JP2002182480A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2002182480A
JP2002182480A JP2000383243A JP2000383243A JP2002182480A JP 2002182480 A JP2002182480 A JP 2002182480A JP 2000383243 A JP2000383243 A JP 2000383243A JP 2000383243 A JP2000383243 A JP 2000383243A JP 2002182480 A JP2002182480 A JP 2002182480A
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charging
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Masahiro Ito
政宏 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写前帯電と転写前露光の両者の周波数の干
渉による干渉縞の発生を防止して、良好な画像を得るこ
とができるようにする。 【解決手段】 転写前帯電器4で発生される交番電圧の
帯電周波数をF1(Hz)、転写前露光装置5からの点
滅露光の点滅周波数をF2(Hz)、Aを正の整数、M
を自然数とすると、このF1とF2を、F1=A×F2
(ただし、Aは、M+0.1≦A≦M+0.9)を満た
す周波数に設定したことにより、特に均一なハーフトー
ン画像を出力するような場合でも、転写前帯電と転写前
露光の両者の周波数干渉による干渉縞の発生を防止し
て、良好な画像を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式を利
用して画像形成を行う複写機、プリンタ、ファクシミリ
等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式を用いたデジタル複写機や
プリンタ等の画像形成装置においては、メンテナンス間
隔が長く、構成も比較的簡易な1成分磁性非接触現像方
法が多く用いられている。この現像方法は、非接触で現
像を行うことによって感光ドラムや駆動系に与える負荷
も少なく、高信頼性に適した現像方法であるが、現像剤
の帯電量が比較的低めであるため、現像後に感光ドラム
上に現像されたトナー像を帯電するため、転写前帯電を
組み合わせることが多い。この転写前帯電の方式として
は、帯電効率、均一性の良好なAC+DC帯電方式が用
いられる。
【0003】また、一般に現像方式としては、反転現像
方式が多く用いられる。反転現像方式では、一様に帯電
した感光ドラム表面に対し、レーザやLED等により印
字すべき画像情報に対応した画像露光を行って静電潜像
を形成し、その際に露光を受けて電位の低下した部分に
感光ドラムの帯電極性と同極性に帯電したトナーを付着
させてトナー像を形成する方法である。
【0004】この反転現像方式では、感光ドラム表面の
背景部、即ち、トナーを付着させない部分は露光を受け
ないためトナー像形成後も高い電位状態のままである。
そして、次の転写工程において、用紙などの転写材の背
面にトナーと逆極性の電荷を付与し転写材の表面にトナ
ーを転写した際に、転写材がトナーと逆極性、即ち、感
光ドラム表面の背景部(非露光部)と逆極性に帯電する
ため、感光ドラムと転写材の間に大きな静電吸着力が発
生し、その後の感光ドラムからの転写材の分離が難くな
る。通常、文書等の画像中ではトナーを付着させるべき
文字部等に対して背景部(白地部)の占める面積が大き
いので、特に静電吸着力が大きく分離し難くなる。
【0005】更に、これらの画像形成装置で利用される
用紙などの転写材はメーカー指定の推奨紙ばかりではな
く、再生紙や特殊紙等様々なものがあり、また、これら
の転写材に対して両面や多重など様々な印字方式が行わ
れる。このため、1枚の転写材に対して何度も転写、分
離、定着、搬送等の作用が与えられることによって転写
材の特性(抵抗、表面性、カール等)が変化し、装置内
での安定的な搬送性(転写分離時の安定した転写分離
性)や画像性を維持するのが困難になってきている。
【0006】そこで、この転写分離を安定化させる補助
