JP2006284077A - 熱輻射反射炉 - Google Patents

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高正 坂井
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Abstract

【課題】炉内の各構成部位における蓄熱を解消ないしは低減すると共に、排気に伴う輻射エネルギーの損失等を抑える一方、輻射エネルギーはできるだけ炉内に封じ込めて効率的に利用することができ、高温信頼性を確保しつつ実用に十分供することのできる熱輻射反射炉を提供する。
【解決手段】 内面に金膜が形成された耐熱管2と第1内管(石英管)3との間に、空気断熱層となる第1の間隙21、第1内管3と第2内管(プロセスチューブ)4との間に第2の間隙22がそれぞれ設けられている。第2の間隙22内にはヒータ5だ配置されている。耐熱管2の外面は水冷ジャケット1に囲まれ、両者の間には、冷媒の通気路となる第3の間隙23が設けられている。耐熱管2は水冷ジャケット1によって外面側から冷却され、その結果炉全体から外部へと放出される熱が冷却される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、円筒状金ミラー管の炉内部に熱輻射エネルギーを平衡状態で閉じ込めることによって炉内で均一な加熱状態を保つ熱輻射反射炉に関する。
従来、いわゆるゴールドファーネス(商標名)と呼ばれる熱輻射輻射反射炉が提案され、研究用途等に利用されている。この熱輻射反射炉では、円筒状ミラー管の内部に熱輻射エネルギーを閉じ込めることで、炉内の空気やガスを加熱する。
図7は、熱輻射反射炉の一般的な基本構造を、図8は、その炉内外での熱的収支状態をいわゆる熱モデルとして示したものである。最外周に配置された耐熱管101の内面にはコーティングにより金膜102が形成されており、この金膜102によって、赤外領域の輻射エネルギーを炉の内側に向かって反射して熱エネルギーの閉じ込めを行うようになっている。
耐熱管101の内側には、同心円状に大小2本の石英管103,104が配置されている。外側の石英管103は、耐熱管101に設けられた金膜102の保護のため、および耐熱管101の内面との間に空気断熱層105を形成するためのものである。従って、その間隙は内部での空気の対流を防ぐために20mm程度とし、かつその両端を例えばセラミックファイバーウール106によって塞いでいる。他方、内側の石英管104は、主に炉内の被処理物に対するヒータ汚染と高温のヒータ107に因る強い熱対流の発生とを回避する目的で設けられている。これら大小2本の石英管103,104同士の間隙は、ヒータ線107が収められる程度の必要最小限な大きさに設定されている。
炉内では、ヒータ線107以外に輻射エネルギーを遮るものはない。従って、輻射エネルギーは耐熱管101で囲まれた円筒空間内を自由に飛び回ることとなり、かつその耐熱管101の内外での熱輻射量が金膜102によって均衡状態に保たれて、図8に熱モデルで模式的に示したように、炉内の輻射平衡およひその維持が達成される。
金膜は一般に、図9に波長−反射率グラフで一例を示したような輻射エネルギー反射特性を有している。すなわち、近赤外部の輻射は反射し、可視部の輻射は透過する。この傾向は金膜102がある程度まで薄くなるにつれて益々顕著になる。図9には、炉内の各温度ごとでの黒体輻射のスペクトルを示しているが、炉内温度が高くなると、その温度に応じて一部のエネルギーを外部に輻射エネルギーの形で放出することになる。従って、炉の長手方向の各部において炉内温度が上がれば輻射を外部へ放出して炉内温度を下げる方向へと自己制御機能が働き、長手方向の各位置で供給された熱量と対応した温度での輻射平衡条件が成立することになる。すなわち、このとき炉の長手方向の熱流が無くても、各位置ごとにそれぞれローカルに輻射平衡条件によるエネルギー収支の均衡が行われて、炉の長手方向での均熱が達成される。この均熱は理論上、輻射によってのみ成立しているので、瞬時に均衡へと至ることとなる。このような炉内に輻射エネルギーを閉じ込める特性と金膜による反射特性とが相俟って、熱輻射反射炉の理論的に極めて良好な温度制御特性が特徴付けられる(例えば特許文献1)。
特開2001−196321号公報
