JP2006265706A - リン酸塩処理性および塗装後耐食性に優れた熱処理加工用溶融Znめっき鋼板並びにその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 リン酸塩処理性および塗装後耐食性の優れた高強度高張力鋼加工部材を得ることのできるホットプレス用溶融Znめっき鋼板、並びにこうした鋼板を製造するための有用な方法を提供する。
【解決手段】 鋼母材のAc1点以上に加熱された後、加工されるホットプレス用溶融Znめっき鋼板であって、上記加熱後の溶融Znめっき層表面に形成される酸化皮膜として、Al濃度の最大値が25原子%であり、且つMgとZnの複合酸化物が、下記(1)式で規定される原子濃度比Aで0.9以下となる割合で存在する。
A=[Mg]/[Zn] …(1)
但し、[Mg]および[Zn]は、夫々酸化物中のMgおよびZnの濃度(原子%)を意味する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主に自動車車体に適用される薄鋼板成形品を製造する分野において、その素材なる鋼板(ブランク)をオーステナイト+フェライト温度(Ac1点)以上に加熱してプレス成形加工して高強度高張力化されるホットプレス用溶融Znめっき鋼板およびその製造方法に関するものであり、殊に自動車シャーシ、足回り部品、補強部品等の製造に有用な溶融Znめっき鋼板であって、リン酸塩処理性および塗装後耐食性を改善するための技術に関するものである。尚、本発明の「溶融Znめっき鋼板」は、非合金化溶融Znめっき鋼板と合金化溶融Znめっき鋼板の両方を意味する。
自動車用部品では、衝突安全性や軽量化の両立を達成するために、薄くても強度の高い(1000MPaや1500MPa)の高強度高張力鋼板(超ハイテン材)の使用が検討されている。しかしながら、こうした超ハイテン材では、加工性が悪く、所定形状(上記各種部品)にプレス成形ができなくなったり、プレス後に変形する等、形状凍結性も十分ではなく、遅れ破壊性の問題も懸念される。
こうしたことから、高強度高張力鋼板を使用せずに、高強度の加工部材が得られる技術として、高周波焼入れ技術やホットプレス法が考えられている。このうち高周波焼入れ技術は、部品の一部を高周波によって加熱して焼入れして硬度を高める方法である。しかしながら高周波焼入れでは、部品に温度分布が出やすく、組織が変化し、耐食性が劣化する傾向がある。
一方、ホットプレス法(若しくはホットスタンプ法)では、鋼板をオーステナイト温度(Ac3点)以上若しくはオーステナイト+フェライト温度(Ac1点)以上に加熱した後、金型で加工しながら急冷したり、冷間加工後、上記温度範囲に加熱して、金型で冷却する方法等が採用されている。この方法は、基本的に、加工が容易になるように鋼板を加熱して柔らかくすると共に、その後の加工時に冷却・焼入れを行うことによって、形状凍結性に優れ、且つ高強度高張力を示す加工部材を得ようとする技術である。
従来のホットプレス用鋼板としては、Al系めっき鋼板が多く用いられてきた(例えば特許文献1)。しかしながら、Al系めっき層の場合には、加熱時にFeが急速にめっき層中に拡散してAlとFeとの合金層が形成され、このAl−Fe合金層が硬くて脆いため、加工時に剥離して加工生産性を低下させたり、金型寿命を短くしてしまう。また素地との密着性に劣るAl−Fe合金層の存在で、上塗り塗膜との密着性(塗装後密着性)が著しく低下して、耐食性が劣化してしまうという問題があった。
一方、素地鋼板表面にFe−Zn合金層が形成された熱間プレス成形品も提案されている(特許文献2)。しかしながら、こうした合金化めっき鋼板では、加熱により生成した密着性の悪いZnOが鋼板表面を覆い、鋼板表面から容易に剥離することになる。その結果、プレスの作業性、生産性を低下させ、金型寿命を短くし、塗装性も劣化するという問題がある。
