JP2006240837A - フォークリフト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 車体に立設されたマスト2と、該マストに沿って昇降されるリフトブラケット4と、該リフトブラケットに支持されたフォーク3とを有するフォークリフトに、パレットをロックするためのロックバー14と、上記ロックバー14を作動させるため、リフトブラケットの上部に配設されたバックレスト29に備え付けられたロック作動装置12と、上記ロックバーとロック作動装置とを機械的に接続する動力伝達手段とからなるパレットロック装置10を備える。
【選択図】 図1
Description
ところで、特許文献1に記載の構成では、パレットロック装置を作動させる油圧シリンダその他の機構が、リフトブラケット6の下側寄りの位置に於ける2本のフォークの垂直部の間に配設される。この様な構成では、リフトブラケットの2本のフォークの垂直部の間の空間が塞がれ、運転者(オペレータ)の視界が悪化することとなる。そのため、運転台上で荷役操作を行うオペレータは、フォークの位置関係やパレット上の荷物の状況を確実に把握することが出来なくなり、荷役作業に支障を来す虞があった。
又本発明は、上記特長を備えながら円滑かつ確実に作動するパレットロック装置を備えたフォークリフトを提供することを課題とする。
パレットをロックするためのロックバーと、前記ロックバーを作動させるため、前記リフトブラケットの上部に配設されたバックレストに備え付けられたロック作動装置と、前記ロックバーと前記ロック作動装置とを機械的に接続する動力伝達手段と、からなるパレットロック装置を備えたことを特徴とするものである。
又本発明によれば、パレットロック装置を駆動するロック作動装置についてはバックレストに直接取り付けるだけで済むので、車両に特別な改造を施さずに、ロック作動装置の取付スペースを確保することが出来る。
さらに、ロック機構側を、後記実施例の様にフォークに直接取り付ける構成とすれば、フォーク取付幅の変更の度に、ロック機構の位置を手作業にて変更する手間を省くことが可能である。
ここで、図1は本発明に係るパレットロック装置のロック機構側を抜き出して示したフォークリフトのリフトブラケット付近の拡大斜視図、図2は図1のC部拡大図、図3は本発明に係るパレットロック装置のロック機構側の一構成例を示す分解斜視図、図4は本発明に係るパレットロック装置のロック作動装置側の一構成例を示す図、図5は本発明に係るパレットロック装置の使用状態を示す図、図6は本発明装置の適用対象となるフォークリフトの一例を示す図である。
はじめに、本発明装置の適用対象となるフォークリフトにつき図6及び図1を基に説明する。尚図6では本発明に係るパレットロック装置は省略されている。
図6に示す通り、本例のフォークリフトは、フォーク3及びこれを上下(図6のY方向)させるマスト2を車体1前方(図6のX方向)に備えたリーチ式のフォークリフトとされる。このリーチ式フォークリフトでは、マスト2は、車体1前方へ突出した一対のストラドルレッグ30に進退自在に支持されている。尚図6では、Xの方向が車体前方を示し、Yはマストの上下方向、Wは車体の幅方向を表している。
リフトブラケット4の下側に設けられた構成に付き説明すると、まず、リフトブラケット4の下側には車体幅方向にのびるティルト軸5が設けられている。このティルト軸5の左右端には、側面視L字型のフォーク3の垂直部の自由端が夫々固定されている。尚フォーク3の垂直部は、リフトブラケット4の下方に於いて夫々の水平部と結合しており、該水平部は、そこから車体前方に向かって略水平方向にのびている。このリフトブラケット4の下側には、フォーク3の他にフォークをティルト動作させるための機構が設けられている。フォークをティルト動作させるための機構は、例えば油圧シリンダからなるティルト装置7及びその動きを各フォークに伝えるためのティルトバー6等から構成される。ティルトバー6は、夫々のフォーク3の垂直部の下側の裏面と接しており、ティルト装置7のシリンダロッドが車体1前方に伸長してティルトバー6が前進することに伴い、フォーク3を上方に傾動させる様機能し得る。