近年、例えば半導体熱処理分野では、微細化およびウェハの大口径化が急速に進んでおり、これに対応するために熱処理技術の変革も生じてきている。熱処理は、他のプロセスと同様に、大別するとバッチ処理と枚葉処理との流れがあるが、一般に、生産性では圧倒的にバッチ処理に優位性があり、プロセス性能や諸条件の設定自由度の点では枚葉処理に優位性がある。しかし枚葉処理がプロセス性能全般で優れているとは必ずしも言い切れない。少なくとも現在、バッジ熱処理の主流となっている縦型拡散路が出現してからは、均一処理という観点からこれを凌駕した熱処理装置はないが、大口径化(300ミリ対応)の要求に対して完全には対応できない状況にあり、さらに短時間熱処理の点では本質的な限界がある。そのためRTP(Rapid Thermal Processing) 装置をはじめとする種々の短時間熱処理が、適材適所で選択されて利用されてるようになってきている。特にウェハそのものの熱平衡条件や実プロセスで要求される諸条件等を勘案すると、必ずしもRTP装置が目指す秒単位の短時間熱処理までは必要なく、分単位でも十分であり、それには熱輻射反射炉で十分に対応可能である。
一般に、熱輻射反射炉は、下記のような特質を有している。即ち、
(1)従来炉(断熱材炉)では期待できない優れたフラットランピング特性(50℃/分以上)が実現可能。
(2)炉長に対して得られる均熱長を、従来炉と比較して明らかに大きく取ることができ、結果的に炉長を従来よりも短くすることができる。結果として300ミリ対応炉でも200ミリ対応炉なみの外形寸法とすることができる。
(3)従来炉では、特性維持のために常に高温に保っておくことが必要であるが、熱輻射反射炉では、使用時にのみ高温にすればよいので、メンテナンス・装置管理が容易である。
(4)温度設定の自由度が高いので、複雑で煩雑な熱処理システムを構築しなくとも、実プロセスで問題となる自然酸化膜の発生を抑制できる。
しかしながら、上記のような多くの長所を有する熱輻射反射炉であるが、従来のそれは、実際上、理化学的な実験室レベルでの半導体の試作製造等のために用いられるものであり、実プロセスで使用することはできない。換言すれば、そのような実プロセスで使用可能なものとするためには、実用炉システムとしての高温信頼性を確保することが必要であるが、そのような実用レベルでの高温信頼性を確保するための技術については提案されていなかった。
このように、従来の熱輻射反射炉は、実用レベルでの使用が実質的に不可能なものであった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、炉内の各構成部位における蓄熱を解消ないしは低減すると共に、排気に伴う輻射エネルギーの損失等を抑える一方、輻射エネルギーはできるだけ炉内に封じ込めて効率的に利用することができ、高温信頼性を確保しつつ実用に十分供することのできる熱輻射反射炉を提供することにある。
本発明の熱輻射反射炉は、内面に金膜を有する耐熱管と、耐熱管の内側との間に、空気断熱層となる第1の間隙を有する第1内管と、第1内管の内側との間に第2の間隙を有する第2内管と、第2の間隙内に配置されたヒータ線と、耐熱管の外面との間に、冷媒の通気路となる第3の間隙を有する水冷ジャケットとを備えたものである。
本発明の熱輻射反射炉では、水冷ジャケットによって、耐熱管が外面側から冷却され、延いてはこの炉全体から外部へと放出される熱が冷却される。またそれと共に、耐熱管と水冷ジャケットとの間の第3の間隙が、耐熱管の外面を空冷するための冷媒の通気路として用いられ、耐熱管の蓄熱が冷却される。
ここで、前記第3の間隙は、3mm以下とすると共に前記耐熱管の外面の温度を500℃以下に保つように設定することが望ましい。
また、第2内管の少なくとも一端に、輻射断熱体として、環状の輻射エネルギー遮蔽板と環状の輻射エネルギー遮蔽板よりも直径の小さい円板状の輻射エネルギー遮蔽板とを主面同士が所定の間隙を有するように対面配置するようにしてもよい。
このようにすることにより、炉内の輻射エネルギーが外部へと排出されることを、環状の輻射エネルギー遮蔽板や円板状の輻射エネルギー遮蔽板の主面の存在によって抑えつつ、炉内の高温空気または高温ガスは環状の輻射エネルギー遮蔽板と円板状の輻射エネルギー遮蔽板との間隙を縫うようにして効率的に排出させることが可能となる。
また、この熱輻射反射炉では、冷媒通気路または水冷ラジエータを備えることにより、冷媒または第2内管から排出される高温空気もしくは高温ガスのうち少なくともいずれか一つを冷却するようにしてもよい。このような冷媒通気路または水冷ラジエータの付設により、この熱輻射反射炉から外部へと排出される冷媒または高温空気もしくは高温ガスを高温から冷ますことができる。
