以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
〔第1実施形態〕
先ず、図1を用いて、画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。図1は画像形成装置の概略構成図である。ここでは、画像形成装置として、電子写真方式のフルカラープリンタを例示している。
画像形成装置100は、第1画像形成部と、第2画像形成部と、を有している。第1画像形成部は、第1像担持体に現像剤を用いて第1トナー像を形成し、該第1トナー像を中間転写体に転写する。第2画像形成部は、第2像担持体に現像剤を用いて第2トナー像を形成し、前記第2トナー像を前記中間転写体上に形成された第1トナー像に対して重ねて転写する。即ち、第2画像形成部は、第1画像形成部にて形成されたトナー像に重ねて画像形成可能(転写可能)に設けられている。
また、後述するように、第2画像形成部は、第2像担持体上に当接し、第2像担持体上のトナーを除去するクリーニング部材と、このクリーニング部材に研磨粒子を供給する供給部を有する。ここでは、第1画像形成部及び第2画像形成部として、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の4色に対応して設けられた、4つの画像形成部(以下、画像形成ユニットという)1Y,1M,1C,1Bkを有する。ここでは、画像形成装置として、電子写真方式のフルカラープリンタを例示している。本実施形態では、第1画像形成部は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3つの画像形成ユニットに相当し、第2画像形成部は、ブラック(Bk)の画像形成ユニットに対応する。
画像形成装置100は、画像形成装置本体に接続された原稿読み取り装置(図示せず)又は画像形成装置本体に対し通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器からの画像信号に応じて、4色フルカラー画像を記録材に形成することができる。記録材としては、記録用紙、プラスチックフィルム、布等がある。各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Bkにて像担持体としての感光ドラム2Y,2M,2C,2Bk上に形成されたトナー像を、中間転写ベルト16上へ順次重ねて転写し、続いて記録材担持体8により搬送される記録材P上に転写する構成となっている。以下、詳しく説明する。
尚、ここでは、画像形成装置100が備える4つの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Bkは、現像色が異なることを除いて実質的に同一の構成を有する。従って、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの画像形成ユニットに属する要素であることを表すために符号に付した添え字Y,M,C,Bkは省略し、総括的に説明する。
画像形成ユニット1には、像担持体として円筒型の感光体、即ち、感光ドラム2が配設されている。感光ドラム2は、図中矢印方向に回転駆動される。
感光ドラム2の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ3と、現像手段としての現像装置4と、転写手段としての一次転写ローラ5と、クリーニング手段としてのクリーニング装置6が配置されている。感光ドラム2の図中上方には露光手段としての露光装置(レーザースキャナ)7が配置されている。また、各画像形成ユニット1の感光ドラム2と対向して中間転写体としての中間転写ベルト16が配置されている。
無端状のベルトである中間転写ベルト16は、駆動ローラ9と従動ローラ12と二次転写対向ローラ10に張架されており、駆動ローラ9の駆動により図中矢印方向に周回移動し、トナー画像を記録材Pとの当接部(二次転写位置)へと搬送する。中間転写ベルト16上へ転写したトナー像を、記録材担持体8により搬送される記録材P上に転写する二次転写位置には、二次転写ローラ15と二次転写対向ローラ10が配置されている。続いて中間転写ベルト16から記録材Pへトナー像を転写した後、定着装置13によってトナー像が記録材Pへ熱定着される。
例えば、4色フルカラーの画像形成時について説明すると、先ず、画像形成動作が開始すると、回転する感光ドラム2の表面が帯電ローラ3によって一様に帯電される。このとき、帯電ローラ3には、帯電バイアス電源より帯電バイアスが印加される。次いで、感光ドラム2は、露光装置7から発せられる画像信号に対応したレーザー光により露光される。これにより、感光ドラム2上に画像信号に応じた静電像(潜像)が形成される。感光ドラム2上の静電像は、現像装置4内に収容されたトナーによって顕像化され、可視像となる。ここでは、レーザー光により露光した明部電位にトナーを付着させる反転現像方式を用いる。
現像装置4により、感光ドラム2上にトナー像を形成し、中間転写ベルト16上にトナー像を一次転写する。一次転写後に感光ドラム2表面に残ったトナーなどの残留物は、クリーニング装置6によって除去される。
この動作をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックで順次行い、中間転写ベルト16上で4色のトナー像を重ね合わせる。その後、トナー像の形成タイミングに合わせて記録材収容カセット(図示せず)に収容された記録材Pが供給ローラ14により給送され、記録材担持体8により搬送される。そして、二次転写ローラ15に二次転写バイアスを印加することにより、中間転写ベルト16上の4色のトナー像を、記録材担持体8上に担持されている記録材P上に一括で二次転写する。
次いで、記録材Pは記録材担持体8から分離され、定着手段としての定着装置13に搬送される。この定着装置13によって加熱、加圧されることで、記録材P上のトナーは溶融、混合されて、フルカラーの永久画像となる。その後、記録材Pは機外に排出される。
また、二次転写部で転写しきれずに中間転写ベルト16に残留したトナーは、中間転写ベルトクリーナー18により除去される。これにより、一連の動作が終了する。
尚、所望の画像形成ユニットのみを用いて、所望の色の単色又は複数色の画像を形成することも可能である。
次に、図2を用いて、画像形成ユニット1における動作を詳細に説明する。図2は、画像形成ユニットについて説明するための図である。
本実施形態では、感光ドラム2は、帯電特性が負帯電性の有機光導電体(OPC)であり、外径30mm、中心支軸を中心に130mm/secのプロセススピード(周速度)をもって反時計回り方向に回転駆動される。
以下に感光ドラムについて詳細を説明する。
本実施形態においては、イエロー、マゼンタ、シアンの感光ドラムと、ブラックの感光ドラムの種類が異なる。具体的には、イエロー、マゼンタ、シアンの感光ドラムについては、従来の熱硬化性樹脂を用いたものを採用し、ブラックについては、熱硬化性樹脂より表面硬度が高い光(電子線)硬化性樹脂を用いたものを採用している。
これは、一般にオフィスユーザーなど、主にフルカラー画像形成よりもブラック単色の画像形成を多く行うユーザーが比較的多い傾向があるため、ブラックの感光ドラムの寿命を延ばすために採用されている。
一方、光硬化性樹脂を用いた感光ドラムは、熱硬化性樹脂を用いた感光ドラムよりもコストがアップしてしまう。そのため、フルカラー画像形成を行う頻度が少ないユーザーにとっては、イエロー、マゼンタ、シアンの感光ドラムに光硬化性樹脂を用いた感光ドラムを搭載するとオーバースペックになってしまい、ユーザーにとってコストメリットが得られないという問題がある。
ここで、本実施形態で採用している感光ドラムについて詳細に説明する。
感光ドラムの構成は、導電性支持体上に感光層及び保護層をこの順に積層し、保護層が少なくとも硬化性樹脂、導電性粒子を含有しているものである。
保護層に用いられる導電性粒子としては、金属、金属酸化物及びカーボンブラック等が挙げられる。これらは単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。導電性粒子の平均粒径は保護層の透明性の点で0.3μm以下、特に0.1μm以下が好ましい。また、上述した導電性粒子の中でも透明性の点で金属酸化物を用いることが特に好ましい。
更に、感光ドラム表面の滑り性を向上させるために、フッ素原子含有樹脂粒子を分散させることもできる。樹脂粒子の分子量や粒子の粒径は適宜選択することができ、特に制限されるものではない。このフッ素原子含有樹脂を導電性粒子と共に樹脂溶液中で相互の粒子を凝集させないように、導電性粒子の表面をフッ素原子含有化合物等で表面処理することも可能である。表面処理を行うことにより、樹脂溶液中での導電性粒子とフッ素原子含有樹脂粒子の分散性を向上させることができ、更に経時的に発生する二次粒子形成等がなく、分散安定性をも向上させることができる。
本実施形態におけるブラックの感光ドラムは、先にも述べたが、保護層用の結着剤樹脂としては、保護層の表面硬度、耐摩耗性、耐傷性の観点より光硬化性樹脂を用い、電子線照射により硬化する。この光硬化性樹脂は電子線のエネルギーで重合反応を起こす、官能基を有するモノマー又はオリゴマーを指し、分子の構造単位の繰り返しが2〜20程度の比較的大きな分子がオリゴマー、それ以下のものがモノマーとして定義される。重合反応起こす官能基としては、炭素−炭素二重結合を有する基、開環重合を起こすもの、又は2種類以上の分子が反応して重合を起こすもの等が挙げられる。特に、本実施形態においては、先に記載したものの中でも、硬化性樹脂としては、炭素−炭素二重結合を有するアクリロイルオキシ基(CH2=CHCOO−)又はメタクリロイルオキシ基(CH2=C(CH3)COO−)を含んだ樹脂を用いることが好ましい。電子線照射をする場合、加速器としてはスキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型、ラミナー型等、何れの形式も使用することができる。電子線を照射する場合に、本実施形態の感光ドラムにおいては電気特性及び耐久性能を発現させる上で照射条件が非常に重要である。本実施形態において、加速電圧は250kV以下が好ましく、最適には150kV以下である。また、線量は好ましくは1Mrad〜100Mradの範囲、より好ましくは、3Mrad〜50Mradの範囲である。加速電圧が上記値以上であると、感光体特性に対する電子線照射のダメージが顕著になる。また、線量が上記範囲よりも少ない場合には硬化が不十分となり、線量が多過ぎる場合には感光体特性の劣化が起こる。
導電性粒子を含有した硬化性樹脂で形成される保護層を電子線照射によって硬化した場合に良好な耐削れ性、耐傷性を示す理由については、熱や紫外線と比較して電子線が持つメリットから以下のように考えている。
