以下、本発明を複数の画像形成速度を持つタンデム型のカラー画像形成装置に適用した実施例について説明する。
図1は、本発明の実施例に係る画像形成装置の概略構成図である。この画像形成装置は、画像形成部100と、給紙部200と、原稿読取部300と、原稿搬送部400によって構成される。また、画像形成装置は、その内部の各装置の動作を制御する図示しない制御部も備えている。
画像形成部100は、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成された4つのプロセスユニット10Y,10M,10C,10Kを備えている。各プロセスユニット10Y,10M,10C,10Kは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの異なる色のトナーを収容している以外は基本的に同様の構成となっている。
各プロセスユニット10Y,10M,10C,10Kの基本構成について説明する。なお、以下の説明において、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の区別を示すY、M、C、Kの表示は便宜的に省略する。
各プロセスユニット10は、静電潜像を担持する像担持体としての感光体1と、感光体1の表面を帯電させる帯電手段2と、感光体1の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して可視画像化する現像手段3と、感光体1の表面に残留するトナーを除去するためのクリーニング手段4を備える。
また、画像形成部100は、各感光体1の表面を露光して静電潜像を形成する露光手段としての露光装置5と、各感光体1に形成された可視画像を紙等の記録媒体に転写する転写手段としての中間転写ユニット6と、記録媒体に転写された可視画像を定着させるための定着装置16を備えている。
中間転写ユニット6は、複数のローラ11,12,13,14に掛け渡された無端状の中間転写ベルト7と、各感光体1に対向する4つの一次転写ローラ8と、前記複数のローラのうちの1つのローラ11に対向する二次転写ローラ9によって構成されている。各一次転写ローラ8は中間転写ベルト7を介して感光体1と圧接しており、各感光体1と中間転写ベルト7との圧接部において一次転写ニップを形成している。また、二次転写ローラ9は中間転写ベルト7を介して対向するローラ11と圧接しており、二次転写ローラ9と中間転写ベルト7との圧接部において二次転写ニップを形成している。また、中間転写ベルト7上に残留するトナーを除去するクリーニング手段として、ベルトクリーニング装置15を配設している。
定着装置16は、内部にヒータ等の加熱源を有する加熱ローラ17と、定着ローラ18と、加熱ローラ17及び定着ローラ18に掛け渡された無端状の定着ベルト19と、定着ベルト19を介して定着ローラ18に圧接する加圧ローラ20によって構成されている。加圧ローラ20と定着ベルト19との圧接部において、定着ニップを形成している。
給紙部200は、記録媒体を収容可能な複数の給紙カセット21と、給紙カセット21から記録媒体を送り出す給紙ローラ22と、記録媒体を1枚ずつ分離する分離ローラ23等を備えている。また、画像形成装置内には、給紙部200から画像形成部100へ記録媒体を搬送するための搬送路24が配設されている。この搬送路24には、記録媒体を搬送する搬送ローラ25と、搬送した記録媒体を一旦停止するレジストローラ26が設けてある。
原稿読取部300は、原稿をセットするコンタクトガラス27と、コンタクトガラス27上の原稿を照明する光源28と、光源28からの光を反射する複数のミラー29,30と、ミラー29,30で反射された光を結像する結像レンズ31と、結像した画像から情報を読み取る読取センサ32を有している。
原稿搬送部400は、原稿をセットする原稿台33と、原稿台33にセットした原稿を送り出すピックアップローラ34と、送り出された原稿をコンタクトガラス27上に搬送する原稿搬送ローラ35を有する。
また、画像形成装置の図の左側部分には、記録媒体を装置外に排出する排紙ローラ36と、排出された記録媒体をストックする排紙トレイ37が設けてある。また、画像形成装置の図の右側部分には、手差しトレイ38と、手差しトレイ38上の記録媒体を装置内へ送り込む給紙ローラ39と、記録媒体を1枚ずつ分離する分離ローラ40が設けられている。
以下、図1を参照して上記画像形成装置の基本動作について説明する。
