JP4800063B2 - ミシン - Google Patents

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本発明は、被縫製物の送り方向に交差する方向に針振りが行われるミシンに関する。
被縫製物である布地の送りを行う送り機構と当該布地の送り方向に直交する方向に沿って針振りを行う針振り機構とを備え、これらの協働に所定送り長さの送り縫い目と、送り縫い目に直交して形成される所定針振り長さの往復の針振り縫い目との繰り返しからなる直交縫い目であるTステッチ縫い目(Lステッチ縫い目とも言う)を布地に形成するミシンが従来から知られている(例えば特許文献1参照)。
このTステッチ縫い目は、布地に対して四角いラベルを縫着する際に用いられている。
Tステッチ縫いとは、例えば、図11(A)に示すように、第1針落ち位置(T1)から前進送り移動による第二針目の針落ち位置(T2)への運針とこの運針方向と直交する右方または左方への針振り移動による第三針目(T3)の針落ち位置への運針と左方又は右方への次の縫い目の第1針落ち位置への針振りによる運針とからなる3針の縫い目を一つの単位として、図11(B)に示すように、布送り方向に連続的に行う縫い目である。
そして、ラベルLの縫着の際には、図12(A)に示すように、四角形のラベルLの各辺に沿ってTステッチ縫いが行われる。その場合、縫製の途中でラベルLの角部ごとに運針を停止して、縫い針を中心にラベルL及び布地を90度回転させて送り方向の変更が行われる。
特開2005−87336号公報
上記従来のミシンでのTステッチ縫いの例を、例えば、図12(A)(B)により詳細に説明する。図12(A)(B)においては、ラベルLの角部Sの針落ち位置Pから縫い始めて、角部Zの前後でP1からP9まで順に針落ちが行われる場合を示している。この場合、角部ZにおいてP6から次のTステッチ縫い目の最初の針落ち位置P7への針振り完了後P7において90°の布送り方向の変更が行われた場合、送りピッチ(P4からP5への前進送り移動量)と針振り幅(P2とP3との間の針振り量)とが同じ値の場合には、図12(A)に示すように、ラベルLの角部Zにおいて、布送り方向の変更直前の針振りによる針落ち位置P6と布送り方向の変更直後の前進送りによる針落ち位置8とが一致すると共に、布送り方向の変更直前のさらに一つ前の針振りによる針落ち位置P3と布送り方向変更直後の針振りによる針落ち位置P9とが一致することとなり、その縫いの仕上がりに問題は生じない。
しかしながら、上記従来のミシンにあって送りピッチと針振り幅とが不一致の場合には、図12(B)に示すように、針落ち位置(P6とP8)及び針落ち位置(P3とP9)はともに重ならず、縫い目が交錯したり、縫い目の間に渡されている糸に針落ちが行われ、縫い品質が損なわれるという問題があった。
なお、図12(A)(B)では、P7で布送り方向を変更する場合を示したが、P5で布送り方向を変更した場合も同様な問題が発生する。
さらに、従来では、布地を回転すべきでない針振り位置(P3、P6)で運針が停止した場合には、布地を回転させることができないので、さらに布地を回転できる針落ち位置(P5、P7等)まで運針させて停止させてから布送り方向を変更するという煩わしい作業も要求された。
本発明は、簡単な操作で縫い品質の向上を図ることのできるミシンを提供することをその目的とする。
請求項1記載の発明は、駆動モータにより駆動される縫い目形成機構と、電気的な制御により送り量が変更可能な送り機構と、送り機構による送り方向に直交する方向に沿って針振りを行うとともに電気的な制御により針振り量が変更可能な針振り機構と、縫い目形成機構と送り機構の駆動とにより形成される所定送り長さの送り縫い目と、縫い目形成機構と針振り機構との駆動により送り縫い目に直交して形成される所定針振り長さの往復の針振り縫い目との繰り返しからなる直交縫い目を形成するためのパターンデータを記憶する記憶手段と、
操作により起動信号を発生する起動操作手段と、起動信号の発生により、パターンデータに基づいて各機構を制御して被縫製物に直交縫い目を形成させる動作制御手段とを備えたミシンにおいて、各機構を停止させる停止信号を出力する停止指令手段と、停止信号に基づいて、所定送り長さの送り縫い目の形成直後または所定針振り長さの往復の針振り縫い目の形成直後の針落ち時に各機構を停止させる停止制御手段と、停止信号による各機構の停止中に、被縫製物が操作により回転操作されたことを示す回転操作信号を出力する出力手段とを備え、動作制御手段は、回転操作信号の出力後に起動信号が発生した場合は、所定針振り長さの送り縫い目と所定送り長さの往復の針振り縫い目とからなる直交縫い目が形成されるように、所定送り長さと所定針振り長さとを入れ替えて各機構を制御するという構成を採っている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同様の構成を備えると共に、動作制御手段は、停止信号に基づいて所定送り長さの送り縫い目の形成直後に各機構を停止させるとともに、回転操作信号の出力後に起動信号が発生した場合に、直交縫い目が所定針振り長さの送り縫い目の形成から開始されるように各機構を制御するという構成を採っている。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明と同様の構成を備えると共に、直交縫い目の形成途中で送り縫い目の送り長さを変更する送り長さ変更入力手段を備え、動作制御手段は、送り長さ変更入力手段により変更された送り長さの送り縫い目となるように送り機構を制御するとともに、変更された送り長さでの送り縫い目の形成中に停止信号が出力されて各機構が停止して、その後に回転操作信号及び起動信号が発生した場合は、起動信号発生後に形成される往復の針振り縫い目が変更された送り長さの針振り縫い目となるように針振り機構を制御するという構成を採っている。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明と同様の構成を備えると共に、被縫製物の回転操作で区切られる縫製工程毎に所定送り縫い目を単位とする送り縫い目数を設定する送り縫い目数設定手段を有し、停止制御手段は、起動信号が発生してからの運針により形成される前記送り縫い目数が設定された送り縫い目数に達する毎に停止信号を出力するとともに、起動操作手段が起動信号とともに回転操作信号を出力するという構成を採っている。
請求項1記載の発明は、例えば、正方形や長方形の被縫製物であるラベル等を他の被縫製物に縫着する場合に、ラベルの外形の一辺に沿って運針を行い、当該ラベルの角部等において運針を一時停止させて、手作業により被縫製物を例えば、90度回転させ、次の辺に運針方向を合わせるように被縫製物に対する送り方向の変更を行い、運針を再開するという工程をラベル外形の各辺ごとに繰り返す。
また、その際の運針は、他の被縫製物側への針落ちにより形成される所定送り長さの送り縫い目と、所定針振り長さの針振り縫い目との繰り返しからなる直交縫い目により、ラベルの外形の辺に沿うように運針の方向が調節される。