熱硬化の場合は、保護層を完全に硬化するための熱量はかなり大きなものとなり、その熱が保護層下に存在する感光層自体を劣化させてしまうため、従来は十分な熱量を与えられないまま保護層を形成してしまうため、保護層硬度が不十分なままであった。
紫外線を用いた場合には、導電性粒子が紫外線を吸収してしまい、導電性粒子付近の樹脂の硬化を阻害してしまうものと考えられる。このため、従来は導電性粒子を分散した保護層の系では保護層内のミクロな部分での未硬化な部分が多数生じ、保護層の中での三次元的な架橋反応が止まってしまい、保護層全体のマクロな表面硬度も低下してしまうものと考えられる。
また、紫外線硬化系では、前記したように、硬化をするためには樹脂に対して、重合開始剤を併用する必要がある。更に導電性粒子等が混入しているような系では、大量の重合開始剤を添加しなければ硬度を上げることができないことが、本発明者等の検討で明らかになっている。逆に、導電性粒子のない樹脂に必要以上の重合開始剤が多量に混入している系は、その表面硬度が低下してしまうことも分かっておいる。導電性粒子分散系の保護層は重合開始剤の量の最適化を図ったとしても高硬度のものを得ることはできず、上記方法で作製された感光体は、耐削れ性、耐傷性が悪くなってしまうと考えられる。
これに対し、電子線照射により硬化する保護層には、重合開始剤を添加する必要がないため有利である。また、照射エネルギーも紫外線に比べ、非常に大きく、電子線の試料に対する、透過深さも非常に深いため、導電性粒子付近の樹脂の硬化も進み、保護層の高表面硬度化を達成でき、作製された保護層は耐削れ性、耐傷性が良好なものになると考えている。
本実施形態におけるイエロー、マゼンタ、シアンの感光ドラムについては、従来の熱硬化性樹脂を用いた感光ドラムを採用している。
次に、本実施形態で用いた感光ドラムにおける感光層以下の構成について説明する。ここで、感光層以下の構成は、導電性支持体上に電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層をこの順に積層した構成或いは逆に積層した構成を採ることが可能である。又、電荷発生物質と電荷輸送物質とを同一層内に混合分散した単層から成る構成を採ることも可能である。
また、感光層は有機光導電材料でなく、無機光導電材料でも良く、例えばSe、As2Se3、a−Si、CdS、ZnO2等を用いることも可能である。
但し、電子写真感光体としての特性である残留電位等の特性を鑑みると、有機光導電材料の電荷発生層と電荷輸送層を積層した構成の機能分離型の感光体構成が特に好ましい。
本実施形態の電子写真感光体を製造する場合、導電性支持体としてはアルミニウム、ステンレス等の金属や合金、紙、プラスチック等が用いられるが、その形状は円筒状シリンダー又はフィルム等、適用される電子写真装置に応じて任意のものとすることができる。また、非導電性支持体上に導電層を蒸着法やその他の方法で、別に設けることにより導電性支持体として用いても良い。
本実施形態においては、導電性支持体の上には、バリアー機能と接着機能を持つ下引き層を設けることができる。
下引き層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、基体の被覆、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護等のために形成される。これはそれぞれに適した溶剤に溶解されて支持体上に塗布される。その際の膜厚としては0.1〜2μm程度が好ましい。
本実施形態の電荷発生層に用いる電荷発生物質としては、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、各種の中心金属及び結晶系等が挙げられる。
電荷発生層は前記の電荷発生物質を0.3〜4倍量の結着剤樹脂及び溶剤に良く分散し、分散液を塗布、乾燥して形成されるか、又は、前記電荷発生物質の蒸着膜等、単独組成の膜として形成される。その膜厚は5μm以下、特に0.1〜2μmの範囲であることが好ましい。
電荷発生層上に形成する電荷輸送層は、前記した電荷輸送物質と適当な樹脂を溶剤に溶解することによって得られた溶解液を塗布し、乾燥し形成することが好ましい。上記樹脂としては広範囲なバインダー樹脂から選択でき、市販の樹脂、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂等を用いることが可能であるが、これらに限定されるものではない。これらは単独又は共重合体ポリマーとして1種又は2種以上混合して用いても良い。
図2に示すように、感光ドラム2の表面を一様に帯電処理する帯電手段として、接触帯電装置(接触帯電器)3を有する。本実施形態において、接触帯電装置3は、帯電ローラ(ローラ帯電器)であり、感光ドラム2との間の微小ギャップにて生じる放電現象を利用して帯電する。帯電ローラ3には、電源S1より所定の条件の帯電バイアス電圧が印加される。これにより、回転する感光ドラム2の表面は、所定の極性・電位に接触帯電処理される。本実施形態において、帯電ローラ3に対する帯電バイアス電圧は、直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。より具体的には、−500Vの直流電圧と、周波数1.3kHz、ピーク間電圧Vpp1.5kV、正弦波の交流電圧とを重畳した振動電圧である。この帯電バイアス電圧により、感光ドラム2の表面は帯電ローラ3に印加した直流電圧と同じ−500V(暗電位Vd)に一様に接触帯電処理される。
本実施形態においては、現像装置4はトナーとキヤリアからなる二成分現像剤による磁気ブラシを、感光ドラム2に接触させながら現像を行う二成分接触現像方式を採用した現像装置である。現像装置4は、現像容器4a、現像剤担持体としての非磁性の現像スリーブ4bを備えている。現像スリーブ4bは、その外周面の一部を現像装置4の外部に露呈させて、現像容器4a内に回転可能に配置してある。現像スリーブ4b内には、非回転に固定してマグネットローラ(不図示)が挿設されている。現像容器4aは、二成分現像剤を収容しており、現像容器4a内の底部側には現像剤攪拌部材4cが配役されている。また、補給用トナーがトナーホッパー4dに収容されている。
現像容器4a内の二成分現像剤(現像剤)は主に非磁性トナーと磁性キャリアとの混合物であり、現像剤攪拌部材4cにより攪拌される。本実施形態において、トナーは、結着樹脂、着色剤、そして必要に応じてその他の添加剤を含む着色樹脂粒子を有している。トナーは、重合法により製造した負帯電性のポリエステル系樹脂であり、体積平均粒径は5μm以上8μm以下が好ましい。ここでは6.2μmであった。トナーは磁性キャリアとの摺擦により負極性に摩擦帯電される。
キャリアは、例えば、表面酸化あるいは未酸化の鉄,ニッケル,コバルト,マンガン,クロム,希土類等の金属、及びそれらの合金、又は酸化物フェライトなどが好適に使用可能である。これらの磁性粒子の製造法は特に制限されない。そして、キャリアは、重量平均粒径が20〜50μm、好ましくは30〜40μmであり、抵抗率が107Ω・cm以上、好ましくは108Ω・cm以上である。ここでは108Ω・cmのものを用いた。また、低比重磁性キャリアとして、フェノール系のバインダー樹脂に磁性金属酸化物及び非磁性金属酸化物と所定の比で混合し、重合法により製造した樹脂磁性キャリアを使用した。体積平均粒径は35μm、真密度は3.6〜3.7g/cm3、磁化量は53A・m2/kgである。
現像スリーブ4bは、感光ドラム2との最近接距離(S−Dgap)を350μmに保持して感光ドラム2に近接対向配設される。この感光ドラム2と現像スリーブ4bとの対向部が現像部である。現像スリーブ4bは、現像部において感光ドラム2の進行方向とは逆方向に回転駆動される。現像スリーブ4b内のマブネットローラの磁力により、現像容器4a内の二成分現像剤の一部が現像スリーブ4bの外周面に磁気ブラシ層として吸着保持される。この磁気ブラシ層は、現像スリーブ4bの回転に伴い回転搬送され、現像部において感光ドラム2の面に対して接触して感光ドラム面を適度に摺擦する。現像スリーブ4bには、電源S2から所定の現像バイアス電圧が印加される。本実施形態において、現像スリーブ4bに対する現像バイアス電圧は、直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。より具体的には、−350Vの直流電圧と、周波数8.0kHz、ピーク間電圧1.8kV、矩形波の交流電圧とを重畳した振動電圧である。そして、回転する現像スリーブ4bの面に薄層としてコーティングされ、現像部に搬送された現像剤中のトナーが、現像バイアスによる電界によって感光ドラム2の表面に静電潜像に対応して選択的に付着し、静電潜像がトナー画像として現像される。現像部を通過した現像スリーブ4b上の現像剤薄層は、引き続く現像スリーブ4bの回転に伴い現像容器4a内の現像剤溜り部に戻される。現像容器4a内の二成分現像剤のトナー濃度を、略一定の範囲内に維持するために、現像容器4a内の二成分現像剤のトナー濃度を、例えば、光学式トナー濃度センサ(図示せず)によって検知する。そして、その検知情報に応じてトナーホッパー4d内に配置されているトナー補給スクリュー4eの回転動作を制御することによって、現像容器4a内にトナーが補給される。トナーホッパー4dから現像容器4a内に補給されたトナーは、攪拌部材4cにより攪拌される。
本実施形態のトナー補給スクリュー4eは、図3に示すように、補給スクリュー動作時間が1sec当たり400mgのトナーが補給されるように制御されている。
本実施形態において、感光ドラム2に形成されたトナー像を中間転写ベルト16に転写する一次転写装置(転写手段)5は転写ローラである。一次転写ローラ5は、中間転写ベルト16を介して、感光ドラム2に所定の押圧力をもって圧接されている。一次転写ローラ5には電源S3からトナーの正規帯電極性である負極性とは逆極性である正極性の転写バイアス電圧(Vtr)が印加される。具体的には、一次転写ローラ5には電源S3から正極性の転写電圧+2kVが印加される。これにより、中間転写ベルト16の表面に感光ドラム2の表面側のトナー画像が順次に静電転写されていく。
また、本実施形態においては、ブラック現像装置の内部の現像剤中、及びトナーホッパーの内部の補給用トナー中に、トナーと逆極性に帯電する性質の研磨粒子を含有している。ここではトナーが負帯電極性であり、研磨粒子は正帯電極性を示すチタン酸ストロンチウムを用いている。本実施形態で用いているチタン酸ストロンチウムを具体的に説明すると、一次粒子の平均粒径が30nm以上300nm以下の範囲にあるもので、立方体状または直方体状の粒子形状をしていて、且つぺロブスカイト型結晶構造を成している。このような研磨粒子を用いた場合、特に表面硬度の高い感光ドラムを用いた場合においても、コロナ生成物を効果的に除去することができる。本実施形態では、研磨粒子の添加量はトナーに対して0.2重量%としている。
