JP2006227346A - 画像形成装置、およびプロセスカートリッジ - Google Patents

画像形成装置、およびプロセスカートリッジ Download PDF

Info

Publication number
JP2006227346A
JP2006227346A JP2005041820A JP2005041820A JP2006227346A JP 2006227346 A JP2006227346 A JP 2006227346A JP 2005041820 A JP2005041820 A JP 2005041820A JP 2005041820 A JP2005041820 A JP 2005041820A JP 2006227346 A JP2006227346 A JP 2006227346A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image carrier
image
charging
forming apparatus
image forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005041820A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahide Yamashita
昌秀 山下
Toshiyuki Kahata
利幸 加幡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2005041820A priority Critical patent/JP2006227346A/ja
Publication of JP2006227346A publication Critical patent/JP2006227346A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Cleaning In Electrography (AREA)

Abstract

【課題】 機械的な振動に起因した画像品質の劣化を充分に抑制できる画像形成装置、およびプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】 少なくとも、像担持体1とこの像担持体1の像担持部表面に接触する部材61,65とを有した電子写真方式の画像形成装置において、像担持体1、この像担持体1の像担持部表面に接触する部材61,65の基体のうち、少なくとも一つは、導電性部材であり、この導電性部材の損失係数を、0.1乃至0.5としたり、少なくとも、像担持体1と帯電装置2とを有した電子写真方式の画像形成装置において、像担持体1の基体は、導電性部材であり、この導電性部材の損失係数を、0.05乃至0.65としたりした。
【選択図】 図1

