JP4449713B2 - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置 Download PDF

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Description

この発明は、入力回転数と出力回転数との間の変速比を無段階に制御することの可能な無段変速機の変速制御装置に関するものである。
従来、駆動力源としてエンジンを搭載した車両においては、エンジンから車輪に至る動力伝達経路に、無段変速機を設けることが知られている。そして、要求駆動力に応じてエンジン出力を制御する場合に、無段変速機の変速比を無段階に制御することで、エンジンの燃費が最適燃費となるように、エンジン出力を制御することが可能である。このような無段変速機としては、ベルト式無段変速機およびトロイダル式無段変速機が知られており、そのベルト式無段変速機の変速制御装置の一例が、特許文献1に記載されている。
この特許文献1に記載された車両用無段変速機は、プライマリプーリおよびセカンダリプーリを備えている。ここで、プライマリプーリは、プライマリ軸に固定された固定円錐板と、プライマリ軸に対して軸方向に移動可能に取り付けられた可動円錐板とを有している。これに対して、セカンダリプーリは、セカンダリ軸に固定された固定円錐板と、セカンダリ軸に対して軸方向に移動可能に取り付けられた可動円錐板とを有している。そして、プライマリプーリおよびセカンダリプーリにはベルトが巻き掛けられている。さらに、プライマリ軸には、可動円錐板に面するプライマリ室が形成され、セカンダリ軸にも、可動円錐板に面するセカンダリ室が形成されている。
そして、プライマリ室に導入される圧油の流量に応じて可動円錐板が軸方向に移動されて、ベルトに対するプライマリプーリの有効径が調整される。また、セカンダリ室に導入される圧油の油圧に応じて可動円錐板が軸方向に移動されて、ベルトに対するセカンダリプーリの有効径が調整される。さらに、変速比制御バルブが設けられており、この変速比制御バルブは、プライマリデューティソレノイドにより制御される。このプライマリデューティソレノイドの制御により、プライマリ油圧室に供給される圧油の流量、およびプライマリ油圧室から排出される圧油の流量が調整される。
この特許文献1に記載された無段変速機の変速制御装置においては、プライマリプーリの定常目標入力回転数と過渡目標入力回転数が演算される。そして、過渡目標入力回転数とプライマリ回転数との差の絶対値が所定値以上か否かが判断され、この判断時に「ノー」と判定された場合は、フィードバック制御による目標デューティ圧の演算が実行される。前記判断時に「イエス」と判定された場合は、フィードフォワード制御による目標デューティ圧の演算が実行される。このように、特許文献1に記載されている無段変速機の変速制御装置においては、判断結果に基づいて、フィードバック制御またはフィードフォワード制御のいずれか一方が実行される。
特開平5−126239号公報
上記特許文献1に記載されているような無段変速機の変速制御において、フィードバック制御およびフィードフォワード制御を並行しておこなうことも考えられる。例えば、フィードバック制御用目標入力回転数に基づいて、実入力回転数を制御するフィードバック制御と、変速用目標入力回転数の変化率に基づいてフィードフォワード制御用目標入力回転数を決定し、フィードフォワード制御用目標入力回転数に基づいて実入力回転数を制御するフィードフォワード制御とをおこなうことである。しかしながら、無段変速機の変速比を急激に変化させる要求が生じて、変速用目標入力回転数がステップ的に変化した場合は、その後、しばらくは変速用目標入力回転数が変化しないため、フィードフォワード項も略零となってしまう。このため、フィードフォワード制御がおこなえず、変速の過渡制御が不適当になる恐れがあった。
この発明は上記の事情を背景としてなされたものであり、無段変速機の変速比を急激に変化させる要求が生じて、変速用目標入力回転数をステップ的に変化させる場合でも、フィードフォワード制御を実行することの可能な無段変速機の変速制御装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、動力源の出力側に無段変速機が配置されており、この無段変速機の入力回転数と出力回転数との間の変速比を制御する場合に、目標入力回転数と実入力回転数との偏差に基づいて、前記実入力回転数を制御するフィードバック制御をおこなうとともに、目標入力回転数に基づくフィードフォワード制御をおこなう無段変速機の変速制御装置において、前記無段変速機の変速比を変更する要求に基づいて変速用目標入力回転数の変化率を求める場合に、この変速用目標入力回転数の変化率を所定条件により制限する変化率算出手段と、制限された変速用目標入力回転数の変化率に基づいて、前記フィードフォワード制御用の目標入力回転数を求める第1の変速制御手段と、前記フィードフォワード制御用の目標入力回転数に基づいて、前記フィードバック制御用の目標入力回転数を求める第2の変速制御手段とを有していることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記無段変速機の実入力回転数を圧油の流量により制御する油圧室が設けられており、前記変化率算出手段は、前記油圧室に供給される圧油の最大流量、または前記油圧室から排出される圧油の最大流量に基づいて、前記変速用目標入力回転数の変化率を制限する手段を含むことを