JP2005099686A - 現像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 現像装置を複雑にすることなく、またトナーに余計なストレスを与えることなく、現像ローラ上に残ったトナー層の帯電上昇を防止し、リークを生じさせないようにして黒点などの無い、安定した画像を維持できるようにした現像装置を提供すること。
【解決手段】 現像ローラ2と感光体3の最近接位置と、現像ローラ2の回転方向下流側の磁気ブラシへの接触位置との間の任意の現像ローラ周面上を狭域空間に形成すると共に、該狭域空間における前記磁気ブラシとの接触位置手前に、現像時に現像ローラから除電部材5にトナーを引き剥がす方向に除電バイアスを印加するようにして、トナーに余計なストレスを与えることなく、現像ローラ2上に残ったトナー層の帯電上昇を防止し、リークを生じさせないようにする。また、非現像時には、除電部材から現像ローラにトナーを引き剥がす方向にリフレッシュバイアスを印加する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機などの画像形成装置における現像装置に係り、特に、磁性キャリアを用いて非磁性のトナーを帯電させる2成分現像剤を使用し、現像ローラ上に帯電されたトナーのみを保持させて静電潜像に飛翔させ、該潜像を現像するようにした画像形成装置における現像装置に関するものである。
電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機などの画像形成装置における現像方式には、トナーと磁性キャリアを用いた2成分現像方式、絶縁トナーや導電トナーを用いた1成分現像方式、磁性キャリアを用いて非磁性のトナーを帯電させる2成分現像剤を使用し、現像ローラ上に帯電されたトナーのみを保持させて静電潜像に飛翔させ、該潜像を現像するようにした現像方式などがある。
2成分現像方式は、キャリアによるトナーの帯電性に優れ、長寿命化が可能であると共にベタ画像の均一化などの利点がある反面、現像装置が大きく複雑になる、トナー飛散やキャリア引きが発生する、キャリアの耐久性によって画質が変化するなどの欠点がある。また1成分現像方式は、現像装置がコンパクトになってドット再現性に優れているが、現像ローラ、チャージローラの劣化のために耐久性が低く、現像装置を交換するため消耗品価格が高価になる、選択現像が発生するなどの欠点を有している。磁性キャリアを用いて非磁性のトナーを帯電させる2成分現像剤を使用し、現像ローラ上に帯電されたトナーのみを保持させて静電潜像に飛翔させ、該潜像を現像するようにした現像方式は、ドット再現性に優れて長寿命化、高速の画像形成が可能な方式ではあるが、従来では、現像ゴーストの発生やトナー粒度分布の変化に伴って現像剤中に微粉トナーが増え、この微粉トナーによるキャリア表面が汚染されて帯電量が低下し、現像装置からのトナーの飛散、現像ローラ上への微粉トナーの付着などの問題があった。
そして磁性キャリアを用いて非磁性のトナーを帯電させる2成分現像剤を使用し、現像ローラ上に帯電されたトナーのみを保持させて静電潜像に飛翔させ、該潜像を現像するようにした現像方式は、従来、非接触の1成分現像の手段として検討されてきたが、近年、高速の画像形成が可能な現像方式として、特に感光体上に複数のカラー画像を順次形成する1ドラム色重ね方式用としても検討されてきた。この方式では、感光体上に正確にトナーを重ねることで色ズレの少ないカラー画像形成が可能であり、カラーの高画質化に対応する技術として注目されてきた。
しかしながらこの1ドラム色重ね方式では、使用する色数分の現像装置を感光体の周りに配置せねばならないから、感光体が大型になり、画像形成装置の小型化の妨げになる。そのため、使用するトナーの色に対応した複数の電子写真プロセス部材を並べて配置し、転写部材の送りに同期させてカラ−画像を形成して転写部材上で色重ねを行うタンデム方式が注目されてきた。しかしながらこの方式では、高速性に優れている利点があるものの、各色の電子写真プロセス部材を並べて配置しなければならないために大型化する欠点を有していた。この対策として感光体同士の間隔を狭くし、小型化した画像形成ユニットを配置した小型タンデム型画像形成装置が提案されている。
このように構成された小型のタンデム型画像形成装置においては、画像形成ユニットの幅方向のサイズを極小にするため、現像装置を縦型とすることが有利である。すなわち、感光体の上部方向に現像装置を配置することがレイアウト上望ましい。しかしながら従来の2成分現像方式では、このように現像装置を縦型に配置した場合、現像剤の還流、すなわち現像剤攪拌部から感光体に近接した現像部材への供給が複雑になり、装置の小型化に限界が生じると共に感光体へのキャリアの付着、トナーの飛散が避けられないという問題があった。
