JP4927053B2 - 無段変速機の油圧異常検出装置 - Google Patents

無段変速機の油圧異常検出装置 Download PDF

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Description

この発明は無段変速機の油圧異常検出装置に関する。
ベルト式の無段変速機は供給される油圧に応じて決定される巻き掛け半径でベルトを挟持するプーリを備え、車両に搭載された内燃機関の出力を変速する。そのような無段変速機においては油圧供給系のバルブの劣化などから油圧の異常が生じることがあるが、特許文献1記載の技術において油圧の異常を検出することが提案されている。
特許文献1記載の技術においては、プーリに流入される推定油量(制御量/実油圧を含む物理モデルから算出)と実際に流入される油量(実変速比から算出)とから油圧の異常を検出している。
特開2007−270937号公報
特許文献1記載の技術においては、推定流入油量の算出に、推力比係数(予め実験により求める)、流量係数、バルブ開口面積、オイル密度など多くのパラメータを必要とするため、構成が複雑になると共に、パラメータが増えることで算出値のバラツキも増加するために判定幅を拡大して誤り判定を回避する必要も生じ、結果として異常検出が遅れる不都合があった。
従って、この発明の目的は上記した不都合を解消し、異常判定に必要なパラメータを減少させることで構成を簡易にすると共に、プーリへの供給油圧の異常を迅速かつ精度良く検出するようにした無段変速機の油圧異常検出装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1にあっては、供給される油圧に応じて決定される巻き掛け半径でベルトを挟持するプーリを備え、車両に搭載された内燃機関の出力を変速する無段変速機において、前記プーリに油圧を供給する油圧供給路に介挿され、通電指令値に応じて前記プーリに供給される油圧を増減させる電磁ソレノイドバルブと、前記電磁ソレノイドバルブへの通電指令値を増減させたときの前記プーリに供給される油圧を検出する油圧検出手段と、前記通電指令値の大きさで分割された領域ごとに、前記検出された油圧の増加するときの平均値と減少するときの平均値の差であるヒステリシスの幅を算出する油圧ヒステリシス幅算出手段と、前記算出された油圧のヒステリシスの幅を所定値と比較する比較手段と、前記算出された油圧のヒステリシスの幅が前記所定値より大きいとき、前記油圧の供給に異常が生じたと判定する油圧異常判定手段とを備える如く構成した。
請求項1に係る無段変速機の油圧異常検出装置にあっては、プーリに油圧を供給する油圧供給路に介挿され、通電指令値に応じてプーリに供給される油圧を増減させる電磁ソレノイドバルブへの通電指令値を増減させたときのプーリに供給される油圧を検出し、通電指令値の大きさで分割された領域ごとに、検出された油圧の増加するときの平均値と減少するときの平均値の差であるヒステリシスの幅を算出し、算出された油圧のヒステリシスの幅が所定値より大きいとき、油圧の供給に異常が生じたと判定する如く構成したので、異常判定に必要なパラメータを減少できて構成を簡易にできると共に、パラメータを減少できた分、油圧の異常を迅速かつ精度良く検出することができる。また、ヒステリシスの幅の算出が容易となり、油圧の異常を一層迅速かつ一層精度良く検出することができる。
以下、添付図面に即してこの発明に係る無段変速機の油圧異常検出装置を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、この発明の実施例に係る無段変速機の油圧異常検出装置を全体的に示す概略図である。
図1において、符号10は内燃機関(以下「エンジン」という)を示す。エンジン10は、車両(駆動輪Wなどで部分的に示す)12に搭載される。
エンジン10において、吸気系に配置されたスロットルバルブ(図示せず)は車両12の運転席に配置されるアクセルペダル(図示せず)との機械的な接続が絶たれ、電動モータなどのアクチュエータ(図示せず)からなるDBW(Drive By Wire)機構14に接続されて駆動される。