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1の構成に加えて、前記無段変速機の実入力回転数を圧油の流量により制御する油圧室が設けられており、前記変化率算出手段は、前記フィードバック制御を実行する場合を想定し、このフィードバック制御の実行時に前記油圧室に供給される圧油の流量または前記油圧室から排出される圧油の流量を算出し、算出された圧油の流量に基づいて、前記変速用目標入力回転数の変化率を制限する手段を含むことを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの構成に加えて、前記第2の変速制御手段は、前記フィードフォワード制御用の目標入力回転数と、前記フィードフォワード制御の応答遅れとに基づいて、前記第フィードバック制御用の目標入力回転数を求める手段を含むことを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、変速比を急激に変化させる要求が生じた場合でも、変速用目標入力回転数を急激に変化させることなく、複数段階に分けて段階的に変化させること、もしくは徐々に変化させること、あるいは異なる変化率で変化させることが可能であり、変速用目標入力回転数の変化率が零となることを回避できる。したがって、フィードフォワード項が零になることを回避でき、変速過渡時にフィードフォワード制御を適切に実行可能である。
請求項2の発明よれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、変速用目標入力回転数の変化率を制限する場合に、油圧室に供給される圧油の最大流量、または油圧室から排出される圧油の最大流量を確保することが可能である。したがって、速度過渡時における制御応答性の低下を抑制することができる。
請求項3の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、変速用目標入力回転数がきめ細かく調整(制限)されるとともに、その変速用目標入力回転数の変化率に基づいてフィードフォワード制御用の目標入力回転数をきめ細かく決定するため、フィードバック制御用の目標入力回転数も一層きめ細かく制御でき、変速ショックを抑制できる。
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3の発明と同様の効果を得られる他に、フィードフォワード制御の応答遅れがある場合でも、フィードバック制御用の目標入力回転数に対する実入力回転数の追従性が低下することを抑制できる。
つぎに、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。まず、この発明を適用できる車両のパワートレーン、およびその車両の制御系統を、図2に示す。図2に示す車両Veにおいては、駆動力源1と車輪2との間の動力伝達経路に、流体伝動装置3、ロックアップクラッチ4、前後進切り換え機構5、ベルト式無段変速機6などが設けられている。駆動力源1としては、内燃機関、より具体的には、ガソリンエンジン、LPGエンジン、ディーゼルエンジンなどを用いることができる。この実施例においては、電子スロットルバルブを有するガソリンエンジンが用いられている場合について説明し、以下、駆動力源1をエンジン1と記す。
また、流体伝動装置3およびロックアップクラッチ4は、エンジン1と前後進切り換え機構5との間の動力伝達経路に設けられており、流体伝動装置3とロックアップクラッチ4とは相互に並列に配置されている。流体伝動装置3は、流体の運動エネルギにより動力を伝達する装置であり、エンジン1の出力軸1Aに連結されたポンプインペラ3Aと、中間軸3Bに連結されたタービンランナ3Cとを有する。ロックアップクラッチ4は、出力軸1Aと、中間軸3Bとの間で、摩擦力により動力を伝達する装置である。前後進切り換え機構5は、遊星歯車機構(図示せず)および摩擦係合装置(図示せず)などを有している。前後進切り換え機構5は、中間軸3Bの回転方向と、プライマリシャフト7の回転方向との対応関係を切り換える機能を有している。また、前後進切り換え機構5は、中間軸3Bとプライマリシャフト7とを、動力の伝達可能な状態、または動力伝達不可能な状態に切り換える機能を有している。
前記ベルト式無段変速機6は、前後進切り換え機構5と車輪2との間の動力伝達経路に設けられている。ベルト式無段変速機6は、相互に平行に配置されたプライマリシャフト7およびセカンダリシャフト8を有している。このプライマリシャフト7にはプライマリプーリ9が設けられており、セカンダリシャフト8にはセカンダリプーリ10が設けられている。プライマリプーリ9は、プライマリシャフト7と一体回転し、かつ、プライマリシャフト7の軸線方向に移動不可能な固定シーブ11と、プライマリシャフト7と一体回転し、かつ、プライマリシャフト7の軸線方向に移動可能に取り付けられた可動シーブ12とを有している。そして、固定シーブ11と可動シーブ12との間に溝M1が形成されている。また、この可動シーブ12をプライマリシャフト7の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ12と固定シーブ11とを接近・離隔させる油圧サーボ機構13が設けられている。