他の方法として、キャリアを用いない1成分現像方式も提案されているが、現像ローラを感光体に接触する方式では感光体のトルク変動をきたし、タンデム型の弱点である色ずれを助長させてしまう欠点があった。また、感光体に非接触な方式では、トナーをチャージローラで帯電させ、弾性規制ブレードで現像ローラ上の層厚を規制していたため、トナーの添加剤がチャ−ジローラに付着して帯電能力が低下したり、規制ブレードにトナーが付着し層形成が不均一になってしまい、画像欠陥をきたすことがあった。
そのため、これらの問題を解決する手段の一つとして、一旦キャリアを用いてトナーを帯電させ、その後、感光体に対して非接触でトナーを飛翔させる前記した現像方式が注目されてきた。即ち、磁性キャリアを用いて非磁性のトナーを帯電させる2成分現像剤を使用し、現像ローラ上に帯電されたトナーのみを保持させて静電潜像に飛翔させ、該潜像を現像するようにした現像方式では、現像ローラが感光体と非接触であるからトルク変動をきたすことがなく、ドット再現性に優れて長寿命化が可能な高速の画像形成装置が提供できる。
こういった技術に関する従来技術としては、特許文献1に潜像担持体に対して非接触に設置したドナーローラ(現像ローラ)上に非磁性トナーで薄層を形成し、交流電界によって潜像担持体上の潜像に該トナーを飛翔させる提案がなされている。また特許文献2には、磁気ローラを用いて現像剤をドナーローラに進ませ、このドナーローラ上にトナーを転移させてトナー層を形成する現像装置が示されている。
しかしながらこれらの提案では、2成分現像剤を採用してドナーローラ上への薄層形成は可能なものの、トナーの帯電が高くなった場合にドナーローラ上のトナーの分離が困難になり、強い交流電界が必要とされる。この電界が潜像担持体上のトナー層を乱してしまうので、色重ねなどには間題を有していた。そのため特許文献3には、ドナーローラと潜像担持体の間にワイヤからなる補助電極を設け、この補助電極に弱い交流電界を印加して現像されたトナーを乱さないようにした、いわゆるパウダ−クラウド現像法が提案されている。
そして理論面では、非特許文献1で東芝(株)から、2成分現像剤を用いた現像ローラ上のトナー層の形成についての報告がなされ、特許文献4に特許としての出願がある。
また上記した従来の技術では、現像性の高いトナーの粗粉が選択的に潜像担持体に現像されやすく、連続印刷を行った場合、帯電性の高いトナーの微粉が現像スリーブに堆積して選択現像が起こり、画像濃度の低下が生じる傾向があった。さらに、トナーの帯電制御が複雑で、潜像担持体に高い表面電位と大きな現像電界を印加することを必要としていた。そのため、現像ローラ上にトナーの消費領域と非消費領域とが生じると、その現像ローラ上におけるトナーの付着状態とトナーの電位差にばらつきが生じる関係から、図7に示したように前の現像画像の一部が次の現像時に残像(ゴースト)として現れる現象、いわゆる履歴現象が発生しやすいという不具合がある。
即ち、図7において、35は矩形の黒ベタで構成されたソリッド画像であり、36、37はそれに続くこのソリッド画像より広いハーフトーン画像で、図7(a)のようにこのソリッド画像35に続けてこのハーフトーン画像36、37を印刷すると、現像ローラ上にトナーの消費領域と非消費領域とが生じた場合、図7(b)における38のような残像(ゴースト)が生じる。さらに、高濃度の現像パターンを連続して印刷した場合に、画像濃度にムラが生じるなどの画像不均一性がおこりやすく、現像器を小型化する場合の課題となっていた。
これを防止するため特許文献5には、現像ローラ上の現像残トナーを掻き取るための部材と、掻き取られたトナーの回収装置に関しての提案がなされ、また、現像ローラ上のトナーを確実に回収する方法として特許文献6には、専用の回収ローラを用いる提案がなされている。しかしながらこれらの方法は、現像部のトナーと非現像部のトナーに電位差が生じ、連続印字時の現像ゴーストの発生を防止するために複雑な機構が必要で、小型の電子写真プロセスには実用化されていない。さらに磁気ブラシを用いた履歴現象の対応策として特許文献7に、磁気ローラの磁束密度の半値幅領域を広く設定することにより、現像ローラ上のトナーの回収と供給を図る提案がなされている。また、タンデム型の現像装置の制御方法として特許文献8には、転写工程を行っている画像形成部以外の画像形成部における現像装置の動作を停止させ、現像剤の劣化を防ぐようにした出願がなされている。
