JP3732109B2 - 像坦持体及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ等の画像形成装置に用いる像坦持体に関し、さらに詳しくは、電子写真プロセスに対して優れた耐久性を有し安定した画像を得ることができる像坦持体とこれを用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機やプリンタ等に広く使用されている電子写真方法に用いられる電子写真感光体(以下、単に感光体と言うことがある。)としては、安価、大量生産性、無公害性等の利点から、有機系の感光材料が汎用されている。ところが、有機系感光体は無機系感光体と比較して耐摩耗性が低く、耐久性の点で劣っていることや、近年は電子写真システムの小型化が望まれるようになってきて感光体の小径化を余儀なくされていることから、耐摩耗性を主とする機械的耐久性が強く要望されるようになってきた。
【0003】
有機系感光体において耐摩耗性を向上させる方法としては、金属あるいは金属酸化物からなるフィラーを含有する保護層を設けるものが、特開昭57−30846号公報に開示されている。この方法は、フィラーの平均粒径を0.3μm以下として保護層の透明性を高め、残留電位の上昇を抑制しようとするものである。また、保護層にフィラーとともに電荷輸送物質を含有させる方法が、特開平4−281461号公報に開示されており、耐摩耗性を維持しつつ残留電位の上昇を抑制可能であるとしている。さらに、残留電位の上昇を抑制させるものとして、保護層中にフィラーとともに有機酸を含有させるもの(特開昭53−133444号、特開昭55−157748号公報参照)、電子受容性物質を含有させるもの(特開平2−4275号公報参照)が提案されている。またさらに、特開平8−234455号公報には、フィラーを含有する電荷輸送層において、フィラーと電荷輸送層との屈折率差が0.1以上であり、粒径1〜3μmの粒子を1mm2あたり1×104〜2×105個含有するものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように感光体表面にフィラーを含んだ保護層を形成することで、機械的耐久性に優れた感光体を得ることができるが、その一方で、高耐摩耗性が高すぎる場合には経時的に感光体表面に放電生成物が蓄積してしまい、高温、高湿環境で画像流れ等の異常画像が発生してしまう場合がある。
【0005】
また、感光体の摩耗はクリーニングブレード等のクリーニング装置へのトナー入力量により大きな影響を受けるため、現像装置の特性に起因してクリーニングへのトナー入力量に感光体長手方向で偏差がある場合、感光体の摩耗量にも偏差が生じてしまうため、部分的に摩耗が進行してしまう領域ができて寿命が短くなってしまったり、部分的に摩耗の進行しない領域ができて経時的に異常画像が発生したりすることがある。
【0006】
本発明は、前記従来の課題にかんがみ、クリーニング装置へのトナー入力量に偏差がある場合でも感光体の摩耗量に偏差が生じにくく、長期にわたって安定して良好な画像を得ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る像担持体のうち請求項1に係るものは、表面に保護層を形成した像坦持体において、前記保護層がフィラーを含有し、該保護層中における該フィラー含有量を長手方向で単調に変化させてなることを特徴とする。
【0008】
同請求項2に係るものは、請求項1の像坦持体において、前記保護層の任意断面における前記フィラー含有量がその平面内での面積占有率として2〜6%であることを特徴とする。
【0009】
同請求項3に係るものは、請求項1または2の像担持体において、前記導電性基体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層及び保護層を形成してなり、前記保護層中に電荷輸送物質を含むことを特徴とする。
【0010】
同請求項4に係る画像形成装置は、請求項1ないし3のいずれかの像担持体を用いてなることを特徴とする。
【0011】
同請求項5に係るものは、請求項4の画像形成装置において、前記像坦持体上に形成された静電潜像を現像する現像手段を備え、該現像手段が、少なくとも前記像坦持体に対向配置する現像剤坦持体と、該現像剤坦持体と平行に近接配置して該現像剤坦持体の長手方向に現像剤を搬送する第一の現像剤搬送部材と、該第一の現像剤搬送部材と反対方向に現像剤を搬送する第二の現像剤搬送部材を備え、前記現像手段で使用するトナーに、定着補助剤または潤滑剤の少なくとも一方が含まれたトナーを使用し、前記第一の現像剤搬送部材の搬送方向上流側において、前記像坦持体保護層中のフィラー含有量が少なくなるように配置したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なおドラム状の感光体について以下説明するが、本発明はこれに限定されず、シート状やエンドレスベルト状の感光体であってもよい。
【0013】
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態の要部を示す概略断面図である。感光体101は、導電性支持体上に感光層を形成して構成してある。この感光体101は、帯電手段である帯電ローラ102により均一に帯電される。帯電ローラ102には直流成分のみ、あるいは直流成分に交流成分重畳した帯電バイアスを印加する。もちろん帯電手段としては、ローラだけに限られず、ブラシ等の接触帯電手段やチャージャでもよい。