まず、原稿搬送部400の原稿台33上に原稿をセットするか、又は原稿搬送部400を開いて原稿読取部300のコンタクトガラス27上に原稿をセットして原稿搬送部400を閉じることで原稿を押さえる。そして、図示しないスタートスイッチを押すと、原稿搬送部400に原稿をセットしたときは、原稿搬送部400に設けたピックアップローラ34及び原稿搬送ローラ35によって原稿が原稿読取部300のコンタクトガラス27へ搬送される。そして、搬送される原稿がコンタクトガラス27上を通過する際に、光源28から発した光を原稿面で順次反射させながら、その反射光を複数のミラー29,30と結像レンズ31を経由させて読取センサ32に入れ、画像情報を読み取る。これにより、光源28やミラー29,30等からなる光学系を移動させることなく、原稿を読み取ることが可能である。他方、コンタクトガラス27上に原稿をセットしたときは直ちに、原稿読取部300を駆動し、光源28及びミラー29,30を移動させる。そして、コンタクトガラス27上の原稿に光源28から光を照射すると共に、原稿面からの反射光を上記と同様にミラー29,30と結像レンズ31を経由させて読取センサ32に入れ、画像情報を読み取る。
給紙部200において、給紙カセット21に収容されている記録媒体を、供給ローラ22と分離ローラ23によって一枚ずつ搬送路24へ送り出す。搬送路24に送り出された記録媒体は、搬送ローラ25によって搬送された後、レジストローラ26によって一旦停止される。また、手差しで記録媒体を送る場合は、手差しトレイ38上に記録媒体をセットし、給紙ローラ39及び分離ローラ40によって手差しトレイ38上の記録媒体が一枚ずつ装置内に送り込まれる。この送り込まれた記録媒体も、上記と同様に、レジストローラ26によって一旦停止される。
また、画像形成部100の各プロセスユニット10において、感光体1を図の矢印の方向に回転させ、その感光体1の表面を帯電手段2によって均一な高電位に帯電させる。次いで、上記原稿読取部300で読み取った画像情報に基づいて、露光装置5から感光体1の表面にレーザビームが照射され、照射された部分の電位が低下して静電潜像が形成される。この感光体1の表面に形成された静電潜像の部分に、現像手段3によって帯電させたトナーを静電的に転移させ、各色のトナー画像を形成(可視画像化)する。
各感光体1に形成された各色のトナー画像は、感光体1と一次転写ローラ8との間の一次転写ニップにおいて、周回走行する中間転写ベルト7上に重なり合うように一次転写される。その後、レジストローラ26の駆動を再開し、中間転写ベルト7上のトナー画像とタイミング(同期)をとって二次転写ローラ9と中間転写ベルト7との間の二次転写ニップへ記録媒体を送る。そして、二次転写ニップにおいて、送られてきた記録媒体にトナー画像を二次転写する。
トナー画像を転写された記録媒体は、定着装置16へと搬送される。記録媒体が定着ローラ18と加圧ローラ20間に形成された定着ニップにおいて加熱・加圧されることにより、トナー画像が記録媒体上に定着される。その後、記録媒体は排紙ローラ36によって装置外に排出され、排出された記録媒体が排紙トレイ37上にストックされる。
また、一次転写行程を経た後の感光体1の表面、及び二次転写工程を経た後の中間転写ベルト7の表面には、それぞれ転写されなかったトナーが残留している。これらの残留トナーは、クリーニング手段4及びベルトクリーニング装置15によって除去され、次の画像形成に備える。
以下、プロセスユニットの構成について詳しく説明する。
上記4つのプロセスユニット10Y,10M,10C,10Kは、異なる色のトナーを収容している以外は基本的に同様の構成となっているので、図2において、色の区別を示すY、M、C、Kの表示は便宜的に省略して説明する。
図2に示すように、感光体1の周りには、感光体1を帯電させる上記帯電手段2としての帯電ローラ41と、感光体1の電位を検知する電位センサ42と、感光体1に形成された静電潜像を現像する上記現像手段3としての現像装置43と、感光体1の表面を除電する除電ランプ44と、感光体1の表面をクリーニングする上記クリーニング手段4としてのクリーニング装置45と、感光体1の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段としての潤滑剤供給装置46が配設されている。
現像装置43は、感光体1に対向した現像ローラ47、現像剤を搬送・撹拌するスクリュー48,49、トナー濃度センサ50等から構成される。現像ローラ47は外側の回転自在のスリーブと内側に固定された磁石から構成されている。トナー濃度センサ50の出力に応じて、図示しないトナー補給装置より必要量のトナーが補給されるようになっている。また、この現像装置43は、二成分現像方式の現像装置であり、各色の現像装置内にはトナーとキャリアからなる二成分現像剤が収容されている。
クリーニング装置45は、感光体1に当接したクリーニングブレード51と、感光体1に当接しつつ回転駆動するクリーニングブラシローラ52と、クリーニングブラシローラ52に当接したフリッカー53と、感光体1から除去されたトナー等を図示しない廃トナー収容部へ搬送するトナー搬送コイル54を備える。
