JP2007125361A - ミシンの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 送り切換え機構の応答性を良くし、送り切換え機構を正送り位置に確実に保持可能にすると共に、縫針が振動した状態で針穴に達し針穴形成部材に接触して折損することを確実に防止することができる、ミシンの制御装置を提供する。
【解決手段】 送り機構による送り方向を切換え可能な逆送りソレノイド50を有する送り切換え機構M2を備えた針送りミシンにおいて、ミシン主軸が1回転する間に送り切換え機構M2による送り方向の切換えを禁止する禁止期間を設定し、送り方向の切換え指令を受けた場合に、設定された禁止期間以外の期間で送り切換え機構M2を作動させるように制御し、送り切換え機構M2が作動することによって発生する針棒4の振動が収束してから縫針6が針穴14に挿通されるように構成する。
【選択図】 図4
【解決手段】 送り機構による送り方向を切換え可能な逆送りソレノイド50を有する送り切換え機構M2を備えた針送りミシンにおいて、ミシン主軸が1回転する間に送り切換え機構M2による送り方向の切換えを禁止する禁止期間を設定し、送り方向の切換え指令を受けた場合に、設定された禁止期間以外の期間で送り切換え機構M2を作動させるように制御し、送り切換え機構M2が作動することによって発生する針棒4の振動が収束してから縫針6が針穴14に挿通されるように構成する。
【選択図】 図4
Description
本発明はミシンの制御装置に関し、特に、縫製対象物の送り方向を切換える送り切換え機構を制御して、ミシン主軸が1回転する間の禁止期間以外の期間、つまり許可期間で送り切換え機構を作動させるように構成したミシンの制御装置に関するものである。
従来、特許文献1のように、縫製対象物を正送り方向と逆送り方向の何れか一方に択一的に送る送り歯を有する送り機構と、送り機構による送り方向を切換え可能なアクチュエータを有する送り切換え機構と、送り切換え機構による送り方向の切換えを指示するための送り切換え指示部とを備えたミシンが実用に供されている。この種のミシンにおいて、送り切換え機構は、送り調節器、バネ部材、ソレノイドアクチュエータを有し、送り調節器には正送り作動面と逆送り作動面とがV形に形成されている。
通常、送り調節器はバネ部材の付勢力により正送り位置に保持され、正送り作動面が送り調節軸に係合して送り機構により縫製対象物が正送りされている。送り切換え指示部が操作されると、ソレノイドアクチュエータが駆動されて、送り調節器がバネ部材の付勢力に抗して逆送り位置に切換えられ、逆送り作動面が送り調節軸に係合して送り機構により縫製対象物が逆送りされる。送り切換え指示部が操作解除されると、ソレノイドアクチュエータが駆動停止されて、送り調節器はバネ部材により正送り位置に切換えられ復帰する。
ところで、送り切換え機構の応答性を良くするため、また、送り切換え機構(送り調節器)を正送り位置に確実に保持するために、ソレノイドアクチュエータには比較的強力なアクチュエータが適用され、バネ部材には比較的強力なバネが適用されている。
特開昭58−192574号公報
特許文献1のようなミシンでは、ソレノイドアクチュエータとバネ部材を夫々強力にしたため、送り切換え機構が作動したとき、その衝撃により針棒と共に縫針が振動するという問題がある。
この種のミシンでは、送り切換え指示部が操作又は操作解除されたとき、針棒の位置に関わらず、直ちに、送り切換え機構が作動して、送り調節器が正送り位置と逆送り位置の一方から他方に切換えられ、縫製対象物の送り方向が切換えられる。それ故、送り切換え機構が作動するタイミングや、送り切換え機構が作動したときのミシン主軸の回転数によって、針棒(縫針)が振動した状態で縫針が針穴に達してしまう場合があった。この場合、縫針が針穴形成部材(例えば、送り歯)に接触して折損する虞がある。
本発明の目的は、送り切換え機構の応答性を良くし、送り切換え機構を正送り位置に確実に保持可能にすると共に、縫針が振動した状態で針穴に達し針穴形成部材に接触して折損するのを確実に防止できるようにすることである。
請求項1のミシンの制御装置は、縫針が下端部に装着された針棒と、縫製対象物を正送り方向と逆送り方向の何れか一方に択一的に送る送り歯を有する送り機構と、送り機構による送り方向を切換え可能なアクチュエータを有する送り切換え機構と、送り切換え機構による送り方向の切換えを指令する為の送り切換え指示手段とを備えたミシンの制御装置において、ミシン主軸が1回転する間に送り切換え機構による送り方向の切換えを禁止する禁止期間を設定する禁止期間設定手段と、送り切換え指示手段から送り方向の切換え指令を受けた場合に、禁止期間設定手段で設定された禁止期間以外の期間で送り切換え機構を作動させるように制御する送り切換え制御手段とを備えたものである。
このミシンの制御装置では、禁止期間設定手段により、ミシン主軸が1回転する間に送り切換え機構による送り方向の切換えを禁止する禁止期間が設定され、送り切換え指示手段から送り方向の切換え指令を受けた場合に、送り切換え制御手段により、禁止期間設定手段で設定された禁止期間以外の期間で送り切換え機構が作動するように制御される。このように、送り切換え機構が作動することによって発生する針棒の振動が収束してから縫針が針穴に挿通されるように構成される。従って、縫針が振動した状態で針穴に達し、針穴形成部材に接触して折損することが確実に防止される。
請求項2のミシンの制御装置は、請求項1において、前記ミシンが、送り機構の送り歯の送り動作と同期して針棒が送り方向へ揺動し、送り歯に針穴を形成したものである。
請求項3のミシンの制御装置は、請求項1又は2において、前記送り機構による布送り量を設定する布送り量設定手段と、この布送り量設定手段による布送り量を検出する布送り量検出手段とを設け、送り切換え指示手段から送り方向の切換え指令を受けたときに、布送り量検出手段で検出された布送り量に基づいて、布送り量に対応付けて予め設定された設定回転速度よりもミシン主軸の回転速度が大きい場合に、送り切換え機構を作動させる前に、ミシン主軸の回転速度を設定回転速度以下に低減させる第1の回転速度低減手段を備えたものである。
請求項4のミシンの制御装置は、請求項1又は2において、加工布の布厚を検出する布厚検出手段を設け、送り切換え指示手段から送り方向の切換え指令を受けたときに、布厚検出手段で検出された布厚に基づいて、布厚に対応付けて予め設定された設定回転速度よりもミシン主軸の回転速度が大きい場合に、送り切換え機構を作動させる前に、ミシン主軸の回転速度を設定回転速度以下に低減させる第2の回転速度低減手段を備えたものである。
請求項5のミシンの制御装置は、請求項1〜4の何れかにおいて、前記禁止期間設定手段は、操作パネルを介して禁止期間を設定可能に構成されたものである。
請求項6のミシンの制御装置は、請求項1〜4の何れかにおいて、前記禁止期間設定手段は、内部のメモリに予め記憶された又は外部から送信された禁止期間のデータに基づいて禁止期間を設定可能に構成されたものである。
請求項7のミシンの制御装置は、請求項1〜6の何れかにおいて、前記禁止期間は、縫針が針穴から抜けて再び針穴に挿通される迄の期間に含まれるものである。
請求項8のミシンの制御装置は、請求項1〜6の何れかにおいて、前記禁止期間以外の期間は、縫針が針穴に挿通されてから再び針穴から抜ける迄の期間に含まれるものである。