スロットルバルブで調量された吸気はインテークマニホルド(図示せず)を通って流れ、各気筒の吸気ポート付近でインジェクタ(燃料噴射弁)16から噴射された燃料と混合して混合気を形成し、吸気バルブ(図示せず)が開弁されたとき、当該気筒の燃焼室(図示せず)に流入する。燃焼室において混合気は点火されて燃焼し、ピストン(図示せず)を駆動してクランクシャフト(図示せず)を回転させた後、排気となってエンジン10の外部に放出される。
エンジン10のクランクシャフトはドライブプレート20に固定される。ドライブプレート20はフライホイールマスも兼ねるトルクコンバータ22のポンプ・インペラ22aに接続される一方、それに対向配置されて流体(作動油)を収受するタービン・ランナ22bはメインシャフト(ミッション入力軸)MSに接続される。符号22cはロックアップクラッチを示す。
トルクコンバータ22の下流には、前後進切換機構24を介して無段変速機(Continuous Variable Transmission。以下「CVT」という)26が接続される。
CVT26は、メインシャフトMS上に配置されるドライブプーリ26aと、メインシャフトMSに平行なカウンタシャフトCS上に配置されたドリブンプーリ26bと、その間に掛け回される金属製のベルト26cからなる。
ドライブプーリ26aは、メインシャフトMS上に配置された固定プーリ半体26a1と、固定プーリ半体26a1に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ半体26a2とからなる。ドリブンプーリ26bは、カウンタシャフトCSに固定された固定プーリ半体26b1と、固定プーリ半体26b1に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ半体26b2からなる。
ベルト26cは2束のリングとそのリングに保持される多数の、例えば400個程度のエレメント(後で図5に示す)から構成され、エレメントが順次押されることでドライブプーリ26aからドリブンプーリ26bにトルクが伝達される。
前後進切換機構24は、メインシャフトMSに固定されるリングギヤ24aと、CVT26のドライブプーリ26aの固定プーリ半体26a1に固定されるサンギヤ24bと、その間に配置されるピニオンギヤキャリア24cと、リングギヤ24aとサンギヤ24bを締結可能な前進(フォワード)クラッチ24dと、ピニオンギヤキャリア24cを変速機ケース(図示せず)に固定可能な後進(リバース)ブレーキクラッチ24eとからなる。
カウンタシャフトCSにはセカンダリドライブギヤ30が固定され、セカンダリドライブギヤ30はセカンダリシャフトSSに固定されたセカンダリドリブンギヤ32と噛合する。セカンダリシャフトSSにはファイナルドライブギヤ34が固定され、ファイナルドライブギヤ34は、ディファレンシャル機構Dのファイナルドリブンギヤ36に噛合される。
上記の構成により、カウンタシャフトCSの回転はギヤ30,32を介してセカンダリシャフトSSに伝えられ、セカンダリシャフトSSの回転はギヤ34,36を介してディファレンシャルDに伝えられ、そこで振り分けられて左右の駆動輪(タイヤ。右側のみ示す)Wに伝えられる。駆動輪Wの付近にはディスクブレーキ40が配置される。
図2はCVT26などの油圧機構を模式的に示す油圧回路図である。
図示の如く、油圧機構(符号42で示す)には油圧ポンプ42aが設けられる。油圧ポンプ42aはベーンポンプからなり、エンジン10によって駆動され、リザーバ42bに貯留された作動油を汲み上げてPH制御バルブ(PH REG VLV)42cに圧送する。
PH制御バルブ42cの出力(PH圧(ライン圧))は、一方では油路42dから第1、第2のレギュレータバルブ(DR REG VLV, DN REG VLV)42e,42fを介してCVT26のドライブプーリ26aの可動プーリ半体26a2のピストン室(DR)26a21とドリブンプーリ26bの可動プーリ半体26b2のピストン室(DN)26b21に接続されると共に、他方では油路42gを介してCRバルブ(CR VLV)42hに接続される。
CRバルブ42hはPH圧を減圧してCR圧(制御圧)を生成し、油路42iから第1、第2、第3の(電磁)リニアソレノイドバルブ42j,42k,42l(LS-DR, LS-DN, LS-CPC)に供給する。第1、第2のリニアソレノイドバルブ42j,42kはそのソレノイドの励磁に応じて決定される出力圧を第1、第2のレギュレータバルブ42e,42fに作用させ、油路42dから送られるPH圧の作動油を可動プーリ半体26a2,26b2のピストン室26a21,26b21に供給し、それに応じたプーリ側圧を発生させる。
