JP2011107344A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クリーナレス方式と現像剤自動交換方式とを併用する画像形成装置において、複数の画像形成部間でキャリアの劣化度合に差異が生じるのを効率良く抑制し、長期にわたり安定した画像形成が可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、複数の画像形成部1には、転写手段5による転写の後に像担持体2の表面に存在するトナーを現像装置4に回収すると共に、トナーとキャリアとを含む補給現像剤を補給手段により現像装置に補給して現像装置内の余剰現像剤を排出手段により現像装置から排出するようになっている第1及び第2の画像形成部1Y、1Cが含まれ、第2の画像形成部1Cは、第1の画像形成部1Yよりも被転写体16の移動方向において下流側に配置されており、補給現像剤に含まれるキャリアのトナー帯電能力は、第1の画像形成部1Yよりも第2の画像形成部1Cの方が高い構成とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、像担持体に形成された静電像をトナーとキャリアとを備える現像剤を用いて現像する、静電記録方式や電子写真方式を利用した複写機やレーザービームプリンタなどの画像形成装置に関するものである。
従来、例えば電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置は、一般に、像担持体としての回転するドラム型の電子写真感光体(感光体)を有する。又、斯かる画像形成装置は、次のような各手段を備えている。先ず、感光体を所定の極性・電位に一様に帯電処理する帯電装置(帯電工程)である。次に、帯電処理された感光体に静電像(静電潜像)を形成する情報書き込み手段としての露光装置(露光工程)である。次に、感光体上に形成された静電像を現像剤としてのトナーによりトナー像として顕像化する現像装置(現像工程)である。次に、トナー像を感光体の表面から紙などの記録材に転写する転写装置(転写工程)である。次に、転写工程後の感光体上に多少ながら残留するトナー(残留トナー、転写残トナー)を除去して感光体面を清掃するクリーニング装置(クリーニング工程)である。次に、記録材上のトナー像を定着させる定着装置(定着工程)である。そして、感光体は、繰り返して電子写真プロセス(帯電工程・露光工程・現像工程・転写工程・クリーニングエ程)が適用されて、作像に供される。
転写工程後の感光体上に残留するトナーはクリーニング装置により感光体の表面から除去され、クリーニング装置内に回収されて廃トナーとなる。しかし、環境保全や資源の有効利用などの点から、このような廃トナーが出ないことが望ましい。
そこで、クリーニング装置にて回収されている、所謂、廃トナーを現像装置に戻して再利用する画像形成装置が提案されている。
又、クリーニング装置を廃し、転写工程後の感光体上の残留トナーを、現像装置において「現像同時クリーニング」により感光体上から除去・回収し、再利用するようにしたクリーナレス方式の画像形成装置が提案されている(特許文献1)。
「現像同時クリーニング」は、転写工程後の感光体上の残留トナーを、次工程以降の現像工程時に現像装置に回収するものである。即ち、残留トナーが付着した感光体を引き続き帯電、露光して静電像を形成する。そして、この静電像の現像工程時に、かぶり取りバイアスによって、感光体の表面に残留した残留トナーのうち、現像されるべきでない部分(非画像部)上に存在する残留トナーを現像装置に除去・回収する方法である。かぶり取りバイアスとは、現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vbackである。
この方式によれば、残留トナーは現像装置に回収されて次工程以降の静電像の現像に再利用されるため、廃トナーをなくし、且つ、メンテナンス時に手を煩わせることも少なくすることができる。又、クリーナレスであることから、感光体の表面がクリーニング装置(クリーナ)によって研磨されにくくなるので、感光体の表層の膜厚が一定に保たれ、感光体の寿命の向上を達成することができる。更に、クリーニング装置を配設しなくてよいので画像形成装置の小型化にも有利である。
上述のような「現像同時クリーニング」を採用したクリーナレス方式の画像形成装置において、帯電装置として感光体に当接して感光体の表面を帯電処理する接触帯電装置を用いる場合、次のような現象が起こることがある。即ち、感光体上の残留トナーが感光体と接触帯電装置との接触ニップ部(帯電部)を通過する際に、残留トナー中の、特に、帯電極性が正規極性とは逆極性に反転しているトナーが、接触帯電装置に付着することがある。これにより、接触帯電装置が許容量以上にトナーで汚染され、帯電不良の原因となる。
つまり、現像剤としてのトナーには、量的には少ないながら、帯電極性がもともと正規極性とは逆極性に反転しているトナーが混在している。又、帯電極性が正規極性のトナーであっても、転写バイアスや剥離放電などに影響されて帯電極性が反転するものや、除電されて帯電量が少なくなるものもある。
そのため、残留トナーには帯電極性が正規極性のもの、逆極性の反転トナー、帯電量が少ないものが混在している。そして、そのうちの反転トナーや帯電量が少ないトナーが、感光体と接触帯電装置との接触ニップ部(帯電部)を通過する際に接触帯電装置に付着してしまう。
又、感光体上の残留トナーを「現像同時クリーニング」にて除去・回収するためには、帯電部を通過して現像部に持ち運ばれる感光体上の残留トナーの帯電極性が、次のようなものであることが好ましい。即ち、正規極性であり、且つ、その帯電量が現像装置によって感光体の静電像を現像できるトナーの帯電量であることが好ましい。反転トナーや帯電量が適切でないトナーについては、感光体上から現像装置に除去・回収できず、不良画像の原因となってしまう。
接触帯電装置へのトナーの付着を防出するために、次のようなことが重要である。即ち、転写部から帯電部へ持ち運ばれる帯電極性が正規極性のもの、逆極性のもの、帯電量が少ないものが混在している感光体上の残留トナーを、正規極性へと帯電付与して、帯電極性を正規極性に揃えると共に、その帯電量を均一化することが重要である。
そこで、従来、次のような帯電補助手段を設けることが知られている。即ち、感光体の移動方向において接触帯電装置より上流、且つ、転写手段より下流の位置に、残留トナーを帯電するトナー帯電量制御手段を設ける。又、このトナー帯電量制御手段より上流、且つ、転写手段より下流の位置に、感光体上の残留トナーを均一化する残留トナー均一化手段を設ける。そして、これら残留トナー均一化手段、トナー帯電量制御手段を感光体の表面に当接させて、又これら残留トナー均一化手段、トナー帯電量制御手段に一定の直流電圧を印加する。これにより、上記問題を抑制している(特許文献2、3)。
つまり、転写後に感光体上に残留する残留トナーを残留トナー均一化手段で均一化し、その均一化された感光体上の残留トナーをトナー帯電量制御手段で正規極性に帯電処理する。その後、接触帯電装置で感光体の表面を帯電すると同時に、トナー帯電量制御手段で帯電処理した残留トナーを、現像装置において「現像同時クリーニング」にて除去・回収するのに適正な帯電量に帯電処理し、現像装置で回収する。
一方、近年の画像形成装置において、非磁性トナーと磁性キャリアを混合し、現像剤(2成分現像剤)として使用する2成分現像方式が広く利用されている。2成分現像方式は、現在提案されている他の現像方式と比較して、画質の安定性、装置の耐久性などの長所を備えている。しかし、2成分現像方式は、長期の耐久による現像剤の劣化、特にキャリアの劣化が不可避であったため、画像形成装置の長期使用に伴い現像剤交換という作業を行う必要があった。そこで、この問題に対する解決策がいくつか提案され、実用化されている。
例えば、特許文献4は、次のような構成を開示する。即ち、無彩色用の現像器(ブラック用現像器)と有彩色用の現像器(イエロー用現像器、マゼンタ用現像器及びシアン用現像器)とのそれぞれにおいて、現像動作によって消費した分のトナーを含む補給用の現像剤(補給現像剤)を現像器に補給する。補給現像剤は、トナーとキャリアとを含有する。そして、現像器内の余剰な現像剤を、現像器外に配置された廃現像剤収容容器に排出する。つまり、補給現像剤の補給とほぼ同時に余剰現像剤の排出を行うため、画像形成装置の大型化やコストの高騰を引き起こすことなく、現像剤全体としての特性を安定させることが可能となる。これにより、現像剤の交換又は現像器の交換の作業を不要にし、メンテナンス性の向上、ランニングコストの低減を達成している。このような方式を、一般に、現像剤自動交換方式と呼んでいる。
上述のようなクリーナレス方式と現像剤自動交換方式とを併用することによって、感光体の寿命及び現像装置の寿命の向上、廃トナー削減、を同時に達成することが可能となる。そのため、感光体、現像装置、現像剤、廃トナーボックスの交換頻度を減少させ、画像形成装置のランニングコストの低減及びメンテナンス間隔の延長を達成することができる。
又、近年、フルカラー画像形成装置の高速化が要求され、この点で有利なタンデム画像形成方式が広く用いられている。これは、それぞれが感光体、帯電装置、露光装置、現像装置などを備えて画像形成を行う複数の画像形成部を、各画像形成部で形成された画像が転写される被転写体の移動方向に沿って直列に配置した構成を有する。複数の画像形成部は、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の色毎に設けられる。このタンデム画像形成方式を用いることによって、例えば4色の画像を同時に形成することが可能なため、画像出力の高速化を達成することができる。
尚、有彩色とは、少しでも色味を感じる色のことで、例えば、イエロー、マゼンタ、シアンなどである。又、無彩色とは、例えばホワイト、グレー、ブラックなどの色味を感じない色のことである。有彩色とは、「色相」、「明度」、「彩度」の三つの属性があるものをさし、無彩色とは「明度」だけの属性があるものをさす。
特開2004−117960号公報 特開2001−215798号公報 特開2001−215799号公報 特開平6−324565号公報
しかしながら、クリーナレス方式には以下のような問題点がある。
クリーナレス方式は、クリーナブレードなどのクリーニング部材を装着していないため、感光体上に付着した外添剤が、感光体上で連れ回ることによって現像装置内に回収され、現像装置内の外添剤の蓄積が促進される。これによってキャリアの劣化を引き起こしてしまうことがある。
