JPH10163122A - 半導体ウエハの熱処理装置及び炉心管 - Google Patents

半導体ウエハの熱処理装置及び炉心管

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JPH10163122A
JPH10163122A JP8319916A JP31991696A JPH10163122A JP H10163122 A JPH10163122 A JP H10163122A JP 8319916 A JP8319916 A JP 8319916A JP 31991696 A JP31991696 A JP 31991696A JP H10163122 A JPH10163122 A JP H10163122A
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JP
Japan
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heat
tube
heat treatment
furnace tube
furnace
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JP8319916A
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English (en)
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Toshishige Matsumura
利栄 松村
Kiyomitsu Isobe
清光 磯部
Hiroshi Kimura
博至 木村
Kazuhisa Shimazu
和久 島津
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Tokyo Electron Ltd
Shin Etsu Quartz Products Co Ltd
Fukui Shin Etsu Quartz Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Shin Etsu Quartz Products Co Ltd
Fukui Shin Etsu Quartz Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体ウエハの熱処理装置におけるウエハ取
り出し時の急激な温度低下を防ぎ、プレヒートによる加
熱を押さえてエネルギーロスを少なくし、炉体周囲の物
品の劣化を押さえ、さらに炉心管内の特にウエハ載置領
域の均熱性の向上を図ることができるようにした半導体
ウエハの熱処理装置及びこの熱処理装置に好適に使用さ
れる炉心管を提供する。 【解決手段】 同心状に配置された加熱源と、ドーム状
上端部と開口下端部とを有しかつ該加熱源の内側に配置
される少なくとも一つの炉心管と、半導体ウエハを複数
枚載置しかつ該炉心管内に出し入れ自在に配置される縦
型ウエハ処理治具と、該炉心管内に雰囲気ガスを導入す
る雰囲気ガス導入手段と、該炉心管内から雰囲気ガスを
排出する雰囲気ガス排出手段とを具備し、輻射熱の散乱
手段と伝導熱の断熱手段を有する遮熱材料からなる遮熱
手段を該炉心管のドーム状上端部側に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ICやLSI等の
製造に用いられる半導体ウエハ(以下、単にウエハとい
うことがある)の熱処理に利用されるものであって、電
気炉内でウエハの熱処理を行う際に使用されるウエハの
熱処理装置及びこのウエハの熱処理装置に好適に使用さ
れる炉心管に関する。
【0002】
【関連技術】従来、シリコンウエハ等の半導体ウエハの
各種熱処理工程(例えば、CVD、熱拡散、熱酸化工程
等)に用いられる熱処理装置としては、図7に示すよう
なバッチ式の熱処理装置2が一般的に使用されている。
【0003】この熱処理装置2は、同心円筒状に配置さ
れた加熱源4(カンタル線ヒーターや加熱ランプ等)
と、その内側に配置された炉心管6(一般には石英ガラ
ス又はSiC製のものが使われる)と、半導体ウエハW
を複数枚載置する縦型ウエハ処理治具8(石英ガラス又
はSiC製で、通常「縦型ボート」と称される)と、そ
の縦型ウエハ処理治具8を保持する保持台10と、その
下部にあって熱処理時に炉心管6の開口下端部を塞ぐキ
ャップ12と、該縦型ウエハ処理治具8、保持台10、
キャップ12を炉心管6の内部に向かって上下させる昇
降手段14とからなっている。
【0004】また、該熱処理装置2には、半導体ウエハ
Wの熱処理時及びその前後に炉心管6内部の雰囲気を所
定の状態(反応ガスが満たされた減圧、又は加圧、常
圧)に保つために雰囲気ガスの導入手段16及び排出手
段18が設けられている。なお、19は炉心管6の下端
部に設けられたフランジである。
【0005】半導体ウエハWの熱処理を行なうには、先
ず該熱処理装置2の下方の炉心管6の外に取り出されて
いる縦型ウエハ処理治具8に半導体ウエハWを装填し、
ついでその縦型ウエハ処理治具8、保持台10及びキャ
ップ12を一緒に昇降手段14により上昇させて炉心管
6内に半導体ウエハWを挿入する。
【0006】そして、雰囲気ガスの排気手段18より内
部の雰囲気ガスを排気した後に徐々に導入手段16から
半導体ウエハWの表面処理用の雰囲気ガスを導入しつ
つ、炉心管6の外部の加熱源4から熱を加えながら半導
体ウエハWの熱処理を行う。
【0007】半導体ウエハWの熱処理中は、炉心管6内