手段として、現像から転写前の間で感光ドラムの背景部
電位を予め低減させ、転写時に発生する静電吸着力を弱
めることで分離しやすくする目的で、転写前帯電及び転
写前露光などの手段が利用されている。転写前帯電を行
う転写前帯電器と転写前露光を行う転写前露光装置は、
感光ドラムの回転方向に沿って現像装置の下流側に隣接
して配置されている。
【0007】特に転写前露光は、感光ドラムのトナー像
には影響を及ぼさず、感光ドラムの背景部電位のみ低下
させることができる利点を有するため、特に反転現像方
式の現像装置を備えた画像形成装置で一定の効果を挙げ
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この転写前
露光はその露光量が不足すると感光ドラムの電位を下げ
られず、分離補助としての効果が十分に発揮されず、逆
に露光量が過剰であると、感光ドラムの背景部電位(非
露光部電位)がトナー部電位(露光部電位)より低下
し、トナー像を形成しているトナーの一部が電位の低い
背景部側に飛び散り、画像品位を低下させてしまうとい
う問題があった。
【0009】この様子を、図7を参照して説明する。図
7は、画像形成プロセスにおける感光ドラムの電位を示
したものである。
【0010】先ず、感光ドラムを電位Vd1に一様に帯
電した後、トナー像を形成すべき部分に露光Qを行って
電位VLに低下させて静電潜像を形成する(図7の
(a))。次に、感光ドラムと同極性に帯電したトナー
を用いて反転現像を行い、電位VL部(露光部電位)に
トナーを付着させてトナー像Tを形成する(図7の
(b))。このトナー像Tは、トナーが保有する電荷に
より電位VT1を有する。次に、このトナー像を担持し
た感光ドラムに対し一様に露光(転写前露光)Rを行う
と、背景部電位(非露光部電位)はVd2に低下する
(図7の(c))。
【0011】しかしながら、感光ドラムのトナー像部
は、トナー粒子により露光が遮蔽されてトナー像下層の
感光ドラム表面に達する露光量が小さくなること、及び
露光後もトナーの保有電荷が残留することにより、トナ
ー像部の電位Vt2は背景部電位Vd2より高くなる。
このため、感光ドラムの背景部とトナー像部の境界に電
位差を生じ、この電位差にもとづく電気引力によりトナ
ー像の飛び散りdが発生する。
【0012】上記のように、転写前露光量は高電位の背
景部電位を低下させ、且つ現像されたトナー像を飛び散
らせない程度の光量に設定する必要があるため、光量の
安定性が非常に重要である。そこで、光量の高精度化と
安定性を得るため、転写前露光装置を所定の周期(周波
数)で点滅(発光)させる方法として、駆動電圧を一定
にして点滅時間を変更するPWM点灯方式やAC電圧印
加による点灯方式が用いられる。
【0013】ところで、上記した転写前帯電器と転写前
露光装置は隣接して配置されるため、転写前帯電器によ
るAC帯電と転写前露光装置による点滅露光が近接して
行われる。このため、特に均一なハーフトーン画像を出
力させたとき、転写前帯電の帯電周波数(帯電周期)と
転写前露光の点滅周波数(点滅周期)が僅かにずれた場
合に、両者の周波数干渉により出力画像に周期的な干渉
縞が発生して画像不良が発生することがあった。
【0014】そこで本発明は、特に均一なハーフトーン
画像を出力するような場合でも、転写前帯電と転写前露
光の両者の周波数干渉による干渉縞の発生を防止して、
良好な画像を得ることができる画像形成装置を提供する
ことを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、移動自在な像担持体と、前記像担持体を帯
電電圧の印加により帯電する帯電手段と、帯電された前
記像担持体に画像露光して画像情報に応じた静電潜像を
形成する露光手段と、前記静電潜像に現像剤を付着させ
て現像剤像を形成する現像手段と、前記現像剤像を被転
写部材に転写する転写手段と、を備えた画像形成装置に
おいて、前記像担持体の移動方向に沿って前記現像手段
の下流側に位置し、前記現像手段と前記転写手段の間に
前記像担持体と対向するように設けられ、前記現像手段
により現像剤像が形成された前記像担持体の表面を、転
写前に交番電圧の印加により除帯電する転写前帯電手段
と、前記像担持体の移動方向に沿って前記現像手段の下