Description

この発明は、複写機、プリンターなどの電子写真方式を用いた画像形成装置および画像形成装置に用いるプロセスカートリッジに関し、より詳細には、機械的振動に影響された画像品質劣化が極めて小さい画像を得るように、機械的振動に起因した静電潜像の揺らぎや回転体の回転速度の揺らぎを抑制したものである。
一般に、電子写真方式による画像形成では、光導電性物質等の像担持体上に静電荷による潜像を形成し、この静電潜像に対して、帯電したトナー粒子を付着させて、像担持体上に可視像を形成している。トナーにより形成された可視像は、紙等の転写媒体に転写した後に、熱や圧力、溶剤気体等によって転写媒体に定着されて、最終的に出力画像となる。
この画像形成の方式は、可視像化するためのトナー粒子を帯電させる方法によって、二成分現像方式と一成分現像方式とに大別される。すなわち、いわゆる二成分現像方式とは、トナー粒子とキャリア粒子とを攪拌・混合させたことによる摩擦帯電を用いた方式であり、いわゆる一成分現像方式とは、キャリア粒子を用いずにトナー粒子へ電荷付与した方式である。さらに、この一成分現像方式は、現像ローラにトナー粒子を保持させるために、磁気力を使用するか否かによって、磁性一成分現像方式と非磁性一成分現像方式とに区分して分類される。
これまで、画像形成装置として、複写機や、この複写機をベースとした複合機等では、高速性、画像再現性を要求され、これらの要求を満たすため、トナー粒子帯電の安定性、立上がり性、画像品質の長期的安定性等の必要性が生じることから、二成分現像方式が多く採用される一方、小型のプリンター、ファクシミリ等では、省スペース性、低コスト化等の要求が大きいことから、一成分現像方式が多く採用されてきた。
また特に、昨今、出力画像のカラー化が進み、このカラー画像の高画質化や画像品質の安定化に対する要求は、これまでにも増して厳しくなっている。
これらの電子写真方式の画像形成装置では、上記の現像方式の違いに拘わらず、一般的に以下の画像形成用の各工程を経て、画像が形成されている。すなわち、ドラム形状やベルト形状の像担時体を、回転駆動またはベルト送り駆動させつつその外部に面した表面を一様に帯電し、レーザ光等により像担時体上の表面に潜像パターンを形成し、この潜像パターンを現像装置により可視像化し、この可視像化した像を、更に転写媒体上に転写している。
これらの各工程で、該工程に関連した各部材に速度の揺らぎが発生すると、潜像の揺らぎや可視像の揺らぎとなって現れ、画像品質を著しく低下させる。このため、各部材の速度安定性、特に像担時体の速度安定性は、その精度が充分に良く保証されて、正確に制御され確保される必要がある。
そこで、フライホイールを設置することにより、駆動系の回転速度を安定化し、一定の効果を上げる構成が提案されている(たとえば、特許文献1,2参照)。すなわち、これらの構成では、像担時体の回転軸や支持軸上に、像担時体の外径よりも大径のフライホイールを設けており、像担時体の回転速度の安定性を保ったり、回転速度ムラを低減させたりできるとされている。また、同様の効果を上げる方法として、エンコーダーを利用した方法の構成も提案されており(たとえば、特許文献3参照)、この構成によれば、フライホイールを不要にでき、画像形成装置の小型化や省エネルギー化も両立できるとしている。
また、像担時体と他の部材との回転周期比を、整数倍に設定することにより、色ずれや長周期の画像ムラを抑制した方法の構成が提案されている(たとえば、特許文献4,5参照)。したがって、以上のこれらの手法によって、比較的周期の長い、すなわち周波数の低いノイズについては、ある程度の抑制が可能となってきている。
他方、より周波数の高い揺らぎは、主に像担時体やこの像担時体に接する部材が振動することによって生成され、転写媒体が進行する方向に細かな画像の濃淡を生起させ、画質を低下させる。
そこで、このような周波数が高い揺らぎを抑制するため、付加的な部材を追加して、像担持体や部材の振動を抑制させる試みが、これまでにもいくつか提案されている。
すなわち、像担持体の基体内部空間に制振ゴムを挿入し、像担持体の内面に該制振ゴムを密着させることにより、上記したような周波数が高い揺らぎとしての振動を吸収し得るように検討した構成が、提案されている(たとえば、特許文献6,7)。
しかしながら、この構成要素を付加する試みでは、設計コストや部品コストの増大を招くという不都合が生じる。すなわち、前記の試みは、部材の振動発生そのものを抑制した方法ではないので、画像形成装置の構成ごとに、付加的な部材としての制振材の再設計が必要となる。つまり、各部材の形状等を考慮した上で、その形状に見合った制振材をその都度設計する必要があり、開発コストを増加させるばかりでなく、付加部材の部品コストや組み付けコストも必要となる。
一方で、軽量で材料強度が高く、また、資源として埋蔵量が多く豊富であることから、昨今、マグネシウムやその合金が注目されている。このマグネシウムは、金属マグネシウムそのものでは、反応性が高いため、取り扱いが困難であったが、各種金属との合金にすれば、取り扱いが容易なより安全な素材となる。このマグネシウム合金が、各種用途の素材として、広く使用され始めている。
特に、このマグネシウム合金の他の特徴として、振動吸収の指標である損失係数を、比較的容易に向上できることが挙げられる。
すなわち、減衰能(エネルギー損失率)が大きなマグネシウム合金および、このマグネシウム合金をいくつかの用途に適用した構成が提案されている(たとえば、特許文献8参照)。
特許第3280515号公報(第2,3頁、図1) 特許第3372383号公報(第1,2,4,5頁、図1〜3) 特開2002−287569号公報(第2,3,6頁、図1,2) 特許第2707639号公報(第2,3頁、図2,4) 特開平6−35285号公報(第2,3頁、図2,4) 特開2001−13704号公報(第2,3頁、図2,4) 特開2003−302870号公報(第2,3頁、図2,4) 特開2003−113436号公報(第2,3頁、図2,4)
しかしながら、上記のように提案された構成において、マグネシウム合金の使用によって振動の抑制が図られることは、ある程度推測できるが、具体的に、電子写真方式の画像形成装置で生じる濃度ムラを充分に低減し得る損失係数と、構造体としての強度とを両立し得る設計上の範囲は、全く明らかとはなっていなかった。
このように、振動に起因する画像品質低下を充分に抑制すること、特に、簡易かつ確実な方法によって根本的に画質を改良することについては、いまだ充分ではなく、重要な課題として残されていた。すなわち、画像形成装置における画質向上を図るために、マグネシウム合金を特定の部材に用いた場合に、この特定部材に関する振動吸収の指標である損失係数と強度との最適な関係を、充分に実証的に追及してなかった。
そこでこの発明は、前記従来のものの問題点を解決し、機械的な振動に起因した画像品質の劣化を充分に抑制できる画像形成装置、およびプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、少なくとも、像担持体と、この像担持体の像担持部表面に接触する部材とを有した電子写真方式の画像形成装置において、前記像担持体と、前記像担持体の像担持部表面に接触する部材の基体とのうち、少なくとも一つは、導電性部材であり、この導電性部材の損失係数は、0.1乃至0.5である。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記像担持体と、前記像担持体の像担持部表面に接触する部材とのうち、少なくとも一つは、損失係数が0.1乃至0.5のマグネシウム合金を基体としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記像担持体の像担持部表面に接触する部材は、像担持体の駆動と同期して駆動される。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記像担持体の像担持部表面に接触する部材は、像担持体に対して摺動する。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記像担持体は、マグネシウム合金を素管とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記像担持体の像担持部表面に接触する部材は、クリーニング部材である。
請求項7に記載の発明は、請求項6において、前記クリーニング部材は、クリーニングブレードである。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかにおいて、前記像担持体の像担持部表面に接触する部材は、帯電部材である。
請求項9に記載の発明は、少なくとも、像担持体と、この像担持体の像担持表面に接触する帯電部材、クリーニング部材のうちの1つ以上とを有した電子写真方式のプロセスカートリッジにおいて、前記像担持体と、前記帯電部材またはクリーニング部材のうち、少なくとも一つは、損失係数が0.1乃至0.5のマグネシウム合金を基体としている。
請求項10に記載の発明は、少なくとも、像担持体と、帯電装置とを有した電子写真方式の画像形成装置において、前記像担持体の基体は、導電性部材であり、この導電性部材の損失係数は、0.05乃至0.65である。
請求項11に記載の発明は、請求項10において、前記導電性部材の損失係数は、0.1乃至0.5であり、かつ前記帯電装置は、帯電電圧として直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加する帯電電圧印加手段を有する。
請求項12に記載の発明は、請求項11において、前記像担持体は、マグネシウム合金を基体とし、前記帯電装置の帯電部材は、像担時体の像担持部表面に対して微小ギャップを形成して配設されている。
請求項13に記載の発明は、請求項12において、前記マグネシウム合金の損失係数は、0.1乃至0.5であり、かつ前記帯電装置は、帯電電圧として直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加する帯電電圧印加手段を有する。
請求項14に記載の発明は、請求項13において、前記帯電電圧の交流成分は、800Hz乃至3000Hzの周波数を有する。
請求項15に記載の発明は、請求項10ないし14のいずれかにおいて、前記像担持体をクリーニングするクリーニング装置を備え、このクリーニング装置は、該像担持体に接触して摺動するクリーニング部材を有する。
請求項16に記載の発明は、請求項15において、前記クリーニング部材は、クリーニングブレードである。
請求項17に記載の発明は、少なくとも、像担持体と、帯電部材と有した電子写真方式のプロセスカートリッジにおいて、前記像担持体は、マグネシウム合金を基体とし、前記帯電部材は、像担時体の像担持部表面に対して微小ギャップを形成して配設されている。
請求項18に記載の発明は、請求項17において、前記マグネシウム合金の損失係数は、0.1乃至0.5である。
この発明は、前記のような構成であるから、機械的振動の影響による画像品質の劣化を充分に抑制できる。
まず、この発明が解決する問題点は、上述したとおりであるが、さらに補足すると以下の2つの課題がある。
すなわち、画像形成装置において、付加的な部材としての制振材を追加した構成では、その使用後の材料リサイクルに目を向けると、このような異種材料としての制振材等の付加は、この付加した制振材等を取り外す余計な分別工数が必要となるので、マテリアル・リサイクルの妨げとなる。
また、制振材は、ある程度の重量を確保する必要があるので、像担持体および関連部材を駆動する際には、大きな駆動力を要することになる。このため、駆動時の消費電力が大きくなり、省エネルギーの観点からも必ずしも好ましくない。
したがって、上述した従来のものの問題点、および上記の2つの課題に対して、第1の発明の目的は、充分な制振性を発揮し、像担持体の回転速度を安定させ、極めて良好な品質の画像を得ることができる画像形成装置を提供することを第1の目的とし、さらには、駆動トルクが小さく消費エネルギー面でも優れた画像形成装置を提供することを第2の目的とする。また、この第1の発明は、像担持体の回転速度を安定させ、極めて良好な品質の画像を得ることができるプロセスカートリッジを提供することを目的とし、さらには、駆動トルクが小さく消費エネルギー面でも優れたプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
また、第2の発明の目的は、駆動トルクが小さく消費エネルギー面で優れた画像形成装置を提供することを第1の目的とし、さらには、高周波数の振動に対して充分な制振性を発揮し、像担持体の回転速度を安定させ、極めて良好な品質の画像を得ることができる画像形成装置を提供することを第2の目的とする。また、この第2の発明は、駆動トルクが小さく消費エネルギー面でも優れたプロセスカートリッジを提供することを目的とし、さらには、像担持体の回転速度を安定させ、極めて良好な品質の画像を得ることができるプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
まず、この第1の発明および第2の発明の共通な前提として、複数の像担持体がタンデム型に配置された電子写真方式の画像形成装置の構成を説明する。
すなわち、図1は、この第1の発明および第2の発明の前提構成としての画像形成装置100の一例を示す同装置を正面から見た概略断面図である。
この画像形成装置100は、図1に示すように、基本的に、ドラム状の像担持体1の周囲に、帯電装置2、潜像形成装置3、現像装置4、転写装置5、およびクリーニング装置6を所定に配置した構成とされている。
すなわち、画像形成装置100は、装置本体内の略中央に配置され、その上側ベルト走行面を所定長さの略直線状に形成して所定に走行駆動されるベルト状の中間転写媒体50と、このベルト走行面に互いに所定間隔をおいて該走行面に接するように並列配置され、かつベルト進行速度に同期して所定に回転駆動される複数の像担持体1と、これらの像担持体1よりも上方に配置され、各像担持体1それぞれにレーザー光を照射した走査をして所定に潜像を形成する露光装置である潜像形成装置3と、潜像をトナー像にして可視像化する現像装置4と、中間転写媒体50上に転写されたトナー像を、用紙などの転写媒体上に2次転写する転写装置5と、像担持体1をクリーニングするクリーニング装置6とを有し、装置本体の下部には、各種サイズや縦横いずれかの向きに向けられた用紙などの転写媒体を複数積層して収納した給紙機構200が配置されており、この給紙機構200から、前記の転写装置5による2次転写位置、所定に加熱および加圧して定着する定着装置7を、順次、経由して、最終的に装置本体の側面から外部に突出された排紙トレイ8の上方に位置した排出口に至る搬送経路が、装置本体内に形成され、この搬送経路上に所定に配置された各種ローラやコロなどからなる用紙搬送手段が設けられ、この用紙搬送手段によって、給紙機構200から、所定に選択した転写媒体を1枚づつ搬送経路上に送給し、順次、前記の各装置を経由して、所定にカラーを含めた多色または単色の画像が形成された転写媒体を、排紙トレイ8上に排出するようにしている。
中間転写媒体50は、各ローラにその内周面が所定に支持されて張架され、その上側ベルト走行面を所定長さの略直線状に形成するとともに、これらのローラのうちの、いずれか1つ以上が駆動ローラとされ、該駆動ローラの所定速度の回転によって、同図中の右回り方向の進行方向に一定速度でベルト送り駆動されている。すなわち、該駆動ローラは装置本体側に設けられた駆動源としての駆動モータによって所定に回転駆動されるように構成されている。
この中間転写媒体50の前記の上側ベルト走行面におけるベルト進行方向の上流側から下流側に渡って、所定間隔をおいて像担持体1が複数設置され、これらの像担持体1は、それぞれが各色のうちの1色を担当して前記の潜像を可視化したその色のトナー像を形成して、中間転写媒体50の所定箇所に重なるように転写するように構成されている。すなわち、この画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、それぞれ「Y」、「M」、「C」、「K」と記す)色の可視像としてのトナー像を生成する4つの像担持体1Y,1M,1C,1Kを有している。なお、これらの各像担持体1Y〜1Kおよび該像担持体1Y〜1Kに関連した各部材は、同一に構成され、その担当した色で生成するトナー像が互いに異なるだけとされている。
像担持体1は、略円筒ドラム状に形成され、その外周表面が、所定に潜像およびこの潜像を可視像化したトナー像を担持可能な像担持部表面とされている。すなわち、像担持体1は、有機光導電層を有する感光体(OPC:organic photo conductor;有機光導電体)に代表されるように、その表面に、露光による潜像を生成可能に構成されている。
帯電装置2は、帯電部材としての帯電ローラを有し、この帯電ローラによって、像担持体1表面を所定に帯電させるようにしている。すなわち、この帯電装置2は、像担持体1に従動するように回転される帯電ローラを有し、この帯電ローラ6は、そのローラ表面が、像担持体1の表面に接して設けられるか、該表面に非接触に設けられるか、のいずれかとされ、少なくとも、該ローラ表面に、図示しない帯電電圧印加手段から所定に制御された帯電電圧が印加され、これによって像担持体1の表面を一様帯電するようにしている。
現像装置4は、現像剤担持体としての現像スリーブを有し、現像スリーブ上には、トナー粒子、またはトナー粒子及びキャリア粒子の混合物からなる現像剤が供給され、現像スリーブ表面から突出したトナーブラシをその外周の所定領域に渡って形成するように構成されている。
