JP2008134428A - 現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】現像剤担持体によるトナーの搬送性を確保し、安定した画像濃度を実現すると共に、カブリ現象を抑え、高品質な画像を得る。
【解決手段】現像ローラ10の表面の中心線平均粗さRa(μm)が0.3以下であり、現像ローラ10の半径をR(mm)、規制部材7が現像ローラ10の回転方向上流側に自由端7cを有し、最上流当接位置7bから自由端7cまで成すベクトル8が少なくとも鉛直上方成分(8v)を有し、ベクトル8の距離をL(mm)とすると、
S=((L×R)/2)−(πR×(tan−1(L/R))/360)
で表される、現像ローラ10と現像剤規制部材7との当接位置上流側で形成される取り込み断面積S(mm)が、
4.5×10−4≦S≦8.0×10−2
を満足する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式を用いて記録材上に画像を形成する画像形成装置に関し、特に画像形成装置に適用される現像装置及びプロセスカートリッジに関するものである。
従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般的には次のようにして複写物を得るものである。すなわち、光導電性物質を利用し、種々の手段により潜像担持体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーで現像して可視像とし、必要に応じて紙等の記録材にトナー像を転写した後、熱や圧力等により記録材上にトナー画像を定着して複写物を得る。
近年、電子写真法を用いた機器は、従来の複写機以外にもプリンタやファクシミリ等多種にわたってきている。特にプリンタやファクシミリでは、複写装置部分を小さくする必要があるために、一成分トナーを用いた現像方式が使用されることが多い。
一成分現像方式には、二成分現像方式において必要なガラスビーズや鉄粉等のキャリア粒子が不要なために、現像装置自体を小型化及び軽量化することができる。更に、二成分現像方式は、現像剤中のトナー濃度を一定に保つ必要があるために、常時トナー濃度を検知して必要量のトナーを補給する装置が必要であり、これも現像装置が大きく重くなる原因となっている。一成分現像方式ではこのような装置は不要であり、この点においても装置の小型化及び軽量化を図ることができるので好ましい。
又、プリンタ装置は、LED及びLBPプリンタが最近の市場の主流になっており、技術の方向としてより高解像度になってきている。従って、現像方式もこれに伴ってより高精細が要求されてきている。又、複写機においても高機能化が進んでおり、そのためにデジタル化の方向に進みつつある。この方向は、静電荷像をレーザで形成する方法が主であるために、やはり高解像度の方向に進んでおり、ここでもプリンタと同様に高解像及び高精細の現像方式が要求されてきている。これらの対応として特許文献1や特許文献2等では粒径の小さいトナーが提案されている。
上記方式の現像に用いられる現像剤担持体としては、電圧を印加してトナー像を感光体上に形成するために、均一な導電性や耐リーク性が求められる。
そこで、次に示すような表面層を設ける場合が多い。それは、例えば良導電性の芯金上に、電子導電剤やイオン導電剤を分散し、所望の抵抗値に調整した弾性層を形成する。そして、その外周に、耐摩耗性や、トナー搬送性を得るために、ナイロン、ウレタンなどの樹脂に、適宜表面粗さを確保するための粗し粒子や、導電性を確保するための導電剤を添加した表面層を設けるものである。また現像ローラの抵抗安定化のために、弾性層と表面層の間に抵抗調整層(中間層)を設ける場合もある。
例えば、特許文献3の現像剤担持体が3μm以上15μm以下の表面粗さとなるよう表面層に微粒子を分散させており、トナー搬送性、耐トナー劣化性において、いずれも性能を満足する効果が表れている。また、特許文献4のものでは、表面層に添加剤を添加し凹凸を形成することにより、トナーのフィルミング(固着)を防いでいる。
また、特許文献5においては、円筒状支持体の外周面にコート層を設け、また、特許文献6では、表面層に導電性カーボンビーズを含有している。このことにより、表面層の表
面が0.8μm以上2.5μm以下の算術平均粗さRa、95μm以上150μm以下の平均間隔Smを有する現像剤担時体を用い、画像濃度とゴースト性能を満足している。
特開平1−112253号公報 特開平2−284158号公報 特開平11−160998号公報 特開平11−65265号公報 特開平8−234559号公報 特開平9−15979号公報
しかしながら、従来技術では、トナー搬送性つまり全黒濃度安定性や、耐トナー劣化性つまりトナーフィルミングの防止において、性能を満足することが可能であるが、帯電性の不足によるカブリ現象が問題として見出される。
