JP2006296930A - ミシン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自動停止後、再度、起動停止指示手段7の操作により針棒駆動装置が起動されるまでの間に、駆動制御手段5が、針振り位置及び布送り量が次の縫製開始時の針振り位置及び布送り量となるように針振り駆動装置及び送り量変更駆動装置の準備駆動制御を自動的に行うミシン100において、自動停止後、再度、起動停止指示手段7により針棒駆動装置が起動されるまでの間に、補正縫い操作手段15による補正縫いが開始された場合に、針振り位置及び布送り量を自動停止以前の縫製データによる縫製終了時の針振り位置及び布送り量に戻してから自動停止以前の縫製データの針振りデータ及び布送りデータに基づいて補正縫いを行う補正縫い針振り制御手段5及び補正縫い布送り制御手段5を備えた。
【選択図】図6
Description
また、設定された針振りデータに基づいた縫製中におけるペダル操作による停止指示に基づくミシン停止時に、針振りデータが設定変更されると、停止時の針の上下動位置が布を貫通していない針上位置である場合は、設定変更された針振りデータによる縫製を迅速に行うため、設定変更直後に針振り位置を設定変更された針振り位置に移動させ、ミシンペダルの再度の踏込みと同時に設定変更された針振りデータによる針振り位置から縫製が開始できるようにして、針振りデータ切替時におけるロスタイムを無くすことができ、縫製効率を向上させることができるように構成されたミシンが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
また、この技術は、送り量を制御可能なミシンにも適用され、送り量のデータが含まれる針数データ(制御データ)を複数記憶して、順次各針数データに基づく縫製終了時の自動停止毎に、次の針数データによる縫製開始の指示がなされる前に、予め次ぎの針数データに基づく送り量となるように送り機構を制御(準備駆動制御)するとともに、自動停止時の布に対する縫い針の停止位置を補正するための補正縫い用のスイッチを設けたミシンも実用化されている。ミシンも実用化されている。なお、この場合は、針振り位置の変更と異なり、自動停止時の針の上下動位置とは、無関係に行われる。
ここで、所定の低速とは、通常の縫製速度よりもはるかに遅く、縫い針の上下動等を目で追える程度の縫製速度であり、ユーザが任意に設定することができる。
ここで、針振り駆動装置の準備駆動制御の自動実行後、補正縫い操作手段が操作され、補正縫い制御手段により所定の低速で補正縫いが開始された場合には、補正縫い針振り制御手段は、縫い針の針振り位置を自動停止以前の縫製データによる縫製終了時の針振り位置に戻してから自動停止以前の縫製データの針振りデータに基づいて補正縫い制御手段により補正縫いを行う。
よって、従来の長所を維持しつつ、自動停止以前の針数データに基づく針振り量で補正縫いを行うことができないという欠点を解消することができる。
ここで、所定の低速とは、通常の縫製速度よりもはるかに遅く、縫い針の上下動等を目で追える程度の縫製速度であり、ユーザが任意に設定することができる。
ここで、送り量変更駆動装置の準備駆動制御の自動実行後、補正縫い操作手段が操作され、補正縫い制御手段により所定の低速で補正縫いが開始された場合には、補正縫い布送り制御手段は、送り量変更駆動装置による送り歯による布送り量を自動停止以前の縫製データによる縫製終了時の布送り量に戻してから自動停止以前の縫製データの布送りデータに基づいて補正縫い制御手段により補正縫いを行う。
よって、従来の長所を維持しつつ、自動停止以前の針数データに基づく布送り量で補正縫いを行うことができないという欠点を解消することができる。
ここで、選択入力手段により準備駆動制御の自動実行を行う旨が選択され、針振り駆動装置の準備駆動制御の実行後に補正縫い操作手段が操作された場合には、縫い針の針振り位置を自動停止以前の縫製データによる縫製終了時の針振り位置に戻してから自動停止以前の縫製データの針振りデータに基づいて補正縫いを行う。一方、選択入力手段により準備駆動制御の自動実行を行わない旨が選択され、手動切替手段による駆動制御の切り替えが行われるまでの間に補正縫い操作手段が操作された場合には、縫い針の針振り位置を現状の縫製データの針振りデータに基づいて補正縫いを行い、補正縫い終了後の手動切替手段の操作により次の縫製データに基づく各駆動装置の駆動が行われる。