そして、作業者が、ラベルの角部で停止指令手段を操作することにより、上述した所定送り長さの送り縫い目形成直後または所定針振り長さの往復の針振り縫い目の形成直後の針落ち時にミシンが停止される。次いで、各辺から次の辺に沿う運針を行うため被縫製物が作業者の操作により回転操作され布送り方向が変更されたことを示す回転操作信号が出力されると、その変更後の運針において、所定針振り長さの送り縫い目と所定送り長さの往復の針振り縫い目とからなる直交縫い目が形成されるように、所定送り長さと所定針振り長さとを入れ替えて前記各機構の動作制御を行うことで、送り縫い目の送り長さ(送りピッチ)と針振り縫い目の針振り長さ(針振り量)とが異なって設定されている場合でも、布送り方向変更前後で針落ち位置を一致させることができ、きれいな縫い目を形成することができる。また、布送り方向変更前後で針落ち位置が一致するので、縫い目の間に渡されている糸に針落ちが行われるという問題も解消できる。さらに、布送り方向変更の際にはラベルの外の針落ち時にミシンが自動的に停止され、布地を回転させる際にラベル側に針落ちしてミシンが停止してしまわないようにミシンを停止させるという行うという煩わしい作業を不要とすることができる。
従って、請求項1の発明によれば、簡単な操作で、運針の交差等の発生や縫い目の間に渡されている糸への針落ちされるなどの課題を解消し、縫い品質を向上することのできるミシンを提供することが可能となる。
請求項2記載の発明では、停止信号に基づいて所定長さの送り縫い目の形成直後に各機構を停止させるとともに、回転操作信号の出力後に起動信号が発生した場合に、直交縫い目が所定針振り長さの送り縫い目の形成から開始されるように各機構を制御して布送り方向の変更直後の針振りによる運針を省略することにより、布送り方向変更前後における布送りによる運針と布送り方向に沿う往復の針振りによる運針とによる重複縫い目の形成を回避することができる。すなわち、図12(A)(B)において、角部Zにおける布送り方向変更直後には、P2、P3間の往復の針振り縫い目とP1”、P2”間の布送り縫い目とにより3本の縫い糸による重複縫い目が形成されるが、上記制御を行うことによりP2、P3間の往復の針振り縫い目の形成が阻止され、同一箇所に重複して糸が渡ることを回避することが可能となり、より美しい縫い目を形成することができる。
請求項3記載の発明は、例えば、正方形や長方形の被縫製物であるラベル等を他の被縫製物に縫着する場合に、その外形の一辺の長さが送り機構による所定の送り長さの整数倍に近い値ではないときに、送り長さ変更入力手段によって、例えば1針当たりの送り量が変更されて、直交縫い目の送り長さが変更される。
そして、縫製の途中で送り長さ変更入力手段による入力値に基づいて送り長さが変更調節され、それが丁度、布送り方向の変更直前の送り縫い目の形成に反映された場合であっても、布送り方向変更後の往復の針振り縫い目の形成を変更調節された送り長さで行うことができる。
従って、送り量の調整による適正な運針を行いつつも、布送り方向の変更の前後の針落ち位置を一致させることができるので、より縫い品質の向上を図ることが可能となる。
請求項4記載の発明は、例えば、正方形や長方形の被縫製物であるラベル等を他の被縫製物に縫着する場合に、送り縫い目数設定手段により被縫製物の回転操作で区切られる縫製工程、すなわちラベルの各角部で区切られる縫製工程毎に布送り方向を変更するための送り縫い目数が設定され記憶される。そして、停止制御手段が、起動信号が発生してからの運針による送り縫い目数が設定された送り縫い目数に達する毎に停止信号を発生させて各機構を停止させるとともに、起動操作手段が起動信号とともに回転操作信号を出力する。従って、作業者は、一度縫製するラベルに合わせてラベルの各辺を縫製するための針数を設定しておけば、設定した送り縫い目数の縫製が終了する毎に自動的に各機構が停止されるとともに、布送り方向を変更後起動操作手段を操作するだけで、いちいち回転操作信号を出力するための操作手段の操作をすることなく容易にラベルの縫着を行うことができる。
(ミシンの全体構成)
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本実施の形態に係るミシン1の全体構成を示す概略図である。
ミシン1は、図1に示すように、ミシン脚卓T上に載置され、上面に針板が設けられたベッド部2a(破線)と、ベッド部2aの上方においてベッド部2aと略平行に延在するアーム部2bと、ベッド部2aの一端部側に立設されてアーム部2bの基端部を支持する胴部と、図示しないミシン主軸としての上軸を回転駆動する駆動モータとしてのミシンモータ12(図7参照)と、上軸を介してミシンモータ12により上下駆動される針棒61及び縫い針11を有する針駆動機構60と同じくミシンモータ12により駆動される図示しない釜機構とからなる縫い目形成機構と、ベッド部2a上に載置された被縫製物である布地Cを送る送り機構30と、縫い針11の上下動に同期して布地Cの送り方向(X軸方向とする)に直交する方向(Y軸方向とする)に針振り行う針振り機構70と、送り機構30の送り歯31の上方から布押さえを行う布押さえ14と、送り機構30に作用して一針当りの布送り量(送り長さ)を調節可能な送り量変更手段40と、送り量変更手段40により変更される布送り量をTステッチ縫い目の形成途中で手動操作により入力する送り長さ変更入力手段50と、縫い目形成機構、送り機構及び針振り機構などを制御してTステッチ縫い目を形成させるようにミシン1全体の動作を統合制御する動作制御手段としての制御装置90とを備えている。このミシン1は、ミシンモータ12を駆動源とし、針駆動機構により縫い針11を上下動させながら送り機構30により布地Cを所定の方向に送ることで、布地Cに縫い目を施すものである。
なお、ベッド部2aの上部には、ミシン1を水平面に設置した状態で水平となる針板13が配設され、当該針板13の上面に平行であって上記ミシン1のアーム部2b及びベッド部2aの長手方向に沿った方向をY軸方向とし、針板13の上面に平行であってY軸方向と直交する方向をX軸方向とし、垂直上下方向をZ軸方向として以下の説明を行うものとする。
(送り機構)
まず、図2及び図3を用いて、送り機構30の機械的構成について説明する。図2は図1のII−II部分の断面をベッド部2aの下方から見た断面図であり、図3は、図2のIII−III部分の断面図である。
ベッド部2a内には、図2に示すように、Y軸方向に沿った状態で下軸17が回転自在に支持されている。この下軸17は、図示されていないリンク機構やベルト機構のような伝達機構を介してミシンモータ12に連結されており、針棒61に上下動駆動力を付与する図示しない上軸と連動して同じ回転数で回転駆動を行う。そして、送り機構30には、下軸17から布送りのための駆動力が付与されるようになっている。
送り機構30は、針板13の上面上の布地CをX軸方向に沿って搬送する送り歯31と、送り歯31を保持すると共にX軸方向に沿って往動する保持体36と、下軸17の一端部(図2下方)に固定された偏心カム32aを介して下軸17と保持体36とを連結する上下動リンク体32と、偏心カム33aを介して下軸17にその一端部が連結された左右動リンク体33と、左右動リンク体33の他端部がその中間部に連結された送り量調節リンク体34と、送り量調節リンク体34の一端部と送り歯31とを連結する伝達支軸35とを備えている。
上記上下動リンク体32は、その一端部が保持体36に対して回転可能に連結され、他端部が偏心カム32aによりその偏心量に応じた円周運動を行う。この上下動リンク体32の円周運動の内、上下方向の往復駆動力が保持体36及び送り歯31に伝達される。つまり、送り歯31は下軸17の回転駆動時には常に偏心カム32aの偏心量に等しい変位で上下動を行うこととなる。
左右動リンク体33は、その一端部が送り量調節リンク体34に対して回転可能に連結され、他端部が偏心カム33aによりその偏心量に応じた円周運動を行う。この左右動リンク体33の円周運動の内、上下方向の往復駆動力が送り量調節リンク体34に伝達される。
