JP6113550B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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この発明は無段変速機の制御装置に関する。
無段変速機の制御においては通例、予め設定された高低2種の電流・油圧特性に基づいてプーリ油圧供給路に配置された電磁弁への電流指令値を算出し、算出された電流指令値で電磁弁を駆動してプーリ供給油圧を制御しているが、構成部品の製造公差や油圧変動時の体積変化などを考慮して特性はある程度の余裕を持って設定される。
そのため、下記の特許文献1記載の技術において、車両が走行していないとき、例えば製造工場での出荷時やサービスセンターからの出庫時などに特性を学習することが提案されている。
特開2001−330117号公報
特許文献1記載の技術の場合、上記のように車両の非走行時に学習された特性に基づいて走行中にプーリ供給油圧が制御されているが、車両の非走行時と走行時とでは油圧の挙動が変化することから、非走行時に学習された特性は依然として若干のバラツキを含むこととなる。従って、その特性に基づいて算出される電流指令値から決定されるプーリ供給油圧も依然として若干の余剰分を含むこととなり、燃費性能において改善すべき余地を残していた。
従って、この発明の目的は上記した課題を解決し、車両の走行時に検出油圧に基づいて電流・油圧特性を学習して電流指令値を算出することで供給油圧に含まれるバラツキを低減して燃費性能を向上させるようにした無段変速機の制御装置を提供することにある。
上記した課題を解決するために、請求項1にあっては、油圧供給路を介して供給される油圧に応じて決定される巻き掛け半径で動力伝達部材を挟持するプーリによって車両に搭載される駆動源の出力を変速する無段変速機と、前記油圧供給路に介挿される電磁弁と、予め設定された高低2種の油圧・電流特性に基づいて前記電磁弁への電流指令値を算出する電流指令値算出手段と、前記算出された電流指令値で前記電磁弁を駆動して前記プーリに供給される油圧を制御する制御手段とを備えた無段変速機の制御装置において、前記車両の走行中に前記プーリに供給される油圧を検出する油圧検出手段と、前記検出された油圧が上昇しているか下降しているか判定する油圧昇降判定手段と、前記検出された油圧が上昇していると判定されるときは前記高低2種の油圧・電流特性のうちの低い側の特性を学習する一方、前記油圧が下降していると判定されるときは高い側の特性を学習する特性学習手段とを備えると共に、前記電流指令値算出手段は、前記検出された油圧が上昇していると判定されるときは前記学習された低い側の特性に基づいて前記電流指令値を算出する一方、前記検出された油圧が下降していると判定されるときは前記学習された高い側の特性に基づいて前記電流指令値を算出する如く構成した。
請求項2に係る無段変速機の制御装置にあっては、前記特性学習手段は、前記油圧と前記電流指令値の少なくともいずれかに基づいて前記高低2種の油圧・電流特性を学習する如く構成した。
請求項1に係る無段変速機の制御装置にあっては、車両の走行中にプーリに供給される油圧を検出し、それが上昇しているか下降しているか判定し、上昇していると判定されるときは高低2種の油圧・電流特性のうちの低い側の特性を学習する一方、下降していると判定されるときは高い側の特性を学習すると共に、検出された油圧が上昇していると判定されるときは走行時に学習された低い側の特性に基づいて電流指令値を算出する一方、検出された油圧が下降していると判定されるときは走行時に学習された高い側の特性に基づいて電流指令値を算出する如く構成したので、車両の走行時に検出された油圧に基づいて学習された電流・油圧特性に基づいて電流指令値を算出することで、供給油圧に含まれるバラツキを一層低減することができ、燃費性能をその分だけ向上させることができる。
また、検出された油圧が上昇していると判定されるときは走行中に学習された低い側の特性に基づいて電流指令値を算出する一方、検出された油圧が下降していると判定されるときは走行中に学習された高い側の特性に基づいて電流指令値を算出する如く構成したので、2種の特性の差(ヒステリシス)は低圧側で大きい傾向があると共に、クルーズ走行や緩加速走行など低圧側の特性を用いることが多いことから、特に低圧側でプーリ供給油圧を減少させることができる。