請求項9のミシンの制御装置は、請求項1〜8の何れかにおいて、前記送り切換え指示手段は、手動操作によって作動するタッチバックスイッチを有するものである。
請求項10のミシンの制御装置は、請求項1〜8の何れかにおいて、前記送り切換え指示手段は、フット操作可能なフットペダルを有するものである。
請求項11のミシンの制御装置は、請求項1〜8の何れかにおいて、前記送り切換え指示手段は、操作パネルを介して設定された前止め縫いと後ろ止め縫いの針数で構成するようにしたものである。
請求項12のミシンの制御装置は、縫針が下端部に装着された針棒と、縫製対象物を正送り方向と逆送り方向の何れか一方に択一的に送る送り歯を有する送り機構と、送り機構による送り方向を切換え可能なアクチュエータを有する送り切換え機構と、送り切換え機構による送り方向の切換えを指令する為の送り切換え指示手段とを備えたミシンにおいて、ミシン主軸が1回転する間に送り切換え機構による送り方向の切換えを許可する許可期間を設定する許可期間設定手段と、送り切換え指示手段から送り方向の切換え指令を受けた場合に、許可期間設定手段で設定された許可期間内に送り切換え機構を作動させるように制御する送り切換え制御手段とを備えたものである。
このミシンの制御装置では、許可期間設定手段により、ミシン主軸が1回転する間に送り切換え機構による送り方向の切換えを許可する許可期間が設定され、送り切換え指示手段から送り方向の切換え指令を受けた場合に、送り切換え制御手段により、許可期間設定手段で設定された許可期間で送り切換え機構が作動するように制御される。このように、送り切換え機構が作動することによって発生する針棒の振動が収束してから縫針が針穴に挿通されるように構成される。従って、縫針が振動した状態で針穴に達し、針穴形成部材に接触して折損することが確実に防止される。
請求項1のミシンの制御装置によれば、ミシン主軸が1回転する間に送り切換え機構による送り方向の切換えを禁止する禁止期間を設定する禁止期間設定手段と、送り切換え指示手段から送り方向の切換え指令を受けた場合に、禁止期間設定手段で設定された禁止期間以外の期間で送り切換え機構を作動させるように制御する送り切換え制御手段とを設けたので、返し縫いを行う場合等で、送り方向の切換えに際して、送り機構による送り方向が禁止期間以外の期間において切換えられるようになる。
それ故、送り切換え機構がこの禁止期間以外の期間において作動することによって発生する針棒の振動が収束してから縫針が針穴に挿通されるように構成でき、針棒の振動の発生を無理に抑制せず、つまり、送り切換え機構の応答性を保ったまま、送り切換え機構を正送り位置に確実に保持可能にすると共に、縫針が振動した状態で針穴に達し針穴形成部材に接触して折損することを確実に防止できる。
請求項2のミシンの制御装置によれば、ミシンが、送り機構の送り歯の送り動作と同期して針棒が送り方向へ揺動し、送り歯に針穴を形成したものであるので、縫針を送り歯の針穴に挿通させた状態で縫製対象物を送ることができ、送り歯の針穴を必要以上に大きくすることなく送り歯による送り機能を確保し、この送り歯に縫針が接触して折損することを確実に防止できる。その他その他請求項1と同様の効果を奏する。
請求項3のミシンの制御装置によれば、前記送り機構による布送り量を設定する布送り量設定手段と、この布送り量設定手段による布送り量を検出する布送り量検出手段とを設け、送り切換え指示手段から送り方向の切換え指令を受けたときに、布送り量検出手段で検出された布送り量に基づいて、布送り量に対応付けて予め設定された設定回転速度よりもミシン主軸の回転速度が大きい場合に、送り切換え機構を作動させる前に、ミシン主軸の回転速度を設定回転速度以下に低減させる第1の回転速度低減手段を備えたので、針棒による布送り量が大きく、送り方向を切換える際に発生する針棒の振動がより大きい場合でも、ミシン主軸の回転速度を低減させて、縫針が縫製対象物に刺さるまでの時間、つまり針棒の収束時間を延長でき、送り方向を切換える際に発生する針棒の振動による縫針の折損を確実に防止することができる。その他請求項1又は2と同様の効果を奏する。
請求項4のミシンの制御装置によれば、加工布の布厚を検出する布厚検出手段を設け、送り切換え指示手段から送り方向の切換え指令を受けたときに、布厚検出手段で検出された布厚に基づいて、布厚に対応付けて予め設定された設定回転速度よりもミシン主軸の回転速度が大きい場合に、送り切換え機構を作動させる前に、ミシン主軸の回転速度を設定回転速度以下に低減させる第2の回転速度低減手段を備えたので、布厚が大きいが故に縫針が縫製対象物に速く刺さるような場合でも、ミシン主軸の回転速度を低減させて、縫針が縫製対象物に刺さるまでの時間、つまり針棒の収束時間を延長でき、送り方向を切換える際に発生する針棒の振動による縫針の折損を確実に防止することができる。その他請求項1又は2と同様の効果を奏する。
請求項5のミシンの制御装置によれば、前記禁止期間設定手段は、操作パネルを介して禁止期間を設定可能に構成されたので、作業者により操作パネルを介して禁止期間の設定や変更が、随時可能になる。その他請求項1〜4の何れかと同様の効果を奏する。
請求項6のミシンの制御装置によれば、前記禁止期間設定手段は、内部のメモリに予め記憶された又は外部から送信された禁止期間のデータに基づいて禁止期間を設定可能に構成されたので、作業者は禁止期間を何ら設定するようなことがなく、禁止期間を自動的に設定することができる。その他請求項1〜4の何れかと同様の効果を奏する。
請求項7のミシンの制御装置によれば、前記禁止期間は、縫針が針穴から抜けて再び針穴に挿通される迄の期間に含まれるので、縫針が振動した状態で針穴に達することを極力防止することができる。その他請求項1〜6の何れかと同様の効果を奏する。
請求項8のミシンの制御装置によれば、前記禁止期間以外の期間は、縫針が針穴に挿通されてから再び針穴から抜ける迄の期間に含まれるので、針棒の振動を確実に収束させてから縫針を針穴に挿通させることができる。その他請求項1〜6の何れかと同様の効果を奏する。
請求項9のミシンの制御装置によれば、前記送り切換え指示手段は、手動操作によって作動するタッチバックスイッチを有するので、送り切換え機構による送り方向の切換えの指示を簡単に確実に行うことができる。その他請求項1〜8の何れかと同様の効果を奏する。
請求項10のミシンの制御装置によれば、前記送り切換え指示手段は、フット操作可能なフットペダルを有するので、送り切換え機構による送り方向の切換えの指示を使い勝手よく簡単に行うことができる。その他請求項1〜8の何れかと同様の効果を奏する。
請求項11のミシンの制御装置によれば、前記送り切換え指示手段は、前記送り切換え指示手段は、操作パネルを介して設定された前止め縫いと後ろ止め縫いの針数であるので、前進縫いの縫製データに、前止め縫いと後ろ止め縫いを行う縫目の針数を設定した場合には、前止め縫いと後ろ止め縫いの返し縫い時に、自動的に禁止期間以外の期間で送り方向を切換えることができ、自動縫製においても、縫針の折損を確実に防止することができる。その他請求項1〜8の何れかと同様の効果を奏する。