送り量調節リンク体34は、その長手方向中間部において左右動リンク体33から上下方向の往復駆動力を付与され、その一端部が伝達支軸35の一端部に設けられた後述するアーム部35bの先端部を揺動可能に連結されている。従って、送り量調節リンク体34は、その一端部を揺動支点として他端部が上下方向に揺動運動を行うこととなる。そして、送り量調節リンク体34の他端部には、後述する送り量変更手段40の角駒41が連結されている。
かかる角駒41は、その往復移動方向が、Z軸方向と平行な状態を基準としてX軸方向両側に傾斜させて調節可能な状態で支持されている。そして、角駒41がZ軸方向と平行に往動可能に支持されている状態にあっては、送り量調節リンク体34にX軸方向の変位は生じない。一方、角駒41の往復移動方向がX軸方向に傾斜を生じた場合には、送り量調節リンク体34は、X軸方向に変位を生じることとなる。また、Z軸方向に平行な状態からX軸方向の一方と他方のいずれに傾斜したかによって、送り量調節リンク体34のX軸方向における揺動動作はその位相が逆転することとなる。
伝達支軸35は、Y軸方向に沿って配設された軸部35aと、軸部35aの一端部と他端部とにそれぞれ設けられたアーム部35b,35cとを備えている。そして、軸部35aが中心軸となって双方のアーム部35b,35cの先端部がいずれも連動して揺動を行うようになっている。
一方のアーム部35bの先端部が送り量調節リンク体34の一端部と連結され、他方のアーム部35cの先端部が送り歯31の保持体36に連結されている。従って、前述したように、角駒41の往復移動方向の調節に応じて、送り量調節リンク体34にX軸方向に沿った揺動運動が生じる場合には、保持体36及び送り歯31に逆位相でX軸方向の揺動駆動力を付与することとなる。そして、送り歯31は、送り量調節リンク体34と伝達支軸35を介して、角駒41の往復移動方向に応じた位相でX軸方向に沿った往復移動動作を行うこととなる。
送り機構30は、上記構成により下軸17の回転駆動力を利用して送り歯31にX軸方向とZ軸方向の往復運動を組み合わせて付与することで長円運動を行わせる。このとき、送り歯31は、針板13の下方に配設されると共に、長円運動により描かれる軌跡の一部を移動する際に当該送り歯31の先端部が針板13に設けられた貫通口からその上面に突出し、その際のX軸方向運動の位相に応じて布地Cを正方向(図3における左方向)、逆方向(図3における右方向)に送ることができる。また、角駒41の往復移動方向に応じて、その送り量も調節可能であると共に送り量を0とすることも可能である。
(送り量変更手段)
図2、図3及び図4に基づいて、送り量変更手段40について詳説する。図4は送り量変更手段40の駆動源たる後述する送り量調節モータ43の周辺構成を示す構成図である。
送り量変更手段40は、前述した送り量調節リンク体34の他端部に連結された角駒41と、この角駒41を往復移動可能に支持すると共にその往復移動方向をX−Z平面に沿ったいずれかの方向に可変調節可能な角駒支持体42と、角駒支持体42による角駒41の往復移動方向を可変調節するための駆動源となる変更駆動手段としてのステッピングモータである送り量調節モータ43と、送り量調節モータ43の出力軸により揺動される主動リンク体44と、角駒支持体42に固定支持された従動リンク体45と、主動リンク体44と従動リンク体45とを連結する伝達リンク体46とを備えている。
角駒支持体42は、円柱状に形成されると共にその中心線を基準に回転可能に図示しないミシンフレームに支持されている。そして、円柱形状の直径方向に沿って角駒41を支持するガイド溝42aが形成されている。つまり、角駒支持体42は、回転操作を加えられることで角駒41の往復移動方向を可変調節することができる。
従動リンク体45は角駒支持体42の中心線方向一端部において、当該角駒支持体42の直径方向に沿って固定装備されている。
一方、主動リンク体44は、送り量調節モータ43の回転駆動半径方向に沿った状態でその出力軸に一端部が固定支持されており、その他端部が伝達リンク体46を介して従動リンク体45の一端部と連結されている。これにより、送り量調節モータ43の回転駆動力が従動リンク体45を介して角駒支持体42を回転させる。つまり、送り量調節モータ43の駆動量(回転角度変化量)に応じて、角駒41が送り歯31の送り量を規定することとなる。
(送り長さ変更入力手段)
図5は送り長さ変更入力手段50の平面図である。送り長さ変更入力手段50は、図5(A)に示すように、ミシンの胴部の内側に配設され、手動による回動操作が加えられる送りレバー51と、送りレバー51と同一の支軸52で連結された伝達アーム53と、送りレバー51による操作量を検出するポテンショメータ54と、ポテンショメータ54の検出軸に基端部が固定支持されると共に回動端部が伝達アーム53の回動端部に連結された検出アーム55と、送りレバー51を一定の回転方向に回転力を付与する引っ張りバネ56と、送りレバー51の回動操作範囲を規制するストッパ57,58とを備えている。
送りレバー51はし軸52を中心に回動可能であり、引っ張りバネ56により通常はストッパ57側に付勢されている。そして、送りレバー51は、その回動端部がミシンの胴部から外側に突出しており、突出した回動端部をミシンの使用者が手動により操作を加える。つまり、送りレバー51は、ストッパ57から58に向かう方向に操作が行われるようになっている。
送りレバー51は二つのストッパ57,58の間で操作範囲が規制され、且つ一方のストッパ57に当接する方向に引っ張りバネ56により付勢されている。つまり、送りレバー51は、通常は一方のストッパ57に当接した状態を維持し、針振り幅の調節が必要な場合だけ、引っ張りバネ56に抗して他方のストッパ58側に必要調節量だけ操作が行われるようになっている。また、送りレバー51から手を離せば引っ張りバネ56により元の位置に復帰するので、調節は送りレバー51に操作を加えているときだけ反映するようになっている。
送りレバー51に回動操作が加えられると、図5(B)に示すように、送りレバー51に連動して伝達アーム53が回動し、さらに、検出アーム55を介してポテンショメータ54の検出軸が回転される。ポテンショメータ54は制御装置90に接続されており、ポテンショメータ54は、送りレバー51の回動操作量に応じた検出信号を制御装置90に出力するようになっている。制御装置90は、ポテンショメータ54の検出信号と送り量変更手段40の送り量調節モータ43の回転角度量との対応を示すテーブルを記憶しており、検出信号に応じて送り量調節モータ43を回転駆動する動作制御を行う。
つまり、送りレバー51の操作量に応じて、送り機構30による布地Cの送り量がリアルタイムで変更調節されることになる。
なお、通常は送り量調節モータ43は、縫製中は設定値や縫製データに従っていずれかの軸角度となるように制御されており、かかる状態で送りレバー51の操作が行われると、動作制御手段90は現在の送り量調節モータ43の軸角度に対して送りレバー51の操作量に応じた増減を行うように動作制御を行う。
以上のように送り機構30は、制御装置90により送り量が電気的に制御されるように構成されている。
(針駆動機構)
針駆動機構60に図6に基づいて説明する。針駆動機構60は、下端部で縫い針11を保持する針棒61と、ミシンモータ12により回転駆動される上軸62と、上軸の先端部に固定装備された回転錘63と、回転錘63の偏心位置と針棒61に固定装備された針棒抱き64とを連結するクランクロッド65と、を備えている。
上記構成により、ミシンモータ12により上軸62が回転駆動されると回転錘63も回転を行う。そして、クランクロッド65の一端部は回転錘63の偏心位置に連結されているため、円軌道の周回運動を行うが、他端部は針棒抱き64を介して針棒61に連結されているので、周回運動の内の上下動成分のみが針棒61に伝達される。
(針振り機構)