特に、フルカラーのタンデム画像形成方式においては、クリーナレス方式を採用した場合、次のような現象が発生する。即ち、被転写体の移動方向において上流の画像形成部から被転写体を介して搬送されてきた外添剤が、下流の画像形成部において感光体に再転写され、再転写された外添剤(再転写外添剤)が現像装置に回収されてしまう。そのため、下流側の画像形成部に行くに従って、外添剤が多く現像装置内に堆積してしまう。その結果、下流の画像形成部になるに従って、現像装置内のキャリアの劣化が顕著になってしまう。キャリアの劣化が発生すると、トナーに対する帯電性能が低下してしまうため、かぶり、飛散、がさつき、画像濃度不良など様々な問題が発生してしまうことがある。尚、「かぶり」とは、記録材に対応する感光体の表面におけるトナーが付着すべきではない非画像部にトナーが付着する現象である。又、「飛散」とは、トナーが現像器外に飛び散り、画像形成装置内を汚す現象である。飛散が発生すると、画像形成装置内に設けられたセンサー等の誤動作などの不具合が生じる。又、「粒状度(がさつき)」とは、ドットが均一に形成された画像を滑らかに感じるのに対して、ドットが不均一に形成され画像が滑らかではなくなる現象である。
更に、クリーナレス方式の場合、各画像形成部で発生した残留トナーだけでなく、被転写体の移動方向において上流側の画像形成部で形成されたトナー像の一部が再転写されたトナー(再転写トナー)も回収される。被転写体の移動方向においてより下流の画像形成部ほど、それより上流の画像形成部の数が多くなる。そのため、より下流の画像形成部ほど、再転写トナーの量が多くなる。
残留トナーや再転写トナーは、画像形成部の転写部において転写電界を印加しても被転写体に担持できなかったトナーである。そのため、残留トナーや再転写トナーは、その帯電電荷が正規の帯電極性とは逆極性であるものや、極性を持たないものが多い。これら残留トナーや再転写トナーは、上述のように、転写部より感光体の回転方向下流に設けられた帯電補助部材により、適正な帯電量に戻して、現像装置により回収する。しかし、より下流の画像形成部ほど再転写トナーの量が多いため、帯電補助部材がトナー及び外添剤などの蓄積により汚染され易い。そのため、より下流の画像形成部ほど、残留トナーや再転写トナーの帯電量の制御が不十分になる。これにより、現像装置内の現像剤に正規の帯電極性とは異なるトナー量が増えることが発生し易くなる。そのため、かぶり、飛散、がさつき、画像濃度不良など様々な問題が発生してしまうことがある。特に、画像形成部の寿命末期で、キャリアの帯電性能低下が発生している場合において、これらのような問題は顕著に発生してしまうことがある。
上述のような再転写トナー、再転写外添剤を無くすことは非常に困難である。
そこで、前述の現像剤自動交換方式をクリーナレス方式と併用することによって、現像剤の寿命を向上させることが考えられる。しかし、現像剤自動交換方式の場合、補給現像剤はトナーとキャリアとを含んでいるため、補給現像剤のキャリア比率を必要以上に上げてしまうと、次のような問題がある。即ち、コストが増加してしまう。又、キャリア分による補給現像剤の体積増加のため、補給用トナーボトルに収容できるトナー量が少なくなってしまう。
従って、本発明の目的は、クリーナレス方式と現像剤自動交換方式とを併用する画像形成装置において、複数の画像形成部間でキャリアの劣化度合に差異が生じるのを効率良く抑制し、長期にわたり安定した画像形成が可能な画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、像担持体と、前記像担持体に静電像を形成する静電像形成手段と、前記像担持体に形成された静電像をトナーとキャリアとを備える現像剤を用いてトナー像として現像する現像装置と、前記像担持体に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、をそれぞれが備え、前記被転写体の移動方向に沿って配置された複数の画像形成部を有する画像形成装置において、前記複数の画像形成部には、前記転写手段による前記転写の後に前記像担持体の表面に存在するトナーを前記現像装置に回収すると共に、トナーとキャリアとを含む補給現像剤を補給手段により前記現像装置に補給して前記現像装置内の余剰現像剤を排出手段により前記現像装置から排出するようになっている第1及び第2の画像形成部が含まれ、前記第2の画像形成部は、前記第1の画像形成部よりも前記被転写体の移動方向において下流側に配置されており、前記補給現像剤に含まれるキャリアのトナー帯電能力は、前記第1の画像形成部よりも前記第2の画像形成部の方が高いことを特徴とする画像形成装置である。
本発明の他の態様によると、像担持体と、前記像担持体に静電像を形成する静電像形成手段と、前記像担持体に形成された静電像をトナーとキャリアとを備える現像剤を用いてトナー像として現像する現像装置と、前記像担持体に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、をそれぞれが備え、前記被転写体の移動方向に沿って配置された複数の画像形成部を有する画像形成装置において、前記複数の画像形成部には、(a)前記転写手段による前記転写の後に前記像担持体の表面に存在するトナーを前記現像装置に回収すると共に、トナーとキャリアとを含む補給現像剤を補給手段により前記現像装置に補給して前記現像装置内の余剰現像剤を排出手段により前記現像装置から排出するようになっている複数のクリーナレス画像形成部と、(b)前記転写手段による前記転写の後に前記像担持体の表面に存在するトナーを除去するクリーニング装置を有すると共に、トナーとキャリアとを含む補給現像剤を補給手段により前記現像装置に補給して前記現像装置内の余剰現像剤を排出手段により前記現像装置から排出するようになっている少なくとも1つのクリーナ付き画像形成部と、が含まれ、前記複数のクリーナレス画像形成部は、前記被転写体の移動方向において下流側のものほど、前記補給現像剤に含まれるキャリアのトナー帯電能力が高いことを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明によれば、クリーナレス方式と現像剤自動交換方式とを併用する画像形成装置において、複数の画像形成部間でキャリアの劣化度合に差異が生じるのを効率良く抑制し、長期にわたり安定した画像形成が可能である。
本発明を適用し得る画像形成装置の構成の一例を示す概略断面図である。 クナーナレス方式の画像形成部の構成の一例を示す概略断面図である。 現像剤自動交換方式の現像剤の構成の一例を示す概略部分透視斜視図である。 クリーナ付き画像形成部の構成の一例を示す概略断面図である。 帯電補助装置を通過した後のトナー帯電量分布の一例を示すグラフ図である。 現像剤の帯電量を測定する装置の模式図である。 本発明を適用し得る画像形成装置の構成の他の例を示す概略断面図である。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
[実施例1]
1.画像形成装置の全体構成及び動作
先ず、本実施例の画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。図1は本実施例の画像形成装置100の概略構成図である。画像形成装置100は、有彩色であるイエロー、マゼンタ及びシアンと、無彩色であるブラックとの4色に対応して設けられた4つの画像形成部1Y、1M、1C、1Bkを有する、電子写真方式のフルカラープリンタである。画像形成装置100は、画像信号に応じてフルカラー画像を記録材(記録用紙、プラスチックフィルム、布など)に形成することができる。画像信号は、画像形成装置100の本体(装置本体)に接続された原稿読み取り装置(図示せず)、又は装置本体に対し通信可能に接続されたパーソナルコンピュータなどのホスト機器から装置本体に送られる。
画像形成装置100は、概して、各画像形成部1Y、1M、1C、1Bkにて感光ドラム2Y、2M、2C、2Bk上に形成したトナー像を中間転写ベルト16に1次転写し、このトナー像を記録材P上に2次転写する構成となっている。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部1Y、1M、1C、1Bkは、被転写体たる中間転写ベルト16の移動方向に沿ってこの順番で配置されている。
尚、本実施例では、各色用の画像形成部は、使用する現像剤のトナーの色が異なることを除いて実質的に同一の構成を有する。従って、以下、各色用の画像形成部について共通する要素について、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用であることを表すために符号に付した添え字Y、M、C、Bkは省略して総括的に説明する。
画像形成部1には、像担持体として円筒型の感光体、即ち、感光ドラム2が配設されている。感光ドラム2は、図中矢印R1方向(時計回り)に回転駆動される。感光ドラム2の周囲には、次のような各手段が配置されている。先ず、帯電手段としての帯電ローラ3である。次に、露光手段としてのレーザースキャナ(露光装置)7である。次に、現像手段としての現像装置4である。次に、1次転写手段としての1次転写ローラ5である。次に、帯電補助手段としての帯電補助装置6である。又、各画像形成部1の感光ドラム2と対向して被転写体としての無端ベルト状の中間転写体、即ち、中間転写ベルト16が配置されている。中間転写ベルト16は、支持部材としての複数のローラである駆動ローラ9、2次転写対向ローラ10、テンションローラ12に所定の張力をもって掛け回されている。中間転写ベルト16は、駆動ローラ9が駆動されることにより図中矢印R2方向に周回移動(回転)する。各画像形成部1の1次転写ローラ5は、中間転写ベルト16の内周面側に設けられており、中間転写ベルト16を感光ドラム2へと押圧して、中間転写ベルト16と感光ドラム2とが接触する1次転写部N1を形成する。又、2次転写対向ローラ10に対応して、中間転写ベルト16の外周面側には、2次転写手段としての2次転写ローラ15が配置されている。2次転写ローラ15は、中間転写ベルト16に圧接して、2次転写部N2を形成する。中間転写ベルト16は、1次転写部N1でその上に1次転写されたトナー像を、記録材Pとの当接部である2次転写部N2へと搬送する。
又、画像形成装置100は、記録材Pの搬送方向において2次転写部N2よりも下流側に、定着手段としての定着装置13を有する。中間転写ベルト16から記録材Pへトナー像を転写した後、定着装置13によってトナー像が記録材Pへ熱定着される。
本実施例では、帯電手段としての帯電ローラ3と露光手段としての露光装置7とによって、像担持体としての感光ドラム2に静電像を形成する静電像形成手段が構成される。
例えば、4色のトナーによるフルカラーの画像形成時の動作について説明する。先ず、画像形成動作が開始すると、回転する感光ドラム2の表面が帯電ローラ3によって一様に帯電される。このとき、帯電ローラ3には、電圧印加手段としての帯電バイアス電源S1(図2)より帯電バイアス(本実施例では負極性)が印加される。次いで、感光ドラム2は、露光装置7から発せられる、画像信号に対応したレーザ光により露光される。これにより、感光ドラム2に、画像信号に応じた静電像が形成される。感光ドラム2に形成された静電像は、現像装置4内に収容されたトナーによって顕像化され、可視像(トナー像)となる。本実施例では、トナーの正規の帯電極性(本実施例では負極性)と同極性に帯電した感光ドラム2のレーザ光による露光により電荷が減衰した明部電位部分にトナーを付着させる、反転現像方式を用いる。
