JP4782755B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は車両の制御装置に関し、より詳しくは車両に搭載された無段変速機のクラッチ締結状態を判断してベルト伝達トルク指令値の決定や機関出力トルクの低減を実行するようにした制御装置に関する。
無段変速機のクラッチ締結状態を判断する従来技術としては、特許文献1記載の技術を挙げることができる。特許文献1記載の技術にあっては、直結クラッチまたは反力ブレーキが係合過渡期か否かを油圧やタービン回転数NT、あるいはN−DシフトまたはN−Rシフトからの経過時間から判断している。
特開2001−330121号公報
上記したように特許文献1記載の技術にあってはタービン回転数NTなどからクラッチ締結状態を判断しているが、スイッチバック、即ち、RあるいはDなどのポジションの位置と車両の進行方向が一致しないときなどにはクラッチ締結状態を誤判断して操作量の決定などが不適切となる恐れがある。
従って、この発明の目的は上記した不都合を解消し、内燃機関にクラッチを介して接続される無段変速機を備えた車両において、クラッチの締結状態を精度良く判断してベルト伝達トルク指令値の決定あるいは機関出力トルクの低減を適切に実行するようにした車両の制御装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1にあっては、内燃機関と、前記内燃機関に車両の前後進を切り換える前後進切換機構の前進クラッチを介して接続されると共に、ドライブプーリとドリブンプーリを有するベルト式の無段変速機を備えた車両の制御装置において、前記前進クラッチの入力軸の回転数と回転方向を検出するクラッチ入力軸回転数検出手段と、前記前進クラッチの出力軸の回転数と回転方向を検出するクラッチ出力軸回転数検出手段と、前記検出された前進クラッチの入力軸の回転数と出力軸の回転数が回転方向も含めて一致したとき、前記前進クラッチが締結されたと判断するクラッチ締結判断手段と、前記クラッチ締結判断手段の判断結果に応じて前記無段変速機のベルト伝達トルク指令値の決定と前記内燃機関の出力トルクの低減のうちの少なくともいずれかを実行する実行手段とを備える如く構成した。
請求項2に係る車両の制御装置にあっては、前記実行手段は、前記前進クラッチに作動油が供給されている状態でかつ前記前進クラッチが締結されたと判断されない場合、前記前進クラッチの伝達トルクに基づいて前記ベルト伝達トルク指令値を決定すると共に、前記内燃機関の出力トルクを低減する如く構成した。
請求項3に係る車両の制御装置にあっては、前記実行手段は、前記前進クラッチの伝達トルクを前記前進クラッチの摩擦係数の最大値に基づいて求める如く構成した。
請求項4に係る車両の制御装置にあっては、前記無段変速機が前記内燃機関にトルクコンバータを介して接続されると共に、前記実行手段は、前記前進クラッチに作動油が供給されている状態でかつ前記前進クラッチが締結されたと判断された場合、前記内燃機関の出力トルクと前記トルクコンバータの伝達トルクのうちの少なくともいずれかに基づいて前記ベルト伝達トルク指令値を決定すると共に、前記内燃機関の出力トルクの低減を解除する如く構成した。
請求項1に係る車両の制御装置にあっては、検出された前進クラッチの入力軸の回転数と出力軸の回転数が回転方向も含めて一致したとき、前進クラッチが締結されたと判断すると共に、その判断結果に応じて無段変速機のベルト伝達トルク指令値を決定するか、内燃機関の出力トルクを低減する如く構成したので、前進クラッチの締結を精度良く判断できると共に、それに応じて決定することで指令値の決定や出力トルクの低減を適切に実行することができる。
即ち、ベルト伝達トルク指令値を決定するときは無段変速機のベルトのスリップを防止するように決定できると共に、内燃機関の出力トルクを低減するときは、例えばアクセルペダルが踏み込まれた場合であっても、無段変速機のベルトの耐久性を向上させることができる。
請求項2に係る車両の制御装置にあっては、前進クラッチに作動油が供給されている状態でかつ前進クラッチが締結されたと判断されない場合、前進クラッチの伝達トルクに基づいてベルト伝達トルク指令値を決定すると共に、内燃機関の出力トルクを低減する如く構成したので、上記した効果に加え、前進クラッチの伝達トルクに対して余裕を持ったベルト伝達トルク指令値を決定することができ、無段変速機のベルトのスリップを一層防止できると共に、内燃機関の出力トルクを低減することで無段変速機のベルトの耐久性を一層向上させることができる。