ところで、ホットプレス法では、鋼板を上記の温度範囲に加熱する必要があるが、特にAc3点以上に加熱される場合には、この温度はZnの沸点(大気圧下では907℃)近傍であるので、Znめっき鋼板を用いたときに、めっき層中のZnが蒸発してめっき層が劣化することがある。こうしたことから、特許文献3では、表層に加熱時のZnの蒸発を防止するバリヤー相(例えば、酸化Zn層)を形成したホットプレス鋼板が提案されている。しかしながら、酸化Zn(ZnO)層が厚く形成されると、塗装後密着性(特に、融雪塩のような塩水環境での塗膜密着性)がかなり低下するという問題がある。
また、特許文献4では、Znめっき層中に、Znより酸化しやすい元素を含有させて、ホットプレス時にこれらの酸化物の層をZnめっき層表面に形成することで、Znの蒸発を防止する技術が開示されている。こうした技術は、Znの蒸発を抑制するという観点では有効であるものの、表面に均一な膜を形成することになり、不活性な表面となり、リン酸塩処理性が低下し、その結果塗装後耐食性が劣化するという問題がある。
特開2003−82436号公報 特許請求の範囲等 特開2003−126921号公報 特許請求の範囲等 特開2003−73774号公報 特許請求の範囲等 特開2004−270029号公報 特許請求の範囲等
上述したように、これまで提案されている技術では、耐食性に優れた溶融Znめっき鋼板をホットプレス用の鋼板として用いても、Znの蒸発を十分に防げなかったり、リン酸塩処理性が低下したり、更にはZnO等が溶融Znめっき層から剥離して、塗装と後密着性(塗装後耐腐性)の十分な高強度高張力鋼部材を得ることができない。
本発明は、こうした状況の下でなされたものであって、その目的は、リン酸塩処理性および塗装後耐食性の優れた高強度高張力鋼加工部材を得ることのできるホットプレス用溶融Znめっき鋼板、並びにこうした鋼板を製造するための有用な方法を提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明の熱処置加工用溶融Znめっき鋼板とは、鋼母材のAc1点以上に加熱された後、加工されるホットプレス用溶融Znめっき鋼板であって、上記加熱後の溶融Znめっき層表面に形成される酸化皮膜として、Al濃度の最大値が25原子%であり、且つMgとZnの複合酸化物が、下記(1)式で規定される原子濃度比Aで0.8以下となる割合で存在する点に要旨を有するものである。
A=[Mg]/[Zn] …(1)
但し、[Mg]および[Zn]は、夫々酸化物中のMgおよびZnの濃度(原子%)を意味する。
上記溶融Znめっき層が、非合金化溶融Znめっき層の場合は、その付着量は40g/m2以上であることが好ましく、合金化溶融Znめっき層の場合は、その付着量が30g/m2以上であることが好ましい。
上記のようなホットプレス用溶融Znめっき鋼板を製造するに当っては、めっき層中のAl濃度が0.2〜1.0g/m2の範囲内で、このAl濃度との関係でMg濃度が下記(2)式を満足するように、めっき浴中にAlおよびMgを添加しためっき浴で溶融Znめっきを施すようにすれば良い。
0.10≦{Mg}/{Al}≦5.0 …(2)
但し、{Mg}および{Al}は、夫々めっき層中におけるMgの濃度(質量%)およびAlの濃度(g/mm2)を意味する。
本発明では、加熱後のめっき表面酸化皮膜中のAl濃度や、MgとZnの原子比を適切に制御するようにしたので、ホットプレス工程において高温に加熱されても、溶融Znめっき層中のZnの蒸発を抑制することができ、リン酸処理性および塗装後耐食性をも改善することができるホットプレス用溶融Znめっき鋼板が実現できた。