上述のように研磨粒子をトナーと逆極性に帯電させることによって、中間転写ベルト16上に転写される研磨粒子量を極力減らし、安定して研磨粒子をクリーニング装置6に供給することができる。研磨粒子は現像剤中に遊離していて、主に現像装置−感光ドラム間におけるかぶり取りバイアス(Vback電位)が発生したときに、現像スリーブ4bから感光ドラム2上に供給される。そして研磨粒子は感光ドラム2と一次転写ローラ5が対向する一次転写位置を通過後にクリーニング装置6のクリーニング部材6aに付着する。ここでは上記かぶり取りバイアス(Vback電位)は150Vである。
すなわち、現像装置(供給部)は、感光ドラムとクリーニング部材との当接部に対して研磨粒子もしくはトナーが供給可能である。また、クリーニング装置6のクリーニング部材6aは、感光ドラムに対して当接部にて当接することで前記感光ドラム上の転写残トナーを除去する。
図2に示したように、本実施例における画像形成ユニットは、感光ドラム、現像装置、トナー補給スクリューを動作させるための駆動モータM1、M2、M3を有している。そして、前述の電源S1、S2、S3と駆動モータM1、M2、M3の動作は制御装置(コントローラ)によって制御される。また本実施例ではトナー補給量を記憶するための記憶手段(メモリ)を有している。
上述した画像形成装置では、例えば単色画像形成時など、画像形成を行うユニットと画像形成を行わないユニットが発生する場合がある。この場合、画像形成を行わないユニットの感光ドラムを通常の画像形成時と同様に転写装置に当接させた状態で、感光ドラムを空回転することが行われている。この方法を用いることによって転写装置を感光ドラムに対して当接又は離間させる着脱機構などを設ける必要がないため、画像形成装置の小型化、低コスト化、更には高生産性を達成することができる。
ここで上記構成を採用している画像形成装置において、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成ユニットを用いたフルカラー画像形成において発生した問題を説明する。
ブラックの画像形成ユニットについては、前述したように現像剤中に研磨粒子を有するため、画像比率の低い画像形成を行うと現像装置から供給されクリーニング部材に付着する研磨粒子の量が多くなる。逆に、画像比率の高い画像形成を行うとクリーニング部材に付着する研磨粒子の量は少なくなる。なお、ここでいう画像比率とは、トナーによって形成される画像の比率である。
更にフルカラー画像形成の場合は、中間転写ベルトの移動方向において、ブラックの画像形成ユニットより上流側で形成されたトナー画像が、中間転写ベルトを介してブラックの画像形成ユニットの感光ドラムに再転写されてしまう。すなわち、第1画像形成部である画像形成ユニット1Y,1M,1Cが有する各感光ドラム(第1像担持体)で形成されたトナー像が、中間転写ベルトを介して第2画像形成部である画像形成ユニット1Bkの感光ドラム(第2像担持体)に再転写されてしまう。そして、その再転写トナーがクリーニング部材に付着している研磨粒子を剥ぎ取ってしまうという問題が発生した。
例えば、全ての画像形成ユニットにおいて画像比率の低い(例えば画像デューティー2%)画像形成を連続して多数行った場合、ブラックのクリーニング部材6aに研磨粒子が多量に供給される。更に、ブラックの画像形成ユニットより上流側で形成されたトナー画像は少ないため、ブラックの画像形成ユニットの感光ドラムに再転写される再転写トナーの量はごく微量である。このような場合、ブラックのクリーニング部材6aに研磨粒子を捕集しきれなくなり、研磨粒子が帯電ローラ3、感光ドラム2に多量に付着し、帯電ムラによる画像不良が発生してしまった。更に感光ドラムの表面を過剰に研磨してしまうことによって、感光ドラムの寿命低下が発生してしまった。
一方、全ての画像形成ユニットにおいて画像比率の高い(例えば画像デューティー30%以上)画像形成を連続して多数行った場合、ブラックの現像装置からクリーニング部材6aに供給される研磨粒子が少なくなる。更に、自身の画像形成ユニットの転写残トナーに加え再転写トナーの量も多量になるため、クリーニング部材6aに供給されるトナーの量が多くなる。そうしたトナーがクリーニング部材6aによって捕集された際に、クリーニング部材6aに付着していた研磨粒子がトナーに付着し、トナーと共にクリーニング部材6aから剥ぎ取られてしまう。そしてその結果、ブラックのクリーニング部材6aに付着している研磨粒子が枯渇して画像流れが発生してしまった。
更に、ブラックの画像形成ユニットにおいて通常の画像比率(例えば画像デューティー10%)で画像形成を行い、イエロー、マゼンタ、シアンの画像形成ユニットにおいて画像比率の高い(例えば画像デューティー40%)フルカラー画像形成を連続して行った。この場合、ブラック画像形成ユニットの現像装置からクリーニング部材に供給される研磨粒子の量は安定している。しかしながら、ブラックの画像形成ユニットより上流側で形成されたトナー画像は多いため、ブラックの画像形成ユニットの感光ドラムに再転写される再転写トナーの量は多量になる。そして、多量の再転写トナーはブラック画像形成ユニットのクリーニング部材に供給されるため、その結果ブラック画像形成ユニットのクリーニング部材6aに付着している研磨粒子が枯渇し画像流れが発生してしまった。
このようにフルカラー画像形成を行った場合、ブラックの画像形成ユニットに再転写トナーが混入することによって、ブラックのクリーニング部材に付着する研磨粒子の量が不安定になってしまうという問題が発生してしまった。
そこで、ここでは、ブラックの画像形成ユニットのトナー補給量に関する情報だけでなく、ブラックの画像形成ユニットより上流側の画像形成ユニットのトナー補給量に関する情報も用いて、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部に堆積する研磨粒子の量を制御している。以下に図4、図5、図6を用いて詳細を述べる。
前述したトナー補給量に関する情報とは、画像形成を所定枚数行ったとき(所定の印刷枚数毎)の現像装置へのトナーの補給量である。ここではトナー補給量として、トナーホッパー内に配置され、現像容器にトナーを補給するトナー補給スクリューの動作時間(回転時間)を用いている。このトナー補給量は記憶手段としてのメモリに記憶する。ここでは、前記メモリを画像形成ユニット毎に設けた構成を例示しているが、メモリの数及び配置はこれに限定されるものではない。例えば前記情報を記録するための1つのメモリを画像形成装置本体に設け、又は画像形成装置本体が有するメモリを利用して、そのメモリで前記各画像形成ユニットの情報を記憶するようにしても良い。
本実施形態では、以下のように、ブラックの画像形成ユニットのトナー補給量に加え、ブラックの画像形成ユニットよりも中間転写ベルトの移動方向上流側の画像形成ユニットのトナー補給量を検知する。そして、検知されたトナー補給量に応じて、ブラックの画像形成ユニットの現像装置が前記当接部に供給する研磨粒子量もしくはトナー量を制御する。具体的には、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進し、又は、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部に堆積した研磨粒子を除去する。なお、この制御は図2に示す制御装置(コントローラ)によって行われる。
詳しくは、コピースタート後、まずコピー枚数が所定枚数(ここでは500枚)に達したとき、メモリに記憶された500枚時点における、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの補給スクリュー動作時間を元に値T_totalを算出する。T_totalは、下記式1によって算出された値である。
T_total=T_bk+α×(T_y+T_m+T_c)・・・式1
上記式1において、T_bkは500枚時点におけるブラックの補給スクリュー動作時間である。同様に、T_yは500枚時点におけるイエローの補給スクリュー動作時間、T_mは500枚時点におけるマゼンタの補給スクリュー動作時間、T_cは500枚時点におけるシアンの補給スクリュー動作時間である。更にαは補正係数(ここでは0.2)である。
上記式1の補正係数αとは、本実施形態の画像形成装置におけるブラックの画像形成ユニットの再転写レベルと、再転写量に対するブラックのクリーニング部材に付着している研磨粒子の減少量の関係から、実験により求めた係数である。つまりこの補正係数は、ブラックの現像剤中の研磨粒子入れ目量、再転写レベル、クリーニング装置の構成等によって適宜決定されるものであり、前述した値に限定されるものではない。
前述した所定枚数毎の算出値T_totalに応じて、現像装置が供給する研磨粒子もしくはトナーの供給量を制御する。すなわち、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進する動作、又は、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部に堆積した研磨粒子を除去する動作を行う。
まずフルカラー画像形成について説明する。図4において、コピースタート後、コピー枚数が所定枚数(ここでは500枚)に達したとき(ステップS11)、メモリに記憶された500枚時点の値T_totalを上記式1により算出する。すなわち、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部に対する研磨粒子の供給量を算出する。そして、500枚時点における上記式1から算出された算出値T_totalが、T_total≦10となったかを判断する(ステップS12)。ここで、T_total≦10となった場合、上流側の画像形成ユニットで使用されるトナー量が所定量よりも少なく、ブラック画像形成ユニットの現像装置内の研磨粒子が所定量よりも多量にクリーニング部材へ供給されたと判断し、ステップS13に進む。そして、クリーニング部材に過剰に付着している研磨粒子を除去するために、図5に示すように、連続コピー中のブラック画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域(紙間)に所定のトナー画像を形成する。ここでは、ブラック画像形成ユニットの感光ドラムのうち、搬送されてくる記録材と記録材の間に対応する非画像領域で、所定の長さのトナー画像(ここでは290mm×15mmサイズのベタ黒横帯画像)を形成する。このように、画像形成時以外のタイミングで、ブラック画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域に所定のトナー画像を形成する。そして感光ドラムに形成した前記トナー画像を、転写バイアスをオフすることによって中間転写ベルトに転写することなく、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部に到達させる。これによって、クリーニング部材に貯まっている研磨粒子をトナーに付着させ、トナーと共にクリーニング部材から研磨粒子を除去する(ステップS13)。
