JP5929287B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、これらのうち少なくとも1つを備えた複合機等の画像形成装置に関する。
前回の作像の履歴を消去して残像の発生を防止するために転写後の感光体に光を照射して光除電を行うことは広く知られている。
特許文献1では、除電光量を検知する検知手段を備え、検知結果が目的の光量になるようにパルス幅変調により除電光量を調整する方法が開示されている。
特許文献2では、除電光の点灯と消灯を繰り返すことで除電光量を変化させることが示され、点灯と消灯の間隔を4〜100msの間に設定する方法が開示されている。
特許文献3では、転写バイアスの切り替えタイミングや、感光体線速に応じてパルス幅変調により除電光量を変更する方法が開示されている。
特許文献1では、パルス幅変調による除電光量の制御は示されているものの、パルス幅変調の具体的な周波数や、感光体線速との関係については何ら記載がない。
特許文献2では、除電光の点灯と消灯の間隔を4〜100msの間に設定するとの記載がされているが、この方法では除電光の点灯と消灯の間隔はファームウエアの切り替え時間が律速となっており、特に高線速の画像形成装置で用いた場合には除電光の点灯と消灯の間隔が除電後電位のムラとなってしまう不具合がある。
特許文献3では、除電光量をパルス幅変調により可変にすることが記載されているものの、パルス幅変調周波数の具体的な条件や、パルス幅変調周波数と感光体線速や帯電AC周波数との関係については何ら記載がない。
本発明は、このような状況を踏まえて創案されたもので、特に高速の画像形成装置においても除電後電位のムラを発生させることなく、長期に亘って安定した高品位の画像を維持できる画像形成装置の提供を、その目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、像担持体と、該像担持体を帯電する帯電手段と、前記像担持体に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段と、前記像担持体上のトナー像を転写するための転写手段と、前記露光手段とは別個に設けられ前記像担持体を光除電する除電手段と、を備えた画像形成装置において、前記除電手段に入力する電圧をパルス幅変調することで除電光量を制御する除電光量変更手段を備え、前記除電手段のパルス幅変調周波数f[Hz]と、前記像担持体の線速V[mm/s]との関係を、f/V>5となるように設定し、前記帯電手段はDCバイアスにACバイアスを重畳したAC帯電方式を用い、 前記帯電手段に印加するAC周波数fAC[Hz]と、前記像担持体の線速V[mm/s]との関係を、9>fAC/V>5の関係に設定するとともに、前記除電手段のパルス幅変調周波数fと、帯電ACバイアス周波数fACとの関係を、f/fAC>5の関係に設定することを特徴とする。
本発明によれば、パルス幅変調周波数と像担持体線速との比率を一定以上の関係に設定することで、パルス幅変調により除電手段を間欠点灯させた場合でも像担持体電位の除電ムラが発生するのを防止することができる。
これにより、長期に亘って安定した高品位の画像を維持できる。
本発明の一実施形態に係る除電光量制御の説明図である。 画像形成装置の概要構成図である。 画像形成ユニットの構成図である。 画像形成ユニットの変形例を示す構成図である。 除電光量を制御する制御構成を示すブロック図である。 帯電ローラの構成図である。
以下、本発明の一実施形態を図を参照して説明する。
まず、図2に基づいて、本実施形態に係る画像形成装置の概要構成及び動作を説明する。タンデム中間転写方式のフルカラー複写機に適用した例ある。
フルカラー複写機は、装置本体100、装置本体を載せる給紙テーブル200、装置本体上に取り付けられるスキャナ300、スキャナ上に取り付けられた原稿自動搬送装置(ADF)400、等から構成されている。
装置本体中央部には、Y(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Bk(ブラック)の4つの画像形成ユニット18Y、18C、18M、18Bkを横に並べて配置してタンデム画像形成装置20が構成されている。タンデム画像形成装置の各画像形成ユニットは、それぞれY、C、M、Bkの各色トナー像が形成される像担持体としての感光体40Y、40C、40M、40Bkを有している。
タンデム画像形成装置の上方には、露光手段としての露光装置21が設けられている。露光装置は、各色毎に用意されたレーザダイオード(LD)方式の4つの光源と、6面のポリゴンミラーとポリゴンモータから構成される1組のポリゴンスキャナと、各光源の光路に配置されたfθレンズ、長尺WTL等のレンズやミラーから構成されている。各色の画像情報に応じてLDから射出されたレーザ光はポリゴンスキャナにより偏向走査され各色の感光体に照射される。
タンデム画像形成装置の下方には、中間転写体としての無端ベルト状の中間転写ベルト10が設置されている。中間転写ベルトは、図示例では3つの支持ローラ14、15、16に掛け回して図中時計回り方向に回転搬送可能であり、支持ローラ14は中間転写ベルトを回転駆動する駆動ローラである。
第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15との間には、各色の感光体から中間転写ベルトにトナー像を転写する一次転写手段として一次転写ローラ62Y、C、M、Bkが中間転写ベルトを間に挟んで各感光体に対向するように設けられている。