クリーニング装置6は、1次中間転写工程を経た後の像担持体1の表面から、該表面上に残留したトナーを除去してクリーニングするようにしており、このトナー除去手段として固定設置されて像担持体に対して摺動するクリーニングブレードを有した構成か、像担持体の回転駆動と同期して回転駆動されるクリーニングローラを有した構成かのいずれかの構成、または両方の構成を設けている。
このように構成された画像形成装置100は、以下の一連の動作で所定に画像を形成する。すなわち、画像形成のための一連のプロセスについて、ネガ−ポジ・プロセスを用いた例で説明する。
まず、像担持体1は、図示しない除電ランプ等で除電され、次に、帯電部材を有する帯電装置2によって、均一にマイナスに帯電される。この帯電装置による像担持体の帯電が行なわれる際には、図示しない電圧印加機構から帯電部材に、像担持体1を所望の電位に帯電させるに適した、適当な高さの帯電電圧が印加される。
そして、帯電された像担持体1は、レーザー光学系等の潜像形成装置3によってレーザー光が照射され、このレーザー光で像担持体1の表面上に潜像が形成される。なお、像担持体1表面におけるレーザー光が照射された露光部電位の絶対値は、非露光部電位の絶対値より低電位となる。このレーザー光は、像担持体1の表面を、像担持体1の回転軸方向に走査するように、その照射方向を所定に変更する。すなわち、レーザ光源として半導体レーザから発せられた一定方向のレーザー光は、高速で回転する多角柱の多面鏡(ポリゴン)等により反射されて、前記の走査方向にその向きが所定に変更される。
このようにして形成された潜像は、現像装置4の現像剤により現像され、トナー可視像が形成される。すなわち、潜像の現像時には、図示しない電圧印加機構から現像スリーブに、像担持体1の露光部と非露光部の間にある、適当な大きさの電圧またはこれに交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される。このため、現像スリーブ上に形成されたトナーブラシから、電磁気的な作用によって、トナー粒子が潜像上に移動する。
このようにして、それぞれが各色のうちの1色を担当して像担持体1は、その像担持体1の表面上に形成したトナー像が、転写装置5によって中間転写媒体50上に重ねて転写され、給紙機構200から給送された、用紙などの転写媒体上に、重ねたトナー像が転写される。すなわち、中間転写媒体50は、ベルト送り駆動され、その中間転写媒体50の所定箇所に1つの転写像が得られる。つまりこのベルト送り走行に伴い、他の像担持体1を通過する過程で、順次、該箇所にトナー像が重ねて転写される。さらに、ベルト送り走行の進展に伴い、中間転写媒体50上のトナー像は、これらの像担持体1から分離するように、下方の2次転写位置に向かい、2次転写位置で用紙などの転写媒体上に、転写される。
すなわち、2次転写バックアップローラと2次転写ローラとからなる2次転写ローラ対が配設され、これらの両ローラ間に中間転写ベルト8を挟み込んで、2次転写位置としての2次転写ニップを形成しており、かつこの2次転写ニップは、前記の搬送経路の途上に位置するように構成されている。なお、2次転写位置よりも手前の搬送経路上には、所定に回転駆動制御されたレジストローラ対が設けられ、このレジストローラ対によって、ベルト送り駆動されて移動する中間転写媒体50上のトナー像に、搬送経路上に搬送する用紙が重なるように、所定のタイミングを確保するようにしている。すなわち、レジストローラ対は、その両ローラを所定に回転駆動されて、用紙を一旦挟み込み、用紙を該用紙に、中間転写媒体50上のトナー像を転写させる適切なタイミングで、2次転写位置に向けて送り出すように駆動制御されている。
そして、用紙などの転写媒体は、定着装置7に搬送され、この定着装置7によって、所定に加熱および加圧されて、その転写媒体上にトナー像が定着される。すなわち、この定着装置7は、対向配置された加熱ローラおよび加圧ローラを有し、加熱ローラにそのローラ表面を所定温度に加熱する電熱ヒータを設け、該加熱ローラ側に加圧ローラを押圧付勢した構成とされ、これらの両ローラが接した箇所を、所定温度かつ所定圧を確保した定着ニップ部として形成している。したがって、定着装置7が形成した定着ニップ部を用紙が通過する過程で、該用紙はその両面から、所定温度に加熱および所定圧に加圧されて、その表面に転写されたトナー像が、該用紙上に定着される。そして、このようにしてトナー像が定着された転写媒体は、さらに搬送され、装置本体の側面から外部に突出された排紙トレイ8上に、積み重なるように排出される。
また、前記の転写後に、像担持体1上に残存するトナー粒子は、クリーニング装置6によって回収される。すなわち、クリーニング装置6は、前記の転写した後の箇所に相当する像担持体1表面に接するクリーニング部材61を有し、このクリーニング部材61によって、像担持体1上から残存するトナー粒子が掻き落とされ、クリーニング装置6内の図示しないトナー回収室へ、その一部が回収される。
なお、画像形成装置としては、上記の現像装置が複数配置されたものを用いていれば、上記の直接転写方式か、間接転写方式かのいずれでもよい。すなわち、複数の現像装置によって順次作製された互いに色が異なる複数のトナー像を順次、一旦中間転写媒体上に、重ねて転写し、これを一括して紙のような転写媒体に転写しその後に、この転写媒体を定着機構である定着装置7へ送り、熱等によってトナーを定着する直接転写方式の画像形成装置であっても、あるいは同様に作製された複数のトナー像を、転写材上へ直接、転写した後に、同様に定着する間接転写方式の画像形成装置であってもよい。
次に、プロセスカートリッジの構成を、説明する。
図2に示すように、プロセスカートリッジ10は、像担持体1、帯電装置2、現像装置4、およびクリーニング装置6を有し、装着された状態では、中間転写媒体50、1次転写装置51が所定に相対している。
このプロセスカートリッジ10は、所定形状のケーシング内に、少なくとも、所定に回転駆動される像担持体としてドラム状の像担持体1を収容して有し、この像担持体1の周りに、その図中反時計回りの回転方向の上流側から下流側に向けて、順次、図示しない除電装置、帯電装置2、剤供給対象である現像装置4、クリーニング装置6などのいずれか1つ以上を設けた構成とされている。
すなわち、像担持体1は、所定径の略円筒ドラム形状に形成され、その外周表面が、所定に潜像およびこの潜像を可視像化したトナー像を担持可能な像担持部表面とされており、またその下側の回転面をカートリッジ外部に露出させて、ケーシング内に軸支され、装置本体3にカートリッジを所定に装着した状態で、ベルト状の中間転写媒体50の上側ベルト表面に接するように配置されているとともに、同装着した状態で、装置本体3側から供給される回転駆動力が伝達されて、所定に回転駆動されるようになっている。
帯電装置2は、所定電圧が印加されて像担持体1に従動するように回転される帯電部材としての帯電ローラ6を有し、この帯電ローラ6によって、像担持体1表面を所定に帯電させるようにしている。すなわち、この帯電装置2は、帯電手段としての帯電ローラ6を有し、この帯電ローラ6は、そのローラ表面が、像担持体1の表面に接して設けられるか、該表面に非接触に設けられるか、のいずれかとされ、少なくとも、該ローラ表面に、図示しない帯電電圧印加手段から所定に制御された帯電電圧が印加され、これによって像担持体1の表面を一様帯電するようにしている。
帯電ローラ6を接して設けた前者の帯電装置2の構成では、帯電ローラ2aは像担持体1の回転に従動して回転され、または従動するように逆方向に回転駆動されており、像担持体1表面への均一な電荷を可能にしている。
他方、帯電ローラ6を非接触に設けた後者の帯電装置2の構成では、帯電ローラ6のローラ表面が、前記の反時計回りに回転される像担持体1の表面に対して、非接触だが電磁気的な作用を充分に及ぼせる程度の所定の微小間隔(ギャップ)を設けて相対するように設置されている。また、この帯電ローラ2aは像担持体1とは逆方向に回転駆動されており、像担持体1表面への均一な電荷を可能にしている。
さらに、帯電ローラ2aの上側には、帯電ローラ2aと常接した状態で、帯電部材のクリーニング部材としての帯電クリーニングローラ2bが設けられており、帯電ローラ2aのクリーニングを行なっている。なお、帯電装置2によって、一様帯電された像担持体1の表面は、レーザ光Lによって露光走査されて該装着箇所で規定されたY,M,C,Kのうちのいずれかの色用の静電潜像が生成される。
現像装置4は、像担持体1表面に所定の微小間隔を設けて、像担持体1に従動するように回転するローラ状の現像スリーブ4aを有し、この現像スリーブ4aにトナーブラシを形成するように構成され、形成したブラシ状のトナーが像担持体1表面の潜像に移動できるようにしている。すなわち、現像スリーブ4aの内側に磁石などの強磁性体を配置した構成により、または、図示しない電圧印加機構から現像スリーブに、像担持体1の露光部と非露光部の間にある、適当な大きさの電圧またはこれに交流電圧を重畳した現像バイアスが印加した構成により、現像スリーブ4aの表面から放射状に磁気ブラシが形成され、この磁気ブラシに沿ってトナーが配列されることによって、静電潜像へトナー粒子のみが静電的に吸着するようにしている。したがって、像担持体1表面上に生成された静電潜像は、トナーを用いる現像装置4によってトナー像に可視像化され、このトナー像が中間転写ベルト8上に中間転写される。
なお、現像装置4へは、装置本体側からカートリッジ装着箇所に応じた色のトナーが供給され補給される。すなわち、装置本体には、新品トナーが充填された図示しない各色のトナーボトルが設置されており、カートリッジを装着すると、装置本体側の供給口に、カートリッジ側の受領口が接続され、該装着箇所の色のトナーを充填したトナーボトルから、装着されたカートリッジまでの供給経路が確保され、該経路上に設けた搬送手段によって、トナーボトルからカートリッジにトナーが所定に搬送可能となる。そして、現像装置4へと、所定に搬送されるトナーは、該現像装置4内で互いに平行軸に配置された2本のスクリューである搬送スクリュー(右)4a、搬送スクリュー(左)4bのそれぞれの回転運動によって、以前の現像剤と攪拌されながら搬送され、トナーとキャリアとからなる所定トナー濃度の現像剤となって、現像スリーブ4aへと到達する。
そして、現像手段本体としての現像スリーブ4a上の剤は、現像ドクターブレードなどにより、付着量が規制されて像担持体1外周表面に供給され、この表面の潜像つまり潜像形成装置3からのレーザ光Lによる露光によって書き込まれた不可視の潜像を、視認可能なトナー像に可像化する。なお、現像手段のトナー補給を受け取る箇所の底部付近には、図示しないTセンサー(トナー濃度センサー)が設置され、剤中トナー濃度を検知して、適宜、トナーボトルからトナーを補給するトナー濃度制御を行なっている。
クリーニング装置6は、1次中間転写工程を経た後の像担持体1の表面から、該表面上に残留したトナーを除去してクリーニングするようにしており、このトナー除去手段としてクリーニングブレード61を有した構成か、クリーニングローラ65有した構成かのいずれかの構成、または両方の構成を設けている。
クリーニング装置6としての前者の構成は、クリーニングブレード61を主体に構成され、このクリーニングブレード61は、その先端のブレードエッジが像担持体1の外周面における所定箇所に、所定圧かつ所定の当接角度を確保して、かつ該箇所として像担持体1の軸長手方向に均一に接した構成とされ、前記の表面に残留して像担持体1の回転に伴い運ばれてくるトナーを、該表面からクリーニングブレード61が掻き落として除去するようにしている。
より詳述すれば、前者の構成は、像担持体1側の先端部が、前記転写後の像担持体1の外周面に接して、像担持体1の表面に残存する現像剤であるトナーを堰き止めて掻き落として除去するクリーニングブレード61の本体としての板状ゴム部材であるブレード材を有し、このブレード材はその基端が金属板である支持基板に一体接合した構成のチップ化されたブレードチップとされており、このブレードチップはその基端が、ホルダーに挟持されて所定に保持され、このホルダーは、ブレードチップの基端としての支持基板を支持する支持板と、支持基板を支持板側に押さえ付ける押さえ板とを有している。また、ホルダーの支持板の基端は、支持機構に接続され、この支持機構によって、ブレード材としてのブレードチップの像担持体1側の先端部が、転写後の像担持体1の外周面に、この先端部と像担持体1の外周面とにより形成する角度が所定の当接角度で、かつ所定の当接圧力を有して接するように、ホルダーの支持板を保持しかつ所定方向に押圧付勢している。
クリーニング装置6としての後者の構成は、像担持体1の回転と同期して回転されるクリーニングローラ65を主体に構成され、クリーニングローラ65は、弾性ローラであり、所定圧を確保して前記の表面に接した構成とされ、ドラム回転に伴い運ばれてくるトナーを、該表面からクリーニングローラ65のローラ表面に付着させて除去し、該ローラ表面に付着したトナーを、さらにブレード状のハードブレード部材66によって、該ローラ表面から掻き落とすように構成されている。すなわち、このハードブレード部材66はその先端が、クリーニングローラ65のローラ面における像担持体1に接した箇所とは反対側の箇所に接するように、固定設置されている。なお、クリーニングローラ65は、そのローラ軸に駆動力が伝達されて回転駆動される構成であっても、像担持体1の回転に従動して回転駆動される構成であっても、いずれでもよい。また、後者の従動ローラを用いた構成では、ローラ面を接触または非接触に設け、さらに該ローラ表面に所定電位のクリーニング電界を形成するように電圧を印加して静電クリーニングする構成としてもよい。
なお、同図中の62は、像担持体1表面に潤滑剤を塗布するブラシ状の潤滑剤塗布ローラであり、64は、潤滑剤塗布ローラ62に潤滑剤を供給するために、該塗布ローラ62側に図示しない押圧手段によって押圧付勢された固形状の潤滑剤である。
また、上記の除電装置は、クリーニング後の像担持体1の残留電荷を除電するように構成されている。この除電装置による除電によって像担持体1の表面が初期化され、次の画像形成に供せられるようにしている。
このように構成された、プロセスカートリッジ10は、上記した装置本体内の各色を担当した装着箇所のいずれかに、着脱容易に構成され、新旧交換可能に構成されている。すなわち、プロセスカートリッジ10は、装着された場合に、少なくとも、装置本体側からの駆動力を受領可能にその図示しない駆動伝達軸がカップリング部材を介して軸結合されるとともに、装置本体側から電力を受領可能にかつ、双方向に信号伝達可能にその図示しないコネクタなどの接続端子を介して電気的に接続される。
このプロセスカートリッジ10の場合も、上記の画像形成装置と同様に、帯電装置による像担持体の帯電が行なわれる際には、図示しない帯電電圧印加手段としての電圧印加機構から帯電部材に、像担持体1を所望の電位に帯電させるに適した、適当な大きさの帯電電圧が印加される。
帯電された像担持体1は、レーザー光学系等の潜像形成装置によって照射されるレーザー光Lで潜像形成が行なわれる。なお、この露光部電位の絶対値は、非露光部電位の絶対値より低電位となる。
レーザー光は、半導体レーザーから発せられ、高速で回転する多角柱の多面鏡(ポリゴン)等に反射して所定の走査方向に向きを変更されて、像担持体1の表面を、像担持体1の回転軸長手方向に走査する。
このようにして形成された潜像が、現像装置4にある現像剤担持体である現像スリーブ4a上に供給されたトナー粒子、またはトナー粒子及びキャリア粒子の混合物からなる現像剤により現像され、トナー可視像が形成される。
潜像の現像時には、図示しない電圧印加機構から現像スリーブ4aに、像担持体1の露光部と非露光部の間にある、適当な大きさの現像バイアスが印加される。
像担持体1上に形成されたトナー像は、1次転写装置51によって中間転写媒体50上に転写される。すなわち、この1次転写装置51は、中間転写媒体50を介して、像担持体1の概略下側表面に接するように配置された転写ローラを主体に構成されている。
この転写の際には、1次転写装置51に、転写バイアスとして、トナー帯電の極性と逆極性の電位が印加されることが好ましい。その後、中間転写媒体50は、像担持体1から分離するように移動して、中間転写媒体50上に転写像が得られる。
また、像担持体1上に残存するトナー粒子は、クリーニング部材61によって、掻き落とされ、底部に配置された搬送スクリュー67によって搬送され、クリーニング装置6から図示しないトナー回収室へ、その一部が回収される。
次に、上記の構成の画像形成装置およびプロセスカートリッジを前提にした、第1の発明を説明する。すなわち、発明者らは、上述した従来技術の問題点を解決するために検討を続けてきた結果、少なくとも像担持体及び該像担持体の像担持部表面に接触する部材を構成要素として有した、電子写真方式の画像形成装置において、該像担持体および該像担持体の像担持部表面に接触する部材の内、少なくとも一つは、その損失係数が0.1乃至0.5のマグネシウム合金を基体としていることを特徴とする画像形成装置を用いることで、周波数の高い細かな画像濃度のバラツキが充分に抑制された画像が安定して得られることを見いだし、この第1の発明を完成するに至った。
この第1の発明による作用については、およそ以下のように推察される。
すなわち、上述したように、周波数が高い細かな画像濃度のバラツキは、主に像担時体やこれに接する部材の振動によって引き起こされる。これに対して、この第1の発明の画像形成装置を用いることにより、これらの部材が線速差を持て擦れることにより発生した振動は、すぐさまマグネシウム合金製の基体部分によりすぐさま吸収され、また、周辺部材からの周波数の高い振動をも吸収する。この結果、この第1の発明の画像形成装置によれば、振動に伴い発生する画像濃度のバラツキが充分に抑制された画像を安定して得ることができる。