一方、コピー枚数が500枚に達したとき、メモリに記憶された500枚時点の算出値T_totalがT_total≦10でなかった場合は、ステップS14に進み、算出値T_totalがT_total≧100となったかを判断する。ここで、T_total≧100となった場合、上流側の画像形成ユニットで使用されるトナー量が所定量よりも多く、ブラック画像形成ユニットのクリーニング部材に付着している研磨粒子の量が不足していると判断し、ステップS15に進む。そして、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進するために、図6に示すように、連続コピー中のブラック画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域(紙間)で、かぶり取りバイアス(Vback)を、基準となる通常の画像形成時よりも大きくする。ここでは、かぶり取りバイアス(Vback)を150Vから200Vへアップさせる。これによって、ブラック画像形成ユニットより上流側の画像形成ユニットで使用されるトナー量が所定量よりも少ない場合に比べて、現像装置が供給する研磨粒子量を多くし、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進させる(ステップS15)。
このように、所定の印刷枚数毎のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック全てのトナー補給量の情報をもとに、ブラック画像形成ユニットのクリーニング部材に付着している研磨粒子の量を判断し、それが一定に保たれるようにしている。その結果、第1画像形成ユニットから再転写される現像剤によって第2画像形成ユニットのクリーニング部材に供給される研磨粒子の量が不安定化することを抑制することができる。これにより、画像スジ、画像流れなどの画像不良が発生しない画像形成装置を提供することができる。
尚、ブラック単色の画像形成においては、前述のように画像形成を行わないユニットの感光ドラムを通常の画像形成時と同様に転写装置に当接させた状態で、感光ドラムを空回転することが行われている。このため、ブラック単色の画像形成中においては再転写トナーは発生しない。このため、ブラックの画像形成ユニット自身におけるトナー補給量の情報に応じて、クリーニング装置への研磨粒子の供給、またはクリーニング装置に捕集されている研磨粒子の除去、を行うこととした。以下に図4、図5、図6を用いて詳細を述べる。
ここでブラック単色の画像形成について説明する。図4において、コピースタート後、コピー枚数が所定枚数(ここでは500枚)に達したとき(ステップS11)、メモリに記憶された500枚時点の値T_totalを上記式1により算出する。すなわち、クリーニング手段に対する研磨粒子の供給量を算出する。ここでは、ブラック単色のため、積算値T_totalは、ブラックの補給スクリュー動作時間のみとなる。そして、500枚時点におけるブラックの補給スクリュー動作時間の積算値T_totalが、T_total≦10となったかを判断する(ステップS12)。ここで、T_total≦10となった場合、現像装置内の研磨粒子が所定量よりも多量にクリーニング部材へ供給されたと判断し、ステップS13に進む。そして、クリーニング部材に過剰に付着している研磨粒子を除去するために、図5に示すように、連続コピー中のブラック画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域(紙間)に所定のトナー画像を形成する。ここでは、ブラック画像形成ユニットの感光ドラムのうち、搬送されてくる記録材と記録材の間に対応する非画像領域で、所定の長さのトナー画像(ここでは290mm×15mmサイズのベタ黒横帯画像)を形成する。このように、画像形成時以外のタイミングで、ブラック画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域に所定のトナー画像を形成する。そして感光ドラムに形成したトナー画像を、転写バイアスをオフすることによって中間転写ベルトに転写することなく、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部に到達させる。これによって、クリーニング部材に貯まっている研磨粒子をトナーに付着させ、トナーと共にクリーニング部材から研磨粒子を除去する(ステップS13)。
一方、コピー枚数が500枚に達したとき、メモリに記憶された500枚時点の算出値T_totalがT_total≦10でなかった場合は、ステップS14に進み、算出値T_totalがT_total≧100となったかを判断する。ここで、T_total≧100となった場合、クリーニング部材に付着している研磨粒子の量が不足していると判断し、ステップS15に進む。そして、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進するために、図6に示すように、連続コピー中のブラック画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域(紙間)で、かぶり取り電位(Vback)を150Vから200Vへアップさせる。これによって、現像装置が供給する研磨粒子量を多くし、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進させる(ステップS15)。
尚、本実施例のステップ15では、T_totalに基いて研磨粒子の供給量を制御しているが、ブラック画像形成ユニットが形成するトナー量T_bkを固定値として考えた場合、以下のような制御を実行しているとみなすこともできる。
即ち、コントローラは、ブラック画像形成ユニットよりも上流側の画像形成ユニットが形成するトナー量の総和(T_y+T_m+T_c)が所定の上限値(100−T_bk)/αを越えた場合に、研磨粒子の供給量を多くなるように研磨粒子の供給量を制御する。
このとき、コントローラは、所定画像形成枚数あたりにブラック画像形成ユニットが形成するトナー量T_bkが大きい値ほど、ブラック画像形成ユニットに研磨粒子を追加補給する閾値である所定の上限値(100−T_bk)/αを小さい値に変更可能としている。同様に、コントローラは、ブラック画像形成ユニットよりも上流側の画像形成ユニットが形成するトナー量の総和(T_y+T_m+T_c)が所定の下限値(10−T_bk)/α以下の場合に、当接部に供給するトナー量が多くなるように制御している。
このように、ブラック単色の画像形成においては、所定の印刷枚数毎にブラックのみのトナー補給量の情報をもとに、ブラック画像形成ユニットのクリーニング部材に付着している研磨粒子の量を判断し、それが一定に保たれるようにしている。その結果、第2画像形成ユニットのクリーニング部材に供給される研磨粒子の量が不安定化することを抑制することができる。これにより、画像スジ、画像流れなどの画像不良が発生しない画像形成装置を提供することができる。
尚、本実施形態においては、研磨粒子の供給/除去動作を紙間(感光ドラムの非画像領域)で行っているが、これに限定されるものではない。例えば、画像形成時以外のタイミングであれば、コピージョブ開始時の前回転時、またはコピージョブ終了後の後回転時、更にはコピージョブ中に画像形成動作を一時停止して研磨粒子の供給/除去動作を行ってもよい。
また本実施形態においては、所定の印刷枚数毎に研磨粒子の供給/除去動作を行うか否かの判断を行っているが、これに限定されるものではない。例えば、所定の条件毎であれば、各コピージョブ終了毎のトナー補給量の積算結果から、クリーニング部材に堆積している研磨粒子の量を判断し、その後必要に応じて研磨粒子の供給/除去動作を行っても良い。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について説明する。尚、本実施の形態における画像形成プロセスは、前述した第1実施形態とほぼ同一であるため、重複する説明は適宜省略する。
前述したように第1実施形態では、クリーニング部材に付着している研磨粒子の量が不足しているときは、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進させるために、以下のようにしている。すなわち、感光ドラムの非画像領域(紙間)のかぶり取り電位(Vback)を通常の画像形成時の150Vから200Vへアップさせている。
本実施形態では、これに加えて、クリーニング部材への研磨粒子の供給を更に促進させるために、感光ドラムの非画像領域における現像バイアスのピーク間電圧を、通常の画像形成時の1.8kVppから2.2kVppへとアップさせている。以下に図4、図5、図6、図7を用いて詳細を述べる。
まずフルカラー画像形成について説明する。図4において、コピースタート後、コピー枚数が所定枚数(ここでは500枚)に達したとき(ステップS11)、メモリに記憶された500枚時点の値T_totalを上記式1により算出する。すなわち、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部に対する研磨粒子の供給量を算出する。そして、500枚時点における上記式1から算出された算出値T_totalが、T_total≦10となったを判断する(ステップS12)。ここで、T_total≦10となった場合、上流側の画像形成ユニットで使用されるトナー量が所定量より少なく、ブラック画像形成ユニットの現像装置内の研磨粒子が所定量よりも多量にクリーニング部材へ供給されたと判断し、ステップS13に進む。そして、クリーニング部材に過剰に付着している研磨粒子を除去するために、図5に示すように、連続コピー中のブラック画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域(紙間)に所定のトナー画像を形成する。ここでは、ブラック画像形成ユニットの感光ドラムのうち、搬送されてくる記録材と記録材の間に対応する非画像領域で、所定の長さのトナー画像(ここでは290mm×15mmサイズのベタ黒横帯画像)を形成する。このように、画像形成時以外のタイミングで、ブラック画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域に所定のトナー画像を形成する。そして感光ドラムに形成した前記トナー画像を、転写バイアスをオフすることによって中間転写ベルトに転写することなく、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部に到達させる。これによって、クリーニング部材に貯まっている研磨粒子をトナーに付着させ、トナーと共にクリーニング部材から研磨粒子を除去する(ステップS13)。