一方、セカンダリプーリ10は、セカンダリシャフト8と一体回転し、かつ、セカンダリシャフト8の軸線方向に移動不可能な固定シーブ14と、セカンダリシャフト8と一体回転し、かつ、セカンダリシャフト8の軸線方向に移動可能に取り付けられた可動シーブ15とを有している。そして、固定シーブ14と可動シーブ15との間にはV字形状の溝M2が形成されている。また、この可動シーブ15をセカンダリシャフト8の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ15と固定シーブ14とを接近・離隔させる油圧サーボ機構16が設けられている。上記構成のプライマリプーリ9およびセカンダリプーリ10に、無端状のベルト17が巻き掛けられている。
一方、ベルト式無段変速機6の油圧サーボ機構13,16およびロックアップクラッチ4、および前後進切り換え機構5を制御する機能を有する油圧制御装置70が設けられている。この油圧制御装置70の構成のうち、油圧サーボ機構13に関連する構成を、図3に基づいて説明する。まず、油圧サーボ機構13は、油圧室50を有しており、油圧室50の油圧に応じた推力が、プライマリプーリ9の可動シーブ12に加えられるように構成されている。また、油圧室50の油圧を制御する変速制御弁51が設けられている。この変速制御弁51は、スプールタイプのバルブであって、スプール(図示せず)をその軸線方向に押圧するスプリング52がスプールの一端部に配置されるとともに、制御ポート53が設けられている。この制御ポート53に入力される信号油圧に応じて、スプールに軸線方向の力が加えられる。制御ポート53の油圧に応じてスプールに加えられる軸線方向の力の向きと、スプリング52からスプールに加えられる軸線方向の力の向きとは逆になっている。
また、信号油圧を出力する電磁弁54が設けられており、電磁弁54から出力された信号油圧が制御ポート53に入力されるように構成されている。電磁弁54は、制御ポート53に加える信号油圧を出力するためのものであって、ライン圧PLもしくはこれを調圧したソレノイドモジュレータ圧を基圧として、デューティ比に応じた信号油圧を出力する公知の構成の電磁弁である。この実施例では、デューティ比が零%である場合に信号油圧が最高圧となり、デューティ比が100%である場合に、信号油圧が最低圧となる構成の電磁弁、いわゆるノーマルオープン形式の電磁弁が用いられている。
また、変速制御弁51は入力ポート55および出力ポート56およびドレーンポート57を有しており、油圧系統の全体の元圧であるライン圧PLが、入力ポート55に供給されるように構成されている。前記出力ポート56と油圧室50とが油路58により接続されており、スプールが軸線方向に移動することにより、出力ポート56を、入力ポート55またはドレーンポート57に選択的に切り替えて接続するように構成されている。さらに、スプールの軸線方向において前記制御ポート53とは反対側にフィードバックポート59が形成されている。そして、前記出力ポート56の油圧をこのフィードバックポート59に作用させるようになっている。フィードバックポート59の油圧に応じて、スプリング52と同じ向きの力がスプールに加えられる。
そして、電磁弁54のデューティ比を高めて信号油圧を低下させるほど、出力ポート56とドレーンポート57との連通面積が拡大されて、油圧室50から排出される圧油の流量が増加する。これに対して、電磁弁54のデューティ比を低下させて信号油圧を上昇させるほど、入力ポート55と出力ポート56との連通面積が拡大されて、入力ポート55から油圧室50に供給される圧油の流量が増加する。
さらに、エンジン1、ロックアップクラッチ4、前後進切り換え機構5、ベルト式無段変速機6、油圧制御装置70を制御するコントローラとしての電子制御装置18が設けられており、この電子制御装置18に対しては、エンジン回転数、アクセルペダルの操作状態(アクセル開度)、ブレーキペダルの操作状態、スロットルバルブの開度、シフトポジション、プライマリシャフト7の回転数、セカンダリシャフト8の回転数などを検知する各種のセンサ(図示せず)の信号が入力される。電子制御装置18により検知されるシフトポジションとしては、パーキングポジション、リバースポジション、ニュートラルポジション、ドライブポジションなどが挙げられる。また、セカンダリシャフト8の回転数に基づいて車速が求められる。
前記電子制御装置18には各種のデータが記憶されており、電子制御装置18に入力される信号、および記憶されているデータに基づいて、電子制御装置18から、エンジン1を制御する信号、ベルト式無段変速機6を制御する信号、前後進切り換え機構5を制御する信号、ロックアップクラッチ4を制御する信号、油圧制御装置70を制御する信号などが出力される。
電子制御装置18に記憶されているデータとしては、エンジン制御マップ、変速機制御マップ、ロックアップクラッチ制御マップなどが挙げられる。この変速機制御マップには、変速比制御マップ、トルク容量の制御マップなどが含まれる。前記エンジン制御マップには、エンジン回転数およびエンジントルクをパラメータとして、最適燃費線が設定されている。また、変速比制御マップは、車速、アクセル開度などに基づいて、ベルト式無段変速機6の変速比を設定するマップである。トルク容量制御マップは、ベルト式無段変速機6のトルク容量を制御する場合に用いるマップである。また、ロックアップクラッチ制御マップは、車速、アクセル開度などに基づいて、ロックアップクラッチ4のトルク容量を設定するマップである。
つぎに、図2に示す車両Veの作用を説明する。前記パーキングポジションおよびニュートラルポジションは非駆動ポジションであり、この非駆動ポジションが選択された場合は、前後進切り換え機構5が制御されて、エンジン1と車輪2との間で動力伝達が不可能な状態となる。これに対して、リバースポジションおよびドライブポジションは駆動ポジションであり、駆動ポジションが選択された場合は、前後進切り換え機構5が制御されて、エンジン1と車輪2との間で動力伝達が可能な状態となる。