本実施例に係るパレットロック装置10は、パレットPをロックするためのロックバー14をフォーク3の水平部に並行して備え、このロックバー14を、その一部に作用させた力により軸回転させ、バーの先端を下側のパレット板の内面に押し付けるロック機構11と、ロックバー14を作動させるためバックレスト29側に備えられたロック作動装置12と、上記ロック機構11とロック作動装置12とを機械的に接続する動力伝達手段とから基本的に構成される。ロック機構11は、各フォークの内側に取り付けられる。
上記実施例では、ロック機構11は、2本のフォーク3の夫々に設けられるが、それらの駆動は、1基のロック作動装置12により行われる。又本実施例のロック機構11は、2本のフォーク3の夫々に設けられるが、以下の各説明では、簡単のため、その内の片側のみを取り上げて説明する。
尚本実施例では、動力伝達手段はワイヤとされ、ワイヤがバックレスト29側に引っ張られることによりロックバー14の先端が下向きに動く様構成されている。さらに、本実施例では後述する通り、ワイヤ(13a)の両端には第1及び第2の可動片(27,18)が接続されており、それぞれ、第1の可動片(27)がロック作動装置(12)に、第2の可動片(18)がロック機構(11)に接続されている。上記ワイヤは、ワイヤチューブ13内に、該ワイヤチューブ内を自由に移動し得る状態(後記)で収容されている。
図2に示される通り、本実施例のロック機構11は、フォーク3に固定され、かつロックバー14を回転自在に支持するベース15に、上記ロックバー14を回転させるために必要な各構成要素が備えられたものである。本実施例では、ベース15はフォーク3の垂直部下側の側面に、溶接によって結合されている。
このように、本実施例ではフォーク3にロック機構11が直接取り付けられているので、フォーク取付幅の変更に応じて、ロック機構11の位置を自動的に変更することが可能となる。
ロックバー14を支持する回転軸17には、これと同軸上に形成されたねじりバネ21が挿入されている。ねじりバネ21の一端側はベース15に、他端側はロックバー14に固定されている。このように、本実施例ではねじりバネ21がロックバー14とベース15との間で保持されており、パレットロック解除を行う際には、ねじりバネ21の復元力を利用して、ロックバー14を初期位置に戻す動作を補助し得る様構成されている。参照符22はオイレスメタル、同23は軸用の止メ輪である。また、ロックバー14が戻り動作を行う際にロックバー14の先端14bが必要以上に上方に移動するのを防止するべく、ベース15の回転軸17付近には、ロックバー14のストッパとなるロックバー戻り位置決め部材15cが突設されている。その他、ベース15には、上端付近にワイヤチューブ固定部15aが備えられている。ワイヤチューブ固定部15aは、ベース15から車両1の幅方向に突出させたものであり、上面に於いてロック作動装置12側から延びるワイヤチューブ13の他端側が固定されるものである。
上記構成からなる本実施例のパレットロック装置の動作については、次節にて説明する。
本実施例に係るパレットロック装置10は、オペレータによる車両1の運転台に備え付けられた所定のレバー又はスイッチの操作を通じて動きがコントロールされる。以下、図5を中心にその操作の一例につき説明する。
はじめに、本実施例のパレットロック装置10の動作につき図5Aを基に説明する。まずは、オペレータが、車両1の運転台に備え付けられた所定のレバー又はスイッチを操作して、パレットロック作動の指令をアクチュエータ26に与えたときの動作について順を追って説明する。
オペレータからの指令を受けたアクチュエータ26は、オペレータの指示に従い、シリンダロッド28を図5Aの参照符Lで示された方向に伸長させる。このとき、シリンダロッド28の先端に固定された第1の可動片27も、シリンダロッド28の先端と共に図5Aの右方向に移動する。第1の可動片27が右向きに移動するのに伴い、第1の可動片27の下側に一端側が固定されているワイヤ13aも右向きに移動する。このように、ワイヤ13aの一端側は、シリンダロッド28が伸張することによってロック作動装置12側に引っ張られる。