また、第2内管を一端が閉鎖されたベルジャ型としてもよい。
また、このベルジャ型の第2内管の閉鎖された一端側に、水冷ラジエータおよび輻射断熱体を配置し、水冷ラジエータにより、第2内管から輻射断熱体の間隙を通過して排出される高温空気もしくは高温ガスを冷却するようにしてもよい。
また、水冷ジャケットの内面に黒体化処理を施すことで、熱エネルギーの封じ込めをさらに確実に行うようにしてもよい。
本発明の熱輻射反射炉によれば、耐熱管の外側に水冷ジャケットを配置し、この水冷ジャケットと耐熱管との間に、冷媒の通気路となる第3の間隙を設けるようにしたので、炉内の各構成部位における蓄熱を解消ないしは低減することができると共に、炉内からの排気に伴う輻射エネルギーの損失等を抑える一方、輻射エネルギーをできるだけ炉内に封じ込めて、効率的に利用することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る熱輻射反射炉の構造を表したものである。この熱輻射反射炉は、水冷ジャケット1と、耐熱管2と、第1内管としての石英管3と、第2内管としてのプロセスチューブ4と、ヒータとしてのセラミック支持ヒータ5と、輻射断熱体6と、水冷ラジエータ7とを、その主要部として備えている。
水冷ジャケット1は、この熱輻射反射炉の再外周に配置されて、この熱輻射反射炉から輻射や伝導等によって外部へと放出されようとする熱をここで吸収するためのものである。この水冷ジャケット1の内面には、黒体化処理が施されており、炉内への熱エネルギーの封じ込めをさらに確実なものとしている。
耐熱材料からなる耐熱管2は、内面に金膜をコーティングしてなるもので、水冷ジャケット1の内側に間隙(第3の間隙)23を有して同心円状に配置されている。第3の間隙23は、耐熱管2の外面(外周側の表面)を空冷するための空気(冷媒)の通気路となっている。この第3の間隙23は、例えば3mm以下であり、これにより外面の温度を500℃以下に保つことができるようになっている。
石英管3は、耐熱管2の内側に間隙(第1の間隙)21を有して同心円状に配置されている。この第1の間隙21はその内外間の空気断熱層として機能する。
プロセスチューブ4は、石英管3の内側に間隙(第2の間隙)22を有して同心円状に配置された、石英からなる所謂ベルジャ型のもので、その内部に被加熱処理物を収容する。第2の間隙22内にはセラミック支持ヒータ5が配置されている。このセラミック支持ヒータ5は、外部からヒータ線51に電流が供給されて発熱し、炉内に熱エネルギーを提供する熱源である。
輻射断熱体6はベルジャ型の熱輻射反射炉の上部(天井部)に設けられている。この輻射断熱体6は、第2の間隙22を通って炉外へと排出される高温空気(冷媒)を通過させる一方、炉内の輻射エネルギーは炉内に極力閉じ込めるようにするためのものである。さらに具体的には、この輻射断熱体6は、図2(A),(B)に示したように、輻射断熱板からなる環状の輻射エネルギー遮蔽板61と、その環状の輻射エネルギー遮蔽板61よりも直径の小さい、同様の輻射断熱板からなる円板状の輻射エネルギー遮蔽板62とを、それらの主面同士が所定の間隙63を有して対面配置した構造を有している。炉外へと排出される高温空気は、この輻射断熱体6の間隙63を縫うようにして流れて炉外へと導かれる。他方、炉内をランダムに飛び交う輻射エネルギーは、この輻射断熱体6の輻射エネルギー遮蔽板61および輻射エネルギー遮蔽板62の主面でトラップされ再び炉内へと輻射されるので、炉外へと抜けて行くことが防止される。ここで、輻射エネルギー遮蔽板61および輻射エネルギー遮蔽板62を重ねた枚数をNとすると、外部へと抜けて行く輻射エネルギーWは、次式に従って枚数Nが大きくなるほど減衰する。なお、αは所定の係数、W0 は入射エネルギーを表している。
W=[α/(N+1)]・W0
水冷ラジエータ7は、熱輻射反射炉の上部に設けられている。この水冷ラジエータ7は、輻射断熱体6を通過して排出される高温空気と、第2の間隙22を通って排出される空気および第3の間隙23を通って排出される空気を、冷却フィン71およびウォータジャケット(図示省略)によって冷却するためのものである。
次に、この熱輻射反射炉の作用について説明する。