そして、駆動ポジションが選択され、エンジン1からトルクが出力された場合は、前後進切り換え機構5を経由して、ベルト式無段変速機6のプライマリシャフト7にトルクが伝達される。プライマリシャフト7のトルクは、ベルト17を経由してセカンダリシャフト8に伝達される。そして、セカンダリシャフト8のトルクが車輪2に伝達されて駆動力が発生する。
ここで、ベルト式無段変速機6の変速制御を説明する。前記の変速比制御マップに基づいて、ベルト式無段変速機6の変速比が制御される。まず、油圧サーボ機構13により、プライマリプーリ9の可動シーブ12を軸線方向に動作させる推力が調整される。また、油圧サーボ機構16により、セカンダリプーリ10の可動シーブ15を軸線方向に動作させる推力が調整される。そして、可動シーブ12の軸線方向の動作に応じて溝M1の幅が変化し、可動シーブ15の軸線方向の動作に応じて溝M2の幅が変化する。
上記のようにして、溝M1の幅が調整されると、プライマリプーリ9におけるベルト17の巻き掛け半径と、セカンダリプーリ10におけるベルト17の巻き掛け半径との比が変化する。その結果、プライマリシャフト7の回転数と、セカンダリシャフト8の回転数との比、すなわち変速比が変化する。具体的には、油圧サーボ機構13により推力が調整されて、溝M1の幅が狭められると、プライマリプーリ9におけるベルト17の巻き掛け半径が大きくなり、ベルト式無段変速機6の変速比が小さくなるように変速(アップシフト)する。これに対して、油圧サーボ機構13により推力が調整されて、溝M1の幅が広げられると、プライマリプーリ9におけるベルト17の巻き掛け半径が小さくなり、ベルト式無段変速機6の変速比が大きくなるように変速(ダウンシフト)する。
また、この変速比の制御に伴い、ベルト式無段変速機6のトルク容量が、つぎのようにして制御される。すなわち、油圧サーボ機構16により推力が調整されて、セカンダリシャフト8の溝M2の幅が調整される。溝M2の幅が調整されると、セカンダリプーリ10からベルト17に加えられる挟圧力、およびベルト17の張力が変化する。このような原理により、プライマリシャフト7とセカンダリシャフト8との間で伝達されるトルクの容量が制御される。具体的には、油圧サーボ機構16の推力が調整されて、ベルト17に加えられる挟圧力が増加すると、ベルト17のトルク容量が増加する。これに対して、油圧サーボ機構16の推力が調整されて、セカンダリプーリ10からベルト17に加えられる挟圧力が減少すると、ベルト17のトルク容量が低下する。
つぎに、ベルト式無段変速機6の変速比の制御の概略を、図4のフローチャートに基づいて説明する。なお、この制御ルーチンは、数msないし数十ms毎の周期で繰り返し実行される。まず、フィードフォワード制御用目標入力回転数NINTFFおよびフィードバック制御用目標入力回転数NINTFBを算出し(ステップS1)、このステップS1の算出結果に基づいて、ベルト式無段変速機6における変速制御量を求め(ステップS2)、この制御ルーチンを終了する。
上記のステップS1の処理内容を、図1のフローチャートに基づいて具体的に説明する。まず、ベルト式無段変速機6の変速比を制御するために、基本目標入力回転数NINCが算出される(ステップS101)。このステップS101の処理を具体的に説明する。例えば、車速、アクセル開度をパラメータとして要求駆動力が算出され、要求駆動力の算出結果に基づいてエンジン1の運転状態を決定する。すなわち、エンジン出力が最適燃費曲線に沿ったものとなるように、目標エンジン回転数および目標エンジントルクを決定する。そして、ベルト式無段変速機6の変速比を制御して、実エンジン回転数を目標エンジン回転数に近づけるために、基本目標入力回転数NINCが算出される。
前記のステップS101についで、ベルト式無段変速機6の変速比を急激に大きくする(以下、急ダウンシフト制御と記す)要求があるか否かが判断される(ステップS102)。このステップS102で否定的に判断された場合は、通常制御で用いるフィードフォワード制御用の目標入力回転数NINTFFが算出され(ステップS103)、ステップS110に進む。通常制御とは、ベルト式無段変速機6の変速比の変化程度が緩やかな制御を意味する。このステップS103においては、下記の算出式により、基本目標入力回転数NINCになまし処理を施し、目標入力回転数NINTFFが算出される。
NINTFF(i)=NINTFF(i−1)+K1×(NINC(i)−
NINTFF(i−1))+K2 ・・・(1)
上記の式(1)において、「K1」はなまし係数であり、「K2」は補正値(零でもよい)である。また、上記の式(1)および後述する各式において、「(i)」は、制御ルーチンの実行周期における(i)番目の周期、つまり、「今回」を意味し、上記の式(1)および後述する各式において、「(i−1)」は「前回」を意味する。なお、ステップS110の処理については後述する。
これに対して、ステップS102の判断時点において、アクセル開度が所定開度以上に増加した場合、またはアクセル開度の増加速度が所定速度以上である場合は、ステップS102で肯定的に判断される。なお、ステップS102の判断に用いるアクセル開度のしきい値、またはアクセル開度の増加速度のしきい値は、車速、ベルト式無段変速機6の変速比などにより変更することも可能である。
