この発明は、ベルト式無段変速機の変速比を制御する変速制御装置に関し、特に、その変速制御をフィードバック制御とフィードフォワード制御とによって実行するように構成された変速制御装置に関するものである。
車両用の無段変速機は、変速比を連続的に変化させることができるので、車速やエンジン回転数、アクセルペダルの踏み込み量に代表される駆動要求量などの車両の状態に基づいて目標入力回転数もしくは目標変速比などの目標値を求め、実際の入力回転数あるいは実際の変速比などの実際値がその目標値に一致するように変速比が制御される。このような変速比制御は、目標値と実際値との偏差に基づくフィードバック制御によって通常実行される。フィードバック制御は、偏差に所定のゲインを掛けて制御量を求める制御であるから、偏差が生じることによって実行され、偏差の発生を前提とするので、不可避的な制御の遅れがある。これを是正するためにゲインを大きくすると、ハンチングが生じたり、あるいは収束性が悪くなるなどの不都合が生じる。そこで、従来では、フィードフォワード制御を併用することがおこなわれている。フィードフォワード制御は、目標値に基づいて制御量を算出する制御であるから、偏差の検出を待つことなく制御を実行でき、応答性の点ではフィードバック制御よりも優れている。そのために特許文献1に記載された発明は、フィードバック制御とフィードフォワード制御とを選択的に切り替えて変速制御を行うように構成されている。
この特許文献1においては、実プライマリ回転数と定常目標回転数との偏差の絶対値が求められ、その絶対値が所定値以上であるか否かが比較・判定される。そして、その絶対値が所定値未満であると判定された場合は、プライマリ回転数のフィードバック制御がおこなわれる。これに対して、その絶対値が所定値以上であると判定された場合は、基本的にはフィードフォワード制御がおこなわれる。なお、フィードバック制御およびフィードフォワード制御を含む無段変速機の変速制御装置は、特許文献2にも記載されている。
特開平6−109113号公報
特開2000−39060号公報
ところで、ベルト式無段変速機の変速制御に際して、フィードバック制御およびフィードフォワード制御を共に実行する第1の制御と、フィードフォワード制御が禁止され、かつ、フィードバック制御を実行する第2の制御とを選択的に切り替えることが考えられる。しかしながら、第1の制御と第2の制御とを切り替えると、フィードフォワード制御の許可と禁止とが生じるため、フィードフォワード制御の制御量とフィードバック制御の制御量とから最終的に求められる変速制御量が急激に変化して、ショックとして体感される恐れがあった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、フィードバック制御およびフィードフォワード制御を共に実行する第1の制御と、フィードフォワード制御が禁止され、かつ、フィードバック制御を実行する第2の制御とを選択的に切り替える場合に、最終的に求められる変速制御量が急激に変化することを抑制することの可能なベルト式無段変速機の変速制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、動力源の出力側にベルト式無段変速機が設けられており、このベルト式無段変速機の入力側プーリまたは出力側プーリのうち、いずれか一方のプーリの溝幅を調整することにより、入力回転数と出力回転数との間の変速比を制御することが可能であり、前記変速比を制御する場合に、前記一方のプーリの溝幅を制御する油圧室へのオイルの流入・流出量と変速比との対応関係に基づいて、前記油圧室のオイル量を制御するフィードフォワード制御と、目標入力回転数と実入力回転数との偏差に基づいて前記油圧室のオイル量を制御するフィードバック制御とを実行可能なベルト式無段変速機の変速制御装置において、前記フィードフォワード制御および前記フィードバック制御を共に実行する第1の制御と、前記フィードフォワード制御を禁止し、かつ、前記フィードバック制御を実行する第2の制御とが切り替えられるか否かを判断する切替判断手段と、前記第1の制御と前記第2の制御とが切り替えられる場合は、前記フィードフォワード制御用の制御項と、前記フィードバック制御用の積分項とを加算または減算して、切り替え後における前記フィードバック制御用の積分項の初期値を設定する積分項設定手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記積分項設定手段は、前記第1の制御から前記第2の制御に切り替えられる場合に、前記第1の制御から前記第2の制御に切り替える前における前記フィードフォワード制御の制御項と、前記第1の制御から前記第2の制御に切り替える時点における前記フィードバック制御の制御項とを加算して、前記第1の制御から前記第2の制御に切り替えた後における前記フィードバック制御用の積分項の初期値を設定する手段を含むことを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1の構成に加えて、前記積分項設定手段は、前記第2の制御から前記第1の制御に切り替える