またこういった磁性キャリアを用いて非磁性のトナーを帯電させる2成分現像剤を使用し、現像ローラ上に帯電されたトナーのみを保持させて静電潜像に飛翔させ、該潜像を現像するようにした現像方式においては、選択現像による画像濃度低下、トナーを現像ローラに保持させたまま長時間放置することによる現像欠陥、画像劣化、現像ゴースト、トナー飛散、スリーブ付着などが生じるため、特許文献9、特許文献10(特許文献11)、特許文献12などには、2成分現像剤による磁気ブラシを形成する磁気ローラと、この磁気ローラから供給されたトナーの薄層を担持するドナーローラ(現像ローラ)と、このドナーローラと潜像担持体との間に設けられた電極とを有し、この電極には直流と交流からなるバイアスを、現像ローラには直流バイアスを、そして磁気ローラにはスイッチで異極性となる電圧に切り替えられるようにした直流バイアス(特許文献10(特許文献11))、またはこの直流バイアスに重畳した交流バイアス(特許文献9、特許文献12)を印加するよう構成し、コピーとコピーの間や紙間を利用して、電位差で現像ローラ上のトナーを磁気ローラに回収することで、トナーの帯電を安定化させて上記問題点を解決するようにしたハイブリッド型現像装置が示されている。
即ち、特許文献9、特許文献10に示された現像装置においては、磁気ローラと現像ローラの直流電位差(特許文献10)、及び交流バイアス(特許文献9、特許文献12)で磁気ローラ上に形成された磁気ブラシで現像ローラ上にトナー薄層を形成し、さらに現像ローラと電極間に印加された直流と交流が重畳されたバイアスで電極近辺にトナークラウド(雲)を形成して潜像担持体上の潜像を現像すると共に、画像形成完了時(特許文献10、特許文献12)、または一定間隔で(特許文献9)、スイッチを切り替えて現像ローラから磁気ローラへトナーを剥離させる方向の直流バイアスを印加して現像ローラ上のトナーを回収し、再度の画像形成に際してスイッチの切り替えで磁気ローラ上のトナーを現像ローラへ移動させる方向の直流バイアスを印加して(特許文献10)画像形成に備えるようにし、上記問題を解決するようにしたものである。
しかしながら、特許文献3に記載されたパウダークラウド現像法は、補助電極のワイヤが非常に汚れやすく、また、振動による画像劣化等が発生するため、あまり一般的な方法とはなっていない。さらに特許文献5、特許文献6、特許文献7などに示された装置も、トナーの掻き取り装置や回収ローラの設置が必要であったり、特別な回収バイアスの印加などによってトナーのストレスが増し、トナーの耐久性能劣化の要因になったり、次の現像タイミングでの現像ローラの層形成に時間を要し、高速性を損なったりしていた。また長期使用時に、キャリアの耐久性能劣化によってトナーの帯電性が変化し、現像ローラ上のトナーの帯電特性が大きく変化して補給トナーや回収トナーの帯電の分布が広くなり、帯電不良によるトナーの飛散やカブリの原因になっていた。さらに劣化したキャリアの交換の煩わしさがあり、実用には至っていないのが実情である。
また、タンデム型の現像装置の制御方法としての特許文献8に示された装置は、転写工程を行っている画像形成部以外の現像装置の動作を停止させたり、現像ローラと磁気ローラ間に印加する高圧を高周波数で切り替える装置や制御が必要であり、高価にならざるを得ないと共に、現像装置はトナーローラや磁気ローラ、及び撹拌部材を横に並べた構成となっており、小型化が難しいという欠点がある。さらに、特許文献9、特許文献10(特許文献11)、特許文献12に示された装置も、前記したパウダークラウド現像法であって、補助電極のワイヤが非常に汚れやすく、振動による画像劣化等が発生する。
また、現像装置を小型化し高濃度の画像を連続して印刷する場合に現像ローラに対するトナーの補給が追いつかず、画像濃度が薄くなったり、印刷速度が低下したりすることがあった。この問題を解消するために、掻き取り装置や特別な回収バイアスの印加も提案されているが、トナーのストレスが増し、耐久性能劣化の要因になっていた。また、長期使用時にはキャリアの耐久性能劣化によってトナーの帯電性が変化する事で、現像ローラ上のトナーの帯電特性が大きく変化するために、補給トナーや回収トナーの帯電の分布が広くなってしまう。そしてこれが帯電不良によるトナーの飛散やカブリの原因になっていた。さらに、劣化したキャリアの交換の煩わしさがあり実用には至っていないのが実情である。
そのため、本願出願人は特許文献13において、図8に示したように、現像装置を複雑にすることなく、連続現像時の残像の発生を防ぎ、確実に帯電されたトナーを現像ローラに供給するために、タンデム方式の画像形成プロセスにおいて、現像時間外では供給ローラ(磁気ローラ)と現像ローラの電位差をなくし、現像ローラ上のトナーの大半を磁気ブラシによって回収することで、次の現像タイミング時に現像の履歴を残さない画像が得られる現像装置を提案した。