また、走行中に学習することで特許文献1記載の技術のように停止時に限定する場合に比して学習頻度が高くなると共に、特許文献1記載の技術の学習手法に含まれるアイドル回転数を上げるなどの特別な学習モードが不要となり、それによる違和感を与えることもない。
さらに、燃費向上に加え、プーリと動力伝達部材の耐久性を向上できると共に、伝達効率も向上させることができる。
請求項2に係る無段変速機の制御装置にあっては、油圧と電流指令値の少なくともいずれかに基づいて高低2種の油圧・電流特性を学習する如く構成したので、容易に学習することができる。
この発明に係る無段変速機の制御装置を全体的に示す概略図である。 図1に示す装置の変速機油圧供給機構の油圧回路図である。 図1に示す装置の動作を示すフロー・チャートである。 図3フロー・チャートのサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図4フロー・チャートの処理で学習される油圧・電流特性を説明する説明図である。 図3フロー・チャートの処理で算出されるプーリ側圧を示す説明図である。
以下、添付図面を参照してこの発明に係る無段変速機の制御装置を実施するための形態について説明する。
図1は、この発明の実施例に係る無段変速機の制御装置を全体的に示す概略図である。
図1において、符号10はエンジン(内燃機関。駆動源)を示す。エンジン10は駆動輪12を備えた車両14に搭載される(車両14は駆動輪12などで部分的に示す)。
エンジン10の吸気系に配置されたスロットルバルブ16は車両運転席床面に配置されるアクセルペダル18との機械的な接続が絶たれて電動モータなどのアクチュエータからなるDBW(Drive By Wire)機構20に接続され、DBW機構20で開閉される。
スロットルバルブ16で調量された吸気はインテークマニホルド(図示せず)を通って流れ、各気筒の吸気ポート付近でインジェクタ(図示せず)から噴射された燃料と混合して混合気を形成し、吸気バルブ(図示せず)が開弁されたとき、当該気筒の燃焼室(図示せず)に流入する。燃焼室において混合気は点火されて燃焼し、ピストンを駆動してクランクシャフト(図示せず)を回転させた後、排気となってエンジン10の外部に放出される。
クランクシャフトの回転は出力軸22およびトルクコンバータ24を介して自動変速機Tに入力される。自動変速機Tは無段変速機(Continuously Variable Transmission。以下「CVT」という)26を備える。
即ち、出力軸22はトルクコンバータ24のポンプ・インペラ24aに接続される一方、それに対向配置されて流体(作動油)を収受するタービン・ランナ24bはメインシャフト(入力軸)MSに接続される。トルクコンバータ24はロックアップクラッチ24cを備える。
CVT26はメインシャフトMS、より正確にはその外周側シャフトに配置されたドライブ(DR)プーリ(入力側要素)26aと、メインシャフトMSに平行なカウンタシャフト(出力軸)CS、より正確にはその外周側シャフトに配置されたドリブン(DN)プーリ(出力側要素)26bと、その間に掛け回される動力伝達部材、例えば金属製のベルト(伝達要素)26cからなる。
ドライブプーリ26aは、メインシャフトMSの外周側シャフトに相対回転不能で軸方向移動不能に配置された固定プーリ半体26a1と、メインシャフトMSの外周側シャフトに相対回転不能で固定プーリ半体26a1に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ半体26a2と、可動プーリ半体26a2の側方に設けられて油圧(作動油の圧力。狭圧油圧)を供給されるときに可動プーリ半体26a2を固定プーリ半体26a1に向けて押圧する、ピストンとシリンダとスプリングからなる油圧アクチュエータ26a3を備える。
ドリブンプーリ26bは、カウンタシャフトCSの外周側シャフトに相対回転不能で軸方向移動不能に配置された固定プーリ半体26b1と、カウンタシャフトCSに相対回転不能で固定プーリ半体26b1に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ半体26b2と、可動プーリ半体26b2の側方に設けられて油圧(狭圧油圧)を供給されるときに可動プーリ半体26b2を固定プーリ半体26b1に向けて押圧する、ピストンとシリンダとスプリングからなる油圧アクチュエータ26b3を備える。