第3の支持ローラ16のベルト回転方向下流には、画像転写後に中間転写ベルト上に残留する残留トナーを除去する中間転写ベルトクリーニング装置17が設けられている。
中間転写ベルトの材質としてはポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂材料をシームレスベルトに成型し使用することができる。これらの材料はそのまま用いたり、カーボンブラック等の導電材により抵抗調整したりすることが可能である。また、これらの樹脂を基層として、スプレーやディッピング等の方法により表層を形成し、積層構造にしても良い。
中間転写ベルトの下方には、2次転写装置22が備えられている。2次転写装置は、図示例では、2つのローラ23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成され、中間転写ベルトを介して第3の支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写ベルト上の画像を転写材に転写する。
2次転写ベルトとしては中間転写ベルトと同様の材料を用いることができる。
2次転写装置の横には、記録媒体としての転写材上の画像を定着する定着装置25が設けられている。定着装置は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成されている。
2次転写装置は、画像転写後の転写材をこの定着装置へと搬送するシート搬送機能も備えている。勿論、2次転写装置として、転写ローラや転写チャージャを配置してもよく、そのような場合は、転写材搬送機能を別途備える必要がある。
なお、図示例では2次転写装置および定着装置の下方に、上述したタンデム画像形成装置と平行に、転写材を反転排紙したり、転写材の両面に画像を形成するために転写材を反転して再給紙したりする反転装置28が備えられている。
上記フルカラー複写機を用いてコピー動作を行うときは、ADFの原稿台30上に原稿をセットする。または、ADFを開いてスキャナのコンタクトガラス32上に原稿をセットし、ADFを閉じて原稿を押さえる。
そして、不図示の操作部のスタートスイッチを押すと、ADFに原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス上へと移動した後、他方コンタクトガラス上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナを駆動し、第1走行体33および第2走行体34を走行する。そして、第1走行体で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体に向け、第2走行体のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
その後、操作部でのモード設定、あるいは操作部で自動モード選択が設定されている場合には原稿の読み取り結果に従い、フルカラーモードまたは白黒モードで画像形成動作を開始する。
フルカラーモードが選択された場合には、各感光体が図2で反時計回り方向にそれぞれ回転する。各感光体の表面が帯電装置である帯電ローラにより一様に帯電される。各色の感光体には露光装置から各色の画像に対応するレーザ光がそれぞれ照射され、各色の画像データに対応した潜像がそれぞれ形成される。各潜像は感光体が回転することにより各色の現像装置60Y、C、M、Bkで各色のトナーが現像される。
各色のトナー像は中間転写ベルトの搬送とともに、中間転写ベルト上に順次転写されて中間転写ベルト上にフルカラー画像を形成する。転写後の感光体は後述する除電ランプにより光除電され、後述するクリーニング手段により転写残のトナーが除去される。
一方、給紙テーブル200では、給紙ローラ42の1つが選択されて回転し、給紙テーブル本体43に多段に備える給紙カセット44の1つから転写材を送り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ対47で搬送して装置本体内の給紙路48に導き、レジストローラ対49に突き当てて止める。
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上の転写材を送り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ対に突き当てて止める。そして、中間転写ベルト上のフルカラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ対を回転し、中間転写ベルトと2次転写装置との間に転写材を送り込み、2次転写装置で転写して転写材上にトナー像を転写する。
トナー像が転写された転写材は、2次転写装置で搬送されて定着装置へと送り込まれ、定着装置で熱と圧力とを加えて転写材に定着された後、切換爪55で切り換えられて排出ローラ対56で排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
または、切換爪で切り換えられてシート反転装置28に入れられ、そこで反転して再び転写位置へと再給紙され、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ対で排紙トレイ上に排出される。以降、2枚以上の画像形成が指示されているときには、上述した作像プロセスが繰り返される。
所定枚数の画像形成が終了した後には作像後処理を行ってから感光体の回転を停止する。作像後処理では帯電バイアス、転写バイアスをオフした状態で感光体を1周以上回転させ、その際に後述する除電手段により感光体表面の電荷を除電して、感光体が除電したまま放置されて感光体が劣化することを防止する。