よって、選択入力手段により、ユーザの希望に合わせて補正縫いの方法を選択することができるので、補正縫いの発生頻度に応じてユーザ自身が選択することができ、縫製効率の良い方を選択することができる。
ここで、選択入力手段により準備駆動制御の自動実行を行う旨が選択され、送り量変更駆動装置の準備駆動制御の実行後に補正縫い操作手段が操作された場合には、送り歯による布送り量を自動停止以前の縫製データによる縫製終了時の布送り量に戻してから自動停止以前の縫製データの布送りデータに基づいて補正縫いを行う。一方、選択入力手段により準備駆動制御の自動実行を行わない旨が選択され、手動切替手段による駆動制御の切り替えが行われるまでの間に補正縫い操作手段が操作された場合には、送り歯による布送り量を現状の縫製データの布送りデータに基づいて補正縫いを行い、補正縫い終了後の手動切替手段の操作により次の縫製データに基づく各駆動装置の駆動が行われる。
よって、選択入力手段により、ユーザの希望に合わせて補正縫いの方法を選択することができるので、補正縫いの発生頻度に応じてユーザ自身が選択することができ、縫製効率の良い方を選択することができる。
よって、従来の長所を維持しつつ、自動停止以前の針数データに基づく針振り量で補正縫いを行うことができないという欠点を解消することができる。
よって、従来の長所を維持しつつ、自動停止以前の針数データに基づく送り量で補正縫いを行うことができないという欠点を解消することができる。
<ミシンの構成>
ミシン100は、図1に示すように、ミシン脚卓Z上に載置され、上面に針板が設けられたベッド部1(破線にて図示)と、ベッド部1の上方においてベッド部1と略平行に延在するアーム部2と、ベッド部1の一端部側に立設されてアーム部2の一端部を支持する胴部と、アーム部2の前端部から下方に延出して上下動自在な針棒3と、上軸(図示略)を回転駆動させるミシンモータ4と、上軸の回転駆動力により針棒3及び針棒3が保持する縫い針3aを上下動させる針棒駆動装置(図示略)と、縫い針3aの上下動に同期して布の送り方向に直交する方向に縫い針3aを移動させる針振り動作を行うために針棒3を所定の振り幅で振らせる針振り駆動装置6(図5参照)と、ベッド部1上に載置された布を送る送り駆動装置9(図3参照)と、ミシン全体の動作を統合制御する制御装置5と、踏込み量によってミシンモータ4の回転速度を調節し、前記針棒駆動装置の起動及び停止を指示する起動停止指示手段としての操作ペダル7と、針振り駆動装置6が縫い針3aを移動させる針移動量や送り駆動装置9が布を送る布送り量等の各種縫製データを複数入力して縫製データの設定入力を行うための各種スイッチと、設定された縫製データ等を表示する表示部8aとを有する操作パネル8と、各種縫製データに基づく縫製終了毎の自動停止後、操作ペダル7による次の起動操作が行われるまでの間の操作により補正縫いを行う補正縫い操作手段としての補正縫いスイッチ15と、を備えている。
図2〜図4を用いて、送り駆動装置9について説明する。送り駆動装置9は、ミシンモータ4により上軸と同期回転する下軸10の回転運動を送り歯11に伝動し、送り歯11により布送りを行う布送り機構としての送り伝動機構20と、送り歯11の送り量を変更する角駒30と、角駒30を嵌め込む送り調節軸40と、送り量設定用の駆動モータである布送り用パルスモータ50等を備えており、布送りを行う送り歯11に布送り動作の駆動力を付与するとともに、送り歯11が布を送る布送り量を可変調節可能となるように構成されている。すなわち、角駒30、送り調節軸40、布送り用パルスモータ50により送り歯11による布送り量を可変調節可能とする送り量変更駆動装置60を構成している。
なお、布送り用パルスモータ50には、布送り用パルスモータ50の回転を検知する布送り用パルスモータ原点センサ50a(図6参照)が設けられ、布送り位置の原点が検出されるようになっている。