場合に、前記第2の制御から前記第1の制御に切り替える前における前記フィードバック制御の積分項から、前記第2の制御から前記第1の制御に切り替える時点における前記フィードフォワード制御の制御項を減算して、前記第2の制御から前記第1の制御に切り替えた後における前記フィードバック制御用の積分項の初期値を設定する手段を含むことを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの構成に加えて、車速および加速要求および前記動力源の運転効率に基づいて、前記ベルト式無段変速機の第1の目標入力回転数を求める第1の算出手段と、前記第1の目標入力回転数をなまし処理することにより、前記フィードフォワード制御で用いる第2の目標入力回転数を求める第2の算出手段と、前記第2の入力回転数に対する実入力回転数の制御の遅れを加味することにより、前記フィードバック制御で用いる第3の入力回転数を求める第3の算出手段とを更に有していることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、入力回転数と出力回転数との間の変速比を制御する場合に、フィードバック制御およびフィードフォワード制御を実行可能である。具体的には、フィードフォワード制御では、一方のプーリの溝幅を制御する油圧室へのオイルの流入・流出量と変速比との対応関係に基づいて、油圧室のオイル量が制御される。また、フィードバック制御では、目標入力回転数と実入力回転数との偏差に基づいて、実入力回転数が制御される。そして、フィードフォワード制御およびフィードバック制御を共に実行する第1の制御と、フィードフォワード制御を禁止し、かつ、フィードバック制御を実行する第2の制御とを選択的に切り替えることが可能であり、第1の制御と第2の制御との切り替えをおこなう場合は、フィードフォワード制御用の制御項と、フィードバック制御用の積分項とを加算または減算して、切り替え後におけるフィードバック制御用の積分項の初期値が設定される。したがって、第1の制御と第2の制御との切り替え後において、「フィードフォワード制御の制御項およびフィードバック制御の制御項から求められる最終的な変速制御量が急激に変化すること」を抑制できる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、第1の制御から第2の制御に切り替える場合は、第1の制御から第2の制御に切り替える前におけるフィードフォワード制御の制御項と、第1の制御から前記第2の制御に切り替える時点におけるフィードバック制御の制御項とを加算して、第1の制御から第2の制御に切り替えた後におけるフィードバック制御用の積分項の初期値が設定される。したがって、第1の制御から第2の制御に切り替え後に、「フィードフォワード制御の制御項が零になり、最終的な制御量が急激に変化すること」を抑制できる。
請求項3の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、第2の制御から第1の制御に切り替える場合に、第2の制御から第1の制御に切り替える前におけるフィードバック制御の積分項から、第2の制御から第1の制御に切り替える時点におけるフィードフォワード制御の制御項を減算して、第2の制御から第1の制御に切り替えた後におけるフィードバック制御用の積分項の初期値が設定される。
請求項4の発明によれば、請求項1ないし4のいずれかの発明と同様の効果を得られる他に、車速および加速要求および前記動力源の運転効率に基づいて、ベルト式無段変速機の第1の入力回転数が求められ、第1の入力回転数をなまし処理することにより、フィードフォワード制御で用いる第2の入力回転数が求められ、第2の入力回転数に対する実入力回転数の制御の遅れを加味することにより、フィードバック制御で用いる第3の入力回転数が設定される。
つぎに、この発明を具体例に基づいて説明する。まず、この発明を適用できる車両の構成例を、図2に基づいて説明する。この図2には、ベルト式無段変速機1を搭載した車両Veが示されているとともに、車両Veの制御系統が示されている。ベルト式無段変速機1においては、駆動プーリ(プライマリプーリ)2と従動プーリ(セカンダリプーリ)3とが、それぞれの中心軸線を互いに平行にして所定の間隔を空けて配置されている。その駆動プーリ2は、無端状のベルト4を巻き掛けるいわゆるV溝の幅を変更できるようになっており、駆動プーリ2は、プライマリシャフト30と一体回転し、かつ、軸線方向には固定された固定プーリ片5と、プライマリシャフト30と一体回転し、かつ、軸線方向に動作可能に構成された可動プーリ片6とを有している。その可動プーリ片6の背面側に、可動プーリ片6を軸線方向に動作させるための油圧アクチュエータ7が設けられている。油圧アクチュエータ7は、可動プーリ片6に軸線方向の推力を与える油圧室31を有している。そして、これら固定プーリ片5と可動プーリ片6との対向面が、テーパ角の一定なテーパ面となっていて、これらのテーパ面によって前記V溝が形成されている。