請求項3に係る車両の制御装置にあっては、前進クラッチ伝達トルクを前進クラッチの摩擦係数の最大値に基づいて求める如く構成したので、上記した効果に加え、前進クラッチ伝達トルクにバラツキがあるときもその最大値で前進クラッチ伝達トルクを求め、それに基づいてベルト伝達トルク指令値を決定することとなるため、無段変速機のベルトのスリップを一層良く防止でき、ベルトの耐久性を一層向上させることができる。
請求項4に係る車両の制御装置にあっては、前進クラッチに作動油が供給されている状態でかつ前進クラッチが締結されたと判断された場合、内燃機関の出力トルクとトルクコンバータの伝達トルクのうちの少なくともいずれかに基づいてベルト伝達トルク指令値を決定すると共に、内燃機関の出力トルクの低減を解除する如く構成したので、上記した効果に加え、ベルトのスリップの防止と耐久性の向上を達成しつつ、必要な駆動力を確保することができる。
以下、添付図面に即してこの発明に係る車両の制御装置を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、この発明の実施例に係る車両の制御装置を全体的に示す概略図である。
図1において、符号10は内燃機関(以下「エンジン」という)を示す。エンジン10は、車両(駆動輪Wなどで部分的に示す)14に搭載される。
エンジン10の吸気系に配置されたスロットルバルブ(図示せず)は車両運転席に配置されるアクセルペダル(図示せず)との機械的な接続が絶たれ、電動モータなどのアクチュエータからなるDBW(Drive By Wire)機構16が接続されて駆動される。
スロットルバルブで調量された吸気はインテークマニホルド(図示せず)を通って流れ、各気筒の吸気ポート付近でインジェクタ(燃料噴射弁)20から噴射された燃料と混合して混合気を形成し、吸気バルブ(図示せず)が開弁されたとき、当該気筒の燃焼室(図示せず)に流入する。燃焼室において混合気は点火されて燃焼し、ピストン(図示せず)を駆動してクランクシャフト22を回転させた後、排気となってエンジン10の外部に放出される。
エンジン10のクランクシャフト22の回転は、トルクコンバータ24を介して変速機26に入力される。即ち、クランクシャフト22はトルクコンバータ24のポンプ・インペラ24aに接続される一方、それに対向配置されて流体(作動油)を収受するタービン・ランナ24bはメインシャフト(ミッション入力軸)MSに接続される。
変速機26は無段変速機(Continuous Variable Transmission。以下「CVT」という)からなり、メインシャフトMSに配置されたドライブプーリ26aと、メインシャフトMSに平行なカウンタシャフトCSに配置されたドリブンプーリ26bと、その間に掛け回される金属製のベルト26cからなる。
ドライブプーリ26aは、メインシャフトMSに配置された固定プーリ半体26a1と、固定プーリ半体26a1に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ半体26a2からなる。ドリブンプーリ26bは、カウンタシャフトCSに固定された固定プーリ半体26b1と、固定プーリ半体26b1に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ半体26b2からなる。
CVT26は、前後進切換装置30に接続される。前後進切換装置30は、前進クラッチ30aと、後進ブレーキ30bと、その間に配置されるプラネタリギヤ機構30cからなる。
プラネタリギヤ機構30cにおいて、サンギヤ30c1はメインシャフトMSに固定されると共に、リングギヤ30c2は前進クラッチ30aを介してドライブプーリ26aの固定プーリ半体26a1に固定される。
サンギヤ30c1とリングギヤ30c2の間には、ピニオン30c3が配置される。ピニオン30c3は、キャリア30c4でサンギヤ30c1に連結される。キャリア30c4は、後進ブレーキ30bが作動させられると、それによって固定(ロック)される。
カウンタシャフトCSの回転は減速ギヤ34,36を介してセカンダリシャフトSSに伝えられると共に、セカンダリシャフトSSの回転はギヤ40とディファレンシャルDを介して左右の駆動輪(タイヤ。右側のみ示す)Wに伝えられる。駆動輪Wの付近にはディスクブレーキ42が配置される。