潤滑剤供給装置46は、ステアリン酸亜鉛等を固形化した固形潤滑剤55と、固形潤滑剤55と感光体1とに接触して潤滑剤を感光体1の表面に供給する潤滑剤供給部材としての潤滑剤供給ブラシローラ56と、固形潤滑剤55を潤滑剤供給ブラシローラ56側へ押圧する加圧手段としてのバネ57と、感光体1の表面に当接して感光体1に供給された潤滑剤を均すための均し部材としての均しブレード58と、潤滑剤供給ブラシローラ56を回転駆動させる図示しない回転駆動手段を有する。
図3に示すように、帯電ローラ41は、導電性支持体である芯金41aと、帯電部材としての樹脂層41bと、ギャップ保持部材41cから構成される。ギャップ保持部材41cを感光体1の画像領域外に付き当てることで、帯電ローラ41の樹脂層41bと感光体1との間にギャップを形成する。このように帯電ローラ41の樹脂層41bを感光体1に対して近接した非接触状態で配設していることにより、感光体1の表面に塗布された潤滑剤が樹脂層41bに付着しにくくしている。また、この種の帯電ローラ41は、帯電手段として使用されるコロナ放電器に比べて放電生成物の発生量を低減させることができるメリットもある。
帯電ローラ41は芯金41aの端部に取り付けられたギヤが感光体1のフランジに形成されたギヤとかみ合っており、感光体1の駆動モータにより感光体1が回転すると帯電ローラ41も感光体1とほぼ等しい線速で連れ回り方向に回転する。樹脂層41bと感光体1が接触することがないので、帯電ローラ41として硬い樹脂材料と有機感光体を使用した場合でも画像領域の感光層に傷が付いたりすることはない。また、ギャップが広がりすぎると異常放電が発生し均一に帯電できなくなるため、最大ギャップは100μm程度以下に抑える必要がある。このような感光体1と帯電ローラ41間にギャップを設けた帯電ローラ41を使用する場合には、帯電バイアスとしてDC電圧にAC電圧を重畳することが望ましい。
芯金41aはステンレス等の金属が用いられる。芯金41aが細すぎると帯電部材の切削加工時や、感光体1に加圧されたときのたわみの影響が無視できなくなり、必要なギャップ精度が得られにくい。また、芯金41aが太すぎる場合には帯電ローラ41が大型化したり、質量が重くなったりする問題があるため、芯金41aの直径としては6〜10mm程度が望ましい。
帯電ローラ41の樹脂層41bは104〜109Ωcmの体積抵抗を持つ材料が好ましい。抵抗が低すぎると感光体にピンホール等の欠陥があった場合に帯電バイアスのリークが発生しやすく、抵抗が高すぎると放電が十分に発生せず均一な帯電電位を得ることができない。基材となる樹脂に導電性材料を配合することで所望の体積抵抗を得ることができる。基材樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリカーボネート等の樹脂を用いることができる。これらの基材樹脂は、成形性が良いので容易に成形加工することができる。
導電性材料としては四級アンモニウム塩基を有する高分子化合物のようなイオン導電性材料が好ましい。四級アンモニウム塩基を有するポリオレフィンの例としては、四級アンモニウム塩基を有するポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソプレン、エチレンーエチルアクリレート共重合、エチレンーメチルアクリレート共重合、エチレン−酢酸ビニル共重合、エチレン−プロピレン共重合、エチレン−ヘキセン共重合等のポリオレフィンである。本実施の形態においては、四級アンモニウム塩基を有するポリオレフィンについて例示したが、四級アンモニウム塩基を有するポリオレフィン以外の高分子化合物であっても構わない。
前記のイオン導電性材料は、二軸混練機、ニーダー等の手段を用いることにより、前記の基材樹脂に均一に配合される。配合された材料を芯金上に射出成形、あるいは押出成形にすることにより、容易にローラ形状に成型することができる。イオン導電性材料と基材樹脂の配合量は基材樹脂100重量部に対してイオン導電性材料30〜80重量部が望ましい。帯電ローラ41の樹脂層41bの厚さとしては0.5〜3mmが望ましい。樹脂層41bが薄すぎると成型が困難である上に強度の面でも問題がある。樹脂層41bが厚すぎると帯電ローラ41が大型化するうえに樹脂層41bの実際の抵抗が大きくなるため帯電効率が低下してしまう。
樹脂層41bを成形した後、樹脂層41bの両端にあらかじめ成形しておいたギャップ保持部材41cを圧入や接着、あるいはその両方を併用して、芯金41aに固定する。このようにして、帯電部材としての樹脂層41bとギャップ保持部材41cを一体化してから、切削や研削等の加工を行って帯電ローラ41の外径を整えることで樹脂層41bとギャップ保持部材41cのフレの位相を揃えることができ、帯電ギャップの変動を低減することができる。