前記従動プーリ3は、セカンダリシャフト32と一体回転し、かつ、軸線方向には固定された固定プーリ片8と、セカンダリシャフト32と一体回転し、かつ、軸線方向に動作可能な可動プーリ片9とを有している。そして、これら固定プーリ片8と可動プーリ片9との対向面が、テーパ角の一定なテーパ面となっていて、これらのテーパ面によってV溝が形成されている。さらに、可動プーリ片9の背面側に、可動プーリ片9を軸線方向に動作させるための油圧アクチュエータ10が設けられている。油圧アクチュエータ10は、可動プーリ片9に軸線方向の推力を与える油圧室33を有している。
このベルト式無段変速機1の駆動プーリ2が、発進クラッチやトルクコンバータなどを介して、エンジンやモータ・ジェネレータなどの動力源11に連結されている。ここで、エンジンとしては、内燃機関および外燃機関が挙げられるが、この実施例では、内燃機関、具体的には、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジンなどが用いられている場合について説明する。以下、動力源11に代えてエンジン11と記す。また、セカンダリシャフト32が、デファレンシャル(図示せず)あるいはプロペラシャフト(図示せず)などを介して駆動輪36に連結されている。
上記のベルト4は、各プーリ2,3のV溝に挟み込まれる形状の多数の金属片を環状に配列し、それらの金属片をフープと称される環状の金属バンドによって結束して構成されている。したがって、ベルト4の全長はフープによって制限されるから、各プーリ2,3によってベルト4を挟み付けると、V溝の傾斜面(テーパ面)によってベルト4を半径方向で外側に押し出す向きの力が作用し、その結果、ベルト4に張力が加えられるとともに、ベルト4と各プーリ2,3との接触圧力が発生し、その接触圧力と摩擦係数とで決まる摩擦力によって、ベルト4と各プーリ2,3との間でトルクが伝達される。このようにベルト4を挟み付ける圧力が挟圧力であって、例えば、従動プーリ3側の油圧アクチュエータ10の油圧室33の油圧に応じて挟圧力が制御される。
これに対していずれか一方のプーリにおいてベルト4を挟み付ける圧力が相対的に増大し、あるいは低下すると、ベルト4の張力に抗してベルト4が当該一方のプーリで半径方向で外側に押し出され、あるいは反対に半径方向で内側に入り込み、同時に他方のプーリではベルト4が半径方向で内側に入り込み、あるいは半径方向で外側に押し出される。このような巻き掛け半径の変更が変速の実行であり、例えば、駆動プーリ2側の油圧アクチュエータ7の油圧室31に供給される圧油の流量を制御することにより、変速比が制御される。
上記のベルト式無段変速機1における変速は、駆動プーリ2の溝幅を変化させて、ベルト4の各プーリ2,3に対する巻き掛け半径を変更することにより実行するように構成されている。そのための油圧制御回路34について説明すると、駆動プーリ2側の油圧アクチュエータ7の油圧室31には、油路35を介在させて、アップシフト制御弁12およびダウンシフト制御弁13が並列に接続されている。
そのアップシフト制御弁12は、駆動プーリ2側の油圧アクチュエータ7の油圧室31に対する圧油の供給を制御するバルブであって、ソレノイドバルブ14から出力される信号圧によって動作するように構成されている。具体的に説明すると、アップシフト制御弁12は、装置の全体の元圧であるライン圧PL、もしくは、ライン圧PLの補正圧が供給される入力ポート15と、前記油路35に接続され、かつ、入力ポート15に選択的に連通される出力ポート16と、デューティ比に応じた信号圧がソレノイドバルブ14から加えられることにより、図示しない弁体を動作させる信号圧ポート17とを備えている。なお、符号18はスプリングであって、信号圧に対抗する方向に弾性力を、弁体に対して付与するように配置されている。したがって、ソレノイドバルブ14におけるデューティ比に応じて、油圧アクチュエータ7の油圧室31に圧油が供給されるようになっている。
また、ダウンシフト制御弁13は、油圧アクチュエータ7の油圧室31から圧油を排出する制御を実行するためのバルブであって、ソレノイドバルブ19から出力される信号圧によって動作するように構成されている。具体的に説明すると、ダウンシフト制御弁13は、油路35に接続された入力ポート20と、その入力ポート20に選択的に連通されるドレインポート21と、デューティ比に応じた信号圧がソレノイドバルブ19から加えられることにより、図示しない弁体を動作させる信号圧ポート22とを備えている。なお、符号23はスプリングであって、信号圧に対抗する方向の弾性力を弁体に対して付与するように配置されている。したがって、ソレノイドバルブ19におけるデューティ比に応じて、油圧アクチュエータ7の油圧室31から圧油が排出されるようになっている。なお、油圧制御回路34は、油圧室33の油圧を制御する油路(図示せず)およびソレノイドバルブ(図示せず)などを有している。