請求項12のミシンの制御装置によれば、ミシン主軸が1回転する間に送り切換え機構による送り方向の切換えを許可する許可期間を設定する許可期間設定手段と、送り切換え指示手段から送り方向の切換え指令を受けた場合に、許可期間設定手段で設定された許可期間で送り切換え機構を作動させるように制御する送り切換え制御手段とを設けたので、送り機構による送り方向が許可期間において切換えられるようになる。
それ故、送り切換え機構がこの許可期間において作動することによって発生する針棒の振動が収束してから縫針が針穴に挿通されるように構成でき、針棒の振動の発生を無理に抑制せず、つまり、送り切換え機構の応答性を良くし、送り切換え機構を正送り位置に確実に保持可能にすると共に、縫針が振動した状態で針穴に達し針穴形成部材に接触して折損することを確実に防止できる。
本発明のミシンの制御装置は、送り切換え機構により送り機構の送り歯が布送りされる送り方向の切換えを禁止する禁止期間を予め設定し、送り方向の切換えに際して、この禁止期間以外の期間、つまり許可期間で送り切換え機構を作動させるようにして、送り方向切換え時に発生する針棒の振動による縫針の折損を防止するようにしてある。
図1、図2に示すように、針送りミシンMは機枠1を備え、その機枠1は、ベッド部1a、脚柱部1b、アーム部1c、ヘッド部1dを有する。アーム部1cにミシン主軸2と針振り軸3が配設され、ミシン主軸2がミシンモータ75(図6参照)により回転駆動される。ヘッド部1dに、2本の縫針6が下端部に装着された針棒4と、針棒4を上下動可能に案内支持する針棒台5が配設され、ミシン主軸2の左端部に設けたクランク機構(図示略)を介して針棒4が上下駆動され、針棒台5には針振り軸3の左端部が固定されている。
図2に示すように、ベッド部1aには、下軸7と水平送り軸9とが夫々配設され、下軸7の右端部とミシン主軸2とがタイミングベルト8により連結されている。水平送り軸9の左端部に揺動腕10が固定され、この揺動腕10に送り台11の前端部が連結されている。送り台11の後端部分が二股状に形成され、下軸7の左端部に固定された偏心カム12に係合されている。
送り台11の上側に送り歯13が取り付けられ、この送り歯13に縫針6が挿通する比較的小型の円形の針穴14が形成されている。針振り軸3と水平送り軸9の右端部には夫々揺動腕15,16が固定され、これら揺動腕15,16がリンク17により連結されている。
図2、図3に示すように、下軸7の長さ方向途中部に送り偏心カム18が固定され、この送り偏心カム18にカム抱き19が外嵌状に係合されている。このカム抱き19の前端部に1対の駒21が支持ピン20を介して支持されている。ベッド部1aには摺動溝部体22が支持され、この摺動溝部体22に1対の駒21を摺動自在に案内する摺動溝23が形成されている。
支持ピン20にはリンク24の後端部が連結され、リンク24の前端部が、水平送り軸9の長さ方向途中部に固定された揺動腕25に連結されている。摺動溝部体22を回動させて、摺動溝23の傾きを変化させることにより、縫針6及び送り歯13の送り方向と送り量を調整することができる。
図2に示すように、脚柱部1bに送り調節器26が支軸26aを介して回動可能に支持されている。この送り調節器26は、摺動溝部体22の右端部に固定された揺動腕31にリンク30を介して連結され、送り調節器26には正送り作動面27と逆送り作動面28がV形に形成されている。
一方、脚柱部1bの前側に、液晶ディスプレイ29aや複数のスイッチからなるスイッチ群29cを有する操作パネル29が設けられ、更に、この液晶ディスプレイ29aの前面に、タッチキー29bが設けられている。そこで、作業者は、液晶ディスプレイ29aに表示される縫製パラメータのうちの所望の「設定値」について、タッチキー29bを操作して所望の数値を入力設定したり変更できるようになっている。
更に、脚柱部1bの前側に送り調節ダイヤル(これが布送り量設定手段に相当する)32が設けられ、その送り調節ダイヤル32から後方へ延びる送り調節軸33の後端部に、送り調節器26の正送り作動面27と逆送り作動面28の何れか一方が択一的に係合される。ここで、送り調節ダイヤル32に回転型ポテンショメータからなる布送り量検出器65が連結されている。
即ち、布送り量検出器(これが布送り量検出手段に相当する)65は、送り調節ダイヤル32の最大回転範囲が回転型ポテンショメータのほぼ1回転に対応するようになっている。それ故、送り調節ダイヤル32により設定された布送り量(例えば、0〜15mm)は布送り量検出器65から出力されるアナログ電圧により検出可能になっている。
脚柱部1bに逆転レバー軸34が配設され、この逆転レバー軸34の右端部は脚柱部1bの右側へ突出し、逆転レバー軸34の左端部と長さ方向途中部に腕部35,36が固定されている。腕部35が送り調節器26にリンク37を介して連結され、腕部36と機枠1との間に引っ張りバネ38が張設され、この引っ張りバネ38により、送り調節器26の正送り作動面27が送り調節軸33に係合する方向に、逆転レバー軸34(送り調節器26)が回動付勢されている。
図2、図4に示すように、逆転レバー軸34の右端部に手動逆転レバー39の後端部が連結され、この手動逆転レバー39の前端部の操作部39aが脚柱部1bの前側に位置している。逆転レバー軸34に捩じりバネ40が外装され、捩じりバネ40の一端部が機枠1に係止され他端部が手動レバー39に係止されている。それ故、手動逆転レバー39はこの捩じりバネ40のバネ力により常に上方へ付勢されている。
脚柱部1bの内部にストッパーピン41が設けられ、手動逆転レバー39はこのストッパーピン41に係合して、手動逆転レバー39の上方への移動が規制されている。逆転レバー軸34の右端部には、ネジ43により2腕レバー42が固定され、この2腕レバー42の前方へ延びる第1作動腕44に、手動逆転レバー39の下面に臨む折曲部44aが形成されている。
返し縫いに際して、作業者により手動逆転レバー39が捩じりバネ40の付勢力に抗して下方に回動されると、折曲部44aが手動逆転レバー39により可動されるので、同時に、2腕レバー42の下方へ延びる第2作動腕45が、折曲部44aとの係合を介して回動され、逆転レバー軸34が回動される。
さて、この針送りミシンMには、手動逆転レバー39を操作する以外に、自動的に送り方向を逆転させる為の機能が付加されている。図5に示すように、手動押圧操作部体46の上端部が段ネジ47により機枠1の背面側に揺動可能に支持され、手動押圧操作部体46の前端部に設けられた押圧部46aがヘッド部1dの前側に位置している。この押圧部46aが操作されない状態では、タッチバックスイッチ60がオフ状態であり、押圧部46aが操作されると、タッチバックスイッチ60がオン状態になる。
図4に示すように、機枠1の背面に支持体48がネジ49により取り付けられ、この支持体48に、送り方向を逆転させる逆送りソレノイド50の本体50aが固定されている。逆送りソレノイド50は、本体50aと、この本体50aから下方へ突出するロッド50bとを有している。
逆送りソレノイド50が駆動されるとロッド50bが退入駆動される。ロッド50bの下端部に形成された切割溝にピン51が固定され、ピン51の後側において支持体48に支持軸52が固定され、その支持軸52に3腕レバー53が回動可能に支持されている。
