JP5005326B2 - 熱遮蔽装置および炉内監視装置 - Google Patents

熱遮蔽装置および炉内監視装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5005326B2
JP5005326B2 JP2006327996A JP2006327996A JP5005326B2 JP 5005326 B2 JP5005326 B2 JP 5005326B2 JP 2006327996 A JP2006327996 A JP 2006327996A JP 2006327996 A JP2006327996 A JP 2006327996A JP 5005326 B2 JP5005326 B2 JP 5005326B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
furnace
filter
oxide film
quartz glass
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006327996A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008138985A (ja
Inventor
淳 中嶋
雅人 杉浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2006327996A priority Critical patent/JP5005326B2/ja
Publication of JP2008138985A publication Critical patent/JP2008138985A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5005326B2 publication Critical patent/JP5005326B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Coke Industry (AREA)
  • Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)

Description

本発明は、撮像ユニットを用いて高温の炉内を監視する炉内監視装置に関し、より具体的には、炉内と撮像ユニットとの間に配置される熱遮蔽装置に関するものである。
1200℃以下の炉内温度で化学反応を伴う炉においては、多くの場合において、炉内の状態を、撮像ユニットを用いて監視することが望ましい。特に、例えばコークス炉のような700℃〜1200℃の温度範囲で化学反応が進行する場合、化学反応の進行状態、反応状態及び温度のばらつき等を監視することによって、反応生成物の特性の傾向を予測したり、反応させる炉の状態を把握したりすることは生産現場において重要なことである。他にもスラブ加熱炉、焼鈍炉など、700℃〜1200℃の温度範囲で稼動する炉は多い。
700℃から1200℃、好ましくは900℃〜1200℃の高温の炉内を、撮像ユニットを用いて監視する場合には、熱による撮像ユニットの熱的破損を防止するために、炉内から撮像ユニット側に向かう熱線(赤外光)を遮蔽する必要があるとともに、炉内の状態を撮像するために、可視光を撮像ユニットに導く必要がある。
従来、可視光だけを撮像ユニットに導くために、炉内と撮像ユニットとの間に光学フィルタを配置している。
例えば、特許文献1に記載の炉内監視装置では、複数のフィルタを用いており、炉内側に金属薄膜を形成した反射型フィルタを配置し、撮像ユニット側に赤外吸収フィルタを配置している。
また、特許文献2に記載の炉内監視装置では、監視側に耐熱性板ガラスを配置し、炉内側に、可視光の波長領域で透過率が高く、且つ輻射熱線の波長領域で透過率が低い透明板材(酸化スズがコーティングされている)を複数配置している。そして、透明板材の間に形成された空間を、断熱状態を向上させるため減圧状態としている。