耐熱管2の外面との間に間隙(第3の間隙23)を有する水冷ジャケット1が、耐熱管2の水冷を行う。この水冷によって、反射炉全体から外部へと放出される熱が冷却されることとなる。またそれと共に、第3の間隙23が例えば空気のような冷媒の通気路として用いられて、その冷媒によって耐熱管2の外面が空冷され、耐熱管2の蓄熱が冷却される。
また、炉内の輻射エネルギーが外部へと排出されることを、環状の輻射エネルギー遮蔽板61や円板状の輻射エネルギー遮蔽板62の主面の存在によって抑えつつ、炉内の高温空気または高温ガスは環状の輻射エネルギー遮蔽板61と円板状の輻射エネルギー遮蔽板62との間隙63を縫うようにして外部へと効率的に排出させることができる。
また、水冷ラジエータ7の付設により、この熱輻射反射炉から外部へと排出される冷媒や炉内からの高温空気を低温化して、安全に排出することができる。
更に、水冷ジャケット1の内面に黒体化処理が施されているので、熱エネルギーの封じ込めをさらに確実に行うことができる。
以下、典型的な条件を具体的に設定し、その条件に対応した1つの熱収支モデルを想定し、それに基づいて、この熱輻射反射炉の作用について説明する。図3は、この熱輻射反射炉における水冷ジャケット1内での熱収支を模式的に説明するための一部省略断面図である。
設定条件は、
(1)ヒータ部(セラミック支持ヒータ5の実質的な炉部分)の直径60mm、長さ500mmで、1000℃の熱平衡条件。 ((2)セラミック支持ヒータ5と耐熱管2との間の合計間隙は、空気断熱が完全に成立しているものと仮定して、10mm。
(3)耐熱管2の直径80mm、長さ500mm。
(4)各部位の輻射係数は計算の簡潔化のために1と仮定。
セラミック支持ヒータ5から発せられたエネルギーは、輻射として炉壁で反射を繰り返し、極めて短時間で均一化される。また、熱伝導についても、短時間で同心円状に広がって行く。この炉のほぼ最外周には金膜が設けられているので、セラミック支持ヒータ5から発せられた熱輻射エネルギーはその金膜で繰り返し反射されてエルゴート系を成す。熱伝導は、空気伝導で炉の中心部から外周方向へと拡散して行く。
セラミック支持ヒータ5から発せられた熱エネルギーは、耐熱管2の温度に関係なくセラミック支持ヒータ5から一次的に輻射される、およびその他の各部位から二次的に輻射される。
1000℃の状態において、石英管3およびプロセスチューブ4から二次的に輻射されるエネルギー量Wは、単位面積当り14.95[W]の出力と石英管3およびプロセスチューブ4の表面積S=3768[cm2 ]とから、
W1=14.95×3,768=56,331[W]
となる。
また、セラミック支持ヒータ5のヒータ素線の表面からの二次輻射は、ヒータ素線は1.2[mm]直径で16[m]であり、その表面積が32.7[cm2 ]となるから、
W2=14.95×32.7=488.9[W]
となる。
これらの輻射エネルギーが耐熱管2の内壁(その面積S=π×8.50+π×16×2=1325[cm2 ])に均一に到達すると仮定すると、単位面積当り56819.9/1325=42.9[W/cm2 ]の輻射エネルギーが耐熱管2の内壁に達するものと計算される。
1000℃の輻射スペクトルの範囲では、金膜の反射率はほぼ98%であるから、耐熱管2に供給(吸収)される熱エネルギーの合計量は、
42.9×0.02=0.858[W/cm2 ]
となる。
他方、空気伝導によって耐熱管2の内壁に達する熱量は、耐熱管2の温度をTとして、平行平板近似すると、
W=λΔT/l=2.41×10−4×(1000−T)[W/cm2 ]
となる。
この耐熱管2に達する熱エネルギーのうち、空気伝導によるものはその全てが耐熱管2を加熱し、また輻射エネルギーの一部が耐熱管2を通過する過程で吸収されてその耐熱管2を加熱する。
図4は、1000℃における輻射スペクトルと耐熱管の透過特性との相関の一例を示した特性図である。波長3[μm]以下の領域では、ほとんどのスペクトルの輻射が透過することが見て取れる。ここでは、計算の簡潔化のために、実際に50%が透過するものと仮定する。
耐熱管2の外周を、24℃に保つように制御された略円筒状の水冷ジャケット1で覆っているものとする。その耐熱管2の外面と水冷ジャケット1の内面との第3の間隙23の寸法をdとし、その第3の間隙23の空気層を介した伝導によって水冷ジャケット1が耐熱管2の外面から熱を取り去るものとモデル化すると、熱平衡条件下では次式が成立する。
0.858×0.5+2.41×10−4×(1000−T)=2.41×10−4×(T−24)/d