ギャップ保持部材41cの材質としては帯電部材の基材と同様にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリカーボネート等の樹脂を用いることができる。ただし、感光層にギャップ保持部材41cを当接させるので感光層が損傷するのを防止するために、帯電部材より硬度の低いグレードを用いることが望ましい。また、摺動性に優れ感光層に損傷を与えにくい樹脂材料として、ポリアセタール、エチレン−エチルアクリレート共重合体、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等の樹脂を用いることもできる。
また、樹脂層41bやギャップ保持部材41cにはコーティング等により、トナー等が付着しにくい表層を数10μm程度の厚さで形成することもできる。
また、図2に示すように、帯電ローラ41には帯電ローラ41の表面をクリーニングするためのクリーニングローラ59が当接している。このクリーニングローラ59は、金属製の芯金上に導電性繊維を静電植毛したブラシローラである。クリーニングローラ59は、帯電ローラ41に対して自重で当接しており、帯電ローラ41の回転に伴って連れ回り回転するようになっている。
本発明で使用する感光体1の一例としては導電性支持体上に構成された感光層である電荷発生層、電荷輸送層からなる積層型有機感光体が挙げられる。導電性支持体は、体積抵抗1010Ωcm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金等の金属、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状又は円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の管材を切削、超仕上げ、研磨等で表面処理したものからなる。
上記電荷発生層は、電荷発生材料を主成分とする層である。電荷発生層の膜厚は、通常は0.01〜5μm、好ましくは0.1〜2μmである。電荷発生材料には、無機又は有機材料が用いられ、代表的なものとしては、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、フタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料、セレン、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、アモルファスシリコン等が挙げられる。これら電荷発生材料は、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
また、電荷発生層は、電荷発生材料を適宜バインダー樹脂とともに、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、2−ブタノン、ジクロルエタン等の溶媒を用いて、ボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を塗布することにより形成できる。電荷発生層の塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法等により行うことができる。
上記適宜用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン、アクリル、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリアクリル、ポリアミド等の樹脂を挙げることができる。バインダー樹脂の量は、重量基準で電荷発生材料1部に対して0〜2部が適当である。
また、電荷発生層は、公知の真空薄膜作製法によっても形成することができる。
感光体1を構成する上記電荷輸送層は、電荷輸送材料及びバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤等を添加することもできる。電荷輸送層の厚さは、10〜40μmの範囲で所望の感光体特性に応じて適宜選択すればよい。
電荷輸送材料のうち、低分子電荷輸送材料には、電子輸送材料と正孔輸送材料とがある。電子輸送材料としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド等の電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送材料は、単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
上記正孔輸送材料としては、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体等の電子供与性物質が挙げられる。これらの正孔輸送材料は、単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