前進クラッチ30aと後進ブレーキ30bの切換は、車両運転席に設けられた、例えばP,R,N,D,S,Lのポジションを備えるシフトレバー44を運転者が操作することによって行われる。即ち、運転者によってシフトレバー44のいずれかのポジションが選択されたとき、その選択動作は油圧機構(図示せず)のマニュアルバルブ(図示せず)に伝えられる。
例えばD,S,Lポジションが選択されると、それに応じてマニュアルバルブのスプールが移動し、後進ブレーキ30bのピストン室から作動油(油圧)が排出される一方、前進クラッチ30aのピストン室に油圧が供給されて前進クラッチ30aが締結される。前進クラッチ30aが締結されると、全ギヤがメインシャフトMSと一体に回転し、ドライブプーリ26aはメインシャフトMSと同方向(前進方向)に駆動される。
他方、Rポジションが選択されると、前進クラッチ30aのピストン室から作動油が排出される一方、後進ブレーキ30bのピストン室に油圧が供給されて後進ブレーキ30bが作動する。それによってキャリア30c4が固定されてリングギヤ30c2はサンギヤ30c1とは逆方向に駆動され、ドライブプーリ26aはメインシャフトMSとは逆方向(後進方向)に駆動される。
また、PあるいはNポジションが選択されると、両方のピストン室から作動油が排出されて前進クラッチ30aと後進ブレーキ30bが共に開放され、前後進切換装置30を介しての動力伝達が断たれ、エンジン10とCVT26のドライブプーリ26aとの間の動力伝達が遮断される。
CVT26においては油圧機構から可動プーリ半体26a2,26b2のピストン室に作動油が供給され、可動プーリ半体26a2,26b2を軸方向に移動させるプーリ側圧(ベルト伝達トルク)が発生させられると、ドライブプーリ26aとドリブンプーリ26bのプーリ幅が変化し、ベルト26cの巻掛け半径が変化する。このように、プーリ側圧を調整、換言すればベルト伝達トルク指令値を変更することで、エンジン10の出力を駆動輪Wに伝達する変速比を無段階に変化させることができる。
エンジン10のカム軸(図示せず)付近などの適宜位置にはクランク角センサ48が設けられ、ピストンの所定クランク角度位置ごとにエンジン回転数NEを示す信号を出力する。吸気系においてスロットルバルブの下流の適宜位置には絶対圧センサ50が設けられ、吸気管内絶対圧(エンジン負荷)PBAに比例した信号を出力する。
DBW機構16のアクチュエータにはスロットル開度センサ52が設けられ、アクチュエータの回転量を通じてスロットル開度THに比例した信号を出力すると共に、アクセルペダル付近にはアクセル開度センサ54が設けられ、運転者のアクセルペダル操作量に相当するアクセル開度APに比例する信号を出力する。
さらに、エンジン10の冷却水通路(図示せず)の付近には水温センサ56が設けられ、エンジン冷却水温TW、換言すればエンジン10の温度に応じた出力を生じると共に、吸気系には吸気温センサ58が設けられ、エンジン10に吸入される吸気温(外気温)に応じた出力を生じる。
上記したクランク角センサ48などの出力は、エンジンコントローラ60に送られる。エンジンコントローラ60はマイクロコンピュータを備え、それらセンサ出力に基づいて目標スロットル開度を決定してDBW機構16の動作を制御すると共に、燃料噴射量を決定してインジェクタ20を駆動する。
メインシャフトMSにはNTセンサ(回転数センサ)62が設けられ、タービン・ランナ24bの回転数、具体的にはメインシャフトMSの回転数、より具体的には前進クラッチ30aの入力軸回転数を示すパルス信号を出力する。
CVT26のドライブプーリ26aの付近の適宜位置にはNDRセンサ(回転数センサ)64が設けられてドライブプーリ26aの回転数、換言すれば前進クラッチ30aの出力軸回転数に応じたパルス信号を出力すると共に、ドリブンプーリ26bの付近の適宜位置にはNDNセンサ(回転数センサ)66が設けられ、ドリブンプーリ26bの回転数を示すパルス信号を出力する。
セカンダリシャフトSSのギヤ36の付近にはVELセンサ(回転数センサ)70が設けられ、ギヤ36の回転数を通じてCVT26の出力回転数あるいは車速VELを示すパルス信号を出力する。前記したシフトレバー44の付近にはシフトレバーポジションセンサ72が設けられ、運転者によって選択されたR,N,Dなどのポジションに応じたPOS信号を出力する。
上記したNTセンサ62などの出力は、図示しないその他のセンサの出力も含め、シフトコントローラ74に送られる。シフトコントローラ74もマイクロコンピュータを備えると共に、エンジンコントローラ60と通信自在に構成される。