白黒モードが選択された場合には、支持ローラ15が下方に移動し、中間転写ベルトを感光体Y、C、Mから離間させる。Bkの感光体のみが図2の反時計回り方向に回転し、Bk感光体の表面が帯電ローラにより一様に帯電され、Bkの画像に対応するレーザ光が照射され、潜像が形成され、Bkのトナーにより現像されてトナー像となる。
このトナー像は中間転写ベルト上に転写される。この際、Bk以外の3色の感光体、現像装置は停止しており、感光体や現像剤の不要な消耗を防止する。
一方、給紙カセットから転写材が給紙され、レジストローラ対により、中間転写ベルト上に形成されているトナー像と一致するタイミングで搬送される。トナー像が転写された転写材は、フルカラー画像の場合と同様に定着装置で定着され、指定されたモードに応じた排紙系を通って処理される。以降、2枚以上の画像形成が指示されているときには、上述した作像プロセスが繰り返される。
画像形成ユニット(プロセスカートリッジ)18の構成を図3に示す。像担持体である感光体40の周りには、感光体を均一に帯電する帯電ローラ2及びクリーニングローラ77、感光体の電位を検知する電位センサ71、感光体に形成された静電潜像を現像する現像装置60、トナー像が転写された後の感光体の表面を除電する除電手段としての除電ランプ72、転写残トナーをクリーニングするためのクリーニング装置が配置されている。クリーニング装置は、2本のブラシローラ73、74と、クリーニングブレード75を有している。また、画像形成ユニットのケースには露光装置からの露光光Lを通過させるための開口(不図示)が設けられている。
本実施形態では、感光体として有機感光体を用い、除電ランプ72としては、発光波長が600〜800[nm]の発光ダイオードを用いている。有機感光体、発光ダイオードはいずれも安価な材料であり、これらを組み合わせることで低コストで高画質の画像形成装置を提供することができる。
ブラシローラ74には固形の潤滑剤78が当接しており、潤滑剤供給部材としての機能も持っている。固形の潤滑剤の例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸コバルト、オレイン酸マグネシウム、パルチミン酸亜鉛のような脂肪酸金属塩や、カルナウバワックスのような天然ワックスや、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素系の樹脂を用いることができる。また、必要に応じてその他の材料を混合することもできる。固形の潤滑剤は潤滑剤粒子を溶融固化させたり、圧縮成形することで作製することができる。
ブラシローラや、ポリウレタンゴムからなるクリーニングブレード75により感光体から掻き取られたトナーは、トナー搬送コイル79により回収され、図示しない廃トナー収納部に搬送するように構成されている。
本実施形態では転写後に除電された感光体をクリーニングするように構成されているが、転写後にクリーニングされた感光体を除電するように構成してもよい。
また、本実施形態では、クリーニング装置内に潤滑剤供給手段が配置されているが、このような構成ではクリーニング工程に進入してくるトナー量により潤滑剤の供給が影響を受けやすいという懸念があった。これはクリーニング装置内に潤滑剤供給手段が併設されているために、クリーニング工程に進入してくるトナー量(転写残トナーや、フルカラー画像形成装置では上流で形成されたトナー像による逆転写トナー)が変動した場合に、潤滑剤の供給効率が影響を受けてしまうことによる。
図4に示すように、クリーニングブレード75の下流に潤滑剤供給手段である潤滑剤78、潤滑剤供給ブラシ74及び潤滑剤塗布ブレード80を配置することで、形成される画像面積により転写残トナーや逆転写トナーの入力量が変化しても像担持体に潤滑剤を安定に供給することができる。
図1に基づいて、本実施形態に係る除電光量制御を説明する。除電手段72に入力する24Vの入力時間をパルス幅変調することにより除電光量を変化させる。
ここで、t1が発光時間、t2が消灯時間、t3=t1+t2が変調周期、1/t3が変調周波数、t1/t3が発光デューティである。
発光デューティを大きくすれば感光体に照射される除電光量を大きくすることができる。
除電光量は、感光体の単位面積に入射する光量である。本発明では、感光体線速に対して十分に速い周波数で除電手段を制御しているので、実質的には、図1におけるt1幅で連続するON部分の面積和となる。
帯電手段(帯電ローラ2)にACバイアスを印加する場合には、帯電AC周期のストライプ状の帯電ムラを防止するために、感光体線速V[mm/s]と帯電AC周波数fAC[Hz]との関係を、
fAC/V>5
の関係にする必要があることが知られている。
表1に、感光体線速を一定(350mm/s)にした場合の本発明者らの実験に基づく、帯電AC周波数と画像品質との関係を示す。
Figure 0005929287
表1に示すように、感光体線速に対する帯電AC周波数の比率がより低いと(fAC/V<5)、上記のように帯電ムラが画像に表れてしまう。また、周波数が高くなりすぎると初期的には問題はないものの、経時で感光体フィルミングによる異常画像が発生してしまう。
したがって、感光体線速に対して帯電AC周波数が高すぎないことも高画質を得るための一条件となる。
感光体線速と帯電AC周波数fACとの関係に鑑みると、除電光をパルス幅変調して光量を変更する場合にも、感光体線速に対する変調周波数が低いと除電電位にムラが発生することが予測できる。
表2に、感光体線速を一定(350mm/s)にした場合の本発明者らの実験に基づく、除電の変調周波数fと除電ムラtとの関係を示す。