現像装置4により感光ドラム2の表面に形成されたトナー像は、1次転写部N1において中間転写ベルト16に1次転写される。このとき、1次転写ローラ5には、電圧印加手段としての1次転写バイアス電源S3(図2)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の1次転写バイアスが印加される。1次転写部N1において1次転写後に中間転写ベルト16に転写されずに感光ドラム2の表面に残留したトナー(残留トナー、1次転写残トナー)は、補助帯電装置6を通過した後、現像装置4内へ回収される。
この動作をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色用の画像形成部1Y、1M、1C、1Bkにおいて順次行い、中間転写ベルト16の表面に4色のトナー像を重ね合わせる。その後、トナー像の形成タイミングに合わせて記録材収納カセット(図示せず)に収容された記録材Pが、供給ローラ14などの搬送部材により2次転写部N2まで搬送される。そして、中間転写ベルト16の表面のトナー像は、2次転写部N2において記録材P上に一括して2次転写される。このとき、2次転写ローラ15には、電圧印加手段としての2次転写バイアス電源(図示せず)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の2次転写バイアスが印加される。
その後、記録材Pは中間転写ベルト16から分離されて定着装置13へと搬送される。記録材Pの表面のトナーは、定着装置13によって加熱及び加圧されることで、溶融及び混合されて、記録材Pに定着され、フルカラーの記録画像となる。その後、記録材Pは、装置本体外に排出される。
又、2次転写部N2において2次転写後に記録材Pに転写しきれずに中間転写ベルト16に残留したトナー(2次転写残トナー)は、中間転写ベルトクリーナー18により除去される。これにより、一連の動作が終了する。
尚、所望により4個の画像形成部のうち1個又はいくつかの画像形成部(全部ではない)のみを用いて、所望の色の単色又は複数色の画像を形成することも可能である。
2.画像形成装置の各部の構成
次に、図2を参照して、画像形成部1の構成及び動作をより詳細に説明する。
2−1.感光ドラム
本実施例では、感光ドラム2は、帯電特性が負帯電性の有機光導電体(OPC)を有するもの(有機感光ドラム)である。又、本実施例では、感光ドラム2は、外径(直径)が30mmであり、中心支軸を中心に200mm/secのプロセススピード(周速度)をもって回転駆動される。
本実施例では、感光ドラム2は、電気的に接地されたアルミニウムなどの導電材製のドラム基体の外周面に、通常の有機光導電体層(OPC)からなる感光体層を形成塗布し、その上に耐摩耗性に優れた保護層(OCL)を塗布形成したものである。本実施例では、感光ドラム2の寿命は10000枚である。
2−2.帯電ローラ
本実施例では、感光ドラム2の表面を一様に帯電処理する帯電手段として、接触帯電装置(接触帯電器)を有する。本実施例では、接触帯電装置は、帯電ローラ(ローラ帯電器)3であり、感光ドラム2との間の放電現象を利用して感光ドラム2を帯電処理する。帯電ローラ2には、帯電バイアス電源S1より所定の条件の帯電バイアス電圧が印加される。これにより、回転する感光ドラム2の表面は、所定の極性・電位に接触帯電処理される。本実施例では、帯電ローラ2に対する帯電バイアス電圧は、直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。より具体的には、−500Vの直流電圧と、周波数1.3kHz、ピーク間電圧Vpp1.5kV、正弦波の交流電圧とを重畳した振動電圧である。この帯電バイアス電圧により、感光ドラム2の表面は、帯電ローラ3に印加した直流電圧と同じ−500V(暗電位Vd)に一様に接触帯電処理される。
2−3.現像装置
本実施例では、現像装置4は、トナーとキヤリアとを備えた現像剤(2成分現像剤)による磁気ブラシを感光ドラム2に接触させながら現像を行う、2成分接触現像方式を採用した現像装置である。現像装置4は、現像容器4aと、現像剤担持体としての非磁性の現像スリーブ4bとを備えている。現像スリーブ4bは、その外周面の一部を現像装置4の外部に露呈させて、現像容器4a内に回転可能に配置してある。現像スリーブ4b内には、非回転に固定して磁界発生手段としてのマグネットローラ(図示せず)が挿設されている。現像容器4aは、2成分現像剤を収容している。現像容器4a内の底部側には、現像剤攪拌部材である攪拌スクリュー4cが配設されている。又、補給用の現像剤(補給現像剤)がトナーボトル4dに収容されている。
現像容器4a内の現像剤(2成分現像剤)は主に非磁性トナーと磁性キャリアとの混合物であり、攪拌スクリュー4cにより攪拌される。
本実施例では、トナーは、結着樹脂、着色剤、そして必要に応じてその他の添加剤を含む着色樹脂粒子を有している。トナーは、負帯電性のポリエステル系樹脂であり、体積平均粒径は5μm以上、8μm以下が好ましい。本実施例では、トナーの体積平均粒径は6.2μmである。トナーは、磁性キャリアとの摺擦により負極性に摩擦帯電される。
キャリアは、例えば、表面酸化或いは未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類などの金属、及びそれらの合金、又は酸化物フェライトなどが好適に使用可能である。これらの磁性粒子の製造法は特に制限されない。そして、キャリアは、重量平均粒径が20〜50μm、好ましくは30〜40μmであり、抵抗率が107Ω・cm以上、好ましくは108Ω・cm以上である。本実施例では、キャリアの抵抗率が108Ω・cmである。又、本実施例では、低比重磁性キャリアとして、フェノール系のバインダー樹脂に、磁性金属酸化物及び非磁性金属酸化物を所定の比で混合し、重合法により製造した樹脂磁性キャリアを使用した。本実施例では、キャリアの体積平均粒径は35μm、真密度は3.6〜3.7g/cm3、磁化量は53A・m2/kgである。キャリアについては後で更に詳しく説明する。
現像スリーブ4bは、感光ドラム2との最近接距離(S−Dgap)を350μmに保持して、感光ドラム2に近接して対向配設される。この感光ドラム2と現像スリーブ4bとの対向部が現像部である。現像スリーブ4bは、現像部において感光ドラム2の進行方向とは逆方向に回転駆動される。現像スリーブ4b内のマグネットローラの磁力により、現像容器4a内の2成分現像剤の一部が、現像スリーブ4bの外周面に磁気ブラシ層として吸着保持される。この磁気ブラシ層は、現像スリーブ4bの回転に伴い搬送され、現像部において感光ドラム2の表面に接触して、感光ドラム2の表面を適度に摺擦する。現像スリーブ4bには、電圧印加手段としての現像バイアス電源S2から所定の現像バイアスが印加される。本実施例では、現像スリーブ4bに対する現像バイアス電圧は、直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。より具体的には、−350Vの直流電圧と、周波数8.0kHz、ピーク間電圧1.8kV、矩形波の交流電圧とを重畳した振動電圧である。そして、回転する現像スリーブ4bの表面に現像剤の薄層としてコーティングされ、現像部に搬送された現像剤中のトナーが、現像バイアスによる電界によって、感光ドラム2に形成された静電像に対応して感光ドラム2の表面に選択的に付着する。これにより、感光ドラム2に形成された静電像がトナー像として現像される。現像部を通過した現像スリーブ4b上の現像剤の薄層は、引き続く現像スリーブ4bの回転に伴い現像容器4a内の現像剤溜り部に戻される。
現像容器4a内の2成分現像剤のトナー濃度を略一定の範囲内に維持するために、トナーの消費に従ってトナーボトル4dから補給現像剤を補給する。本実施例では、補給現像剤は、トナーとキャリアとを備えている。
より具体的には、現像容器4a内の2成分現像剤のトナー濃度を、トナー濃度検知手段として、例えば、光学式トナー濃度センサによって検知する。そして、その検知情報に応じてトナーボトル4dから現像容器4aへと補給現像剤を搬送する補給スクリュー4j(図3)の回転動作を制御するによって、現像容器4a内の2成分現像剤に、トナーと適量のキャリアとを含む補給現像剤が補給される。現像容器4a内の2成分現像剤に補給された補給現像剤は、攪拌スクリュー4cにより攪拌される。一方、キャリアを含有する補給現像剤を補給することによって現像容器4a内で余分となった現像剤(余剰現像剤)が排出される。余剰現像剤は、主にキャリアであるが、トナーとキャリアとを含んでいてよい。
このように、現像装置4では、現像剤自動交換方式により、現像剤の置換が行われる。即ち、現像装置4は、補給現像剤として適量のキャリアをトナーに混入させた補給現像剤を現像装置4内に補給する補給手段を有する。又、現像装置4は、補給手段による補給現像剤の補給と同時に、現像装置4内の余剰現像剤の排出を行う排出手段を有する。
図3は、本実施例の現像装置4における補給手段及び排出手段の概略構成を示す。現像装置4は、現像剤の自動交換を行うために、現像剤の補給、及び、現像剤の排出を行う。本実施例では、現像装置4内の現像剤に含まれるトナー濃度が7重量%となるように現像剤が補給される。このトナー濃度の数値は、トナーの帯電量、キャリア粒径、画像形成装置の構成などに応じて適正に調整されるべきものであって、この数値に限定されるものではない。
現像装置4は、2成分現像剤を循環させながら現像を行う現像容器4aを有する。又、現像装置4は、新規のトナーと適量のキャリアとを含む補給現像剤が収容された補給容器であるトナーボトル4dからの補給現像剤の補給を実施する補給手段を有する。更に、現像装置4は、主に劣化したキャリアである現像容器4a内の余剰現像剤を現像剤回収タンク4eに回収するための排出手段を有する。
更に説明すると、現像容器4aには、現像剤補給口4fが設けられている。現像剤補給口4fには、トナーボトル4dに貯蔵されたトナー及びキャリアを現像剤補給口4fへと搬送して補給するための現像剤搬送路4hが連結されている。又、トナーボトル4dと現像剤搬送路4hとの間を連絡するホッパー4iが設けられている。現像剤搬送路4hには、搬送部材である補給スクリュー4jが配置されている。補給スクリュー4jは、駆動モータ(図示せず)によりクラッチを介して回転駆動される。補給スクリュー4jの現像剤搬送方向上流端には、補給スクリュー4jの回転量を検出するためのエンコーダ4kが一体的に取り付けられている。現像剤搬送路4h、ホッパー4i、補給スクリュー4jなどによって、補給手段が構成される。
又、現像容器4aには、現像剤排出口4gが設けられている。現像剤排出口4gには、主に劣化したキャリアである余剰現像剤を排出するための排出パイプ4mが接続されている。排出パイプ4mには、搬送部材である排出スクリュー4nが配置されており、主に劣化したキャリアである余剰現像剤を現像剤回収タンク4eへと排出する。排出パイプ4mの下端には、現像剤回収タンク4eが着脱自在に装着されるようになっている。排出パイプ4m、排出スクリュー4nなどによって、排出手段が構成される。