より具体的には、上記したNTセンサ62とNDRセンサ64の出力は、シフトコントローラ74において波形整形回路に入力された後、方向検出回路に入力される。シフトコントローラ74は波形整形回路の出力をカウントして回転数を検出すると共に、方向検出回路の出力から回転方向を検出する。NDNセンサ66とVELセンサ70の出力は波形整形回路に入力され、シフトコントローラ74はその出力から回転数と車速を検出する。
シフトコントローラ74はそれら検出値に基づき、油圧機構の電磁ソレノイド(図示せず)を励磁・非励磁してトルクコンバータ24とCVT26の動作を制御すると共に、前進クラッチ30aの締結を判断して操作量を決定する。
図2はシフトコントローラ74のその動作を示すフロー・チャートである。図示のプログラムはシフトコントローラ74によって所定時間、例えば10msecごとに実行される。
以下説明すると、S10においてポジション信号を判断し、PあるいはNではないときはS12に進み、クラッチ締結判断を行う。
図3はその処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
S100においてクラッチ入出力回転差、即ち、NTセンサ62で検出されたメインシャフトMSの回転数(前進クラッチ30aの入力軸回転数)と、NDRセンサ64で検出されたドライブプーリ26aの回転数(前進クラッチ30aの出力軸回転数)の差を判断する。
S100で差が所定値未満と判断されるときは、S102に進み、それらの回転方向を判断し、一致していると判断されるときはS104に進み、前進クラッチ30aの状態は締結(係合)と判断する一方、S100で差が所定値以上と判断されるか、あるいはS102で回転方向が不一致と判断されるときはS106に進み、前進クラッチ30aの状態は非締結(解放)と判断する。
これについて図4を参照して説明する。
図4の上部に示す如く、ポジションが変化、例えばRからDに変化した場合、NTセンサ62の出力は最初正転方向にあるが、その後で0rpmを超えて逆転方向を低下し続けた後、反転して0rpmを再び超えて正転方向を上昇する。
他方、Rポジションではドライブプーリ26aはメインシャフトMSとは逆方向に駆動されるため、NDRセンサ64の出力は最初逆転方向にあるが、経時的に0rpmに向かい、それを超えた後、正転方向を上昇する。
この実施例においてはNTセンサ62とNDRセンサ64の出力から回転数のみならず、回転方向も検出することができるため、それらから検出される前進クラッチ30aの入力軸回転数と出力軸回転数の差が同じ(より正確には所定値未満)であって回転方向も一致する時点t1をもって前進クラッチ30aの締結を判断するため、精度良く判断することができる。
また、車両14の進行方向は時点t1で前進クラッチ30aが締結されたとしても、イナーシャの影響で停止するまで若干の遅れ生じ、前記したスイッチバックが生じるときがあるが、そのような場合も前進クラッチ30aの締結を精度良く判断することができる。従って、それに基づいて決定することで、後述するようにベルト伝達トルク指令値などを的確に決定することができる。
逆にいえば、図示のような回転方向を検知できないNT−従来回転センサやNDR−従来回転センサであると、回転数が絶対値で一致する時点t2をもって前進クラッチ30aが締結したと誤判断することがあるが、この実施例においてはそのような不都合が生じない。
尚、図4に示す例はRからDに変化した場合であるが、DからRに変化した場合も同様であり、さらにNポジションからDあるいはRにインギヤされた場合も同様である。
図2フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS14に進み、図3フロー・チャートで判断された前進クラッチ30aの状態を判別し、非締結と判断されているときはS16に進み、ベルト伝達トルク指令値をクラッチ伝達トルク、即ち、前進クラッチ30aが伝達するトルクに基づいて決定する。
図5は図2の処理を示すタイム・チャートである。
クラッチ伝達トルクは前進クラッチ30aのピストン室への供給油圧指令値、即ち、油圧機構の電磁ソレノイドの通電指令値で決定されるが、そのクラッチ伝達トルクは、図5に示す如く、クラッチ締結検出時点t1までは図示のように徐々に作動油が供給されて微増する程度に決定される。