従って、図1に示す構成においては、可動プーリ半体26a2,26b2を軸方向に移動させるプーリ側圧が発生させられてドライブプーリ26aとドリブンプーリ26bのプーリ幅が変化し、ベルト26cの巻掛け半径が変化する。このように、プーリの側圧を調整することで、エンジン10の出力を駆動輪Wに伝達する変速比を無段階に変化させることができる。
CRバルブ42hの出力(CR圧)はCRシフトバルブ(CR SFT VLV)42nにも接続され、そこからマニュアルバルブ(MAN VLV)42oを介して前後進切換機構24の前進クラッチ24dのピストン室(FWD)24d1と後進ブレーキクラッチ24eのピストン室(RVS)24e1に接続される。
前進クラッチ24dと後進ブレーキクラッチ24eの動作は、車両12の運転席に設けられた、例えばP,R,N,D,S,Lのレンジ(ポジション)を備えるセレクトレバー44を運転者が操作して選択することで決定される。即ち、運転者によってセレクトレバー44のいずれかのレンジが選択されたとき、その選択動作は油圧機構42のマニュアルバルブ42oに伝えられる。
例えばD,S,Lレンジ、即ち、前進走行レンジが選択されると、それに応じてマニュアルバルブ42oのスプールが移動し、後進ブレーキクラッチ24eのピストン室24e1から作動油(油圧)が排出される一方、前進クラッチ24dのピストン室24d1に作動油が供給されて前進クラッチ24dが締結される。前進クラッチ24dが締結されると、全ギヤがメインシャフトMSと一体に回転し、ドライブプーリ26aはメインシャフトMSと同方向(車両12が前進する方向に相当する方向)に駆動される。
他方、Rレンジ(後進走行レンジ)が選択されると、前進クラッチ24dのピストン室24d1から作動油が排出される一方、後進ブレーキクラッチ24eのピストン室24e1に作動油が供給されて締結される。その結果、ピニオンギヤキャリア24cが変速機ケースに固定され、サンギヤ24bはリングギヤ24aと逆方向に駆動され、ドライブプーリ26aはメインシャフトMSとは逆方向(車両12が後進する方向に相当する方向)に駆動される。
また、PあるいはNレンジが選択されると、両方のピストン室から作動油が排出されて前進クラッチ24dと後進ブレーキクラッチ24eが共に開放され、前後進切換機構24を介しての動力伝達が断たれ、エンジン10とCVT26のドライブプーリ26aとの間の動力伝達が遮断される。
また、PH制御バルブ42cの出力は、油路42pを介してTCレギュレータバルブ(TC REG VLV)42qに送られ、TCレギュレータバルブ42qの出力はLCコントロールバルブ(LC CTL VLV)42rを介してLCシフトバルブ(LC SFT VLV)42sに接続される。LCシフトバルブ42sの出力は一方ではトルクコンバータ22のロックアップクラッチ22cのピストン室22c1に接続されると共に、他方ではその背面側の室22c2に接続される。
CRシフトバルブ42nとLCシフトバルブ42sは第1、第2(電磁)オン・オフソレノイド(SOL-A, SOL-B)42u,42vに接続され、その励磁・非励磁によって前進クラッチ24dへの油路の切替えとロックアップクラッチ22cの締結(オン)・開放(オフ)が制御される。
ロックアップクラッチ22cにあっては、LCシフトバルブ42sを介して作動油がピストン室22c1に供給される一方、背面側の室22c2から排出されると、ロックアップクラッチ22cが係合(締結。オン)され、背面側の室22c2に供給されると共に、ピストン室22c1から排出されると、解放(非締結。オフ)される。ロックアップクラッチ22cのスリップ量、即ち、係合と解放の間でスリップさせられるときの係合容量は、ピストン室22c1と背面側の室22c2に供給される作動油の量(油圧)によって決定される。
先に述べた第3のリニアソレノイドバルブ42lは油路42wとLCコントロールバルブ42rを介してLCシフトバルブ42sに接続され、さらに油路42xを介してCRシフトバルブ42nに接続される。即ち、前進クラッチ24dと、ロックアップクラッチ22cの係合容量(滑り量)は、第3のリニアソレノイドバルブ42lのソレノイドの励磁・非励磁によって調整(制御)される。