そして、変速を制御する機能を有する電子制御装置(ECU)24が設けられている。この電子制御装置24は、マイクロコンピュータを主体として構成されたものであって、電子制御装置24には、アクセル開度、車速、ベルト式無段変速機1の入力回転数および出力回転数、エンジン回転数などの信号が入力される。そして、電子制御装置24においては、アクセル開度や車速、エンジン回転数などの入力データと、予め記憶しているデータなどとに基づいて演算を行って変速を判断するとともに、その変速判断に基づいて、ソレノイドバルブ14,19の通電状態を制御するためのデューティ比などを演算し、そのデューティ比に応じた制御信号を出力するように構成されている。また、この電子制御装置24は、油圧室33の油圧を制御するソレノイドバルブなどを制御することにより、前記従動プーリ3がベルト4を挟み付けてベルト式無段変速機1における伝達トルク容量を設定する挟圧力を制御するように構成されている。
したがって、上記のベルト式無段変速機1は、アクセル開度や車速などの車両の走行状態に基づいて目標変速比あるいは目標入力回転数(エンジン11もしくは駆動プーリ2の目標回転数)が設定され、実変速比や実入力回転数がその目標値に一致するように、電子制御装置24が制御信号をいずれかのソレノイドバルブ14,19に出力するように構成されている。そして、いずれかのソレノイドバルブ14,19が、入力されたデューティ比に応じた信号圧を出力することにより、アップシフト制御弁12から駆動プーリ2側の油圧アクチュエータ7に圧油が供給されてアップシフトが実行され、あるいはその油圧アクチュエータ7からダウンシフト制御弁13を介して圧油が排出させられてダウンシフトが実行され、あるいは変速比が略一定に制御される。
上記のアップシフトおよびダウンシフトの変速制御では、フィードバック制御およびフィードフォワード制御を組み合わせて実行可能である。まず、フィードフォワード制御は、油圧室31におけるオイルの供給量・排出量と、入力回転数や変速比との対応関係をモデルベースに基づいてデータ化しておき、そのモデルベース化されたオイル量と、変速比もしくは入力回転数との関係に基づいて、目標入力回転数および目標変速比に応じて、油圧室31におけるオイルの供給・排出量を制御することである。これに対して、フィードバック制御は、目標入力回転数や目標変速比などの目標値と、実際の入力回転数や変速比などの実際値との偏差を求め、その偏差を小さく(少なく)するように、油圧室31のオイル量を制御することである。このフィードフォワード制御およびフィードバック制御に用いる制御量は、目標とする変速を達成するための制御指令信号であって、具体的には前記いずれかのソレノイドバルブ14,19に出力するデューティ比(%)である。
図3は、その変速制御の基本的な内容を説明するためのフローチャートであって、先ず、フィードフォワード(FF)制御で用いる目標入力回転数NINTSTAが算出される(ステップS100)。この目標入力回転数NINTSTAは、例えば、基本目標入力回転数NINCを一次なまし処理して算出する。この基本目標入力回転数NINCは、エンジン11とベルト式無段変速機1とを協調制御する際に、アクセル開度と車速とに基づいて算出することが可能である。より具体的には、アクセル開度とその時点の車速とに基づいて要求駆動力が求められる。これは、例えば予め用意したマップから求められる。その要求駆動力と車速とからエンジン11の要求出力が算出され、その要求出力を最小の燃費で出力するエンジン回転数が、マップを使用して求められる。こうして求められたエンジン回転数に対応するベルト式無段変速機1の入力回転数が、基本目標入力回転数NINCである。なお、エンジン11の負荷は、上記の目標出力とエンジン回転数とに基づいて算出され、その目標出力を達成するようにエンジン11のスロットル開度が制御される。
このステップS100についで、フィードバック(FB)制御で用いる目標入力回転数NINTを算出する(ステップS101)。ここで、目標入力回転数NINTとして、前述の目標入力回転数NINTSTAまたは、目標入力回転数NINTSTAに対する制御の応答遅れを考慮した目標入力回転数NINTNFFのいずれかが選択される。ここで、目標入力回転数NINTNFFは、例えば、次式により算出される。
NINTNFF(i)=NINTNFF(i−1)+{NINTSTA(i−K1)−
NINTNFF(i−1)}×K2
この実施例で説明する全ての数式およびフローチャートにおいて、「(i)」は、制御ルーチンの実行周期における(i)番目の周期、つまり「今回」を意味し、「(i−1)」は前回を意味する。また、上記の式において、「K1」は、むだ時間に相当する係数もしくは補正値であり、「K2」は、なまし量を決定する時定数もしくは補正値である。つまり、この目標入力回転数NINTNFFは、油圧制御回路34の構成や油圧アクチュエータ7の構成において、圧油の供給・排出作用、油圧室31を構成するピストンの動作などで不可避的に生じる制御の応答遅れを考慮した目標入力回転数である。言い換えれば、目標入力回転数NINTSTAに対して、システムの構成上で実現可能な値として、目標入力回転数NINTNFFが設定される。