電荷輸送材料と共に電荷輸送層に使用されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、フェノキシ、ポリカーボネート、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、アクリル、シリコーン、エポキシ、メラミン、ウレタン、フェノール、アルキッド等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。
上記溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、2−ブタノン、モノクロルベンゼン、ジクロルエタン、塩化メチレン等が挙げられる。
所望により電荷輸送層に添加される可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等、樹脂に汎用の可塑剤を挙げることができ、その使用量は、重量基準でバインダー樹脂に対して0〜30%程度が適当である。
所望により電荷輸送層に添加されるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー又はオリゴマーが挙げられ、その使用量は、重量基準でバインダー樹脂に対して0〜1%程度が適当である。
本発明においては、感光層に含有される電荷輸送材量の含有量は、電荷輸送層の30重量%以上とするのが好ましい。30重量%未満では、感光体へのレーザ書き込みにおけるパルス光露光において高速電子写真プロセスでの十分な光減衰時間が得られず好ましくない。
本発明の感光体1には、導電性支持体と感光層との間に下引き層を形成することもできる。下引き層は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤を用いて塗布することを考慮すると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン、等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン、アルキッド−メラミン、エポキシ等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
また、下引き層には、モアレ防止、残留電位の低減等のために、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物の微粉末を加えてもよい。この下引き層は、上記の感光層と同様、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
さらに、下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えば、ゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層を用いることも有用である。この他に、下引き層には、Al2O3を陽極酸化したものにより形成したもの、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物、SiO、SnO2、TiO2、ITO、Ce02等の無機物を真空薄膜作製法により形成したものも有効である。下引き層の膜厚は、0〜5μmが適当である。
本発明の感光体1には、感光層の保護及び耐久性の向上を目的に感光層の上に保護層を形成することもできる。この保護層はバインダー樹脂に耐摩耗性を向上する目的でアルミナ、シリカ、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム等の金属酸化物微粒子が添加された構成である。バインダー樹脂としては、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル、フェノール、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ等の樹脂が挙げられる。
保護層に添加される金属酸化物微粒子の量は、重量基準で通常は、5〜30%である。金属酸化物微粒子の量が5%未満では、摩耗が大きく耐摩耗性を向上する効果が小さく耐久性に劣り、30%を越えると、露光時における明部電位の上昇が著しくなって、感度低下が無視できなくなるので望ましくない。保護層の形成法としては、スプレー法等通常の塗布法が採用される。保護層の厚さは、1〜10μm、好ましくは3〜8μm程度が適当である。保護層の膜厚が薄すぎると耐久性に劣り、保護層の膜厚を厚くしすぎると感光体製造時の生産性が低下するだけでなく、経時での残留電位の上昇が大きくなってしまう。保護層に添加する金属酸化物粒子の粒径としては0.1〜0.8μmが適当である。金属酸化物微粒子の粒径が大きすぎる場合には保護層表面の凹凸が大きくなりクリーニング性が低下する上、露光光が保護層で散乱されやすく解像力が低下し画像品質が劣る。金属酸化物微粒子の粒径が小さすぎると耐摩耗性に劣る。