S16においてはこのクラッチ伝達トルクを前進クラッチ30aの動摩擦係数μの最大値(固定値)に基づいて算出、より具体的には通電指令値から逆算されるクラッチ伝達トルクと前進クラッチ30aの摩擦係数μの最大値より算出する。
即ち、ベルト伝達トルク指令値を、クラッチトルクのばらつきの最大値に基づいて求められるトルクを伝達可能なように決定し、CVT26のベルト26cのスリップを効果的に防止する。
次いでS18に進み、エンジン10の出力トルクを低減する。即ち、図5に示す如く、アクセル開度APが急増するアクセルオン操作がなされた場合、目標スロットル開度THを低開度に決定してエンジン10の出力トルクを低減する。
このようにNポジションからのインギヤあるいはR,Dポジション間の切換のとき、クラッチ締結検出時点t1以前に図5に示すようなアクセル開度APが急増するようにアクセルペダルが踏まれたとしても、目標スロットル開度THを低開度に決定して制限し、換言すればアクセルオン時のスロットル開度の上昇を低減させてCVT26のベルト26cの耐久性を向上させる。
図2の説明に戻ると、S14で前進クラッチ30aの状態が締結と判断されているときはS20に進み、トルクコンバータ24の伝達トルクまたはエンジン10の出力トルクに基づいてベルト伝達トルク指令値を決定する。
即ち、適宜設定されたマップを検索し、エンジン回転数NEとメインシャフトMSの回転数からトルクコンバータ24の伝達トルクを算出すると共に、エンジン回転数NEと吸気管内絶対圧PBAからエンジン10の出力トルクを算出する。
次いで、算出されたトルクコンバータ24の伝達トルクと、エンジン10の出力トルクにトルクコンバータ24のトルク比(同様にエンジン回転数NEとメインシャフトMSの回転数から適宜設定されたマップを検索して算出)を乗じて得た積との間で大きい方を選択し、それを伝達できるようにベルト伝達トルク指令値を決定する。
次いでS22に進み、エンジン10の出力トルクの低減を解除する。即ち、図5に示す如く、前進クラッチ30aが滑らないように目標スロットル開度THが徐々に増加するように決定することでエンジントルクの低減を解除する。
他方、S10でポジションがPまたはNと判断されるときはS24に進み、ベルト伝達トルク指令値を所定値に決定し、S26に進み、S22と同様、目標スロットル開度THを適宜決定してエンジントルクの低減を解除する。
尚、図示は省略したが、シフトコントローラ74は、S16,S18などで決定された指令値に基づいてCVT26などの動作を制御すると共に、エンジンコントローラ60を介してDBW機構16の動作を制御する。
上記の如く、この実施例にあっては、エンジン(内燃機関)10と、前記エンジン10に前後進切換装置30の前進クラッチ(クラッチ)30aを介して接続されると共に、ドライブプーリ26aとドリブンプーリ26bを有するベルト式のCVT(無段変速機)26を備えた車両14の制御装置(シフトコントローラ74)において、前記前進クラッチ30aの入力軸の回転数と回転方向を検出するNTセンサ(クラッチ入力軸回転数検出手段)62と、前記前進クラッチ30aの出力軸の回転数と回転方向を検出するNDRセンサ(クラッチ出力軸回転数検出手段)64と、前記検出された前進クラッチの入力軸の回転数と出力軸の回転数が回転方向も含めて一致したとき、前記前進クラッチが締結されたと判断するクラッチ締結判断手段(S12,S100からS106)と、前記クラッチ締結判断手段の判断結果に応じて前記CVT(無段変速機)26のベルト伝達トルク指令値の決定と前記エンジン10の出力トルクの低減のうちの少なくともいずれか、より具体的にはその両方を実行する実行手段(S14からS22)とを備える如く構成したので、前進クラッチ30aの締結を精度良く判断できると共に、それに応じて決定することでベルト伝達トルク指令値の決定あるいはエンジン10の出力トルクの低減を適切に実行することができる。
即ち、ベルト伝達トルク指令値を決定するときはCVT26のベルト26cのスリップを防止するように決定できると共に、エンジン10の出力トルクを低減するときは、例えばアクセルペダルが踏み込まれた場合であっても、ベルト26cの耐久性を向上させるように決定することができる。
また、前記実行手段は、前記前進クラッチ30aに作動油が供給されている状態でかつ前記前進クラッチ30aが締結されたと判断されない場合、前記前進クラッチ30aの伝達トルクに基づいて前記ベルト伝達トルク指令値を決定すると共に、前記エンジン10の出力トルクを低減する(S14からS18)如く構成したので、クラッチ伝達トルクに対して余裕を持ったベルト伝達トルク指令値を決定することができ、CVT26のベルト26cのスリップを一層防止することができると共に、エンジン10の出力トルクを低減することでベルト26cの耐久性を一層向上させることができる。