3腕レバー53の後方へ延びる腕部53aが2股状に形成されてピン51に係合され、3腕レバー53の下方へ延びる腕部53bが段ネジ54によりリンク55の後端部に長穴56を介して連結されている。リンク55の前端部は、段ネジ56により2股レバー42の第2作動腕45に連結されている。支持軸52に捩じりバネ57が外装されている。捩じりバネ57の一端部は、支持体48に係止され、他端部は、段ネジ54に係止されており、この捩じりバネ57により、3腕レバー53が図4にて時計回り方向へ回動付勢されている。
次に、針送りミシンMの動作について説明する。
ミシンモータ75によりミシン主軸2が回転駆動されると、クランク機構により針棒4が上下に往復駆動される。また、ミシン主軸2(針棒4の上下動)と同期して、タイミングベルト8により下軸7が回転駆動され、偏心カム12、送り台11により送り歯13が上下に往復駆動される。また、送り偏心カム18、カム抱き19、支持ピン20、駒21、摺動溝部体22(摺動溝23)、リンク24、揺動腕25により、水平送り軸9が往復回動される。
ミシンモータ75によりミシン主軸2が回転駆動されると、クランク機構により針棒4が上下に往復駆動される。また、ミシン主軸2(針棒4の上下動)と同期して、タイミングベルト8により下軸7が回転駆動され、偏心カム12、送り台11により送り歯13が上下に往復駆動される。また、送り偏心カム18、カム抱き19、支持ピン20、駒21、摺動溝部体22(摺動溝23)、リンク24、揺動腕25により、水平送り軸9が往復回動される。
水平送り軸9が往復回動されると、揺動腕10、送り台11により、送り歯13が送り方向(前後方向)へ往復駆動され、また、この送り歯13の送り動作と同期して、揺動腕16、リンク17、揺動腕15、針振り軸3、針棒台5により、針棒4が送り方向へ揺動される。ここで、送り調節ダイヤル32を回動することにより、その送り調節軸33が進退して、送り調節器26の正逆の送り作動面27,28と協働して布送り量が調節される。
尚、下軸7、水平送り軸9、揺動腕10、送り台11、偏心カム12、送り偏心カム18、カム抱き19、支持ピン20、駒21、摺動溝部体22(摺動溝23)、リンク24、揺動腕25等で、縫製対象物を正送り方向と逆送り方向の何れか一方に択一的に送る送り歯13を有する送り機構M1が構成されている。
ここで、通常、送り調節器26は引っ張りバネ38の付勢力により正送り位置に保持され、送り調節軸33が正送り作動面27に係合して、送り機構M1により縫製対象物が正送りされるように、送り歯13が上下と前後に駆動される。
押圧部46aが操作されると、タッチバックスイッチ60がオンになり、逆送りソレノイド50が駆動されロッド50bが退入駆動される。この駆動力が、3腕レバー53、リンク55、2腕レバー42を介して逆転レバー軸34に伝達され、引っ張りバネ38の付勢力に抗して逆転レバー軸34が回動して、送り調節器26が一気に逆送り姿勢に切換えられる。その結果、送り調節軸33が逆送り作動面28に係合して、送り機構M1により縫製対象物が逆送りされる。
押圧部46aが操作解除されると、タッチバックスイッチ60がオフに切換えられ、逆送りソレノイド50の駆動が停止される。その結果、逆転レバー軸34は引っ張りバネ38により回動復帰して、送り調節器26が正送り姿勢に切換えられ、送り調節軸33が正送り作動面27に係合する。
尚、送り調節器26、逆転レバー軸34、引っ張りバネ38、2腕レバー42、逆送りソレノイド50、3腕レバー53、リンク55等で、送り機構M1による送り方向を切換え可能な送り切換え機構M2が構成され、手動押圧操作部体46、タッチバックスイッチ60等で、送り切換え機構M2による送り方向の切換えを指令する為の送り切換え指示手段M3が構成されている。
次に、この針送りミシンMの制御系について説明する。図6に示すように、制御装置70は、CPU70aと、ROM70bと、RAM70cと、この針送りミシンMに特有の、最高縫製速度等の種々の特有データを記憶した頭部メモリ70dと、A/D変換器(A/D)70e等を有するコンピュータを備えている。この制御装置70に、操作パネル29と、針棒位置検出器66と、押え棒位置検出器(これが布厚検出手段に相当する)67と、布送り量検出器65と、主軸回転角検出センサ71と、逆送り減速設定スイッチ72、ペダル踏込みスイッチ73、タッチバックスイッチ60と、ミシンモータ75の為の駆動回路76と、逆送りソレノイド50の為の駆動回路77とが夫々電気的に接続されている。
ROM70bには、ミシンモータ75を駆動させる駆動制御の制御プログラムが格納されるとともに、図7に示すように、布送り方向の切換え時における設定縫製速度が布送り量に応じて予め設定されている。即ち、布送り量Pが「0以上且つ2mmまで」、「2mm以上且つ5mmまで」、「5mm以上且つ8mmまで」、「8mm以上且つ12mmまで」と、「12mm以上」の5段階に区分され、各段階毎に設定回転速度「2000rpm」、「1800rpm」、「1500rpm」、「1200rpm」、「1000rpm」が夫々対応させて設定されている。
布送り量検出器65は、送り調節ダイヤル32による送り量調節範囲で1回転する回転型ポテンショメータからなり、送り調節ダイヤル32により設定された布送り量を検出可能である。針棒位置検出器66は、針棒4の最上位置から最下位置に至る上下動ストロークでほぼ1回転する回転型ポテンショメータからなり、針棒4の上下動位置を検出可能である。押え棒位置検出器67は、布押え(図示略)を介して針板上面の布押え位置から最も上側に退避した上昇位置に至る上下動ストロークでほぼ1回転する回転型ポテンショメータからなり、針棒4の上下動位置、つまり加工布の布厚を検出可能である。
主軸回転角検出センサ71は、ミシン主軸2の回転角θ(本実施例の場合、針棒4が最上位置のときのミシン主軸2の回転角θを0度(360度)とする)を検出する為のものである。この場合、主軸回転角検出センサ71は、ミシン主軸2の原点位置検出用のロータリエンコーダと、ミシン主軸2の回転位置検出用のロータリエンコーダからなる。ペダル踏込みスイッチ73は、図示外の足踏みペダルに設けられ、リニア型のポテンショメータからなり、縫製の開始及び停止を指令するのに加えて、作業者による足踏みペダルの踏込み量に応じたアナログ電圧を縫製速度信号として出力するものである。
逆送り減速設定スイッチ72は、作業者が手動操作可能にアーム部1cの前面側に設けられたオン・オフスイッチからなり、縫製対象物を逆送りする際に、その逆送り速度を予め設定された低速(例えば、ミシン主軸2の回転速度で2000rpm)に強制的に低減させる為のものである。そこで、この逆送り減速設定スイッチ72がオン側に切換えられた場合、逆送りに際して、縫製速度が予め設定された速度以下に減速処理される。
タッチバックスイッチ60は、前述したように、押圧部46aの手動操作によってオン側とオフ側に切換え可能なスイッチである。このタッチバックスイッチ60がオン側に切換えられた場合、逆送りソレノイド50が駆動されて強制的に逆送りされる一方、オフ側に切換えられた場合には、逆送りソレノイド50の駆動が停止され、正送りされる。
ここで、送り切換え機構M2による送り方向の切換えを禁止する禁止期間KHについて、図12に基づいて説明する。
針棒4が上限位置のときにミシン主軸2の回転角θを0°として、ミシン主軸2の回転角θに対する針棒4の上下方向位置を示す針棒上下動曲線を図12に示す。図12において、ミシン主軸2の回転角θが「270°〜360°(0°)〜90°」のときに、縫針6が送り歯13の針穴14から抜けて再び針穴14に挿通される迄の期間(以下、針上期間という)である。また、ミシン主軸2の回転角θが「90°〜270°」のときに、縫針6が送り歯13の針穴14に挿通されてから再び針穴14から抜ける迄の期間(以下、針下期間という)である。