流側に位置し、前記現像手段と前記転写手段の間に前記
像担持体と対向するように設けられ、前記現像手段によ
り現像剤像が形成された前記像担持体の表面を、転写前
に所定の周波数で点滅露光して除電する転写前露光手段
と、を有し、転写前帯電手段で発生される交番電圧の帯
電周波数をF1(Hz)、前記転写前露光手段による露
光の点滅周波数をF2(Hz)、Aを正の整数、Mを自
然数とすると、前記F1と前記F2を、F1=A×F
2、(ただし、Aは、M+0.1≦A≦M+0.9)を
満たす周波数に設定することを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて説明する。
【0017】〈実施の形態1〉図1は、本発明の実施の
形態1に係る画像形成装置(本実施の形態では、電子写
真方式でレーザ露光のON/OFFにより600dpi
の2値画像を形成するデジタル方式のレーザプリンタな
どの画像形成装置)を示す概略構成図である。
【0018】本画像形成装置は、矢印方向(時計方向)
に回転駆動される像担持体としての感光ドラム1を備え
ている。感光ドラム1の周囲には、1次帯電器2、現像
装置3、転写前帯電器4、転写前露光装置5、転写帯電
器6、分離帯電器7、クリーニング装置8、前露光装置
9が配設されており、1次帯電器2と現像装置3間の上
方には露光装置10が配設されている。
【0019】感光ドラム1は、アルミニウム等によって
形成された円筒状のドラム基体上にa−Si感光層を有
しており、外径108mmに形成されている。感光ドラ
ム1は、駆動手段(不図示)によって矢印方向に所定の
回転速度(プロセススピード)で回転駆動される。
【0020】1次帯電器2は、シールドケース2a内に
放電電極2bと金属ワイヤグリッド電極2cを有してお
り、放電電極2bには正極性の直流高圧電圧を印加する
放電電極用高圧電源11が接続され、金属ワイヤグリッ
ド電極2c及び金属ワイヤグリッド電極2cと導通され
ているシールドケース2aにはグリット用高圧電源12
が接続されている。放電電極2bに放電電極用高圧電源
11から高圧を印加するとともに、金属ワイヤグリッド
電極2c及びシールドケース2aにグリット用高圧電源
12から高圧を印加することにより、感光ドラム1表面
をコロナ放電によって発生するコロナイオンにより正極
性の所定の電位に均一に帯電する。
【0021】現像装置3は、内部に固定のマグネットロ
ーラ(不図示)を配した表面が金属メッキ加工された回
転自在な現像スリーブ3aを有しており、現像剤として
本実施の形態では、平均粒径7μmの1成分磁性ポジト
ナーを現像スリーブ3a表面に担持させ、現像電圧の印
加により感光ドラム1上に形成された静電潜像にトナー
を付着させて、トナー像として反転現像(可視像化)す
る。
【0022】転写前帯電器4は、現像装置3の感光ドラ
ム1の回転方向下流側に配置されており、転写前帯電電
源13からの所定のAC電圧印加により感光ドラム1上
のトナー像に正電荷を付加して転写部Nでトナー像を用
紙などの転写材Pに引き付けられやすくする。
【0023】転写前露光装置5は、発光波長(700n
m)のLED(不図示)を複数有しており、転写前帯電
器4の感光ドラム1の回転方向下流側で、感光ドラム1
表面から10mmの位置に配置されている。転写前露光
装置5のLEDは、転写前露光駆動電源14からの電圧
印加により所定の周期(周波数)で点滅発光して感光ド
ラム1表面を露光する。
【0024】転写手段としての転写帯電器6は、転写電
源(不図示)から印加される転写電圧により、感光ドラ
ム1と転写帯電器6との間の転写部Nにて感光ドラム1
表面のトナー像を用紙などの転写材Pに転写する。
【0025】分離帯電器7は、分離帯電電源(不図示)
から印加される分離帯電電圧により、トナー像が転写さ
れた転写材Pを感光ドラム1表面から分離する。
【0026】クリーニング装置8は、クリーニングブレ
ード8aを有しており、転写後に感光ドラム1表面に残
った転写残トナーをクリーニングブレード8aで除去し
て回収する。
【0027】前露光装置9は、転写後の感光ドラム1表
面の残留電荷を除去するための発光波長(660nm)
のLED(不図示)を有しており、1次帯電器2の感光
ドラム1の回転方向上流側に配置されている。
【0028】露光装置10は、1次帯電器2により一様