さらに、ステップS101において、目標入力回転数NINTSTAまたは目標入力回転数NINTNFFのいずれかを選択する場合の判断は、フィードフォワード制御が禁止されているか否かによりおこなわれる。具体的には、フィードフォワード制御が禁止されている場合は、目標入力回転数NINTSTAが選択され、フィードフォワード制御が許可されている場合は、目標入力回転数NINTNFFが選択される。なお、フィードフォワード制御が禁止される条件としては、急激な加速要求により、ベルト式無段変速機1でダウンシフトが生じる場合、車両が低摩擦係数路を走行して駆動輪36がスリップする場合などが挙げられる。
上記のステップS101についで、実出力回転数NOUTのなまし補正回転数(遅れ補正なまし値)NOUTHOが算出される(ステップS102)。実出力回転数NOUTは、適宜のセンサによって検出されており、これをフィルタ処理することによりなまし補正回転数NOUTHOが求められる。なお、このなまし処理(フィルタ処理)は、検出信号に含まれるノイズ(外乱成分)を除去するための処理であるが、そのノイズの要因や程度は必ずしも一律ではないので、なまし係数(フィルタ処理の係数)はノイズあるいは外乱の要因や程度に応じて変更することが好ましい。
ついで、そのなまし補正回転数NOUTHOを利用して目標変速比RATIOTが算出される(ステップS103)。すなわち、変速比は駆動プーリ2の回転数と従動プーリ3の回転数との比であるから、目標変速比RATIOTが、上述した目標入力回転数NINTと実出力回転数NOUTのなまし補正回転数NOUTHOとの比として算出される。
図2に示すベルト式無段変速機1は、各プーリ2,3に対するベルト4の巻き掛け半径に応じて変速比が設定されるから、目標変速比RATIOTを達成するための可動プーリ片6の位置WDXが算出される(ステップS104)。ここで、位置WDXとは軸線方向における位置を意味する。すなわち変速比と可動プーリ片6の位置WDXとは、プーリの形状に基づいて幾何学的に定まるので、目標変速比RATIOTと可動プーリ片6の位置WDXとの関係を予めマップとして用意しておき、そのマップと目標変速比RATIOTとから可動プーリ片6の位置WDXが求められる。
前述した目標入力回転数NINTは、最終的に到達するべき回転数として設定されるのではなく、時々刻々の目標値として設定されるから、それに基づく前記目標変速比RATIOTも時々刻々変化する値として算出される。したがって可動プーリ片6の位置WDXは時間毎の位置として求められる。したがって次のステップS105では、所定時間の可動プーリ片6の移動量DXTが算出される。これは、可動プーリ片6の位置WDXの移動平均として求めることができる。
次に、目標変速比RATIOTの変化量を達成するための上記の所定時間の可動プーリ片6の移動量DXTを実現するのに要する駆動プーリ2の油圧アクチュエータ7に対する圧油の流量値QINが算出される(ステップS106)。要は、その油圧アクチュエータ7におけるピストン(図示せず)の受圧面積と可動プーリ片6の移動量DXTとの積である。
駆動プーリ2側の油圧アクチュエータ7の油圧室31に対する圧油の給排の制御は、図2に示すソレノイドバルブ14,19をデューティ制御することによって行われるが、そのデューティ比に応じた圧油の流量は、その流入口と流出口との差圧に関係するので、先ず、その差圧(駆動プーリ2におけるオイルの流入出差圧)SAATUが算出される(ステップS107)。これは、所定のモデルに基づく制御で得られたデータを用いればよい。そして、この差圧SAATUと前記流量値QINとの関係を示すマップに基づいて、フィードフォワード制御での制御量(FF制御量)DQSCFFTが算出される(ステップS108)。
なお、軸線方向における駆動プーリ2の目標位置と、実際の位置との偏差を解消するためのフィードバック制御も併せて実行されるので、その偏差とフィードバックゲインとに基づくいわゆるフィードバック制御量(FB制御量)DQSCFBが算出される(ステップS109)。そして、これらの算出された制御量DQSCFFTおよび制御量DQSCFBに基づいて、変速出力制御量(具体的には前記ソレノイドバルブ14,19のデューティ比)が算出される(ステップS110)。このように、ベルト式無段変速機1の変速比を制御する場合、実質的には各種の目標入力回転数を設定し、その目標入力回転数に基づいて実入力回転数を制御することで、結果的に変速比が制御されていることになる。
前述した各種の目標入力回転数の一例を、図4のタイムチャートに基づいて説明する。図4においては、基本目標入力回転数NINCが実線で示され、目標入力回転数NINTSTAが一点鎖線で示され、目標入力回転数NINTNFFが破線で示されている。この図4は、ダウンシフト要求が生じて各目標入力回転数が上昇する場合を示している。すなわち、時刻t1以前においては、各目標入力回転数が略一致し、かつ、略一定となっている。時刻t1でアクセルペダルの踏み込み量が増加して、ダウンシフト要求が生じると、基本目標入力回転数NINCがステップ的に急上昇し、時刻t1以降は基本目標入力回転数NINCが略一定になっている。