さらに保護層には、基材樹脂への金属酸化物微粒子の分散性を向上させるために分散助剤を添加することができる。添加される分散助剤は塗料等に使用されるものが適宜利用できその量は重量基準で通常は含有する金属酸化物微粒子の量に対して0.5〜4%、好ましくは、1〜2%である。
また、保護層に電荷輸送材料を添加することで、保護層中の電荷の移動を促進することができる。保護層に添加する電荷輸送材料としては電荷輸送層と同じ材料を用いることができる。
また、本発明で使用する感光体1には耐環境性の改善のため、とりわけ感度低下や残留電位の上昇を防止する目的で、各層に酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、およびレベリング剤等を添加することができる。
なお、本発明で使用できる保護層の構成としては金属酸化物粒子を分散させたタイプに限定されるものではなく、光あるいは熱硬化型の樹脂材料を用いることにより、保護層を形成することもできる。
本発明に使用するトナーは、結着樹脂、着色剤、電荷制御剤を主成分とし、必要に応じて、他の添加剤が加えられて構成されている。結着樹脂の具体例としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル樹脂、等を用いることができる。トナーに使用される着色材(例えばイエロー、マゼンタ、シアン及びブラック)としては、トナー用として公知のものが使用できる。着色材の量は結着樹脂100重量部に対して0.1から15重量部が適当である。
電荷制御剤の具体例としては、ニグロシン染料、含クロム錯体、4級アンモニウム塩などが用いられ、これらはトナー粒子の極性により使い分けされる。荷電制御剤量は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部である。
トナー粒子には流動性付与剤を添加しておくのが有利である。流動性付与剤としては、シリカ、チタニア、アルミナ等の金属酸化物の微粒子及びそれら微粒子をシランカップリング剤、チタネートカップリング剤等によって表面処理したものや、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデン等のポリマー微粒子、などが用いられる。これら流動性付与剤の粒径は0.01〜3μmの範囲のものが使用される。これら流動性付与剤の添加量は、トナー粒子100重量部に対して0.1〜7.0重量部の範囲が好ましい。
本発明に係る二成分現像剤用トナーを製造する方法としては、種々の公知の方法、またはそれらを組み合わせた方法により製造することができる。例えば、混練粉砕法では、結着樹脂とカーボンブラックなどの着色材及び必要とされる添加剤を乾式混合し、エクストルーダー又は二本ロール、三本ロール等にて加熱溶融混練し、冷却固化後、ジェットミルなどの粉砕機にて粉砕し、気流分級機により分級してトナーが得られる。また、懸濁重合法や非水分散重合法により、モノマーと着色材、添加剤から直接トナーを製造することも可能である。
キャリアは芯材それ自体からなるか、芯材上に被覆層を設けたものが一般に使用される。本発明において用いることのできる樹脂被覆キャリアの芯材としては、フェライト、マグネタイトである。この芯物質の粒径は20〜60μm程度が適当である。
キャリア被覆層形成に使用される材料としては、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フッ素原子を置換してなるビニルエーテル、フッ素原子を置換してなるビニルケトンがある。被覆層の形成法としては、従来と同様、キャリア芯材粒子の表面に噴霧法、浸漬法等の手段で樹脂を塗布すればよい。
以下、図2を参照しつつ、各プロセスユニットの動作について説明する。
画像形成を行う場合、感光体1が図の矢印の方向に回転し、その感光体1の表面を帯電ローラ41によって帯電させる。また、クリーニングローラ59が、帯電ローラ41の回転に伴って連れ回り回転しながら帯電ローラ41の表面に付着したトナー等の汚れを除去する。
図示しない露光装置によって感光体1の表面が露光され、感光体1上に静電潜像が形成される。そして、現像ローラ47によって感光体1の表面にトナーが供給され、感光体1上にトナー画像が形成される。感光体1上に形成されたトナー画像は、図の下方位置において図示しない中間転写ベルトに一次転写される。