Figure 0005929287
表2に示すように、感光体線速に対する除電周波数の比率が低いと(f/V<5)、除電ムラが発生してしまう。
そのため、除電の変調周波数f[Hz]も、
f/V>5
の関係になるように設定することが望ましい。
除電ムラの観点では周波数の上限に制限はないが、周波数が高くなりすぎると上述のようにLEDの発光の応答性が悪くなる。
画像形成速度により除電手段の光量を変更することにより、除電光量不足による異常画像の発生や、除電光量過多による感光体疲労の発生を防止することができる。
すなわち、画像形成速度に応じで除電パルス幅変調のデューティを変更することで容易に除電光量を変更することができ、除電光量不足による異常画像の発生や、除電光量過多による感光体疲労の発生を防止することができる。
一方で、変調周波数が高くなりすぎると、入力電圧の立ち上がり、立ち下がり時の波形のなまりや、LEDの発光の立ち上がり時間の影響が無視できなくなり、光量の制御性が低下してしまうため、制御周波数は200[kHz]以下とすることが望ましい。
200[kHz]以下に設定することで、除電手段を安定して点灯させることができ、光量を精度よく制御することができる。
さらに、帯電ローラ2にACバイアスを重畳している場合には、除電の周波数と帯電の周波数が近い場合には除電の周波数と帯電の周波数に干渉が生じて低周波の感光体電位ムラが発生してしまうことがある。
帯電ACの周波数を高く設定しすぎると、表1で示したように、過剰な放電が発生して感光体摩耗の促進や、感光体へのトナーフィルミングなどの副作用が発生しやすくなってしまう。
それに対して、除電の変調周波数は前記の上限周波数の200[kHz]以下であれば特に不具合は発生しないため、除電の周波数を帯電AC周波数より十分大きな設定とすることが望ましく、5倍以上(f/fAC>5)に設定することが目安となる。
除電周波数を帯電周波数より十分に大きく設定することで、両者の周波数の干渉による像担持体の電位ムラの発生を防止し、高画質の画像形成装を行うことができる。
特許文献2のファームウエアで点灯、消灯を制御する方法では、変調周期は4ms(周波数にすると250Hz)程度が限界であり、高線速に対応することができない。
すなわち、表2で示した例では、f/Vは約0.7となり、高線速機に適用した場合除電ムラを来たすことになる。ちなみに、上記変調周期で除電ムラを来たさないf/V=5を得るには、線速Vは50mm/sとなる。
それに対して、本発明のように入力電圧をパルス幅変調させる方法では50kHz程度の周波数でも容易に対応することができ、高線速の画像形成装置での使用に適している。
[実施例1]
図2に示す画像形成装置で、図4の感光体ユニットを用い、帯電ローラは図5の非接触帯電ローラを用いた。感光体線速は普通紙用の標準速及び中速と、厚紙用の低速の3速で動作が可能である。
感光体線速に応じて帯電ACバイアスの周波数を変更するように構成した。除電の変調周波数は感光体線速によらず20kHzであり、発光デューティを線速に応じて変更するように構成した。感光体線速と帯電AC周波数と発光デューティの関係を表3にまとめた。
発光デューティを変更することは、図1に示す「1周期内の発光時間t1を変える」ことと同義である。
Figure 0005929287
このように設定することで感光体線速によらず、除電や帯電に起因するムラのない高画質の画像が得られた。
表3から明らかなように、標準速では、fAC/Vは約7.6であり、中速では、fAC/Vは約7.7であり、低速では、fAC/Vは7.6となっている。本発明では、9>fAC/V>5が望ましい。
感光体線速に応じて除電の周波数を変更することもできるが、制御回路が複雑になりコストアップとなる。除電周波数の許容範囲は広く、LEDの発光応答が可能な範囲であれば、周波数が高すぎて発生する不具合はないので、上記のように感光体線速によらず除電周波数を一定にした方が制御回路が簡単で低コストとなる。
図5に線速に応じて発光デューティを変更する制御構成を示す。
画像形成装置ではネットワークに接続されたPC(パーソナルコンピュータ)からプリント指令を受けたり、操作部でコピーの設定がされた場合に、コントローラボードは画像形成条件を判断して除電光量変更手段としてのメイン制御ボード90に指示を出す。メイン制御ボード90は指示に従って、各色の感光体モータ、帯電バイアス、除電ランプ等を所定の条件で動作させる。
各感光体が複数の線速を備え、いずれの線速においても、
f/V>5、9>fAC/V>5、f/fAC>5の関係を満たし、なおかつ、線速によらずパルス幅変調周波数fを一定とし、線速が大きくなるほど発光デューティが大きくなるように設定するようにしてもよい。
線速に応じて発光デューティを変化させることで、容易に適切な除電光量に設定することができる。いずれの線速でも上記の関係を満たすパルス幅変調周波数を選択することで、線速ごとにパルス幅変調周波数を変更する必要がなく、低コストな構成とすることができる。
[実施例2]
有機感光体は長期間使用した場合には徐々に摩耗して膜厚が変化するため、経時で感光体の静電容量が増加するため感光体感度が低下していく。したがって、初期は表1の設定とし経時で徐々に除電光量を増加させるように制御することで感光体が摩耗しても適正な除電光量を維持することができ、除電光量不足による残像の発生や除電光量過多による感光体の静電疲労の促進を防止することができる。
除電光量の制御をパルス幅変調としているので、除電光量を微調整することが容易に可能である。画像形成装置内で感光体の膜厚を検知することは困難であるが、あらかじめ感光体の回転時間や回転回数と感光体摩耗量との関係を求めておくことで、感光体の回転時間や回転回数を記憶しておくことで、感光体の摩耗量を予測することができる。