縫い針3aは、針棒3の下端部に装備され、針棒3は針棒駆動装置に支持される。そして、縫い針3aは、針棒3を介して上下方向の往復駆動が行われる。針棒駆動装置は、上軸の回転駆動力をクランク機構やカム機構等を用いて往復上下方向の駆動力に変換すると共に、針棒3を支持する移動体(図示略)に往復上下の移動力の付与を行っている。
また、かかる移動体は、針棒3を、左右方向を中心として揺動可能に支持している。針振り駆動装置6は、図5に示すように、針振り用パルスモータ31を備え、リンク体33を介して移動体に支持された針棒3に揺動力の付与を行い、上下動を行う針棒3に対して所定のタイミングで針振りを実行させている。なお、針振り方向は、布送り方向と直交しており、布送りと針振りとを組み合わせることで縫い方向を任意に設定することを可能としている。それにより所定の針振りによる縫製パターンを形成することができる。また、針振り駆動装置6には、針振り用パルスモータ31の回転とともに回転する遮蔽板31bを検知する針振り用パルスモータ原点センサ31aが設けられ、針振り位置の原点が検出されるようになっている。
次に、ミシンの機械的動作について説明する。ミシンの操作ペダル7を踏み込んでミシンモータ4を駆動させることによって下軸10を回転させると、この下軸10の回転運動が水平送りカム21、水平送りロッド22、水平送り連結桿23および水平送り腕24を介して水平送り軸25に伝達され、水平送り軸25が往復回動運動を行う。そして、水平送り軸25の往復回動運動が送り台腕26および送り台27を介して送り歯11に伝達され、送り歯11の前後方向の往復運動が実現することとなる。
一方、下軸10の回転運動が上下送りリンク28を介して送り台27に伝達されることによって、送り台27上に固定された送り歯11の上下方向の往復運動が実現することとなる。
この結果、送り歯11は、前後方向の往復運動と上下方向の往復運動との合成により円ないし楕円運動を行うことで、布押え足によって上方から押えられた布を所定の方向に送る布送り運動を行う。
送り歯11の正送りと逆送りの変換は、下軸10の回転位相に対する水平送り軸25の回動位相を変更することで行われるが、下軸10の回転位相や水平送り軸25の回動位相の変更は角駒30の傾斜角度(所定の基準位置に対する回動角度)が変更されることで実現される。すなわち、角駒30が往復揺動動作を行う場合に、その揺動の前後方向成分が送り歯11に伝達される。従って、角駒30が図3に示した初期位置からA方向へ回動した場合には、送り歯11が正送りの運動を行い、角駒30が図3に示した初期位置からB方向へ回動した場合には、送り歯11が逆送りの運動を行う。また、これらの中間位置で角駒30が上下方向に沿って往復揺動を行う場合、前後方向成分はゼロとなるので送りは行われない。
すなわち、図4に示した布送り用パルスモータ50を作動させ、出力軸51を図4における時計回りに回転させると、第3、第2、第1送り調節リンク43、42、41を順次介して、送り調節軸40がA方向に回動する。一方、出力軸51が反時計回りに回転すると、第3、第2、第1送り調節リンク43、42、41を順次介して、送り調節軸40がB方向に回動する。このように、布送り用パルスモータ50が第3、第2、第1送り調節リンク43、42、41を介して送り調節軸40を回動させることにより、角駒30の傾斜角度を変更して、送り歯11の送り方向や送り量を変更することができる。
ミシン100の制御部について説明する。図6は、ミシンの制御系を示すブロック図である。
制御装置5は、図6に示すように、ミシン100の動作制御に関する処理プログラムに従って各処理を実行するCPU51と、CPU51が各処理を実行するための処理プログラムを記憶するROM52と、種々のワークメモリやカウンタなどが設けられ、処理におけるワークエリアとして使用されるRAM53と、各種縫製データを記憶するEEPROM54とを備えている。RAM53は、種々のワークメモリやカウンタなどが設けられ、処理におけるワークエリアとして使用され、EEPROM54は、針棒駆動装置を自動停止させるための針数データと該針数データに基づく縫製における針振り駆動装置6による針棒の針振り位置に関する針振りデータと、送り歯11による布送り量に関する布送りデータとからなる縫製データを複数記憶する記憶手段として動作する。