は500〜1100℃の所定の温度と所定の温度分布に
保たれ、半導体ウエハWの表面に所定の熱処理(CV
D、熱拡散、アニール等)が行われる。この時の温度分
布は、炉心管6内の全てのウエハWを均一に歩留まり良
く処理するために重要なことは言うまでもない。
【0008】熱処理後は、昇降手段14により縦型ウエ
ハ処理治具8、保持台10及びキャップ12は下方に移
動せしめられ、炉心管6内は開放状態になり、熱処理を
受けたウエハWが取り出される。
【0009】この時、炉心管6内の温度は、処理温度以
下まで急激に下がり、次に新たな半導体ウエハWを縦型
ウエハ処理治具8に装填し、熱処理を行う際には、再び
加熱源4によって加熱を行い、炉心管6内の温度は所定
の処理温度まで再び上げられる。
【0010】従来、半導体ウエハWの熱処理にはこのよ
うな操作が繰り返されるわけである。先の熱処理終了
後、次の熱処理を行う際の加熱において炉心管6内を再
び所定の温度と所定の温度分布にする必要があるが、前
述の通り、炉心管6内の温度はウエハWの取り出し時に
急激に下がってしまい、所定の温度と所定の温度分布と
するためには長時間の再加熱を必要とする。
【0011】このような炉心管6の再加熱処理は、熱処
理のサイクルを長くし加熱エネルギーコストの無駄だけ
でなく、半導体ウエハWの処理の生産性を著しく低下さ
せる要因となっていた。
【0012】現実には、炉心管6内の温度分布が十分に
安定しない状態でウエハWの熱処理が行われ、縦型ウエ
ハ処理治具8の上下に位置するかなりの枚数のウエハW
に対する熱処理が不均一となってしまう等の問題が発生
していた。
【0013】そこで、ウエハWの取り出し時の炉心管6
内の急激な温度低下を防ぐため、熱処理を行っていな
い間にも加熱源4からのプレヒートを行ったり、炉心
管6の炉口からの熱の放散を避けるために縦型ウエハ処
理治具8が炉心管6外にあるときにもキャップ12によ
って炉心管6の炉口を塞げるようにしたり、特開昭6
−338455号公報に記載されるように炉心管6の炉
口近傍部分に配置した円筒管を気泡を多数含んでいる不
透明石英で構成したりする等の対策が提案され、実際に
幾つかは実施されている。
【0014】しかしながら、例えば、上記したやの
対策では炉心管6の炉口付近の急激な温度低下をある程
度は防ぐことが可能であったが、それでも炉心管6の炉
内の温度は低下し、温度分布も大きく変化するなどの問
題があり、結果として、上記対策にしたがって、プレ
ヒートを併用し内部の温度を保つ必要があった。
【0015】また、対策のプレヒートを行った場合に
は、ある程度炉心管6の炉内の温度を保つことが可能で
あったが、常に加熱を行わなければならず、熱処理時と
同等のエネルギーコストがかかるだけでなく、結果とし
て炉心管6の内部から放散した熱が常に炉体各部に伝達
し、炉体や周囲の物品(特に排気手段やガス導入ライ
ン)の劣化を早めることになっていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記し
た従来技術の問題点に鑑み、炉心管における温度低下の
要因及びその作用について種々の試験及び検討を行った
結果、次のような知見を得た。
【0017】(1)縦型熱処理炉において、処理中に加
熱源から投入された熱エネルギーは、炉心管6本体と炉
心管6内の雰囲気に蓄積されている。また、外気より温
度の高い炉心管6内雰囲気は、通常は上昇力が強く炉心
管6内から外への流出は起こらない。
【0018】(2)基本的に処理済みの半導体ウエハW
の取り出し時に冷たい外気が、縦型ウエハ処理治具8
(縦型ボート)の炉心管6外への下降と入れ替わりに炉
心管6内に進入する。この冷たい外気は残留する雰囲気
ガスと混合すること並びに炉心管6から蓄積熱を吸収す
ることにより、その温度が上昇し残留雰囲気と同化する
ことになる。よって、熱処理時の熱エネルギーの蓄積に
は、炉心管内に外気との温度差により止まっている雰囲
気ガスが重要な役割を担うと考えられる。
【0019】(3)したがって、蓄積された熱エネルギ
ーの放散は、雰囲気ガスから伝達された熱が炉心管6の
管壁を伝導し外部に漏れるもの、雰囲気ガス及び炉心管
6から放散される輻射熱として外部に漏れるもの、雰囲
気ガス自身の流出や雰囲気ガスの低温部への接触による
外部への漏れに起因することになり、これらの熱放散の
要因を規制することが考慮すべき問題となる。
【0020】これらの知見をもとに、なぜ従来の前記し
た対策、では十分な効果が得られないのかをさらに
検討した結果、次の結論を得た。
【0021】(4)熱エネルギー流出には、炉心管内部
の、特に温度が高くかつ熱エネルギーを多く蓄えている
炉心管上部付近の雰囲気が重要な役割を持っており、こ
こからの熱エネルギーの放散を防止する必要がある。
【0022】(5)よって、従来の、の対策のみで
は炉心管上部付近の雰囲気からの熱の放散を防ぐことは
出来ず、結果として温度保持の十分な効果が得られなか
った。
【0023】本発明者らはこれらの知見及び結論をもと
に、創意工夫と試作試験を重ねることによって、本発明
に到達したものである。
【0024】本発明の目的は、半導体ウエハの熱処理装
置におけるウエハ取り出し時の急激な温度低下を防ぎ、
プレヒートによる加熱を押さえてエネルギーロスを少な
くし、炉体周囲の物品の劣化を押さえ、さらに炉心管内
の特にウエハ載置領域の均熱性の向上を図ることができ
るようにした半導体ウエハの熱処理装置及びこの熱処理
装置に好適に使用される炉心管を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の炉心管は、一端部を閉塞端部とし他端部を