トナーボトル4dから補給現像剤が補給され、現像容器4a内の現像剤の体積が増加すると、現像容器4a内の余剰現像剤が現像剤排出口4gからオーバーフローする。これにより、現像容器4a内の現像剤の自動交換行われるようになっている。
現像容器4a内において、現像剤補給口4f及び現像剤排出口4gは、攪拌スクリュー4cによる現像剤の搬送経路において、次のような位置関係になっている。即ち、現像剤搬送方向の上流側から下流側に、現像剤が現像スリーブ4bに供給される位置、現像剤排出口4g、現像剤補給口4fの順に配置されている。又、現像剤搬送方向において、現像剤補給口4fと現像剤排出口4gとは互いに離間して設けられている。
上述のような、現像容器4a内の劣化したキャリアが徐々に入れ替わる構成(現像剤自動交換方式)を採用すると、トナースペント、外添剤汚染など、キャリアが劣化した場合の現像剤の延命効果が得られる。現像剤自動交換方式を採用しない場合は、キャリアの表面にトナーや外添剤が徐々に蓄積し(トナースペント)、キャリアのトナーに対する電荷付与能力が低下し、その結果、トナー電荷が低いことによるかぶり、飛散、画質劣化が発生する。これに対して、現像剤の入れ替わりがあれば、キャリアの劣化の発生を低減でき、延命効果を達成できる。本実施例では、現像剤自動交換方式を採用することによって、現像装置4の交換間隔は画像形成600000枚毎と長くしている。
ところで、現像剤自動交換方式の特徴として、次のようなことが挙げられる。即ち、トナーボトル4dに収容される補給現像剤に混入させるキャリアの量が多ければ、それだけ現像剤の入れ替わりが早くなり、安定して推移する現像剤の平均スペント量が小さくなる。又、画像比率が高いほど、現像剤の入れ替わりが早い。
つまり、現像装置4に補給される補給現像剤に含まれるキャリアの量が多いほど、又出力画像の画像比率が高いほど、現像装置4内の現像剤の入れ替わり量が多くなるので、現像剤自動交換方式のメリットをより多く享受できる。
但し、補給現像剤の現像装置4への補給は、あくまでトナーの補給が主な目的であるので、トナー補給量の観点から、補給現像剤のキャリア比率は40重量%が上限になる。又、補給現像剤に含まれるキャリア比率が高くなるに従って、補給現像剤のコストが増大してしまうという問題もある。
一方、現像剤の入れ替わり量を増加させるのと同様の効果を、キャリアのトナーに対する帯電能力を高めることにより得ることができる。キャリアの帯電能力を高めておけば、外添剤による影響を受け難くなるからである。
2−4.1次転写ローラ
本実施例では、1次転写手段として1次転写ローラ5を用いる。1次転写ローラ5は、中間転写ベルト16を介して感光ドラム2に所定の押圧力をもって圧接されている。1次転写ローラ5には、1次転写バイアス電源S3から、トナーの正規の帯電極性(本実施例では負極性)とは逆極性(本実施例では正極性)の1次転写バイアス(本実施例では+2kV)が印加される。これにより、中間転写ベルト16の表面に感光ドラム2の表面のトナー像が静電的に転写される。
2−5.クリーナレス方式
本実施例では、画像形成装置100は、クリーナレス方式(クリーナレスシステム)を採用しており、1次転写後の感光ドラム2の表面に若干量残留する残留トナーを除去する専用のクリーニング装置を具備していない。1次転写後の感光ドラム2の表面の残留トナーは、引き続く感光ドラム2の回転に伴い帯電部、露光部を通って現像部に搬送されて、現像装置4により「現像同時クリーニング」にて除去・回収される。
本実施例において、現像装置4の現像スリーブ4bは、現像部においてその表面の進行方向が感光ドラム2の表面の進行方向とは逆方向になるように回転駆動される。このような現像スリーブ4bの回転は、感光ドラム2の表面の残留トナーの回収に有利である。
感光ドラム2の表面の残留トナーは露光部を通るので、露光工程はその残留トナー上からなされる。通常は、残留トナーの量は少ないため、残留トナー上から露光工程を行うことによる大きな影響は現れない。但し、前述のように、残留トナーには帯電極性が正規極性のもの、逆極性のもの(反転トナー)、帯電量が少ないものが混在している。そのため、その内の反転トナーや帯電量が少ないトナーが、帯電部を通過する際に帯電ローラ3に付着すると、帯電ローラ3が許容量以上にトナーにより汚染してしまい、感光ドラム2の帯電不良を生じることがある。
又、感光ドラム2の表面の残留トナーを、現像装置4により現像動作と同時に効果的に除去・回収するためには、残留トナーの帯電量が重要な因子となってくる。即ち、現像部に運ばれる感光ドラム2の表面の残留トナーは、その帯電極性が正規極性であり、且つ、その帯電量が現像装置4によって感光ドラム2の静電像を現像できるトナーの帯電量であることが好ましい。残留トナーの帯電極性が反転している場合や帯電量が適切でない場合には、感光ドラム2の表面から現像装置4に除去・回収できず、不良画像の原因となる。
そこで、本実施例では、画像形成装置100は、画像形成部1に帯電補助手段としての帯電補助装置6を設ける。帯電補助装置6は、残留トナー均一化手段(第1の帯電補助部材)6aとトナー帯電量制御手段(第2の帯電補助部材)6bとを有する。より具体的には、感光ドラム2の回転方向において1次転写部N1よりも下流側、且つ、帯電部よりも上流側の位置に、感光ドラム2の表面の残留トナーを均一化するための、残留トナー均一化手段(残留現像剤像均一化手段)6aを設ける。又、感光ドラム2の回転方向において残留トナー均一化手段6aよりも下流側、且つ、帯電部よりも上流側の位置に、残留トナーの帯電極性を正規極性(本実施例では負極性)に揃えるためのトナー帯電量制御手段(現像剤帯電量制御手段)6bを設ける。
一般的に、1次転写されずに感光ドラム2の表面に残留した残留トナーには、反転トナーや帯電量が適切でないトナーが混在している。そこで、残留トナー均一化手段6aにより一度残留トナーを除電し、次いでトナー帯電量制御手段6bで再度残留トナーを正規極性に帯電処理する。これにより、帯電ローラ3への残留トナーの付着を効果的に防止すると共に、現像装置4での残留トナーの除去・回収をより良好に行うことができる。そのため、次頁以降の画像に現れることのある残留トナーのパターンによるゴースト像の発生も防止することができる。
本実施例では、残留トナー均一化手段6a及びトナー帯電量制御手段6bは、適度の導電性を持ったブラシ状部材(帯電補助部材)であり、ブラシ部を感光ドラム2の表面に接触させて配設されている。残留トナー均一化手段6a及びトナー帯電量制御手段6bは、残留トナー均一化手段6aと感光ドラム2の表面との接触部、トナー帯電量制御手段6bと感光ドラム2の表面との接触部をそれぞれ形成している。
残留トナー均一化手段6aには、電圧印加手段としての第1の帯電補助電源S4より、正極性の直流電圧が印加される。又、トナー帯電量制御手段6bには、電圧印加手段としての第2の帯電補助電源S5より、負極性の直流電圧が印加される。残留トナー均一化手段6a、トナー帯電量制御手段6bのそれぞれに印加される直流電圧の大きさは、装置本体内に設置した温湿度センサにより検知した温度及び相対湿度より計算される絶対水分量により変化させている。
例えば、温度23℃、絶対水分量10.5g/m3の環境下においては、残留トナー均一化手段6aには+250V、トナー帯電量制御手段6bには−750Vの直流電圧がそれぞれ印加される。1次転写後に感光ドラム2の表面に残留する残留トナーは、残留トナー均一化手段6aと感光ドラム2との接触部に至り、残留トナー均一化手段6aによりその電荷量が0μC/g近傍で均一化される。
更に、残留トナー均一化手段6aで均一化された感光ドラム2の表面の残留トナーは、トナー帯電量制御手段6bと感光ドラム2との接触部に至り、トナー帯電量制御手段6bにより、その帯電極性が正規極性である負極性に揃えられる。残留トナーの帯電極性を正規極性である負極性に揃えることにより、次のような効果が得られる。即ち、帯電ローラ3と感光ドラム2との接触部(帯電部)で残留トナーの上から感光ドラム2の表面を帯電処理する際に、残留トナーの感光ドラム2への鏡映力を大きくし、残留トナーが帯電ローラ3へ付着するのを防止することができる。
このため、トナー帯電量制御手段6bにより残留トナーに与える帯電量は、現像時のトナーの帯電量と比較すると約2倍以上であるのが好ましく、本実施例では温度23℃、絶対水分量10.5g/m3の環境下では凡そ−50μC/gである。
帯電補助装置6には、図示しないレシプロ機構が搭載されており、感光ドラム2の駆動とレシプロ機構の駆動が同一駆動となっている。このレシプロ機構によって、帯電補助部材を主走査方向(感光ドラム2の回転軸線方向)に揺動させ、感光ドラム上の残留トナーや研磨粒子などを効率よく残留トナー均一化手段6a及びトナー帯電量制御手段6bに捕集することができる。
次に、現像工程における残留トナーの回収について説明する。現像装置4は上述のように、現像と同時に残留トナーを回収、清掃する。本実施例では、感光ドラム2の表面の静電像の現像に使用されるトナーの帯電量(平均値)は、温度23℃、絶対水分量10.5g/m3の環境下においては凡そ−25μC/gである。本実施例では、感光ドラム2の表面の残留トナーが現像装置4に十分に回収されるためには、現像装置4に到達する残留トナーの帯電量が、凡そ−15〜−35μC/gの範囲であることが好ましい。
上述のように、帯電ローラ3へのトナー付着を防止するためにトナー帯電量制御手段6bによって−50μC/gと負極性に大きく帯電された残留トナーは、現像装置4において回収するためには除電を行う必要がある。
ここで、帯電ローラ3には、感光ドラム2の表面を帯電処理するために、交流電圧(周波数1.3kHz、ピーク間電圧Vpp=1.5kV)が印加されている。そのため、帯電ローラ3が感光ドラム2の表面を帯電処理すると同時に、感光ドラム2の表面の残留トナーが交流除電される。本実施例では、上記交流電圧条件において、凡そ−50μC/gであった残留トナーの帯電量は、帯電部を通過した後に凡そ−30μC/gとなる。
これにより、現像工程において、感光ドラム2の表面のトナーが付着されるべきではない部分(非画像部)に付着した残留トナーは、現像装置4に回収される。
このようにして、感光ドラム2の回動に伴って転写部から帯電部へ搬送される残留トナーの電荷を、トナー帯電量制御手段6bで帯電処理して正規極性である負極性に揃え、残留トナーの帯電ローラ3への付着を防止することができる。又、帯電ローラ3で感光ドラム2を所定の電位に帯電すると同時に、トナー帯電量制御手段6bで正規極性である負極性に帯電処理された残留トナーの帯電量を、現像装置4で感光ドラム2の表面の静電像を現像するのと同程度の帯電量に制御することができる。これにより、現像装置4での残留トナーの回収が効率的に行われる。
上述のようなクリーナレス方式(特に、「現像同時クリーニング」)によれば、従来一般に用いられている特別のクリーニング装置を設ける必要がなく、又廃トナーを出さずに再利用することができる。そのため、メンテナンスの煩わしさの低減、装置の小型化に大きく貢献するばかりでなく、環境保全や資源の有効利用などの点で好ましい。
3.再転写トナー、再転写外添剤