一方、コピー枚数が500枚に達したとき、メモリに記憶された500枚時点の算出値T_totalがT_total≦10でなかった場合は、ステップS14に進み、算出値T_totalがT_total≧100となったかを判断する。ここで、T_total≧100となった場合、上流側の画像形成ユニットで使用されるトナー量が所定量よりも多く、ブラック画像形成ユニットのクリーニング部材に付着している研磨粒子の量が不足していると判断し、ステップS15に進む。そして、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進するために、図6に示すように、連続コピー中のブラック画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域(紙間)で、かぶり取り電位(Vback)を150Vから200Vへアップさせる。更に図7に示すように、前記感光ドラムの非画像領域(紙間)における現像バイアスのピーク間電圧を、通常の画像形成時の1.8kVppから2.2kVppへとアップさせる。これによって、ブラック画像形成ユニットより上流側の画像形成ユニットで使用されるトナー量が所定量よりも少ない場合に比べて、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部への研磨粒子の供給を更に促進させる(ステップS15)。
次にブラック単色の画像形成について説明する。図4において、コピースタート後、コピー枚数が所定枚数(ここでは500枚)に達したとき(ステップS11)、メモリに記憶された500枚時点の値T_totalを上記式1により算出する。すなわち、クリーニング手段に対する研磨粒子の供給量を算出する。ここでは、ブラック単色のため、積算値T_totalは、ブラックの補給スクリュー動作時間のみとなる。そして、500枚時点におけるブラックの補給スクリュー動作時間の積算値T_totalが、T_total≦10となったかを判断する(ステップS12)。ここで、T_total≦10となった場合、現像装置内の研磨粒子が所定量よりも多量にクリーニング部材へ供給されたと判断し、ステップS13に進む。そして、クリーニング部材に過剰に付着している研磨粒子を除去するために、図5に示すように、連続コピー中のブラック画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域(紙間)に所定のトナー画像を形成する。ここでは、ブラック画像形成ユニットの感光ドラムのうち、搬送されてくる記録材と記録材の間に対応する非画像領域で、所定の長さのトナー画像(ここでは290mm×15mmサイズのベタ黒横帯画像)を形成する。このように、画像形成時以外のタイミングで、ブラック画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域に所定のトナー画像を形成する。そして感光ドラムに形成したトナー画像を、転写バイアスをオフすることによって中間転写ベルトに転写することなく、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部に到達させる。これによって、クリーニング部材に貯まっている研磨粒子をトナーに付着させ、トナーと共にクリーニング部材から研磨粒子を除去する(ステップS13)。
一方、コピー枚数が500枚に達したとき、メモリに記憶された500枚時点の算出値T_totalがT_total≦10でなかった場合は、ステップS14に進み、算出値T_totalがT_total≧100となったかを判断する。ここで、T_total≧100となった場合、クリーニング部材に付着している研磨粒子の量が不足していると判断し、ステップS15に進む。そして、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進するために、図6に示すように、連続コピー中のブラック画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域(紙間)で、かぶり取り電位(Vback)を150Vから200Vへアップさせる。更に図7に示すように、前記感光ドラムの非画像領域における現像バイアスのピーク間電圧を、通常の画像形成時の1.8kVppから2.2kVppへとアップさせる。これによって、現像装置が供給する研磨粒子量を多くし、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進させる(ステップS15)。
このように本実施形態では、クリーニング部材に付着している研磨粒子が不足しているとき、現像装置からの研磨粒子の供給を更に促進させるために、非画像領域のかぶり取り電位(Vback)を150Vから200Vへアップさせている。更に、これに加えて、非画像領域における現像バイアスのピーク間電圧を1.8kVppから2.2kVppへとアップさせている。その結果、第1画像形成ユニットから再転写される現像剤によって第2画像形成ユニットのクリーニング部材に供給される研磨粒子の量が不安定化することを更に抑制することができる。これにより、画像スジ、画像流れなどの画像不良が発生しない画像形成装置を提供することができる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態について説明する。尚、本実施の形態における画像形成プロセスは、前述した第1及び第2実施形態とほぼ同一であるため、重複する説明は適宜省略する。
第1及び第2実施形態では、所定の印刷枚数毎のトナー補給量の情報をもとに、クリーニング部材に対する研磨粒子の供給/除去動作を行うか否かの判断していた。
本実施形態では、コピージョブ開始時に得られた画像信号からジョブ毎の平均画像デューティーを算出し、この算出結果をもとに、ジョブ中における研磨粒子の供給/除去動作を行うか否かの判断を行うこととした。
本実施形態における画像形成装置は、CCD等で読み取った画像信号の画像濃度のビデオカウント数からトナー消費量を予測できる、所謂ビデオカウント方式を採用している。つまり、画像信号処理回路の出力信号のレベルが画素毎にカウントされ、このカウント数が原稿紙サイズの画素分積算されることにより、原稿1枚当たりのビデオカウント数Tが求まるようになっている。例えばA4サイズ、1枚最大ビデオカウント数Tは400dpi、256階調で3884×106である。このビデオカウント数とコピー枚数の積算から、一回のジョブ当たりの平均画像デューティー(平均画像比率)Jが算出される。
そこで、ここでは、ブラックの画像形成ユニットの平均画像デューティーに関する情報だけでなく、ブラックの画像形成ユニットより上流側の画像形成ユニットの平均画像デューティーに関する情報も用いて、トナーもしくは研磨粒子の供給量を制御する。以下に図5、図6、図8を用いて詳細を述べる。
ここでは、画像信号に基づく画像比率に関する情報として、前述したように、ジョブ開始時に得られた画像信号から算出したジョブ毎の平均画像比率(平均画像デューティー)を例示しているが、前記情報はこれに限定されるものではない。この平均画像デューティーは記憶手段としてのメモリに記憶する。ここでは、前記メモリを画像形成ユニット毎に設けた構成を例示しているが、メモリの数はこれに限定されるものではなく、例えば1つのメモリで複数の画像形成ユニットの情報を記憶するようにしても良い。
本実施形態では、以下のように、常に安定した量の研磨粒子をクリーニング装置に付着させるようにしている。具体的には、ブラックの画像形成ユニットにおける平均画像デューティーに加え、ブラックの画像形成ユニットよりも中間転写ベルトの移動方向上流側の画像形成ユニットにおける平均画像デューティーを検知する。そして、該検知結果に応じて、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部に供給する研磨粒子量もしくはトナー量を制御する。具体的には、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進し、又は、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部に堆積した研磨粒子を除去する。なお、この制御は図2に示す制御装置(コントローラ)によって行われる。
詳しくは、コピースタート後、まずコピー枚数が所定枚数(ここでは500枚)に達したとき、メモリに記憶された500枚時点における、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの平均画像デューティーを元に値J_totalを算出する。J_totalは、下記式2によって算出された値である。
J_total=J_bk+α×(J_y+J_m+J_c)・・・式2
上記式2において、J_bkは500枚時点におけるブラックの平均画像デューティーである。同様に、J_yは500枚時点におけるイエローの平均画像デューティー、J_mは500枚時点におけるマゼンタの平均画像デューティー、J_cは500枚時点におけるシアンの平均画像デューティーである。更にαは補正係数(ここでは0.2)である。
上記式2の補正係数αは、式1と同様に、本実施形態の画像形成装置におけるブラックの画像形成ユニットの再転写レベルと、再転写量に対するブラックのクリーニング部材に付着している研磨粒子の減少量の関係から、実験により求めた係数である。つまりこの補正係数は、ブラックの現像剤中の研磨粒子入れ目量、再転写レベル、クリーニング装置の構成等によって適宜決定されるものであり、前述した値に限定されるものではない。
前述した所定枚数毎のJ_totalに応じて、現像装置が供給する研磨粒子もしくはトナーの供給量を制御する。すなわち、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進する動作、又は、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部に堆積した研磨粒子を除去する動作を行う。