感光体の摩耗量は、感光体の回転時間や回転回数の情報に基づいて演算してもよいが、予め実験により求められたデータから抽出するテーブル制御としてもよい。
像担持体が摩耗すると静電容量が変化するために像担持体の感度も変化するが、像担持体の摩耗量を検知、あるいは予測して除電光量を制御することで、すなわち像担持体の感度に応じた適度な除電光量とすることで、除電光量不足による異常画像の発生や、除電光量過多による感光体疲労の発生を防止することができる。
ここで、上記の実施例の感光体線速、帯電AC周波数、除電変調周波数、除電発光デューティの設定値はあくまで一例であり、それぞれの画像形成装置の特性に合わせて調整可能であることは言うまでもない。
上記除電光量制御を行う主体は、図5に示す除電光量変更手段90であり、この除電光量変更手段は、該複写機の動作を制御する制御手段が兼ねることができる。
本実施形態では、タンデム型のフルカラー画像形成装置において、それぞれの像担持体の使用状態に応じて除電光量を設定するので、除電光量不足による異常画像の発生や、除電光量過多による感光体疲労の発生を防止することができる。
図6に、本発明で使用可能な帯電ローラ2の構成を示す。帯電ローラは導電性支持体である芯金101と、帯電部材としての樹脂層102と、ギャップ保持部材103から構成される。
芯金はステンレス等の金属が用いられる。芯金が細すぎると帯電部材の切削加工時や、感光体に加圧されたときのたわみの影響が無視できなくなり、必要なギャップ精度が得られにくい。また、芯金が太すぎる場合には帯電ローラが大型化したり、質量が重くなったりする問題があるため、芯金の直径としては6〜10mm程度が望ましい。
帯電ローラの樹脂層は10〜10Ωcmの体積抵抗を持つ材料が好ましい。抵抗が低すぎると感光体にピンホール等の欠陥があった場合に帯電バイアスのリークが発生しやすく、抵抗が高すぎると放電が十分に発生せず均一な帯電電位を得ることができない。基材となる樹脂に導電性材料を配合することで所望の体積抵抗を得ることができる。
基材樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリカーボネート等の樹脂を用いることができる。これらの基材樹脂は、成形性が良いので容易に成形加工することができる。
導電性材料としては四級アンモニウム塩基を有する高分子化合物のようなイオン導電性材料が好ましい。四級アンモニウム塩基を有するポリオレフィンの例としては、四級アンモニウム塩基を有するポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソプレン、エチレンーエチルアクリレート共重合、エチレンーメチルアクリレート共重合、エチレン−酢酸ビニル共重合、エチレン−プロピレン共重合、エチレン−ヘキセン共重合等のポリオレフィンである。
本実施形態においては、四級アンモニウム塩基を有するポリオレフィンについて例示したが、四級アンモニウム塩基を有するポリオレフィン以外の高分子化合物であっても構わない。
前記のイオン導電性材料は、二軸混練機、ニーダー等の手段を用いることにより、前記の基材樹脂に均一に配合される。配合された材料を芯金上に射出成形、あるいは押出成形にすることにより、容易にローラ形状に成型することができる。イオン導電性材料と基材樹脂の配合量は基材樹脂100重量部に対してイオン導電性材料30〜80重量部が望ましい。
帯電ローラの樹脂層の厚さとしては0.5〜3mmが望ましい。樹脂層が薄すぎると成型が困難である上に強度の面でも問題がある。樹脂層が厚すぎると帯電ローラが大型化するうえに樹脂層の実際の抵抗が大きくなるため帯電効率が低下してしまう。
樹脂層を成形した後、樹脂層の両端にあらかじめ成形しておいたギャップ保持部材を圧入や接着、あるいはその両方を併用して、芯金に固定する。このようにして、帯電部材とギャップ保持部材を一体化してから、切削や研削等の加工を行って帯電ローラの外径を整えることで帯電部材とギャップ保持部材のフレの位相を揃えることができ、帯電ギャップの変動を低減することができる。
ギャップ保持部材の材質としては帯電部材の基材と同様にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリカーボネート等の樹脂を用いることができる。ただし、感光層にギャップ保持部材を当接させるので感光層が損傷するのを防止するために、帯電部材より硬度の低いグレードを用いることが望ましい。また、摺動性に優れ感光層に損傷を与えにくい樹脂材料として、ポリアセタール、エチレン−エチルアクリレート共重合体、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等の樹脂を用いることもできる。
また、樹脂層やギャップ保持部材にはコーティング等により、トナー等が付着しにくい表層を数10μm程度の厚さで形成することもできる。
ギャップ保持部材を感光体の画像領域外に付き当てることで、帯電ローラの樹脂層と感光体との間にギャップを形成する。帯電ローラは芯金の端部に取り付けられたギヤが感光体フランジに形成されたギヤとかみ合っており、感光体駆動モータにより感光体が回転すると帯電ローラも連れ回り方向に回転する。樹脂層と感光体が接触することがないので、帯電ローラとして硬い樹脂材料と有機感光体を使用した場合でも画像領域の感光層に傷が付いたりすることはない。また、ギャップが広がりすぎると異常放電が発生し均一に帯電できなくなるため、最大ギャップは100μm程度以下に抑える必要がある。このような感光体と帯電ローラ間にギャップを設けた帯電ローラを使用する場合には、帯電バイアスとしてDC電圧にAC電圧を重畳することが望ましい。