さらに、特許文献3に記載の炉内監視装置では、炉内側に石英ガラス等で形成された耐熱ガラスを配置し、撮像ユニット側に赤外線を反射する赤外線フィルタを複数配置している。そして、耐熱ガラスを透過した光を、プリズム等の反射体で反射させて赤外線フィルタに導いている。
一方、特許文献4に記載の炉内監視装置では、フィルタを用いる代わりに、グラスファイバとして機能する光学部材(石英ガラス、軟化点が1500℃以上の溶融石英ガラス、合成石英ガラス等の石英ガラス)を用いて、炉内を監視するようにしている。
特開2003−277815号公報 特開2000−111272号公報 特開平5−141878号公報 特開2003−215470号公報
特許文献1に記載の炉内監視装置では、ガラスを最高1800℃に加熱して溶解する炉において、白金等の金属の薄膜が形成されたフィルタを用いている。そして、炉内温度が高温であるため、フィルタを冷却するために冷却ガスを炉内側にも供給している。このような冷却構造は、ガラスのような化学的に安定な物質を加熱する場合には特に問題にはならないが、炉内で化学反応を行わせたり、この反応を制御したりする炉に適用する場合には好ましくない。また、冷却ガスによって炉内の温度が低下してしまい、炉内の熱損失が発生してしまう。
また、特許文献2に記載の炉内監視装置の構成において、炉内温度が800℃を超え、炉内からの熱線によって透明基板や酸化スズコーティング膜の温度が各々の耐熱温度を超える場合には、コーディング膜が劣化して性能低下を起こしてしまう。その結果、炉内側のフィルタから撮像ユニット側のフィルタへ向かって順次性能低下を起こし、最終的には撮像ユニットに強い輻射熱が到達して撮像ユニットが破損してしまうことがある。
そして、特許文献2に記載の炉内監視装置で用いられる透明基板の劣化を抑制するためには、この透明基板のうち炉内側の面まで十分に冷却する必要があり、透明基板を冷却するためのガス等を炉内に導入しなければならない。このように冷却用ガスを炉内に導入すれば、上述したように炉内での熱損失が発生してしまう。また、断熱効果を向上させるために、透明板材間を減圧状態にしなければならない。
一方、特許文献3では特許文献1と同様に、フィルタを冷却するために冷却ガスを炉内側にも供給している。この冷却構造は、炉内で化学反応を行わせたり、この反応を制御したりする炉に適用する場合には好ましくなく、冷却ガスによって炉内の温度が低下してしまい、炉内の熱損失が発生してしまう。また、反射体を用いているため、熱遮蔽としては大がかりであり、広い視野(観察領域)を得るために、炉内監視装置が大型化してしまうという問題点がある。
さらに、特許文献4に記載の炉内監視装置のように、石英ガラス、軟化点が1500℃以上の溶融石英ガラス、合成石英ガラス等の石英ガラスで形成された光学部材だけを用いた場合には、石英ガラス、軟化点が1500℃以上の溶融石英ガラス、合成石英ガラス等の石英ガラスが熱線の波長領域において高い透過率を示すため、熱線が低減されずに撮像ユニットに導かれてしまう。この場合には、撮像ユニットに導かれた熱線によって、撮像ユニットが破損しやすくなってしまう。
本発明は、上記課題に鑑み、700℃以上、好ましくは900℃以上1200℃以下の炉内温度で化学反応が行われる炉の内部を、撮像ユニットを用いて監視する際に、冷却ガスが炉内に侵入するのを阻止し、容易に劣化せず、炉内からの輻射熱が強いまま撮像ユニットに到達しないように熱線を遮蔽することができる熱遮蔽装置及び炉内監視装置を提供することを目的としている。
上述した、700℃以上1200℃以下の炉内温度で化学反応が行われる炉の内部を監視するという目的を達成するため、本発明者は、炉内の監視に用いられる熱遮蔽装置について広く研究を行った。これにより以下の知見を得た。
1)フィルタとして用いることのできる石英ガラス材質のうち、直接法で合成された石英ガラス(以下、直接法合成石英ガラスともいう)は耐熱温度が1200℃以上であり、可視光線の透過性がよいが、赤外線の吸収能が高い。直接法とは、四塩化ケイ素を直接法(ベルヌーイ法)により加水分解して得る方法をいい、直接法で合成された石英ガラスは、純度が非常に高く、紫外線透過率やレーザー耐性に優れた点を特徴とし、バイコールガラス(登録商標)として、入手できる。