開口端部とした炉心管であって、該閉塞端部を含む炉心
管壁に輻射熱の散乱手段と伝導熱の断熱手段を持った遮
熱材料からなる遮熱手段を設けたことを特徴とし、半導
体ウエハの熱処理装置に使用されるものである。
【0026】一端部を閉塞端部とし他端部を開口端部と
する構造は、内部高温雰囲気の上昇流出を防止するため
に必要なものである。実際上の構造としては、炉心管の
一端部をドーム状上端部とし、他端部を開口下端部とす
ればよい。
【0027】前記炉心管を石英ガラス管によって形成
し、その遮熱材料としては、石英ガラス管壁内に層状に
分散された微細な気泡群からなる気泡分散層を含む構造
を採用することができる。
【0028】石英ガラスであっても熱伝導はあり、ま
た、基本的に輻射熱に対して透明であるので、層状に気
泡群を設けて、気泡分散層と石英ガラスの界面で輻射熱
を散乱、反射させ、さらに気泡の空隙の効果により伝導
する熱を抑制することも可能である。
【0029】前記遮熱材料を設けた石英ガラス管壁部分
の内面の表面粗さとしては、Raで10μm以下とする
のが好ましい。
【0030】石英ガラス管からなる炉心管の内壁面の粗
さが粗いと雰囲気ガスと接触する内壁面の表面積が大き
くなる結果、炉心管壁内に熱を吸収し易くなり、炉心管
を介して熱伝導により外部へ熱を放出しやすくなる。こ
のような熱の放出を防ぐため、炉心管の内壁表面の粗さ
を出来るだけ小さくし、換言すれば、炉心管の内壁表面
積を出来るだけ小さくするのが好ましい。
【0031】また、石英ガラス管の内面の粗さを粗くし
ておくと、石英ガラス管壁内に入射した熱輻射が、管壁
内の層状の微細な気泡群からなる気泡分散層で散乱反射
されても、炉心管内面の凹凸で再び一部が散乱反射され
て、炉心管内部に反射して戻る割合が低下する。
【0032】さらに、当然炉心管内部の所定の雰囲気で
半導体ウエハは熱処理されるので炉心管内面の粗さが粗
いと副生成物等が堆積しやすく、これらがはがれてパー
ティクルの原因にもなる。よって、実質的には炉心管内
面の表面粗さがRaで10μm以下であることが好まし
い。
【0033】前記遮熱材料を設けた石英ガラス管壁部分
の外側表面層に、凹凸構造を形成するのがよい。この凹
凸構造としては、谷部(凹部)と山部(凸部)の差を1
0〜500μm(Rmax)程度とすればよい。
【0034】遮熱手段の内、輻射熱の散乱手段として、
石英ガラス管壁の外側表面層に凹凸構造を設けることは
簡単に行えるので好ましい。ただし、この凹凸構造は、
伝導熱による断熱手段としての機能は無いので、他の手
段(例えば、層状の微細な気泡群からなる気泡分散層)
と併用することが好ましい。
【0035】前記気泡分散層からなる遮熱材料を設けた
石英ガラス管壁の内面側の層を気泡の少ない透明な石英
ガラス層とするのが好ましい。
【0036】炉心管管壁に入射した輻射熱は、層状に分
散された微細な気泡からなる気泡分散層により散乱する
ことが可能であるが、散乱輻射した熱を炉心管内により
効果的に反射させるためには、輻射熱を気泡分散層に出
来るだけ垂直に入射する方が好ましく、透明の層を設け
ることにより鏡と同様な効果を持たせることが出来る。
【0037】また、半導体ウエハの熱処理のために、炉
心管は繰り返し使用され、雰囲気ガスと反応したり、付
着副生成物の洗浄などにより炉心管の表面が浸食され
て、分散された気泡が露出して開放泡になり副生成物等
がたまりやすくなり、パーティクルの原因になったり、
内面が実質的に凹凸状態になり、粗さが粗くなり反射効
率が落てしまう。よって、石英ガラス管の内側には透明
な層が存在するのが好ましい。
【0038】前記気泡分散層において、泡径100μm
以下の気泡の体積の合計が気泡分散層の体積の5〜30
%の範囲に含まれるのが好ましい。
【0039】輻射熱を散乱反射する微細気泡の分散層に
は、輻射熱を効率よく反射できる気泡群が存在すること
が好ましい。反射したい輻射熱は、600nm以上の赤
外領域の波長であり、これらを石英ガラスと気泡空間の
界面での屈折を利用して散乱させるには気泡径が大きい
と不利であり、小さい方が有利となる。
【0040】実質的には100μm以下の気泡が多数含
まれることが好ましく、数量的には多い方が反射効率が
高いが、多すぎると石英ガラスからなる炉心管壁自体の
断面積を減少させることになり、機械的な強度及び耐熱
強度を低下させる。
【0041】よって、実用的な反射が得られるのは10
〜100μmの気泡が分散層中に体積比で5%以上で、
逆に強度面から30%以下が好ましい。また、製造の容
易性から、より好ましくは10〜100μmの範囲の気
泡を1×104 〜30×10 4 個/cm3 の範囲で含む
層から形成されるのが良い。
【0042】一方、該気泡分散層の内面側にある透明な
層においては、逆に乱反射しやすい100μm以下の気
泡が少ない方が良く、含有体積比で1%以下であるのが
好ましい。実質的には、この透明層には、10〜100
μmの範囲の気泡が、2000個/cm3 以下存在する
のが好適である。
【0043】本発明の半導体ウエハの熱処理装置の第1
の態様は、同心状に配置された加熱源と、該加熱源の内
側に配置される少なくとも一つの炉心管と、半導体ウエ
ハを複数枚載置しかつ該炉心管内に出し入れ自在に配置
される縦型ウエハ処理治具と、該炉心管内に雰囲気ガス
を導入する雰囲気ガス導入手段と、該炉心管内から雰囲
気ガスを排出する雰囲気ガス排出手段とを具備し、該炉
心管として上記した本発明の炉心管を用いるものであ
る。この構成とすることにより、半導体ウエハの熱処理