に帯電された感光ドラム1表面を入力される画像信号に
応じてレーザ光で画像露光Lして、感光ドラム1表面に
画像信号に応じた静電潜像を形成する。
【0029】上記した各部材や転写前帯電電源13、転
写前露光駆動電源14等の制御を含め装置全体の制御及
び画像形成動作制御は、制御装置(CPU)15によっ
て行われる。
【0030】次に、上記した画像形成装置による画像形
成動作について説明する。
【0031】画像形成時には、感光ドラム1は駆動手段
(不図示)により矢印方向(時計方向)に所定の回転速
度(本実施の形態では450mm/sec)で回転駆動
され、1次帯電器2により表面が均一に正極性の所定の
電位に帯電される。そして、帯電された感光ドラム1表
面に露光装置10によりレーザ光による画像露光Lが与
えられることにより、感光ドラム1表面の電位は画像露
光Lされた部分の電位が低下して、入力される画像情報
に応じた静電潜像が形成される。
【0032】そして、感光ドラム1表面に形成された静
電潜像に、現像位置にて感光ドラム1の帯電極性(本実
施の形態では正極性)と同極性の現像電圧が印加された
現像装置3の現像スリーブ3aにより、感光ドラム1の
帯電極性(正極性)と同極性に帯電されたトナーを付着
させて、トナー像として反転現像(顕像化)する。
【0033】そして、トナー像が形成された感光ドラム
1表面を転写前帯電器4により転写前帯電すると共に、
転写前露光装置5のLEDを点滅発光して感光ドラム1
表面を転写前露光する。(本発明の特徴である転写前帯
電と転写前露光の条件については後述する)。
【0034】感光ドラム1表面を転写前帯電器4で帯電
して転写前露光装置5で露光することにより、現像工程
から転写工程前の間で感光ドラム1表面の背景部電位
(暗部電位)を予め低減させ、転写時に発生する静電吸
着力を弱めることで、次の転写工程後に転写材Pを感光
ドラム1表面から安定して分離しやすくする。
【0035】本実施の形態では、転写前露光装置5に対
して転写前露光駆動電源14は、図2に示すように、感
光ドラム1表面の現像位置での1次帯電装置2の帯電に
よる暗部電位(Vd)が400Vの場合に、転写部(転
写位置)で感光ドラム1表面の1次帯電装置2の帯電に
よる暗部電位(Vdp)が略300V以下、同位置で暗
部電位とトナー層電位との差電位(ΔV)が略80〜1
60Vになる露光量、感光ドラム1表面で0.05±
0.005Lux・secとなるように電圧出力を行
う。
【0036】そして、感光ドラム1表面のトナー像が感
光ドラム1と転写帯電器6との間の転写部Nに到達する
と、このタイミングに合わせて給紙カセット(不図示)
内の用紙などの転写材Pが転写部Nに給紙されて、トナ
ーと逆極性(本実施の形態では負極性)の転写電圧が印
加された転写帯電器6により転写材Pに感光ドラム1表
面のトナー像が転写される。そして、トナー像が転写さ
れた転写材Pは分離帯電器7で感光ドラム1から分離さ
れて定着装置(不図示)へ搬送され、定着装置(不図
示)による加熱、加圧によりトナー像が転写材P表面に
熱定着されて排出される。
【0037】一方、トナー像転写後の感光ドラム1表面
に残留している転写残トナーはクリーニング装置8のク
リーニングブレード8aによって除去されて回収され
る。また、感光ドラム1表面の残留電荷は前露光装置9
で除去され、次の画像形成に備える。
【0038】ところで、上記画像形成動作時において、
上述したように特に均一なハーフトーン画像を出力した
ときなどに、交流電圧の印加による転写前帯電の帯電周
波数(帯電周期)と転写前露光の点滅周波数(点滅周
期)とがずれた場合に、両者の周波数干渉により出力画
像に周期的な干渉縞が発生して画像不良が発生すること
があった。
【0039】以下、干渉縞が発生するメカニズムについ
て説明する。
【0040】図3(a)、図4(a)は、転写前露光に
よる転写前露光量分布(図中のA)と転写前帯電による
放電分布(図中のB)を感光ドラム1の回転方向(副走
査方向)にそれぞれ展開した図、図3(b)、図4
(b)は、転写前露光後の感光ドラム1上の電位分布を
感光ドラム1の回転方向(副走査方向)にそれぞれ展開
した図である。なお、図では、転写前帯電のAC周波数
(F1)と転写前露光の周波数(F2)とが同一である
場合について示している。