2)基板としてのガラス(基板ガラスとも言う)の表面上に皮膜形成でき、熱線を反射しつつ可視光線を透過させる性能を有する物質としては、酸化スズと酸化インジウムがある。基板ガラスとするVAD法で合成された無水合成石英ガラス(以下、無水合成石英ガラスともいう)は、耐熱温度が1200℃以上であり、可視光線も赤外線も透過性が良い。VAD法とは、化学的蒸着によりガラス微粒子を大量に堆積させ、その後、脱水、透明化を行うによる方法をいい、無水合成石英ガラスは、高い純度を有し、かつ、直接法で合成された石英ガラスに比べOH基含有量が低く、赤外透過性、真空紫外透過性、耐熱性に優れていることを特徴とし、いわゆる石英ガラスとして入手できる。
3)酸化スズと酸化インジウムでは、酸化インジウムのほうが熱線の反射率が高く、可視光線の透過率が高い。
4)酸化スズの耐熱温度は400℃であって、酸化インジウムの耐熱温度は200℃であり、酸化スズの耐熱強度が酸化インジウムよりも高い。
本発明は上記の知見を基になされたものであって、その要旨は以下のとおりである。
(1)炉内監視口に設けられた撮像ユニットに、可視光線を透過させながら、炉内から前記撮像ユニット側に向かう熱を遮蔽する熱遮蔽装置であって、前記炉内側から前記撮像ユニット側へ順に、1枚以上の直接法によって合成された石英ガラスからなる直接法合成石英ガラスフィルタと、1枚以上の基板ガラスの少なくとも一方の面に酸化スズの皮膜が形成された酸化スズ皮膜フィルタと、1枚以上の基板ガラスの少なくとも一方の面に酸化インジウムの皮膜が形成された酸化インジウム皮膜フィルタと、を有することを特徴とする熱遮蔽装置。
(2)前記直接法合成石英ガラスフィルタの少なくとも片面が接する1つ以上の空間に冷却ガスを供給するフィルタ冷却手段を有することを特徴とする(1)に記載の熱遮蔽装置。
(3)前記酸化スズ皮膜フィルタの基板ガラスが無水合成石英ガラスであることを特徴とする(1)または(2)に記載の熱遮蔽装置。
(4)前記酸化インジウム皮膜フィルタの基板ガラスが無水合成石英ガラスであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の熱遮蔽装置。
(5)前記直接法合成石英ガラスフィルタの厚さが2mm以上であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の熱遮蔽装置。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱遮蔽装置と、炉内を撮像する撮像ユニットとを有することを特徴とする炉内監視装置。
本発明によれば、炉内温度が700℃以上1200℃以下の化学反応を伴う炉内を監視する場合において、炉内監視口に設けられるフィルタ群を簡単な構成としつつ、フィルタ群を構成する各フィルタの熱線による劣化を抑制することができ、撮像ユニットに向かう熱線を効率良く遮蔽しつつ可視光線を撮像ユニットに到達させることができる。
また、フィルタ群における互いに隣り合うフィルタ間の空間のうち、少なくとも直接法合成石英ガラスフィルタの少なくとも片面が接する1つ以上の空間に冷却ガスを供給しており、比較的耐熱温度の低い酸化スズ皮膜フィルタと酸化インジウム皮膜フィルタの劣化を抑制することができる。しかも、炉内に冷却ガスを供給しないことで、炉内での熱損失を抑制することができるとともに、炉内の化学反応に対する冷却ガスの干渉を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施態様1である炉内監視装置について、図1を用いて説明する。図1では炉内温度700℃〜1200℃である炉を炉内監視口から観察する炉内監視装置の構成の概略図を示している。
図1では、炉内監視口からの熱線を遮蔽するために、炉内側から撮像ユニット側へ順に、直接法で合成された石英ガラスからなる直接法合成石英ガラスフィルタ1、酸化スズ皮膜フィルタ2、及び酸化インジウム皮膜フィルタ3を各1枚用いた熱遮蔽装置5を用いている。この熱遮蔽装置5では、直接法合成石英ガラスフィルタ1と酸化スズ被膜フィルタ2との間の空間にフィルタ冷却手段4から冷却ガスとして空気を流している。また、この熱遮蔽装置5では、酸化スズ皮膜フィルタ2、及び酸化インジウム皮膜フィルタ3の基板ガラスとして、それぞれVAD法で合成された厚さ3mmの無水合成石英ガラスを用い、直接法合成石英ガラスフィルタは5.5mmの厚さのものを用いた。