このカブリ現象は、現像剤担持体上のトナーの層厚を規制する規制ブレードとの摩擦が影響していることが判明した。つまり、表面粗さの凹凸の違いにより、カブリの性能に大きく差が生じているのである。
ここで凹凸が大きい、つまり凹凸の中心線粗さRaが大きい場合には、規制ブレードとの接触面が不均一になり、トナーそれぞれに効果的な摩擦帯電が行われず、感光体の非画像部分にトナーが付着するいわゆる“カブリ”が発生する。これに対し、凹凸が小さい、つまり凹凸の中心線粗さRaが小さい場合には、規制ブレードとの面接触が行われ、カブリの発生が抑えられる。
さらに現像剤担持体の表面層に、従来技術を満たすような凹凸を形成するためには、製造工程において、厳しい形状管理、またさらに、添加する粒子の種類によっては、体積抵抗値管理をする必要がある。このような場合、結果として、現像剤担持体の歩留まりが低下し、コスト高を招く原因となり得る。
以上より、現像剤担持体表面の凹凸は少ないほうが好ましいが、それによるトナー搬送性の低下は避けられない。
本発明は上記したような事情に鑑みてなされたものであり、現像剤担持体によるトナーの搬送性を確保し、安定した画像濃度を実現すると共に、カブリ現象を抑え、高品質な画像を得ることを目的とする。
上記目的を達成するために本発明にあっては、
現像剤を表面に担持しながら像担持体上に搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体表面に担持された現像剤を介して前記現像剤担持体に当接するように設けられ、前記現像剤担持体表面の現像剤の付着量を規制する現像剤規制部材と、
を備えた現像装置において、
前記現像剤担持体の表面の中心線平均粗さRa(μm)が0.3以下であり、
前記現像剤担持体の半径をR(mm)とし、
前記現像剤規制部材が現像剤担持体の現像剤搬送方向上流側に自由端を有し、前記現像剤担持体と前記現像剤規制部材との当接位置のうち最も現像剤搬送方向上流側の当接位置から前記自由端まで成すベクトルが少なくとも鉛直方向上方の成分を有し、前記ベクトルの長さをL(mm)とすると、
S=((L×R)/2)−(πR×(tan−1(L/R))/360)
で表される、前記現像剤担持体と前記現像剤規制部材との当接位置の現像剤搬送方向上流側で形成される現像剤取り込み断面積S(mm)が、
4.5×10−4≦S≦8.0×10−2
を満足することを特徴とする。
本発明によれば、現像剤担持体によるトナーの搬送性を確保し、安定した画像濃度を実現すると共に、カブリ現象を抑え、高品質な画像を得ることが可能となる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
図2は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置100の概略構成図である。
本実施の形態の画像形成装置は、クリーニング機構を有する非磁性1成分接触現像方式のレーザビームプリンタである。
ここで、本実施の形態に係る画像形成装置100は、電子写真技術を利用した画像形成装置である。電子写真技術を利用した画像形成装置とは、電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成するものである。電子写真画像形成装置の例として、例えば電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えばレーザビームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。なお、本実施例においてプロセスカートリッジは、少なくとも現像手段をカートリッジ化して電子写真画像形成装置本体に着脱可能とするものをいうが、現像手段と像担持体(電子写真感光体)とを一体的にカートリッジ化しても良い。
図中の1は静電潜像担持体、2が接触帯電部材であり、ここではローラ形の帯電部材を示した。3はレーザビーム光源である。6は現像装置、4は現像容器であり、現像容器4の中には現像剤と現像剤供給部材(以下、供給ローラという)12、現像剤規制部材(以下、規制部材という)7、現像剤担持体10がある。
ここで、像担持体(静電潜像担持体)としての感光体1と、現像剤担持体10とが圧接して回転している。レーザビーム光源3から出射された光束により感光体1上に静電潜像が形成され、感光体1上に形成された静電潜像が現像装置6によって現像されることで、トナー像として可視化される。なお、本実施の形態では露光部にトナー像を形成するいわゆる反転現像を行っている。