が極めて効率的に行なわれることとなる。
【0044】本発明の半導体ウエハの熱処理装置第2の
態様は、同心状に配置された加熱源と、ドーム状上端部
と開口下端部とを有しかつ該加熱源の内側に配置される
少なくとも一つの炉心管と、半導体ウエハを複数枚載置
しかつ該炉心管内に出し入れ自在に配置される縦型ウエ
ハ処理治具と、該炉心管内に雰囲気ガスを導入する雰囲
気ガス導入手段と、該炉心管内から雰囲気ガスを排出す
る雰囲気ガス排出手段とを具備し、輻射熱の散乱手段と
伝導熱の断熱手段を有する遮熱材料からなる遮熱手段を
該炉心管のドーム状上端部側に設けたことを特徴とす
る。
【0045】本発明で用いられる遮熱手段は、本発明の
炉心管における構成のように炉心管のドーム状上端部を
含む石英ガラス管壁に設ける場合に限定されるものでは
なく、ドーム状上端部側、即ちドーム状上端部近傍に設
けた場合でも同様の作用効果を達成することができる。
【0046】つまり、上記のように炉心管の上部付近に
遮熱手段を設けることにより、上部滞留雰囲気からの炉
心管を介しての熱の流出を効果的に防止することができ
る。
【0047】前記遮熱材料が、分散された微細な気泡群
からなる気泡分散層を内部に有する石英ガラス壁材によ
って構成されるのが好適である。該遮熱材料を設けた石
英ガラス壁材の内面の表面粗さは、Raで10μmとす
るのが好ましい。
【0048】また、遮熱手段を構成する遮熱材料として
は、例えば、多孔質のセラミックス材料や気泡を含んだ
石英ガラス材料等が考えられるが、通常のセラミックス
材料は石英ガラス材料に比べて熱伝導しやすく、また熱
の吸収およびセラミックス材料自身からの吸収した熱の
2次輻射による放散もあり、石英ガラス材料の方がこの
点で優れている。
【0049】しかしながら、石英ガラス材料であっても
熱伝導はあり、また、基本的に輻射熱に対して透明であ
るので、層状に気泡を設けて、気泡と石英ガラス材料の
界面で輻射熱を散乱、反射させ、さらに気泡の空隙の効
果により伝導する熱も抑制することがより望ましい。
【0050】前記遮熱材料を設けた石英ガラス壁材の外
側表面層に凹凸構造を形成する構成を採用することがで
きる。この凹凸構造としては、谷部(凹部)と山部(凸
部)の差を10〜500μm(Rmax)程度とすれば
よい。
【0051】遮熱手段の内、輻射熱の散乱手段として、
遮熱材料の外側表面層に凹凸構造を設けることは簡単に
行えるので好ましい。ただし、この凹凸構造は、伝導熱
による断熱手段としての機能は無いので、他の手段(例
えば、気泡分散層)と併用することが好ましい。
【0052】前記気泡分散層からなる遮熱材料を設けた
石英ガラス壁材の内面側の層は、気泡の少ない透明な石
英ガラス層とするのが好ましい。
【0053】前記した炉心管の石英ガラス管壁の遮熱手
段についての構成は上記した石英ガラス壁材の遮熱手段
についても同様に適用し、同様の作用効果を達成するこ
とができるものである。
【0054】本発明の半導体ウエハの熱処理装置のいず
れの態様においても、半導体ウエハを載置した縦型ウエ
ハ処理治具を熱処理のために前記炉心管内に挿入した際
に、前記遮熱手段が該縦型ウエハ処理治具の最上端に位
置する半導体ウエハより上方に位置することが必要であ
る。
【0055】一般的にいえば、遮熱手段を設けるという
事は、炉心管の外部、特に加熱源からの熱の流入も遮断
することになるものであるから、遮熱手段を不適当な位
置に設けると、実際のウエハの熱処理の際に逆に処理温
度が不均一となる原因となり、極めて好ましくない事態
となる。したがって、遮熱手段は熱流出を効果的に防止
することができる部位に設けることが必要である。
【0056】また、前記遮熱手段は、該炉心管をそのド
ーム状上端部側から見て該被熱処理半導体ウエハの表面
積よりも広い範囲を覆うように構成される。
【0057】上記した遮熱手段が半導体ウエハの表面を
覆う構造でないと、熱の放散の違いにより、特に大きな
口径ウエハ(直径200mm以上)では処理中のウエハ
面内の温度分布が不均一となるので、該遮熱手段は半導
体ウエハの表面を覆う構造とすることが必要である。
【0058】前記雰囲気ガス導入手段及び排出手段の炉
外への開口端部が、前記炉心管のドーム状上端部側の遮
熱手段よりも下方に位置するように配置する構造を採用
するのが好ましい。
【0059】炉心管上部に滞留する雰囲気ガスは、たえ
ず上昇しようとしており、雰囲気ガスの導入手段及び排
出手段の炉外への開口端部が遮熱手段より上方にある
と、これを伝い逃げることになる。
【0060】この時、雰囲気の移動にともなう熱の流出
も問題(特に排気系では、熱処理中の高温雰囲気を処理
するための水冷機構がついている場合が多く、上昇する
雰囲気ガスを通して熱の大きな放出の要因となる)とな
るが、さらに高温雰囲気ガスが導入手段及び排出手段の
経路途中にあるシール材(一般にはテフロンや樹脂製の
パッキン等)に直接触れ劣化を招いたり、早めたりす
る。したがって、上記構成を採用するのが好適である。
【0061】本発明における遮熱手段は、炉心管のドー
ム状上端部側に設ければよいもので、特別の限定はな
い。例えば、この遮熱手段を設置する態様としては、図
1〜図5に示した本発明の半導体ウエハの熱処理装置の
第1の態様の場合のように炉心管のドーム状上端部に設
けるのが構造が簡単で好ましい。
【0062】しかし、遮熱手段の設置態様としては、図
1〜図5の例に限定されるものではなく、例えば、図6
に示したように、縦型ウエハ処理治具と炉心管上端部の
内面との間に、円盤又はドーム状の石英ガラス壁材から