針棒4が上限位置のときにミシン主軸2の回転角θを0°として、ミシン主軸2の回転角θに対する針棒4の上下方向位置を示す針棒上下動曲線を図12に示す。図12において、ミシン主軸2の回転角θが「270°〜360°(0°)〜90°」のときに、縫針6が送り歯13の針穴14から抜けて再び針穴14に挿通される迄の期間(以下、針上期間という)である。また、ミシン主軸2の回転角θが「90°〜270°」のときに、縫針6が送り歯13の針穴14に挿通されてから再び針穴14から抜ける迄の期間(以下、針下期間という)である。
即ち、針棒4は送り歯13と同期して、正送りに際して、ミシン主軸2の回転角θが「330°〜0°〜150°」の範囲で正送り方向に針送り動作する。この場合、布送りが正送りであっても逆送りであっても、ミシン主軸2の回転角θが約「150°」のときの針棒4の振幅が最小になることが分かっている。
そこで、本実施例の場合、送り切換え機構M2による送り方向の切換えを禁止期間KH以外の期間(許可期間)KPが、「150°」を含む「θ=145°〜155°」に設定される。その為、送り切換え機構M2による送り方向の切換えを禁止する禁止期間KHが、針上期間の全部「θ=270°〜0°〜90°」と、針下期間における「θ=90°〜145°,155°〜270°」に設定される。
この禁止期間KHは、作業者により、操作パネル29の液晶ディスプレイ29aに表示される禁止期間設定画面により、予め入力設定されると、不揮発メモリに、禁止期間KHと禁止期間KH以外の期間KPが夫々記憶されている。それ故、一旦、禁止期間KHが設定されると、その禁止期間KHを変更しない限り記憶保持されている。
次に、制御装置70により実行される本案特有の送り方向切換え制御について、図8〜図11のフローチャートに基づいて、図12を参照しながら説明する。尚、この送り方向切換え制御を実行する為のプログラムはROM70bに予め記憶されている。但し、前述した禁止期間KHは、作業者により、予め操作パネル29を介して設定され、不揮発メモリに記憶されているものとする。
図8に示すように、この送り方向切換え制御が開始されると、先ず、同期作動フラグがOFFにセットされ(S1)、次に、ペダルによる速度指令制御(図9参照)が実行される(S2)。この制御が開始されると、先ず、ペダル踏込みスイッチ73から出力されるアナログ電圧がA/D変換器70eでデジタルの踏込み信号に変換され、この踏込み信号に基づいてフットペダルの踏み込み量に応じた速度指令値(ミシン主軸2の回転速度)が演算される(S20)。
次に、タッチバックスイッチ60がオン状態の場合(S21:Yes)、且つ速度制御フラグがONの場合(S22:Yes)、且つS20で演算された速度指令値が設定上限値よりも大きい場合(S23:Yes)、設定上限値が速度指令値に設定され(S24)、リターンする。その結果、この速度指令値に対応する設定上限回転速度(例えば、2000rpm)でミシン主軸2が回転駆動される。但し、逆送り減速設定スイッチ72がオンのときには、速度制御フラグがONになり、逆送り減速設定スイッチ72がオフのときには、速度制御フラグがOFFになる。
しかし、縫製対象物が正送り方向に布送りされる場合(S21:No)、或いは逆送り減速設定スイッチ72がオフであって速度制御フラグがOFFの場合(S22:No)、或いは速度指令値が設定上限値以下の場合(S23:No)、S20で演算された速度指令値がそのまま速度指令値に設定され(S25)、リターンする。この場合、フットペダルの踏み込み量に応じた速度指令値、又は、設定上限値に設定された速度指令値に対応する回転速度でミシン主軸2が回転駆動される。
次に、送り方向切換え制御において、タッチバックスイッチ60がオフの場合に(S3:No)、逆送りソレノイド50がON状態であって、これから逆送り状態から正送り状態に切換わる場合には(S4:No)、同期制御(図10参照)が実行される(S5)。
一方、タッチバックスイッチ60がオン側に切換えられている場合に(S3:Yes)、逆送りソレノイド50がOFF状態であって、これから正送り状態から逆送り状態に切換わる場合には(S8:No)、前述した同期制御(図10参照)が実行される(S9)。
この同期制御が実行されると、先ず、布送り量検出器65から出力されるアナログ電圧がA/D変換器70eでデジタルの布送り量信号に変換され、この布送り量信号が読み込まれる(S30)。次に、この布送り量信号と、図7に示す設定回転速度とに基づいて、布送り量に対応する設定回転速度Pvが演算で求められる(S31)。次に、主軸回転角検出センサ71からの検出信号に基づいて求められたミシン主軸2の回転速度が、この設定回転速度Pvよりも大きい場合には(S32:No)、ミシン主軸2の回転速度を低減させる低減制御が実行され(S33)、同期作動フラグがOFFにセットされ(S34)、リターンする。
一方、ミシン主軸2の回転速度が、設定回転速度Pv以下の場合には(S32:Yes)、第1補正制御(図11参照)が実行される(S35)。この第1補正制御は、逆送りソレノイド50に駆動指令を出力してから逆送りソレノイド50が実際に作動するまでに要する作動遅れ時間を考慮したものである。
この第1補正制御が開始されると、先ず、ミシン主軸2の回転速度が読み込まれ(S41)、逆送りソレノイド50がOFF状態のときには(S42:Yes)、逆送りソレノイド50がOFF状態からON状態に切換わる作動遅れ時間中に、読み込まれたミシン主軸2の回転速度で回転するミシン主軸2の回転角でもって、禁止期間KH以外の期間KPが補正され(S43)、この制御を終了してリターンする。
しかし、逆送りソレノイド50がON状態のときには(S42:No)、逆送りソレノイド50がON状態からOFF状態に切換わる作動遅れ時間中に、読み込まれたミシン主軸2の回転速度で回転するミシン主軸2の回転角でもって、禁止期間KHが早くなるように補正され(S44)、この制御を終了してリターンする。
ここで、S43、S44において補正された禁止期間をKHa、補正された禁止期間KHa以外の期間をKPaとする。
ここで、S43、S44において補正された禁止期間をKHa、補正された禁止期間KHa以外の期間をKPaとする。
そして、同期制御において、主軸回転角検出センサ71により検出されたミシン主軸2の回転角θが、S35で早くなるように補正された禁止期間KHa以外の期間KPaでない、つまり禁止期間KHaの場合には(S36:No)、同期作動フラグがOFFにセットされ(S34)、リターンする。しかし、ミシン主軸2の回転角θが、禁止期間KHa以外の期間KPaの場合には(S36:Yes)、同期作動フラグがONにセットされ(S37)、リターンする。
次に、送り方向切換え制御において、同期作動フラグがONの場合には(S6:Yes)、逆送りソレノイド50の駆動が停止(OFF)され(S7)、S1以降が繰返して実行される。その結果、逆送りソレノイド50の駆動が停止されて、禁止期間KHa以外の期間KPaにおいて、送り機構M1による縫製対象物の送り方向が逆送り方向から正送り方向へ切換えられる。