自動変速機TにおいてCVT26は前後進切換機構28を介してエンジン10に接続される。前後進切換機構28は、車両14の前進方向への走行を可能にする前進クラッチ28aと、後進方向への走行を可能にする後進ブレーキクラッチ28bと、その間に配置されるプラネタリギヤ機構28cからなる。CVT26はエンジン10に前進クラッチ28a(と後進ブレーキクラッチ28b)を介して接続される。
プラネタリギヤ機構28cにおいて、サンギヤ28c1はメインシャフトMSに固定されると共に、リングギヤ28c2は前進クラッチ28aを介してドライブプーリ26aの固定プーリ半体26a1に固定される。
サンギヤ28c1とリングギヤ28c2の間には、ピニオン28c3が配置される。ピニオン28c3は、キャリア28c4でサンギヤ28c1に連結される。キャリア28c4は、後進ブレーキクラッチ28bが作動させられると、それによって固定(ロック)される。
カウンタシャフトCSの回転はギヤを介してセカンダリシャフト(中間軸)SSから駆動輪12に伝えられる。即ち、カウンタシャフトCSの回転はギヤ30a,30bを介してセカンダリシャフトSSに伝えられ、その回転はギヤ30cを介してディファレンシャル32から左右の駆動輪(右側のみ示す)12に伝えられる。
駆動輪(前輪)12と従動輪(後輪。図示せず)の付近にはディスクブレーキ34が配置されると共に、車両運転席床面にはブレーキペダル36が配置される。ブレーキペダル36はマスタバック38とマスタシリンダ40を介してディスクブレーキ34に接続される。
運転者がブレーキペダル36を踏み込むと、その踏み込み力はマスタバック38で増力されてマスタシリンダ40からディスクブレーキ34に伝えられ、ディスクブレーキ34を動作させて車両14を制動(減速)させる。
前後進切換機構28において前進クラッチ28aと後進ブレーキクラッチ28bの切換は、車両運転席に設けられたレンジセレクタ44を運転者が操作して例えばP,R,N,Dなどのレンジのいずれかを選択することで行われる。運転者のレンジセレクタ44の操作によるレンジ選択は変速機油圧供給機構46のマニュアルバルブに伝えられ、車両14を前進あるいは後進走行させる。
尚、この明細書において自動変速機Tはトルクコンバータ24とCVT26と前後進切換機構28(より具体的にはその前進クラッチ28a(あるいは後進ブレーキクラッチ28b))からなる。
図2は変速機油圧供給機構46の油圧回路図である。
図示の如く、変速機油圧供給機構46には油圧ポンプ(送油ポンプ)46aが設けられる。油圧ポンプ46aはギヤポンプからなり、エンジン(E)10によって駆動され、リザーバ46bに貯留された作動油を汲み上げてPH制御バルブ(PH REG VLV)46cに圧送する。
PH制御バルブ46cの出力(PH圧(ライン圧)。高圧制御油圧)は、一方では油路46dから第1、第2のレギュレータバルブ(DR REG VLV, DN REG VLV)46e,46fを介してCVT26のドライブプーリ26aの油圧アクチュエータ26a3のピストン室(DR)26a31とドリブンプーリ26bの油圧アクチュエータ26b3のピストン室(DN)26b31に接続されると共に、他方では油路46gを介してCRバルブ(CR VLV)46hに接続される。
CRバルブ46hはPH圧を減圧してCR圧(低圧制御油圧)を生成し、油路46iから第1、第2、第3の(電磁)リニアソレノイドバルブ(LS-DR, LS-DN, LS-CPC)46j,46k,46lに供給する。
第1、第2のリニアソレノイドバルブ46j,46kはそのソレノイドの励磁に応じて決定される出力圧を第1、第2のレギュレータバルブ46e,46fに作用させ、よって油路46dから送られるPH圧の作動油を油圧アクチュエータ26a3,26b3のピストン室26a31,26b31にベルト26cを狭圧するプーリ油圧(側圧)として供給する。
これにより、可動プーリ半体26a2,26b2を軸方向に移動させるプーリ側圧(狭圧)が発生させられてドライブプーリ26aとドリブンプーリ26bのプーリ幅が変化し、ベルト26cの巻掛け半径が変化する。このように、プーリの側圧を調整することで、エンジン10の出力を駆動輪12に伝達するレシオ(変速比)を無段階に変化させることができる。
CRバルブ46hの出力(CR圧)は第3のリニアソレノイドバルブ46lのソレノイドの励磁に応じて調圧され、油路46mを介して前記したマニュアルバルブ(MAN VLV。符号46oで示す)に送られ、そこから前後進切換機構28の前進クラッチ28aのピストン室(FWD)28a1と後進ブレーキクラッチ28bのピストン室(RVS)28b1に接続される。