図1の説明に戻ると、エンジン10のカムシャフト(図示せず)付近などの適宜位置にはクランク角センサ50が設けられ、ピストンのTDC付近の位置と所定クランク角度位置ごとにパルス信号を出力する。吸気系においてスロットルバルブの下流の適宜位置には吸気圧力センサ52が設けられ、吸気圧力(エンジン負荷)PBAに比例した信号を出力する。
DBW機構14のアクチュエータにはスロットル開度センサ54が設けられ、アクチュエータの回転量を通じてスロットル開度THに比例した信号を出力すると共に、アクセルペダル付近にはアクセル開度センサ56が設けられ、運転者のアクセルペダル操作量に相当するアクセル開度APに比例する信号を出力する。
さらに、エンジン10の冷却水通路(図示せず)の付近には水温センサ60が設けられ、エンジン冷却水温TW、換言すればエンジン10の温度に応じた出力を生じると共に、吸気系には吸気温センサ62が設けられ、エンジン10に吸入される吸気温(外気温)TAに応じた出力を生じる。
上記したクランク角センサ50などの出力は、エンジンコントローラ64に送られる。エンジンコントローラ64はCPU,ROM,RAM,I/Oなどからなるマイクロコンピュータと波形整形回路などを備える。エンジンコントローラ64は、クランク角センサ50の出力パルス間隔の時間を計測してエンジン回転数NEを検出すると共に、検出されたエンジン回転数NEと他のセンサ出力に基づいて目標スロットル開度を決定してDBW機構14の動作を制御すると共に、燃料噴射量を決定してインジェクタ16を駆動する。
メインシャフトMSの付近の適宜位置にはNTセンサ(回転数センサ)66が設けられ、タービン・ランナ22bの回転数に相当する、メインシャフトMSの回転数を示すパルス信号を出力する。
CVT26のドライブプーリ26aの付近の適宜位置にはNDRセンサ(回転数センサ)70が設けられてドライブプーリ26aの回転数を示す信号を出力する。
セカンダリシャフトSSのセカンダリドリブンギヤ32の付近にはVELセンサ(回転数センサ)72が設けられ、セカンダリドリブンギヤ32の回転数を通じてCVT26の出力回転数、即ち、ドリブンプーリ26bの回転数あるいは車速VELを示すパルス信号を出力する。前記したセレクトレバー44の付近にはセレクトレバーセンサ74が設けられ、運転者によって選択されたR,N,Dなどのレンジに応じた信号を出力する。
また、油圧機構42において、リザーバ42bには油温センサ76が配置されて作動油の温度(油温)に応じた出力を生じると共に、ドリブンプーリ26bの可動プーリ半体26b2のピストン室26b21に接続される油路には油圧センサ78が配置されてピストン室26b21に供給される作動油の圧力(油圧)に応じた出力を生じる。
上記したNTセンサ66などの出力は、シフトコントローラ80に送られる。シフトコントローラ80もエンジンコントローラ64と同様にCPU,ROM,RAM,I/Oなどからなるマイクロコンピュータと波形整形回路などを備えると共に、エンジンコントローラ64と通信自在に構成される。シフトコントローラ80は不揮発性メモリ80aを備える。
シフトコントローラ80において、NTセンサ66とNDRセンサ70の出力は波形整形回路に入力され、CPUはその出力から回転数を検出する。VELセンサ72の出力は、波形整形回路に入力された後、方向検出回路に入力される。CPUは波形整形回路の出力をカウントしてCVT26の出力(ドリブンプーリ26bの)回転数(と車速)を検出すると共に、方向検出回路の出力からCVT26の回転方向を検出する。
シフトコントローラ80はそれら検出値に基づき、CVT26の供給油圧を決定して油圧機構42の電磁ソレノイドバルブ42jなどを励磁・非励磁してCVT26の動作を制御すると共に、トルクコンバータ22のロックアップクラッチ22cと前進クラッチ24dと後進ブレーキクラッチ24eの締結・開放を制御する。
さらに、シフトコントローラ80は、CVT26のプーリに供給される油圧の異常を検出する。
図3はシフトコントローラ80のその動作を示すフロー・チャートである。図示のプログラムは、車両12が加速、減速するときなど、車両12の走行中に実行される。