針振り機構70について図6に基づいて説明する。針振り機構70は、針棒61を上下動可能に支持する針棒支持体71と、針棒支持体71をY軸方向に沿って移動可能に支持する支持棒72と、針振り動作の駆動源となるステッピングモータである針振りモータ73と、針振りモータ63の出力軸に設けられた出力アーム74と、出力アーム74と支持棒72とを連結するリンク体75とを備えている。
アーム部2b内において、針棒支持体71が支持棒72を中心に揺動を生じないように図示しないガイドが設けられている。
支持棒72は、アーム部2b内においてY軸方向に沿って移動可能となるようにメタルにより支持されている。
針振りモータ73は、その出力軸をX軸方向に向けた状態でアーム部2b内に配設され、出力アーム74は下方を向いた状態で出力軸に連結されている。従って、針振りモータ73が駆動すると、出力アーム74の先端部はほぼY軸方向に沿って移動し、リンク体75を介して支持棒72がY軸方向に移動される。これにより、針振りモータ73の駆動により針棒支持枠体71を介して針棒61をY軸方向に沿って平行移動させ、縫い針11をY軸方向に沿って針振りさせることが可能となっている。
上記針振りモータ73は、制御装置90に接続され、その軸角度の制御により針振り量の制御が行われるようになっている。従って、針振り機構70の針振り量は、制御装置90により電気的に制御される。
なお、針棒61に固定装備された針棒抱き69は、Y軸方向に沿って延設された連結ピン64aを介してクランクロッド65に対して連結され、且つ、連結ピン64aは、クランクロッド65に対してY軸方向に摺動可能に挿入されているので、針振りにより針棒61がY軸方向に移動しても、連結ピン64aが摺動を生じつつもクランクロッド65との連結状態を維持し、針振り行いながらも縫い針11の上下動も可能としている。
(ミシンの制御系)
次いで、ミシン1の制御系について、図7を用いて説明する。図7は、ミシン1の制御系を示すブロック図である。
制御装置90は、ミシン1の後述する各処理を実行するための処理プログラム又は処理データが書き込まれているROM92と、処理プログラムに従って上記各処理を実行するCPU91と、CPU91の各種処理データを記憶するRAM93と、電気的に書き込み及び消去可能な不揮発性記憶素子EEPROM98とを備えている。また、上記RAM93には、種々のワークメモリやカウンタなどが設けられており、処理におけるワークエリアとしても使用され、EEPROM98は、後述するTステッチ縫い目を形成するためのパターンデータを記憶する記憶手段として機能する。
制御装置90は、図示しない入力インターフェースを介してミシンモータ12、上軸の位相(回転角度)検出手段としてのエンコーダ18、送り機構30の送り量の設定動作を行う送り量調節モータ43、手動入力による送り量の設定値に対する変更量を検出するポテンショメータ54と、針振りモータ73、前踏み操作によりミシンを起動させる起動信号を発生する起動操作手段及び中立操作によりミシンを停止させる停止信号を出力する停止指令手段として機能する操作ペダル16、各種設定の入力と各種情報の表示を行う操作パネル94、上記停止信号による各機構(縫い目形成機構、送り機構30及び針振り機構70)の停止中に被縫製物が操作により回転操作されたことを示す(後述)回転操作信号を制御装置90に対して出力する出力手段としての布地ターンスイッチ95が接続されている。
上記操作ペダル16は、中立位置からの前踏みと後踏みとが可能であり、前踏み時には上記起動信号とともにその踏量に応じた速度指令信号を出力し、制御装置90のCPU91はその速度指令信号に応じた回転数でミシンモータ12を回転駆動する。また、ミシンモータ12の起動中における中立位置への操作により上述した停止信号を出力しCPU91は、停止信号に基づいてミシンモータ12を停止させる。なお、ミシンモータ12はその電源出力回路を介して制御装置90と接続され、駆動電流値の制御により回転数制御が行われる。
また、操作ペダルの後踏みの時には、図示しない糸切り手段による糸切り指令を制御装置90に出力し、制御装置90は糸切り動作を実行する。
操作パネル94は、その表面にタッチパネルを備え、一針ごとの縫い量(送りピッチ)や針振り量(針振り幅)の設定入力が行われる。また、必要に応じて縫製状態や各種設定情報、ミシンの使用者に対する操作指示の表示が行われる。
ここで、通常、このミシン1では、前記操作パネル94により設定された針振り量や送り量に基づき縫製が行なわれ、縫製開始時ないし縫製中において、CPU91は送り量調節モータ43を駆動して角駒支持体42を所定角度だけ回転して送り量を設定された送り量とする動作制御を実行する。
さらに、CPU91は、ROM92に格納された処理プログラムに従って、被縫製物に形成される縫い目を特定する設定情報を入力する設定変更画面を操作パネル94に表示させる動作制御を行い、当該設定変更画面からの入力に基いて設定情報をパターンデータとしてEEPROM98に記憶させるとともに、記憶されたパターンデータに基づいて、ミシンモータ12、送り量調節モータ43を駆動させる動作制御を行う。
上記、CPU91は、エンコーダ18の出力から認識される針落ちタイミングに対する所定の角度タイミングで針振りモータ73を駆動し、設定に応じた針振り幅での運針を行う。
同様に、CPU91は、エンコーダ18の出力から認識される針落ちタイミングに対する所定の角度タイミングで送り量調節モータ43を駆動し、設定に応じた送り量での布地Cの送りを行う。
上記ミシン1は、送り動作と針振り動作とを協働させて様々な運針を行うことが可能である。そして、ミシン1が可能な各種の縫製の中で、Tステッチ縫い(Lステッチ縫いともいう)という縫製方法があり、これは、前出の図11に基づいて説明した通りである。このTステッチ縫いは、前出の図12(A)に示すように、四角形のラベルLの各辺に沿って行うことでラベル縫着を行うことに適している。
ミシン1では、このように四角形状の対象物をTステッチ縫いで縫着することに好適な機能を備えており、これについて以下に詳述する。
なお、本文中で使用している、被縫製物である「布地C」の語は、縫着対象物であるラベルLとラベルLが縫着される生地Dとの双方を含む意味である。例えば、布地Cを送る、との説明は、ラベルLと縫着が行われる生地Dとを共に送る、という意味である。
EEPROM98には、縫い目形成機構と送り機構30の駆動とにより形成される所定送り長さの送り縫い目(図8のX部分)と、この送り縫い目に続いて、縫い目形成機構と針振り機構70との駆動により前記所定長さの送り縫い目に直交して形成される所定針振り長さの往復の針振り縫い目(図8のY部分)との繰り返しからなる直交縫い目であるTステッチ縫い目を形成するためのパターンデータが記憶されている。
また、所定の送り長さ及び所定針振り長さは、ともに針数と1針の縫い長さの組合せにより設定されるものであり、送り長さの場合は縫い長さが送りピッチに相当し、針振り長さの場合は縫い長さが針振り幅に相当する。従って、送り長さと針振り長さはともに、針数が1針に限らず設定可能であり、例えば、送り長さとして縫い長さ(送りピッチ)3mmの2針、針振り長さとして縫い長さ(針振り幅)5mmの2針などの設定が可能である。つまり、その場合、一つの直交縫い目が、送り方向に3mmずつ二針分の運針が行われてから針振り方向に5mmずつ片道二針で往復の運針により構成される。なお、図8(A)(B)は、所定送り長さ及び所定針振り長さの針数がともに1針に設定されている場合を示している。また、これらの所定送り長さと所定針振り長さは、操作パネル94により設定可能である。