【0041】また、図3(a)における転写前露光量分
布Aは、転写前帯電による放電分布Bに対して位相ずれ
のない状態であり、図4(a)における転写前露光量分
布Aは、転写前帯電による放電分布Bに対して位相が半
波長ずれている状態である。即ち、図3(a)のように
両者の位相が完全に一致していれば干渉縞は発生しない
が、両者の位相がずれていると、図3(a)の状態から
図4(a)の状態までの間を徐々に、そして周期的に変
化することになる。
【0042】図3(a)の場合、転写前帯電器4による
転写前帯電によって強く帯電された感光ドラム1上に対
して、転写前露光装置5による転写前露光の強い部分が
露光され、転写前帯電での強弱の帯電差が転写前露光で
緩和される方向になる。一方、図4(a)の場合は、図
3(a)の場合に対して両者の位相が半波長ずれるため
に、転写前帯電による帯電の強弱差を更に拡大する方向
になる。
【0043】よって、図3(b)のように、感光ドラム
1上の電位分布が比較的凹凸の少ない場合は、転写時に
も均一に転写電荷を転写材Pの裏面に供給できるので均
一な転写効率が全面にわたって得られ、結果として均一
な画像が得られる。一方、図4(b)のように、感光ド
ラム1上の電位分布の凹凸が大きな場合は、この電位凹
凸に転写高圧が影響されて、電位の高い部分には多くの
転写電荷が供給されて転写効率が向上し、逆に電位の低
い部分には供給される転写電荷が減少するため転写効率
が低下する。そして、これらの転写効率の部分的な差が
画像濃度の差となって干渉縞が現れる。
【0044】上記した図3、図4の場合は、転写前帯電
と転写前露光の両者の周波数は同一であったが、この両
者の周波数が整数倍の関係があっても同じ現象が成り立
つ。
【0045】即ち、転写前帯電のAC周波数をF1(H
z)、転写前露光の点滅周波数をF2(Hz)とする
と、 F1=N×F2(ただし、Nは自然数)…(1) が成り立ち、且つ両者の位相が一致、あるいは転写前帯
電のAC周波数の変化を緩和するような位相のずれであ
れば均一な画像が得られるが、上記の式(1)でNの値
が自然数からずれ、且つ両者の位相がずれると、その両
者の差分の周波数の周期で、図3(a)と図4(a)の
状態を変動することになり、出力画像上に干渉縞が発生
する。
【0046】そこで、この干渉縞をなくす、あるいは目
立たなくするには、式(1)のNの値を完全に自然数と
なるように両者の周波数を厳密に一致させ、且つ両者の
位相を一致させるか、又は両者の位相を一致させた状態
で式(1)のNを自然数からずらした値(以下、この値
をA)に設定すればよいことが分かる。
【0047】しかしながら、上記の式(1)において、
Nを厳密に自然数となるように転写前帯電のAC周波数
(F1)と転写前露光の点滅周波数(F2)を管理、安
定化するには、種々の公差や変動を考慮すると困難であ
るので、後者の方、即ちNを自然数からずらした値であ
るAに設定する方が実用的である。
【0048】そこで、本願発明者は、転写前帯電のAC
周波数(F1)と転写前露光の点滅周波数(F2)を種
々に変化させて(この際、両者の位相は一致してい
る)、干渉縞との関係を調べたところ、上記のAが以下
の関係が成り立てば、出力画像上での干渉縞を識別でき
なることが分かった。
【0049】 即ち、 F1=A×F2(ただし、Aは整数)…(2) (ただし、Aは、M+0.1≦A≦M+0.9であり、
Mは自然数)を満たすようにする。
【0050】従って、本実施の形態では、上記の式
(2)を満たすように本実の形態の画像形成装置におい
て、転写前帯電電源13を制御装置15からの制御信号
によって制御して、転写前帯電器4による転写前帯電の
帯電周波数であるAC周波数(F1)を3kHzに設定
し、更に、転写前露光電源14を駆動電圧:24V、P
WM幅:50%、周波数:2kHzに制御して、転写前
露光装置5のLEDを2kHzの点滅周波数(F2)で
発光させて画像を出力したところ、干渉縞の発生を認め
られない安定した画像が得られた(この場合、上記した
式(2)のAは1.5)。
【0051】このように本実施の形態では、転写前帯電
のAC周波数F1と転写前露光の点滅周波数F2を、上
記の式(2)を満たすようにすることにより、転写前帯
電と転写前露光の両者の周波数干渉による干渉縞の発生