マグネシウム合金としては、損失係数が0.1乃至0.5のものであれば特に制限なく使用できる。
具体的な例としては、添加物としてNi−Ca、Cu−Ca、Mn−Ca、Ni−Ca−Be、Cu−Ca−Be等を含有するマグネシウム合金を使用することができるが、これらに限定されるものではない。損失係数がこの第1の発明の範囲に属するように、添加物量は、適宜調整すればよい。Mn−Ca系であれば、Mn=0.05乃至0.6重量%、Ca=0.2乃至3.0重量%、残りをMg(マグネシウム)の重量%とすることにより、好適な損失係数を得やすいが、これに限られるものではない。
この第1の発明が規定した特定部材を製作するための、加工方法も、適宜のものを選択して用いてよい。
すなわち、たとえば像担時体に用いる基体の場合、これらの合金を、肉厚0.5乃至5.0mm程度で、所望の外径及び軸長を持つ円筒に押し出し加工等により成形し、この円筒形状の成形品を必要により表面研磨を行って、素管として用いることができる。
また、接触タイプの帯電部材基体のような棒状の基体とするには、たとえば、棒状のマグネシウム合金を押し出し加工等により形成し、所望の形状に切削加工、プレス加工等を行えばよい。
また、クリーニングブレード基体のような板状の基体とするには、たとえば、板状のマグネシウム合金を圧延加工等により形成し、所望の形状に熱圧プレス等により、打ち抜き加工や曲げ加工を施せばよい。
なお、加工方法としては、これらに制限されるものではなく、ダイキャスト法等の通常の金属加工方法や、特にマグネシウム合金に適した加工温度を制御した上での、金属加工方法を選択して用いることができる。
また、損失係数が0.1を下回る場合には、振動の吸収が不充分となってしまい、画像品質に影響を及ぼすことがある。逆に、損失係数が0.5を超えるようなマグネシウム合金では、充分な引張り強さが得られないことがあり、強度の面で好ましくない。
また前述のように高周波の振動は、主に像担時体やこれに接する部材の振動によって引き起こされるが、特にその駆動時に接触部が線速差を持っている場合に発生しやすい。
このため、該像担持体の像担持部表面に接触する部材の少なくとも一つが、像担持体の駆動と同期して駆動する構造や、像担持体に対して摺動する構造である場合、これらにより発生する振動は、この第1の発明によって充分に抑制できるので、安定した高品質な画像を得ることが可能となる。
逆に、像担時体の像担持部表面と接触する全ての部材が、従動する場合には、周波数の高い振動は発生し難いため、この第1の発明の振動吸収に関わる効果は制限されることがある。
また、マグネシウム合金を像担持体に使用する場合、基体上に形成する層としては、一般的な電子写真用像担持体に用いることができるものを、特に制限なく使用することができる。
すなわち、基体上に形成する層として、感光層について説明する。
まず、電荷発生層と電荷輸送層が分離した積層感光体について説明する。
電荷発生層は、種々の電荷発生材料が使用可能である。その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、種々のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。
電荷発生層は、電荷発生材を必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
必要に応じて電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。中でも、ポリビニルブチラールに代表されるポリビニルアセタールは良好に使用される。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
ここで用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
電荷輸送層は、電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、又は2種以上混合して用いられる。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は5〜100μm程度とすることが好ましく、特に5〜15μmとすることで高解像度の画像形成が可能となる。ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。
また、電荷輸送層中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は結着樹脂に対して、0〜1重量%が適当である。
他方、この第1の発明に用いられる像担時体においては、マグネシウム合金よりなる基体と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は、一般的に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は、前述の感光層と同様に適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。更にこの第1の発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、この第1の発明の下引き層には、Alを陽極酸化によって設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作成法によって設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
次に、クリーニング部材について説明する。
クリーニング部材としては、この第1の発明のマグネシウム合金基体に、たとえば、ゴム弾性を持つ材料を、接着、圧着、被覆、嵌合や一体成形等による固定または半固定の状態にして使用することができる。
このようにして形成されたクリーニング部材を、弾性材料部分を像担時体表面に適度な力で押圧し、像担時体表面に残存した付着物を除去することができる。
ゴム弾性を持つ材料としては、たとえば、ウレタンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エステルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ヒドリンゴム、クロロプレンゴム等の公知の材料やこれらの変性体から単独、または、複数種を選択してブレンドして使用することができる。
また、これらの弾性体には、強度や弾性を調整する目的で、充填材や架橋剤を用いてもよい。
また、これらのクリーニング部材は、加工精度の良さから、板状の形状をしたものがより好ましく使用されているが、棒状、柱状の形状をしていても差し支えなく、さらに、ブレード材のように固定したクリーニング部材を所定圧を確保して当接させた固定設置方式ではなく、クリーニングローラ方式のように、クリーニング部材自体がそのクリーニング面をクリーニング対象と相対移動させるように構成してもよい。すなわち、たとえば、円柱または円筒状のマグネシウム合金基材表面をゴム弾性材料によって被覆したクリーニングローラを像担時体押圧しつつ、所定の線速差を確保して順方向または逆方向に同期駆動し、像担時体表面の残存付着物をクリーニングすることもできる。
次に、帯電部材について説明する。
帯電部材としては、この第1の発明のマグネシウム合金基体上に、一般に使用される帯電部材用の構成材料による被覆層を、形成して使用することができる。
これら帯電部材被覆層は単層の被覆層であっても、複数の被覆層の積層によるものであってもよい。
帯電部材被覆層に使用できる樹脂および/またはゴムの材料は、一般的に公知の材料から1種乃至2種以上を選択して使用することができる。具体的には、樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂(たとえばポリエチレン、ポリプロピレン);ポリビニル及びポリビニリデン系樹脂(たとえばポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル及びポリビニルケトン);塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂又はその変性品;フッ素樹脂(たとえばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン);ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;フェノール樹脂;アミノ樹脂(たとえば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂);エポキシ樹脂などが挙げられる。
また、ゴムとしては、ジエン系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ヒドリンゴム、ノルボルネンゴム等が挙げられる。これらのゴムは、ソリッドゴムとして使用しても良く、また、発泡ゴムとして使用してもよい。ゴムとして、発泡ゴムを使用する場合には、表面の孔に起因する帯電ムラを防ぐため、外側にこの第1の発明の規定に基づく表面被覆層を設けることが好ましい。
被覆層を発泡体とする場合は発泡剤を配合することができる。発泡剤としては、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾジカルボンアミド、パラトルエンスルフォニルヒドラジン、アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジド等の有機発泡剤、または重炭酸ソーダ等の無機発泡剤が挙げられる。
また、この他に軟化剤として、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族系オイルなどを配合しても構わない。これらは特に限定されるものではないが、感光体への汚染の見地から見て、パラフィン系オイル、またはナフテン系オイルの使用が好ましい。
また更に、被覆層には、必要に応じてゴム等の配合剤として一般に用いられている架橋助剤、架橋促進剤、架橋促進助剤、架橋遅延剤、補強剤、充填剤、粘着付与剤、分散剤、離型剤、増量剤等を添加することができる。
電気伝導性物質は、帯電部材の電気的な安定性を担うものであるので、内部の被覆層にも含有させることにより、体積抵抗の一層の安定化が図られ、より好ましい形態となる。この場合の電気伝導性物質は、最表面被覆層と内部被覆層で、含有量を変えて使用しても良く、また種類が異なってもよい。
電気伝導性物質としては、鉄、金、銅等の金属;フェライト、マグネタイト等の酸化鉄;酸化ビスマス、酸化モリブデン、酸化チタン、酸化スズ等の酸化物;ヨウ化銀、βアルミナ等のイオン導電体、これらを粒子表面に被覆して導電化した粒子などの電気伝導性粒子や、LiClO、LiBF、KBF、KSCN、NaSCN、LiCFSO等のイオン性電解質や、第四級アンモニウム塩に代表される導電性高分子等が挙げられる。
この中でも特にカーボンブラックの一つであるファーネスブラックやアセチレンブラックを用いることにより、少量の低抵抗微粉末の添加で効果的に電気伝導性の調整が可能であり、好ましく用いられる。
電気伝導性物質として、粒子を用いる場合には、抵抗のバラツキを抑制するために、粒子径を被覆層の厚みより充分小さくする必要があるが、およそ個数平均径で0.01〜1μm程度のものが好ましい。
これらの電気伝導性物質は、強度の維持や製造し易さの観点から、その量を適宜調整することができるが、被覆層樹脂またはゴムの100重量部に対して2〜30重量部程度の量を添加することが好ましく用いられ、30重量部を越えるような場合には被覆層に亀裂や永久歪等を引き起こすことが有り、2重量%を下回る場合には充分な電気伝導性物質の選択によっては効果が発現しないことや、その発現にバラツキが生じることが有る。
またこの時、帯電部材の体積抵抗は、1×10Ω・cm乃至1×1012Ω・cm程度であることが好ましい。1×10Ω・cmを下回る場合には、少量のトナー付着で帯電部材抵抗が局所的に大きく変化してしまうことがある。この様な局所的な電気抵抗のバラツキは、帯電部材中の、より低い抵抗を持つ部位への電荷集中を引き起こし、像担持体帯電電位のムラとなって現れる。
一方、帯電部材の体積抵抗が、1×1012Ω・cmを上回る場合には、像担持体を帯電させるために帯電部材へ必要以上の大きな電圧印加が必要となるため、効率的でないばかりでなく、帯電部材基体と被覆層の界面部分での発熱や局所的な構造破壊を引き起こすことがあるため、長期間の使用に対して不利となる。
また、該帯電部材のアスカーC硬度計による測定硬度は、20〜90度であることが好ましく、25〜70度であることが更に好ましい。
該帯電部材の硬度が90度を上回る場合には、帯電部材表面が剛直となるため、トナーが残存した像担持体と接触した際に、トナーを摺擦して大きな負荷を掛かけ、塑性変形させて引き延ばしてしまうことがある。このように変形したトナーは、少量で帯電部材の広い領域を汚染してしまったり、像担持体表面を汚染してしまったりすることがあり、帯電装置や画像形成装置の長寿命化を阻害するため好ましくない。
また、該帯電部材の硬度が20度を下回る場合には、帯電部材表面が柔らかくなり過ぎ、トナーに含まれる流動性付与剤等の微粒子成分が、帯電部剤表面に付着し押しこまれたり、突き刺さったりする恐れがある。この様な微粒子成分は、像担持体表面を傷つけたり、帯電部材上の微小な凸部になって放電電圧を変動させる要因となるため、画像品質の安定化のためには好ましくない。
次に、この第1の発明を、具体的な各実施例により更に詳細に説明するが、この第1の発明は以下の各実施例に限定されるものではない。また、以下の各実施例で「部」は全て重量部を示す。
Figure 2006227346
まず、この第1の発明における各実施例の前提として、上記の表1に示す各マグネシウム合金を処方し、損失係数測定用の試験片を作成して、各試験片の損失係数を測定した。測定は、JIS G0602−1993 制振鋼板の振動減衰特性試験方法の手順に準拠して行い、減衰法による自然減衰波形データから、下記の式(1)に基づき、損失係数ηを算出した。
Figure 2006227346
ここで、tanθは、自然減衰波形におけるn番目の波の振幅Xnと、これより位相が2πずれた(n+1)番目の波の振幅Xn+1との比(Xn+1/Xn)を示し、lnは自然対数を示す。
また、試験片は、幅20mm、長さ250mm、厚み1mmとした。
試験は、23℃、65%RHの環境下で行った。
各試験片における損失係数測定結果をそれぞれ、表1の最右欄に示す。
引き続き、これらの各処方のマグネシウム合金を用いて、像担持体、クリーニングブレード、帯電ローラの各基体を作成し、以下の各実施例での評価をおこなった。
〔実施例1〕
この第1の発明を、像担時体に適用した例を説明する。すなわち、像担時体の基体としてマグネシウム合金を用いた、この第1の発明の効果を確認した。
合金処方(1)の処方によって直径30mm、長さ340mm、肉厚0.6mmに押し出し成型後表面切削処理をしたマグネシウム合金ドラム上に下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液及び電荷輸送層塗工液を、以下のそれぞれの条件を設定して、順次、塗布、乾燥し、像担持体を作製した。
下引き層塗工液
二酸化チタン粉末 500部
アルキド樹脂液 80部(固形分60%)
メラミン樹脂液 150部(固形分50%)
2−ブタノン 600部
乾燥130℃、20分、膜厚約3.5μm。
電荷発生層塗工液
X線回折スペクトルによってCuKα線で
2θ=27.2°に主ピークを有する
チタニルフタロシアニン 1.5部
ポリビニルブチラール 1部
2−ブタノン 200部
乾燥65℃、20分、膜厚約0.2μm。
電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(Zタイプ) 10部
下記構造式(H−1)の電荷輸送物質 7部
Figure 2006227346
テトラヒドロフラン 80部
乾燥110℃、20分、膜厚約25μm。
リコー製カラープリンタIPSiO color 8000の改造機を用い、像担持体として上記合金処方(1)のマグネシウム合金を基体とする像担持体をセットし、帯電部材をステンレス製基体の接触タイプ帯電ローラにした上で、A4版、300dpi(dot per inch)相当の孤立ドットよりなる25%トーン画像出図試験を行ない、通紙方向の画像濃度ムラを目視評価した。
この時、帯電部材への電圧の印加は、−600Vの直流電圧とした。
画像出力時の像担持体上静電荷像は、地肌部=−600V、画像部=−150Vであった。現像スリーブには、現像バイアスとして、−450Vの電圧を印加した。
また、像担持体の駆動電流値(カラーユニット駆動用ステッピングモータ電流値)を変化させて、モータの脱調が発生する電流値を測定し、像担持体を駆動するために必要な消費電力最低値の評価指標とした。すなわち、この評価指標としての電流値の数値が小さいほど、像担持体の駆動用電力が、より少なくて済むことを示しており、像担持体駆動時の電力消費面で、優れていることになる。
画像ムラは認められず、脱調電流値は、0.60Aであった。
また、画像を出力中に像担持体周辺からの振動音は聞き取れなかった。
評価結果を表2に示す。
Figure 2006227346
〔実施例2〕
この第1の発明を、像担時体に適用した例を説明する。この例では、像担持体の基体として、合金処方(2)のマグネシウム合金を用いた以外は、実施例1と同様にして、画像評価、電流値測定を行った。