CPU91は、四角いラベルL(被縫製物)の縫着にあっては、外形の各辺に沿って運針を行うように各機構を制御する。そして、ラベルLの各角部で作業者が操作ペダル16を中立位置に操作して停止信号を発生させると、CPU91は、この停止信号の出力に基づいて所定送り長さ(例えば、縫い長さ3mmの1針)の送り縫い目の形成直後または所定針振り長さ(例えば、縫い長さ4mmの往復の1針)の往復の針振り縫い目の形成直後の針落ち時に縫い目形成機構、送り機構30及び針振り機構75の各機構を自動的に停止させる。
さらに、この停止信号による各機構の停止中に縫い針11を中心に90°布地Cを回転させたことを示す布地ターンスイッチ95が操作され回転操作信号が出力されると、その後に操作ペダル16が前踏み操作され起動信号が発生した場合に、所定針振り長さ(例えば、縫い長さ4mmの1針)の送り縫い目と所定送り長さ(例えば、縫い長さ3mmの1針)の往復の針振り縫い目とからなるTステッチ縫い目が形成されるように、所定送り長さと前記所定針振り長さとを入れ替えて前記各機構を制御して次の辺に沿う運針を行う、という工程で行われる。
さらに、CPU91は、所定の制御プログラムに従って、前記停止信号に基づいて前記所定送り長さの送り縫い目の形成直後に前記各機構を停止させる。これは、図8に示すような縫い目でラベルLを生地Dに縫い付けるためには、ラベル側の針落ち位置(後述する図8(A)(B)の第三の針落ち位置C9やC11)を中心に布地Cを回転させると都合が悪いので、作業者は、さらにラベルLの外側に針落ちさせるため1針だけ縫わなければならないという不都合を解消するためである。
また、この制御は、布地Cの回転操作前に回転後の布送り方向に沿った重複した針振り縫い目の形成を阻止するためでもある。
すなわち、停止信号の発生に基づいて所定針振り長さの往復の針振り縫い目の形成直後の針落ち時に各機構を停止させた場合は、各機構が停止した時点でその後の布地Cの回転操作後に送り縫い目を形成すべき箇所に針振り縫い目S1(図8(A)破線で示す)が形成され、これも縫い目の美観を損ねてしまう。この制御は、布地Cの回転操作前に形成される針振り縫い目による重複縫いを行わないための制御である。
また、CPU91は、所定の制御プログラムに従って、前記回転操作信号の出力後に前記起動信号が発生した場合に、前記Tステッチ縫い目が前記所定針振り長さの送り縫い目の形成から開始されるように前記各機構を制御する重複縫い回避制御を実行する。これは、布地Cが90°回転されたあとに、単に所定送り長さと前記所定針振り長さとを入れ替えるだけでは、送り縫い目と針振り縫い目との繰り返し順は変わらないため、布地Cの回転後に重複した縫い目が形成されることを回避するためである。
すなわち、停止信号の発生に基づいて所定送り長さの送り縫い目の形成直後に各機構を停止させて布地Cを回転させ、その後にミシンを起動させた場合は、Tステッチ縫い目の次の縫い目は針振り縫い目であるから布地Cの回転操作直前の送り縫い目の上に重ねて往復の針振り縫い目S2(図8(A)破線で示す)が形成され美観を損ねてしまうが、この制御は、このような布地Cの回転操作後の針振り縫い目による重複縫いを行わないようにする制御である。
また、CPU91は、所定の制御プログラムに従って、縫製中において、送り長さ変更入力手段50の送りレバー51からの入力により、ポテンショメータ54の出力変化が検出されると、送り量調節モータ43に対して現在の軸角度からポテンショメータ54の検出出力に応じた調整角度分の回転駆動を行う動作制御を実行する。
これにより、Tステッチ縫い目の形成途中で縫いピッチが変更され、結果としてTステッチ縫い目の送り縫い目の送り長さが変更(例えば、縫い長さ3mmの1針から縫い長さ2mmに1針に変更)される。
そして、送り長さ変更入力手段50により変更された送り長さでの送り縫い目の形成中に操作ペダル16の中立操作により停止信号が出力されるとCPU91は各機構を停止させ、その後に布地ターンスイッチ95及び操作ペダル16の前踏み操作により前記回転操作信号及び前記起動信号が発生した場合は、前記起動信号発生後に形成される往復の針振り縫い目が変更された送り長さ(例えば、縫い長さ2mmの1針)の針振り縫い目となるように前記針振り機構を制御する。
上記制御を、図8(A)に基づいて具体的に説明する。ここでは、縫い長さ3mmの1針の送り長さからなる送り縫い目と縫い長さ4mmの1針の針振り長さからなる往復の針振り縫い目とにより構成される三針のTステッチ縫い目の形成を針落ち位置A1から開始する場合を例にしている。
図8(A)において、Anは上記した三針単位のTステッチ縫いの第一針目の針落ち位置を示し、Bnは第二針目の針落ち位置を示し、Cnは第三針目の針落ち位置を示し、添付の数値nは縫製開始からの三針単位のTステッチの繰り返し数を示す(n=1,2,3,…)。また、符号Xは第一針目から第二針目の間での設定された送り縫い目の送り長さ(縫い長さ3mmの1針)、Yは第二針目から第三針目の間での設定された針振り縫い目の針振り長さ(縫い長さ4mmの1針)を示し、ここでは、送り縫い目も針振り縫い目もともに1針なので、送り長さXは、送りピッチであり、針振り長さYは1針の針振り幅である。
ラベルLの角部Zで布地Cを90°回転させる場合は、ミシンの各機構はA10、B10間の送り縫い目の形成直後のB10において停止される。次に布地Cの回転後に起動信号が発生すると針振り長さYの送り縫い目から縫い目の形成が開始され、B11に針落ちされる。結果として、送り方向の変更が行われると、送り方向変更直前(B9→C9)の針振り幅Yで送り方向変更直後の布送り(B10→B11)が行われる。なお、送り方向変更直前の三針目(C10)と変更直後の一針目(A11)とは縫い目の重複を回避するために省略される。
さらに、送り方向変更直前(A10→B10)の送り量Xで送り方向変更直後の針振り(B11→C11)が行われる。
これにより、第一針目から第二針目への送り量と第二針目から第三針目への針振り幅とが同じ値ではない場合(X≠Y)に、ラベルLの角部の前後において、送り方向の変更の前後の針落ち位置(例えば、C9とC11)を一致させることができる。
また、前述した送り長さ変更入力手段50による送り量の調節が送り方向の変更の直前に行われた場合の制御を図8(B)に基づいて説明する。図8(B)において、Xaは送り長さ変更入力手段50によって調節された送り量を示す。
この場合も、送り方向の変更後において、送り方向変更直前(B9→C9)の針振り幅Yで送り方向変更直後の布送り(B10→B11)が行われる。この場合も、送り方向変更直前の三針目(C10)と変更直後の一針目(A11)とが縫い目の重複を回避するために省略される。
一方、送り方向変更直後の針振り(B11→C11)は送り方向変更直前(A10→B10)の送り量Xaで行われる。
これにより、送り量調節の結果が反映されて送り方向の変更後の縫製が行われ、送り方向の変更の前後の針落ち位置(C9とC11)を一致させることができる。
また、CPU91は、送り縫い目数設定手段としての操作パネル94により、被縫製物の回転を区切りとする縫製工程毎に布送り方向を変更するための送り縫い目数が設定された場合に、この針数をEEPROM98に記憶させ、ラベルの各辺において設定した送り縫い目数分の縫い目が形成される毎に各機構を自動停止させるとともに、次の操作ペダルの踏み込みにより送り長さと針振り長さとを入れ替えて各機構を制御する。従って、作業者は、一度縫製するラベルに合わせてラベルの各辺を縫製するための送り縫い目数を設定しておけば、設定した送り縫い目数の縫製が終了する毎に自動的に各機構が停止されるとともに、被縫製物を90°回転させて起動操作手段を操作するだけでよいので、いちいちラベルの角部で縫い針11を停止させるよう操作ペダル16を操作する必要が無く、また、いちいち回転操作信号を出力するための操作手段の操作をする必要もないので、より容易にラベルの縫着を行うことができる。