まずS10において第2のリニアソレノイドバルブ42kへの通電指令値ICMDが減少され、それに応じて昇圧(増加)されるドリブンプーリ26bの可動プーリ半体26b2のピストン室26b21への供給油圧[kgf/cm2]を油圧センサ78を介してゾーン(領域)ごとに検出、より具体的には供給油圧のゾーンごとの平均値を算出し、算出値をRAMに格納する。
次いでS12に進み、第2のリニアソレノイドバルブ42kへの通電指令値ICMDが増加され、それに応じて減圧(減少)される供給油圧について同様の算出処理を行い、算出値をRAMに格納する。
上記について説明すると、この実施例ではドライブプーリ26aとドリブンプーリ26bのうち、ドリブンプーリ26bに供給される油圧の増加するときと減少するときのヒステリシスの幅からドライブプーリ26aも含めたプーリ全体、即ち、CVT26への油圧の供給の異常を簡易に検出するようにした。ただし、末尾に記載するように、ドリブンプーリ26bも含めて検出することも可能である。
図4は第2のリニアソレノイドバルブ42kへの通電指令値ICMDに対するピストン室26b21への供給油圧のヒステリシスを示すグラフである。尚、この明細書で「ヒステリシス」は、ある量の大きさが変化の経路によって異なる現象、即ち、履歴現象を意味する。
尚、第2のリニアソレノイドバルブ42kはそのソレノイドに供給される通電量(通電指令値)が増加するほど、図2に示す構成において第2のレギュレータバルブ42fに作用させる出力圧が増加し、可動プーリ半体26b2のピストン室26b21に供給される作動油の量が減少し、プーリ側圧が減少する。即ち、第2のリニアソレノイドバルブ42kへの通電指令値とピストン室26b21に供給される油圧は反比例の関係にある。これは、第1のリニアソレノイドバルブ42jについても同様である。
図5はゾーンごとに算出された供給油圧の平均値で異常が検出されない場合を、図6は同様にゾーンごとに算出された供給油圧の平均値で異常が検出されたときのタイム・チャートを示す。図5と図6に示す如く、通電指令値を平均値の算出に便宜な位置で増加側と減少側でそれぞれ25のゾーン(領域)に区切り、ゾーンごとに供給油圧の平均値を算出する。
図3フロー・チャートの説明に戻ると、S10,S12のゾーンごとの油圧値検出処理は、図7に示す条件が成立したとき行う。
次いでS14に進み、対応するゾーンごとに算出された油圧の平均値の差、即ち、ヒス幅(ヒステリシスの幅)を算出する。換言すれば、検出された油圧の増加するときと減少するときのヒステリシスの幅を算出する。
次いでS16に進み、算出された油圧の平均値の差(ヒス幅)を所定値とゾーンごとに比較し、算出された油圧の平均値の差が所定値より大きいか否か判断する。
S16で肯定されて算出された油圧の平均値の差が所定値より大きいと判断されるとき、S18に進み、油圧の供給に異常あり(異常が生じた)と判定する一方、否定されるときはS20に進み、油圧の供給に異常なしと判定する。
所定値を例えば4[kgf/cm]とすると、図5の場合はゾーンの全てで算出された供給油圧の平均値の差が所定値未満であることからS16の判断は否定される一方、図6の場合はゾーン1などで所定値より大きいことからS16の判断は肯定される。このように、全てのゾーンで否定されたとき、S20において油圧の供給に異常なしと判定される。
尚、S18で油圧の供給に異常ありと判定されるときは、警告灯(図示せず)を点灯させるかブザー(図示せず)を鳴動させるなどしてユーザに警告する警告動作も実行する。
上記で「油圧の供給に異常あり(異常が生じた)」とは、油圧ポンプ42の故障や劣化、PH制御バルブ42c、第2のレギュレータバルブ42eの応答性低下(作動油中に混入した不純物などによる)や劣化や故障、あるいは第2のリニアソレノイドバルブ42kの劣化など油圧機構42の構成要素の故障あるいは劣化によると否とを問わず、ドリブンプーリ26bに供給される油圧の大きさが不適正である状態を示す。
