェット印刷を行い、インキの吸水性及び印字
品位を4段階で評価した。 ◎:極めて良好。 ○:良好。 △:乾燥、滲み、発色性においてやや不良。 ×:乾燥、滲み、発色において不良。
【0056】グラビア印刷インキセット性は、電動式グ
ラビア印刷試験機(倉敷紡績社製「GP−2」)で、水
性グラビアインキ(東洋インキ製造社製「アクアキング
3赤」)を用いてグラビア印刷を行い、4段階で評価し
た。 ◎:極めて良好。 ○:良好。 △:乾燥、滲み、発色性においてやや不良。 ×:乾燥、滲み、発色において不良。
【0057】耐水性は、記録材を蒸留水中に24時間浸
漬し、インキ受理層の剥離の程度を3段階で評価した。 ○:全く剥離しない。 △:一部が剥離する。 ×:全て剥離する。
【0058】インキ受理層の表面タックは、タッキング
試験機(レスカ社製)で、粘着力を測定を行い、インキ
受理層のタックの強さを4段階で評価した。 ◎:インキ受理層のタックが全くない。 ○:インキ受理層のタックが殆どない。 △:インキ受理層のタックがややある。 ×:インキ受理層のタックがかなりある。
【0059】インキ受理層の基材に対する密着性は、記
録材表面にセロハンテープを均一に貼り、勢いよく引き
剥がすテープ剥離試験を行い、3段階で評価した。 ○:剥離しない。 △:一部剥離。 ×:全て剥離。
【0060】
【表1】
【0061】表1から明らかなように、実施例で得られ
た記録材は、画像鮮明性、密着性、耐水性に優れ、さら
に表面タックにも優れている。実施例7は、インキ受理
層中のカルボジイミド基の数/カルボキシル基の数=5
0/100とした例であるが、インクジェット印字性、
グラビア印刷におけるインキセット性、表面タック、耐
水性は優れているものの、密着性にやや劣っている。比
較例1は、アクリル樹脂とシリカを用い、カルボジイミ
ド基を有する化合物による架橋を行わない例である。印
字性、表面タックは良好であるが、耐水性、密着性に不
良が見られた。
【0062】比較例2は、水酸基およびカルボキシル基
を有するポリウレタンウレアを用い、カルボジイミド基
を有する化合物による架橋を行わない例である。印字性
は良好であるが、耐水性がやや劣り、表面タック、密着
性に不良が見られた。比較例3は、水溶性のポリビニル
アルコールとシリカを用い、カルボジイミド基を有する
化合物による架橋を行わない例である。印字性は良好で
あるが、表面タックがやや劣り、耐水性、密着性に不良
が見られた。
【0063】
【発明の効果】本発明により、水性インキによる印刷適
性、耐水性に優れ、さらには基材との密着性にも優れ、
表面タックを減少させたインキ受理層を有する記録材を
提供することができた。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の少なくとも一方の面に、カルボキシ
    ル基、水酸基およびアミノ基から選ばれる少なくとも一
    種の官能基を有する樹脂を、カルボジイミド基を有する
    化合物で架橋した反応物を含むインキ受理層を有するこ
    とを特徴とする記録材。
  2. 【請求項2】反応物が、カルボジイミド基の数/カルボ
    キシル基、水酸基およびアミノ基から選ばれる官能基の
    数が0.1〜30/100の割合で樹脂を架橋した反応
    物であることを特徴とする請求項1記載の記録材。
  3. 【請求項3】カルボキシル基、水酸基およびアミノ基か
    ら選ばれる少なくとも一種類の官能基を有する樹脂が、
    吸水性樹脂であることを特徴とする請求項1または2記
    載の記録材。
  4. 【請求項4】吸水性樹脂がポリウレタンウレアであるこ
    とを特徴とする請求項3記載の記録材。
  5. 【請求項5】ポリウレタンウレアがポリエチレンオキサ
    イド鎖を含み、ポリウレタンウレア中のポリエチレンオ
    キサイド鎖の含有量が40〜95重量%であることを特
    徴とする請求項4記載の記録材。
  6. 【請求項6】樹脂がカルボキシル基を有し、その酸価が
    1〜100mg/gであることを特徴とする請求項1な
    いし5いずれか1項に記載の記録材。
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