まずフルカラー画像形成について説明する。図8において、コピースタート後、コピー枚数が所定枚数(ここでは500枚)に達したとき(ステップS21)、メモリに記憶された500枚時点の値J_totalを上記式2により算出する。すなわち、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部に対する研磨粒子の供給量を算出する。そして、500枚時点における上記式2から算出された算出値J_totalが、J_total≦2となったかを判断する(ステップS22)。ここで、J_total≦2となった場合、上流側の画像形成ユニットで使用されるトナー量が所定量よりも少なく、ブラック画像形成ユニットの現像装置内の研磨粒子が所定量よりも多量にクリーニング部材へ供給されたと判断し、ステップS23に進む。そして、クリーニング部材に過剰に付着している研磨粒子を除去するために、図5に示すように、連続コピー中のブラック画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域(紙間)に所定のトナー画像を形成する。ここでは、ブラック画像形成ユニットの感光ドラムのうち、搬送されてくる記録材と記録材の間に対応する非画像領域で、所定の長さのトナー画像(ここでは290mm×15mmサイズのベタ黒横帯画像)を形成する。このように、画像形成時以外のタイミングで、ブラック画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域に所定のトナー画像を形成する。そして感光ドラムに形成したトナー画像を、転写バイアスをオフすることによって中間転写ベルトに転写することなく、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部に到達させる。これによって、クリーニング部材に貯まっている研磨粒子をトナーに付着させ、トナーと共にクリーニング部材から研磨粒子を除去する(ステップS23)。
一方、コピー枚数が500枚に達したとき、メモリに記憶された500枚時点の算出値J_totalがJ_total≦2でなかった場合は、ステップS24に進み、算出値J_totalがJ_total≧30となったかを判断する。ここで、J_total≧30となった場合、上流側の画像形成ユニットで使用されるトナー量が所定量よりも多く、ブラック画像形成ユニットのクリーニング部材に付着している研磨粒子の量が不足していると判断し、ステップS25に進む。そして、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進するために、図6に示すように、連続コピー中のブラック画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域(紙間)で、かぶり取り電位(Vback)を150Vから200Vへアップさせる。これによって、ブラック画像形成ユニットより上流側の画像形成ユニットで使用されるトナー量が所定量よりも少ない場合に比べて、現像装置が供給する研磨粒子量を多くし、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進させる(ステップS25)。
このように、所定の印刷枚数毎にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック全ての平均画像デューティーの情報をもとに、ブラック画像形成ユニットのクリーニング部材に付着している研磨粒子の量を判断し、それが一定に保たれるようにしている。その結果、第1画像形成部から再転写される現像剤によって第2画像形成部のクリーニング部材に供給される研磨粒子の量が不安定化することを抑制することができる。これにより、画像スジ、画像流れなどの画像不良が発生しない画像形成装置を提供することができる。
次にブラック単色の画像形成について説明する。図8において、コピースタート後、コピー枚数が所定枚数(ここでは500枚)に達したとき(ステップS21)、メモリに記憶された500枚時点の値J_totalを上記式2により算出する。すなわち、クリーニング手段に対する研磨粒子の供給量を算出する。ここでは、ブラック単色のため、積算値J_totalは、ブラックの平均画像デューティーのみとなる。そして、500枚時点におけるブラックの平均画像デューティーJ_totalが、J_total≦10となったかを判断する(ステップS22)。ここで、J_total≦10となった場合、現像装置内の研磨粒子が所定量よりも多量にクリーニング部材へ供給されたと判断し、ステップS23に進む。そして、クリーニング部材に過剰に付着している研磨粒子を除去するために、図5に示すように、連続コピー中のブラック画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域(紙間)に所定のトナー画像を形成する。ここでは、ブラック画像形成ユニットの感光ドラムのうち、搬送されてくる記録材と記録材の間に対応する非画像領域で、所定の長さのトナー画像(ここでは290mm×15mmサイズのベタ黒横帯画像)を形成する。このように、画像形成時以外のタイミングで、ブラック画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域に所定のトナー画像を形成する。そして感光ドラムに形成したトナー画像を、転写バイアスをオフすることによって中間転写ベルトに転写することなく、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部に到達させる。これによって、クリーニング部材に貯まっている研磨粒子をトナーに付着させ、トナーと共にクリーニング部材から研磨粒子を除去する(ステップS23)。
一方、コピー枚数が500枚に達したとき、メモリに記憶された500枚時点の算出値J_totalがJ_total≦2でなかった場合は、ステップS24に進み、算出値J_totalがJ_total≧30となったかを判断する。ここで、J_total≧30の場合、クリーニング部材に付着している研磨粒子の量が不足していると判断し、ステップS25に進む。そして、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進するために、図6に示すように、連続コピー中のブラック画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域(紙間)で、かぶり取り電位(Vback)を150Vから200Vへアップさせる。これによって、現像装置が供給する研磨粒子量を多くし、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進させる(ステップS25)。
このように、コピージョブ開始時に得られた画像信号からジョブ毎の1枚あたりの平均画像デューティーを算出し、この算出結果をもとに、ブラック画像形成ユニットのクリーニング部材に付着している研磨粒子の量を判断し、それが一定に保たれるようにしている。その結果、第2画像形成部のクリーニング部材に供給される研磨粒子の量が不安定化することを抑制することができる。これにより、画像スジ、画像流れなどの画像不良が発生しない画像形成装置を提供することができる。
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態について説明する。尚、本実施の形態における画像形成プロセスは、前述した第1乃至第3実施形態とほぼ同一であるため、重複する説明は適宜省略する。
本実施形態においては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック全てにおいて、前述の光(電子線)硬化型樹脂を用いた感光ドラムを搭載し、且つ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック全てにおいて、トナー中に研磨粒子を0.2重量%含有している。本実施例では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の4つの画像形成ユニットのうち、任意の画像形成ユニットを第2画像形成部とみなすことができる。そして、第1画像形成部は、第2画像形成部よりも上流側に配置された画像形成ユニット全てとみなすことができる。具体的には、マゼンタ(M)の画像形成ユニットを第2画像形成部とみなした場合、第1画像形成部は、イエロー(Y)の画像形成ユニットとなる。
ここでイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成ユニットを用いた、フルカラー画像形成において発生した問題を説明する。
本実施形態において、例えば全ての画像形成ユニットにおいて画像比率の低い(例えば画像デューティー2%)画像形成を連続して多数行った場合、各画像形成ユニットのクリーニング装置6に研磨粒子が多量に供給される。それによってクリーニング装置6に研磨粒子を捕集しきれなくなり、研磨粒子が帯電ローラ3、感光ドラム2に多量に付着し、帯電ムラによる画像不良が発生してしまった。更に感光ドラム表面を過剰に研磨してしまうことによって、感光ドラムの寿命低下が発生してしまった。
この場合は特に、全ての画像形成ユニットの画像比率が低いため、各画像形成ユニットの現像装置から供給される研磨粒子の量が多くなる。その結果、中間転写ベルトの移動方向下流側の画像形成ユニットほど、中間転写ベルトを介して再転写される研磨粒子の量が増える。これによって、下流側の画像形成ユニットほど、クリーニング装置6に付着する研磨粒子の量が多くなってしまった。
更に、イエロー、マゼンタ、ブラックの画像形成ユニットにおいて通常の画像比率(例えば画像デューティー5%)で画像形成を行い、シアンの画像形成ユニットは画像比率の低い(例えば画像デューティー1%)フルカラー画像形成を連続して行った。この場合、ブラックの現像装置からクリーニング部材に供給される研磨粒子の量は安定しているにも関わらず、シアンの画像形成ユニットから発生した研磨粒子が一部再転写することによってブラックのクリーニング部材に供給された。その結果ブラックのクリーニング装置6に付着する研磨粒子の量が多くなってしまった。
このようにフルカラー画像形成を行った場合、各画像形成ユニットに再転写した研磨粒子が混入することによって、各色のクリーニング部材に付着する研磨粒子の量が増加してしまうという問題が発生してしまった。
一方、全ての画像形成ユニットにおいて画像比率の高い(例えば画像デューティー30%以上)画像形成を連続して多数行った。この場合、第1乃至第3実施形態のように上流側の画像形成ユニットに研磨粒子が含まれていない場合においては、再転写トナーによってクリーニング部材における研磨粒子の付着量が減少してしまうことが発生した。しかしながら、本実施形態のように、上流側の画像形成ユニットにも研磨粒子が含まれる場合、研磨粒子はトナーと逆極性のため再転写が発生しやすい。更に、これに加えて、再転写トナーにも研磨粒子が付着している。このため、再転写トナーによってクリーニング部材における研磨粒子の付着量が減少してしまう現象は見られなかった。
そこで、ここでは、自身の画像形成ユニットのトナー補給量に関する情報だけでなく、自身の画像形成ユニットより上流側の画像形成ユニットのトナー補給量に関する情報も用いて、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部へ供給する研磨粒子の量を制御している。以下に図5、図6、図9、図10、図11、図12を用いて詳細を述べる。