評価結果を表2に示す。
〔実施例3〕
この第1の発明を、像担時体に適用した例を説明する。この例では、像担持体の基体として、合金処方(3)のマグネシウム合金を用いた以外は、実施例1と同様にして、画像評価、電流値測定を行った。
評価結果を表2に示す。
〔比較例1〕
像担持体の基体として、合金処方(4)のマグネシウム合金を用いた以外は、実施例1と同様にして、画像評価、電流値測定を行った。
評価結果を表2に示す。
〔比較例2〕
像担持体の基体として、合金処方(5)のマグネシウム合金を用いた以外は、実施例1と同様にして、画像評価、電流値測定を行った。
評価結果を表2に示す。
〔比較例3〕
像担持体の基体として、アルミニウム製の基体を用いた以外は、実施例1と同様にして、画像評価、電流値測定を行った。
評価結果を表2に示す。
〔比較例4〕
像担持体として、比較例3の像担持体内部に制振部材を挿入し用いた以外は、実施例1と同様にして、画像評価、電流値測定を行った。
評価結果を表2に示す。
〔実施例4〕
次に、この第1の発明を、クリーニング部材に適用した例を説明する。すなわち、クリーニング部材の基体としてマグネシウム合金を用いた、この第1の発明の画像形成装置の効果を確認する。
合金処方(1)の処方によってリコー製カラープリンタIPSiO color 8000用クリーニングブレード基体と同一形状にプレス成型をしたマグネシウム合金基体に、リコー製カラープリンタIPSiO color 8000用クリーニングブレードゴム部材と同一形状のウレタンゴムブレードを接着し、クリーニング部材を作成した。
リコー製カラープリンタIPSiO color 8000の改造機を用い、クリーニング部材として上記合金処方(1)のマグネシウム合金を基体とするクリーニング部材をセットし、帯電部材をステンレス製基体の接触タイプ帯電ローラにして、更に像担持体として比較例3で用いた像担持体をセットした上で、A4版、300dpi相当の孤立ドットよりなる25%トーン画像出図試験を行ない、通紙方向の画像濃度ムラを目視評価した。
この時、帯電部材への電圧の印加は、−600Vの直流電圧とした。
画像出力時の像担持体上静電荷像は、地肌部=−600V、画像部=−150Vであった。現像スリーブには、現像バイアスとして、−450Vの電圧を印加した。
また、像担持体の駆動電流値(カラーユニット駆動用ステッピングモータ電流値)を変化させて、モータの脱調が発生する電流値を測定し、像担持体を駆動するために必要な消費電力最低値の評価指標とした。
画像ムラは認められず、脱調電流値は、0.65Aであった。
また、画像を出力中に像担持体周辺からの振動音は聞き取れなかった。
評価結果を表2に示す。
〔実施例5〕
この第1の発明を、クリーニング部材に適用した例を説明する。この例では、クリーニング部材の基体として、合金処方(2)のマグネシウム合金を用いた以外は、実施例4と同様にして、画像評価、電流値測定を行った。
評価結果を表2に示す。
〔実施例6〕
この第1の発明を、クリーニング部材に適用した例を説明する。この例では、クリーニング部材の基体として、合金処方(3)のマグネシウム合金を用いた以外は、実施例4と同様にして、画像評価、電流値測定を行った。
評価結果を表2に示す。
〔比較例5〕
クリーニング部材の基体として、合金処方(4)のマグネシウム合金を用いた以外は、実施例4と同様にして、画像評価、電流値測定を行った。
評価結果を表2に示す。
〔比較例6〕
クリーニング部材の基体として、合金処方(5)のマグネシウム合金を用いた以外は、実施例4と同様にして、画像評価、電力量評価を行った。
評価結果を表2に示す。
〔実施例7〕
次に、この第1の発明を、帯電部材に適用した例を説明する。すなわち、帯電部材の基体としてマグネシウム合金を用いた、この第1の発明の帯電部材を用いた画像形成装置の効果を確認する。
合金処方(1)の処方によってリコー製カラープリンタIPSiO color 8000用帯電部材基体と同一形状に切削成型をしたマグネシウム合金基体に、リコー製カラープリンタIPSiO color 8000用帯電部材用ゴム層を形成し、接触タイプの帯電ローラを作成した。
リコー製カラープリンタIPSiO color 8000の改造機を用い、帯電部材として上記合金処方(1)のマグネシウム合金を基体とする接触タイプ帯電ローラをセットし、像担持体として比較例3で用いた像担持体をセットした上で、A4版、300dpi相当の孤立ドットよりなる25%トーン画像出図試験を行ない、通紙方向の画像濃度ムラを目視評価した。
この時、帯電部材への電圧の印加は、−600Vの直流電圧とした。
画像出力時の像担持体上静電荷像は、地肌部=−600V、画像部=−150Vであった。現像スリーブには、現像バイアスとして、−450Vの電圧を印加した。
また、像担持体の駆動電流値(カラーユニット駆動用ステッピングモータ電流値)を変化させて、モータの脱調が発生する電流値を測定し、像担持体を駆動するために必要な消費電力最低値の評価指標とした。
画像ムラは認められず、脱調電流値は、0.70Aであった。
また、画像を出力中に像担持体周辺からの振動音は聞き取れなかった。
評価結果を表2に示す。
〔実施例8〕
この第1の発明を、帯電部材に適用した例を説明する。この例では、帯電部材の基体として、合金処方(2)のマグネシウム合金を用いた以外は、実施例7と同様にして、画像評価、電流値測定を行った。
評価結果を表2に示す。
〔実施例9〕
この第1の発明を、帯電部材に適用した例を説明する。この例では、帯電部材の基体として、合金処方(3)のマグネシウム合金を用いた以外は、実施例7と同様にして、画像評価、電流値測定を行った。
評価結果を表2に示す。
〔比較例7〕
帯電部材の基体として、合金処方(4)のマグネシウム合金を用いた以外は、実施例7と同様にして、画像評価、電流値測定を行った。
評価結果を表2に示す。
〔比較例8〕
帯電部材の基体として、合金処方(5)のマグネシウム合金を用いた以外は、実施例7と同様にして、画像評価、電流値測定を行った。
評価結果を表2に示す。
以上の説明ならびに、実施例および比較例の対比から明らかなように、上記のように構成した画像形成装置およびプロセスカートリッジにおいて、この第1の発明を適用した実施例によれば、像担持体と、該像担持体の像担持部表面に接触する部材とのうち、少なくとも一つが、マグネシウム合金を基体として有し、かつ、その損失係数が適切な数値範囲に設定したので、部材間の摺擦により発生する振動を効率良く吸収できる一方、低トルクで駆動でき、これの結果として極めて安定した静電潜像、トナー可視像を作像することができる。すなわち、振動発生の要因としての駆動負荷を低減でき、発生する振動の大きさを抑制できるとともに、発生した振動をすぐに吸収して、静電潜像、トナー可視像のゆらぎに影響を与えずに済ませることができる。このため、機械的な振動に起因した画像品質の劣化を充分に抑制でき、当該振動による画像品質劣化が極めて小さい画像を得ることができる。
また、振動吸収のために新たな部材を追加する必要がないので、コストダウンが図れる。すなわち、制振材を追加した構成に比べて、部材追加による設計コストや部品コストが生じることなく、また特定部材の構造重量を増加させずに済む。特に、使用後に、前記の基体としての特定部材から、付加部材を分別除去する手間が省けるので、特定部材のリサイクルを容易化できる。
特に、アルミニウム材料を主体に形成された従来の特定部材に比べて、マグネシウム合金を主体に形成したこの実施例の特定部材では、従来と同程度の強度を確保したうえで、軽量化が図れるので、該特定部材が被駆動部材つまり駆動される部材であれば、該部材に対する駆動制御の特性、つまり該部材に入力される駆動力の大きさに追従して該部材が速度変更する程度などに関して応答特性を高めることができる。このため、該部材を特定の速度に素早く加速し、または特定の速度から減速して停止でき、該部材の速度制御性を高めることができるとともに、該部材を、安定して特定の速度に保つことができる。この結果、高画質化を図ることができる。
なお、この第1の発明が対象とする像担持体の像担持部表面に接触する部材としては、上述した所定位置に固定されて配置された固定部材だけではなく、少なくとも画像形成中は、前記表面に接触するように構成された該部材の設置位置の変更が可能な可動部材も、当然、含むものとする。すなわち、たとえば上述した各部材に接離機構を追加して、この接離機構によって、その画像形成時に、該当する部材を所定に接触させるようにしてもよい。
次に、上記の構成の画像形成装置およびプロセスカートリッジを前提にした、第2の発明を説明する。すなわち、発明者らは、上述した従来技術の問題点を解決するために検討を続けてきた結果、少なくとも、像担持体および帯電装置を含む、電子写真方式の画像形成装置において、該像担持体がマグネシウム合金を基体とし、該帯電装置の帯電部材が像担時体の像担持部表面に対して微小ギャップを形成しつつ配設されていることを特徴とする画像形成装置を用いることで、小さな電力量で精度の良い像担持体の回転が得られ、周波数の高い細かな画像濃度のバラツキが充分に抑制された画像が安定して得られることを見いだし、この第2の発明を完成するに至った。なお、以下の第2の発明に関する説明では、第1の発明の説明と重複する部分もあるが、この第2の発明を理解しやすくかつ確実な理解を図るため、重複部分を省略せずに、説明を進めることとする。
この第2の発明による作用については、およそ以下のように推察される。
すなわち、上述したように、画像濃度のバラツキは、像担持体の回転速度に何らかのムラが生じることによって発生する。これに対して、この第2の発明では、マグネシウム合金を基体とした像担持体を使用することにより、部材としての強度、形状および寸法精度を維持したまま軽量化が図れるとともに、帯電部材が像担持体の像担持部表面に非接触となるように配設することにより、接触タイプの帯電部材から受ける機械的な摩擦抵抗をなくすことができるので、必要な駆動力を減少でき、これに伴い低い消費電力量でも充分に安定した回転速度を得ることができる。
すなわち、マグネシウム合金は、像担持体の基体として、多用されているアルミニウムと比較しても約2/3の比重であり、同一形状の基体を作成した場合でも、およそ33%の軽量化を図ることができる。
また、マグネシウム合金は、切削抵抗が小さいので、円筒状の像担持体ドラム基体表面を二次加工によって切削し基体の表面性を向上させる際にも、加工精度を高めることができる。このため、帯電に影響を与える基体の表面性を良好に確保でき、均質な帯電を行うことができる。
この第2の発明では、該マグネシウム合金の損失係数が、0.05乃至0.65、より好ましくは0.1乃至0.5であり、かつ該帯電装置が帯電電圧として直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加する帯電電圧印加手段を有することにより、更に安定した像担持体帯電電位を形成することができ、高画質化を図ることができる。
すなわち、周波数が高い細かな画像濃度のバラツキは、主に像担時体やこれに接する部材の振動によって引き起こされるが、この第2の発明の画像形成装置を用いることにより、これらの振動は、すぐさまマグネシウム合金製の像担持体の基体により吸収され、また、帯電部材が像担持体の像担持部分と非接触であることもあいまって、振動に伴い発生する画像濃度のバラツキが充分に抑制された画像を安定して得ることができる。
特に、像担時体やこれに接する部材の振動は、部材同士の摺擦部分での摩擦力により引き起こされるもの以外に、帯電部材に高周波の交流電圧やこれに直流電圧を重畳して印加する場合には、帯電部材が振動する影響が非常に大きい。すなわち、この帯電部材の振動が像担持体の基体に伝播・共鳴して、大きな振動となる。これに対しても、このマグネシウム合金製の像担持体の基体によれば、伝播した振動をすぐさま吸収できて、共鳴現象が生じることを抑制できる。
マグネシウム合金は金属材料のうちで、最も損失係数が大きな部類に属し、これを像担持体の基体として用いることにより、振動を吸収するための部材、いわゆる制振部材を別途で付加する必要はなく、付加部材の追加による重量の増加を回避して、電力消費量が低い状態を維持したままで、振動による回転ムラを抑制することが可能となる。すなわち、基体自体を形成する材料として、マグネシウム合金を選択して用いるようにした。
この第2の発明では、マグネシウム合金としては、損失係数が好ましくは0.05乃至0.65、より好ましくは0.1乃至0.5のものであれば特に制限なく使用できる。
具体的な例としては、添加物としてNi−Ca、Cu−Ca、Mn−Ca、Ni−Ca−Be、Cu−Ca−Be等を含有するマグネシウム合金を使用することができるが、これらに限定されるものではない。添加物量は損失係数がこの第2の発明の範囲に属するように適宜調整すれば良い。Mn−Ca系であれば、Mn=0.05乃至0.6重量%、Ca=0.2乃至3.0重量%、残りをMg(マグネシウム)の重量%とすることにより、好適な損失係数を得やすいが、これに限られるものではない。
像担時体の基体を作成するには、これらの合金を、肉厚0.5乃至5.0mm程度で、所望の外径及び軸長を持つ円筒に押し出し加工等により成形し、この円筒形状の成形品を必要により表面研磨を行って素管として用いる。
なお、加工方法としては、これらに制限されるものではなく、ダイキャスト法等の通常の金属加工方法や、特にマグネシウム合金に適した加工温度を制御した上での、適宜の金属加工方法を選択して用いることができる。
この第2の発明では、損失係数が、0.05、特に0.1よりも小さくこれを下回る場合には、振動の吸収が不充分となってしまい、画像品質に影響を及ぼすことがある。
逆に、損失係数が、0.65、特に0.5よりも大きくこれを超えるようなマグネシウム合金では、充分な引張り強さが得られないことがあり、強度の面で好ましくない。
また、マグネシウム合金を像担持体に使用する場合、基体上に形成する層としては、一般的な電子写真用像担持体に用いることができるものを、特に制限なく使用することができる。
感光層について説明する。
まず、電荷発生層と電荷輸送層が分離した積層感光体について説明する。
電荷発生層は、種々の電荷発生材料が使用可能である。その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、種々のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。
電荷発生層は、電荷発生材を必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
必要に応じて電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。中でも、ポリビニルブチラールに代表されるポリビニルアセタールは良好に使用される。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
ここで用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
電荷輸送層は、電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、又は2種以上混合して用いられる。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は5〜100μm程度とすることが好ましく、特に5〜15μmとすることで高解像度の画像形成が可能となる。ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。
また、電荷輸送層中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は結着樹脂に対して、0〜1重量%が適当である。
またこの第2の発明に用いられる像担時体においては、マグネシウム合金よりなる基体と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は前述の感光層の如く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。更にこの第2の発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、この第2の発明の下引き層には、Alを陽極酸化によって設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作成法によって設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
次に、帯電部材について説明する。
帯電部材としては、心金となる金属基体上に、一般に使用される帯電部材用の構成材料による被覆層を、形成して使用することができる。
これら帯電部材被覆層は単層の被覆層であっても、複数の被覆層の積層によるものであっても良い。
帯電部材被覆層に使用できる樹脂および/またはゴムの材料は、一般的に公知の材料から1種乃至2種以上を選択して使用することができる。具体的には、樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン);ポリビニル及びポリビニリデン系樹脂(例えばポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル及びポリビニルケトン);塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂又はその変性品;フッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン);ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;フェノール樹脂;アミノ樹脂(例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂);エポキシ樹脂などが挙げられる。