【0014】
均一に帯電された感光体101には、図示せぬ露光手段から発した画像情報に応じた露光103により静電潜像を形成する。露光手段としてはレーザーダイオード(LD)、発光ダイオード(LED)等を用いることができる。
【0015】
感光体101上に形成した静電潜像は、現像装置104により現像し、トナー像が形成される。このトナー像は、転写手段である転写ローラ106により転写材105に転写する。転写手段はローラだけでなく、ブラシ、ベルト等の接触転写手段やチャージャでもよい。転写材105上に転写したトナー像は定着装置109により定着する。
【0016】
トナー像の転写後、感光体101上に残存するトナーをクリーニング手段であるクリーニングブレード107により感光体101から除去する。クリーニング装置としては、ファーブラシ、マグブラシ等のクリーニングブラシを用いることもあり、ブレードとブラシを併用する場合もある。クリーニングブレード107を通過した感光体101上の部位を除電ランプ108により光除電し、次の画像形成に備える。
【0017】
図2は、本発明の画像形成装置に用いる積層型電子写真感光体の概略断面図である。図中1が導電性支持体、2が感光層で、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層3と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層4とを積層して形成してあり、表層として保護層5を形成してある。
【0018】
導電性支持体1は、体積抵抗1010Ωcm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ステンレス等の金属を管状に加工したもの、あるいはニッケル等の金属をエンドレスベルト状に加工したもの、またはフィルム状または円筒状のプラスチックにニッケル等の金属、酸化スズ等の金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより被覆したもの等を用い得る。
【0019】
電荷発生層3は、電荷発生材料を主成分とする層であり、電荷発生材料には無機または有機材料を用いる。代表的なものとしては、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、セレン、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、アモルファス・シリコン等が挙げられる。これらの電荷発生材料をポリカーボネート等のバインダー樹脂とともに、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン等の溶媒を用いてボールミル等により分散し、分散液を塗布することにより形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート等により行う。電荷発生層3の膜厚は、通常は0.01〜5μm、好ましくは0.1〜2μmとする。
【0020】
電荷輸送層4は、電荷輸送材料及びバインダー樹脂をテトラヒドロフラン、トルエン、ジクロルエタン等の適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤等を添加することもできる。
【0021】
電荷輸送材料のうち、低分子電荷輸送材料には、電子輸送材料と正孔輸送材料とがある。電子輸送材料としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド等の電子受容性物質が挙げられる。また正孔輸送材料としては、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、チオフェン誘導体等の電子供与性物質が挙げられる。電荷輸送材料として高分子電荷輸送材料を用いる場合、適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥して電荷輸送層を形成してもよい。高分子電荷輸送材料は、前記低分子電荷輸送材料に電荷輸送性置換基を主鎖または側鎖に有した材料であればよい。
【0022】
電荷輸送材料と共に電荷輸送層4に使用するバインダー樹脂としては、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。電荷輸送層4の厚さは、5〜30μmの範囲で所望の感光体特性に応じて適宜選択すればよい。
【0023】
本実施形態用の積層型電子写真感光体には、導電性支持体1と感光層との間に下引き層を形成することができる。下引き層は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤を用いて塗布することを考慮すると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂等の水溶性樹脂、共重合ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために、酸化チタン、シリカ、アルミナ等の金属酸化物の微粉末を加えてもよい。この下引き層は、前記感光層2と同様に、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。下引き層の膜厚は、0〜5μmが適当である。
【0024】