本発明者らは、リン酸塩処理性および塗装後耐食性の良好なホットプレス用溶融Znめっき鋼板の実現を目指して、特に溶融Znめっき鋼板表面に形成される酸化皮膜の構成について様々な角度から検討した。その結果、リン酸塩処理性および塗装後耐食性は、加熱前の酸化皮膜の構成よりも、むしろ加熱後の酸化皮膜(若しくは加熱によって形成される酸化皮膜)の構成によって影響されること、そしてこの酸化皮膜の構成を適切に制御してやれば、上記両特性を極めて優れたものとできることを見出し、本発明を完成した。以下、本発明の構成に沿って本発明の作用効果について説明する。
本発明の溶融Znめっき鋼板では、加熱後のめっき層表面のAl濃度が25原子%以下(最大値で25原子%)の酸化皮膜が形成されることになる。酸化皮膜中のAl濃度(最大Al原子濃度)が25原子%よりも多くなると、安定なAl23がめっき層表面を覆うことになり、リン酸塩処理時の反応性が低くなり、リン酸塩処理性が低下することになる。
本発明の酸化皮膜中には所定量のMgとZnを含む必要があるが、これらは酸化皮膜中でMgOおよびZnO等の酸化物の形態で存在することになる。これらの酸化物は、リン酸処理時に溶解すると共に、Znの蒸発やAlの極端な濃化を抑制し、溶融Znめっき鋼板(ブランク)のリン酸塩処理性を向上させることになる。但し、MgOおよびZnOの濃度は適切な比率となるように調整する必要がある。酸化皮膜中のMg原子濃度[Mg]とZn原子濃度の比([Mg]/[Zn])が0.9を超えるとMgの比率が多くなって、Znの蒸発を抑制する効果がなくなり、大気焼鈍後に厚い酸化皮膜が形成され、加工時にパウダーが発生するという問題が発生する。
即ち、本発明の溶融Znめっき鋼板では、めっき表面に形成される酸化皮膜中のAl濃度と、MgおよびZnの酸化物比のバランスを適切に制御してやることによって、Znの蒸発を抑制しながら、リン酸処理性が向上し、更に塗装後耐食性退色も良好となるのである。
上記のような酸化皮膜を形成するには、溶融Znめっき層中のAl濃度が、Zn蒸発に必要な0.2g/m2以上を含有し、このAl濃度との関係でMg濃度が上記(2)式を満足するように、AlおよびMgを添加しためっき浴を用いて溶融Znめっきを施せば良い。下記(2)式の関係を満足するようにMgを添加するのは、Zn蒸発を防止するAlの極端な濃化を防止するために、所定量のMgが必要であり、めっき層中のMg濃度{Mg}とAl濃度{Al}の比({Mg}/{Al})の値が0.10未満となると、めっき表面へのAl濃化が起こり、リン酸処理性が低下することになる。一方、上記比({Mg}/{Al})の値が5を超えると、ZnOの生成が過剰になって加工時のパウダーの発生や、塗装密着性の低下を招くことになる。溶融Znめっき層中のAl濃度は、過剰になり過ぎると、コスト上昇や操業性低下を招くので1.0g/m2以下となるように制御するのが良い。
尚上記のような溶融Znめっき層を形成するときのめっき浴は、上記した要件を満足できるものであればよく、他の条件については特に限定されず、Mgを添加する以外は通常のZn−Alめっき浴を用いて公知の条件でめっきを施せば良い。また、Feとの合金化の条件も特に限定されず、例えばガス加熱炉や誘導加熱炉を用いて公知の条件で合金化処理を行えば良い。更に、めっき層を合金化する場合には、合金化熱処理によっても酸化皮膜が形成されるが、初期発生の酸化皮膜は加熱後の特性に影響しないし、めっき表面の性状は加工前の加熱の段階で上記要件を満足するように制御されていれば良い。