なお、送り長さとは、上述したように針数と1針の縫い長さの組合せにより設定されるものであり、送り縫い目はこの設定された所定長さの送り長さで形成される縫い目であるから、送り縫い目数とは、この針数と1針の縫い長さ(送りピッチともいう)とで設定された送り縫い目を単位として設定される数であり、例えば、送り長さを構成する針数が1であれば、送り縫い目数は、布送りにより形成される針数と等しくなる。
(ミシンの通常の縫製動作)
図9に基づいてミシン1のラベル縫着縫製の動作説明を行う。図9は、作業者がペダル94の操作により操作所望の針落ち位置で各機構を起動停止させて、操作パネル94から入力設定された所定送り長さと所定針振り長さのTステッチ縫い目によりラベルの縫着を行う場合の制御装置90の動作について示したフローチャートである。
まず、最初に操作パネル94により設定され、EEPROM98に記憶されている縫い長さXとYとがCPU91により読み込まれRAM93に記憶される(ステップS1)。
次いで、CPU91は、初期設定として送り長さX1として縫い長さXを設定し、針振り長さY1として縫い長さYを設定する(ステップS2)。
さらに、CPU91は、制御プログラムに従って、操作ペダル16が前踏みされたか否かを判断する(ステップS3)。
そして、CPU91は、操作ペダル16が前踏みされていない場合は、前踏みされるまで待ち、操作ペダル16が前踏みされたと判断するとミシンモータ12及び送り調節モータ43を駆動して縫い目形成機構及び送り機構30を作動させて、Tステッチ縫いにおける最初の送り縫い目の1針目の針落ち(図8(A)及び(B)のA1)から縫製を開始する(ステップS4)。
次いで、CPU91は、ポテンショメータ54の出力をそれぞれ検出して送り長さ変更入力手段50の送りレバー51の入力操作の有無を判断する(ステップS5)。
その結果、送りレバー51の入力操作がなければ、ステップS7に移行する。
CPU91は、ステップS5で、送りレバー51の入力操作があったときには、ステップS6に移行して、送り量の初期設定値Xに対して入力調節量を減ずることで修正された送り量Xaを算出し、送り長さX1に代入する処理を実行する(ステップS6)。
次いで、CPU91は、ステップS7において、操作ペダル16が中立操作されて停止信号が出力されたか否かを判断する。
そして、CPU91は、ペダル中立操作が為されていないと判断すると、ステップS5に移行して、操作ペダル16が後踏み操作されるか中立操作されるまで、ステップS5からステップ7までの処理を繰り返し実行し、縫い目形成機構と送り機構30の駆動による送り長さX1の送り縫い目と、縫い目形成機構と針振り機構70による針振り長さY1往復の針振り縫い目とからなるTステッチ縫い目を形成する(例えば、A1からB9)。すなわち、CPU91は、A1からB1までの送り縫い目を形成した後、B1からC1までの往路の針振り縫い目とC1からA2までの復路の針振り縫い目を形成し、以後これを繰り返しTステッチ縫い目を形成する。
一方、ステップS7で操作ペダル16の中立操作により停止信号が出力されたと判断すると、ステップS8に移行してミシンモータ12に対し減速指令を出力するとともにこのまま減速した場合に送り縫い目の形成完了直後の針落ち時(図8(A)(B)のBnの針落ち位置)に停止可能であるか否かを判断する。この判断は、停止信号の出力されたタイミングにおけるミシンモータ12の回転速度に対応して予めROM92に記憶されている停止時間とにより判断される。
そして、CPU91は、ステップS8において、送り縫い目の形成完了直後の針落ち時に停止できないと判断すると、減速指令を出力したままステップS7に移行して操作ペダル16の中立操作が継続されているかを判断し、継続されていると判断すると再びステップ8に移行して送り縫い目の形成完了直後の針落ち時に停止可能か否かを判断する。これらステップS7とステップS8の処理を繰り返しているとシンモータ12は、徐々に送り縫い目の形成完了直後に停止可能な速度に近づいてステップS8で肯定判断され、CPU91は、ミシンモータ12を送り縫い目の形成完了直後の針落ち時に停止させる(ステップS9)。
これら、ステップS7〜ステップS9の処理は、上述したようにラベル側の針落ち時にミシンを停止させないようにするためと、布地Cの回転操作前に回転後の布送り方向に沿った重複した針振り縫い目の形成を阻止するための処理である。
次いで、CPU91は、ステップS10において、操作ペダル16が後踏みされたか否かを判断し、後踏みされたと判断するとステップS11に移行して糸切り手段の駆動源を駆動する動作制御により糸切りを実行して縫製作業を終了する。
一方、CPU91は、ステップS10で操作ペダル16が後踏みされていないと判断すると、ステップS12に移行して、布地ターンスイッチ95が操作され布地Cの回転操作信号が出力されたか否かを判断し、布地ターンスイッチ95が操作されていないと再びステップS10に移行する。そして、CPU91は、回転操作信号が出力されたと判断すると、ステップS13に移行する。なお、布地ターンスイッチ95はラベルLの角部において作業者により90°の送り方向の変更が行われたことを意味する。
さらに、CPU91は、ステップS13において、次工程すなわちラベルの次の辺の縫着を、針振り長さの送り縫い目と送り長さの往復の針振り縫い目とからなるTステッチ縫い目により形成すべく、送り長さX1に対しそれまで針振り長さY1に設定されていた縫い長さの値(Y1)を代入するとともに、針振り長さY1に対しそれまで送り長さX1に設定されていた縫い長さの値(X1)を代入して、送り長さと前記所定針振り長さとを入れ替える。
次いで、CPU91は、ステップS14に移行して、操作ペダル16が前踏みされているか否かを判断する。そして、CPU91は、操作ペダル16の前踏み操作がないときには、操作ペダル16が踏み込みを待ち、操作ペダル16が前踏み操作され起動信号が発生したと判断したときには、Tステッチ縫い目がそれまでの針振り長さ(Y1、B9からC9の長さ)の送り縫い目の形成から開始されるように縫い目形成機構及び送り機構30を制御して送り縫い目の2針目の針落ち位置(図8(A)(B)のB11)に運針させて針落ちさせる(ステップS15)。続いて、それまでの送り長さ(X1、B9からB10までの長さ)での往復の針振り縫い目(B11とC11間の縫い目)が形成されるように、縫い目形成機構及び針振り機構70を制御する。以降、ステップS5に移行して、ミシンモータ12を操作ペダル16の踏量に応じた回転速度で回転駆動させるとともに、入れ替えられた送り長さと針振り長さに基づいて、送り量調節モータ43及び針振りモータ73を介して送り機構30及び針振り機構70を作動させる動作制御を実行してTステッチ縫い目を形成する。
上記制御により、上述したステップS5及びS6において、送り長さ変更入力手段50の送りレバー51の送りレバー51の入力操作があり、送り量が変更された場合は、その変更された送り長さが起動信号発生後に反映され、起動信号発生後に形成される往復の送り縫い目は、変更された送り長さの針振り縫い目となるように各機構が制御される。
なお、上述のようにCPU91が、Tステッチ縫い目を送り縫い目の形成から開始するのは、上述したように、布地Cの回転操作後の針振り縫い目による重複縫いを行わないようにする制御である。