図1の炉内監視装置ではこの熱遮蔽装置5の外側に撮像ユニット6を有している。すなわち、図1の炉内監視装置は、図1の炉内側から発した光のうち、この熱遮蔽装置5によって熱線である赤外線を減衰させ、透過した可視光線を用いて炉の内部を撮像するものである。
まず、図1の炉内側から発した光のうち、可視光線はあまり減衰せずに、かつ、赤外線は減衰して直接法合成石英ガラスフィルタ1を透過する。
続いて直接法合成石英ガラスフィルタ1を透過した可視光線及び赤外線のうち、可視光線は酸化スズ皮膜フィルタ2の酸化スズ皮膜によってあまり減衰せずに、かつ、赤外線は酸化スズ皮膜表面によって反射された残りが、酸化スズ皮膜フィルタ2を透過する。
さらに、酸化スズ皮膜フィルタ2を透過した可視光線及び赤外線のうち、可視光線は酸化インジウム皮膜フィルタ3の酸化インジウム皮膜フィルタによってあまり減衰せずに、かつ、赤外線は酸化インジウム皮膜フィルタ3によって反射された残りが、酸化インジウム皮膜フィルタ3を透過する。
このように3種類のフィルタを透過させて、撮像装置に対して支障となる赤外線が大きく減衰されて、あまり減衰しなかった可視光線が撮像装置へ達する。
直接法合成石英ガラスフィルタ1に吸収された赤外線や、酸化スズ皮膜フィルタ2または酸化インジウム皮膜フィルタ3で反射して直接法合成石英ガラスフィルタ1に吸収された赤外線は、そのままにしておくと、直接法合成石英ガラスフィルタ1の温度を上昇させることになる。そこで、本発明の熱遮蔽装置5においては直接法合成石英ガラスフィルタ1の少なくとも片面を冷却することが好ましい。フィルタ冷却手段4としては、冷却ガスを流すことが最も簡単であり、効率的である。冷却ガスは特に限定されるものではないが、安価な空気や活性の低い窒素などでよい。ただし、常時監視口に断熱材のある蓋がされ、短時間の監視を間歇的に行う場合は冷却が必要でないこともあり得る。
図2−1に無水合成石英ガラスの光透過率の波長依存性を示す。可視光から波長3000nm以上の赤外線にかけて10mm厚でほとんど80%以上の高い透過率を示している。したがって、無水合成石英ガラスからなる酸化スズ被膜フィルタ及び酸化インジウム被膜フィルタは可視光線も赤外線もあまり減衰させないで透過させる。
図2−1に直接法で合成された石英ガラスの光透過率の波長依存性を、また、図2−2に900℃における黒体放射の分光特性を示す。直接法で合成された石英ガラスは、波長2000〜3000nmにかけて大きく光透過率の落ち込む領域がある。特に、波長2000〜3000nmは900℃〜1200℃の物体から発光される赤外線のピークとなるので、この波長領域の赤外線を吸収することによって減衰させることができれば、撮像手段に達する赤外線を低減させることができる。ただし、吸収した赤外線はこの直接法合成石英ガラスフィルタの温度を上昇させるので、冷却することが好ましい。
この直接法合成石英ガラスフィルタで十分に赤外線を吸収させるためには厚さ2mm以上とすることが望ましく、3mm以上とすることがより望ましい。また、2枚以上の複数枚として、合計2mmまたは3mm以上としても良い。厚さの上限は特にないが、その炉外側に配置する酸化スズ皮膜フィルタを耐熱温度以下に維持可能な範囲で合計厚みを適宜設定すればよく、冷却の効率から各枚15mm以下であることが望ましい。酸化スズ皮膜フィルタ2は、無水合成石英ガラスで形成された基板ガラス2aと、基板ガラス2aの表面(炉内側の面)に形成された酸化スズの皮膜2bとを有している。また、酸化インジウム皮膜フィルタ3は、無水合成石英ガラスで形成された基板ガラス3aと、基板ガラス3aの表面(炉内側の面)に形成された酸化インジウムの皮膜3bとを有している。ここで、基板ガラス2a、3aの厚さは、この基板ガラスの強度を確保する上で、1.5mm以上に設定することが好ましい。