本実施形態の積層型電子写真感光体には、既述のように、表層として感光層2の保護及び耐久性の向上のために、フィラーを含有する保護層5を感光層2上に形成する。保護層5は、添加するフィラーの量を重量基準で通常は10〜40%、好ましくは20〜30%とするものである。フィラーの量が10%未満では摩耗が大きくて耐久性に劣り、40%を越えると感度低下や残留電位上昇が無視できなくなるので望ましくない。この要求を満足するために、保護層5の任意断面におけるフィラー含有量がその平面内での面積占有率として2〜6%とすることが望ましい。
【0025】
現像装置104は、感光体101に対向している現像ローラ10、現像ローラ10に近接して紙面の表面から裏面方向に現像剤を搬送する第一の搬送スクリュウ11、紙面の裏面から表面方向に現像剤を搬送する第二の搬送スクリュウ12を互いに平行に備えている。現像ローラ10は、図示は省略するが外周側の回転自在なスリーブと内側に固定した磁石から構成する。第二の搬送スクリュウ12の搬送方向上流側にはトナー補給口を設け、第二の搬送スクリュウ12の搬送方向下流側に設けたトナー濃度センサの出力に応じて、これも図示せぬトナー補給装置からトナーを補給する。
【0026】
現像剤はトナーとキャリアからなる二成分現像剤であり、キャリアは粒径50μm程度のフェライト、マグネタイト、鉄等の磁性体表面にシリコーン樹脂等の樹脂をスプレー等の方法で表面処理されたものを使用する。トナーはエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂等の結着樹脂と顔料及び帯電制御剤を混練粉砕し、分級したものに、シリカ、チタニア等の外添剤を加えたものであり、粒径は7μm程度である。
【0027】
トナーには、必要に応じてワックスやオイル等の定着助剤を内添したり、ステアリン酸亜鉛やフッ素樹脂等の潤滑剤の粉末を外添したりする場合がある。定着助剤を添加することで定着装置109をなす定着ローラ13、14にシリコーンオイル等の定着オイルを塗布しなくても定着オフセットを防止することができ、コストダウンが図れる上、定着オイルがこぼれて床を汚したりする心配もなくせる。潤滑剤は、感光体102の表面エネルギーを低減させ、紙粉やトナーによる感光体フィルミングを防止したり、転写中抜け等の異常画像の発生を防止したりする作用がある。
【0028】
トナー補給口から供給されたトナーは、搬送スクリュウ11、12により搬送されつつ現像剤と混合され、キャリアとの摩擦帯電により帯電し、現像ローラ10に供給される。このような2軸撹拌タイプの現像装置では、その構成上、現像剤撹拌方向の上流側でトナーの帯電が弱くなる傾向があり、転写紙上の地肌汚れは問題がないレベルであっても、撹拌方向の上流側で感光体101上の地肌汚れが悪い傾向がある。
【0029】
このように現像装置104の構成に起因して地肌汚れに偏差があり、トナーに潤滑剤や定着助剤が添加されている場合には、これらの添加剤がクリーニングブレードでの摩擦を低減するため、従来のように保護層5中のフィラー含有量が均一であると、地肌汚れの多い撹拌方向上流側では下流に比べ摩耗量が少なくなり、感光体101の摩耗に偏差が生じてしまうので、本実施形態では保護層5中のフィラー含有量を感光体101の長手方向で変化させ、地肌汚れの多い撹拌方向上流側でフィラー含有量が少なくなるように現像装置104と感光体101を配置することで、摩耗偏差の発生を防止している。
【0030】
保護層5の形成にはスプレー塗工を使用することができる。通常は感光体101を周方向に回転させながら、スプレーガンを感光体101の長手方向に移動させながら塗工液を吹き付けることで均一な保護層5を形成することができる。繰り返し塗工を行うことで任意の膜厚の保護層5を形成できる。塗工後、加熱乾燥させて溶媒を除去し、保護層5を完成させる。
【0031】
感光体101の長手方向でフィラー含有量を変化させるには、スプレーガンを複数使用すればよい。それぞれのスプレーガンからフィラー含有量の異なる塗工液を一部がオーバーラップするように噴射して塗工することで、感光体101の長手方向でフィラー含有量が変化する保護層5を形成することができる。それぞれの塗工液のフィラー量や、複数のスプレーガンの間隔等を調整することで保護層5中のフィラー含有量の変化量を調整することもできる。
【0032】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、これら実施例によって本発明が限定されるものではない。
<実施例1>
直径30mmのアルミニウム基体上に、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層及び保護層を、その順に塗布、乾燥し、3.5μmの下引き層、0.15μmの電荷発生層、20μmの電荷輸送層、5μmの保護層からなる電子写真感光体を製作した。このとき、保護層の塗工はスプレー法により、それ以外は浸漬塗工法により行った。
【0033】
保護層は、現像剤撹拌方向の上流側がフィラー含有量が少なくなるように塗工した。感光体の保護層断面を、SEMにより観察し、保護層中のフィラーの分散状態を調べたところ、撹拌方向上流側のフィラーの面積占有率は3.8%、撹拌方向下流側のフィラーの面積占有率は4.6%であった。この感光体を図1に示した装置と同じ電子写真プロセスにて耐久性の評価を実施した。このとき画像露光は655nmのレーザ露光とし、帯電は帯電ローラに交流電圧(2kHz、1.8kVpp)に直流電圧(−750V)を重畳したものを印加した。電子写真プロセスのプロセス速度は125mm/秒である。出力画像は、初期及び連続通紙10万枚後においてもほぼ良好であり、10万枚後においてわずかな中間調のムラが認められた。また、連続通紙10万枚後の感光体の摩耗量は感光体長手方向でほぼ均一であり約3.5μmであった。