即ち、図8に示した現像装置は縦型に構成され、前記した磁性キャリアを用いて非磁性のトナーを帯電させる2成分現像剤を使用して、現像ローラ上に帯電されたトナーのみを保持させて静電潜像に飛翔させ、該潜像を現像するようにした方式の現像装置であり、この現像装置50Aの枠体12内には、感光体3に所定距離離間して現像ローラ2が配設されている。そしてその現像ローラ2から所定距離離間して、非磁性金属材料で円筒状に形成され、内部に複数の固定磁石が配設されて該固定磁石の周囲を回転可能としたスリーブ状の供給ローラ(磁気ローラ)1が配設されている。
また、この供給ローラ(磁気ローラ)1の上流には、パドルミキサー22、仕切り板26を挟んで撹拌ミキサー23が設けられ、トナーとキャリアからなる2成分現像剤は、この撹拌ミキサー23とパドルミキサー22の回転によって撹拌、帯電され、仕切り板26両端の仕切がない部分によってこの撹拌ミキサー23とパドルミキサー22の間を循環してゆく。そのため、この2成分現像剤によって供給ローラ(磁気ローラ)1の表面に磁気ブラシが形成され、その磁気ブラシは、穂切りブレード9によって一定の層厚とされ、現像ローラ2に接触する。
一方、この供給ローラ(磁気ローラ)1と現像ローラ2の間には、直流(DC)電源7a、交流(AC)電源7bによって直流に交流が重畳されたバイアスが、直流(DC)電源8によって直流バイアスがそれぞれ印加され、供給ローラ(磁気ローラ)1上の磁気ブラシ中のトナーは、この直流(DC)電源7aと直流(DC)電源8によるバイアスの電位差|DC7a−DC8|(以下Δと表現する)によって現像ローラ2上にトナーのみの薄層を形成する。そしてこの現像ローラ2上のトナー薄層は、直流(DC)電源7a、交流(AC)電源7bによって現像ローラ2に印加されたバイアスで感光体3との間を飛翔し、感光体3上に形成された潜像を現像する。なお、トナーの飛散を防ぐため、交流(AC)電源7bによるバイアスは、現像の直前に印加する。
また、現像に使われずに現像ローラ2上に残ったトナーは、掻き取りブレードなどの特別な装置を設けることなく、供給ローラ(磁気ローラ)1上の磁気ブラシが現像ローラ2上のトナー層に接触し、両ローラの周速差によるブラシ効果とパドルミキサー22による磁気ブラシの攪拌で、現像剤の回収と入れ替えがおこなうようになっている。
しかしながら、このように構成した現像装置においては、現像ローラ2上に形成されたトナー薄層は、現像バイアスによって粗紛が感光体1へ飛翔して現像に使用されるが微粉は残り、繰り返し磁気ブラシと接触帯電することによってトナー帯電上昇を起こし、それによる感光体3へのリークが生じる。そしてこのリークは、最大直径3mm程度の丸状のリーク点として画像に現れ、現像ローラ2上のトナーの入れ替わりが悪くなるに従い、リーク点が増加する。
こういったことを防止するため特許文献14には、1成分現像剤を用いた現像装置であると共に、目的が現像ローラ上の現像残トナーを除去しないと発生する残像を防止するためのものではあるが、現像ローラに当接する部材で残留トナーを掻き落としていた場合、機械的なストレスでトナーが劣化するため、除電部材を、残留現像剤に対して機械的な剥離を生じないように現像ローラに押し当てる弾性部材と、残留現像剤を現像ローラから電気的に引き離す力を付与するバイアス電源とを設けた現像装置が示されている。
米国特許第3,866,574号公報 米国特許第3,929,098号公報 特開平3−113474号公報 特開昭59−121077号 特開平11−231652号公報 特開2000−81788公報 特開平7−128983号公報 特開昭63−249164号公報 特開平6−67546号公報 特開平7−72733号公報 米国特許第5,420,375号公報 特開平7−92804号公報 特開2003−107898公報 特開平11−219032号公報 電子写真学会誌第19巻第2号(1981)第44頁〜第51頁、「タッチダウン現像法」東芝(株)、保坂靖夫、米田等
しかしながら、この特許文献14に示された現像装置は、1成分現像剤を用いた現像装置であると共に、除電部材を残留現像剤に対して機械的な剥離を生じないように現像ローラに押し当てる弾性部材が設けられ、マイラーシートなどが直接現像ローラに接触する装置であり、残留現像剤に対して機械的な剥離を生じないようにとはいうものの、トナーの劣化は生じてしまう。
上記の事情に鑑み本発明は、現像装置を複雑にすることなく、またトナーに余計なストレスを与えることなく、現像ローラ上に残ったトナー層の帯電上昇を防止し、リークを生じさせないようにして黒点などの無い、安定した画像を維持できるようにした画像形成装置における現像装置を提供することが課題である。