なお、針振りデータは、相対的なデータとしての振り幅データであってもよいし、絶対的なデータとしての針振り位置のデータであってもよい。
駆動制御プログラム52aは、自動停止後、再度、操作ペダル7の操作により針棒駆動装置が起動されるまでの間に、縫い針3aの針振り位置が次の縫製データの針振りデータによる縫製開始時の針振り位置となるように針振り駆動装置6の準備駆動制御を自動的に行う機能を実現させる。
駆動制御プログラム52aは、自動停止後、再度、操作ペダル7の操作により針棒駆動装置が起動されるまでの間に、送り歯11による布送り量が次の縫製データの布送りデータによる縫製開始時の布送り量となるように送り量変更駆動装置60の準備駆動制御を自動的に行う機能を実現させる。
また、ROM52には、補正縫いスイッチ15が操作された際に、所定の低速で補正縫いを行う機能を実現させる補正縫い制御プログラム52cが記憶されている。
また、ROM52には、針振り駆動装置6の準備駆動制御の自動実行後、補正縫いスイッチ15が操作された場合に、縫い針3aの針振り位置を自動停止以前の縫製データによる縫製終了時の針振り位置に戻してから自動停止以前の縫製データの針振りデータに基づいて補正縫いを行う機能を実現させる補正縫い針振り制御プログラム52dが記憶されている。
また、ROM52には、送り量変更駆動装置60の準備駆動制御の自動実行後、補正縫いスイッチ15が操作された場合に、送り歯11による布送り量を自動停止以前の縫製データによる縫製終了時の布送り量に戻してから自動停止以前の縫製データの布送りデータに基づいて補正縫いを行う補正縫い布送り制御プログラム52eが記憶されている。
また、制御装置5は、設定入力されてEEPROM54に記憶された縫製データに基づいて縫製を行う制御を行う。
また、制御装置5は、CPU51がROM52内に記憶された駆動制御プログラム52aを実行することにより駆動制御手段として機能する。
また、制御装置5は、CPU51がROM52内に記憶された駆動停止プログラム52bを実行することにより針棒駆動装置を自動停止させる駆動停止手段として機能する。
また、制御装置5は、CPU51がROM52内に記憶された補正縫い制御プログラム52cを実行することにより補正縫い制御手段として機能する。
また、制御装置5は、CPU51がROM52内に記憶された補正縫い針振り制御プログラム52dを実行することにより補正縫い針振り制御手段として機能する。
また、制御装置5は、CPU51がROM52内に記憶された補正縫い布送り制御プログラム52eを実行することにより補正縫い布送り制御手段として機能する。
布送り用パルスモータ50は、CPU51により、エンコーダ32及び針位置検出器34の出力から認識される針落ちタイミングに対する所定のタイミングで同期を図って駆動制御され、送り歯11による送り方向や送り量の変更が行われるようになっている。
針振り用ステッピングモータ31は、CPU51により、エンコーダ32及び針位置検出器34の出力から認識される針落ちタイミングに対する所定のタイミングで同期を図って駆動制御され、針振りにより縫い針3aを所定の針振り位置に位置決めする。
<自動切替を選択した場合における針振り位置及び布送り量の戻し動作>
図8に基づいて、選択入力スイッチ88により自動切替を選択した場合における縫い針3aの針振り位置及び布送り量の戻し動作について説明する。
図8に示すように、最初に、作業者は、操作パネル8に表示された針数スイッチ81により針棒駆動装置を、より具体的には、ミシンモータ4を自動停止させるための針数を設定し、針振り設定スイッチ82により針振りの針移動量(いわゆる針振りの振幅の大きさ)と、布送り設定スイッチ83により布送り量を設定する(ステップS1)。作業者によるこの設定操作が、所定の縫製に必要なN回分繰り返され、このように設定された値のそれぞれは、1〜n番目(n<=N)の縫製データとしてEEPROM54に記憶される(ステップS2)。