また、前記実行手段は、前記クラッチの伝達トルクを前記前進クラッチ30aの摩擦係数の最大値に基づいて求める(S16)如く構成したので、クラッチ伝達トルクにバラツキがあるときもその最大値でクラッチ伝達トルクを求め、それに基づいてベルト伝達トルク指令値を決定することとなるため、CVT26のベルト26cのスリップを一層良く防止でき、ベルト26cの耐久性を一層向上させることができる。
また、前記CVT26が前記エンジン10にトルクコンバータ24を介して接続されると共に、前記実行手段は、前記前進クラッチ30aに作動油が供給されている状態でかつ前記クラッチが締結されたと判断された場合、前記エンジン10の出力トルクと前記トルクコンバータ24の伝達トルクのうちの少なくともいずれかに基づいて前記ベルト伝達トルク指令値を決定すると共に、前記エンジントルク制限量の決定を中止する(S14,S20,S22)如く構成したので、CVT26のベルト26cのスリップの防止と耐久性の向上を達成しつつ、必要な駆動力を確保することができる。
尚、上記においてCVT26あるいは前後進切換装置30の構造は例示であり、この発明はそれに限定されるものではない。
この発明の実施例に係る車両の制御装置を全体的に示す概略図である。 図1に示す装置の動作を示すフロー・チャートである。 図2フロー・チャートのクラッチ締結判断を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図3の処理を説明するタイム・チャートである。 図2の処理を説明するタイム・チャートである。
符号の説明
10 内燃機関(エンジン)、14 車両、16 DBW機構、24 トルクコンバータ、26 無段変速機(CVT)、30 前後進切換装置、30a 前進クラッチ(クラッチ)、60 エンジンコントローラ、62 NTセンサ(クラッチ入力軸回転数検出手段)、64 NDRセンサ(クラッチ出力軸回転数検出手段)、74 シフトコントローラ、W 駆動輪(タイヤ)

Claims (4)

  1. 内燃機関と、前記内燃機関に車両の前後進を切り換える前後進切換機構の前進クラッチを介して接続されると共に、ドライブプーリとドリブンプーリを有するベルト式の無段変速機を備えた前記車両の制御装置において、
    a.前記前進クラッチの入力軸の回転数と回転方向を検出するクラッチ入力軸回転数検出手段と、
    b.前記前進クラッチの出力軸の回転数と回転方向を検出するクラッチ出力軸回転数検出手段と、
    c.前記検出された前進クラッチの入力軸の回転数と出力軸の回転数が回転方向も含めて一致したとき、前記前進クラッチが締結されたと判断するクラッチ締結判断手段と、
    d.前記クラッチ締結判断手段の判断結果に応じて前記無段変速機のベルト伝達トルク指令値の決定と、前記内燃機関の出力トルクの低減のうちの少なくともいずれかを実行する実行手段と、
    を備えたことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記実行手段は、前記前進クラッチに作動油が供給されている状態でかつ前記前進クラッチが締結されたと判断されない場合、前記前進クラッチの伝達トルクに基づいて前記ベルト伝達トルク指令値を決定すると共に、前記内燃機関の出力トルクを低減することを特徴とする請求項1記載の車両の制御装置。
  3. 前記実行手段は、前記前進クラッチの伝達トルクを前記前進クラッチの摩擦係数の最大値に基づいて求めることを特徴とする請求項2記載の車両の制御装置。
  4. 前記無段変速機が前記内燃機関にトルクコンバータを介して接続されると共に、前記実行手段は、前記前進クラッチに作動油が供給されている状態でかつ前記前進クラッチが締結されたと判断された場合、前記内燃機関の出力トルクと前記トルクコンバータの伝達トルクのうちの少なくともいずれかに基づいて前記ベルト伝達トルク指令値を決定すると共に、前記内燃機関の出力トルクの低減を解除することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両の制御装置。
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