また、ゴムとしては、ジエン系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ヒドリンゴム、ノルボルネンゴム等が挙げられる。これらのゴムは、ソリッドゴムとして使用しても良く、また、発泡ゴムとして使用しても良い。ゴムとして、発泡ゴムを使用する場合には、表面の孔に起因する帯電ムラを防ぐため、外側にこの第2の発明の規定に基づく表面被覆層を設けることが好ましい。
被覆層を発泡体とする場合は発泡剤を配合することができる。発泡剤としては、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾジカルボンアミド、パラトルエンスルフォニルヒドラジン、アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジド等の有機発泡剤、または重炭酸ソーダ等の無機発泡剤が挙げられる。
また、この他に軟化剤として、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族系オイルなどを配合しても構わない。これらは特に限定されるものではないが、感光体への汚染の見地から見て、パラフィン系オイル、またはナフテン系オイルの使用が好ましい。
また更に、被覆層には、必要に応じてゴム等の配合剤として一般に用いられている架橋助剤、架橋促進剤、架橋促進助剤、架橋遅延剤、補強剤、充填剤、粘着付与剤、分散剤、離型剤、増量剤等を添加することができる。
電気伝導性物質は、帯電部材の電気的な安定性を担うものであるため、内部の被覆層にも含有させることにより、体積抵抗の一層の安定化が図られ、より好ましい形態となる。この場合の電気伝導性物質は、最表面被覆層と内部被覆層で、含有量を変えて使用しても良く、また種類が異なっても良い。
電気伝導性物質としては、鉄、金、銅等の金属;フェライト、マグネタイト等の酸化鉄;酸化ビスマス、酸化モリブデン、酸化チタン、酸化スズ等の酸化物;ヨウ化銀、βアルミナ等のイオン導電体、これらを粒子表面に被覆して導電化した粒子などの電気伝導性粒子や、LiClO、LiBF、KBF、KSCN、NaSCN、LiCFSO等のイオン性電解質や、第四級アンモニウム塩に代表される導電性高分子等が挙げられる。
この中でも特にカーボンブラックの一つであるファーネスブラックやアセチレンブラックを用いることにより、少量の低抵抗微粉末の添加で効果的に電気伝導性の調整が可能であり、好ましく用いられる。
電気伝導性物質として、粒子を用いる場合には、抵抗のバラツキを抑制するために、粒子径を被覆層の厚みより充分小さくする必要があるが、およそ個数平均径で0.01〜1μm程度のものが好ましい。
これらの電気伝導性物質は、強度の維持や製造し易さの観点から、その量を適宜調整することができるが、被覆層樹脂またはゴムの100重量部に対して2〜30重量部程度の量を添加することが好ましく用いられ、30重量部を越えるような場合には被覆層に亀裂や永久歪等を引き起こすことが有り、2重量%を下回る場合には充分な電気伝導性物質の選択によっては効果が発現しないことや、その発現にバラツキが生じることが有る。
またこの時、帯電部材の体積抵抗は、1×10Ω・cm乃至1×1012Ω・cm程度であることが好ましい。1×10Ω・cmを下回る場合には、少量のトナー付着で帯電部材抵抗が局所的に大きく変化してしまうことがある。この様な局所的な電気抵抗のバラツキは、帯電部材中の、より低い抵抗を持つ部位への電荷集中を引き起こし、像担持体帯電電位のムラとなって現れる。
一方、帯電部材の体積抵抗が、1×1012Ω・cmを上回る場合には、像担持体を帯電させるために帯電部材へ必要以上の大きな電圧印加が必要となるため、効率的でないばかりでなく、帯電部材基体と被覆層の界面部分での発熱や局所的な構造破壊を引き起こすことがあるため、長期間の使用に対して不利となる。
帯電部材を像担持体と微小ギャップを形成しつつ配設するには、像担持体の像担持部表面以外の位置に接するよう、帯電部材にキャップ形成部材を取りつけることにより実現することができる。
微小ギャップの間隔は、0.01mm〜0.2mm程度であることが好ましい。0.01mmを下回る場合には、部分的な接触が発生する場合があり、これを避けるには、部材の加工精度を上げる必要があるため、コストアップとなり好ましくない。一方0.2mmを上回る場合には、像担持体上に均等な帯電電位を形成することが困難となり、また帯電を行う際の印加電圧が高くなりがちであるため好ましくない。微小ギャップの間隔は、0.02mm乃至0.12mmであることが、より好ましい。
また、該帯電電圧の交流成分を、800Hz乃至3000Hzの周波数範囲とすることにより、交流周波数に起因するノイズを実用上充分な範囲とすることができる。交流周波数が800Hzを下回る場合には、交流周期そのものが像担持体上の帯電電位に現れることがあり、3000Hzを上回る場合には高周波の振動となり、像担持体の基体材料特性の選択によっては、充分に振動を吸収しきれない場合があり、基体材料の選択範囲が制限されるため、好ましくない。
また、該像担持体に接触して摺動するクリーニング部材を有するクリーニング装置は、像担持体上に形成された可視像を転写媒体上へ転写するための転写装置による転写位置から、帯電装置による帯電位置に至るまでの間に、備えることが好ましい。これにより、転写装置によって転写されることなく、像担持体上に残存した残留物を除去し、帯電部材と像担持体の間の微小ギャップを維持できる。この結果、帯電部材によって、安定した像担持体の帯電ができる。
該クリーニング部材はクリーニングブレードであることが好ましく、これにより安価かつ効率良く、像担持体上の残留物を除去できる。
以下、この第2の発明を、具体的な各実施例により更に詳細に説明するが、この第2の発明は以下の各実施例に限定されるものではない。また、以下の各実施例で「部」は全て重量部を示す。
Figure 2006227346
まず、この第2の発明における各実施例の前提として、上記の表3に示す各マグネシウム合金を処方し、損失係数測定用の試験片を作成して、各試験片の損失係数を測定した。測定は、JIS G0602−1993 制振鋼板の振動減衰特性試験方法の手順に準拠して行い、減衰法による自然減衰波形データから、式(2)に基づき、損失係数ηを算出した。
Figure 2006227346
ここで、tanθは、自然減衰波形におけるn番目の波の振幅Xnと、これより位相が2πずれた(n+1)番目の波の振幅Xn+1との比(Xn+1/Xn)を示し、lnは自然対数を示す。
また、試験片は、幅20mm、長さ250mm、厚み1mmとした。
試験は、23℃、65%RHの環境下で行った。
各試験片における損失係数測定結果をそれぞれ、表1の最右欄に示す。
引き続き、これらの各処方のマグネシウム合金を用い、像担持体の基体を作成し、以下の各実施例での評価をおこなった。
〔実施例10〕
この第2の発明を、像担時体に適用した例を説明する。すなわち、像担時体の基体としてマグネシウム合金を用い、所定の微小ギャップおよび電気的な諸値を設定した、この第2の発明の効果を確認した。
合金処方(1)の処方によって直径30mm、長さ340mm、肉厚0.6mmに押し出し成型後表面切削処理をしたマグネシウム合金ドラム上に下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液及び電荷輸送層塗工液を、以下のそれぞれの条件下を設定して、順次、塗布、乾燥し、像担持体を作製した。
下引き層塗工液
二酸化チタン粉末 500部
アルキド樹脂液 80部(固形分60%)
メラミン樹脂液 150部(固形分50%)
2−ブタノン 600部
乾燥130℃、20分、膜厚約3.5μm。
電荷発生層塗工液
X線回折スペクトルによってCuKα線で
2θ=27.2°に主ピークを有する
チタニルフタロシアニン 1.5部
ポリビニルブチラール 1部
2−ブタノン 200部
乾燥65℃、20分、膜厚約0.2μm。
電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(Zタイプ) 10部
下記構造式(H−1)の電荷輸送物質 7部
Figure 2006227346
テトラヒドロフラン 80部
乾燥110℃、20分、膜厚約25μm。
リコー製カラープリンタIPSiO color 8000の改造機を用い、像担持体として上記合金処方(1)のマグネシウム合金を基体とする像担持体をセットし、A4版、300dpi相当の孤立ドットよりなる25%トーン画像出図試験を行ない、通紙方向の画像濃度ムラを目視評価した。
この時、帯電部材へは、−600Vの直流電圧に、ピーク間隔2kV、周波数1600Hzの正弦波交流電圧を重畳した電圧を印加した。
この時、帯電部材は帯電ローラであり、像担持体上の像担持部表面に相当しない位置(両端部近傍)に、フッ素樹脂製テープを貼り、帯電部材と像担持体が近接かつ非接触となるよう調整した。帯電部分のギャップは0.07mmであった。
画像出力時の像担持体上静電荷像は、地肌部=−600V、画像部=−150Vであった。現像スリーブには、現像バイアスとして、−450Vの電圧を印加した。
また、像担持体の駆動電流値(カラーユニット駆動用ステッピングモータ電流値)を変化させて、モータの脱調が発生する電流値を測定し、像担持体を駆動するために必要な消費電力最低値の評価指標とした。すなわち、この評価指標としての電流値の数値が小さいほど、像担持体の駆動用電力が、より少なくて済むことを示しており、像担持体駆動時の電力消費面で、優れていることになる。
画像ムラは認められず、脱調電流値は、0.55Aであった。
また、画像を出力中に像担持体周辺からの振動音は聞き取れなかった。
評価結果を表4に示す。
Figure 2006227346
〔実施例11〕
この第2の発明を、像担時体に適用した例を説明する。この例では、像担持体の基体として、合金処方(2)のマグネシウム合金を用いた以外は、実施例10と同様にして、画像評価、電流値測定を行った。
評価結果を表4に示す。
〔実施例12〕
この例では、像担持体の基体として、合金処方(3)のマグネシウム合金を用いた以外は、実施例10と同様にして、画像評価、電流値測定を行った。
評価結果を表4に示す。
〔実施例13〕
この例では、実施例10に用いたリコー製カラープリンタIPSiO color 8000改造機のクリーニング機構をブレードクリーニングから、従動ローラを用いた静電クリーニング機構に置換え、クリーニング機構に+250Vのクリーニング電界をかけた以外は、実施例10と同様にして、画像評価、電流値測定を行った。
評価結果を表4に示す。
〔実施例14〕
この例では、実施例10に用いたリコー製カラープリンタIPSiO color 8000改造機のクリーニング機構を取り外した以外は、実施例1と同様にして、画像評価、電流値測定を行った。
評価結果を表4に示す。
〔実施例15,16,17〕
これらの例では、画像品質に対して、帯電電圧の印加周波数の好ましい範囲(高周波側)を確認するため、印加する帯電電圧交流部分の周波数を3000Hzとした以外は、実施例10,11,12と同様にして、それぞれ、画像評価、電流値測定を行った。
評価結果を表4に示す。
〔実施例18,19,20〕
これらの例では、画像品質に対して、帯電電圧の印加周波数の好ましい範囲(低周波側)を確認するため、印加する帯電電圧交流部分の周波数を800Hzとした以外は、実施例10,11,12と同様にして、それぞれ、画像評価、電流値測定を行った。
評価結果を表4に示す。
〔実施例21〕
この例では、画像品質に対して、帯電電圧の印加周波数の好ましい範囲(高周波側)と対比するため、印加する帯電電圧交流部分の周波数を3200Hzとした以外は、実施例11と同様にして、画像評価、電流値測定を行った。
評価結果を表4に示す。
〔実施例22〕
この例では、画像品質に対して、帯電電圧の印加周波数の好ましい範囲(低周波側)と対比するため、印加する帯電電圧交流部分の周波数を600Hzとした以外は、実施例10と同様にして、画像評価、電流値測定を行った。
評価結果を表4に示す。
〔実施例23〕
この例では、画像品質に対して、像担持体基体の損失係数の好ましい範囲(上限)と対比するため、像担持体の基体として、合金処方(4)のマグネシウム合金を用いた以外は、実施例10と同様にして、画像評価、電流値測定を行った。
評価結果を表4に示す。
〔実施例24〕
この例では、画像品質に対して、像担持体基体の損失係数の好ましい範囲(下限)と対比するため、像担持体の基体として、合金処方(5)のマグネシウム合金を用いた以外は、実施例10と同様にして、画像評価、電流値測定を行った。
評価結果を表4に示す。
〔実施例25〕
この例では、画像品質に対して、帯電電圧の交流電圧重畳のものと対比するため、印加する帯電電圧を直流電圧のみとした以外は、実施例10と同様にして、画像評価、電流値測定を行った。
評価結果を表4に示す。
〔比較例9〕
この第2の発明の効果である低消費電力と高画像品質の両立性に対して、従来の方法によるレベルを確認するため、像担持体の基体として、従来構成であるアルミニウム製の基体を用いた以外は、実施例10と同様にして、画像評価、電流値測定を行った。
このようにアルミニウム製基体のみを用いた場合には、帯電電圧の交流成分の印加により大きな振動、共鳴が発生し、画像品質が著しく低下すると共に、騒音(共鳴音)が発生し、使用に耐えなかった。
評価結果を表4に示す。
〔比較例10〕
この第2の発明の効果である低消費電力と高画像品質の両立性に対して、従来の方法のレベルを確認するため、比較例9の像担持体の基体内部にゴム製制振部材を追加した以外は、比較例9と同様にして、画像評価、電流値測定を行った。
制振部材入りのアルミニウム製基体を用いた場合には、帯電電圧の交流成分の印加による振動は抑制され、画像品質の向上が観られるものの、駆動に対して大きな消費電力が必要となり、低消費電力での駆動は実現できなかった。
評価結果を表4に示す。
〔比較例11〕
帯電部材が像担持体と接触している場合の影響を確認するために、実施例10で用いた帯電部材の両端に設けたフッ素樹脂製テープを取り除き、実施例10と同様の条件で試験を行った。
帯電電圧の交流成分の印加による振動は抑制され、画像品質の向上が観られるものの、駆動に対して大きな消費電力が必要となり、充分な低消費電力での駆動は実現できなかった。
評価結果を表4に示す。
最後に、大量枚数の連続通紙をした場合にも、この第2の発明による効果が充分に得られることを検証した。すなわち、実施例10から実施例12までの各条件下で、連続10万枚まで通紙試験を行ったところ、試験後も初期と変わらない画像が得られ、この第2の発明の効果が継続的に得られることが確認できた。
以上の説明ならびに、実施例および比較例の対比から明らかなように、上記のように構成した画像形成装置およびプロセスカートリッジにおいて、この第2の発明を適用した実施例によれば、像担持体の基体がマグネシウム合金よりなり、かつ、帯電部材が像担持体の像担持部表面に対して微小ギャップを形成しつつ配設することにより、低トルクで駆動できるとともに、像担持体の基体の損失係数を適切な範囲とすることにより、帯電電圧の交流成分により発生する振動を効率良く吸収し得るので、これらの結果として、極めて安定した静電潜像、トナー可視像を作像することができる。このため、機械的に生じた振動および電気的な振動に起因した画像品質の劣化を充分に抑制でき、当該振動による画像品質劣化が極めて小さい画像を得ることができる。
また、振動吸収のために新たな部材を追加する必要がないので、コストダウンが図れる。すなわち、制振材を追加した構成に比べて、部材追加による設計コストや部品コストが生じることなく、また特定部材の構造重量を増加させずに済む。特に、使用後に、前記の基体としての特定部材から、付加部材を分別除去する手間が省けるので、特定部材のリサイクルを容易化できる。
特に、アルミニウム材料を主体に形成された従来の特定部材に比べて、マグネシウム合金を主体に形成したこの実施例の特定部材によれば、従来と同程度の強度を確保したうえで、軽量化が図れるので、該特定部材が被駆動部材つまり駆動される部材であれば、該部材に対する駆動制御の特性、つまり該部材に入力される駆動力の大きさに追従して該部材が速度変更する程度などに関して応答特性を高めることができる。このため、該部材を特定の速度に素早く加速し、または特定の速度から減速して停止でき、該部材の速度制御性を高めることができるとともに、該部材を、安定して特定の速度に保つことができる。この結果、高画質化を図ることができる。
この第1の発明および第2の発明を適用する前提構成としての画像形成装置を示し、この装置全体の内部構成を示す概略図である。 この第1の発明および第2の発明を適用する前提構成としてのプロセスカートリッジを示し、このカートリッジ全体の内部構成を示す概略図である。
符号の説明
1 1Y,1M,1C,1K 像担持体(感光体)
2 帯電装置 2a 帯電ローラ(帯電部材)
2b 帯電クリーニングローラ(帯電部材のクリーニング部材)
3 潜像形成装置 4 現像装置
5 転写装置 50 中間転写媒体
51 1次転写装置
6 クリーニング装置 61 クリーニングブレード
62 潤滑剤塗布手段(ブラシローラ) 64 固形潤滑剤
65 クリーニングローラ(弾性ローラ) 66 ハードブレード部材
67 搬送スクリュー 7 定着装置
8 排紙トレイ 10 プロセスカートリッジ
100 画像形成装置 200 給紙機構