上記課題を解決するため本発明の現像装置は、
固定磁極部材を内包する供給ローラの外周に磁性キャリアと非磁性トナーからなる磁気ブラシを形成し、該磁気ブラシを現像ローラに摺擦させながら両ローラ間の電位差を利用して現像ローラへトナーのみを転移させ、現像ローラ上のトナー薄層にて潜像担持体上の潜像を非接触現像する画像形成装置における現像装置において、
前記現像ローラと潜像担持体の最近接位置と、現像ローラ回転方向下流側の磁気ブラシへの接触位置との間の任意の現像ローラ周面上を狭域空間に形成すると共に、該狭域空間における前記磁気ブラシとの接触位置手前に、少なくとも画像形成の際(現像時)、前記現像ローラからトナーを引き剥がす方向に除電バイアスを印加したことを特徴とする。
そして本発明の現像装置は、前記現像ローラ周面と対面する位置に、狭域空間に形成する導電部材を配設するとともに、該導電部材に除電バイアスを印加するようにしてある。
また前記除電電位が、接地電位以上で現像ローラに印加したバイアスと同極性、且つ、該バイアス電位未満としてある。
さらに前記狭域空間における現像ローラと導電性部材との距離を、0.2mmから0.6mmに設定することが好ましい。
さらに、本発明においては、非画像形成の際(非現像時)、前記導電部材からトナーを引き剥がす方向にリフレッシュバイアスを印加することが望ましい。
このように現像装置の、現像ローラと潜像担持体の最近接位置と、この現像ローラ回転方向下流側の磁気ブラシへの接触位置との間の任意の現像ローラ周面上を狭域空間に形成し、この該狭域空間における前記磁気ブラシとの接触位置手前に、画像形成の際、現像ローラからトナーを引き剥がす方向に除電バイアスを印加したことにより、現像装置を複雑にすることなく、またトナーに余計なストレスを与えることなく、現像ローラ上に残ったトナー層の帯電上昇を防止し、リークを生じさせないようにして黒点などの無い、安定した画像を維持できるようにした現像装置を提供することができる。
そして本発明の画像形成装置における現像装置は、前記供給ローラ周面と対面する位置に、狭域空間に形成する導電部材を配設するとともに、該導電部材に除電バイアスを印加するようにしたから、何ら複雑な構成を用いずに除電が可能となる。
また前記除電電位は、接地電位以上で現像ローラに印加したバイアスと同極性、且つ、該バイアス電位未満とし、前記狭域空間における現像ローラと導電性部材との距離を、0.2mmから0.6mmに設定することが好ましい。
さらに、本発明では、非画像形成の際、導電部材からトナーを引き剥がす方向にバイアスを、導電部材に印加しているので、つまり、非画像形成時において、導電部材に付着したトナーを現像ローラ側に飛翔させているので、導電部材に付着したトナーが除去される結果、付着トナーによって導電部材による除電効率が低下するという事態を防止することができるという効果がある。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明になる画像形成装置における現像装置の一実施形態の断面図、図2は本発明になる画像形成装置における現像装置の感光体と現像装置との関係を説明する模式図、図3は本発明になる画像形成装置における現像装置の除電バイアスを変化させたときのリーク状況を実験した結果を表した表、図4は本発明になる画像形成装置における現像装置の導電性除電部材により作られた狭域空間の距離によるリーク状況を実験した結果を表した表、図5は本発明になる現像方法を実施する画像形成装置の一実施例の模式図である。
図中1は非磁性金属材料で円筒状に形成され、内部に複数の固定磁石が配設されて該固定磁石の周囲を回転可能としたスリーブ状の供給ローラ(磁気ローラ)、2は供給ローラ(磁気ローラ)1上に形成される磁気ブラシによってトナーの薄層を形成される現像ローラ、3は感光体(潜像担持体)ドラム、5は一例として直径3mm程度のSUS製シャフトを用いた導電性除電部材、6はこの導電性除電部材に除電用直流(DC)バイアス(Vde)を印加するための電源、7aは現像ローラ2へ直流(DC)バイアスVdc1を印加する電源、7bは同じく現像ローラ2へ交流(AC)バイアスVacを印加する電源、8は供給ローラ(磁気ローラ)1へ直流(DC)バイアスVdc2を印加する電源、9は供給ローラ(磁気ローラ)1上に形成された磁気ブラシの高さを一定に保つための穂切りブレード(層厚規制ブレード)、12は現像装置の枠体、20は画像形成装置、22は現像剤を撹拌して供給ローラ(磁気ローラ)1へ供給するパドルミキサー、23は同じく現像剤を撹拌しながら搬送して帯電させる撹拌ミキサー、26は現像装置内の仕切り板である。