を防止して、良好な画像を得ることができ、且つ転写材
を感光ドラム1から良好に分離可能にし、画像飛び散り
の発生しない良好な画像を得ることができる。
【0052】〈実施の形態2〉本実施の形態において
も、図1に示した実施の形態1の画像形成装置を用いて
説明する。実施の形態1では、転写前帯電の帯電がAC
帯電の場合であったが、本実施の形態の画像形成装置で
は、転写前帯電の帯電を転写前露光と同じような所定周
期のパルス帯電とした。他の構成及び画像形成動作は実
施の形態1と同様であり、本実施の形態ではそれらの説
明は省略する。
【0053】本実施の形態における転写前帯電の帯電波
形(放電波形)は、波形の繰り返し周期が0.5me
c、つまり周波数が2kHzで、パルス幅がその1/4
である波形とした。
【0054】図5(a)、図6(a)は、本実施の形態
における転写前露光による転写前露光量分布(図中の
A)と転写前帯電による放電分布(図中のB)を感光ド
ラム1の回転方向(副走査方向)にそれぞれ展開した
図、図5(b)、図6(b)は、本実施の形態における
転写前露光後の感光ドラム1上の電位分布を感光ドラム
1の回転方向(副走査方向)にそれぞれ展開した図であ
る。なお、図では、転写前帯電のAC周波数(F1)と
転写前露光の周波数(F2)とが同一である場合につい
て示している。
【0055】また、図5(a)における転写前露光量分
布Aは、転写前帯電による放電分布Bに対して位相ずれ
のない状態であり、図6(a)における転写前露光量分
布Aは、転写前帯電による放電分布Bに対して位相が半
波長ずれている状態である。即ち、図5(a)のように
両者の位相が完全に一致していれば干渉縞は発生しない
が、両者の位相がずれていると、図5(a)の状態から
図6(a)の状態までの間を徐々に、そして周期的に変
化することになる。
【0056】図5(a)の場合、転写前帯電器4による
転写前帯電によって強く帯電された感光ドラム1上に対
して、転写前露光装置5による転写前露光の強い部分が
露光され、転写前帯電での強弱の帯電差が転写前露光で
緩和される方向になる。一方、図6(a)の場合は、図
5(a)の場合に対して両者の位相が半波長ずれるため
に、転写前帯電による帯電の強弱差を更に拡大する方向
になる。
【0057】よって、図5(b)のように、感光ドラム
1上の電位分布が比較的凹凸の少ない場合は、転写時に
も均一に転写電荷を転写材Pの裏面に供給できるので均
一な転写効率が全面にわたって得られ、結果として均一
な画像が得られる。一方、図6(b)のように、感光ド
ラム1上の電位分布の凹凸が大きな場合は、この電位凹
凸に転写高圧が影響されて、電位の高い部分には多くの
転写電荷が供給されて転写効率が向上し、逆に電位の低
い部分には供給される転写電荷が減少するため転写効率
が低下する。そして、これらの転写効率の部分的な差が
画像濃度の差となって干渉縞が現れる。
【0058】そこで、本実施の形態においても実施の形
態1と同様に、上記した式(2)を満たすようにする。
【0059】従って、本実施の形態では、上記の式
(2)を満たすように図1に示した画像形成装置におい
て、転写前帯電電源13を制御装置15からの制御信号
によって制御して、転写前帯電器4による転写前帯電の
周波数(F1)を3.5kHz、パルスDutyを25
%に設定し、更に、転写前露光電源14を駆動電圧:2
4V、PWM幅:50%、周波数:3.5kHzに制御
して、転写前露光装置5のLEDを2kHzの点滅周波
数(F2)で発光させて画像を出力したところ、干渉縞
の発生を認められない良好な画像が得られた(この場
合、上記した式(2)のAは1.75)。
【0060】このように本実施の形態においても、上記
の式(2)を満たすようにすることにより、転写前帯電
と転写前露光の両者の周波数干渉による干渉縞の発生を
防止して、良好な画像を得ることができ、且つ転写材を
感光ドラム1から良好に分離可能にし、画像飛び散りの
発生しない良好な画像を得ることができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、転
写前帯電手段で発生される交番電圧の帯電周波数をF1
(Hz)、前記転写前露光手段の点滅周波数をF2(H
z)、Aを正の整数、Mを自然数とすると、前記F1と
前記F2を、F1=A×F2(ただし、Aは、M+0.