マニュアルバルブ46oは、前記した如く、運転者によって操作(選択)されたレンジセレクタ44の位置に応じて第3のリニアソレノイドバルブ46lで調圧された出力を前進クラッチ28aと後進ブレーキクラッチ28bのピストン室28a1,28b1のいずれかに接続する。
また、PH制御バルブ46cの出力は、油路46pを介してTCレギュレータバルブ(TC REG VLV)46qに送られ、TCレギュレータバルブ46qの出力はLCコントロールバルブ(LC CTL VLV)46rを介してLCシフトバルブ(LC SFT VLV)46sに接続される。
LCシフトバルブ46sの出力は一方ではトルクコンバータ24のロックアップクラッチ24cのピストン室24c1に接続されると共に、他方ではその背面側の室24c2に接続される。
LCシフトバルブ46sを介して作動油がピストン室24c1に供給される一方、背面側の室24c2から排出されると、ロックアップクラッチ24cが係合(オン)され、背面側の室24c2に供給される一方、ピストン室24c1から排出されると、解放(オフ)される。ロックアップクラッチ24cのスリップ量は、ピストン室24c1と背面側の室24c2に供給される作動油の量によって決定される。
CRバルブ46hの出力は油路46tを介してLCコントロールバルブ46rとLCシフトバルブ46sに接続されると共に、油路46tには第4のリニアソレノイドバルブ(LS-LC)46uが介挿される。ロックアップクラッチ24cのスリップ量は、第4のリニアソレノイドバルブ46uのソレノイドの励磁・非励磁によって調整(制御)される。
図1の説明に戻ると、エンジン10のカム軸(図示せず)付近などの適宜位置にはクランク角センサ50が設けられ、ピストンの所定クランク角度位置ごとにエンジン回転数NEを示す信号を出力する。吸気系においてスロットルバルブ16の下流の適宜位置には絶対圧センサ52が設けられ、吸気管内絶対圧(エンジン負荷)PBAに比例した信号を出力する。
DBW機構20のアクチュエータにはスロットル開度センサ54が設けられ、アクチュエータの回転量を通じてスロットルバルブ16の開度THに比例した信号を出力する。
また、前記したアクセルペダル18の付近にはアクセル開度センサ56が設けられて運転者のアクセルペダル操作量に相当するアクセル開度APに比例する信号を出力する。ブレーキペダル36の付近にはブレーキスイッチ58が設けられ、運転者によってブレーキペダル36が操作されたときオン信号を出力する。上記したクランク角センサ50などの出力は、エンジンコントローラ66に送られる。
また、メインシャフトMSにはNTセンサ(回転数センサ)70が設けられ、タービン・ランナ24bの回転数、具体的にはメインシャフトMSの回転数NT、具体的には変速機入力軸回転数、より具体的には前進クラッチ28aの入力軸回転数に応じたパルス信号を出力する。
CVT26のドライブプーリ26aの付近の適宜位置にはNDRセンサ(回転数センサ)72が設けられてドライブプーリ26aの回転数NDR、換言すれば前進クラッチ28aの出力軸回転数に応じたパルス信号を出力する。
ドリブンプーリ26bの付近の適宜位置にはNDNセンサ(回転数センサ)74が設けられてドリブンプーリ26bの回転数NDN(カウンタシャフトCSの回転数)に応じたパルス信号を出力すると共に、セカンダリシャフトSSのギヤ30bの付近にはVセンサ(回転数センサ)76が設けられてセカンダリシャフトSSの回転を通じて車速Vに応じたパルス信号を出力する。
前記したレンジセレクタ44の付近にはレンジセレクタスイッチ80が設けられ、運転者によって選択されたP,R,N,Dなどのレンジに応じた信号を出力する。
図2に示す如く、変速機油圧供給機構46においてCVT26のドリブンプーリ26bに通じる油路には第1の圧力センサ82aが配置されてドリブンプーリ26bの油圧アクチュエータ26b3のピストン室26b31に供給される油圧に応じた信号を出力する。
また、前進クラッチ28aのピストン室28a1とマニュアルバルブ46oの間の油路には第2の圧力センサ82bが配置されて前進クラッチ28aのピストン室28a1に供給される油圧に応じた信号を出力すると共に、トルクコンバータ24のロックアップクラッチ24cに通じる油路には第3の圧力センサ82cが配置されてロックアップクラッチ24cのピストン室24c1に供給される油圧に応じた信号を出力する。