これに対して、目標入力回転数NINTSTAは時刻t1から所定の勾配で上昇し、時刻t3以降は、目標入力回転数NINTSTAが基本目標入力回転数NINCと一致している。時刻t1から時刻t3の間は、目標入力回転数NINTSTAは基本目標入力回転数NINCよりも低回転数となっている。目標入力回転数NINTSTAの上昇勾配は、基本目標入力回転数NINCの上昇勾配よりも緩やかである。さらに、目標入力回転数NINTNFFは時刻t1以降も略一定に推移しており、時刻t1から所定のむだ時間が経過した時刻t2から、目標入力回転数NINTNFFが上昇を開始し、時刻t4以降、目標入力回転数NINTNFFが基本目標入力回転数NINCと略一致している。時刻t1から時刻t4の間、実入力回転数NINは、目標入力回転数NINTSTAおよび基本目標入力回転数NINCよりも低回転数となっている。なお、図4においては、実入力回転数NINが、目標入力回転数NINTNFFと略一致して推移している。
つぎに、図3のフローチャートにおけるステップS109の処理の具体例(実施例1)を、図1のフローチャートに基づいて説明する。まず、フィードフォワード制御およびフィードバック制御が共に実行されている場合に、FB制御量の比例項(P項)、より具体的にはP項(i)が算出される(ステップS1)。この比例項は、図4のタイムチャートに示された目標入力回転数NINTSTAと目標入力回転数NINTNFFとの偏差の絶対値と、制御ゲインとに基づいて算出される。このステップS1についで、FB制御量の積分項(I項)、具体的には、I項(i)が求められる(ステップS2)。この積分項(I項)は、前記偏差の絶対値の積分と、時間とにより求められる。ついで、フィードフォワード制御が許可から禁止に切り替わったか否かが判断される(ステップS3)。このステップS3で肯定的に判断された場合は、FB制御量における積分項(I)項が更新される(ステップS4)。このステップS4の処理においては、次式が用いられる。
I項(i)=I項(i)+DQSCFFT(i−1)
つまり、ステップS4では、前回の制御周期で求められたFF制御量DQSCFFT(i−1)と、今回の制御周期で求められたFB制御量の積分項(I項(i))とを加算することにより、フィードフォワード制御の禁止後におけるFB制御量の積分項(I項(i))の初期値が求められる。
上記のステップS4についで、FB制御量DQSCFB(i)が求められ(ステップS5)、この制御ルーチンを終了する。ステップS5の処理では、次式が用いられる。
DQSCFB(i)=P項(i)+I項(i)
つまり、ステップS4を経由してステップS5に進んだ場合は、ステップS1で求められたFB制御量の比例項(P項(i))と、ステップS4で求められたFB制御量の積分項(I項(i))とが加算されて、FB制御量DQSCFBが求められる。
一方、前記ステップS3で否定的に判断された場合は、フィードフォワード制御の許可が継続されていることとなり、この場合は、ステップS4の処理をおこなうことなく、ステップS5に進む。つまり、ステップS3から、ステップS4を迂回してステップS5に進んだ場合は、ステップS1で求められたFB制御量のP項(i)と、ステップS2で求められたFB制御量の積分項(I項(i))とが加算されて、FB制御量DQSCFB(i)が求められる。
つぎに、フィードフォワード制御が許可から禁止に切り替わる場合のタイムチャートの一例を、図5に基づいて説明する。図5では、時刻t5でフィードフォワード制御が許可から禁止に切り替えられている。時刻t5以前においては、目標入力回転数NINTSTAが上昇しており、実入力回転数NINTも上昇している。また、実入力回転数NINTは、目標入力回転数NINTSTAよりも低回転数となっているとともに、目標入力回転数NINTSTAと実入力回転数NINTとの偏差は時間の経過にともない減少している。
まず、比較例の制御に対応するタイムチャートを説明する。比較例とは、フィードフォワード制御が許可から禁止に切り替わった場合に、切り替わる前のFF制御量を考慮せずに、FB制御の積分項を設定する制御である。前述した時刻t5以前において、変速の出力制御量は、FF制御量およびFB制御量から成り立っている。そして、時刻t5でフィードフォワード制御が許可から禁止に切り替わった場合、比較例においては、FF制御量が零(%)になるとともに、フィードフォワード制御が許可から禁止に切り替わった時点の比例項および積分項により、FB制御量が構成されている。つまり、時刻t5において、FF制御量が零を越える所定値から零まで減少した差分だけ、変速の出力制御量が急激に低下し、ショックを招く恐れがあった。
これに対して、実施例1に対応するタイムチャートを説明する。時刻t5以前における変速の出力制御量は、比較例と同じである。つまり、図1のフローチャートのステップS3で否定的に判断されてステップS5に進み、そのステップS5で求められたFB制御量を有している。ついで、時刻t5でフィードフォワード制御が許可から禁止に切り替わると、FF制御量は零となり、時刻t5以前におけるFF制御量と、時刻t5以前におけるFB制御量の積分項I項とを加算した値が、時刻t5におけるFB制御量の積分項I項の初期値として用いられている。そして、時刻t5以降は、目標入力回転数NINTと実入力回転数NINとの偏差が減少することにともない、FB制御量も減少している。このように、図1の制御例を実行することにより、フィードフォワード制御が許可から禁止に切り替わった場合において、「変速の出力制御量が急激に減少もしくは低下すること」を抑制でき、フィードフォワード制御が禁止されることにともなうショックを回避できる。