なる遮熱手段を別個に設けることもできる。
【0063】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面中、図1〜図6に基づいて説明する。
【0064】図1は本発明の半導体ウエハの熱処理装置
22を示す断面的説明図である。該熱処理装置22は、
図7に示した従来の半導体ウエハの熱処理装置2と同様
に、同心円筒状に配置された加熱源24(カンタル線ヒ
ーターや加熱ランプ等)と、その内側に配置された炉心
管26(石英ガラス又はSiC製等)とを有している。
炉心管26の材質についての限定も特別ないが、図示の
例では炉心管26として石英ガラス管を用いた場合につ
いて説明している。
【0065】28は半導体ウエハWを複数枚載置する縦
型ウエハ処理治具(石英ガラス又はSiC製で、通常
「縦型ボート」と称される)で、該炉心管26内に出し
入れ可能に設置される。
【0066】該縦型ウエハ処理治具28は、保持台30
上に保持される。該保持台30の下部にはキャップ32
が設けられている。該キャップ32は熱処理時に該炉心
管26の開口下端部を塞ぐように作用する。
【0067】該キャップ32の下面側には昇降手段34
が設けられている。該縦型ウエハ処理治具28、保持台
30及びキャップ32は、該昇降手段34によって該炉
心管26の内部に向かって上下方向に移動可能とされて
いる。
【0068】また、該熱処理装置22には、半導体ウエ
ハWの熱処理時及びその前後に炉心管26内部の雰囲気
ガスを所定の状態(反応ガスが満たされた減圧、加圧又
は常圧)に保つために雰囲気ガス導入手段36及び排出
手段38が設けられている。
【0069】従来の熱処理装置2(図7)においては、
雰囲気ガスの導入手段16及び排出手段18の設定位置
に対する制限は特別存在せず、これらの手段16及び1
8を図7に示したように炉心管6の上端部に設置するこ
とも普通に行なわれていた。
【0070】本発明の特徴的構成の一つにおいては、雰
囲気ガス導入手段36及び排出手段38を後述するよう
に所定の態様で設置するようにしている。
【0071】しかして、該炉心管26はドーム状上端部
26aと開口下端部26bとを有している。該炉心管2
6の上部にドーム状上端部26aを設けることにより、
炉心管26内部の高温雰囲気ガスの上昇流出が防止され
る。
【0072】該ドーム状上端部26aには遮熱材料から
なる遮熱手段40が設けられている。該遮熱手段40
は、前述した従来技術の問題点に鑑み、炉心管26の上
部付近からの熱エネルギーの放散、即ち炉心管26内の
上部滞留雰囲気からの炉心管26を介しての熱の流出を
防ぐために、本発明者によって創出されたもので、本発
明の眼目となるものである。
【0073】熱エネルギーの放散は輻射熱として外部に
漏れるものと伝導熱として外部に漏れるものとがある。
したがって、該遮熱手段40は、輻射熱に対する遮熱作
用を行なうものとして輻射熱の分散手段及び伝導熱に対
する遮熱作用を行なうものとして伝導熱の断熱手段を有
することが必要である。
【0074】該遮熱手段40は、上述したごとく、炉心
管26の上部付近からの熱エネルギーの放散又は流出を
防ぐ作用を行なえばよいものであるから種々の態様が考
えられるが、少なくとも該遮熱手段40の設置位置とし
ては、炉心管26のドーム状上端部26a側、即ちドー
ム状上端部26aの壁体内(例えば、図1〜図5に示し
た例)か、またはその近傍(例えば、図6に示した例)
等に限定されることが必要である。
【0075】該遮熱手段40を設けること自体は、炉心
管26の外部、特に加熱源24からの熱の流入をも遮断
することになり、実際のウエハWの熱処理の際に逆に処
理温度が不均一となる原因となり、極めて好ましくない
ことである。つまり、遮熱手段40を設けるという着想
自体は上記した技術常識に反することであり、当業者が
それを採用することは困難性を伴なうものなのである。
【0076】しかしながら、上述したように遮熱手段4
0の設置位置を限定することによって従来技術の問題点
を効果的に解決することができかつ本発明の目的を実現
することができたものである。
【0077】該遮熱手段40は、さらに別の観点から言
えば、前記縦型ウエハ処理治具28に半導体ウエハWを
載置し、熱処理のために該炉心管26内に該縦型ウエハ
処理治具28を挿入した際に該縦型ウエハ処理治具28
の最上端に位置する半導体ウエハWより上方に位置する
必要がある。
【0078】該遮熱手段40は、該炉心管26をそのド
ーム状上端部26a側から見て該被熱処理半導体ウエハ
Wの表面積よりも広い範囲を覆うように構成されてい
る。
【0079】該遮熱手段40が、該半導体ウエハWの表
面を覆う構造でないと、熱の放散の違いにより特に大き
な口径のウエハ(直径200mm以上)では処理中のウ
エハWの面内の温度分布が不均一になり問題となる場合
がある。
【0080】前記した雰囲気ガス導入手段36及び排出
手段38の炉外への開口端部は該炉心管26のドーム状
上端部26aに設けられた遮熱手段40よりも下方に位
置するように設けられている。図1に示した例では、該
導入手段36及び排出手段38は該炉心管26の下端部
に設けられている。
【0081】炉心管26の上部に滞留する雰囲気ガス
は、たえず上昇しようとしており、雰囲気ガスの導入手
段36及び排出手段38の炉外への開口端部が遮熱手段
40よりも上方にあると、炉心管26内の熱エネルギー
はこの導入手段36及び排出手段38を伝わって逃げる
ことになる。
【0082】この時、雰囲気ガスの移動にともなう熱エ