これら第1、第2、第3の圧力センサ82a,82b,82cを圧力センサ82と総称する。さらに、リザーバ46bには油温センサ84が配置されて油温(作動油ATFの温度TATF)に応じた信号を出力する。
図1の説明に戻ると、上記したNTセンサ70などの出力は、図示しないその他のセンサの出力も含め、シフトコントローラ90に送られる。エンジンコントローラ66とシフトコントローラ90はCPU,ROM,RAM,I/Oなどで構成されるマイクロコンピュータを備えると共に、相互に通信自在に構成される。
エンジンコントローラ66は上記したセンサ出力に基づいて目標スロットル開度を決定してDBW機構20の動作を制御し、燃料噴射量や点火時期を決定してインジェクタあるいは点火プラグなどの点火装置の動作を制御する。
また、シフトコントローラ90は、上記したセンサ出力に基づき、変速機油圧供給機構46の第1から第4のリニアソレノイドバルブ46j,46k,46l,46uなどを励磁・消磁して前後進切換機構28とトルクコンバータ24の動作を制御すると共に、プーリ供給油圧(側圧)を制御してCVT26の動作を制御する。
図3はその動作を示すフロー・チャートである。
以下説明すると、S10においてCVT26のプーリ側圧を算出する。「S」は図3フロー・チャートの処理ステップを示す。図示のプログラムは適宜な時間間隔で実行される。
プーリ側圧は、先ず、エンジン回転数NEと吸気管内絶対圧PBAからマップ検索して得られるエンジントルクにトルクコンバータ24の増幅率を乗じてエンジン10の出力トルクを算出し、それと慣性トルク(所定値)とからメインシャフトMSを介してCVT26のドライブプーリ26aに入力される入力トルクを算出する。
次いで、算出された入力トルクと実レシオ(NDRセンサ72とNDNセンサ74から検出されるNDR/NDNで示される)とに基づいてベルト26cをスリップしない程度の力で押圧する必要側圧を求め、求めた値をプーリ側圧とすることで算出する。ドライブプーリ26aとドリブンプーリ26bのうちの低圧側については求めた必要側圧をそのままプーリ側圧とする。
他方、高圧側については、上記した必要側圧に加え、車速Vとアクセル開度APから検索される目標エンジン回転数(具体的にはドライブプーリ26aの回転数NDR)が実現される目標レシオ(目標変速比)となる側圧比を算出し、算出された必要側圧に側圧比を乗じて両者の積を求め、求めた積に上記した目標レシオと実レシオとの偏差が減少するように演算されるF/B項を加算し、よって得た和をプーリ側圧とすることで算出する。
次いでS12に進み、特性を学習、即ち、予め設定された高低2種の油圧・電流特性を学習する。
図4はその処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
以下説明すると、S100において車両14の走行中にプーリ26a,26bに供給される油圧を検出し、検出された油圧が上昇しているか下降しているか判断(判定)する。
これは、CVT26のドリブンプーリ26bに通じる油路に配置されてドリブンプーリ26bの油圧アクチュエータ26b3のピストン室26b31に供給される油圧に応じた信号を出力する第1の圧力センサ82aの出力を所定の時間(図3フロー・チャートの所定の実行回数)の間、監視することで判断する。
S100で油圧が上昇していると判断されるときはS102に進み、検出された油圧が安定しているか否か判断する。変速過渡時などにあるときは否定されて以降の処理をスキップする一方、肯定されるときはS104に進み、低圧(Lo)側の特性を学習して学習値を保存する。
他方、S100で油圧が下降していると判断されるときはS106に進み、検出された油圧が安定しているか否か判断し、否定されるときは以降の処理をスキップする一方、肯定されるときはS108に進み、高圧(Hi)側の特性を学習して学習値を保存する。
図5は上記した高低2種の油圧・電流特性を示す説明図である。図示の如く、油圧・電流特性は制御ハンチング防止のため、ヒステリシスを与えられたHi側とLo側の高低2種の特性から構成される。
図示の特性は実験を通じて予め設定され、算出されるプーリ側圧(供給油圧)から第1、第2のリニアソレノイドバルブ(電磁弁)46j,46kに通電すべき電流指令値を検索(算出)可能にシフトコントローラ90のRAMに格納される。
Lo側の特性はHi側の特性に比して同一の油圧に対する電流指令値が大きい、換言すれば2種の特性の差(ヒステリシス)は低圧側で大きい傾向があることから、検出された油圧が上昇しているときは低圧側の特性を用いて電流指令値が算出されることから学習においても同様に油圧が上昇しているときは低圧側の特性を学習する。