次に、再転写トナー、再転写外添剤について説明する。マゼンタ、シアン、ブラック用の画像形成部1M、1C、1Bkには、各画像形成部で形成されたトナー像の1次転写工程後の残留トナーが存在するだけではない。この残留トナーに加えて、中間転写体16の移動方向において、より上流の画像形成部で形成されたトナー像の一部である、再転写トナー、再転写外添剤が送られてくる。
再転写とは、中間転写ベルト16の移動方向において上流側の画像形成部の1次転写部N1で中間転写ベルト16に転写されたトナー像の一部が、下流側の画像形成部の1次転写部N1を通過する際に、その画像形成部の感光ドラム2の表面に付着する現象である。再転写トナー、再転写外添剤は、1次転写部N1での転写電界や、感光ドラム2との鏡映力などにより、感光ドラム2の表面に付着する。
より下流の画像形成部ほど、その画像形成部より上流の画像形成部の数が多くなる。そのため、より下流の画像形成部ほど、再転写トナー量、再転写外添剤量が多くなる。即ち、典型的には、中間転写ベルト16の移動方向において上流側からこの順番で配置されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色用の画像形成部1Y、1M、1C、1Bkにおいて、再転写トナー量は、1Y<1M<1C<1Bkの関係にある。
クリーナレス方式(特に、「現像同時クリーニング」)を採用する場合には、再転写トナー、再転写外添剤は、現像装置4に回収される。そして、特に、下流の画像形成部になるに従って外添剤の混入量が多くなるため、下流の画像形成部になるに従って外添剤によるキャリア汚染が顕著になる。
ここで、前述のように、残留トナーや再転写トナーは、画像形成部の1次転写部N1において転写電界を印加しても、中間転写ベルト16に担持できなかったトナーである。そのため、残留トナーや再転写トナーは、その帯電電荷が正規の帯電極性とは逆極性であるものや、極性を持たないものが多い。又、残留トナーや再転写トナーは、トナー形状としても、異形トナーやトナー粒径が平均粒径と異なるものが多い。更に、再転写トナーは、より上流の画像形成部で形成された別色のトナーから成るトナー像の一部であるので、トナーの性質も異なることがある。
残留トナーや再転写トナーは、感光ドラム2の回転方向において1次転写部N1より下流に備えられた、残留トナー均一化手段6a及びトナー帯電量制御手段6b、並びに、帯電ローラ3により、適正な帯電量に戻して、現像装置4で回収する。しかし、より下流の画像形成部ほど、再転写トナーが多いために、残留トナー均一化手段6a及びトナー帯電量制御手段6bがトナー及び外添剤などの蓄積により汚染され易い。そのため、より下流の画像形成部ほど、残留トナーや再転写トナーの帯電量の制御が不十分になる。
図5に、帯電補助装置6の残留トナー均一化手段6a及びトナー帯電量制御手段6bを通過した後の残留トナーの帯電量分布を示す。図5中の実線は、画像出力枚数がまだ少なく、残留トナー均一化手段6a及びトナー帯電量制御手段6bの汚染が少ない状態での帯電量分布である。又、図5中の破線は、カラー画像を40000枚出力した後にベタ画像(最高濃度レベルの画像)を出力したときの、イエロー用の画像形成部1Yにおける残留トナーの帯電量分布である。ここで、40000枚のカラー画像は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのそれぞれについて平均画像比率が15%であるものを出力した。そして、図5中の一点鎖線は、カラー画像を40000枚出力した後にベタ画像(最高濃度レベルの画像)を出力したときの、ブラック用の画像形成部1Bkにおける残留トナーの帯電量分布である。ここで、40000枚のカラー画像は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのそれぞれについて平均画像比率が15%であるものを出力した。
尚、本明細書において、画像比率は、画像形成される転写媒体の全面積に対する画像形成される面積の比率により計算したものとする。
図5に示すように、多量の画像形成を行った後の、ブラック用の画像形成部1Bkでは、残留トナー均一化手段6a及びトナー帯電量制御手段6bによるトナーの帯電量調整能力が低下する。マゼンタ、シアン用の画像形成部1M、1Cについても同様のことが言える。そして、典型的には、残留トナー均一化手段6a及びトナー帯電量制御手段6bによるトナーの帯電量調整能力は、中間転写ベルト16の移動方向において、より下流の画像形成部ほど低下する。
そのため、残留トナー均一化手段6a及びトナー帯電量制御手段6bを通過した後のトナーは、正規の帯電極性である負極性ではなく、正極性のものや、正・負どちらの極性も持たない帯電量がゼロ[μC/g]に近いトナーの量が多くなる。
このような正極性のトナーや、正・負どちらの極性も持たない帯電量ゼロ[μC/g]に近いトナーは、現像部におけるかぶり取り電位(Vback)による電界では、現像装置4に回収されない。しかし、本実施例のように、現像装置4が2成分接触現像方式を採用しているような場合には、感光ドラム1上のトナーは、現像部において現像スリーブ4b上の磁気ブラシによって感光ドラム2の表面から掻き取られ、現像装置4内に回収される。
従って、現像装置4内のトナーの帯電量分布が広域分布になり、且つ、平均帯電量が低下する。このため、現像スリーブ4bとの間にかぶり取り電位(Vback)を形成している感光ドラム2の表面の白地部(非画像部)にトナーが付着し、かぶりなどの画像不良が発生し易くなる。特に、画像形成部の寿命後半でキャリア劣化が発生している場合、現像装置4に回収されたトナーの帯電量を、キャリアによって適正な値にできなくなってしまうため、より下流の画像形成部ほどキャリア劣化をより高度に抑制することが望まれる。
4.現像剤
次に、本実施例にて好適に使用される現像剤について説明する。
現像剤に収容される現像剤(2成分現像剤)は、初期状態の当該現像剤に含まれるトナー濃度が7重量%となるように、磁性キャリアと各色の顔料を含む非磁性トナーとが混合されたものである。
現像剤に含まれる磁性キャリアとしては、例えば表面酸化、未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類などの金属から構成されるフェライト、或いは、それらの酸化物からなるフェライトなどを用いることができる。その製法は問わない。磁性キャリアは、周知の方法で樹脂被覆することができる。又、本実施例では、ネオジウム、サマジウム、バリウムなどを含むフェライト粒子を樹脂被覆した磁性キャリアを用いた。この樹脂被覆した磁性キャリアは、重量平均粒径が20〜100μm、好ましくは20〜70μmであり、色現像剤用のキャリアとしては107〜109Ω・cm、黒色現像剤用のキャリアとしては109〜1010Ω・cmの体積抵抗(比抵抗)値を有する。
磁性キャリアの比抵抗は、セルに磁性キャリアを充填し、この充填したキャリアに接するように、1対の電極の一方と他方とを配置し、これらの電極間に電圧を印加して、そのときに流れる電流を計測することにより測定した。比抵抗の測定条件は、充填した磁性キャリアと電極との接触面積が約2.3cm2、磁性キャリアの充填厚さが約2mm、上部電極の荷重が180g、印加電圧が100Vであった。この場合、磁性キャリアが粉末であるため、充填率に変化が生じることがあり、それに伴い比抵抗が変化するので、そうならないように磁性キャリアの充填に慎重を要する。
磁性キャリアの比抵抗が1.0×107Ω・cm未満の場合、磁性キャリアの電気抵抗が低すぎることで、磁性キャリアに電荷が注入され易くなり、感光ドラム2への磁性キャリアの付着(キャリア付着)が発生し易くなる。そのため、この値が下限である。又、磁性キャリアの比抵抗が1.0×1010Ω・cm以上の場合、現像剤(2成分現像剤)としてトナーが周りにある状態で、絶縁性に近い状態の電気特性を示すようになり、現像不良やエッジ強調が発生し易くなる。そのため、この値の近傍が上限になる。
磁性キャリアの平均粒径は、垂直方向最大限長で示す。より詳細には、顕微鏡により50〜1000倍の倍率でキャリアを写真撮影し、得られた写真画像内のキャリア粒子から3000個以上のキャリア粒子をランダムに選び、それらの長軸を実測して算術平均を取ることにより求めた。
磁性キャリアの磁化量は、本実施例では、通常のフェライトの磁気特性である3.0×105A/m近傍であった。磁性キャリアの磁気特性は、これに限定されるものではなく、3.0×104A/m〜3.0×105A/mの範囲が好ましい。3.0×104A/m未満の磁気特性を有するキャリアでは、現像スリーブ上の現像剤のコート不良などの問題が発生することがある。又、3.0×105A/mより大きい磁化量のキャリアを用いた場合、磁気ブラシムラによる画像の粒状性の低下が発生することがある。そのため、磁性キャリアの磁化量としては上述の領域のものを使用することが好ましい。
磁性キャリアの磁化量(磁気特性)は、次のようにして求めた。即ち、理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置にて、100mTの外部磁場中にパッキングしたキャリアの磁化(Am2/kg)を求め、その後キャリアの真比重(kg/m3)をかけることで磁化量(A/m)を算出した。
磁性キャリアと共に現像剤(2成分現像剤)に使用されるトナーとしては、従来公知の粉砕系のトナーなどを用いることができる。トナーの体積平均粒径は4〜15μmが好適である。
又、トナーに外添する外添剤としては、トナーに添加したときの耐久性の点から、トナー粒子の重量平均粒径の1/10以下の粒径のものが好ましい。この外添剤の粒径は、顕微鏡によるトナー粒子の表面観察により求めた、その平均粒径を意味する。外添剤は、トナー100重量部に対し0.01〜80重量部が用いられ、好ましくは0.05〜60重量部である。
外添剤としては、次のようなものが挙げられる。酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化スズ、酸化亜鉛などの金属酸化物;窒化ケイ素などの窒化物;炭化ケイ素などの炭化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの金属塩;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩;カーボンブラック;シリカなど。これら外添剤は単独で使用しても、複数併用してもよい。好ましくは疎水化処理を行なったものがよい。但し、外添剤の役割としては流動性付与とともにトナー電荷量コントロールもあるので、その極性は重要である。
本実施例では、ネガ極性(負帯電性)のトナーに対して、ネガ極性のシリカ3.0%と弱ポジ極性(正帯電性)の酸化チタン1.0%を外添した。両者とも流動性向上を目的としたものであるが、シリカはトナーの帯電量を向上させるためにも添加している。
以上の成分を含むトナーの帯電極性は、ネガ極性、ポジ極性どちらでも可能である。本実施例では、ネガ極性のトナーを用いた。又、本実施例では、キャリアとの摩擦帯電により、平均トナー帯電量(単位重量当りの電荷量;Q/M)が−1.0×10-2C/kg〜−6.0×10-2C/kgのものを用いた。
5.キャリア劣化抑制