この仕切り板26は、図2から明らかなように、長手方向両端が現像装置50Aの長さより短く、両端を現像剤が自由に通り抜けられるようになっている。図5における50Aは画像形成装置20のブラック用現像装置、50Bは同じくイエロー用現像装置、50Cは同じくシアン用現像装置、50Dは同じくマゼンタ用現像装置、53は記録紙を収容した給紙カセット、54は記録紙を搬送するための無端状ベルト、56は感光体ドラム3を帯電するための帯電器、57は帯電された感光体ドラム3を露光して潜像を形成するための露光装置、58は現像されたトナー像を記録紙に転写するための転写装置、59はトナー像を転写された記録紙上のトナー像を定着するための定着装置である。なお、タンデム型画像形成装置においては、前記したように感光体ドラム(潜像担持体)3の周りに設置する帯電器56、露光装置57、現像装置50、転写装置58、クリーニング装置などをコンパクトに設計することが重要であり、本発明においては、現像装置50は感光体ドラム3に対して隣接し、略垂直の方向に配置される。
感光体3の材料としては、アモルファスシリコン(a−Si)感光体、有機感光体(OPC)などを用いることができ、a−Si感光体を用いた場合、その表面の露光後電位は10V以下の非常に低い特徴を有しているが、その膜厚を薄くすると飽和帯電電位が低下し、絶縁破壊に至る耐電圧が低下する。その一方、潜像形成した時における感光体3の表面の電荷密度は向上し、現像性能は向上する傾向がある。この特性は、誘電率が約10程度と高いa−Si感光体では25μm以下、さらに好ましくは20μm以下の場合に特に顕著である。現像バイアスとして直流(DC)バイアスVdc1電源7aの出力電圧を150V以下、さらに好ましくは100V以下、交流(AC)バイアスVac2電源7bのAC成分としてVpp500〜2000V、周波数が1〜3kHzに設定して現像することが可能である。
また、画像形成装置に用いる感光体3としては従来からOPC感光体が知られており、正帯電の有機感光体(OPC)を用いた場合、残留電位を100V以下にするため、感光層の膜厚を25μm以上に設定し、電荷発生材料の添加量を増やすことが特に重要である。特に単層構造のOPCは感光層の中に電荷発生材を添加することから感光層の膜減りによっても感度が変化が少なく、有利である。この場合でも現像バイアスとして直流(DC)バイアスVdc1電源7aの出力電圧を400V以下、さらに好ましくは300V以下に設定することが、トナーに強い電界をかけることを防止する意味でも好ましい。この様に現像バイアスを低く設定することは、薄膜のa−Si感光体の絶縁破壊を抑制するとともに、トナーの過剰帯電を防止し、現像の履歴現象の発生を抑止するのに有効である。
しかしながら、OPC感光体は感光層表面が軟らかく、クリーニングブレードの摺擦により、感光層が削れやすいという問題が見られた。そこで、OPC感光体と比較して表面が硬質であり、耐久性や機能保持性(メンテナンスフリー)に優れていることから、感光層の厚さが25μm以上のa−Si感光体が近年使用されている。しかしながら、a−Si感光体はグロー放電分解法等を用いて製膜するため、このように感光層が厚いと製造時間や製造コストがかかり、経済的に不利であるという問題も見受けられる。
露光装置57は、半導体レーザ、もしくはLEDを用いることができる。正帯電有機感光体を用いた場合は770nm付近の波長が有効であり、アモルファスシリコン感光体の場合は685nm付近の波長が有効である。以下本発明においては、感光体ドラム3として正帯電有機感光体を用い、露光装置57の光源としてLEDを用いた場合を例に説明してゆく。
現像ローラ2の最表面は、均一な導電性のアルミニュウム、SUS、導電樹脂被覆などからなるスリーブで構成する。そしてそのシャフト部には、直流(DC)バイアス(Vdc1)7a、交流(AC)バイアス(Vac)7bを接続し、回転する現像ローラ2と感光体ドラム3、及び供給ローラ1との間にこの直流と交流を重畳したバイアスが作用するようにする。そして、この交流バイアス7bが供給する交流成分は、デューティ(Duty)比を50%以下の矩形波で構成する。
本発明においては、一例として直流バイアス(Vdc1)7aを100V、交流バイアス7bをVppが1.5kV、周波数3.0kHz、デューティ(Duty) 比30%に設定した。このように直流バイアス(Vdc1)7aと交流バイアス7bを現像ローラ2に直接印加することによって、現像時に現像ローラ2と感光体ドラム3、及び、供給ローラ1との間に鋭いバイアス成分を印加することができ、現像開始時のトナー層形成の反応を良くすることができる。また、感光体ドラム3上の潜像に対して良好な現像性と共に、供給ローラ1に対してのトナー薄層の回収性が高まり、連続印字の安定性が改善される。感光体ドラム3と現像ローラ2との間隔は、一例として約250μmとしてこの間にワイヤ電極等は用いない。