ネルギーの流出も問題(特に排気系では、熱処理中の高
温雰囲気ガスを処理するための水冷機構がついている場
合が多く、上昇する雰囲気ガスを通して熱が放散してし
まう大きな要因となる)となるが、さらに高温雰囲気ガ
スが導入手段36及び排出手段38の経路途中にあるシ
ール材(テフロン等の合成樹脂製のパッキン等)に直接
触れ劣化を招いたり、早めたりする不利がある。
【0083】図1〜図5に示した例では、熱処理装置2
2の一部を構成する炉心管26のドーム状上端部26a
に遮熱材料からなる遮熱手段40を設けた場合を示して
いる。本発明はこの遮熱手段40を具備した炉心管26
にも及ぶものであり、以下にこの炉心管26の構造につ
いて説明する。
【0084】図2は本発明の炉心管26を示す斜視図、
図3は図2の要部の拡大断面図、図4は図3の矢視A部
分の拡大図及び図5は遮熱手段による遮熱作用の1例を
示す拡大説明図である。
【0085】図2において、石英ガラス製炉心管26は
ドーム状上端部26a及び下端開口部26bを有してい
る。このような構成とするのは、内部高温雰囲気ガスの
上昇流出を防止するためである。
【0086】該ドーム状上端部26aの管壁内には層状
に分散された微細な気泡42a群からなる気泡分散層4
2を含む輻射熱の散乱手段と伝導熱の断熱手段を有する
遮熱材料からなる遮熱手段40が設けられている。
【0087】該炉心管26が石英ガラス製であっても熱
伝導はあり、また、基本的に輻射熱に対して透明である
ので層状に分散された微細な気泡42a群からなる気泡
分散層42を設け、該気泡分散層42と石英ガラスの界
面で輻射熱を散乱、反射させ、さらに気泡の空隙の効果
により伝導する熱を抑制することが必要である。
【0088】該炉心管26の遮熱手段40を有する石英
ガラス部分の内面の表面粗さはRaで10μm以下とさ
れている。炉心管26の内壁面の粗さが粗いと雰囲気ガ
スと接触する表面積が大きくなり、炉心管26の壁内に
熱を吸収し易くなり、炉心管26を介して熱伝導により
外部へ熱を放出しやすくなる。
【0089】このような熱の放出を防ぐために、炉心管
26の内壁面の表面粗さを小さくし、雰囲気ガスと接触
する表面積を出来るだけ小さくすることが好ましいもの
である。
【0090】また、炉心管26の内壁面の表面が粗い
と、石英ガラス製管壁内に入射した輻射熱が管壁内の層
状の微細な気泡で散乱反射されても、炉心管6の内壁面
の表面粗さに起因する凹凸で再び一部が散乱反射され
て、炉心管26の壁体内に反射して戻る割合が低下す
る。
【0091】さらに、炉心管26の内部の所定の雰囲気
で半導体ウエハWを熱処理するので、炉心管26の内壁
面の粗さが粗いと副生成物等が堆積しやすく、これらの
副生成物等がはがれてパーティクルの原因にもなるとい
う不利が生ずる。
【0092】上述したような不利は、炉心管26の内壁
面の表面粗さが大きい場合に生ずるもので、表面粗さを
極小にすればこのような不利は解消されるが、実質的に
は炉心管26の内壁面の表面粗さをRaで10μm以下
とすれば充分である。
【0093】該炉心管26の遮熱手段40を設けた部分
の石英ガラス管壁の外側表面には凹凸構造41が形成さ
れている(図5)。図5に示したように、この凹凸構造
41は遮熱手段40の内の輻射熱の散乱手段として作用
する。
【0094】この凹凸構造41は簡単に形成することが
できるので好適であるが、伝導熱による断熱手段として
の機能を果すことはできないので、他の手段(例えば、
層状の微細な気泡42a群からなる気泡分散層42)と
併用することにより、その機能は一層向上する。
【0095】この凹凸構造41としては、谷部(凹部)
と山部(凸部)の差が10〜500μm(Rmax)程
度となるようにすれば充分である。
【0096】該層状に分散された微細な気泡42a群か
らなる気泡分散層42を含む遮熱手段40を形成した炉
心管26のドーム状上端部26aの管壁内面側の層は、
気泡の少ない透明な石英ガラス層44となっている。
【0097】炉心管26の管壁に入射した輻射熱は、層
状に分散された微細な気泡分散層42を含む遮熱材料か
らなる遮熱手段40により散乱することが可能である。
この散乱輻射を炉心管26内により効果的に反射するた
めには、気泡分散層42に出来るだけ垂直に入射した方
が好適であり、透明石英ガラス層44を設けることによ
り鏡と同様な効果を持たせることができる。
【0098】また、半導体ウエハWの熱処理のために、
炉心管26が繰り返し使用され、雰囲気ガスと反応した
り、付着副生成物の洗浄などにより炉心管26の表面が
浸食される。その結果、気泡分散層42の気泡が露出し
て開放泡となる。この開放泡には、副生成物等がたまり
やすく、パーティクルの原因となる。
【0099】その他に、この開放泡の生成により炉心管
26の壁体内面は実質的に凹凸状となり、その結果壁体
内面の表面粗さは粗くなり、反射効率は落ちてしまう。
これらの弊害の発生を回避するためには、炉心管26の
気泡分散層42の内側には透明石英ガラス層44を設け
るのが好ましい。
【0100】該気泡分散層42は、泡径100μm以下
の気泡の体積の合計が気泡分散層42の体積の5〜30
%の範囲に含まれるように構成されている。その内面側
にある透明層44は、少なくとも10〜100μmの範
囲の気泡が2000個/cm 3 以下存在する構成となっ
ている。
【0101】輻射熱を散乱反射する気泡分散層42に
は、熱輻射を効率よく反射できる気泡42a群からなる
気泡分散層42が存在するのが好ましい。該気泡分散層
42によって反射の対象とする輻射熱は、600mm以
上の赤外領域の波長である。これらの輻射熱を石英ガラ