S104あるいはS108の特性の学習は、図5のHi側の特性において図3フロー・チャートのS10で算出されたプーリ側圧に相当する電流指令値で第1、第2のリニアソレノイドバルブ46j,46kのいずれかを駆動し、そのときの油圧を第1の圧力センサ82aの出力から検出してRAMに格納される図5の特性に書き込んで修正することで行う。
より具体的には、算出されたプーリ側圧に相当する電流指令値をIaとすると、それで第1、第2のリニアソレノイドバルブ46j,46kのいずれかを駆動する。次いで、第1の圧力センサ82aの出力からそのときの油圧を検出し、図5の特性でIaに対応する油圧をPaとすると、油圧Paを検出された油圧(Pa1とする)で修正する(書き換える)ことで行う。
同様の処理を次の電流指令値Ibについて行い、図5の特性でIbに対応する油圧Pbについて検出した油圧Pb1で修正する。
最初に述べた如く、CVT26や変速機油圧供給機構46の構成部品の製造公差や油圧変動時の体積変化などを考慮して特性はある程度の余裕を持って設定されることから、この実施例にあっては車両14の走行時に学習して余裕を減少させるようにした。
図3フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS14に進み、車両14の走行中に検出されたプーリ供給油圧が上昇しているか下降しているか再び判断(判定)し、上昇していると判断されるときはS16に進み、図4フロー・チャートの学習で得られたLo側の特性に基づいて油圧CMD(電流指令値)算出する。
一方、S14で検出されたプーリ油圧が下降していると判断されるときはS18に進み、S16で延べたと同様、図4フロー・チャートの学習で得られたHi側の特性に基づいて油圧CMD(電流指令値)算出する。尚、S16,S18の処理において対応する特性が学習で得られていないときは近隣の学習値Pa1,Pb1を補間して得られる学習値を使用する。
次いでS20に進み、油圧CMDに応じた推力制御を行う。即ち、算出された油圧CMD(電流指令値)で第1、第2のリニアソレノイドバルブ46j,46kを駆動し、所望の推力が得られるようにCVT26の動作を制御する。
上記した如く、この実施例にあっては、油圧供給路(油路46d)を介して供給される油圧に応じて決定される巻き掛け半径で動力伝達部材(ベルト)26cを挟持するプーリ26a,26bによって車両14に搭載される駆動源(エンジン)10の出力を変速する無段変速機(CVT)26と、前記油圧供給路に介挿される電磁弁(第1、第2のリニアソレノイドバルブ46j,46k)と、予め設定された高低(Hi側とLo側の)2種の油圧・電流特性に基づいて前記電磁弁への電流指令値(油圧CMD)を算出する電流指令値算出手段(シフトコントローラ90,S16,S18)と、前記算出された電流指令値で前記電磁弁を駆動して前記プーリに供給される油圧を制御する制御手段(シフトコントローラ90,S16,S18)とを備えた無段変速機の制御装置において、前記車両の走行中に前記プーリに供給される油圧を検出する油圧検出手段(シフトコントローラ90,S12,S100)と、前記検出された油圧が上昇しているか下降しているか判定する油圧昇降判定手段(シフトコントローラ90,S12,S100)と、前記検出された油圧が上昇していると判定されるときは前記高低2種の油圧・電流特性のうちの低い(Lo)側の特性を学習する一方、前記油圧が下降していると判定されるときは高い(Hi)側の特性を学習する特性学習手段と(シフトコントローラ90,S12,S100からS108)を備えると共に、前記電流指令値算出手段は、前記検出された油圧が上昇していると判定されるときは前記学習された低い側の特性に基づいて前記電流指令値を算出する一方、前記検出された油圧が下降していると判定されるときは前記学習された高い側の特性に基づいて前記電流指令値を算出する(シフトコントローラ90,S14,S16,S18)如く構成したので、車両12の走行時に検出された油圧に基づいて学習された電流・油圧特性に基づいて電流指令値を算出することで、CVT26の供給油圧に含まれるバラツキを一層低減することができ、燃費性能をその分だけ向上させることができる。
図6(a)はLo側の学習値、(b)はHi側の学習値を用いてプーリ側圧を制御した場合の説明図である。図示の如く、CVT26の供給油圧に含まれるバラツキを学習値分だけ低減することができ、燃費性能をその分だけ向上させることができる。