図1では、酸化スズ皮膜2bが炉内側の面に形成されているが、基板ガラス2aよりも皮膜2bのほうが熱に弱いため、皮膜2bは炉外側の面に形成してもよい。また、場合によっては、基板ガラス2aの両面に形成してもよい。また、酸化スズ被膜フィルタ2の数は、その炉外側に配置する酸化インジウム皮膜フィルタを耐熱温度以下に維持可能な範囲で、合計枚数を1枚以上の範囲において適宜設定すればよい。図1では、酸化インジウム皮膜3bが炉内側の面に形成されているが、基板ガラス3aよりも皮膜3bのほうが熱に弱いため、皮膜3bは炉外側の面に形成してもよい。また、場合によっては、基板ガラス3aの両面に形成してもよい。また、酸化インジウム皮膜フィルタ3の数は、その炉外側に配置する撮像ユニットを耐熱温度以下に維持可能な範囲で、合計枚数を1枚以上の範囲において適宜設定すればよい。一方、直接法合成石英ガラス1、酸化スズ被膜フィルタ2、酸化インジウム皮膜フィルタ3の数、および合計厚みを多くしすぎると、遮熱装置5の厚みが増すことによる撮像ユニットの視野狭窄、さらには視野狭窄を緩和するための開口部拡大、といった遮熱装置5の大型化となるため、6枚以下とすることが好ましい。
本実施態様1のように、炉内温度が700℃よりも高く、且つ1200℃以下となる炉においては、酸化インジウム皮膜フィルタ3に対して酸化スズ皮膜フィルタ2を炉内側に配置することにより、炉内からの熱線による各皮膜フィルタ2、3の劣化を抑制することができる。
図1では、酸化インジウム皮膜3bが炉内側の面に形成されているが、基板ガラス3aよりも皮膜3bのほうが熱に弱いため、皮膜3bは炉外側の面に形成してもよい。また、場合によっては、基板ガラス3aの両面に形成してもよい。ここで、炉内温度が900℃以下である場合には、酸化スズ皮膜フィルタ2を通過した後の温度は200℃以下となり、酸化インジウムの耐熱温度が200℃であるため、酸化インジウム被膜フィルタ3の劣化はほとんど進行しない。
ここで、酸化インジウム皮膜フィルタ3の数は、1枚以上の範囲において、適宜設定することができる。すなわち、酸化インジウム皮膜フィルタ3の数を増加させることで、熱遮蔽装置5における熱線の遮蔽効率を向上させることができる。一方、酸化インジウム皮膜フィルタ5の数を増やすほど、炉内監視装置(熱遮蔽装置)が大型化してしまうため、熱線の遮蔽効率および炉内監視装置の大型化抑制を考慮した上で、炉内温度に適した酸化インジウム皮膜フィルタ3の数を設定することが好ましい。
ここで、図2−1に、酸化スズ皮膜フィルタ2及び酸化インジウム皮膜フィルタ3の光透過特性(透過率と波長との関係)を示す。酸化スズ皮膜及び酸化インジウム皮膜は、干渉皮膜であるため、透過しない光成分については反射すると考えることができる。
図1に示す実施態様の炉内監視装置により、700〜900℃の炉内雰囲気のコークス炉において、フィルタ群を構成する各フィルタの熱線による劣化を抑制することができ、撮像ユニットに向かう熱線を効率良く遮蔽しつつ可視光線を撮像ユニットに到達させることができ、撮像ユニットの温度が常時50℃以下を保てるという効果を得ることができた。
次に、本発明の実施態様2について説明する。
図3に示すように、2枚の酸化スズ皮膜フィルタ2を、3枚の酸化インジウム皮膜フィルタ3よりも炉内側に配置し、直接法合成石英ガラスフィルタ1と酸化スズ被膜フィルタの間、2枚の酸化スズ皮膜フィルタ2の間、酸化スズ皮膜フィルタ2と酸化インジウムフィルタ3の間、及び3枚の酸化インジウムフィルタの間に冷却ガスとして、室温の空気を冷却ガスとしてフィルタ冷却手段4から流す他は、実施態様1と同様に構成した。実施態様2においては、炉内雰囲気が900〜1200℃において、撮像ユニットの温度が常時50℃以下を保てるという効果が得られた。
本発明の実施態様1である炉内監視装置を示した図である。 本発明に用いる直接法で合成した石英ガラス、VAD法で合成した無水合成石英ガラス、酸化スズ皮膜及び酸化インジウム皮膜光透過率の波長依存性を示した図である。 900℃における黒体放射の分光特性を示す 本発明の実施態様2である炉内監視装置を示した図である。
符号の説明
1 直接法合成石英ガラスフィルタ
2 酸化スズ被膜フィルタ
2a 基板ガラス
2b 酸化スズ被膜
3 酸化インジウム被膜フィルタ
3a 基板ガラス
3b 酸化インジウム被膜
4 フィルタ冷却手段
5 熱遮蔽装置
6 撮像ユニット