スと気泡空間の界面での屈折を利用して散乱するには気
泡径が大きいと不利であり、小さい方が有利となる。
【0102】該気泡分散層42には、上述した理由によ
り、実質的に100μm以下の気泡が多数含まれるのが
好ましい。この気泡は、数量的には多く含まれる方が反
射効率は高いが、多すぎると炉心管の壁体自体の断面積
を減少させることになり、機械的な強度及び耐熱強度を
低下させる。
【0103】よって、実用的な反射が得られるのは、1
00μm以下の気泡が気泡分散層42中に体積比で5%
以上必要であり、逆に管壁の強度面からいえば、体積比
で30%以下が好ましい。
【0104】また、該気泡分散層42の製造の容易性か
らいえば、該気泡分散層42は10〜100μmの範囲
の気泡を1×104 〜30×104 個/cm3 の範囲で
含む層から形成されるのがさらに好ましい。
【0105】一方、該気泡分散層42の内側に形成され
る気泡の少ない透明層44は、逆に乱反射し易い100
μm以下の気泡が少ない方が良く、含有体積比で1%以
下であることが好ましい。この気泡分散層42は、実質
的には10〜100μmの範囲の気泡が2000個/c
3 以下である層から形成されるのが好ましい。
【0106】半導体ウエハWを載置した縦型ウエハ処理
治具28を上記した炉心管26内に装填し、図1に示し
た構成の熱処理装置22として半導体ウエハWの熱処理
を行なえば、炉心管26内部、特に炉心管上部からの熱
エネルギー放散は、遮熱手段40の設置によって大幅に
抑制される。
【0107】そのため、熱処理終了後のウエハ取り出し
時の急激な温度低下は防止され、かつプレヒートによる
加熱の必要性はあまり高くなくなるので、その分だけエ
ネルギーロスが減少する。
【0108】さらに、炉心管内の特にウエハ載置領域の
均熱性が向上することにより、ウエハ熱処理の均質化を
図ることができ、雰囲気ガスの外部の漏れを減少させる
ことにより炉体周囲の物品の劣化を押えることが可能と
なる。
【0109】図1〜図5に示した炉心管26の例では、
炉心管26のドーム状上端部26a内に遮熱材料からな
る遮熱手段40を設けた場合を示したが、遮熱手段40
の設置態様はこの例に限定されるものではなく、要はド
ーム状上端部26a側に設けられればよいものである。
【0110】例えば、図6に示したように、炉心管26
aのドーム状上端部26aの下方でかつ縦型ウエハ処理
治具28の上方に位置するように円盤状又はドーム状の
遮熱材料からなる遮熱手段40を係止部材46,46を
介して垂設する構成とすることもできる。
【0111】この遮熱手段40を構成する遮熱材料も図
2〜図5に示した遮熱手段40の遮熱材料と同様に石英
ガラス材料からなる石英ガラス壁材を用いて同様の構成
とすることができる。また、図6の炉心管26を用い
て、図1に示した構成の熱処理装置22として半導体ウ
エハWの熱処理を行なえば、図1〜図5の場合と同様の
作用効果が達成されることはいうまでもない。
【0112】
【発明の効果】本発明によれば、炉心管内上部に滞留し
た高温雰囲気の熱エネルギーを放出しないので、プレヒ
ートなどのパワーを押さえてもウエハ取り出し時の急激
な温度低下が無く、エネルギーロスを少なくすることが
でき、また炉体周囲の物品の劣化を押さえることが可能
となり、さらに炉心管内の特にウエハ載置領域の均熱性
を向上することができるという著大な効果が達成され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体ウエハの熱処理装置の一つの実
施の形態を示す断面的説明図である。
【図2】図1に示した半導体ウエハの熱処理装置に用い
られる炉心管の一例を示す断面的説明図である。
【図3】図2の要部の拡大断面説明図である。
【図4】図3の矢視A部分の拡大図である。
【図5】遮熱手段による遮熱作用の1例を示す拡大説明
図である。
【図6】本発明の半導体ウエハの熱処理装置の他の実施
の形態を示す断面的説明図である。
【図7】従来の半導体ウエハの熱処理装置を示す断面的
説明図である。
【符号の説明】
2,22 熱処理装置 4,24 加熱源 6,26 炉心管 8、28 縦型ウエハ処理治具 10,30 保持台 12,32 キャップ 14,34 昇降手段 16,36 導入手段 18,38 排出手段 26a ドーム状上端部 26b 開口下端部 40 遮熱手段 41 凹凸構造 42 気泡分散層 42a 気泡 44 透明石英ガラス層 W 半導体ウエハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/31 H01L 21/31 E 21/324 21/324 G (72)発明者 磯部 清光 東京都新宿区西新宿一丁目22番2号 信越 石英株式会社内 (72)発明者 木村 博至 東京都新宿区西新宿一丁目22番2号 信越 石英株式会社内 (72)発明者 島津 和久 神奈川県津久井郡城山町町屋1丁目2番41 号 東京エレクトロン東北株式会社相模事 業所内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端部を閉塞端部とし他端部を開口端部
    とした炉心管であって、該閉塞端部を含む炉心管壁に輻
    射熱の散乱手段と伝導熱の断熱手段を持った遮熱材料か
    らなる遮熱手段を設けたことを特徴とする半導体ウエハ
    の熱処理装置に使用される炉心管。
  2. 【請求項2】 前記炉心管が石英ガラス管によって形成
    され、該石英ガラス管の一端部の閉塞端部がドーム状上