【0034】
<比較例1>
上述した実施例1においてフィラーの面積占有率を感光体長手方向全幅にわたって3.8%になるように塗工した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。これを実施例1と同一の電子写真プロセスでの耐久性について評価したところ、出力画像は、現像剤搬送方向上流側では連続通紙10万枚後においても画像は概ね良好で、中間調でわずかなムラが発生した。また、感光体の摩耗量は3.8μmであった。しかしながら、現像剤搬送方向下流側ではクリーニング不良による黒スジが発生した。また、感光体の摩耗量は6.8μmもあり、摩耗により保護層が消失していた。
【0035】
<比較例2>
実施例1においてフィラーの面積占有率を感光体長手方向全幅にわたって4.6%になるように塗工した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。これを実施例1と同一の電子写真プロセスでの耐久性について評価したところ、出力画像は、現像剤搬送方向下流側では連続通紙10万枚後においても画像は概ね良好で、中間調でわずかなムラが発生した。また、感光体の摩耗量は3.2μmであった。しかしながら、現像剤搬送方向上流側では高温、高湿環境の電源投入直後に画像流れが発生した。また、感光体の摩耗量は0.7μmしかなかった。
【0036】
すなわち、以上説明してきたように、像坦持体である感光体表面に形成した保護層にフィラーを含有させ、フィラー含有量を感光体の長手方向で単調に変化させると、感光体の耐摩耗性が向上し、長期にわたって安定かつ優れた画像特性を有するものとなる。これは、画像形成装置の構成に起因して感光体の長手方向で摩耗量に差が生じてしまう場合、感光体の長手方向でフィラー含有量を変化させることで、摩耗量を均一にすることができる。
【0037】
また、保護層のフィラー含有量をその平面内での面積占有率として2〜6%とすることで、フィラーによる書き込み光の散乱を実使用上問題のないレベルに抑えることができ、高耐久かつ高画質の画像形成を行える。
【0038】
さらに、感光体が摩耗しにくい現像剤搬送方向上流側で、感光体保護層中のフィラー含有量が少なくなるように、感光体と現像装置を配置することで、感光体の摩耗量を均一にすることができる。
【0039】
またさらに、保護層中に電荷輸送物質を含む構成とすることで、感光体表面に保護層を設けても、感度が低下したり、残留電位が上昇したりすることがなく、良好な感光体特性が得られる。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、以上説明してきたように、像担持体の耐摩耗性が向上し、長期にわたって安定かつ優れた画像特性を有するものとなるという効果がある。そしてこの像担持体を用いた画像形成装置においては、像担持体の摩耗量を均一化することで、形成する画像の高画質化が図れるようになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像形成装置の一実施形態の要部を示す概略断面図である。
【図2】 本発明の画像形成装置に用いる積層型電子写真感光体の概略断面図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体
2 感光層
3 電荷発生層
4 電荷輸送層
5 保護層
10 現像ローラ
11 第一の搬送スクリュウ
12 第二の搬送スクリュウ
13、14 定着ローラ
101 感光体
102 帯電ローラ
103 露光
104 現像装置
105 転写材
106 転写ローラ
107 クリーニングブレード
108 除電ランプ
109 定着装置
Claims (5)
- 表面に保護層を形成した像坦持体において、前記保護層がフィラーを含有し、該保護層中における該フィラー含有量を長手方向で単調に変化させてなることを特徴とする像坦持体。
- 請求項1の像坦持体において、前記保護層の任意断面における前記フィラー含有量がその平面内での面積占有率として2〜6%であることを特徴とする像坦持体。
- 請求項1または2の像担持体において、前記導電性基体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層及び保護層を形成してなり、前記保護層中に電荷輸送物質を含むことを特徴とする像担持体。
- 請求項1ないし3のいずれかの像担持体を用いてなることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項4の画像形成装置において、前記像坦持体上に形成された静電潜像を現像する現像手段を備え、該現像手段が、少なくとも前記像坦持体に対向配置する現像剤坦持体と、該現像剤坦持体と平行に近接配置して該現像剤坦持体の長手方向に現像剤を搬送する第一の現像剤搬送部材と、該第一の現像剤搬送部材と反対方向に現像剤を搬送する第二の現像剤搬送部材を備え、前記現像手段で使用するトナーに、定着補助剤または潤滑剤の少なくとも一方が含まれたトナーを使用し、前記第一の現像剤搬送部材の搬送方向上流側において、前記像坦持体保護層中のフィラー含有量が少なくなるように配置したことを特徴とする画像形成装置。
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