本発明の溶融Znめっき鋼板における溶融Znめっき層は、通常の、即ち合金化されていない(非合金化)溶融Znめっき層であっても、合金化溶融Znめっき層であっても、いずれでもよいが、耐食性を考慮すると、非合金化溶融Znめっき層は40g/m2以上、合金化溶融Znめっき層では30g/m2以上の付着量を確保することが好ましい。但し、付着量があまり多くなると加熱により生成した合金層の体積変化によりめっき層にひびが入り、外観を損なうので、非合金化溶融Znめっき層の場合は150g/m2以下、合金化溶融Znめっき層の場合は70g/m2以下とすることが好ましい。
本発明で用いる素地の鋼母材としては、ホットプレス時の加熱および急冷により、高強度、高張力となり得る公知の焼入れ鋼が適しており、例えば、C:0.1〜0.4質量%、Mn:0.3〜3質量%、Si:2.0質量%以下、Al:0.5質量%以下、P:0.1質量%以下、S:0.03質量%以下、Ti:0.1質量%以下で、他に焼入れ鋼として積極的に添加される公知の元素(例えば、Ni,Mo,Cr,B等)および不可避不純物を含んでいても良い鋼が適している。
本発明のホットプレス用溶融Znめっき鋼板は、通常、鋼母材のAc3変態点以上のオーステナイト領域(800〜1000℃)に加熱された後、金型で急冷されながら加工されることを想定したものであり、Zn蒸発などはこうした高温加熱時において特に問題となるものであるが、オーステナイト+フェライト温度(Ac1変態点)以上(通常720℃以上)に加熱してプレス成形する場合であっても焼入れの効果が得られるものであるので、本発明における鋼板はこうした温度で加熱する場合も含むものである。また、上記のようにして加熱、加工した後には、公知のリン酸塩処理が施され、更に上塗り塗膜が電着塗装等で形成されて製品化される。
以下、本発明の効果を実施例によって更に具体的に示すが、下記実施例は本発明を限定するものではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
鋼母材として、熱処理−冷却)後に高強度になる一般的な焼入れ鋼(C:0.20質量%、Mn:1.2質量%、S:0.005質量%、P:0.012質量%、Ti:0.026質量%、残部:Fe)を用い(厚さ:1.6mm)、この表面に、Mgを添加しためっき浴を用いた溶融Znめっき法によって、下記表1に示した付着量のZnめっきを施した。形成されためっき層中のAl濃度{Al}およびMg濃度{Mg}をIPC(誘導結合プラズマ発光分光分析法)によって測定した。
続いて、900℃で1分、大気加熱を行い、このときめっき表面に形成された酸化皮膜について、オージェ分析で最表面から深さ方向に元素をスパッタし、酸素が最大の1/2までの間でAl量(原子量)の最大値を読み取った。また、MgとZnの原子量を読みとり、それらの原子比([Mg]/[Zn])を測定した。このときのオージェ分析の条件は下記の通りである。
[オージェ分析の条件]
装置名:PHI社製「PHI−670」
分析領域:20μm
スパッタリング:Ar 3kV−25mA
速度:約150Å/分(SiO2換算)
一方、加熱した後の各試験片について電着塗装下地処理として、リン酸塩処理液体(「バルボンドL3020」日本パーカライジング社製)で通常のリン酸塩処理をした。その後、エポキシ樹脂系の電着塗料(「パワーニックス」日本ペイント社製)で電着塗装を実施した(膜厚さ20μm)。
電着塗装した各試験片にカッターナイフにて荷重500gでクロスカットを入れ、55℃で、5%塩化ナトリウム水溶液に10日間浸漬後、クロスカット上に手で24mm幅のニチバン製テープ(品番:「CT405A−21」を貼付し、すぐに剥がし、クロスカットからの塗膜の剥離得幅によってリン酸処塩理性を評価した。このとき、塗膜の剥離幅が4mmを超えた場合を×、4mm以下のときを○とした。
また電着塗装した各試験片に対して、上記のようしてクロスカットを入れた後、JIS−M609の複合サイクル試験[1サイクル:35℃、5%塩水に2時間浸漬→乾燥60℃(4時間)→湿潤50℃(95%2時間)]を180サイクル行い、クロスカットからの片側最大膨れ幅を測定することによって、耐食性を評価した。このとき、最大膨れ幅が4mm未満を◎、4mm〜6mm未満を○、6mm以上を×として評価した。