帯電部材、ギャップ保持部材を樹脂材料で構成しているので、加工が容易で高精度の帯電ローラを製造することができる。
また、帯電ローラにはローラ表面をクリーニングするためのクリーニングローラ77が当接している。このクリーニングローラは金属製の芯金上にメラミンフォームを取り付けたローラであり、帯電ローラに自重で当接しており帯電ローラの回転にともない連れ回り回転しながら帯電ローラ表面に付着したトナー等の汚れを除去する。
クリーニングローラは帯電ローラに常時接触させておいても良いが、クリーニングローラの接離機構を備えて、普段は離間させておき必要に応じて定期的に帯電ローラに当接させて間欠的に帯電ローラ表面をクリーニングするように構成することもできる。
各現像装置60は構成が同一のものであり、それらは使用するトナーの色のみが異なる二成分現像方式の現像装置であり、各色の現像装置内にはトナーとキャリアからなる二成分現像剤が収容されている。
現像装置60は、感光体に対向した現像ローラ61、現像剤を搬送・撹拌するスクリュー62、63、トナー濃度センサ64、等から構成される。現像ローラは外側の回転自在のスリーブと内側に固定された磁石から構成されている。トナー濃度センサの出力に応じて、図示しないトナー補給装置より必要量のトナーが補給される。
トナーは結着樹脂、着色剤、電荷制御剤を主成分とし、必要に応じて、他の添加剤が加えられて構成されている。結着樹脂の具体例としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル樹脂、等を用いることができる。トナーに使用される着色材(例えばイエロー、マゼンタ、シアン及びブラック)としては、トナー用として公知のものが使用できる。着色材の量は結着樹脂100重量部に対して0.1から15重量部が適当である。
電荷制御剤の具体例としては、ニグロシン染料、含クロム錯体、4級アンモニウム塩などが用いられ、これらはトナー粒子の極性により使い分けされる。荷電制御剤量は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部である。
トナー粒子には流動性付与剤を添加しておくのが有利である。流動性付与剤としては、シリカ、チタニア、アルミナ等の金属酸化物の微粒子及びそれら微粒子をシランカップリング剤、チタネートカップリング剤等によって表面処理したものや、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデン等のポリマー微粒子、などが用いられる。これら流動性付与剤の粒径は0.01〜3μmの範囲のものが使用される。これら流動性付与剤の添加量は、トナー粒子100重量部に対して0.1〜7.0重量部の範囲が好ましい。
本発明に係わる二成分現像剤用トナーを製造する方法としては、種々の公知の方法、またはそれらを組み合わせた方法により製造することができる。例えば、混練粉砕法では、結着樹脂とカーボンブラックなどの着色材及び必要とされる添加剤を乾式混合し、エクストルーダー又は二本ロール、三本ロール等にて加熱溶融混練し、冷却固化後、ジェットミルなどの粉砕機にて粉砕し、気流分級機により分級してトナーが得られる。また、懸濁重合法や非水分散重合法により、モノマーと着色材、添加剤から直接トナーを製造することも可能である。
キャリアは芯材それ自体からなるか、芯材上に被覆層を設けたものが一般に使用される。本発明において用いることのできる樹脂被覆キャリアの芯材としては、フェライト、マグネタイトである。この芯物質の粒径は20〜60μm程度が適当である。
キャリア被覆層形成に使用される材料としては、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フッ素原子を置換してなるビニルエーテル、フッ素原子を置換してなるビニルケトンがある。被覆層の形成法としては、従来と同様、キャリア芯材粒子の表面に噴霧法、浸漬法等の手段で樹脂を塗布すればよい。
本発明で使用する感光体の一例としては導電性支持体上に構成された感光層である電荷発生層、電荷輸送層からなる積層型有機感光体が挙げられる。
導電性支持体は、体積抵抗1010Ωcm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金等の金属、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状又は円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の管材を切削、超仕上げ、研磨等で表面処理したものからなる。電荷発生層は、電荷発生材料を主成分とする層である。
電荷発生材料には、無機又は有機材料が用いられ、代表的なものとしては、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、フタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料、セレン、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、アモルファスシリコン等が挙げられる。これら電荷発生材料は、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