一方、S9における同期制御の実行後に、同期作動フラグがONの場合には(S10:Yes)、前述したように、逆送りソレノイド50が駆動(ON)され(S11)、S1以降が繰返して実行される。その結果、逆送りソレノイド50が駆動されて、禁止期間KHa以外の期間KPaにおいて、送り機構M1による縫製対象物の送り方向が正送り方向から逆送り方向へ切換えられる。
ここで、S3、S6〜S7、S10〜S11、S35〜S36を実行する制御装置70が送り切換え制御手段に相当する。また、S30〜S32を実行する制御装置70が第1の回転速度低減手段に相当する。更に、操作パネル29が禁止期間設定手段に相当する。
次に、以上説明した針送りミシンMの制御装置70の効果について説明する。
押圧部46aが操作されると、タッチバックスイッチ60がオンに切換えられ、逆送りソレノイド50が駆動され、送り調節器26が正送り位置から逆送り位置に切換わる。このとき、針棒4と共に縫針6に振動が発生する。また、押圧部46aが操作解除されると、タッチバックスイッチ60がオフに切換えられ、逆送りソレノイド50の駆動が停止されて、引っ張りバネ38により送り調節器26が逆送り位置から正送り位置に切換わる。このときも、針棒4と共に縫針6に振動が発生する。
押圧部46aが操作されると、タッチバックスイッチ60がオンに切換えられ、逆送りソレノイド50が駆動され、送り調節器26が正送り位置から逆送り位置に切換わる。このとき、針棒4と共に縫針6に振動が発生する。また、押圧部46aが操作解除されると、タッチバックスイッチ60がオフに切換えられ、逆送りソレノイド50の駆動が停止されて、引っ張りバネ38により送り調節器26が逆送り位置から正送り位置に切換わる。このときも、針棒4と共に縫針6に振動が発生する。
特に、逆送りソレノイド50と引っ張りバネ38を夫々強力にすることで、送り切換え機構M2の応答性を良くすることができ、また、送り切換え機構M2(送り調節器26)を正送り位置に確実に保持することができる。しかし、この場合、送り切換え機構M2が作動したとき、その衝撃により針棒4と共に縫針6が大きく振動する(図12参照)。
そこで、ミシン主軸2が1回転する間に送り切換え機構M2による送り方向の切換えを禁止する禁止期間KHを設定した。送り切換え指示手段M3から送り方向の切換え指令を受けた場合に、禁止期間KH以外の期間KPで送り切換え機構M2を作動させるように制御し、送り切換え機構M2が作動することによって発生する針棒4の振動が収束してから縫針6が送り歯13の針穴14に挿通されるように構成することができる。
本実施例では、ミシン主軸2の回転角θが「145°〜155°」の期間が禁止期間KH以外の期間KPに設定されると、少なくとも、回転角θが「155°〜0°〜90°」の期間が振動収束期間となり、この振動収束期間において、針棒4の振動を確実に収束させることができる。
即ち、送り方向の切換えに際して発生する針棒4の振動を強制的に抑制することなく、送り切換え機構M2の応答性を良くし、送り切換え機構M2を正送り位置に確実に保持可能にすると共に、縫針6が振動した状態で送り歯13の針穴14に達したときに、送り歯13に接触して折損することを確実に防止することができる。
また、送り切換え指示手段M3から送り方向の切換え指令を受けたとき、送り切換え機構M2を作動させる前に、布送り量検出器65で検出された布送り量に基づいて、布送り量に対応付けて予め設定された設定回転速度Pv以下にミシン主軸2の回転速度を低減させている。従って、針棒4による布送り量が大きい場合でも、送り方向を切換える際に発生する針棒4の振動を抑制することができ、しかもこのように抑制された針棒4の振動を確実に収束させてから縫針6を針穴14に挿通させることができる。
また、操作パネル29を介して禁止期間KHが設定可能に構成されたので、作業者により操作パネル29を介して禁止期間KHの設定や変更が、随時可能になる。
また、禁止期間KHは、縫針6が送り歯13の針穴14から抜けて再び針穴14に挿通される迄の期間全部に含まれ、また、禁止期間KH以外の期間KPは、縫針6が送り歯13の針穴14に挿通されてから再び針穴14から抜ける迄の期間に含まれるので、縫針6が振動した状態で針穴14に達することを極力防止することができる。
即ち、針棒4の振動を確実に収束させてから縫針6を針穴14に挿通させることができる。更に、送り切換え指示手段M3は、手動操作によって作動するタッチバックスイッチ60を有するので、送り切換え機構M2による送り方向の切換えの指示を簡単に確実に行うことができる。
次に、前記実施例を部分的に変更した変更形態について説明する。
1)前述したように、布送り量に基づいてミシン主軸2の回転速度を設定するようにしたが、作業者が、布送り量に対応する回転速度を、操作パネル29により直接に設定するようにしてもよい。
1)前述したように、布送り量に基づいてミシン主軸2の回転速度を設定するようにしたが、作業者が、布送り量に対応する回転速度を、操作パネル29により直接に設定するようにしてもよい。
2)送り切換え機構M2の作動を禁止する禁止期間KH以外の期間KPについては、針下期間(ミシン主軸2の回転角θ=90°〜270°)内において、種々設定可能である。また、この禁止期間KH以外の期間KPが、針下期間内の相当長い期間(例えば、針下期間全部)に設定してもよい。尚、その残りの期間が禁止期間KHになる。
3)送り切換え機構M2の作動を禁止する禁止期間KHについては、針上期間(ミシン主軸2の回転角θ=270°〜0°〜90°)内において、更に針下期間の一部を含むように種々設定可能である。尚、その残りの期間が禁止期間KH以外の期間KPになる。
4)禁止期間KH以外の期間KPについて、相当長い禁止可能期間を設定した場合に、制御装置70が、その禁止可能期間内において、ミシン主軸2の回転速度をパラメータとして適宜可変に設定可能に構成してもよい。例えば、ミシン主軸2の回転速度が早くなる程、針棒4が早く上下動するため、針棒4に生じた振動を確実に収束させるために、ミシン主軸2の回転角θが小さい角度となる期間を設定するようにしてもよい。
6)禁止期間KHは、送り方向切換え時の針棒4の振幅が最小となる時点を含むようにしてもよい。
5)本実施例においては、禁止期間KHは、作業者により操作パネル29により入力設定されるように構成したが、頭部メモリ70dに予め設定しておき、送り方向切換え制御を開始するに際して、この頭部メモリ70dに記憶されている禁止期間KHのデータが読み込まれるように構成してもよい。
また、針送りミシンMにパーソナルコンピュータを接続するように構成し、このパーソナルコンピュータから予め記憶させておいた禁止期間KHのデータが針送りミシンMの制御装置70に送信されるようにしてもよい。
6)送り方向を切換えるときのミシン主軸2の回転速度を、縫製対象物の布厚をパラメータとして設定するように構成してもよい。即ち、縫針6が縫製対象物に刺さっているが、針穴14に到達していない状態で送り切換え機構M2が作動すると、縫針6が折損する虞が高くなる。
この場合、図13に示すように、布送り方向の切換え時における設定縫製速度が布厚に応じて予め設定され、ROM70bに予め記憶されている。即ち、布厚Tが「0以上且つ0.5mmまで」、「0.5mm以上且つ1.0mmまで」、「1.0mm以上且つ1.5mmまで」、「1.5mm以上且つ2.0mmまで」と、「2.0mm以上」の5段階に区分され、各区分毎に設定回転速度「2000rpm」、「1800rpm」、「1500rpm」、「1200rpm」、「1000rpm」が夫々対応させて設定されている。