Claims (18)

  1. 少なくとも、像担持体と、この像担持体の像担持部表面に接触する部材とを有した電子写真方式の画像形成装置において、
    前記像担持体と、前記像担持体の像担持部表面に接触する部材の基体とのうち、少なくとも一つは、導電性部材であり、この導電性部材の損失係数は、0.1乃至0.5であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記像担持体と、前記像担持体の像担持部表面に接触する部材とのうち、少なくとも一つは、損失係数が0.1乃至0.5のマグネシウム合金を基体としていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記像担持体の像担持部表面に接触する部材は、像担持体の駆動と同期して駆動されることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記像担持体の像担持部表面に接触する部材は、像担持体に対して摺動することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記像担持体は、マグネシウム合金を素管とすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記像担持体の像担持部表面に接触する部材は、クリーニング部材であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記クリーニング部材は、クリーニングブレードであることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記像担持体の像担持部表面に接触する部材は、帯電部材であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 少なくとも、像担持体と、この像担持体の像担持表面に接触する帯電部材、クリーニング部材のうちの1つ以上とを有した電子写真方式のプロセスカートリッジにおいて、
    前記像担持体と、前記帯電部材またはクリーニング部材のうち、少なくとも一つは、損失係数が0.1乃至0.5のマグネシウム合金を基体としていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  10. 少なくとも、像担持体と、帯電装置とを有した電子写真方式の画像形成装置において、
    前記像担持体の基体は、導電性部材であり、この導電性部材の損失係数は、0.05乃至0.65であることを特徴とする画像形成装置。
  11. 前記導電性部材の損失係数は、0.1乃至0.5であり、かつ前記帯電装置は、帯電電圧として直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加する帯電電圧印加手段を有することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記像担持体は、マグネシウム合金を基体とし、前記帯電装置の帯電部材は、像担時体の像担持部表面に対して微小ギャップを形成して配設されていることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記マグネシウム合金の損失係数は、0.1乃至0.5であり、かつ前記帯電装置は、帯電電圧として直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加する帯電電圧印加手段を有することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記帯電電圧の交流成分は、800Hz乃至3000Hzの周波数を有することを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 前記像担持体をクリーニングするクリーニング装置を備え、このクリーニング装置は、該像担持体に接触して摺動するクリーニング部材を有することを特徴とする請求項10ないし14のいずれかに記載の画像形成装置。
  16. 前記クリーニング部材は、クリーニングブレードであることを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
  17. 少なくとも、像担持体と、帯電部材と有した電子写真方式のプロセスカートリッジにおいて、
    前記像担持体は、マグネシウム合金を基体とし、前記帯電部材は、像担時体の像担持部表面に対して微小ギャップを形成して配設されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  18. 前記マグネシウム合金の損失係数は、0.1乃至0.5であることを特徴とする請求項17に記載のプロセスカートリッジ。