電荷発生層は、電荷発生材料を適宜バインダー樹脂とともに、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、2−ブタノン、ジクロルエタン等の溶媒を用いて、ボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を塗布することにより形成できる。
電荷発生層の塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法等により行うことができる。
適宜用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン、アクリル、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリアクリル、ポリアミド等の樹脂を挙げることができる。バインダー樹脂の量は、重量基準で電荷発生材料1部に対して0〜2部が適当である。
電荷発生層は、公知の真空薄膜作製法によっても形成することができる。電荷発生層の膜厚は、通常は0.01〜5μm、好ましくは0.1〜2μmである。
電荷輸送層は、電荷輸送材料及びバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤等を添加することもできる。
電荷輸送材料のうち、低分子電荷輸送材料には、電子輸送材料と正孔輸送材料とがある。電子輸送材料としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド等の電子受容性物質が挙げられる。
これらの電子輸送材料は、単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
正孔輸送材料としては、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体等の電子供与性物質が挙げられる。これらの正孔輸送材料は、単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
電荷輸送材料と共に電荷輸送層に使用されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、フェノキシ、ポリカーボネート、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、アクリル、シリコーン、エポキシ、メラミン、ウレタン、フェノール、アルキッド等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。
溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、2−ブタノン、モノクロルベンゼン、ジクロルエタン、塩化メチレン等が挙げられる。電荷輸送層の厚さは、10〜40μmの範囲で所望の感光体特性に応じて適宜選択すればよい。
所望により電荷輸送層に添加される可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等、樹脂に汎用の可塑剤を挙げることができ、その使用量は、重量基準でバインダー樹脂に対して0〜30%程度が適当である。
所望により電荷輸送層に添加されるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー又はオリゴマーが挙げられ、その使用量は、重量基準でバインダー樹脂に対して0〜1%程度が適当である。
本発明においては、感光層に含有される電荷輸送材量の含有量は、電荷輸送層の30重量%以上とするのが好ましい。30重量%未満では、感光体へのレーザ書き込みにおけるパルス光露光において高速電子写真プロセスでの十分な光減衰時間が得られず好ましくない。
本発明の感光体には、導電性支持体と感光層との間に下引き層を形成することもできる。下引き層は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤を用いて塗布することを考慮すると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。
このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン、等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン、アルキッド−メラミン、エポキシ等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
また、下引き層には、モアレ防止、残留電位の低減等のために、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物の微粉末を加えてもよい。この下引き層は、上記の感光層と同様、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
さらに、下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えば、ゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層を用いることも有用である。この他に、下引き層には、Al2O3を陽極酸化したものにより形成したもの、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物、SiO、SnO2、TiO2、ITO、Ce02等の無機物を真空薄膜作製法により形成したものも有効である。下引き層の膜厚は、0〜5μmが適当である。
本発明の感光体には、感光層の保護及び耐久性の向上を目的に感光層の上に保護層を形成することもできる。