    端部であり、他端部の開口端部が開口下端部であること
    を特徴とする請求項1記載の炉心管。
  3. 【請求項3】 前記遮熱材料が、前記石英ガラス管壁内
    に層状に分散された微細な気泡群からなる気泡分散層を
    含むことを特徴とする請求項2記載の炉心管。
  4. 【請求項4】 前記遮熱材料を設けた前記石英ガラス管
    壁部分の内面の表面粗さがRaで10μm以下であるよ
    うにしたことを特徴とする請求項2又は3記載の炉心
    管。
  5. 【請求項5】 前記遮熱材料を設けた前記石英ガラス管
    壁の外側表面層に凹凸構造を形成したことを特徴とする
    請求項2〜4のいずれか1項記載の炉心管。
  6. 【請求項6】 前記気泡分散層からなる遮熱材料を設け
    た前記石英ガラス管壁の内面側の層が気泡の少ない透明
    な石英ガラス層であることを特徴とする請求項3〜5の
    いずれか1項記載の炉心管。
  7. 【請求項7】 前記気泡分散層において、泡径10〜1
    00μmの気泡の体積の合計が気泡分散層の体積の5〜
    30%の範囲に含まれるようにしたことを特徴とする請
    求項3〜6のいずれか1項記載の炉心管。
  8. 【請求項8】 前記気泡分散層の内面側にある透明な層
    において、10〜100μmの泡径範囲の気泡が200
    0個/cm3 以下であるようにしたことを特徴とする請
    求項6又は7記載の炉心管。
  9. 【請求項9】 同心状に配置された加熱源と、該加熱源
    の内側に配置される少なくとも一つの炉心管と、半導体
    ウエハを複数枚載置しかつ該炉心管内に出し入れ自在に
    配置される縦型ウエハ処理治具と、該炉心管内に雰囲気
    ガスを導入する雰囲気ガス導入手段と、該炉心管内から
    雰囲気ガスを排出する雰囲気ガス排出手段とを具備し、
    該炉心管として請求項1〜8のいずれか1項記載の炉心
    管を用いることを特徴とする半導体ウエハの熱処理装
    置。
  10. 【請求項10】 同心状に配置された加熱源と、ドーム
    状上端部と開口下端部とを有しかつ該加熱源の内側に配
    置される少なくとも一つの炉心管と、半導体ウエハを複
    数枚載置しかつ該炉心管内に出し入れ自在に配置される
    縦型ウエハ処理治具と、該炉心管内に雰囲気ガスを導入
    する雰囲気ガス導入手段と、該炉心管内から雰囲気ガス
    を排出する雰囲気ガス排出手段とを具備し、輻射熱の散
    乱手段と伝導熱の断熱手段を有する遮熱材料からなる遮
    熱手段を該炉心管のドーム状上端部側に設けたことを特
    徴とする半導体ウエハの熱処理装置。
  11. 【請求項11】 前記遮熱材料が、層状に分散された微
    細な気泡群からなる気泡分散層を内部に有する石英ガラ
    ス壁材によって構成されることを特徴とする請求項10
    記載の半導体ウエハ熱処理装置。
  12. 【請求項12】 前記遮熱材料を設けた前記石英ガラス
    壁材の内面の表面粗さがRaで10μm以下であるよう
    にしたことを特徴とする請求項11記載の半導体ウエハ
    の熱処理装置。
  13. 【請求項13】 前記遮熱材料を設けた前記石英ガラス
    壁材の外側表面層に凹凸構造を形成したことを特徴とす
    る請求項11又は12記載の半導体ウエハの熱処理装
    置。
  14. 【請求項14】 前記気泡分散層からなる遮熱材料を設
    けた前記石英ガラス壁材の内面側の層が気泡の少ない透
    明な石英ガラス層であることを特徴とする請求項11〜
    13のいずれか1項記載の熱処理装置。
  15. 【請求項15】 前記気泡分散層において、泡径10〜
    100μmの気泡の体積の合計が気泡分散層の体積の5
    〜30%の範囲に含まれるようにしたことを特徴とする
    請求項11〜14のいずれか1項記載の熱処理装置。
  16. 【請求項16】 前記気泡分散層の内面側にある透明な
    層において、10〜100μmの泡径範囲の気泡が20
    00個/cm3 以下であるようにしたことを特徴とする
    請求項14又は15記載の熱処理装置。
  17. 【請求項17】 前記遮熱手段が前記炉心管のドーム状
    上端部の下面側に設けられることを特徴とする請求項1
    0〜16のいずれか1項記載の半導体ウエハの熱処理装
    置。
  18. 【請求項18】 半導体ウエハを載置した前記縦型ウエ
    ハ処理治具を熱処理のために前記炉心管内に挿入した際
    に、前記遮熱手段が該縦型ウエハ処理治具の最上端に位
    置する半導体ウエハより上方に位置するように該遮熱手
    段を配設することを特徴とする請求項9〜17のいずれ
    か1項記載の半導体ウエハの熱処理装置。
  19. 【請求項19】 前記遮熱手段が、前記炉心管をそのド
    ーム状上端部側から見て被熱処理半導体ウエハの表面積
    よりも広い範囲を覆うように構成されていることを特徴
    とする請求項9〜18のいずれか1項記載の半導体ウエ
    ハの熱処理装置。
  20. 【請求項20】 前記雰囲気ガス導入手段及び雰囲気ガ
    ス排出手段の炉心管外への開口端部が前記炉心管のドー
    ム状上端部側の遮熱手段よりも下方に位置するように配
    置したことを特徴とする請求項9〜19のいずれか1項
    記載の半導体ウエハの熱処理装置。
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