また、ステップS3〜8及びステップS14〜S8における運針中の処理では、CPU91は、例えば、三針単位のTステッチ縫い目の形成において、エンコーダ18の出力に基づいて、運針数をカウントして現在の針数がTステッチ縫いにおける第一〜三針目のいずれの針数かの判定を行う。かかるカウンタはカウント値が1加算されると共に三針分のカウントを行うとリセットされて次はまた1からカウントを開始するものである。そして、かかるカウンタから現在針数を読み出すと、現在針数が第一針目(An)であれば設定された所定送り長さの布送りが行われるように送り量調整モータ43を駆動し、第二針目(Bn)であれば設定された所定針振り長さの針振りが行われるように針振りモータ73を駆動し、第三針目(Cn)であれば設定された所定針振り長さ逆方向の針振りが行われるように針振りモータ73を駆動する制御が実行される。
なお、三針単位のTステッチ縫い目では、布送り機構のより形成される送り縫い目は、一針であるので設定された所定送り長さは、布送りピッチに相当するとともに、針振り機構により形成される針振り縫い目は往復とも一針であるので、所定送り長さは、針振り幅に相当する。
また、ステップS8では、送り縫い目の形成終了後に停止可能か否かの判断が行われうるが、かかる判断は、CPU91が、エンコーダ18によりTステッチ縫い目における現在の針数を認識し、その認識された位置からミシンモータ12が減速を開始した場合に第二針目(Bn)に可能か否かを判断する。
以上の各処理の繰り返しにより、ラベルLの四方にTステッチ縫いが行われ、縫着縫製が完了する。
(設定針数による縫製動作)
次に、パターンデータとしてTステッチ縫い目における送り長さと針振り長さに加えて、被縫製物の回転操作で区切られる縫製工程毎、すなわちラベルの各辺の縫製工程毎に、対応する送り縫い目数が予め設定記憶されている場合の処理について、図10に基づいて説明する。各辺の送り縫い目数の設定は、予め送り縫い目数設定手段としての操作パネル94により行われているものとする。
まず、CPU91は、制御プログラムに従って、操作パネル94により設定され、EEPROM98に記憶されている縫い長さXとY及びラベル縫いにおける第1辺の送り縫い目数M1を読み込むとともに、縫製の進行とともに計数される送り縫い目数カウンタの計数値Nを零に、ラベルのコーナ数(角部の数)rを1にそれぞれ初期化する。(ステップS20)。
コーナ数rは、ラベルの各辺毎に設定されている送り縫い目数M1〜M4の縫製完了毎にラベルLの角部Zにおいてカウントアップされる計数値であり、各辺の送り縫い目数M1〜M4に添えられている数字1〜4に対応している。
次いで、CPU91は、制御プログラムに従って、CPU91は、初期設定として送り長さX1として縫い長さXを設定し、針振り長さY1として縫い長さYを設定する(ステップS21)。
さらに、CPU91は、制御プログラムに従って、操作ペダル16が前踏みされたか否かを判断する(ステップS22)。
そして、CPU91は、操作ペダル16が前踏みされていない場合は、前踏みされるまで待ち、操作ペダル16が前踏みされたと判断するとミシンモータ12及び送り調節モータ43を駆動して縫い目形成機構及び送り機構30を作動させて、Tステッチ縫いにおける最初の送り縫い目の1針目の針落ち(図8(A)及び(B)のA1)から縫製を開始する(ステップS23)。
次いで、CPU91は、運針に伴う送り縫い目数の縫い目形成持の針落ちの際に送り縫い目数カウンタの計数値Nをカウントアップして(ステップS24)、送り縫い目数の計数値Nと設定された送り縫い目数M1とが一致したか否かを判断する(ステップS25)。
そして、CPU91は、計数値Nと設定送り縫い目数M1とが不一致の場合は、ステップS24に戻って計数値Nと送り縫い目数M1とが一致するまでステップS24とステップS25の処理を繰り返してTステッチ縫い目を形成する。
運針が進んで、CPU91が、操作ペダルが前踏み操作されて起動信号が発生してからの運針により形成される送り縫い目数である計数値Nが設定送り縫い目数Mr(M1)に達してステップS25で一致を判断すると、CPU91が停止制御手段として動作して、ミシンモータ12に対し停止信号を出力してミシンモータ12を送り縫い目の形成完了直後の針落ち時に自動的に停止させる(ステップS26)。なお、この停止処理は、操作ペダル16が踏み込まれていたとしても自動的に実行される。この場合、CPU91は、計数値Nと設定送り縫い目数M1とが一致したら即各機構を停止できるように、設定送り縫い目数M1と計数値Nとの差に応じてミシンモータ12の回転速度を徐々に減速する制御を行うことが望ましい。
次に、CPU91は、ラベルの一つの辺に対する設定針数分の縫製が完了して縫い針11がラベルの一つ目の角部に達したとしてコーナ数rをカウントアップするとともに送り縫い目数カウンタの計数値Nの値を零に初期化する(ステップS27)。次いで、カウントアップされたコーナ数rが4を越えたか否か、すなわち四つ目の角部まで縫製が完了したか否かを判断する(ステップS28)。
縫製が完了していないと判断すると、次に、CPU91は、ラベルの次の辺、すなわちラベル縫いの次の工程に対して設定されている針数Mr(rは、コーナ数なので、最初の角部に達してr=2となった場合は、針数M2)を読み込む(ステップS29)。
次いで、CPU91は、次工程すなわちラベルの次の辺の縫着を、針振り長さの送り縫い目と送り長さの往復の針振り縫い目とからなるTステッチ縫い目により形成すべく、送り長さX1に対しそれまで針振り長さY1に設定されていた縫い長さの値(Y1)を代入するとともに、針振り長さY1に対しそれまで送り長さX1に設定されていた縫い長さの値(X1)を代入して、送り長さと前記所定針振り長さとを入れ替える(ステップS30)。
次いで、CPU91は、ステップS27での停止後に操作ペダル16が中立操作されて、再び前踏みされているか否かを判断する(ステップS31)。さらに、CPU91は、操作ペダル16の前踏み操作がないときには、操作ペダル16が踏み込みを待ち、操作ペダル16が前踏み操作されたと判断したときには、起動信号及び回転操作信号が出力されたものとして、Tステッチ縫い目がそれまでの針振り長さ(Y1すなわちB9からC9の長さ)の送り縫い目の形成から開始されるように縫い目形成機構及び送り機構30を制御して送り縫い目の2針目の針落ち位置(図8(A)のB11)に運針させて針落ちさせ、以後入れ替えられた針振り長さY1での針振りと入れ替えられた送り長さX1での運針を継続し(ステップS32)、ステップS24に移行して、再び、送り縫い目数の縫い目計時の針落ちの際に針数計数値Nをカウントアップさせる。
この場合、操作ペダル16の前踏み操作により、起動信号とともに被縫製物が回転操作されたことを示す回転操作信号が出力されるので、作業者は、布地ターンスイッチ95を操作する必要がない。
そして、CPU91は、ステップS24からステップS32の処理をステップS28でr>4と判断されるまで、すなわちラベルの4つの辺全てに対し縫製が完了するまで繰り返し実行し、4つの辺全てに対し縫製が完了すると、ステップS28で肯定判断し、自動的に糸切りを実行して縫製を終了する(ステップS33)。なお、この糸切り処理は、操作ペダル16が踏み込まれていたとしても自動的に実行される。
従って、以上図10に示す制御によれば、停止制御手段としてのCPU91が、操作ペダル16により起動信号が発生してからの運針により形成される送り縫い目数Nが設定された送り縫い目数Mrに達する毎に停止信号を出力するとともに、操作ペダル16が起動信号とともに回転操作信号を出力するので、作業者は、一度縫製するラベルに合わせてラベルの各辺を縫製するための送り縫い目数を設定しておけば、ラベルの角部に合わせて運針を止めるための操作ペダル94の操作や、回転操作信号を出力するための操作手段の操作をすることなく容易にラベルの縫着を行うことができる。