この保護層はバインダー樹脂に耐摩耗性を向上する目的でアルミナ、シリカ、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム等の金属酸化物微粒子が添加された構成である。バインダー樹脂としては、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル、フェノール、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ等の樹脂が挙げられる。
保護層に添加される金属酸化物微粒子の量は、重量基準で通常は、5〜30%である。金属酸化物微粒子の量が5%未満では、摩耗が大きく耐摩耗性を向上する効果が小さく耐久性に劣り、30%を越えると、露光時における明部電位の上昇が著しくなって、感度低下が無視できなくなるので望ましくない。保護層の形成法としては、スプレー法等通常の塗布法が採用される。
保護層の厚さは、1〜10μm、好ましくは3〜8μm程度が適当である。保護層の膜厚が薄すぎると耐久性に劣り、保護層の膜厚を厚くしすぎると感光体製造時の生産性が低下するだけでなく、経時での残留電位の上昇が大きくなってしまう。保護層に添加する金属酸化物粒子の粒径としては0.1〜0.8μmが適当である。
金属酸化物微粒子の粒径が大きすぎる場合には保護層表面の凹凸が大きくなりクリーニング性が低下する上、露光光が保護層で散乱されやすく解像力が低下し画像品質が劣る。金属酸化物微粒子の粒径が小さすぎると耐摩耗性に劣る。
さらに保護層には、基材樹脂への金属酸化物微粒子の分散性を向上させるために分散助剤を添加することができる。添加される分散助剤は塗料等に使用されるものが適宜利用できその量は重量基準で通常は含有する金属酸化物微粒子の量に対して0.5〜4%、好ましくは、1〜2%である。
また、保護層に電荷輸送材料を添加することで、保護層中の電荷の移動を促進することができる。保護層に添加する電荷輸送材料としては電荷輸送層と同じ材料を用いることができる。
また、本発明で使用する感光体には耐環境性の改善のため、とりわけ感度低下や残留電位の上昇を防止する目的で、各層に酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、およびレベリング剤等を添加することができる。
2 帯電手段としての帯電ローラ
21 露光手段としての露光装置
22 転写手段
40 像担持体としての感光体
60 現像手段としての現像装置
72 除電手段としての除電ランプ
90 除電光量変更手段としてのメイン制御ボード
特開2001−188451号公報 特開2007−47670号公報 特開2009−8906号公報

Claims (7)

  1. 像担持体と、該像担持体を帯電する帯電手段と、前記像担持体に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段と、前記像担持体上のトナー像を転写するための転写手段と、前記露光手段とは別個に設けられ前記像担持体を光除電する除電手段と、を備えた画像形成装置において、
    前記除電手段に入力する電圧をパルス幅変調することで除電光量を制御する除電光量変更手段を備え、
    前記除電手段のパルス幅変調周波数f[Hz]と、前記像担持体の線速V[mm/s]との関係を、
    f/V>5
    となるように設定し、
    前記帯電手段はDCバイアスにACバイアスを重畳したAC帯電方式を用い、
    前記帯電手段に印加するAC周波数fAC[Hz]と、前記像担持体の線速V[mm/s]との関係を、
    9>fAC/V>5
    の関係に設定するとともに、
    前記除電手段のパルス幅変調周波数fと、帯電ACバイアス周波数fACとの関係を、
    f/fAC>5
    の関係に設定することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    前記除電手段のパルス幅変調周波数が200[kHz]以下であることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または2に記載の画像形成装置において、
    前記像担持体が複数の線速を備え、いずれの線速においても、以下の関係を満たし、
    f/V>5
    9>fAC/V>5
    f/fAC>5
    なおかつ、線速によらず前記除電手段のパルス幅変調周波数fを一定とし、線速が大きくなるほど発光デューティが大きくなるように設定することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
    前記像担持体が有機感光体であり、前記除電手段は発光波長が600〜800[nm]の発光ダイオードが用いられることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
    画像形成速度により前記除電手段の光量を変更することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
    前記像担持体の摩耗量に応じて、除電光量を変更することを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
    前記像担持体を複数備えたフルカラー画像形成装置であり、
    前記像担持体ごとに個別に除電光量を設定可能としたことを特徴とする画像形成装置
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