一次転写後、感光体1の表面に残留する電荷は、除電ランプ44によって除電される。その後、回転駆動するクリーニングブラシローラ52によって、感光体1上に残留するトナーを掻き乱し、感光体1の表面から残留トナーが離れやすくする。そして、クリーニングブレード51で感光体1上の残留トナーを掻き取って除去する。除去されたトナーは、トナー搬送コイル54によって図示しない廃トナー収容部に搬送される。また、クリーニングブラシローラ52に付着したトナーは、フリッカー53によってはじき飛ばされ、はじき飛ばされたトナーもトナー搬送コイル54によって搬送される。
感光体1の表面が除電及びクリーニングされた後、回転駆動する潤滑剤供給ブラシローラ56によって、固形潤滑剤55を削り取り、その削り取った潤滑剤を感光体1の表面に供給する。そして、感光体1の表面に供給された潤滑剤は、均しブレード58によって均一な厚さに均されて感光体1の表面に塗布される。
また、この実施例では、クリーニングブラシローラ52の感光体回転方向の下流側に、潤滑剤供給ブラシローラ56を別途配設している。このため、潤滑剤供給ブラシローラ56は感光体上の残留トナーの影響を受けずに潤滑剤を感光体1へ安定して供給することができるようになっている。
上記説明したように、本発明に係る画像形成装置は、潤滑剤供給装置によって感光体の表面に潤滑剤を供給している。しかし、複数の画像形成速度を持つ画像形成装置において、感光体への潤滑剤供給量は、感光体の各線速の使用履歴(使用割合)の影響を受ける。つまり、感光体への潤滑剤供給量は、感光体の使用履歴の中で速い線速の使用割合が多いと、その後の潤滑剤の削れ量も多くなる傾向にある。
そこで、本発明では、感光体の使用履歴から得た各線速の使用割合に基づいて、感光体への潤滑剤の供給条件を設定している。この実施例では、感光体が350mm/sと175mm/sの2つの線速を有する場合において説明する。
まず、感光体の各線速の使用割合を把握するために、画像形成装置に設けた図示しない記憶手段により、過去10回分の印刷ジョブにおいて使用された感光体の線速が350mm/sと175mm/sのいずれの線速であったかについて記憶しておく。そして、下記表1に示すように、過去10回分の印刷ジョブにおける低線速(175mm/s)の使用回数に基づいて、その後実行する印刷ジョブにおける潤滑剤供給ブラシローラ(以下、単にブラシローラという場合もある)の線速を設定する。なお、ここでの「過去10回分の印刷ジョブ」とは、これから実行する印刷ジョブの直前の印刷ジョブから10回前までの印刷ジョブである。
表1に基づいて、ブラシローラの線速の設定方法について説明する。
例えば、感光体線速を350mm/sとして印刷ジョブを実行する際、過去10回分の印刷ジョブにおける低線速の使用回数が3回以下であった場合は、これから実行する印刷ジョブでのブラシローラの線速を122.5mm/sに設定する。また、感光体線速を350mm/sとして印刷ジョブを実行する際、過去の低線速の使用回数が4〜7回であった場合は、ブラシローラの線速を140mm/sに設定し、過去の低線速の使用回数が8回以上であった場合は、ブラシローラの線速を157.5mm/sに設定する。
また、感光体線速を175mm/sとして印刷ジョブを実行する場合であって、過去10回分の印刷ジョブにおける低線速の使用回数が3回以下であった場合は、これから実行する印刷ジョブでのブラシローラの線速を78.75mm/sに設定する。また、感光体線速を175mm/sとして印刷ジョブを実行する場合であって、過去の低線速の使用回数が4〜7回であった場合は、ブラシローラの線速を87.5mm/sに設定し、過去の低線速の使用回数が8回以上であった場合は、ブラシローラの線速を96.25mm/sに設定する。
なお、ブラシローラと固形潤滑剤が共に新品の状態である初期状態から印刷ジョブを10回行うまでは、ブラシローラの線速は感光体の各線速に対応した所定の線速で回転させる。
このように、過去10回分の印刷ジョブにおいて低線速の使用回数が多い場合は、少ない場合に比べて、ブラシローラの線速を増速させている。低線速での使用回数が多いと、それに伴って、低線速のブラシローラで固形潤滑剤を削り取る回数が多くなり、固形潤滑剤は削り取り難い状態となっている。そのため、固形潤滑剤が削り取り難い状態となっている場合は、ブラシローラの線速を速く設定することによって、ブラシローラの潤滑剤の削り力を大きくして、適正量の潤滑剤を感光体へ供給するようにしている。反対に、低線速での使用回数が少ないと、高線速のブラシローラで固形潤滑剤を削り取る回数が多くなるので、固形潤滑剤は削り取りやすい状態となる。この場合は、ブラシローラの線速を遅く設定して、ブラシローラの潤滑剤の削り力を低下させることにより、適正量の潤滑剤を感光体へ供給することができる。
なお、表1はあくまで一例であり、記憶するジョブ数は過去10回分に限らない。また、表1では、低線速の使用回数を3回以下、4〜7回、8回以上の3段階に分けて、各段階に応じたブラシローラの線速を設定しているが、低線速の使用回数を2段階又は4段階以上に分けてブラシローラの線速を設定してもよい。