可視化された感光体1上のトナー像は、転写ローラ9によって記録材(記録媒体、転写材)13に転写され、転写されずに感光体1上に残存した転写残現像剤はクリーニング部材5によりかきとられ廃現像剤収容容器11に収納される。クリーニングを終えた静電潜像担持体は再び接触帯電部材2によって帯電される。記録材13に転写された未定着のトナー像は、定着器17によって記録材13に定着される。これら一連の動作が連続して繰り返されることによって、画像形成が行われるものである。
ここで、感光体1は、アルミ素管上に厚さ0.3〜1.0μmの電荷発生層、及び厚さ5〜20μmの電荷輸送層を塗工された、その直径が30mmのものを用いており、周速100mm/sで回転している。
また、本実施の形態では、転写後の感光体1表面をブレードクリーニングする機構を有するものであるが、ブレードクリーニングのクリーニング部材5としては、公知のブレードが使用できる。
また、ブレードクリーニング後の帯電方法としては、公知の接触あるいは非接触の帯電方式が使用可能であるが、帯電時にオゾンの発生を抑制する効果のある接触帯電方式がより好ましい。
次に、本実施の形態に係る現像装置6について更に説明する。
本実施の形態において、トナーは非磁性一成分現像剤を用いている。トナーは、懸濁重合方法を用い、モノマーとしてスチレンとn−ブチルアクリレート、荷電制御剤としてサリチル酸金属化合物、極性レジンとして飽和ポリエステル、更に着色剤を加え、着色懸濁粒子である球形トナーを用いた。
また、体積平均粒径を3〜10μmとする。なぜなら、体積平均粒径が3μm未満である場合には、トナー粒子の過剰帯電(チャージアップ)が発生しやすいトナーとなり、ネガゴーストが発生してしまい、好ましくない。又、体積平均粒径が10μmを超える場合には、高精細性に劣る画像となり、好ましくないからである。
このようなトナーは球形であるため、感光体1との付着力が従来の非球形トナーと比較して小さく、紙等の記録材に対する転写性に優れている。
また、転写されずに感光体1上に残存した転写残トナーをブレード、ファーブラシ等のクリーニング手段によってクリーニングする際にも、潤滑性が高いことから感光体1の磨耗が少ない等の利点を有する。
本実施の形態の画像形成方法に好適な現像剤担持体10について説明する。
現像剤担持体10は、一般的に一成分の接触現像方法に用いられるものであれば特に限定するものではないが、好ましくは、弾性層を有するローラ(現像ローラ)が用いられる。以下の説明では、現像剤担持体10を現像ローラ10という場合がある。
現像ローラ表面の弾性層硬度としては、現像性と耐久性の両立の観点から20〜60度(ASKER C)程度が好ましい。弾性ローラの材質としては公知の材質、構造のものが使用可能である。特にシリコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きソリッドのゴム弾性体、あるいはこれらの発泡弾性体が好ましく使用される。また、表面に中心部と異なるコート層を有する公知の多層構造ローラも使用できる。
現像ローラ10の表面形状としては、前述したように、トナーに対する摩擦帯電ムラを抑制するためにも、現像ローラの凹凸は少ないほうが好ましい。現像剤担持体の表面粗度として、Ra(μm)「JIS B 0601」を0.3以下となるように設定すると、規制部材(ブレード)との面接触が行われ、トナー帯電性に効果がある。
次に、現像ローラ10と感光体1との回転周速比V(%)と、現像ローラ10上のトナー搬送量M/S(mg/cm)との関係について述べる。
画像濃度を満たすためには回転周速比とトナー搬送量の適正化で実現することができる。つまり、トナー搬送量が少ない場合、回転周速比を上げることで、画像濃度を満たすこ
とができる。しかし、回転周速比が150%より大きい周速差に設定すると、接触部分の機械的ストレスが増大し、トナー劣化が増大する。
以上より、回転周速比は150%以下が好ましく、それに伴い、トナー搬送量は0.3mg/cm以上が求められる。
また、供給ローラ12は、規制部材7と現像ローラ10表面との当接部に対し、現像ローラ10の回転方向(トナー搬送方向、移動方向)に対して上流側に当接され、かつ回転可能に支持されている。この構造としては、発泡骨格状スポンジ構造や芯金上にレーヨン、ナイロン等の繊維を植毛したファーブラシ構造のものが、現像ローラ10に対する現像剤の供給及び未現像現像剤の剥ぎ取りの点から好ましい。
供給ローラ12は、本実施の形態においては、芯金上にポリウレタンフォームを設けた直径12mmのローラを用いた。この供給ローラ12の現像ローラ10に対する当接幅としては、1〜8mmが有効で、本実施の形態おいては、当接幅を1.5mmに設定し、回転駆動させた。
次に、規制部材7について図1を参照しながら述べる。図1は、本実施の形態に係る現像装置6の要部を詳細に示した図である。
現像ローラ10上のトナーは、現像ローラ10表面に圧接するよう配置されている規制部材7(現像ブレード)により規制され、現像ローラ10上にトナー層を形成する。