本実施例の目的の1つは、2成分現像方式及びタンデム画像形成方式を採用すると共に、クリーナレス方式と現像剤自動交換方式とを併用する画像形成装置において、各画像形成部の補給現像剤のキャリア比率を最適化することである。又、本実施例の目的の1つは、全ての画像形成部のキャリア劣化を抑制して、かぶり、飛散、がさつき、画像濃度不良を発生させずに、長期にわたって安定した画像形成を行うことを可能とすることである。
そこで、本実施例では、画像形成部毎に現像装置に補給される補給現像剤のキャリアのトナーに対する帯電能力を規定することで、再転写トナー、再転写外添剤が混入した場合においても、全ての画像形成部のキャリア劣化を抑制する。これによって、かぶり、飛散、がさつき、画像濃度不良を発生させずに、長期にわたって安定した画像形成を行うことを可能とする。以下、実験例を参照して更に詳しく説明する。
(1)実験例1(従来例)
先ず、本実施例の画像形成装置100と基本的には同じ構成であって、現像剤が本実施例とは異なる比較対象としての従来例において発生した問題を説明する。
つまり、有彩色であるイエロー、マゼンタ、シアンの現像剤、無彩色であるブラックの現像剤の全てにおいて、キャリアのトナーに対する帯電能力を同一とした場合、次のような問題が発生した。
画像比率10%のフルカラー画像の形成を行った場合、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部1M、1C、1Bkにおいて、下流の画像形成部になるに従って、かぶり、飛散、粒状度(がさつき)が悪化する現象が発生した。
表1に、フルカラー画像の形成枚数が600000枚に達したときのかぶり、飛散、粒状度、トナー帯電量低下率の結果を示す。
尚、かぶりに関しては、ベタ白画像(白紙の画像)の形成動作を行ったときの紙上のかぶり反射率測定の結果を示した。又、飛散に関しては、レーザースキャナ窓の汚れ具合を、○(良好)、△(汚れあるが画質に影響なし)、×(画質に影響あり(NG))の3段階評価を行った結果を示した。又、粒状度(がさつき)に関しては、目視による評価を行い、○(良好)、△(初期より悪化しているが画質に影響なし)、×(画質に影響あり(NG))の3段階評価を行った結果を示した。かぶりの合格ラインは2.0%以下で、飛散、粒状度レベルは△以上を合格ラインとした。
トナー帯電量低下率は、初期と600000枚通紙後とのトナー帯電量を、2成分ブローオフ法を用いて測定し、初期のトナー帯電量に対する通紙後(耐久時)のトナー帯電量の低下率(%)を算出した結果である。初期と通紙後(耐久時)の現像剤のトナーの摩擦帯電量は、現像スリーブ上の現像剤を1gサンプリングし、混合撹拌することなく図6のブローオフ法の測定装置を使用して、次のように測定した。
図6はトナーの帯電電荷量を測定する装置の説明図である。測定試料は、常温常湿環境下(23℃/50%)に開放状態で一日放置したものを用いる。底に目開き20μm(625メッシュ)のスクリーン43のある金属製の測定容器42に、上記試料約0.3g(W(g))を入れ、金属製のフタ44をする。この時測定容器42全体の重量を秤っておく。次に、吸引機41(測定容器42と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口47から吸引し、風量調節弁46を調整して、真空計45の圧力を250mmAqとする。この状態で十分、好ましくは2分間吸引を行い、トナーを吸引除去する。この時の電位計49の電位V(ボルト)、コンデンサー48の容量C(μF)から、電荷量を求める。そして、吸引後の測定容器全体の重量を秤り、単位重量当たりのトナーの帯電量(μC/g)を算出した。
又、キャリアのトナーに対する帯電能力の測定も、上述のブローオフ法を用いて行った。具体的には、測定試料としては、それぞれのキャリアのトナーに対する帯電能力の測定に関して、次のものを用いる。即ち、同一のトナー1.6gと、それぞれの磁性キャリア18.4gとを、50ccのポリエチレン製の容器に入れ、常温常湿環境下(23℃/50%)に開放状態で一日放置し、その後、ターブラミキサーで60秒混合したものを用いる。後は、上述のトナーの帯電量を求める測定方法と同じであり、底に目開き20μm(625メッシュ)のスクリーン43のある金属製の測定容器42に、上記試料約0.3g(W(g))を入れ、金属製のフタ44をする。この時測定容器42全体の重量を秤っておく。次に、吸引機41(測定容器42と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口47から吸引し風量調節弁46を調整して真空計45の圧力を250mmAqとする。この状態で十分、好ましくは2分間吸引を行い、トナーを吸引除去する。この時の電位計49の電位V(ボルト)、コンデンサー48の容量C(μF)から、電荷量を求める。そして、吸引後の測定容器全体の重量を秤り、単位重量当たりのトナーの帯電量(μC/g)を算出し、この値をキャリアの帯電能力とした。
Figure 2011107344
表1に示すように、本実験例の場合、下流の画像形成部になるに従って、かぶり、飛散、粒状度(がさつき)が悪化する現象が発生した。これは下流の画像形成部になるに従って、再転写トナー、再転写外添剤が現像装置内に多量に混入し、キャリア劣化が促進されてしまったためである。
(2)実験例2(実施例)
一方、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部1Y、1M、1C、1Bkの各現像装置4に補給するそれぞれの補給現像剤に含まれるキャリアを、本発明に従って次のように設定し、実験例1と同じ実験を行った。即ち、イエロー、マゼンタの補給現像剤のキャリアのトナーに対する帯電能力に対して、シアン、ブラックの補給現像剤のキャリアのトナーに対する帯電能力を高めた。補給現像剤のキャリアについての詳細は、次の通りである。
<キャリア製造例1(シアン、ブラック用)>
・フェノール:3.6質量部
・ホルマリン溶液:5.4質量部(ホリムアルデヒド約40質量%、メタノール約10質量%、残りは水)
・γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.0質量%(全質量に対する質量%)で親油化処理したマグネタイト微粒子:62.0質量部(平均粒径0.23μm、比抵抗4×105Ω・cm)
・γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.0質量%(全質量に対する質量%)で親油化処理したα−Fe23微粒子:26.0質量部(平均粒径0.57μm、比抵抗2.2×109Ω・cm)
上記各成分の質量部は、キャリアの全質量部に対する値である。
この各成分から成るスラリーに、塩基性触媒としてアンモニア水、及び水をフラスコに入れ、攪拌・混合しながら40分間で85℃まで昇温・保持し、3時間反応させ、フェノール樹脂を生成し硬化させた。その後冷却し、水を添加した後上澄み液を除去し、沈殿物を水洗いし、減圧下で乾燥して、フェノール樹脂を結着樹脂としたマグネタイト微粒子含有球状磁性キャリアコア粒子を得た。
得られたキャリアコア粒子に対して、トルエン溶媒を用いて希釈したγ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%(全質量に対する質量%)で、コア表面の処理を行った。引き続き、置換基が全てメチル基であるストレートシリコーン樹脂0.65質量%(全質量に対する質量%)及びγ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.02質量%(全質量に対する質量%)の混合物を、トルエンを溶媒としてキャリアコア粒子にコートした。上記トルエン溶媒を用いて希釈したγ−アミノプロピルトリメトキシシランはコート層のプライマー剤、置換基が全てメチル基であるストレートシリコーン樹脂はコート剤(被覆剤)、そしてγ−アミノプロピルトリメトキシシランはカップリング剤である。更に、このコート処理された磁性コートキャリアを、140℃で焼き付け、100メッシュの篩で凝集した粗大粒子をカットし、次いで多分割風力分級機で微粉及び粗粉を除去して粒度分布を調整し、シアンとブラック用のコートキャリア粒子No.1を得た。
<キャリア製造例2(イエロー、マゼンタ用)>
キャリア製造例1において、コート層のプライマー剤を抜き、コート剤を質量0.4%(全質量に対する質量%)、カップリング剤を0.01質量%(全質量に対する質量%)に変更したことを除いて、キャリア製造例1と同様にして、イエローとマゼンタ用のコートキャリアNo.2を得た。
本実施例では、トナーに対する帯電能力以外のキャリアの特性については各色用のもので差が無いように維持しつつ、トナーへの帯電付与能力をコントロールし易いという観点から、キャリアコアの表面を被覆剤によって処理したキャリアが好ましい。キャリアコアの表面を被覆する被覆剤の種類、量、処理方法(特に焼結温度)を変更することによって、キャリアの帯電性(言い換えると、トナーに対する帯電能力)を調整した。特に、アミノ基を有する樹脂、アミノ基を有するカップリング剤、又は、アミノ基を有するカップリング剤を含有する樹脂を用いた。
キャリアコアの表面を被覆する樹脂は、特に限定を受けるものではない。具体的には、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体の如きアクリル樹脂、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フルオロカーボン樹脂、パーフロロカーボン樹脂、溶剤可溶性パーフロロカーボン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、石油樹脂、セルロース、セルロース誘導体、ノボラック樹脂、低分子量ポリエチレン、飽和アルキルポリエステル樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、無水マレインとテレフタル酸と多価アルコールとの重縮合によって得られる不飽和ポリエステル、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素−メラミン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−グアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、グリプタール樹脂、フラン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂及びポリウレタン樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂は、1種又は2種以上を用いても良い。
上述した如く、アミノ基を有する樹脂、アミノ基を有するカップリング剤、又は、アミノ基を有するカップリング剤を含有する樹脂を用いて処理することが好ましい。更に好ましくは、アミノ基を有するシランカップリング剤、又は、アミノ基を有するカップリング剤を含有する樹脂を用いて処理する。