トナーは、5〜20μC/gに制御され、トナー飛散・カブリを防止し、なお且つ、低電界で現像することで現像ローラ2上に現像履歴現象を残さず、トナーの回収性に優れた現像システムができる。
現像剤には、トナーの回収と供給の役割を有する10Ωcm〜10Ωcmの抵抗のキャリアを使い、現像ローラ2と供給ローラ1の間のニップで、強固に静電的に付着したトナーを磁気ブラシで引き剥がし、現像に必要なトナーを供給する。このとき、トナーとの接点を増やすためには、40μm以下の小径キャリアを用い、キャリアの表面積を高めることが好ましい。キャリアとしては、マグネタイトキャリア、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライトなどを用いることができ、適正な抵抗値を上げない範囲で表面処理して用いることも可能である。
本発明では一例として、体積固有抵抗が10Ωcmにシリコーン樹脂被覆をし、飽和磁化が70emu/g、重量平均粒径35μmのフェライトキャリアを用いた。10Ωcm以下では回収を重視した低抵抗キャリアは現像ゴースト対策には有効であるが、正確な帯電をトナーに付与しカブリの発生の無い現像を維持することは困難であり、さらに長期間運転した場合に現像ローラ2表面からトナーが飛散し、帯電器56や露光装置57を汚染する不具合を発生させてしまう。10Ωcm以上の抵抗では、帯電性能を付与することは可能であるが帯電が上昇しやすい問題があった。キャリアの抵抗値を適正にすることで、現像ローラ2上のトナーを回収しつつ、確実に帯電させたトナーを現像ローラ2に再度投入することが可能になる。
またトナーとキャリアの混合割合は、キャリアおよびトナーの合計量に対しトナーを5〜20重量%、好ましくは5〜15重量%とする。トナーの混合割合が5重量%未満であると、トナーの帯電量が高くなって十分な画像濃度が得られなくなり、20重量%を超えると今度は十分な帯電量が得られなくなるため、トナーが現像器から飛散して画像形成装置内を汚染したり、画像上にトナーカブリが生じる。
現像ローラ2上のトナー薄層は、現像剤の抵抗や現像ローラ2と供給ローラ1の回転速度差などによっても変化するが、この両ローラに与えられる直流バイアス(Vdc2)8と直流バイアス(Vdc1)7aの電位差|(Vdc2)−(Vdc1)|(以下Δと表現する)によっても制御することが可能である。Δを大きくすると現像ローラ2上のトナーの薄層が厚くなり、Δを小さくすると薄い層になる。Δの範囲は、一般的に100Vから250V程度が適切である。そして、現像ローラ2上に10〜100μm、好ましくは30〜70μmのトナー層を形成し、現像ローラ2と感光体3とのギャップを150〜400μm、好ましくは200〜300μmとし、この空間を直流と交流電界によってトナーを感光体3上に飛翔させることで鮮明な画像を得ることができる。
現像残のトナーは掻き取りブレードなどの特別な装置を設けることなく、供給ローラ1上の磁気ブラシが現像ローラ2上のトナー層に接触し、各ローラの周速差によるブラシ効果と、磁気ブラシの現像材をミキサーで攪拌することによって現像材を入れ替えることにより、容易にトナーの回収と入れ替えを可能にする。現像材の入れ替えを促進するための方法として、供給ローラ1の回転速度を現像ローラ2の速度に対して1.0〜2.0倍に設定し、現像ローラ2上のトナーを回収すると共に、適切なトナー濃度に設定された現像材を現像ローラに供給することで、均一なトナー層を形成することが可能になる。
また、均一な画像濃度を維持するためには、現像タイミング以外の時間に現像ローラ2と供給ローラ1間の電位差Δを0にすることで、トナーに負担をかけずに現像ローラ2上のトナーを供給ローラ1に回収することが有効である。この時供給ローラ1の磁気ブラシ形成領域の幅Hが、現像ローラ2上のトナーを回収する幅である為、現像ローラ2の幅Hを供給ローラ1の磁気ブラシ形成領域の幅Hより短くすることにより確実に未回収領域をなくすことができる。そうすることにより、供給ローラ1領域外の現像ローラ2のスリーブに付着するトナーがなくなり、両端部のトナー飛散をなくすことが可能となる(図2参照)。