このようにして、ステップS102で肯定的に判断された場合は、急ダウンシフト制御用の目標入力回転数NINTQDが算出される(ステップS104)。この目標入力回転数NINTQDは、ステップS102で肯定判断されてから所定時間までの間は、ステップ的に上昇する特性で設定され、所定時間の経過後は、勾配で上昇する特性で設定される。このステップS104の処理を具体的に説明する。なお、「所定時間」の意味は後述する。
まず、
NINTQD−NIN>DNINSTPE ・・・(2)
が成立しているか否かが判断される。上記の式(2)において、NINTQDは、急ダウンシフト制御用の目標入力回転数の基準値であり、NINはベルト式無段変速機6の実入力回転数である。ここで、基準値NINTQDは、アクセル開度、車速などに基づいて、予め設定されており、目標入力回転数をステップ的に変化させる特性で設定される。そして、上記の式(2)が成立した場合としない場合とでは、目標入力回転数NINTQDの算出方法が異なる。なお、上記の式(2)が成立した場合とは、「所定時間が経過する前」であり、上記の式(2)が成立しない場合とは、「所定時間の経過後」である。
上記の式(2)が成立した場合は、目標入力回転数NINTQDを、
NINTQD=DNINTQD0+K3×(NINC−NINTQD0)
・・・(3)
として算出する。これに対して、上記の式(2)が不成立である場合は、目標入力回転数NINTQDを、
NINTQD(i)=NINTQD(i−1)
+DLTNINTQD ・・・(4)
として算出する。
上記の式(2)において、DNINSTPEは、ステップ変速が終了したか否かの判定に用いる回転数差(しきい値)である。ここで、「ステップ変速が終了した」とは、「実入力回転数NINと基準値NINTQDとの差が所定値以下になった」との意味である。また、式(3)において、DNINTQD0は、ステップS102で肯定判断された時点における実入力回転数NINであり、式(3)において、K3は、ステップ係数である。ここで、ステップ係数K3は、
0≦K3≦1.0
に設定される。さらに、上記の(4)において、DLNINTQDは、ステップ変速の終了後における目標入力回転数の上昇値である。
上記のステップS104についで、ベルト式無段変速機6の目標入力回転数の変化速度DLTNINTが算出される(ステップS105)。このステップS105の処理を具体的に説明すると、前記基準値NINTQDと、フィードフォワード制御用の目標入力回転数の前回値NINTFF(i−1)とに基づいて、変化速度DLTNINTが、式(5)により算出される。
DLTNINT=K4×(NINTQD(i)−NINTFF(i−1))
+K5 ・・・(5)
上記の式(5)において、「K4」はなまし係数であり、「K5」は補正値(零でもよい)である。なお、前回値NINTFF(i−1)については後述する。上記のステップS105についで、変化速度DLTNINTのガード値DLTNINTGが算出される(ステップS106)。このステップS106において、ガード値DLTNINTGの算出方法は2つある。
(第1の算出方法)
ガード値の第1の算出方法について説明する。まず、ベルト式無段変速機6における最大変速速度を、油圧制御装置70の構造的な条件に基づいて算出する。前述したように、ベルト式無段変速機6における変速比の変更は、油圧室50に対する圧油の供給、もしくは油圧室50からの圧油の排出により実行される。
そして、この実施例では、電磁弁54のデューティ比を制御することにより、油圧室50における圧油の流量を制御しているため、電磁弁54のデューティ比が100%である場合に、油圧室50から排出される圧油の流量が最大となる。また、油圧室50から油路58に排出される圧油の流量は、油圧室50が高圧であるほど大流量となる。そこで、電磁弁54のデューティ比が100%である場合に、油圧室50の油圧Pinをパラメータとした圧油の排出流量を示すマップを予め設定しておき、前述した所定時間内において、油圧室50から排出される圧油の流量を求める。ついで、算出された圧油の流量Qを、可動シーブ12の受圧面積Ainで除した値に基づいて、可動シーブ12の軸線方向の移動量DXGを求める。この可動シーブ12の軸線方向の移動量DXGとは、油圧室50の圧油の排出流量が最大である場合を想定して、制御ルーチンの1周期あたりにおける可動シーブ12の移動量を意味する。
そして、ベルト式無段変速機6の変速比と、可動シーブ12の軸線方向の位置との関係を表したマップから、現時点における可動シーブ12の軸線方向の位置WDXGD0を求める。ここで、ベルト式無段変速機6の変速比と、可動シーブ12の軸線方向の位置との関係を表したマップの一例を、図5に示す。図5のマップに示すように、所定の変速比に対応する基準位置を境として、正方向および逆方向が設定されている。そして、この図5のマップを用いれば、現時点における変速比から、ステップS102で肯定的に判断された時点における可動シーブ12の軸線方向の位置WDXGD0を求めることが可能である。
さらに、現時点における可動シーブ12の軸線方向の位置WDXGD0に、前述した移動量DXGを加えて、所定時間の経過後(制御ルーチンの1周期を実行後)における可動シーブ12の軸線方向の位置WDXG1を求める。この場合も、図5のマップを用いればよい。ついで、所定時間後における可動シーブ12の軸線方向の位置WDXG1から、所定時間後におけるベルト式無段変速機6の変速比γ1を求める。この場合も、図5のマップを用いればよい。
さらに、所定時間後における実入力回転数NIN1を、
γ1×NOUT
として算出する。ここで、「NOUT」は所定時間後における出力回転数である。そして、ガード値DLTNINTGを、