次に、ブラシローラの線速の別の設定方法を下記表2に示す。
表2に示すブラシローラの線速の設定方法は、感光体の過去1kmの回転距離における低線速(175mm/s)での回転距離を記憶しておき、その低線速での回転距離の割合に基づいてブラシローラの線速を設定する。なお、ここでの「感光体の過去1kmの回転距離」とは、これから実行する印刷ジョブの開始前における最近1kmの感光体の回転距離である。
表2に示すように、感光体線速を350mm/sとして印刷ジョブを実行する場合であって、感光体の過去1kmの回転距離における低線速での回転距離の割合が33%以下であった場合は、これから実行する印刷ジョブでのブラシローラの線速を122.5mm/sに設定する。また、感光体線速を350mm/sとして印刷ジョブを実行する場合であって、低線速での回転距離の割合が33%を越え67%未満であった場合は、ブラシローラの線速を140mm/sに設定し、低線速での回転距離の割合が67%以上であった場合は、ブラシローラの線速を157.5mm/sに設定する。
また、感光体線速を175mm/sとして印刷ジョブを実行する場合であって、感光体の過去1kmの回転距離における低線速での回転距離の割合が33%以下であった場合は、これから実行する印刷ジョブでのブラシローラの線速を78.75mm/sに設定する。また、感光体線速を175mm/sとして印刷ジョブを実行する場合であって、低線速での回転距離の割合が33%を越え67%未満であった場合は、ブラシローラの線速を87.5mm/sに設定し、低線速での回転距離の割合が67%以上であった場合は、ブラシローラの線速を96.25mm/sに設定する。
なお、ブラシローラと固形潤滑剤が共に新品の状態である初期状態から感光体の回転距離が1kmに達するまでは、ブラシローラの線速は感光体の各線速に対応した所定の線速で回転させる。
表2に示す設定方法においても表1と同様に、感光体線速を低線速で使用した割合が多い場合は、少ない場合に比べて、ブラシローラの線速を増速させている。これにより、固形潤滑剤が削り取り難い状態となっている場合に、ブラシローラの線速を速く設定することによって、ブラシローラの潤滑剤の削り力を大きくし、適正量の潤滑剤を感光体へ供給するようにしている。反対に、低線速での使用割合が少ないと、固形潤滑剤は削り取りやすい状態となるので、この場合は、ブラシローラの線速を遅く設定して、ブラシローラの潤滑剤の削り力を低下させることによって、適正量の潤滑剤を感光体へ供給することができる。
なお、表2はあくまで一例であり、記憶する感光体の回転距離は1kmに限らない。また、表2では、低線速での回転距離の割合を33%以下、33〜67%、67%以上の3段階に分けて、各段階に応じたブラシローラの線速を設定しているが、低線速での回転距離の割合を2段階又は4段階以上に分けてブラシローラの線速を設定してもよい。
上記のように、本発明は、感光体の使用履歴から得た各線速の使用割合に基づいて、潤滑剤供給ブラシローラの線速を設定しているので、感光体の線速の使用割合によらず感光体へ適正量の潤滑剤を供給することが可能となる。これにより、感光体及びこれに当接するクリーニングブレードや均しブレード等の寿命の長期化を図れると共に、良好な画像形成を実現することができる。
また、上述の実施例では、潤滑剤供給ブラシローラの線速を変えることによって、感光体への潤滑剤供給量を適正量となるように調整しているが、ブラシローラの線速以外の潤滑剤の供給条件を変えることによって潤滑剤供給量を調整することも可能である。例えば、潤滑剤供給ブラシローラと固形潤滑剤との接触圧を変えることによって、潤滑剤供給量を適正量となるように調整してもよい。
また、画像形成装置が、全ての感光体を使用して画像を形成する画像形成モード(フルカラー画像形成モード)と、一部の感光体を使用して画像を形成する画像形成モード(モノクロ画像形成モード)を有する場合は、画像形成モードによって使用される感光体と使用されない感光体があるため、各感光体の使用割合が異なっていることがある。このような場合は、感光体ごとに個別にブラシローラの線速を設定することにより、感光体への潤滑剤供給量を適正量となるように調整することが可能である。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。本発明の構成を、中間転写ベルト(中間転写体)に潤滑剤を供給する装置に適用することも可能である。また、図1では、本発明に係る画像形成装置を、いわゆるタンデム型間接転写方式のカラー画像形成装置としているが、感光体ドラムに形成した画像を転写紙に直接転写する直接転写方式の画像形成装置や、1つの感光体ドラムに各色の画像を順次形成するいわゆるレボルバ型のカラー画像形成装置、あるいはこれら以外の画像形成装置も適用可能である。