また、図5の特性においてCVT26の供給油圧に含まれるバラツキは実際には電流の変化速度によって相違するが、この実施例のように車両14の走行中に学習することで、そのバラツキを正確に低減させることが可能となる。
また、検出された油圧が上昇していると判定されるときは走行中に学習された低い側の特性に基づいて電流指令値を算出する一方、検出された油圧が下降していると判定されるときは走行中に学習された高い側の特性に基づいて電流指令値を算出する如く構成したので、2種の特性の差(ヒステリシス)は低圧側で大きい傾向があると共に、クルーズ走行や緩加速走行など低圧側の特性を用いることが多いことから、特に低圧側でプーリ供給油圧を減少させることができる。
また、走行中に学習することで特許文献1記載の技術のように停止時に限定する場合に比して学習頻度が高くなると共に、特許文献1記載の技術の学習手法に含まれるアイドル回転数を上げるなどの特別な学習モードが不要となり、それによる違和感を与えることもない。
さらに、燃費向上に加え、CVT26のプーリ26a,26bと動力伝達部材(ベルト26c)の耐久性を向上できると共に、伝達効率も向上させることができる。
また、前記特性学習手段は、前記油圧と前記電流指令値の少なくともいずれかに基づいて前記高低2種の油圧・電流特性を学習する如く構成したので、容易に学習することができる。
尚、上記においてCVT26のプーリ26a,26bに供給されるプーリ油圧を圧力センサ82aの出力からドリブンプーリ26bに供給されるプーリ油圧を検出することで算出したが、ドライブプーリ26aに供給されるプーリ油圧を検出(算出)しても良い。
また、無段変速機(CVT)26の伝達要素としてベルト26cを開示したが、この発明はそれに限られるものではなく、伝達要素はチェーンであっても良い。
また、駆動源としてエンジン10を開示したが、この発明はそれに限られるものではなく、電動機、電動機とエンジンのハイブリッドであっても良い。
10 エンジン(内燃機関。駆動源)、12 駆動輪、14 車両、16 スロットルバルブ、18 アクセルペダル、20 DBW機構、24 トルクコンバータ、26 CVT(無段変速機)、26a ドライブプーリ(入力側要素)、26b ドリブンプーリ(出力側要素)、26c ベルト(伝達要素)、28 前後進切換機構、28a 前進クラッチ、28b 後進ブレーキクラッチ、34 ディスクブレーキ、36 ブレーキペダル、46 変速機油圧供給機構、46a 油圧ポンプ、46w 切換弁、66 エンジンコントローラ、76 Vセンサ、82 圧力センサ(82a,82b,82c)、90 シフトコントローラ、T 自動変速機、MS メインシャフト、CS カウンタシャフト

Claims (2)

  1. 油圧供給路を介して供給される油圧に応じて決定される巻き掛け半径で動力伝達部材を挟持するプーリによって車両に搭載される駆動源の出力を変速する無段変速機と、前記油圧供給路に介挿される電磁弁と、予め設定された高低2種の油圧・電流特性に基づいて前記電磁弁への電流指令値を算出する電流指令値算出手段と、前記算出された電流指令値で前記電磁弁を駆動して前記プーリに供給される油圧を制御する制御手段とを備えた無段変速機の制御装置において、前記車両の走行中に前記プーリに供給される油圧を検出する油圧検出手段と、前記検出された油圧が上昇しているか下降しているか判定する油圧昇降判定手段と、前記検出された油圧が上昇していると判定されるときは前記高低2種の油圧・電流特性のうちの低い側の特性を学習する一方、前記油圧が下降していると判定されるときは高い側の特性を学習する特性学習手段とを備えると共に、前記電流指令値算出手段は、前記検出された油圧が上昇していると判定されるときは前記学習された低い側の特性に基づいて前記電流指令値を算出する一方、前記検出された油圧が下降していると判定されるときは前記学習された高い側の特性に基づいて前記電流指令値を算出することを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 前記特性学習手段は、前記油圧と前記電流指令値の少なくともいずれかに基づいて前記高低2種の油圧・電流特性を学習することを特徴とする請求項1記載の無段変速機の制御装置。
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