JP2005041820A 2005-02-18 2005-02-18 画像形成装置、およびプロセスカートリッジ Pending JP2006227346A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005041820A JP2006227346A (ja) 2005-02-18 2005-02-18 画像形成装置、およびプロセスカートリッジ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005041820A JP2006227346A (ja) 2005-02-18 2005-02-18 画像形成装置、およびプロセスカートリッジ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006227346A true JP2006227346A (ja) 2006-08-31

Family

ID=36988764

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005041820A Pending JP2006227346A (ja) 2005-02-18 2005-02-18 画像形成装置、およびプロセスカートリッジ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006227346A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008250128A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Fuji Xerox Co Ltd 清掃装置、像保持体装置および画像形成装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05341701A (ja) * 1992-06-04 1993-12-24 Canon Inc 画像形成装置
JPH11160959A (ja) * 1997-11-28 1999-06-18 Canon Chemicals Inc 帯電部材、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2002174918A (ja) * 2000-12-08 2002-06-21 Bridgestone Corp 感光ドラム用基体、及び該感光ドラム用基体を用いた感光ドラム
JP2003113436A (ja) * 2001-10-03 2003-04-18 Matsumoto Seisakusho:Kk 高減衰能マグネシウム合金

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05341701A (ja) * 1992-06-04 1993-12-24 Canon Inc 画像形成装置
JPH11160959A (ja) * 1997-11-28 1999-06-18 Canon Chemicals Inc 帯電部材、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2002174918A (ja) * 2000-12-08 2002-06-21 Bridgestone Corp 感光ドラム用基体、及び該感光ドラム用基体を用いた感光ドラム
JP2003113436A (ja) * 2001-10-03 2003-04-18 Matsumoto Seisakusho:Kk 高減衰能マグネシウム合金

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008250128A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Fuji Xerox Co Ltd 清掃装置、像保持体装置および画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20070212139A1 (en) Image forming apparatus, process unit, and cleaning device
US20110008069A1 (en) Image forming apparatus
JP5470239B2 (ja) 画像形成装置
JP2010134442A (ja) 画像形成装置
JP2009058789A (ja) 電子写真装置およびプロセスカートリッジ
JP2009251365A (ja) 電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置
JP5470240B2 (ja) 画像形成装置
US9436117B2 (en) Image forming apparatus configured to modify a reference voltage correction amount
JP5556272B2 (ja) プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP5230461B2 (ja) 画像形成装置
JP2010131574A (ja) 塩基性炭酸重金属の製造方法、重金属酸化物粒子の製造方法、表面処理酸化亜鉛粒子の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JP2009048176A (ja) カラー画像形成装置及びカラー画像形成方法
JP2006227346A (ja) 画像形成装置、およびプロセスカートリッジ
JP5263656B2 (ja) 付着力分布判断方法
JP4834380B2 (ja) 画像形成装置と画像形成プロセスカートリッジ
JP2009053590A (ja) 付着力分布判断方法、回収ローラ、クリーニング装置及び画像形成装置
JP4824383B2 (ja) 帯電装置の調整方法
JP2014115465A (ja) 作像ユニット、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP4027851B2 (ja) 像担持体の振動吸収方法およびプロセスカートリッジおよび画像形成装置
JP4106387B2 (ja) 潜像担持体
JP7472683B2 (ja) 画像形成方法
JP7071832B2 (ja) 帯電装置およびそれを備える画像形成装置
JP4719551B2 (ja) 帯電装置のための帯電条件調整方法、および当該帯電条件調整方法を用いた画像形成装置と画像形成プロセスカートリッジ
JP5327570B2 (ja) 画像形成装置
JP2009186965A (ja) 付着力分布判断方法、粉体除去特性判断方法、像担持体、ブレード、クリーニング装置及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100812

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100817

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101013

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110201