規制部材7は固定端7aと自由端7cを有し、当接方向としては、当接位置に対して自由端7c側が現像ローラ10の移動方向上流側に位置するいわゆるカウンター方向になっている。
また、凹凸の少ない現像ローラを用いる場合、搬送性低下が問題である。規制部材7の規制圧を低くすることで、トナー通過量をある程度上げることが可能であるが、通過するトナーと規制部材7で十分に摩擦することができなくなり、カブリ現象が起こってしまう。また、ある一定以上規制圧を上げるとトナー搬送性がさらに低下するばかりでなく、規制部材7へのトナー融着が発生してしまう。以上より、規制部材7を現像ローラ10表面へ圧接し現像ローラ10上の層厚を規制する圧力は、9.8N/m(10gf/cm)から58.8N/m(60gf/cm)が好ましい。
現像剤コート量の規制部材の材質としては、特に限定されるものではなく、公知の金属製部材や弾性ブレード、金属ブレード表面に有機層を有したもの等が使用できる。本実施の形態において、規制部材7の材質はSUSを用いている。また、導電性の材質を用いて、現像ローラ10と規制部材7間に電界を設けることで、帯電されたトナーの規制部材7への付着によるコート阻害を防ぐことが可能となる。本実施の形態においては、規制部材7に印加する電圧Vbと現像バイアスVdcとの関係が、|Vb|−|Vdc|=−200(V)となるように設定している。
さらに本発明において、規制部材7のトナー取り込み角度と、トナー取り込み容積は特に重要である。凹凸の少ない現像ローラを用いた際の搬送性低下を防ぐためには、適正なトナー取り込み容積を設け、その取り込み容積にトナーを十分に蓄える、つまりトナーがこぼれ落ちないように配置することが必要である。
特に凹凸の少ない現像ローラ10は、トナーとの接触面積が少なくなり、鏡映力による保持が出来ず、トナー担持量はほぼ1層に限られる。さらに2層目以上は、重力の影響を
受けやすい。
従って、トナー取り込み角度は、現像ローラ10と規制部材7との最上流当接位置7bから規制部材7の自由端7cまでのベクトル8に対して、鉛直成分8vが少なくとも鉛直上方でなければならない。ここで、鉛直上方とは、水平面に対してベクトル8の成す角θが0°≦θ≦180°をいうものである。特に、水平面に対してベクトル8の成す角θが0°≦θ≦90°が好ましい。
以上のトナー取り込み角度の範囲において、トナーの搬送性とトナー取り込み容積には深い関係があり、特に長手方向を考慮しない、取り込み断面積S(mm)でその関係を言い表せる。取り込み断面積Sは、最上流当接位置7bから規制部材7の自由端7cまでの距離であるトナー取り込み長(ベクトル8の長さ)L(mm)と、現像ローラ10の半径R(mm)で近似できることができ、その値は以下のようになる。
S=((L×R)/2)−(πR×(tan−1(L/R))/360)
次に、搬送性を満たせるようなトナー取り込み面積を得るため、実験例をもとに説明する。
トナー取り込み長Lは、本実施の形態に用いられる現像ローラ10と同径、同硬度、同抵抗を有する弾性ローラに、市販の染料をごく薄く塗布し、現像装置6に仮組みした後、この弾性ローラを取り外し、光学顕微鏡により規制部材7表面を観察し測定した。
なお、この測定方法は一例であり、これに限られるものではない。他の測定法の一例としては、本実施の形態に用いられる現像装置で1000枚通紙印刷後、現像ローラ10と規制部材7との摺擦による削れ跡から測定することも可能である。
トナーの搬送性は、規制部材7との当接ニップ通過後の現像ローラ10上のトナー搬送量(担持量)M/S(mg/cm)、トナーの摩擦帯電性は白地部へのカブリ(%)で評価する。カブリの測定は東京電色社製のREFLECTMETER MODEL TC−6DSを用いて測定し、下式より算出した。
カブリ(反射率)(%) = 標準紙の反射率(%) − サンプル非画像部の反射率(%)
(実験例1)
トナー取り込み角度θを30°、現像ローラ10の半径Rを10mm、トナー取り込み長Lを1.0mmとし、現像ローラ10の中心線平均粗さRaを0.4、1.0μmとそれぞれ設定したものを評価した。
(実験例2)
現像ローラ10の中心線平均粗さRaを0.1μm、半径Rを10mm、トナー取り込み長Lを1.0mmとし、トナー取り込み角度を−10、−40°とそれぞれ設定したものを評価した。
(実験例3)
トナー取り込み角度θを30°、現像ローラ10の中心線平均粗さRaを0.1μm、半径Rを10mmとし、トナー取り込み長Lを0.1、0.3、1.0、1.7、2.0mmと変えていったものを評価した。
(実験例4)
トナー取り込み角度θを30°、現像ローラ10の中心線平均粗さRaを0.1μm、
半径Rを6mmとし、トナー取り込み長Lを0.1、0.3、1.0、1.5、2.0mmと変えていったものを評価した。
Figure 2008134428
表1にはそれぞれの実験例についての結果を示している。