Claims (6)

  1. 炉内監視口に設けられた撮像ユニットに、可視光線を透過させながら、炉内から前記撮像ユニット側に向かう熱を遮蔽する熱遮蔽装置であって、
    前記炉内側から前記撮像ユニット側へ順に、
    1枚以上の直接法によって合成された石英ガラスからなる直接法合成石英ガラスフィルタと、
    1枚以上の基板ガラスの少なくとも一方の面に酸化スズの皮膜が形成された酸化スズ皮膜フィルタと、
    1枚以上の基板ガラスの少なくとも一方の面に酸化インジウムの皮膜が形成された酸化インジウム皮膜フィルタと、
    を有することを特徴とする熱遮蔽装置。
  2. 前記直接法合成石英ガラスフィルタの少なくとも片面が接する1つ以上の空間に冷却ガスを供給するフィルタ冷却手段を有することを特徴とする請求項1に記載の熱遮蔽装置。
  3. 前記酸化スズ皮膜フィルタの基板ガラスが無水合成石英ガラスであることを特徴とする請求項1または2に記載の熱遮蔽装置。
  4. 前記酸化インジウム皮膜フィルタの基板ガラスが無水合成石英ガラスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱遮蔽装置。
  5. 前記直接法合成石英ガラスフィルタの厚さが2mm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱遮蔽装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の熱遮蔽装置と、
    炉内を撮像する撮像ユニットとを有することを特徴とする炉内監視装置。
JP2006327996A 2006-12-05 2006-12-05 熱遮蔽装置および炉内監視装置 Active JP5005326B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006327996A JP5005326B2 (ja) 2006-12-05 2006-12-05 熱遮蔽装置および炉内監視装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006327996A JP5005326B2 (ja) 2006-12-05 2006-12-05 熱遮蔽装置および炉内監視装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008138985A JP2008138985A (ja) 2008-06-19
JP5005326B2 true JP5005326B2 (ja) 2012-08-22