更には、次のようにして、キャリアの帯電性(即ち、トナー帯電能力)を調整することが好ましい。即ち、全ての色用(ブラック、並びに、イエロー、マゼンタ及びシアンの各カラー用)のキャリアにおいて、同一のアミノ基を有するカップリング剤及び/又はアミノ基を有するシランカップリング剤を含有する樹脂を用い、その量を調整する。より具体的には、例えば、本実験例のようにシアン及びブラック用のキャリアの帯電性を、イエロー及びマゼンタ用のキャリアのものよりも大きくする場合、次のようにしてキャリアの帯電性を調整することが好ましい。シアン及びブラック用のキャリアのアミノ基を有するシランカップリング剤及び/又はアミノ基を有するシランカップリング剤を含有する樹脂の量を、イエロー及びマゼンタ用のキャリアにおけるその量よりも多くする。或いは、次のようにしてキャリアの帯電性を調整することが、帯電付与能力を安定的にコントロールし易いという点で好ましい。即ち、アミノ基を有するシランカップリング剤及び/又はアミノ基を有するシランカップリング剤を含有する樹脂に関して、シアン及びブラック用のキャリアにおけるアミン当量を、イエロー及びマゼンタ用のキャリアにおけるアミン当量よりも大きいものを用いる。
以上のようにして、補給現像剤に含まれるキャリアのトナーに対する帯電能力を、有彩色の中で、イエロー及びマゼンタ用のものと、シアン用のキャリアのものとで変更した。又、無彩色であるブラック用の補給現像剤に含まれるキャリアのトナーに対する帯電能力は、シアン用のものと同じにした。
尚、本実験例では、有彩色用、無彩色用のいずれの現像装置4においても、現像容器4a内に含まれる(即ち、予め収容される)キャリアとしては、イエロー用の補給現像剤に含まれるキャリアと同じものを使用した。
実験例1と同様の実験方法で耐久試験を行った。画像比率10%のフルカラー画像形成を600000枚行ったときの、かぶり、飛散、粒状度、トナー帯電量低下率の結果を表2に示す。
Figure 2011107344
本実験例の場合、イエロー及びマゼンタ用の画像形成部の下流に位置するシアン及びブラック用の画像形成部において、補給現像剤に含まれるキャリアのトナー帯電能力を高める。これによって、表2に示すように、再転写トナー、再転写外添剤の影響を最小限にすることができる。
その結果、下流側の画像形成部においても、かぶり、飛散、粒状度(がさつき)などの不具合を防止することができる。即ち、全ての画像形成部において、現像装置4の寿命600000枚を通じて安定したトナー帯電量及び画質を維持することができる。
尚、下流側の画像形成部について補給現像剤に含まれるキャリアのトナー帯電能力を高めるのではなく、全ての画像形成部の補給現像剤に含まれるキャリア比率を増加することによっても、再転写外添剤によるキャリア劣化を防止し、同様の効果が得られる。しかし、上流側の画像形成部について補給現像剤のキャリア比率を必要以上に高くすることは、ランニングコストが上がってしまうため実用的ではない。
又、本実験例では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用の補給現像剤に含まれるキャリアのトナー帯電能力の関係を、イエロー=マゼンタ<シアン=ブラックとした。本発明者らは更に、当該関係をイエロー=マゼンタ<シアン<ブラック、イエロー<マゼンタ<シアン<ブラック、イエロー<マゼンタ<シアン=ブラックとして本実験例と同様の実験を行った。その結果、これらいずれの場合も、画像比率を10%で画像形成を行った場合、全ての画像形成部でかぶり、飛散、がさつきは現像装置の寿命600000枚を通じて発生しなかった。本実験例と異なるキャリアのトナー帯電能力の関係とする場合も、本実験例と同様、例えば上述のようにアミノ基を有するカップリング剤及び/又はアミノ基を有するシランカップリング剤を含有する樹脂の材質、量を調整する方法により、当該関係を調整できる。即ち、例えばトナーに対する帯電能力を高くするキャリアについては、アミノ基を有するシランカップリング剤及び/又はアミノ基を有するシランカップリング剤を含有する樹脂の量を多くする。或いは、例えばトナーに対する帯電能力を高くするキャリアについては、アミノ基を有するシランカップリング剤及び/又はアミノ基を有するシランカップリング剤を含有する樹脂に関して、アミン当量の大きいものを用いる。
更に、現像装置4の現像容器4aに予め収容されるキャリアのトナー帯電能力についても、各画像形成部間での補給現像剤中のキャリアのトナー帯電能力の関係と同様に異ならせることができる。一例として、イエロー及びマゼンタ用の現像容器4aに予め収容されるキャリアとしては、イエロー用の補給現像剤に含まれるキャリアを使用する。又、シアン用の現像容器4aに予め収容されるキャリアとしては、イエロー用の現像容器4aに含まれるキャリアよりトナー帯電能力の高いキャリアを使用する。又、ブラック用の現像容器4aに予め収容されるキャリアとしては、シアン用の現像容器4aに含まれるキャリアよりトナー帯電能力の高いキャリアを使用する(即ち、イエロー=マゼンタ<シアン<ブラック)。その他、各色用の現像装置4の現像容器4aに含まれるキャリアのトナー帯電能力の関係を、イエロー=マゼンタ<シアン=ブラック、イエロー<マゼンタ<シアン<ブラック、或いはイエロー<マゼンタ<シアン=ブラックとしてもよい。これによって、更にかぶり、飛散、がさつきの発生を防止するのに効果的である。
以上のように、本実施例では、画像形成装置の複数の画像形成部には、クリーナレス方式と共に現像剤自動交換方式を採用する第1の画像形成部(イエロー又はマゼンタの画像形成部)及び第2の画像形成部(シアン又はブラックの画像形成部)が含まれる。クリーナレス方式は、転写手段による転写の後に像担持体の表面に存在するトナーを現像装置に回収するものである。現像剤自動交換方式は、トナーとキャリアとを含む補給現像剤を補給手段により現像装置に補給して、現像装置内の余剰現像剤を排出手段により現像装置から排出するものである。そして、本実施例では、第2の画像形成部は、第1の画像形成部よりも被転写体の移動方向において下流側に配置されており、補給現像剤に含まれるキャリアのトナー帯電能力は、第1の画像形成部よりも第2の画像形成部の方が高い。典型的には、第1及び第2の画像形成部は、現像装置がトナーとして有彩色のトナーを用いる有彩色用画像形成部である。上記複数の画像形成部には更に、現像装置がトナーとして無彩色のトナーを用いる無彩色用画像形成部が含まれていてよい。
即ち、クリーナレス方式及び現像剤自動交換方式を併用する画像形成装置において、典型的には下流の画像形成部になるに従って補給現像剤に含まれるキャリアのトナーに対する帯電能力を上げる。これによって、再転写トナー、外添剤が混入した場合においても、全ての画像形成部のキャリア劣化を抑制し、かぶり、飛散、がさつきを発生させずに、長期にわたって安定した画像形成を行うことができる。
尚、更に詳細に検討した結果、補給現像剤に含まれるキャリア比率(重量比率)は1〜40重量%に設定することが好ましいことが分かった。キャリア比率を1重量%より小さくした場合、自動現像剤交換方式の効果がなくなる。逆に、40重量%を超えると、補給用のトナー容器(トナーボトル)内に占めるトナーの割合が低くなる。そのため、例えば画像比率が高い画像形成を連続して行った場合に、トナー補給の追従性が損なわれたり、或いはキャリアの補給量が排出量を上回ってしまうことで現像容器4a内の現像剤が飽和したりすることが発生する。更には、トナーボトル内でトナーに対する帯電が開始されることによって、余剰に電荷を持ったトナーが補給されることが発生する。従って、補給現像剤のキャリア比率は、トナー補給量の観点で、40重量%以下が好ましい。このように、補給現像剤のキャリア比率は、1〜40重量%の範囲において、キャリアのトナー帯電能力を下流の画像形成部になるに従って高めていくのが最適と言える。
[実施例2]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1のものと同じである。従って、実施例1のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
実施例1では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの全ての画像形成部においてクリーナレス方式を採用していた。一方、本実施例では、最下流の画像形成部であるブラックの画像形成部1Bkのみ感光ドラム用のクリーナ機構を有する構成となっている。
そして、本実施例では、ブラック用の補給現像剤に含まれるキャリアのトナー帯電能力は、イエロー、マゼンタ、シアン用のものより低くする。クリーナレスの画像形成部1Y、1M、1Cでは再転写トナー、再転写外添剤の影響を受けるが、クリーナ機構を有するブラック用の画像形成部1Bkでは再転写トナー、再転写外添剤の影響を受けないためである。更に、本実施例では、クリーナレスの画像形成部については、下流の画像形成部になるに従って補給現像剤に含まれるキャリアのトナー帯電能力を上げる。
本実施例では、ブラックの画像形成部1Bkのみ感光ドラム用のクリーナ機構を有する。そのため、ブラックの画像形成部1Bkでは、残留トナー、再転写トナー、再転写外添剤などの影響によるキャリア汚染が大幅に低減されている。従って、ブラックの画像形成部1Bkは最下流の画像形成部であるが、ブラック用の補給現像剤におけるキャリアのトナー帯電能力を、他のクリーナレスの画像形成部に対する補給現像剤におけるキャリアのトナー帯電能力よりも低く設定できる。
本実施例では、ブラックの画像形成が頻繁に行われることを想定して、ブラックの画像形成部のみ感光ドラムの寿命を向上させるために、アモルファスシリコン感光ドラムを用いている。アモルファスシリコン感光ドラムは、実施例1で説明した有機感光ドラムよりも耐磨耗性が非常に優れている一方、表面が磨耗しないことによって画像流れが発生し易い。そのため、クリーニング部材として感光ドラムに接触するクリーナブレードを装着して使用される。クリーナブレードを装着することによって、感光ドラムの表面の放電生成物を除去することが可能となる。
本実施例で用いる有機感光ドラムの寿命は10000枚、アモルファスシリコン感光ドラムは500000枚である。
ここで、本実施例におけるブラックの画像形成部1Bkの構成を、図4を用いて説明する。現像装置4については実施例1のものと同じであるので重複する説明は省略する。
ブラックの画像形成部1Bkでは、帯電装置21Bkとして、スコロトロンタイプのコロナ放電器を使用する。このコロナ放電器は、放電ワイヤ22を、感光ドラム2Bk側が開口した金属製のシールドで覆って形成されている。ブラックの画像形成部1Bkは、クリーナ機構(クリーニング手段)としてクリーニング装置20を有する。クリーニング装置20は、1次転写後に感光ドラム2の表面に残った残留トナーを、クリーニング部材としてのクリーナブレードにより除去する。ブラックの画像形成部1Bの感光ドラム2Bとしては、公知のアモルファスシリコン感光ドラムを用いる。
・実験例3