ここで、フォーク3及びロックバー14の先端側が図5B〜Dに示す様にパレットの内部に挿入されている場合を想定すると、先端部14bは、最終的に下側のパレット板P2の内面に当接してこれを下方に押圧し、それによりパレットロックを実現する。
反対に、オペレータがパレットロック解除の指令を運転台からアクチュエータ26に与えたときには、アクチュエータ26はシリンダロッド28を収縮させ、ワイヤ13aの引っ張りを元に戻すべく、第1の可動片27を図5Aの参照符Lで示された方向と反対方向に移動させる。
ワイヤ13aの引っ張りを元に戻そうとするとき、ロック機構11側ではワイヤ13aは下向きに下降してくるので、ワイヤ13aの他端部に固定されている第2の可動片18も下向きに移動する。又このとき、第2の可動片18とロックバー14の間に接続されたスプリング16の伸びは初期状態に戻ると共に、ロックバー14の基端部14aもスプリング16の他端部に押されて下向きに移動する。そうすると、ロックバー14は回転軸17を中心に時計回りに回転して、ロックバー14の先端14bは下側のパレット板P2の内面から離れて上方に移動する。このとき、ロックバー14には、その中心軸17と同軸に備えられたねじりバネ21の復元力が同時に作用する。ロックバー14はストッパに相当するロックバー戻り位置決め部材15cに当たるまで時計方向に回転してフォーク3と平行な略水平状態に戻り、それによりパレットロックの解除が行われる。
パレットロックの解除は、以上の様な手順で行われる。
次に、上で動作を説明したパレットロック装置を実際に荷取り時及び荷卸し時にどのようにして使用するかについて図5B〜Dを基に説明する。
荷取り作業を行う場合、例えばフォーク3を下降させた状態で車体1をパレットPに対して前進(図6のX方向)させることにより、水平状態にしたフォーク3の先端部をパレットPの上下板(P1,P2)の間に挿入する(図5B参照)。このとき、フォーク3の先端部とロックバー14は共に平行かつ略水平状態にあるので、フォーク3及びロックバー14をパレットPの上下板(P1,P2)の間に容易に挿入することが出来る。
又これと略同時に、運転台上のレバー又はスイッチを操作してロック作動装置12を駆動することにより、シリンダロッド28を伸長させる。シリンダロッド28の伸長により、上記の通りロック機構11のロックバー14が作動し、ロックバー14の先端14bは下方向に移動する(同じく図5C参照)。先端部14bは、最終的に下側のパレット板P2の内面に当接してこれを下方に押圧する。これによってパレットPはその内部から押圧力を受けてロックされ、フォーク3から容易に離脱しない状態となる。この状態から更にワイヤ13aの引っ張り及び第2の可動片18の上昇が続いても、スプリング16が伸長することによってパレットのロック状態はその儘維持される。
尚このスプリング16は、パレットPの上側の板P1と下側の板P2との間隔にバラツキが存在するとき、その伸びによって上記バラツキを吸収する作用を奏する。即ち、パレットPの上下板間隔が相対的に小さい場合では、ワイヤ13aを引く量がパレットPの上下板間隔が相対的に大きい場合と同じであっても、引っ張りバネたるスプリング16が伸びることにより下側のパレット板P2に対するロックバー先端14bの押し付け力を保持する。一方、パレットPの上下板間隔が相対的に大きい場合では、上に比べてスプリング16の伸び量は減少する。しかしながら、通常、ロック機構11は、予想し得るパレットPの上下板間隔の最大値を基準としてそこから適正なスプリング16の伸び量が得られる様に初期調整されているので、パレットロックの性能が低下するといった問題は生じない。このように、スプリング16の伸び量は、パレットPの上下板(P1,P2)の間隔に応じて変化する。
荷取り時に於けるパレットロックは、以上の様な手順で行われる。
通常、パレットを目的地に運び終えると、オペレータはフォーク3を地面等に載置されたパレットから抜き取って荷卸しを行う。この場合に於けるパレットロックの解除は、上記2.に於ける説明と同じ手順で行われる。