実験例1は、現像ローラに凹凸を設けた場合の結果を表している。現像ローラ上の凹凸によりトナー搬送性は十分に満たしているが、その結果、規制部材7との摩擦帯電が不十分になり、カブリが非常に悪い結果となった。
実験例2は、トナー取り込み角度を好ましくない範囲に設定した場合の結果を表している。これより、トナー取り込み容積が十分に確保されていても、トナー取り込み角度が0°≦θ≦180°の範囲でない場合、取り込み容積内のトナーがこぼれ落ち、結果的にトナー搬送性不良が発生してしまう。
さらに実験例3のうち、実験例3−1は取り込み容積が少なすぎるため、トナー搬送性不良が発生した。また、実験例3−5は取り込み容積に関しては十分に確保できるものの
、取り込み容積内に蓄積されたトナー量が非常に多くなり、容積内トナーの流動による摩擦帯電が十分に行われないまま搬送されてしまい、トナー帯電性不良が発生した。ただし、現像ローラに凹凸を設けた実験例1に比べて、比較的軽微である。
また、実験例4においても実験例3と同様で、実験例4−1はトナー搬送性不良、実験例4−4,4−5はトナー帯電性不良がそれぞれ発生した。
実験例3,4より、トナー搬送性とトナー取り込み断面積との関係を図3に、トナー帯電性(カブリ)とトナー取り込み断面積との関係を図4に示す。
以上の結果から、凹凸の少ない現像ローラ10を用いた場合、トナー取り込み断面積S(mm)を以下のように設定すれば、トナー搬送性とトナー帯電性ともに良好な結果が得られた。
4.5×10−4≦S≦8.0×10−2
以上より、中心線平均粗さRaが0.3μm以下の現像ローラを用いた場合、トナーの取り込み角度、トナーの取り込み断面積を最適に設定することにより、次のような効果を得ることが可能となる。すなわち、トナーの搬送性を確保し、安定した画像濃度を実現すると共に、良好なトナー帯電性、つまりカブリ現象を抑え、高品質な画像を得ることが可能となる。
本発明の実施の形態に係る現像装置の要部を詳細に示した図である。 本発明の実施の形態に係る現像装置を用いた画像形成装置の概略構成図である。 本発明の実施の形態に係る現像装置におけるトナー搬送量M/S(mg/cm)とトナー取り込み断面積S(mm)との関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る現像装置におけるカブリ(%)とトナー取り込み断面積S(mm)との関係を示す図である。
符号の説明
1 感光体
2 接触帯電部材(帯電手段)
3 露光手段
4 現像容器
5 クリーニング部材
6 現像装置
7 規制部材
7a 規制部材7の固定端
7b 現像剤担持体10と規制部材7との最上流当接位置
7c 規制部材7の自由端
8 最上流当接位置7bから自由端7cまでのベクトル
8v ベクトル8の鉛直成分
8h ベクトル8の水平成分
9 転写ローラ(転写手段)
10 現像剤担持体
12 供給ローラ
13 記録材
17 定着器

Claims (4)

  1. 現像剤を表面に担持しながら像担持体上に搬送する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体表面に担持された現像剤を介して前記現像剤担持体に当接するように設けられ、前記現像剤担持体表面の現像剤の付着量を規制する現像剤規制部材と、
    を備えた現像装置において、
    前記現像剤担持体の表面の中心線平均粗さRa(μm)が0.3以下であり、
    前記現像剤担持体の半径をR(mm)とし、
    前記現像剤規制部材が現像剤担持体の現像剤搬送方向上流側に自由端を有し、前記現像剤担持体と前記現像剤規制部材との当接位置のうち最も現像剤搬送方向上流側の当接位置から前記自由端まで成すベクトルが少なくとも鉛直方向上方の成分を有し、前記ベクトルの長さをL(mm)とすると、
    S=((L×R)/2)−(πR×(tan−1(L/R))/360)
    で表される、前記現像剤担持体と前記現像剤規制部材との当接位置の現像剤搬送方向上流側で形成される現像剤取り込み断面積S(mm)が、
    4.5×10−4≦S≦8.0×10−2
    を満足することを特徴とする現像装置。
  2. 前記現像剤は、非磁性1成分現像剤であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 少なくとも請求項1又は2に記載の現像装置を有し、画像形成装置本体に着脱可能に構成されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  4. 像担持体と、この像担持体に現像作用を行なう請求項1又は2に記載の現像装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
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