実験例3は、本実施例に従う。具体的には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのそれぞれの補給現像剤に含まれるキャリアのトナー帯電能力の関係を、イエロー=ブラック<マゼンタ<シアンとした。
尚、本実験例では、イエロー及びマゼンタ用の現像容器4aに予め収容されるキャリアとしては、イエロー用の補給現像剤に含まれるキャリアを使用する。又、シアン用の現像容器4aに予め収容されるキャリアとしては、シアン用の補給現像剤に含まれるキャリアを使用する。又、ブラック用の現像容器4aに予め収容されるキャリアとしては、ブラック用の補給現像剤に含まれるキャリアを使用する。
実験例1と同様の実験方法で耐久試験を行った。画像比率10%で画像形成をそれぞれの画像形成部で600000枚行ったときの、かぶり、飛散、粒状度、トナー帯電量低下率の結果を表3に示す。
Figure 2011107344
本実験例の場合、各色用の補給現像剤に含まれるキャリアのトナー帯電能力の関係をイエロー=ブラック<マゼンタ<シアンとする。これによって、表3に示すように、かぶり、飛散、粒状度(がさつき)などの不具合を防止し、全ての画像形成部において、現像装置4の寿命600000枚を通じて安定したトナー帯電量及び画質を維持することができる。
本実施例では、クリーナ付き画像形成部は、最下流のブラック用の画像形成部1Bkのみであるが、クリーナ付き画像形成部は複数であってもよい。又、クリーナ付き画像形成部は、無彩色用の画像形成部に限らず、有彩色用の画像形成部を含んでいてよい。
尚、現像容器4aに予め収容されるキャリアのトナー帯電能力は、全ての画像形成部で同等でも、上述の効果は確認できる。現像容器4aに予め収容されるキャリアのトナー帯電能力を、より下流の画像形成部ほど高くすることによって、かぶり、飛散などの不具合の発生確率をよりいっそう低減することができる。そのため、より下流の画像形成部ほど現像容器4a内のキャリアのトナー帯電能力を高めることが、かぶり、飛散などの不具合の発生防止において、より好ましい。本実施例では、現像容器4aに予め収容されるキャリアのトナー帯電能力の関係は、イエロー=ブラック=マゼンタ<シアンであるが、この他イエロー=ブラック<マゼンタ<シアンなどとしてもよい。
以上のように、本実施例では、画像形成装置の複数の画像形成部には、(a)クリーナレス方式と共に現像剤自動交換方式を採用する複数のクリーナレス画像形成部(イエロー、マゼンタ又はシアンの画像形成部)が含まれる。又、本実施例では、画像形成装置の複数の画像形成部には、(b)クリーニング装置を有すると共に、現像剤自動交換方式を採用する少なくとも1つのクリーナ付き画像形成部(ブラックの画像形成部)が含まれる。そして、複数のクリーナレス画像形成部は、被転写体の移動方向において下流側のものほど、補給現像剤に含まれるキャリアのトナー帯電能力が高い。
本実施例では、感光ドラムのクリーナ機構を有する画像形成部における補給現像剤のキャリアのトナー帯電能力を、再転写の影響を受けるクリーナレスの画像形成部における補給現像剤のキャリアのトナー帯電能力よりも低くする。そして、本実施例では、クリーナレスの画像形成部については、下流の画像形成部になるに従って補給現像剤に含まれるキャリアの帯電能力を上げる。これにより、クリーナ機構を有する画像形成部の補給現像剤に含むキャリアの帯電能力を必要以上に上げることなく、且つ、不必要なランニングコストをかけることなく、全ての画像形成部のキャリア劣化を抑制することができる。そして、かぶり、飛散、がさつきを発生させずに、長期にわたって安定した画像形成を行うことができる。
以上、本発明を具体的な実施例に則して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
例えば、本発明は、上述の各実施例におけるような中間転写方式の画像形成装置ではなく、感光ドラムから直接に記録媒体へとトナー像が転写される直接転写方式の画像形成装置にも適用できる。図7は、直接転写方式の画像形成装置の概略構成を示す。同図中、上記各実施例におけるものと同一又はそれに対応する機能を有する要素には同一符号を付している。直接転写方式の画像形成装置では、上述の各実施例における中間転写体の替わりに、記録材担持体として、例えば無端ベルト状の記録材担持ベルト116を有する。そして、この記録材担持体上に担持された被転写体としての記録材Pに、各転写部Nにおいて各画像形成部の感光体から直接トナー像が転写される。その後、記録材に転写されたトナー像は、記録材に定着される。その他の構成及び動作は、上記各実施例におけるような中間転写方式の画像形成装置と同様とし得るので説明は省略する。このような直接転写方式の画像形成装置においても、再転写の影響によるキャリアの劣化の問題は、中間転写方式の画像形成装置と同様にある。従って、本発明を直接転写方式の画像形成装置に適用することによって、上述の各実施例と同様の効果を得ることができる。
又、上述の各実施例で説明した画像形成装置の構成部品の寸法、材質、形状、及びその相対位置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
1 画像形成部
2 感光ドラム
3 帯電ローラ
4 現像装置
5 一次転写ローラ
6 帯電補助装置
16 中間転写ベルト

Claims (11)

  1. 像担持体と、前記像担持体に静電像を形成する静電像形成手段と、前記像担持体に形成された静電像をトナーとキャリアとを備える現像剤を用いてトナー像として現像する現像装置と、前記像担持体に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、をそれぞれが備え、前記被転写体の移動方向に沿って配置された複数の画像形成部を有する画像形成装置において、
    前記複数の画像形成部には、前記転写手段による前記転写の後に前記像担持体の表面に存在するトナーを前記現像装置に回収すると共に、トナーとキャリアとを含む補給現像剤を補給手段により前記現像装置に補給して前記現像装置内の余剰現像剤を排出手段により前記現像装置から排出するようになっている第1及び第2の画像形成部が含まれ、
    前記第2の画像形成部は、前記第1の画像形成部よりも前記被転写体の移動方向において下流側に配置されており、前記補給現像剤に含まれるキャリアのトナー帯電能力は、前記第1の画像形成部よりも前記第2の画像形成部の方が高いことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第1及び第2の画像形成部は、前記現像装置がトナーとして有彩色のトナーを用いる有彩色用の画像形成部であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記複数の画像形成部には更に、前記現像装置がトナーとして無彩色のトナーを用いる無彩色用の画像形成部が含まれることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記無彩色用の画像形成部は、前記転写手段による前記転写の後に前記像担持体の表面に存在するトナーを前記現像装置に回収すると共に、トナーとキャリアとを含む補給現像剤を補給手段により前記現像装置に補給して前記現像装置内の余剰現像剤を排出手段により前記現像装置から排出するようになっているか、又は前記転写手段による前記転写の後に前記像担持体の表面に存在するトナーを除去するクリーニング装置を有すると共に、トナーとキャリアとを含む補給現像剤を補給手段により前記現像装置に補給して前記現像装置内の余剰現像剤を排出手段により前記現像装置から排出するようになっていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記現像装置内に予め収容されるキャリアのトナー帯電能力は、前記第1の画像形成部よりも前記第2の画像形成部の方が高いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 像担持体と、前記像担持体に静電像を形成する静電像形成手段と、前記像担持体に形成された静電像をトナーとキャリアとを備える現像剤を用いてトナー像として現像する現像装置と、前記像担持体に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、をそれぞれが備え、前記被転写体の移動方向に沿って配置された複数の画像形成部を有する画像形成装置において、
    前記複数の画像形成部には、(a)前記転写手段による前記転写の後に前記像担持体の表面に存在するトナーを前記現像装置に回収すると共に、トナーとキャリアとを含む補給現像剤を補給手段により前記現像装置に補給して前記現像装置内の余剰現像剤を排出手段により前記現像装置から排出するようになっている複数のクリーナレス画像形成部と、(b)前記転写手段による前記転写の後に前記像担持体の表面に存在するトナーを除去するクリーニング装置を有すると共に、トナーとキャリアとを含む補給現像剤を補給手段により前記現像装置に補給して前記現像装置内の余剰現像剤を排出手段により前記現像装置から排出するようになっている少なくとも1つのクリーナ付き画像形成部と、が含まれ、
    前記複数のクリーナレス画像形成部は、前記被転写体の移動方向において下流側のものほど、前記補給現像剤に含まれるキャリアのトナー帯電能力が高いことを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記クリーナレス画像形成部は、前記現像剤がトナーとして有彩色のトナーを用いる有彩色用の画像形成部であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記クリーナ付き画像形成部は、前記現像装置がトナーとして無彩色のトナーを用いる無彩色用の画像形成部、又は前記現像装置がトナーとして有彩色のトナーを用いる有彩色用の画像形成部であることを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
  9. 前記複数のクリーナレス画像形成部は、前記被転写体の移動方向において下流側のものほど、前記現像装置内に予め収容されるキャリアのトナー帯電能力が高いことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記複数の画像形成部のそれぞれは更に、前記転写手段による前記転写の後に前記像担持体の表面に存在するトナーの少なくとも一部を帯電させる帯電補助手段を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記補給現像剤に含まれるキャリアの比率は1〜40重量%であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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JP2015030505A (ja) * 2013-08-02 2015-02-16 ダイニック株式会社 撥水性蓋材

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