次いで、CPU51は、操作ペダル7が踏まれたか否かを判断する(ステップS3)。ここで、CPU51が、操作ペダル7が踏まれたと判断すると(ステップS3:YES)、CPU51は駆動制御プログラム52aを実行することにより、縫製を開始する(ステップS4)。一方、CPU51が、操作ペダル7が踏まれていないと判断すると(ステップS3:NO)、CPU51はこの判断を繰り返す。
ステップS9において、縫い針3aの針振り位置及び送り歯11による布送り量をn番目の縫製縫製データに応じた状態に戻した後、CPU51は、補正縫い制御プログラム52cを実行することにより、ミシンモータ4を所定の低速(例えば200rpm)で回転させて補正縫いを開始し(ステップS10)、ステップS11に移行する。ここで再び補正縫いスイッチ15からの入力が判定され、補正縫いスイッチ15の入力がある場合(ステップS11:YES)には、ステップS10に戻って補正縫いが継続され、補正縫いスイッチ15の入力がなくなる(ステップS11:NO)と補正縫いが停止され(ステップS12)、ステップS7に移行して、再び(n+1)番目の縫製データに基づく準備駆動制御が実行される。
そこで、ステップS9では、n番目の縫製に連続するように補正縫いが行われる場合には、CPU51は、補正縫い針振り制御プログラム52dを実行することにより、針振りを行って縫い針3aの針振り位置をS地点からE地点に戻す。
また、布送り量についても同様であり、ステップS6において針棒駆動装置の駆動が停止すると、ステップS7で駆動制御プログラム52aにより準備駆動制御が実行され(n+1)番目の縫製データに更新されるため、角駒30の傾斜角度も変更され、(n+1)番目の縫製データに対応した布送り量となる。
そこで、ステップS9では、n番目の縫製データによる補正縫いが行われる場合には、CPU51は、補正縫い布送り制御プログラム52eを実行することにより、角駒30の傾斜角度をn番目の縫製データにおける傾斜角度に戻す。
ステップS15において、CPU51は、設定された針数分の縫製がなされたか否かを判断する。ここで、CPU51が、設定された針数分の縫製がなされたと判断すると(ステップS15:YES)、CPU51は駆動停止プログラム52bを実行することにより、針棒駆動装置の駆動を停止させる(ステップS16)。一方、CPU51が、設定された針数分の縫製がなされていないと判断すると(ステップS15:NO)、CPU51は、操作ペダル7が踏まれたか否かを判断する(ステップS18)。ここで、CPU51が、操作ペダル7が踏まれたと判断すると(ステップS18:YES)、ステップS14の処理に戻る。一方、CPU51が、操作ペダル7が踏まれていないと判断すると(ステップS18:NO)、CPU51はこの判断を繰り返す。
ステップS16において、CPU51が針棒駆動装置の駆動を停止させた後、CPU51は縫製すべき全ての縫製データによる縫製が終了したか否かを判断する(ステップS17)。ここで、CPU51が、縫製すべき全ての縫製パターンが終了したと判断すると(ステップS17:YES)、本処理を終了させる(END)。一方、縫製すべき全ての縫製パターンが終了していないと判断すると(ステップS17:NO)、ステップS19に移行して、次ぎの縫製データによる縫製に備えて、nの値に1を加算する処理を実行し、ステップS7に戻る。
次に、手動切替を選択した場合における縫い針3aの針振り位置及び布送り量の戻し動作について図10に基づいて説明する。
なお、この場合も、各縫製データ終了毎の自動停止時における縫い針3aの上下動位置が、上記した針停止位置設定スイッチ90により所定の針上位置に設定されている場合について説明する
図10におけるステップS21〜S26まで制御は、図8におけるステップS1〜S6までの制御と同様であるので説明を省略し、ステップS27からの制御について説明する。
次いで、ステップS34では、次ぎの縫製データによる縫製に備えて、nの値に1を加算する処理を実行し、ステップS23に戻る。