DLTNINTG=NIN1−NIN
として求める。
(第2の算出方法)
つぎに、ステップS106におけるガード値DLTNINTGの第2の算出方法を説明する。これは、目標入力回転数NINTQDと実入力回転数NINとの偏差を小さくするフィードバック制御を実行する場合を想定して、油圧室50から排出される圧油の流量を算出し、この圧油の流量DQSC FBに基づいて、ガード値DLTNINTGを算出する方法である。ここで、流量DQSC FBは、次式により求めることが可能である。
DQSC FB=Kp×(ΔN+Ki×∫ΔN) ・・・(6)
上記の式(6)において、「Ki」および「Kp」は共に係数であり、ΔNは、「NINTQD−NIN」で求められる。そして、算出された圧油の流量と、目標入力回転数の変化速度のガード値との関係を示すマップ(図示せず)などに基づいて、ガード値を求める。
上記のステップS106の処理に次いで、
DLTNINT>DLTNINTG
であるか否かが判断される(ステップS107)。このステップS107で肯定的に判断された場合は、ガード値DLTNINTGを、変化速度DLTNINTとして取り扱う処理を実行し(ステップS108)、ステップS109に進む。これに対して、ステップS107で否定的に判断された場合は、ステップS108を迂回してステップS109に進む。このステップS109においては、急ダウンシフト時におけるフィードフォワード制御用の目標入力回転数NINTFFを、次式により算出する。
NINTFF(i)=NINTFF(i−1)+DLTNINT
上記のステップS109についで、フィードバック制御用の目標入力回転数NINTFBを算出し(ステップS110)、この制御ルーチンを終了する。ステップS110においては、例えば、次式(7)を用いることが可能である。
NINTFB(i)=NINTFB(i−1)+K6×(NINTFF(i−K7)
−NINTFB(i−1)) ・・・(7)
上記の式(7)において、K7は無駄時間係数(無駄時間/1周期時間)、K6は一時遅れ係数である。なお、無駄時間、一時遅れ係数は、フィードバック制御を禁止し、かつ、フィードフォワード制御のみを実施する変速制御の実験をおこない、変化速度DLTNINTに対する実変速の遅れに基づいて、実験的に設定される。
つぎに、図4のステップS2の処理について説明する。前述したベルト式無段変速機6の変速制御量とは、具体的には、電磁弁54のデューティ比の制御を意味する。まず、目標入力回転数NINTFBに対する実入力回転数NINの偏差を算出し、その偏差が零となるように、フィードバック制御用のデューティ比Dfb(i)を算出する。このようなデューティ比Dfb(i)の算出は、公知のフィードバック制御技術によりおこなえばよい。
また、ベルト式無段変速機6の変速比を、γ(i)からγ(i+1)に変更するために必要な圧油の排出量を算出し、その圧油の排出量に基づいて、フィードフォワード制御用のデューティ比Dff(i)を算出する。このデューティ比Dff(i)は、プライマリプーリ9の実入力回転数を、目標入力回転数の変化傾向に合わせようとするフィードフォワード制御のデューティ比である。そして、フィードバック制御用のデューティ比Dfb(i)およびフィードフォワード制御用のデューティ比Dff(i)に基づいて、変速出力デューティ比Dr(i)を算出する。例えば、
Dr(i)=αDfb(i)+βDff(i) ・・・(8)
として算出可能である。ここで、αおよびβは係数である。
つぎに、図1および図4の制御例に対応するタイムチャートの一例を、図6に基づいて説明する。時刻t1以前においては、アクセル開度が略一定であり、実線で示す基本目標入力回転数NINCも略一定であり、実入力回転数NINと基本目標入力回転数NINCとが一致しており、目標入力回転数の変化速度は略一定になっている。時刻t1でアクセル開度が急激に増加され、その後は、増加されたアクセル開度に維持されている。このようなアクセル開度の変化にともない、基本目標入力回転数NINCも急激に(ステップ的に)上昇し、かつ、略一定に制御されている。また、実線で示す目標入力回転数NINTQDもステップ的に上昇し、時刻t2以降、目標入力回転数NINTQDは、所定の勾配で緩やかに上昇し、時刻t4で、基本目標入力回転数NINCと急ダウンシフト用目標入力回転数NINTQDとが一致している。上記の時刻t1から時刻t2までの間が、ステップS104の処理で説明した「所定時間」に相当する。
上記の時刻t1から時刻t4までの間、目標入力回転数NINTQDは、基本目標入力回転数NINCよりも低回転数に設定されている。さらに、ステップS105で算出される変化速度DLTNINTの一例が、示されている。ここでは、ステップS105で算出された変速速度DLTNINTが、ガード値DLTNINTGよりも高速である場合が示されている。また、目標入力回転数NINTFFは、時刻t1から時刻t2の間は所定の勾配で上昇し、時刻t2から時刻t4の間は、目標入力回転数NINTQDと目標入力回転数NINTFFとが一致している。ここで、時刻t1から時刻t2の間における目標入力回転数NINTFFの上昇勾配よりも、時刻t2から時刻t4の間における目標入力回転数NINTFFの上昇勾配の方が緩やかである。