Family

ID=39600636

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006327996A Active JP5005326B2 (ja) 2006-12-05 2006-12-05 熱遮蔽装置および炉内監視装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5005326B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012191036A (ja) * 2011-03-11 2012-10-04 Seiko Epson Corp 基材表面の改質装置、および印刷装置
CN103063050A (zh) * 2012-12-29 2013-04-24 聚光科技(杭州)股份有限公司 炉膛压力监测装置及方法
JP6766483B2 (ja) * 2016-07-07 2020-10-14 日本製鉄株式会社 高温部観察窓

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63122933A (ja) * 1986-11-12 1988-05-26 Shinagawa Refract Co Ltd 熱間炉内観察装置
JP3243265B2 (ja) * 1991-11-16 2002-01-07 黒崎播磨株式会社 フィルタ付炉内観察装置
JPH11209128A (ja) * 1998-01-20 1999-08-03 Nikon Corp 合成石英ガラス製造装置およびこの合成石英ガラス製造装置によって製造された合成石英ガラス
JP2000111272A (ja) * 1998-10-08 2000-04-18 Daido Steel Co Ltd 炉内監視口
JP3996813B2 (ja) * 2002-01-09 2007-10-24 新日本製鐵株式会社 炉壁観察装置
JP3837435B2 (ja) * 2002-03-22 2006-10-25 日本山村硝子株式会社 高温炉内観察装置
JP2003215470A (ja) * 2002-12-10 2003-07-30 Asahi Glass Co Ltd 炉内観察装置
JP2004244289A (ja) * 2003-02-17 2004-09-02 Nikon Corp 合成石英ガラスの製造装置
JP4900776B2 (ja) * 2005-02-17 2012-03-21 日本電気硝子株式会社 ガラス溶融炉内部観察装置およびガラス溶融炉内部観察方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008138985A (ja) 2008-06-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6014024B2 (ja) 高温用のガラス基板
US10207951B2 (en) Window with UV-treated low-E coating and method of making same
US6067931A (en) Thermal processor for semiconductor wafers
WO2003073055A1 (fr) Systeme de mesure de la temperature, dispositif de chauffage utilisant le systeme, procede de production d'une plaquette a semi-conducteurs, element translucide de protection contre les rayons calorifiques, element reflechissant la lumiere visible, miroir reflechissant utilisant un systeme d'exposition, dispositif a semi-co
CN105658592A (zh) 制造涂覆有包括导电透明氧化物膜的叠层的基底的方法
JP4501152B2 (ja) ガラス物品
JP5005326B2 (ja) 熱遮蔽装置および炉内監視装置
US7083857B2 (en) Fire-protection glass product with heat shielding characteristic and method for using the same
WO2019163340A1 (ja) 放射冷却装置
GB2051348A (en) Radiation detector
CN101319301A (zh) 光学薄膜的成膜方法、光学基板以及光学薄膜的成膜装置
JP7094946B2 (ja) レーザ加熱によるガラス物品の組成変更およびその製造方法
JP7004597B2 (ja) 放射冷却装置
WO2023042682A1 (ja) 光学フィルタ、光学フィルタ部品、殺菌装置、及び光学フィルタの製造方法
US4891542A (en) Dichroic coated lamp with gettered outer jacket
JP5873080B2 (ja) 高温用途のためのライニング材料または反射鏡材料
WO2002072343A1 (fr) Materiau reflechissant la chaleur et dispositif de rechauffement utilisant ce materiau
CN1188823A (zh) 半导体圆片的热处理器
JP7147519B2 (ja) 波長選択フィルタ及びそれを用いた熱光起電力発電装置
JP2006284077A (ja) 熱輻射反射炉
CN102212886A (zh) 硅单晶炉翻板阀室观察窗
JP4277706B2 (ja) ガラス基板加熱装置
JP2017142386A (ja) 紫外線用フィルタ層、紫外線用フィルタ層の形成方法、紫外線用フィルタ、グリッド偏光素子及び偏光光照射装置
TW202323213A (zh) 光學濾光器及殺菌裝置
KR20000059501A (ko) 열차단유리와 그 제조방법 및 그를 갖는 조리기기용 투시창

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120314

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120508

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120523

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150601

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5005326

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150601

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150601

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150601

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350