操作ペダル7の起動操作がなされると、CPU51は駆動制御プログラム52aを実行することにより、EEROM54に記憶された各縫製データに基づいて各駆動装置を駆動させて各縫製データによる縫製を順次行う。各縫製データに基づく縫製が終了すると、CPU51は駆動停止プログラム52bを実行することにより、針棒駆動装置の駆動を自動停止させる。そして、自動停止後、再度、操作ペダル7の操作により針棒駆動装置が起動されるまでの間に、CPU51は駆動制御プログラム52aを実行することにより、縫い針3aの針振り位置が次の縫製データの針振りデータによる縫製開始時の針振り位置となるように針振り駆動装置6の準備駆動制御を自動的に行うとともに、送り歯11の布送り量が次の縫製データの布送りデータによる縫製開始時の布送り量となるように送り量変更駆動装置60の準備駆動制御を自動的に行う。
ここで、針振り駆動装置6の準備駆動制御の自動実行後、補正縫いスイッチ15が操作され、CPU51が補正縫い制御プログラム52cを実行することにより所定の低速で補正縫いが開始された場合には、CPU51は補正縫い針振り制御プログラム52dを実行することにより、縫い針3aの針振り位置を自動停止以前の縫製データによる縫製終了時の針振り位置に戻すとともに、補正縫い布送り制御プログラム52eを実行することにより、送り歯11による布送り量を自動停止以前の縫製データによる縫製終了時の布送り量に戻してから自動停止以前の縫製データの布送りデータに基づいて補正縫いを行う。
よって、従来の長所を維持しつつ、自動停止以前の針数データに基づく針振り量や布送り量で補正縫いを行うことができないという欠点を解消することができる。
よって、選択入力スイッチ88により、ユーザの希望に合わせて補正縫いの方法を選択することができるので、補正縫いの発生頻度に応じてユーザ自身が選択することができ、縫製効率の良い方を選択することができる。
また、自動停止時の針上下動位置が所定の上位置に設定されていれば、布送りの戻し動作を行わず、針振りの戻し動作のみを有していてもよい。また、自動で次ぎの縫製データへの更新を行うプログラムと手動で次ぎの縫製データへの更新を行うプログラムは双方を備えている必要はなく、いずれか一方のみを有していてもよい。
3a 縫い針
5 制御装置
6 針振り駆動装置
7 操作ペダル(起動停止操作手段)
9 送り駆動装置
15 補正縫いスイッチ(補正縫い指示入力手段)
52 ROM(記憶手段)
52a 駆動制御プログラム(駆動制御手段)
52b 駆動停止プログラム(駆動停止手段)
52c 補正縫い制御プログラム(補正縫い制御手段)
52d 補正縫い針振り制御プログラム(補正縫い針振り制御手段)
52e 補正縫い布送りプログラム(補正縫い布送り制御手段)
88 選択入力スイッチ(選択入力手段)
89 縫製切替スイッチ(手動切替手段)
100 ミシン
Claims (4)
- 縫い針を保持する針棒を上下動させる針棒駆動装置と、
縫い針の上下動位置を検出する針位置検出手段と、
布送りを行う布送り機構と、
前記布送り機構による布送り方向と直交する方向に前記針棒を針振りさせる針振り駆動装置と、
前記針棒駆動装置を自動停止させるための針数データと該針数データに基づく縫製における前記針振り駆動装置による針棒の針振り位置に関する針振りデータとからなる縫製データを複数記憶する記憶手段と、
操作により前記針棒駆動装置の起動及び停止を指示する起動停止指示手段と、
前記起動停止指示手段が操作された際に、各縫製データに基づいて各駆動装置を駆動して各縫製データによる縫製を順次行う駆動制御手段と、
各縫製データに基づく縫製の終了毎に、縫い針を所定の針上位置に停止させるように前記針棒駆動装置の駆動を自動停止させる駆動停止手段と、
前記自動停止後、前記起動停止指示手段による次の起動操作が行われるまでの間の操作により補正縫いを行う補正縫い操作手段と、
前記補正縫い操作手段が操作された際に、所定の低速で補正縫いを行う補正縫い制御手段と、を備え、
前記自動停止後、再度、前記起動停止指示手段の操作により針棒駆動装置が起動されるまでの間に、前記駆動制御手段が、前記縫い針の針振り位置が次の縫製データの針振りデータによる縫製開始時の針振り位置となるように前記針振り駆動装置の準備駆動制御を自動的に行うミシンにおいて、