即ち、オペレータはフォーク3を地面等に載置されたパレットから抜き取ろうとする際、まず運転台上のレバー又はスイッチを操作してロック解除の指令をアクチュエータ26に対して行い、シリンダロッド28を収縮させる。シリンダロッド28の収縮により、引っ張られていたワイヤ13aは元に戻され、その影響で、第2の可動片18及びスプリング16を介してロックバー14の基端部14aは下向きに移動する。そうすると、ロックバー14は、ねじりバネ21の復元力も加わって回転軸17を中心に図の時計回りに回転し、その先端14bは下側のパレット板P2の内面から離れて上方に移動する。このような手順を経て、パレットロックは最終的に解除される。
以上、本発明を一実施例に基づき詳細に説明したが、本発明は上記実施例に記載の構成に限定されず、種々の設計変更が可能である。
例えば、上記実施例では説明の都合上、ロック機構11のベース15とフォーク側面とを溶接により結合する構成としたが、その結合手法については溶接に限られず、ボルト留め等、適宜手法を適用することが出来る。
尚本発明は、ロック機構側の取付位置を特に限定するものではなく、上記構成は好ましい一例に過ぎない。従ってロック機構側を、フォークを介してでなくリフトブラケットに直接取り付ける構成としても、本発明のパレットロック装置を成立させることが十分可能である。この場合、ロックバー14並びにベース15をフォーク3の水平部に並設するために、リフトブラケット4から車体1前方に向けて適当な部材を追加しておくことが好ましい。
さらに、上記実施例ではロック作動装置とロック機構の間はワイヤで接続され、ワイヤの引っ張りでロック機構を動かしていたが、ロック作動装置とロック機構の間を一又は複数のベルクランクやロッド等で連結することによってロック機構を動かす構成としても構わない。
その他、ロックバー14の先端14bの形状に関し、上記実施例では下側のパレット内面との接触面積を増やすべく先端14bが側方に突出したものとしたが、これに限られず、先端14bを凹凸や縦横の溝を刻み込んだ形に加工したり、或いは先端14bにゴム等の弾性材を付与したりして、下側のパレット内面との摩擦係数を上げる様構成しても構わない。
フォークリフトの形式についても、上記実施例ではリーチ式フォークリフトを例に挙げて説明を行ったがこれに何ら限定されず、本発明に係るパレットロック装置が、カウンタバランス式フォークリフトやオーダピッキングタイプのフォークリフト等、種々のフォークリフトに適用可能であることは言うまでもない。
4 リフトブラケット
10 パレットロック装置
11 ロック機構
12 ロック作動装置
13a ワイヤ
14 ロックバー
16 スプリング
18 第2の可動片
25 アクチュエータ保持ブラケット
26 アクチュエータ
27 第1の可動片
29 バックレスト
Claims (5)
- 車体に立設されたマストと、前記マストに沿って昇降されるリフトブラケットと、前記リフトブラケットに支持されたフォークとを有するフォークリフトであって、
パレットをロックするためのロックバーと、
前記ロックバーを作動させるため、前記リフトブラケットの上部に配設されたバックレストに備え付けられたロック作動装置と、
前記ロックバーと前記ロック作動装置とを機械的に接続する動力伝達手段と、
からなるパレットロック装置を備えたことを特徴とするフォークリフト。 - 前記動力伝達手段がワイヤからなり、その一端側が前記ロック作動装置に、他端側が前記ロックバーに接続されていることを特徴とする請求項1に記載のフォークリフト。
- 前記ロック作動装置が、オペレータの指令により作動する電動式又は油圧式のシリンダ装置からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のフォークリフト。
- 前記ロック作動装置が、前記バックレストの背面側に位置する様に備え付けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のフォークリフト。
- 前記ロックバーが、前記フォークリフトに備えられた1基の前記ロック作動装置によって駆動されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のフォークリフト。
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