また、実線で示す目標入力回転数NINTFBも、時刻t1から時刻t2の間は所定の勾配で上昇し、時刻t2から時刻t4の間も所定の勾配で上昇している。時刻t1から時刻t4の間、目標入力回転数NINTFBは、常に目標入力回転数NINTFFよりも低回転数である。また、時刻t1から時刻t2の間における目標入力回転数NINTFBの上昇勾配よりも、時刻t2から時刻t4の間における目標入力回転数NINTFBの上昇勾配の方が緩やかである。なお、時刻t5において、目標入力回転数NINTFBと、基本目標入力回転数NINCとが一致している。
そして、フィードバック制御のみを実行した場合を想定した実入力回転数NINが破線で示されており、フィードバック制御のみが実行された場合は、時刻t2前後において、実入力回転数NINが、目標入力回転数NINTFBよりも高速となり、その後に、低速となってから、時刻t3で実入力回転数NINが、目標入力回転数NINTFBに一致するような現象、すなわちオーバーシュート現象が発生する。
一方、無駄時間係数および一時遅れを考慮することなく、目標入力回転数NINTFFをフィードバック制御用の目標入力回転数とした場合、あるいはフィードバック制御用のゲインが大きい場合において、前述したフィードフォワード制御による無駄時間および一時遅れを考慮せずに、フィードバック制御を実行すると、実入力回転数NINが一点鎖線で示すような特性で変化する。つまり、実入力回転数NINの勾配は、目標入力回転数NINTFFの勾配よりも急勾配になる。これは、実入力回転数NINの勾配が目標入力回転数NINTFFになるように、フィードフォワード制御するとともに、目標入力回転数NINTFFと実入力回転数NINとの偏差によるフィードバック制御量が加算されるため、必要以上に変速比が変化するためである。これに対して、ステップS110で説明した無駄時間および一時遅れを考慮して、フィードバック制御を実行すると、実入力回転数NINを、実線のように目標入力回転数NINFBに一致させながら、ダウンシフトを実行することが可能になる。
以上のように、この実施例においては、ベルト式無段変速機6で急ダウンシフトの実行要求が生じた場合は、目標入力回転数NINTFFを、時刻t1から時刻t2の間と、時刻t2から時刻t4の間というように、2段階に変化させること、もしくは徐々に変化させること、あるいは異なる変化速度にすることが可能であり、目標入力回転数NINTFFの変化率が零となることを回避できる。したがって、フィードフォワード項が零になることを回避できるとともに、変速過渡時にフィードフォワード制御を適切に実行可能である。
また、目標入力回転数NINTQDと実入力回転数NINとの偏差が大きい場合は、第1の算出方法で算出されたガード値DLTNINTGを用いて、変化速度DLTNINTを決定し、決定された変化速度DLTNINTに基づいて、目標入力回転数NINTFBを決定すれば、油圧室50から排出される圧油の最大流量を確保しながら、ダウンシフトを実行することができる。したがって、ダウンシフト制御の過渡時における制御応答性の低下を抑制することができる。
一方、目標入力回転数NINTQDと実入力回転数NINとの偏差が小さい場合は、変化速度DLTNINTをガード値DLTNINTGで制限する場合において、第2の算出方法で算出されたガード値を用いると、目標入力回転数NINTQDがきめ細かく調整(制限)されて、目標入力回転数NINTFBをもきめ細かく調整可能となり、変速ショックを抑制できる。このように、目標入力回転数NINTQDと実入力回転数NINとの偏差が大きい場合および小さい場合を含めた全体の制御として、制御応答性の向上とショックの抑制とを両立することができる。なお、目標入力回転数NINTQDと実入力回転数NINとの偏差が小さい場合は、フィードバック制御の際における電磁弁54のデューティ比は100%以下となる可能性があり、フィードフォワード制御を実行しない場合の変速応答性と同等の変速応答性となる。
さらに、フィードフォワード制御の応答遅れがある場合でも、無駄時間および一時遅れを考慮して、目標入力回転数NINTFBを決定することにより、目標入力回転数NINTFBに対する実入力回転数NINの追従性が低下することを抑制できる。なお、上記制御例では、ベルト式無段変速機6の変速比を急激に大きくするダウンシフトについて説明しているが、ベルト式無段変速機6の変速比を小さくするアップシフトの場合に、この発明を適用することも可能である。この場合、アップシフト要求により各目標入力回転数が低下し、実入力回転数も低下することとなる。さらに、油圧室50に供給される圧油の流量を制御することとなる。
ここで、この実施例で説明した構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、エンジン1が、この発明の動力源に相当し、ベルト式無段変速機6が、この発明の無段変速機に相当し、油圧室50が、この発明の油圧室に相当する。また、図1に示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すると、ステップS102,S104,S105,S106,S107が、この発明の変化率算出手段に相当し、ステップS109が、この発明の第1の変速制御手段に相当し、ステップS110が、この発明の第2の変速制御手段に相当する。また、急ダウンシフト用の目標入力回転数NININTQDが、この発明の変速用目標入力回転数に相当する。