前記針振り駆動装置の準備駆動制御の自動実行後、前記補正縫い操作手段が操作された場合に、前記縫い針の針振り位置を前記自動停止以前の縫製データによる縫製終了時の針振り位置に戻してから前記自動停止以前の縫製データの針振りデータに基づいて補正縫いを行う補正縫い針振り制御手段を備えることを特徴とするミシン。 - 縫い針を保持する針棒を上下動させる針棒駆動装置と、
送り歯により布送りを行う布送り機構と、
前記送り歯による布送り量を可変調節可能とする送り量変更駆動装置と、
前記針棒駆動装置を自動停止させるための針数データと該針数データに基づく縫製における前記送り歯による布送り量に関する布送りデータとからなる縫製データを複数記憶する記憶手段と、
操作により前記針棒駆動装置の起動及び停止を指示する起動停止指示手段と、
前記起動停止指示手段が操作された際に、各縫製データに基づいて各駆動装置を駆動して各縫製データによる縫製を順次行う駆動制御手段と、
各縫製データに基づく縫製の終了毎に、前記針棒駆動装置の駆動を自動停止させる駆動停止手段と、
前記自動停止後、前記起動停止指示手段による次の起動操作が行われるまでの間の操作により補正縫いを行う補正縫い操作手段と、
前記補正縫い操作手段が操作された際に、所定の低速で補正縫いを行う補正縫い制御手段と、を備え、
前記自動停止後、再度、前記起動停止指示手段の操作により前記針棒駆動装置が起動されるまでの間に、前記駆動制御手段が、前記送り歯による布送り量が次の縫製データの布送りデータによる縫製開始時の布送り量となるように前記送り量変更駆動装置の準備駆動制御を自動的に行うミシンにおいて、
前記送り量変更駆動装置の準備駆動制御の自動実行後、前記補正縫い操作手段が操作された場合に、前記送り歯による布送り量を前記自動停止以前の縫製データによる縫製終了時の布送り量に戻してから前記自動停止以前の縫製データの布送りデータに基づいて補正縫いを行う補正縫い布送り制御手段を備えることを特徴とするミシン。 - 前記針振り駆動装置の準備駆動制御の自動実行を行うか否かを選択する選択入力手段と、
前記選択入力手段により前記準備駆動制御の自動実行を行わない旨が選択された場合に操作により前記駆動制御手段による各駆動装置の駆動制御を次の縫製データによる縫製に切り替える手動切替手段と、を備え、
前記選択入力手段により前記準備駆動制御の自動実行を行う旨が選択され、前記針振り駆動装置の準備駆動制御の実行後に前記補正縫い操作手段が操作された場合には、前記縫い針の針振り位置を前記自動停止以前の縫製データによる縫製終了時の針振り位置に戻してから前記自動停止以前の縫製データの針振りデータに基づいて補正縫いを行い、
前記選択入力手段により前記準備駆動制御の自動実行を行わない旨が選択され、前記手動切替手段による駆動制御の切り替えが行われるまでの間に前記補正縫い操作手段が操作された場合には、前記縫い針の針振り位置を現状の縫製データの針振りデータに基づいて補正縫いを行うことを特徴とする請求項1に記載のミシン。 - 前記送り量変更駆動装置の準備駆動制御の自動実行を行うか否かを選択する選択入力手段と、
前記選択入力手段により前記準備駆動制御の自動実行を行わない旨が選択された場合に操作により前記駆動制御手段による各駆動装置の駆動制御を次の縫製データによる縫製に切り替える手動切替手段と、を備え、
前記選択入力手段により前記準備駆動制御の自動実行を行う旨が選択され、前記送り量変更駆動装置の準備駆動制御の実行後に前記補正縫い操作手段が操作された場合には、前記送り歯による布送り量を前記自動停止以前の縫製データによる縫製終了時の布送り量に戻してから前記自動停止以前の縫製データの布送りデータに基づいて補正縫いを行い、
前記選択入力手段により前記準備駆動制御の自動実行を行わない旨が選択され、前記手動切替手段による駆動制御の切り替えが行われるまでの間に前記補正縫い操作手段が操作された場合には、前記送り歯による布送り量を現状の縫製データの布送りデータに基づいて補正縫いを行うことを特徴とする請求項2に記載のミシン。
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