1≦A≦M+0.9)を満たす周波数に設定したことに
より、特に均一なハーフトーン画像を出力するような場
合でも、転写前帯電と転写前露光の両者の周波数干渉に
よる干渉縞の発生を防止して、良好な画像を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置を示
す概略構成図。
【図2】転写前露光による感光ドラム表面の転写部電位
の変化を説明するための図。
【図3】実施の形態1における転写前帯電と転写前露光
による干渉発生を説明するための図。
【図4】実施の形態1における転写前帯電と転写前露光
による干渉発生を説明するための図。
【図5】本発明の実施の形態2における転写前帯電と転
写前露光による干渉発生を説明するための図。
【図6】実施の形態2における転写前帯電と転写前露光
による干渉発生を説明するための図。
【図7】転写前露光によるトナー飛び散り発生を説明す
るための図。
【符号の説明】
1 感光ドラム(像担持体) 2 1次帯電器(帯電手段) 3 現像装置(現像手段) 4 転写前帯電器(転写前帯電手段) 5 転写前露光装置(転写前露光手段) 6 転写帯電器 7 分離帯電器 8 クーニング装置 9 前露光装置 10 露光装置(露光手段) 13 転写前帯電電源 14 転写前露光駆動電源 15 制御装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動自在な像担持体と、前記像担持体を
    帯電電圧の印加により帯電する帯電手段と、帯電された
    前記像担持体に画像露光して画像情報に応じた静電潜像
    を形成する露光手段と、前記静電潜像に現像剤を付着さ
    せて現像剤像を形成する現像手段と、前記現像剤像を被
    転写部材に転写する転写手段と、を備えた画像形成装置
    において、 前記像担持体の移動方向に沿って前記現像手段の下流側
    に位置し、前記現像手段と前記転写手段の間に前記像担
    持体と対向するように設けられ、前記現像手段により現
    像剤像が形成された前記像担持体の表面を、転写前に交
    番電圧の印加により除帯電する転写前帯電手段と、 前記像担持体の移動方向に沿って前記現像手段の下流側
    に位置し、前記現像手段と前記転写手段の間に前記像担
    持体と対向するように設けられ、前記現像手段により現
    像剤像が形成された前記像担持体の表面を、転写前に所
    定の周波数で点滅露光して除電する転写前露光手段と、
    を有し、 転写前帯電手段で発生される交番電圧の帯電周波数をF
    1(Hz)、前記転写前露光手段による露光の点滅周波
    数をF2(Hz)、Aを正の整数、Mを自然数とする
    と、前記F1と前記F2を、 F1=A×F2 (ただし、Aは、M+0.1≦A≦M+0.9)を満た
    す周波数に設定する、 ことを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7106165B2 (en) 2003-07-01 2006-09-12 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Fuse, battery pack using the fuse, and method of manufacturing the fuse
JP2013029797A (ja) * 2011-06-22 2013-02-07 Ricoh Co Ltd 画像形成装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7106165B2 (en) 2003-07-01 2006-09-12 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Fuse, battery pack using the fuse, and method of manufacturing the fuse
JP2013029797A (ja) * 2011-06-22 2013-02-07 Ricoh Co Ltd 画像形成装置

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