なお、図10に示す制御では、操作パネル94により、ラベルの縫製における各辺の縫製工程毎に針数を設定したが、実際の縫製の前に、ティーチング縫いを行って、各辺の針数や送り長さ変更手段により変更された送り量及び針数を、各工程毎に記憶させ、実際の縫製においてこれを再現するように制御することも可能である。
(発明の効果)
上記ミシン1にあっては、長方形のラベルLを生地Dに縫着する場合に、ラベルLの各辺から次の辺に移行するために運針の方向が変更された場合に、その変更後の最初のTステッチ縫いにおいて、第一針目から第二針目の送り機構による送り量を針振り幅とし、変更後の第二針目から第三針目の針振り機構による針振り幅を送り量とする動作制御を行うことで、送り方向の変更の前後における複数の針落ち位置(C9とC11:図8(A)参照)を一致させることができる。
また、特に上記処理において、送り方向の変更後の最初のTステッチ縫いにおいて、第一針目から第二針目の送り機構による送り量を変更直前の針振り幅と、変更後の第二針目から第三針目の針振り機構による針振り幅を変更直前の送り量とする動作制御を行うため、送り方向の変更直前において、送り長さ変更入力手段50により送り量の変更調節が行われた場合であっても、これを反映し、かかる場合にも、送り方向の変更の前後における複数の針落ち位置(C9とC11:図8(B)参照)を一致させることができる。
このように、運針方向の変更の前後において、複数の針落ち位置を一致させることができるので、運針の交差等の発生や縫いの仕上がりの煩雑状態を解消し、縫い品質の向上を図ることが可能となる。
また、ミシン1の制御装置90では、操作パネル94やティーチングモードによる各工程での送り縫い目数の設定が可能であるため、例えば、同じラベルLを繰り返し縫着する際に、設定された縫製データを再現することで、ラベルの角部ごとの布ターンスイッチの操作やラベル縫着毎の送り量の調節の判断を不要とし、作業性の向上を図ることが可能となる。
(その他)
なお、ミシン1のTステッチ縫いによる縫着の対象は、ラベルLに限られるものではなく、長方形又は正方形状のものであってその外形に沿って運針が行われるものであれば何も良い。
例えば、上記実施の形態では、CPU91が、操作ペダル16の中立操作、あるいは、送り縫い目が設定された送り縫い目数に達する毎に停止信号が出力された際に、送り縫い目の形成直後に各機構を停止させるように制御しているが、停止信号が出力された際に往復の針振り縫い目の形成直後に停止させるようにしても良いことはもちろんである。この場合でも、布送り方向変更前後で針落ち位置を一致させることができるとともに、布送り方向変更の際にはラベルの外の針落ち時にミシンを自動的に停止させることができるという効果を奏することができる。
発明の実施の形態に係るミシンの全体構成を示す概略図である。 図1のII−II部分の断面におけるベッド部の下方から見た断面図である。 図2のIII−III部分の断面図である。 送り量変更手段の送り量調節モータの周辺構成を示す構成図である。 送り長さ変更入力手段の平面図である。 針駆動機構及び針振り機構の構成を示す正面図である。を示す。 ミシンの制御系を示すブロック図である。 図8(A)はラベル角部手前で送り調節が行われていない縫製における針落ち位置を示す説明図であり、図8(B)はラベル角部手前で送り調節が行われた縫製における針落ち位置を示す説明図である。 操作ペダルの操作によりミシンを停止させてラベル縫着縫製を行う場合の制御装置に基づく動作について示したフローチャートである。 各工程毎に予め設定された送り縫い目数でミシンを自動停止させてラベル縫着縫製を行う場合の制御装置に基づく動作について示したフローチャートである。 図11(A)はTステッチ縫いの一単位を示す説明図であり、図11(B)はTステッチ縫いを連続して行った状態を示す説明図である。 図12(A)はTステッチ縫いをラベルの外形に沿って施した状態を示す説明図であり、図12(B)はラベルのTステッチ縫いを行った場合にラベルの角部に生じる針落ち位置の交錯状態を示す説明図である。
符号の説明
1 ミシン
30 送り機構
50 送り長さ変更入力手段
70 針振り機構
90 制御装置(動作制御手段)
C 被縫製物
A10 送り方向の変更直前の第一針目の針落ち位置
B10 送り方向の変更直前の第二針目の針落ち位置
B11 送り方向の変更直後の第二針目の針落ち位置
C9 送り方向の変更直前の第三針目の針落ち位置
C11 送り方向の変更直後の第三針目の針落ち位置
X 送り量の設定値
Y 針振り幅の設定値

Claims (4)

  1. 駆動モータにより駆動される縫い目形成機構と、
    電気的な制御により送り量が変更可能な送り機構と、
    前記送り機構による送り方向に直交する方向に沿って針振りを行うとともに電気的な制御により針振り量が変更可能な針振り機構と、
    前記縫い目形成機構と前記送り機構の駆動とにより形成される所定送り長さの送り縫い目と、前記縫い目形成機構と前記針振り機構との駆動により前記送り縫い目に直交して形成される所定針振り長さの往復の針振り縫い目との繰り返しからなる直交縫い目を形成するためのパターンデータを記憶する記憶手段と、
    操作により起動信号を発生する起動操作手段と、
    前記各機構を停止させる停止信号を出力する停止指令手段と、
    前記起動信号の発生により、前記パターンデータに基づいて前記各機構を制御して被縫製物に前記直交縫い目を形成させる動作制御手段とを備えたミシンにおいて、
    前記停止信号に基づいて、前記所定送り長さの送り縫い目の形成直後または前記所定針振り長さの往復の針振り縫い目の形成直後の針落ち時に前記各機構を停止させる停止制御手段と、
    前記停止信号による前記各機構の停止中に、前記被縫製物が操作により回転操作されたことを示す回転操作信号を出力する出力手段とを備え、
    前記動作制御手段は、前記回転操作信号の出力後に前記起動信号が発生した場合は、前記所定針振り長さの送り縫い目と前記所定送り長さの往復の針振り縫い目とからなる前記直交縫い目が形成されるように、前記所定送り長さと前記所定針振り長さとを入れ替えて前記各機構を制御することを特徴とするミシン。
  2. 前記動作制御手段は、前記停止信号に基づいて前記所定送り長さの送り縫い目の形成直後に前記各機構を停止させるとともに、前記回転操作信号の出力後に前記起動信号が発生した場合に、
    前記直交縫い目が前記所定針振り長さの送り縫い目の形成から開始されるように前記各機構を制御することを特徴とする請求項1記載のミシン。
  3. 前記直交縫い目の形成途中で送り縫い目の送り長さを変更する送り長さ変更入力手段を備え、
    前記動作制御手段は、前記送り長さ変更入力手段により変更された送り長さの送り縫い目となるように前記送り機構を制御するとともに、前記変更された送り長さでの送り縫い目の形成中に前記停止信号が出力されて前記各機構が停止して、その後に前記回転操作信号及び前記起動信号が発生した場合は、前記起動信号発生後に形成される往復の針振り縫い目が前記変更された送り長さの針振り縫い目となるように前記針振り機構を制御することを特徴とする請求項2に記載のミシン。
  4. 被縫製物の前記回転操作で区切られる縫製工程毎に前記所定送り縫い目を単位とする送り縫い目数を設定する送り縫い目数設定手段を有し、前記停止制御手段は、前記起動信号が発生してからの運針により形成される前記送り縫い目数が前記設定された送り縫い目数に達する毎に前記停止信号を出力するとともに、前記起動操作手段が前記起動信号とともに前記回転操作信号を出力することを特徴とする請求項1に記載にミシン。
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