つぎに、図3のフローチャートにおけるステップS109の処理の他の具体例(実施例2)を、図6のフローチャートに基づいて説明する。まず、フィードフォワード制御が禁止され、かつ、フィードバック制御が実行されている場合に、FB制御量の比例項(P項)、より具体的にはP項(i)が算出される(ステップS201)。このP項(i)の算出方法は、ステップS1の場合と同じである。このステップS201についで、FB制御量の積分項(I項)、具体的には、I項(i)が求められる(ステップS202)。ついで、フィードフォワード制御が禁止から許可に切り替わったか否かが判断される(ステップS203)。このステップS203で肯定的に判断された場合は、FB制御量における積分項(I)項が更新される(ステップS204)。このステップS204の処理においては、次式が用いられる。
I項(i)=I項(i−1)−DQSCFFT(i)
つまり、ステップS204では、前回の制御周期で用いられていたFB制御量の積分項(I項(i))から、今回の制御周期におけるFF制御量DQSCFFT(i)を減算することにより、フィードフォワード制御の許可後におけるFB制御量の積分項(I項(i))の初期値が求められる。
上記のステップS204についで、FB制御量DQSCFB(i)が求められ(ステップS205)、この制御ルーチンを終了する。ステップS205の処理では、次式が用いられる。
DQSCFB(i)=P項(i)+I項(i)
つまり、ステップS204を経由してステップS205に進んだ場合は、ステップS201で求められたFB制御量の比例項(P項(i))と、ステップS204で求められたFB制御量の積分項(I項(i))とが加算されて、FB制御量DQSCFB(i)が求められる。
一方、前記ステップS203で否定的に判断された場合は、フィードフォワード制御の禁止が継続されており、この場合は、ステップS204の処理をおこなうことなく、ステップS205に進む。つまり、ステップS203から、ステップS204を迂回してステップS205に進んだ場合は、ステップS201で求められたFB制御量のP項(i)と、ステップS202で求められたFB制御量の積分項(I項(i))とが加算されて、FB制御量DQSCFB(i)が求められる。
つぎに、フィードフォワード制御が禁止から許可に切り替わる場合のタイムチャートの一例を、図7に基づいて説明する。図7では、時刻t6でフィードフォワード制御が禁止から許可に切り替えられている。時刻t6以前においては、目標入力回転数NINTが上昇しており、実入力回転数NINも上昇している。また、実入力回転数NINは、目標入力回転数NINTよりも低回転数となっているとともに、目標入力回転数NINTと実入力回転数NINとの偏差は時間の経過にともない減少している。
まず、比較例の制御に対応するタイムチャートを説明する。比較例とは、フィードフォワード制御が禁止から許可に切り替わった場合に、切り替わった後のFF制御量を考慮せずに、切り替わった時点のFB制御の積分項を設定する制御である。前述した時刻t6以前においてはFF制御量が零(%)であり、変速の出力制御量は、実質的にFB制御量と同等である。そして、時刻t6でフィードフォワード制御が禁止から許可に切り替わった場合、比較例においては、FF制御量が零を越えた所定値に設定されるとともに、フィードフォワード制御が許可から禁止に切り替わった時点のFB制御量の積分項が、FB制御量の初期値としてそのまま用いられている。このため、時刻t6において、FF制御量が零から、零を越える所定値まで増加した分だけ、変速の出力制御量が急激に増加(上昇)することになり、ショックを招く恐れがあった。
これに対して、実施例2に対応するタイムチャートを説明する。時刻t6以前における変速の出力制御量は、比較例と同じである。つまり、図6のフローチャートのステップS203で否定的に判断されてステップS205に進み、そのステップS205で求められたFB制御量を有している。ついで、時刻t6でフィードフォワード制御が許可から禁止に切り替わると、FF制御量が零(%)から、零を越える所定値に増加され、時刻t6以前におけるFB制御量における積分項から、時刻t6時点におけるFF制御量が減算されて、時刻t6以降におけるFB制御量の積分項の初期値が求められている。そして、時刻t6以降は、目標入力回転数NINTと実入力回転数NINとの偏差が減少することにともない、FB制御量も減少している。このように、図6の制御例を実行することにより、フィードフォワード制御が禁止から許可に切り替わった場合において、変速の出力制御量が急激に増加もしくは上昇することを抑制でき、フィードフォワード制御が許可されることにともなうショックを回避できる。