これらの結果を、一括して下記表1に示す。また、試験No.1のオージェ分析結果を図1に、試験No.9のオージェ分析結果を図2に、夫々示す。
Figure 2006265706
これらの結果から、次のように考察できる。まずNo.1〜4では、めっき層中にMgを含有させることによって、Alの酸化皮膜への拡散が抑制され、リン酸塩処理性が向上した結果、塩水浸漬試験の剥離幅が良好になると共に、複合サイクルによる耐食性試験も良好な結果をなっている。
試験No.5,6のものでは、めっき付着量が少ないので、上記試験No.1〜4のものに比べて、耐食性は若干低下するものの、リン酸処理性は良好(剥離幅が小さい)である。
試験No.7,8のものでは、Mgの添加量が若干多めになっているが、耐食性が更に向上しており、性能的に問題はない。
試験No.9,10のものでは、Mgが入っていないため、Al濃化が起こり、複合サイクル試験は良好であるものの、リン酸処理性が悪くなっており、実用に適さないものである。試験No.11のものは、めっき付着量が少なくなっており(Mgを含有しない)、剥離幅も複合サイクル試験結果も満足しないものとなっている。
試験No.12のものは、Mgが過剰に添加され、耐食性は良好であるものの、[Mg]/[Zn]比が高くなっており、リン酸処理性が劣化している。試験No.13のものでは、Alに対するMg添加量が少なくなっており、リン酸塩処理性が低下し、また耐食性が劣化している。
また、図1、2の結果から明らかなように、本発明で規定する要件を満足するものでは、酸化皮膜中のAlの濃化が抑制されていることが分かる。
試験No.1のオージェ分析結果を示すグラフである。 試験No.9のオージェ分析結果を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 鋼母材のAc1点以上に加熱された後、加工されるホットプレス用溶融Znめっき鋼板であって、上記加熱後の溶融Znめっき層表面に形成される酸化皮膜として、Al濃度の最大値が25原子%であり、且つMgとZnの複合酸化物が、下記(1)式で規定される原子濃度比Aで0.9以下となる割合で存在することを特徴とするリン酸塩処理性および塗装後耐食性に優れたホットプレス用溶融Znめっき鋼板。
    A=[Mg]/[Zn] …(1)
    但し、[Mg]および[Zn]は、夫々酸化物中のMgおよびZnの濃度(原子%)を意味する。
  2. 上記溶融Znめっき層が、非合金化溶融Znめっき層であって、その付着量が40g/m2以上である請求項1に記載のホットプレス用溶融亜鉛めっき鋼板。
  3. 上記溶融Znめっき層が、合金化溶融Znめっき層であって、その付着量が30g/m2以上である請求項1に記載のホットプレス用溶融亜鉛めっき鋼板。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の溶融Znめっき鋼板を製造するに当り、めっき層中のAl濃度が0.2〜1.0g/m2の範囲内で、このAl濃度との関係でMg濃度が下記(2)式を満足するように、めっき浴中にAlおよびMgを添加しためっき浴で溶融Znめっきを施すことを特徴とするリン酸塩処理性および塗装後耐食性に優れた熱処理加工用溶融Znめっき鋼板の製造方法。
    0.10≦{Mg}/{Al}≦5 …(2)
    但し、{Mg}および{Al}は、夫々めっき層中におけるMgの濃度(質量%)およびAlの濃度(g/mm2)を意味する。

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