また、目標入力回転数の変化速度DLTNINTが、この発明の「変速用目標入力回転数の変化率」に相当する。また、ステップS108の処理で求められた「目標入力回転数の変化速度DLTNINT」が、この発明の「制限された変速用目標入力回転数の変化率」に相当する。このような技術的意義に基づいて、各請求項に記載された発明においては、無段変速機の入力回転速度および出力回転速度に基づいて無段変速機の変速比を制御する技術も含まれる。また、目標入力回転数の変化率を、目標入力回転速度の変化率と読み替えた技術も、各請求項の発明に含まれる。さらに、この発明における変化率とは、経時的な変化状態を意味しており、したがって、入力回転数(入力回転速度)の変化勾配、変化程度、変化割合なども、入力回転数の変化率と等価のパラメータであり、これらの技術も、請求項に記載された「入力回転数の変化率」に含まれる。さらに、油圧室50に供給される圧油の最大流量、または油圧室50から排出される圧油の最大流量が、この発明における「所定条件」に含まれる。さらに、「フィードバック制御を実行する場合を想定し、フィードバック制御の実行時に油圧室50に供給される圧油の流量、または油圧室50から排出される圧油の流量」も、この発明における「所定条件」に含まれる。
なお、この発明における無段変速機には、ベルト式無段変速機の他に、トロイダル式無段変速機も含まれる。トロイダル式無段変速機とは、トロイダル面を有する入力ディスクおよび出力ディスクと、各ディスクに対して接触するパワーローラとを有する変速機である。各ディスクとパワーローラとの接触面には潤滑油が存在する。そして、パワーローラを、各ディスクの軸線に直交する平面内で直線状に移動させて、パワーローラと各ディスクとの接触半径を調整することにより、入力ディスクの入力回転数と、出力ディスクの出力回転数と間の変速比が制御される。また、各ディスクとパワーローラとの接触面圧を調整することにより、入力ディスクと出力ディスクとの間で伝達されるトルクの容量が制御される。
すなわち、各ディスクとパワーローラとの接触面圧を高圧にすると、潤滑油がガラス状になり、いわゆるトラクション伝動により、入力回転部材と出力回転部材との間で動力の伝達がおこなわれる。このように、各ディスクとパワーローラとの接触面圧を調整するための油圧サーボ機構が設けられている。油圧サーボ機構は、ピストンと、各ピストンを動作させる油圧室とを有している。また、パワーローラを各ディスクの軸線に直交する平面内で直線状に移動させる油圧サーボ機構が設けられている。この油圧サーボ機構は、油圧室を有しており、この油圧室の油圧を制御することにより、トロイダル式無段変速機の変速比が制御される。
この発明の実施例であるベルト式無段変速機で実行可能な制御例の一部を示すフローチャートである。 この発明の適用対象である車両のパワートレーンおよびその制御系統を示す概念図である。 図2に示されたベルト式無段変速機のプライマリプーリの油圧室に対応する油圧回路である。 この発明の実施例であるベルト式無段変速機で実行可能な制御例の概略を示すフローチャートである。 図1の制御例で用いられ、かつ、変速比と可動シーブの位置との関係を示すマップである。 この発明の制御例に対応するタイムチャートである。
符号の説明
1…エンジン、 6…ベルト式無段変速機、 18…電子制御装置、 50…油圧室、 51…変速制御弁、 54…電磁弁、 58…油路、 70…油圧制御装置。

Claims (4)

  1. 動力源の出力側に無段変速機が配置されており、この無段変速機の入力回転数と出力回転数との間の変速比を制御する場合に、目標入力回転数と実入力回転数との偏差に基づいて、前記実入力回転数を制御するフィードバック制御をおこなうとともに、目標入力回転数に基づくフィードフォワード制御をおこなう無段変速機の変速制御装置において、
    前記無段変速機の変速比を変更する要求に基づいて変速用目標入力回転数の変化率を求める場合に、この変速用目標入力回転数の変化率を所定条件により制限する変化率算出手段と、
    制限された変速用目標入力回転数の変化率に基づいて、前記フィードフォワード制御用の目標入力回転数を求める第1の変速制御手段と、
    前記フィードフォワード制御用の目標入力回転数に基づいて、前記フィードバック制御用の目標入力回転数を求める第2の変速制御手段と
    を有していることを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  2. 前記無段変速機の実入力回転数を圧油の流量により制御する油圧室が設けられており、
    前記変化率算出手段は、前記油圧室に供給される圧油の最大流量、または前記油圧室から排出される圧油の最大流量に基づいて、前記変速用目標入力回転数の変化率を制限する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の変速制御装置。
  3. 前記無段変速機の実入力回転数を圧油の流量により制御する油圧室が設けられており、
    前記変化率算出手段は、前記フィードバック制御を実行する場合を想定し、このフィードバック制御の実行時に前記油圧室に供給される圧油の流量または前記油圧室から排出される圧油の流量を算出し、算出された圧油の流量に基づいて、前記変速用目標入力回転数の変化率を制限する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の変速制御装置。
  4. 前記第2の変速制御手段は、前記フィードフォワード制御用の目標入力回転数と、前記フィードフォワード制御の応答遅れとに基づいて、前記第フィードバック制御用の目標入力回転数を求める手段を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の無段変速機の変速制御装置。
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