但し、上式による計算では、300℃程度の低温での結果に注目しているので、耐熱管2の再輻射(二次輻射)については算入を省略してある。
この式からTを求めると、図5に示したように、d=1[mm]程度でも、300℃以下に収めることができる。実際には、吸収率はさらに小さく、かつ耐熱管2からの再輻射もあるので、さらに低い温度になる。よって、このようにして冷却することで、炉内の過熱を防いで、高温信頼性の高い熱輻射反射炉を実現することが可能となる。このd、すなわち第3の間隙23を、3[mm]以下とすることで、耐熱管2の外面の温度を500℃以下に保つように設定することが可能である。
この場合、重要な前提条件として、耐熱管2を透過した輻射エネルギーが水冷ジャケット1の内面でほぼ完全に吸収されることが必要である。従って、水冷ジャケット1の内面には黒体化処理を施すことが極めて望ましい。
なお、本発明に係る熱輻射反射炉は、上記実施の形態にて説明したようなベルジャ型の他にも、図6に一例を示したような直管状とすることも可能である。ここで、図6では、説明の簡易化のために図1,2等と同様の部位については同じ符号を付してある。すなわち、直管状の熱輻射反射炉では、プロセスチューブ4が直管状になっていて、その両端に輻射断熱体6が設けられている。その一端が炉内雰囲気導入口、他端が排出口となっている。このような形式の熱輻射反射炉とすることも可能である。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各部位の形成材料等、種々の変形が可能であることは云うまでもない。
本発明の一実施の形態に係る熱輻射反射炉の構造を示した断面図である。 輻射断熱体の構造を表した斜視図(A)および断面図(B)である。 水冷ジャケット内での熱収支を説明するための一部省略断面図である。 輻射スペクトルと耐熱管の透過特性との相関の一例を表す特性図である。 炉内における間隙dと温度との相関の一例を表す特性図である。 熱輻射反射炉の変形例を表す断面図である。 熱輻射反射炉の一般的な基本構造を示す断面図である。 炉内外での熱的収支状態を熱モデルとして示した模式図である。 金膜による波長−反射率の相関を表した特性図である。
符号の説明
1…水冷ジャケット、2…耐熱管、3…石英管、4…プロセスチューブ、5…セラミック支持ヒータ、6…輻射断熱体、7…水冷ラジエータ。

Claims (7)

  1. 内面に金膜を有する耐熱管と、
    前記耐熱管の内側との間に、空気断熱層となる第1の間隙を有する第1内管と、
    前記第1内管の内側との間に第2の間隙を有する第2内管と、
    前記第2の間隙内に配置されたヒータ線と、
    前記耐熱管の外面との間に、冷媒の通気路となる第3の間隙を有する水冷ジャケットと
    を備えたことを特徴とする熱輻射反射炉。
  2. 前記第3の間隙を3mm以下とすると共に前記耐熱管の外面の温度を500℃以下に保つように設定した
    ことを特徴とする請求項1記載の熱輻射反射炉。
  3. 前記第2内管の少なくとも一端に、環状の輻射エネルギー遮蔽板と前記環状の輻射エネルギー遮蔽板よりも直径の小さな円板状の輻射エネルギー遮蔽板とを主面同士が所定の間隙を有して対面配置してなる輻射断熱体を備えた
    ことを特徴とする請求項1または2記載の熱輻射反射炉。
  4. 冷媒通気路または前記第2内管から排出される高温空気もしくは高温ガスのうち少なくともいずれか一つを冷却するための水冷ラジエータをさらに備えた
    ことを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載の熱輻射反射炉。
  5. 前記第2内管は一端が閉鎖されたベルジャ型である
    ことを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の熱輻射反射炉。
  6. 前記ベルジャ型の第2内管の閉鎖端側に前記水冷ラジエータおよび前記輻射断熱体を配置し、前記第2内管から前記輻射断熱体の間隙を通過して排出される高温空気もしくは高温ガスを前記水冷ラジエータで冷却する
    ことを特徴とする請求項5記載の熱輻射反射炉。
  7. 前記水冷ジャケットが、内面に黒体化処理を施してなるものである
    ことを特徴とする請求項1ないし6のうちいずれか1項に記載の熱輻射反射炉。

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