このように、この実施例にあっては、供給される油圧に応じて決定される巻き掛け半径でベルト26cを挟持するプーリ(ドライブプーリ26a,26b)を備え、車両12に搭載されたエンジン(内燃機関)10の出力を変速するCVT(無段変速機)26において、前記プーリ(より具体的にはドリブンプーリ26b)に油圧を供給する(油圧機構42の)油圧供給路に介挿され、通電指令値に応じて前記プーリに供給される油圧を増減させる電磁ソレノイドバルブ(第2の電磁リニアソレノイドバルブ)42kと、前記電磁ソレノイドバルブへの通電指令値を増減させたときの前記プーリに供給される油圧を検出する油圧検出手段(油圧センサ78、シフトコントローラ80,S10,S12)と、前記通電指令値の大きさで分割された領域(ゾーン)ごとに、前記検出された油圧の増加するときの平均値と減少するときの平均値の差であるヒステリシスの幅を算出する油圧ヒステリシス幅算出手段(シフトコントローラ80,S14)と、前記算出された油圧のヒステリシスの幅を所定値と比較する比較手段(シフトコントローラ80,S16)と、前記算出された油圧のヒステリシスの幅が前記所定値より大きいとき、前記油圧の供給に異常が生じたと判定する油圧異常判定手段(シフトコントローラ80,S18)とを備える如く構成したので、異常判定に必要なパラメータを減少できて構成を簡易にできると共に、パラメータを減少できた分、油圧の異常を迅速かつ精度良く検出することができる。また、ヒステリシスの幅の算出が容易となり、油圧の異常を一層迅速かつ一層精度良く検出することができる。
上記において、図3フロー・チャートの処理は、車両12が走行しているとき実行するようにしたが、それに限られるものではなく、車両12が停止、例えばエンジン回転数NEが所定回転数以上で安定して回転しており、車速とアクセル開度APが零であり、ブレーキ操作がなされていない(図示しないブレーキスイッチの出力から検出)ようなとき、実行しても良い。
この発明の実施例に係る無段変速機の油圧異常検出装置を全体的に示す概略図である。 図1に示すCVT(変速機)などの油圧機構を模式的に示す油圧回路図である。 図1に示す装置の動作を示すフロー・チャートである。 図2に示す第2のリニアソレノイドバルブへの通電指令値に対するドリブンプーリのピストン室への供給油圧のヒステリシスを示すグラフである。 図3フロー・チャートの処理を示す、領域(ゾーン)ごとに算出された供給油圧の平均値を示すタイム・チャートである。 同様に図3フロー・チャートの処理を示す、領域(ゾーン)ごとに算出された供給油圧の平均値を示すタイム・チャートである。 図3フロー・チャートのS10,S12の処理を実行するのに必要な条件を示す説明図である。
符号の説明
10 内燃機関(エンジン)、12 車両、22 トルクコンバータ、24 前後進切換機構、24a リングギヤ、24b サンギヤ、24c ピニオンギヤキャリア、24d 前進クラッチ、24e 後進ブレーキクラッチ、26 無段変速機(CVT)、26a ドライブプーリ、26b ドリブンプーリ、26c ベルト、26c1 エレメント、42 油圧機構、42k (第2の)電磁リニアソレノイドバルブ、44 セレクトレバー、64 エンジンコントローラ、66 NTセンサ、70 NDRセンサ、72 VELセンサ、78 油圧センサ、80 シフトコントローラ、MS メインシャフト、CS カウンタシャフト、SS セカンダリシャフト、D ディファレンシャル、W 駆動輪(タイヤ)

Claims (1)

  1. 供給される油圧に応じて決定される巻き掛け半径でベルトを挟持するプーリを備え、車両に搭載された内燃機関の出力を変速する無段変速機において、
    a.前記プーリに油圧を供給する油圧供給路に介挿され、通電指令値に応じて前記プーリに供給される油圧を増減させる電磁ソレノイドバルブと、
    b.前記電磁ソレノイドバルブへの通電指令値を増減させたときの前記プーリに供給される油圧を検出する油圧検出手段と、
    c.前記通電指令値の大きさで分割された領域ごとに、前記検出された油圧の増加するときの平均値と減少するときの平均値の差であるヒステリシスの幅を算出する油圧ヒステリシス幅算出手段と、
    d.前記算出された油圧のヒステリシスの幅を所定値と比較する比較手段と、
    e.前記算出された油圧のヒステリシスの幅が前記所定値より大きいとき、前記油圧の供給に異常が生じたと判定する油圧異常判定手段と、
    を備えたことを特徴とする無段変速機の油圧異常検出装置。
JP2008245661A 2008-09-25 2008-09-25 無段変速機の油圧異常検出装置 Expired - Fee Related JP4927053B2 (ja)

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