前述したトナー補給量に関する情報とは、画像形成を所定枚数行ったとき(所定の印刷枚数毎)の現像装置へのトナーの補給量である。ここではトナー補給量として、トナーホッパー内に配置され、現像容器にトナーを補給するトナー補給スクリューの動作時間(回転時間)を用いている。このトナー補給量は記憶手段としてのメモリに記憶する。ここでは、前記メモリを画像形成ユニット毎に設けた構成を例示しているが、メモリの数はこれに限定されるものではなく、例えば1つのメモリで複数の画像形成ユニットの情報を記憶するようにしても良い。
本実施形態では、以下のように、自身の画像形成ユニットのトナー補給量に加え、自身の画像形成ユニットよりも中間転写ベルトの移動方向上流側の画像形成ユニットのトナー補給量を検知する。そして各ユニットのトナー補給量に応じて、自身の画像形成ユニットの現像装置が前記当接部に供給する研磨粒子量もしくはトナー量を制御する。具体的には、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進し、又は、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部に堆積した研磨粒子を除去する。なお、この制御は図2に示す制御装置(コントローラ)によって行われる。
まずフルカラー画像形成時について説明する。コピースタート後、まずコピー枚数が所定枚数(ここでは500枚)に達したとき、メモリに記憶された500枚時点における、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー補給量の積算値を算出する。各積算値T_y_total、T_m_total、T_c_total、T_bk_totalは、下記式3、4、5、6によってそれぞれ算出された値である。
T_y_total=T_y ・・・式3
T_m_total=T_y+T_m ・・・式4
T_c_total=T_y+T_m+T_c ・・・式5
T_bk_total=T_y+T_m+T_c+T_bk・・・式6
上記式3、4、5、6において、T_yは500枚時点におけるイエローの補給スクリュー動作時間である。同様に、T_mは500枚時点におけるマゼンタの補給スクリュー動作時間、T_cは500枚時点におけるシアンの補給スクリュー動作時間、T_bkは500枚時点におけるブラックの補給スクリュー回転時間である。
前述した所定枚数毎の各算出値T_y_total、T_m_total、T_c_total、T_bk_totalに応じて、現像装置が供給する研磨粒子もしくはトナーの供給量を制御する。すなわち、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進する動作を行う。又は、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部に堆積した研磨粒子を除去する動作を行う。
まずイエローの画像形成ユニットについて説明する。図9において、コピースタート後、コピー枚数が所定枚数(ここでは500枚)に達したとき(ステップS31)、メモリに記憶された500枚時点の値T_y_totalを上記式3により算出する。すなわち、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部に対する研磨粒子の供給量を算出する。そして、500枚時点における上記式3から算出された算出値T_y_totalが、T_y_total≦10となったかを判断する(ステップS32)。ここで、T_y_total≦10となった場合、イエロー画像形成ユニットの現像装置内の研磨粒子が所定量よりも多量にクリーニング部材へ供給されたと判断し、ステップS33に進む。
そして、クリーニング部材に過剰に付着している研磨粒子を除去するために、図5に示すように、連続コピー中のイエロー画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域(紙間)に所定のトナー画像をに形成する。ここでは、イエロー画像形成ユニットの感光ドラムのうち、搬送されてくる記録材と記録材の間に対応する非画像領域で、所定の長さのトナー画像(ここでは290mm×15mmサイズのベタ黒横帯画像)を形成する。
このように、画像形成時以外のタイミングで、イエロー画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域に所定のトナー画像を形成する。そして感光ドラムに形成した前記トナー画像を、転写バイアスをオフすることによって中間転写ベルトに転写することなく、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部に到達させる。これによって、クリーニング部材に貯まっている研磨粒子をトナーに付着させ、トナーと共にクリーニング部材から研磨粒子を除去する(ステップS33)。
一方、コピー枚数が500枚に達したとき、メモリに記憶された500枚時点の算出値T_y_totalがT_y_total≦10でなかった場合は、ステップS34に進む。そして、算出値T_y_totalがT_y_total≧100となったかを判断する。ここで、T_y_total≧100となった場合、クリーニング部材に付着している研磨粒子の量が不足していると判断し、ステップS35に進む。そして、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進するために、図6に示すように、連続コピー中のイエロー画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域(紙間)で、かぶり取り電位(Vback)を150Vから200Vへアップさせる。これによって、現像装置が供給する研磨粒子量を多くし、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進させる(ステップS35)。
次にマゼンタの画像形成ユニットについて説明する。図10において、コピースタート後、コピー枚数が所定枚数(ここでは500枚)に達したとき(ステップS41)、メモリに記憶された500枚時点の値T_m_totalを上記式4により算出する。すなわち、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部に対する研磨粒子の供給量を算出する。そして、500枚時点における上記式4から算出された算出値T_m_totalが、T_m_total≦20となったかを判断する(ステップS42)。ここで、T_m_total≦20となった場合、上流側の画像形成ユニットで使用されるトナー量が所定量よりも少なく、マゼンタ画像形成ユニットの現像装置内の研磨粒子が所定量よりも多量にクリーニング部材へ供給されたと判断し、ステップS43に進む。
ここで、T_m_total≦10ではなくT_m_total≦20とイエローステーションの研磨粒子の供給開始の下限値よりもマゼンタステーションの研磨粒子の供給開始の下限値を大きくしている。この理由は、再転写トナーに研磨粒子が含まれていると考えられるためであり、研磨粒子の供給開始の閾値を、自身のステーションよりも上流側のステーションよりも高めに設定している。
そして、クリーニング部材に過剰に付着している研磨粒子を除去するために、図5に示すように、連続コピー中のマゼンタ画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域(紙間)に所定のトナー画像を形成する。ここでは、マゼンタ画像形成ユニットの感光ドラムのうち、搬送されてくる記録材と記録材の間に対応する非画像領域で、所定の長さのトナー画像(ここでは290mm×15mmサイズのベタ黒横帯画像)を形成する。
このように、画像形成時以外のタイミングで、マゼンタ画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域に所定のトナー画像を形成する。そして感光ドラムに形成した前記トナー画像を、転写バイアスをオフすることによって中間転写ベルトに転写することなく、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部に到達させる。これによって、クリーニング部材に貯まっている研磨粒子をトナーに付着させ、トナーと共にクリーニング部材から研磨粒子を除去する(ステップS43)。
一方、コピー枚数が500枚に達したとき、メモリに記憶された500枚時点の算出値T_m_totalがT_m_total≦20でなかった場合は、ステップS44に進み、算出値T_m_totalがT_m_total≧100となったかを判断する。ここで、T_m_total≧100となった場合、上流側の画像形成ユニットで使用されるトナー量が所定量よりも多く、マゼンタ画像形成ユニットのクリーニング部材に付着している研磨粒子の量が不足していると判断し、ステップS45に進む。そして、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進するために、図6に示すように、連続コピー中のマゼンタ画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域(紙間)で、かぶり取り電位(Vback)を150Vから200Vへアップさせる。これによって、マゼンタ画像形成ユニットより上流側の画像形成ユニットで使用されるトナー量が所定量よりも少ない場合に比べて、現像装置が供給する研磨粒子量を多くし、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進させる(ステップS45)。
次にシアンの画像形成ユニットについて説明する。図11において、コピースタート後、コピー枚数が所定枚数(ここでは500枚)に達したとき(ステップS51)、メモリに記憶された500枚時点の値T_c_totalを上記式5により算出する。すなわち、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部に対する研磨粒子の供給量を算出する。そして、500枚時点における上記式5から算出された算出値T_c_totalが、T_c_total≦30となったかを判断する(ステップS52)。
ここで、T_c_total≦30となった場合、上流側の画像形成ユニットで使用されるトナー量が所定量よりも少なく、シアン画像形成ユニットの現像装置内の研磨粒子が所定量よりも多量にクリーニング部材へ供給されたと判断し、ステップS53に進む。そして、クリーニング部材に過剰に付着している研磨粒子を除去するために、図5に示すように、連続コピー中のシアン画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域(紙間)に所定のトナー画像を形成する。ここでは、シアン画像形成ユニットの感光ドラムのうち、搬送されてくる記録材と記録材の間に対応する非画像領域で、所定の長さのトナー画像(ここでは290mm×15mmサイズのベタ黒横帯画像)を形成する。