そこで、図14の同期制御に示すように、この制御が開始されると、先ず、押え棒位置検出器67から出力される、布厚に関するアナログ電圧がA/D変換器70eでデジタルの布厚信号に変換され、この布厚信号が読み込まれる(S30A)。次に、この布厚信号と、図13に示す設定回転速度とに基づいて、布厚に対応する設定回転速度Pvが演算で求められる(S31A)。その後、S32〜S37まで、図10と同様に制御され、同期作動フラグがON又はOFFされる。ここで、S30A,31A,S32等から第2の回転速度低減手段が構成される。
この場合には、縫製対象物の布厚が大きくなる程、ミシン主軸の回転速度が低減されるので、針棒4の振動を抑制して、縫針6の折損を確実に防止することができる。但し、作業者が、布厚に応じた所定回転速度を、操作パネル29により、直接に設定するように構成してもよい。
7)前述した針折れを防止する為に、禁止期間KH(又は許可期間)を採用する場合と、この禁止期間KHを設定しない、従来の正逆送り方向を即座に切換えて針落ち位置を合わせる作動状態を選択的に切換えるようにしてもよい。
即ち、図15に示すように、前進縫い80の最初に前止め縫い81を行い、前進縫い80の最後に後ろ止め縫い82を、針数の設定により自動的に縫製する場合の送り方向切換え制御について、図16に基づいて説明する。この制御が開始されると、先ず、操作パネル29において、作業者により、前止め縫い81の前進縫い81aの針数及び後退縫い81bの針数と、前進縫い80の針数と、後ろ止め縫い82の後退縫い82aの針数及び前進縫い82bの針数と、禁止期間KHの設定/非設定について、夫々数値で設定される(S51)。
ここで、禁止期間KHが設定された場合には、禁止期間設定フラグがONにセットされ、禁止期間KHが非設定の場合には、禁止期間設定フラグがOFFにセットされる。次に、S52とS53が、図8に示す送り方向切換え制御のS1とS2と同様に実行される。次に、針棒位置検出器66からの検出信号に基づいて、針上信号を受ける毎に、針数カウンタのカウント値がインクリメントされる(S54)。
次に、針数カウント値に基づいて、後ろ止め縫い82の前進縫い82bの針数が最終の場合には(S55:Yes)、この制御を終了する。しかし、前止め縫い81の前進縫い81aの最終又は後ろ止め縫い82の後退縫い82aの最初の場合であって(S56:Yes)、逆送りソレノイド50がOFF状態の場合には(S62:Yes)、S63〜S65が、図8に示すS9〜S11と同様に実行される。
次に、前止め縫い81の後退縫い81bの最終又は後ろ止め縫い82の後退縫い82aの最終の場合であって(S57:Yes)、逆送りソレノイド50がON状態の場合には(S58:Yes)、S59〜S61が、図8に示すS5〜S7と同様に実行される。
次に、図17に示す同期制御について説明する。この制御が開始されたときに、禁止期間設定フラグがONにセットされている場合、つまり禁止期間KHを採用する場合には(S71:Yes)、S72〜S79が、図10に示すS30〜S37と同様に実行される。
ところで、この制御が開始されたときに、禁止期間設定フラグがOFFにセットされている場合、つまり禁止期間KHを採用しない場合には(S71:No)、第2補正制御(図18参照)が実行される(S80)。この第2補正制御が開始されると、先ず、S91とS92が、図11に示すS41とS42と同様に実行される。そして、逆送りソレノイド50がOFF状態のときには(S92:Yes)、ミシン主軸2の回転速度に基づいて、逆送りソレノイド50がOFF状態からON状態に切換わる時間に回転するミシン主軸2の回転角でもって、針上位置が早くなるように補正され(S93)、この制御を終了してリターンする。
しかし、逆送りソレノイド50がON状態のときには(S92:No)、ミシン主軸2の回転速度に基づいて、逆送りソレノイド50がON状態からOFF状態に切換わる時間に回転するミシン主軸2の回転角でもって、針上位置が早くなるように補正され(S94)、この制御を終了してリターンする。このように、前止め縫い81の針数と、前進縫い80の針数と、後ろ止め縫い82の針数とを夫々設定するようにした場合にも、送り方向を切換える場合には、禁止期間KH以外の期間KPに制限されるので、針折れを確実に防止することができる。
更に、禁止期間KHを採用するように設定することで、針折れを確実に防止できる一方、禁止期間KHを採用しないように設定した場合には、返し縫いに際して、従来と同様に、針位置一致状態を実現することができる。ここで、操作パネル29を介して針数を設定するS51及びS54を実行する制御装置70が送り切換え指示手段に相当する。
8)禁止期間KHか否か判定する為のミシン主軸2の位相角を検出するに際して、ミシン主軸2に設けた主軸回転角検出センサ71以外の各種のセンサを採用するようにしてもよい。即ち、図19に示すように、下軸7の近傍にミシンモータ75Aを設け、このミシンモータ75Aの駆動軸75aに駆動プーリ85を取付けるとともに、ミシン主軸2に従動プーリ86を取付け、これら駆動プーリ85と従動プーリ86とにタイミングベクト87を掛け渡す。
更に、ミシンモータ75Aの駆動軸75aに固着した円板状のエンコーダディスク88と、図示しない発光部と受光部とを有し、このエンコーダディスク88に放射線状に描かれた複数の細線を読み込むコ字状の検出器89とからなる回転角検出センサ90を設け、この回転角検出センサ90でミシン主軸2の位相角を検出する一方、禁止期間KHを検出するようにしてもよい。
9)禁止期間KHか否か判定する為に、針棒位置検出器66からの検出信号に基づいて、針棒4が最上位置から最下位置まで移動する途中において、禁止期間KHを検出するようにしてもよい。更に、送り歯13が布送りに際して行われる送り運動を逐一検出する送り歯検出センサ(図示略)を設け、この送り歯検出センサからの検出信号に基づいて、禁止期間KHを検出するようにしてもよい。
10)前述した禁止期間KHを設定する代わりに、禁止期間KH以外の期間KPに相当する許可期間を操作パネル29により設定するようにしてもよい。この場合、図20に示すように、同期制御において、ミシン主軸2の回転速度が、設定回転速度Pv以下の場合には(S32:Yes)、第1補正制御が実行され(S35)、主軸回転角検出センサ71により検出されたミシン主軸2の回転角θが許可期間でない場合には(S36A:No)、同期作動フラグがOFFにセットされる(S34)。しかし、ミシン主軸2の回転角θが許可期間の場合には(S36A:Yes)、同期作動フラグがONにセットされる(S37)。
また、この許可期間のデータを頭部メモリ70dに記憶させてもよく、パーソナルコンピュータからこの許可期間のデータを制御装置70に送信するようにしてもよい。この場合にも、前記実施例と同様の効果を奏することができる。
11)逆送りソレノイド50の代わりに、エアシリンダや、パルスモータ等、種々のアクチュエータを適宜採用することが可能である。
12)送り切換え指示手段M3を、フット操作可能なフットペダルを有するものにしてもよい。この場合、送り切換え機構M2による送り方向の切換えの指示を使い勝手よく簡単に行うことができる。