なお、従動プーリ3の油圧室33に供給・排出されるオイル量を制御することにより、ベルト式無段変速機1の変速比を制御することが可能に構成されているとともに、油圧室31の油圧を制御するソレノイドバルブなどを制御することにより、前記駆動プーリ2がベルト4を挟み付けてベルト式無段変速機1における伝達トルク容量を設定する挟圧力を制御するように構成されている車両についても、この実施例を適用可能である。また、この実施例において、フィードフォワード制御の禁止とは、FF制御の制御量が零%に設定されるという意味である。
この場合は、油圧室33のオイル量を制御するソレノイドバルブ(図示せず)のデューティ比を、図3の制御によりフィードバック制御およびフィードフォワード制御することが可能であるとともに、図1および図6の制御例を実行することにより、フィードフォワード制御の禁止と許可との切り替えにともなう変速の出力制御量の急激な変化を抑制でき、前述と同様の効果を得られる。なお、前述したソレノイドバルブの形式が、ノーマルクローズ形式またはノーマルオープン形式のいずれを選択するか、フィードバック制御の制御量およびフィードフォワード制御の制御量の算出式などの条件は任意に変更可能であり、これらの条件に合わせて、ソレノイドバルブの制御量(%)の増減(大小)関係などを逆に設定することも可能である。
なお、上記の説明では、ベルト式無段変速機6の変速比を制御する場合に、主として入力回転数に基づく制御をおこなっているが、入力回転数と等価のパラメータである入力回転速度に基づいて、ベルト式無段変速機6の変速比を制御することも可能である。また、ベルト式無段変速機6の変速比自体を目標変速比として設定し、目標変速比と実変速比との偏差に基づいて、フィードバック制御をおこなう制御も、この発明の実施例に含まれる。さらに、動力源としてモータ・ジェネレータが設けられている車両において、図1,図3,図6の制御を実行することも可能である。この場合は、図3のステップS100において、モータ・ジェネレータを制御する場合における電力の消費状態などの条件に基づいて、ベルト式無段変速機6の基本目標入力回転数NINCを求めることも可能である。また、この実施例は、各種の入力回転数が略一定である場合、各種の入力回転数が上昇する場合、各種の入力回転数が下降する場合のいずれにおいても実行可能である。また、変速比が略一定である場合、変速比が大きくなる場合(ダウンシフトの場合)、変速比が小さくなる場合(アップシフトの場合)のいずれにおいても、実行可能である。
ここで、図1のフローチャートに示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すると、ステップS3が、この発明の切替判断手段に相当し、ステップS4,S5が、この発明の積分項設定手段に相当する。また、図6のフローチャートに示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すると、ステップS203が、この発明の切替判断手段に相当し、ステップS204,S205が、この発明の積分項設定手段に相当する。また、図3のフローチャートに示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すると、ステップS100が、この発明の第1の算出手段および第2の算出手段に相当し、ステップS101が、この発明の第3の算出手段に相当する。
また、エンジン11およびモータ・ジェネレータが、この発明の動力源に相当し、駆動プーリ2が、この発明の入力側プーリに相当し、従動プーリ3が、この発明の出力側プーリに相当し、油圧室31,33が、この発明の油圧室に相当し、フィードフォワード制御およびフィードバック制御を共に実行することが、「この発明の「第1の制御」に相当し、フィードフォワード制御を禁止し、かつ、フィードバック制御を実行することが、この発明の「第2の制御」に相当する。また、この実施例では、ベルト式無段変速機6の変速比を制御するにあたり、入力回転数をその制御対象としており、基本目標入力回転数NINCが、この発明の「第1の目標入力回転数」に相当し、目標入力回転数NINTSTAが、この発明の「第2の目標入力回転数」に相当し、目標入力回転数NINTNFFが、この発明の「第3の目標入力回転数」に相当する。
この発明のベルト式無段変速機の変速制御装置で実行可能な制御の実施例1を示すフローチャートである。
この発明で対象とするベルト式無段変速機を有する車両の概念図である。
図2のベルト式無段変速機で実行される制御であり、フィードバック制御およびフィードフォワード制御を含む制御のフローチャートである。
図3のフローチャートで設定される各種の入力回転数の一例を示すタイムチャートである。
図1のフローチャートに対応するタイムチャートである。
この発明のベルト式無段変速機の変速制御装置で実行可能な制御の実施例2を示すフローチャートである。
図6のフローチャートに対応するタイムチャートである。
符号の説明
1…ベルト式無段変速機、 2…駆動プーリ、 3…従動プーリ、 4…ベルト、 11…エンジンおよびモータ・ジェネレータ(動力源)、 31,33…油圧室。