このように、画像形成時以外のタイミングで、シアン画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域に所定のトナー画像を形成する。そして感光ドラムに形成した前記トナー画像を、転写バイアスをオフすることによって中間転写ベルトに転写することなく、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部に到達させる。これによって、クリーニング部材に貯まっている研磨粒子をトナーに付着させ、トナーと共にクリーニング部材から研磨粒子を除去する(ステップS53)。
一方、コピー枚数が500枚に達したとき、メモリに記憶された500枚時点の算出値T_c_totalがT_c_total≦30でなかった場合は、ステップS54に進み、算出値T_c_totalがT_c_total≧100となったかを判断する。ここで、T_c_total≧100となった場合、上流側の画像形成ユニットで使用されるトナー量が所定量よりも多く、シアン画像形成ユニットのクリーニング部材に付着している研磨粒子の量が不足していると判断し、ステップS55に進む。そして、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進するために、図6に示すように、連続コピー中のシアン画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域(紙間)で、かぶり取り電位(Vback)を150Vから200Vへアップさせる。これによって、シアン画像形成ユニットより上流側の画像形成ユニットで使用されるトナー量が所定量よりも少ない場合に比べて、現像装置が供給する研磨粒子量を多くし、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進させる(ステップS55)。
次にブラックの画像形成ユニットについて説明する。図12において、コピースタート後、コピー枚数が所定枚数(ここでは500枚)に達したとき(ステップS61)、メモリに記憶された500枚時点の値T_bk_totalを上記式6により算出する。すなわち、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部に対する研磨粒子の供給量を算出する。そして、500枚時点における上記式6から算出された算出値T_bk_totalが、T_bk_total≦40となったかを判断する(ステップS62)。ここで、T_bk_total≦40となった場合、上流側の画像形成ユニットで使用されるトナー量が所定量よりも少なく、ブラック画像形成ユニットの現像装置内の研磨粒子が所定量よりも多量にクリーニング部材へ供給されたと判断し、ステップS63に進む。そして、クリーニング部材に過剰に付着している研磨粒子を除去するために、図5に示すように、連続コピー中のブラック画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域(紙間)に所定のトナー画像を形成する。ここでは、ブラック画像形成ユニットの感光ドラムのうち、搬送されてくる記録材と記録材の間に対応する非画像領域で、所定の長さのトナー画像(ここでは290mm×15mmサイズのベタ黒横帯画像)を形成する。このように、画像形成時以外のタイミングで、ブラック画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域に所定のトナー画像を形成する。そして感光ドラムに形成したトナー画像を、転写バイアスをオフすることによって中間転写ベルトに転写することなく、クリーニング部材と感光ドラムとの当接部に到達させる。これによって、クリーニング部材に貯まっている研磨粒子をトナーに付着させ、トナーと共にクリーニング部材から研磨粒子を除去する(ステップS63)。
一方、コピー枚数が500枚に達したとき、メモリに記憶された500枚時点の算出値T_bk_totalがT_bk_total≦40でなかった場合は、ステップS64に進み、算出値T_bk_totalがT_bk_total≧100となったかを判断する。ここで、T_bk_total≧100となった場合、上流側の画像形成ユニットで使用されるトナー量が所定量よりも多く、ブラック画像形成ユニットのクリーニング部材に付着している研磨粒子量が不足していると判断し、ステップS65に進む。そして、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進するために、図6に示すように、連続コピー中のブラック画像形成ユニットにおける感光ドラムの非画像領域(紙間)で、かぶり取り電位(Vback)を150Vから200Vへアップさせる。これによって、ブラック画像形成ユニットより上流側の画像形成ユニットで使用されるトナー量が所定量よりも少ない場合に比べて、現像装置が供給する研磨粒子量を多くし、クリーニング部材への研磨粒子の供給を促進させる(ステップS65)。
このように、所定の印刷枚数毎の各画像形成ユニット自身のトナー補給量の情報と、自身より上流側の画像形成ユニットのトナー補給量の情報に基いて、各画像形成ユニットのクリーニング部材に付着している研磨粒子の量を制御している。その結果、第1画像形成部から再転写される現像剤によって第2画像形成部のクリーニング部材に供給される研磨粒子の量が不安定化することを抑制することができる。これにより、画像スジ、画像流れなどの画像不良が発生しない画像形成装置を提供することができる。
尚、ブラック単色の画像形成においては、第1実施形態と同様に、ブラックの画像形成ユニット自身におけるトナー補給量の情報に応じて、クリーニング装置への研磨粒子の供給、又はクリーニング装置に捕集されている研磨粒子の除去、を行うこととした。
〔他の実施形態〕
前述した実施形態では、画像形成ユニットを4つ使用しているが、これに限定されるものではない。画像形成ユニットの使用個数は複数であれば良く、必要に応じて適宜設定されるものである。
また前述した実施形態では、ブラックの画像形成ユニットのみが研磨粒子を有する構成、全ての画像形成ユニットが研磨粒子を有する構成を例示したが、これに限定されるものではない。研磨粒子を有する画像形成ユニットの数、ベルト移動方向における位置は、必要に応じて適宜設定されるものである。
また前述した実施形態では、画像形成装置としてプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であっても良い。また、記録材担持体を使用し、該記録材担持体に担持された記録材に各像担持体に形成された各色のトナー像を順次重ねて転写する画像形成装置であっても良い。これらの画像形成装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
また前述した実施形態では、前記第1画像形成部にて消費されたトナー量に関する情報として、第1画像形成部の現像装置に補給される現像剤量(トナー補給量)を例示した。また、前記情報として、第1画像形成部にて形成される画像の画像比率(画像デューティー)を例示した。しかしながら、前記情報は、これらに限定されるものではない。
また前述した第1実施形態では、第1画像形成部で使用されるトナー量が所定量よりも多い場合(T_total≧100)に、前記トナー量が所定量よりも少ない場合に比べて、供給部が供給する研磨粒子量を多くする構成を例示した。すなわち、第1画像形成部で使用されるトナー量が所定量よりも少ない場合(T_total<100)も、感光ドラムの非画像領域に所定のトナー画像を形成する場合(T_total≦10)を除き、前記非画像領域には研磨粒子が供給されていた。そして、第1画像形成ユニットで使用されるトナー量が所定量よりも多くなった場合に、前記少ない場合に比べて、供給部が供給する研磨粒子量を多くしていた。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。第1画像形成部で使用されるトナー量が所定量よりも多い場合(T_total≧100)にのみ、供給部が感光ドラムとクリーニング部材との当接部に研磨粒子を供給するように構成しても良い。このように構成しても、第1画像形成部から再転写される現像剤によって第2画像形成部のクリーニング部材に供給される研磨粒子の量が不安定化することを抑制することができる。なお、ここでは第1実施形態を例示して説明したが、第2乃至第4実施形態についても同様に適用できる。
また前述した第1実施形態では、第1画像形成部で使用されるトナー量が所定量よりも少ない場合(T_total≦10)に、供給部が感光ドラムとクリーニング部材との当接部にトナーを供給する構成を例示した。すなわち、第1画像形成部で使用されるトナー量が所定量よりも少ない場合(T_total≦10)にのみ、第2画像形成部の感光ドラム(像担持体)に所定のトナー画像を形成していた。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。第1画像形成部で使用されるトナー量が所定量よりも少ない場合(T_total≦10)に、前記トナー量が所定量よりも多い場合に比べて、供給部が供給するトナー量を多くする構成にしても良い。例えば、第1画像形成部で使用されるトナー量が所定量よりも多い場合(T_total>10)、感光ドラムの非画像領域により多くの研磨粒子を形成する場合(T_total≧100)を除き、前記非画像領域には研磨粒子と共にトナーが供給される。そして、第1画像形成部で使用されるトナー量が所定量よりも少なくなった場合(T_total≦10)に、前記多い場合に比べて、供給部が供給するトナー量を多くする。このように構成しても、第1画像形成部から再転写される現像剤によって第2画像形成部のクリーニング部材に供給される研磨粒子の量が不安定化することを抑制することができる。なお、ここでは第1実施形態を例示して説明したが、第2乃至第4実施形態についても同様に適用できる。
また前述した形態では、感光ドラムとクリーニング部材との当接部に対して研磨粒子もしくはトナーを供給可能な供給部として現像装置を例示した。(即ち、現像装置と供給部が兼用されているものを例示した。)しかしながら、これに限定されるものではない。例えば、トナーを含む現像剤を供給する現像装置とは別に、研磨粒子のみが供給可能な供給部を設けた構成としても良い。
また、前述した形態では、T_totalが所定の閾値を越えた場合や、下回った場合に、トナーもしくは研磨粒子を追加する(もしくは供給を開始する)構成を例に説明した。 しかしながら、これに限定されるものではない。例えば、T_totalの値が大きくなるに応じて、研磨粒子の供給量が多くなるように制御してもよい。また、T_totalの値が小さいほど供給するトナー量を少なくするように制御してもよい。