13)前述したフットペダルは、通常、縫製開始に際して、つまり送り方向が正送り方向の場合には、前側が踏み込まれるが、返し縫いに際しては、後側が踏み込まれる。そこで、正送り方向への布送りが実行された後、一旦ミシンモータ75の駆動が停止されてから、足踏みペダルの後側が踏み込まれたとき、制御装置70はペダル踏込みスイッチ73からのスイッチ信号と、ポテンショメータからの信号とに基づいて、2〜3針分の返し縫いが自動的に実行される。
14)その他、千鳥縫いミシンやパターン縫いミシン等、送り機構による送り方向を切換える送り切換え機構M2を有する種々のミシンに本発明を適用することが可能である。
15)本実施例においては、ミシン主軸2の回転速度を低減したり、回転速度に応じて、禁止期間KHを補正しているが、これらの制御を実行せずに、単に、ミシン主軸2の回転角を検出して、ミシン主軸2の回転角が禁止期間KH以外の期間KPであれば、同期作動フラグをONするようにしてもよい。
16)前述した第1補正制御において、ミシン主軸2の回転速度に基づいて、禁止期間KHを補正しているが、ミシン主軸2の回転速度に関係なく予めRAM70cに記憶させた固定値を用いて補正するようにしてもよい。
17)前述した第1補正制御において、ミシン主軸2の回転速度に基づいて禁止期間KHを補正しているが、禁止期間KHを補正するのではなく、前述した同期制御のS36工程において、検出するミシン主軸2の回転角を補正するようにしてもよい。例えば、検出したミシン主軸2の回転角が30度の場合、補正する角度が20度であれば、30度から20度を減算した10度と禁止期間KHとを比較する。この場合、同期制御において、第1補正制御を実行せずに、S36の工程において、逆送りソレノイドがOFF状態からON状態に切換わるか、ON状態からOFF状態に切換わるかの判断を行うようにする。
18)本発明は、以上説明した実施例に限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を付加して実施することができ、本発明はそれらの変更形態をも包含するものである。
M 針送りミシン
M1 送り機構
M2 送り切換え機構
M3 送り切換え指示手段
2 ミシン主軸
4 針棒
6 縫針
13 送り歯
14 針穴
29 操作パネル
50 逆送りソレノイド
60 タッチバックスイッチ
70 制御装置
70d 頭部メモリ
M1 送り機構
M2 送り切換え機構
M3 送り切換え指示手段
2 ミシン主軸
4 針棒
6 縫針
13 送り歯
14 針穴
29 操作パネル
50 逆送りソレノイド
60 タッチバックスイッチ
70 制御装置
70d 頭部メモリ
Claims (12)
- 縫針が下端部に装着された針棒と、縫製対象物を正送り方向と逆送り方向の何れか一方に択一的に送る送り歯を有する送り機構と、送り機構による送り方向を切換え可能なアクチュエータを有する送り切換え機構と、送り切換え機構による送り方向の切換えを指令する為の送り切換え指示手段とを備えたミシンの制御装置において、
ミシン主軸が1回転する間に送り切換え機構による送り方向の切換えを禁止する禁止期間を設定する禁止期間設定手段と、
前記送り切換え指示手段から送り方向の切換え指令を受けた場合に、禁止期間設定手段で設定された禁止期間以外の期間で送り切換え機構を作動させるように制御する送り切換え制御手段と、
を備えたことを特徴とするミシンの制御装置。 - 前記ミシンが、送り機構の送り歯の送り動作と同期して針棒が送り方向へ揺動し、送り歯に針穴を形成したものであることを特徴とする請求項1に記載のミシンの制御装置。
- 前記送り機構による布送り量を設定する布送り量設定手段と、この布送り量設定手段による布送り量を検出する布送り量検出手段とを設け、
前記送り切換え指示手段から送り方向の切換え指令を受けたときに、前記布送り量検出手段で検出された布送り量に基づいて、布送り量に対応付けて予め設定された設定回転速度よりもミシン主軸の回転速度が大きい場合に、前記送り切換え機構を作動させる前に、ミシン主軸の回転速度を設定回転速度以下に低減させる第1の回転速度低減手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のミシンの制御装置。 - 加工布の布厚を検出する布厚検出手段を設け、前記送り切換え指示手段から送り方向の切換え指令を受けたときに、前記布厚検出手段で検出された布厚に基づいて、布厚に対応付けて予め設定された設定回転速度よりもミシン主軸の回転速度が大きい場合に、前記送り切換え機構を作動させる前に、ミシン主軸の回転速度を設定回転速度以下に低減させる第2の回転速度低減手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のミシンの制御装置。
- 前記禁止期間設定手段は、操作パネルを介して前記禁止期間を設定可能に構成されたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のミシンの制御装置。
- 前記禁止期間設定手段は、内部のメモリに予め記憶された又は外部から送信された禁止期間のデータに基づいて前記禁止期間を設定可能に構成されたことを特徴とする請求項1〜4の入れかに記載のミシンの制御装置。
- 前記禁止期間は、縫針が針穴から抜けて再び針穴に挿通される迄の期間を含むことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のミシンの制御装置。
- 前記禁止期間以外の期間は、縫針が針穴に挿通されてから再び針穴から抜ける迄の期間に含まれることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のミシンの制御装置。
- 前記送り切換え指示手段は、手動操作によって作動するタッチバックスイッチを有することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のミシンの制御装置。
- 前記送り切換え指示手段は、フット操作可能なフットペダルを有することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のミシンの制御装置。
- 前記送り切換え指示手段は、操作パネルを介して設定された前止め縫いと後ろ止め縫いの針数であることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のミシンの制御装置。
- 縫針が下端部に装着された針棒と、縫製対象物を正送り方向と逆送り方向の何れか一方に択一的に送る送り歯を有する送り機構と、送り機構による送り方向を切換え可能なアクチュエータを有する送り切換え機構と、送り切換え機構による送り方向の切換えを指令する為の送り切換え指示手段とを備えたミシンの制御装置において、
ミシン主軸が1回転する間に送り切換え機構による送り方向の切換えを許可する許可期間を設定する許可期間設定手段と、
前記送り切換え指示手段から送り方向の切換え指令を受けた場合に、前記許可期間設定手段で設定された許可期間内に送り切換え機構を作動させるように制御する送り切換え制御手段と、
を備えたことを特徴とするミシンの制御装置。
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