最初に本発明になる現像装置を有する画像形成装置の動作につき、図1、図2、図5の模式図を用いて簡単に説明すると、この画像形成装置20は、無端状ベルト54が、給紙カセット53からの記録紙を定着装置59に向かって搬送可能に配設されており、記録紙を搬送するベルト54の上側には、ブラック用現像装置50A、イエロー用現像装置50B、シアン用現像装置50C及びマゼンタ用現像装置50Dが配設されている。そしてこれらの現像装置50(A、B、C、D)には、それぞれ供給ローラ1(A、B、C、D)、該供給ローラ1(A、B、C、D)に近接して現像ローラ2(A、B、C、D)が配設され、該現像ローラ2に対面して感光体ドラム3(A、B、C、D)が、さらにこの感光体ドラム3の周囲には、帯電器56(A、B、C、D)及び露光装置57(A、B、C、D)が配置されている。
このように構成したハイブリッド型現像装置を有する本発明のタンデム型画像形成装置において、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックなどのそれぞれの色に対応したトナーとキャリアからなる2成分現像剤は、現像剤容器からそれぞれの現像装置50に供給され、図1に示した供給ローラ1上に磁気ブラシを形成し、攪拌によってトナーが帯電される。そして、供給ローラ1上の磁気ブラシは規制ブレード9によって層規制され、供給ローラ1に加えられた直流バイアス(Vdc2)8と現像ローラ2に加えられた直流バイアス(Vdc1)7a間の電位差Δで現像ローラ2上に飛翔して薄層6として保持され、感光体3との間の直流及び交流の重畳されたバイアス7bによって現像される。トナーの飛散を防ぐために、交流は現像の直前に印加する。
そして、図示していない制御回路からプリント開始信号が来ると、まず、帯電器56によって正帯電有機感光体(正OPC)で構成された感光体ドラム3が例えば400Vに帯電され、その後、例えば770nmの波長のLEDを用いた露光装置57による露光により、感光体ドラム3の露光後電位は約70Vになって潜像が形成される。そしてこの潜像は、現像ローラ2に加えられた直流バイアス(Vdc1)7aと交流バイアス7bにより、現像ローラ2上のトナー薄層から感光体ドラム3に飛翔したトナーで現像され、トナー像が形成される。
そして記録紙が、給紙カセット53から送りだされてベルト54で送られ、その記録紙が感光体ドラム3に達したとき、転写装置58(A、B、C、D)による転写バイアスが印加されて記録紙にトナー像が転写され、定着装置59で定着されて排紙される。その後前記したように、印刷データによって定期的に、交流(AC)バイアス(Vac)7bを印加したまま、直流(DC)バイアス(Vdc2)8を変化させて現像ローラ上のトナー薄層を磁気ブラシに回収する。
そして本発明になる画像形成装置における現像装置50は、図1に示したように、現像ローラ2と感光体3との最近接位置と、現像ローラ2の回転方向下流側の磁気ブラシへの接触位置との間には、現像装置50のハウジング内面壁15に導電性除電部材5を現像ローラ2の軸方向と平行に配設することで、現像ローラ2とハウジング内面壁15の距離よりも狭くなった図中点線で示した狭域空間4を形成している。この狭域空間4は、現像ローラ2と導電性部材5との距離が、例えば導電性除電部材5として直径3mm程度のSUS製シャフトを使用することで、0.2mmから0.6mm(好ましくは0.2mm〜0.5mm)としている。また、この導電性除電部材5には、画像形成の際(つまり、現像を行っている際)、現像ロール2に印加している直流(DC)バイアス(Vdc1)7aと同極性でこのバイアス電圧未満、そして現像ローラ2からトナーを引き剥がす方向の除電用直流(DC)バイアス(Vde)を印加するための電源6を設けてある。
このように現像装置の現像ローラ2と感光体3の最近接位置と、現像ローラ2の回転方向下流側の磁気ブラシへの接触位置との間の現像ローラ2周面上の任意位置を、導電性除電部材5で狭域空間として現像ローラ2からトナーを引き剥がす方向の除電バイアス6を印加することで、感光体3上の潜像を現像した後に残った現像ローラ2上のトナーは、この導電性除電部材5から印加される除電バイアスによって帯電が除電され、供給ローラ1上に形成されている磁気ブラシと接触したとき、容易に磁気ブラシに回収されるようになり、現像装置を複雑にすることなく、またトナーに余計なストレスを与えることなく、現像ローラ上に残ったトナー層の帯電上昇を防止し、リークを生じさせないようにして黒点などの無い、安定した画像を維持できるようにした画像形成装置における現像装置を提供することができる。
図3と図4は、このように構成した本発明になる画像形成装置における現像装置を用い、除電バイアスを変化させたとき(図3)と、導電性除電部材5により作られた狭域空間の距離による(図4)リーク状況を実験した結果を表した表である。
まず、図3の除電用直流(DC)バイアス(Vde)電源6による除電バイアスを変化させたときであるが、この図3は、除電用直流(DC)バイアス(Vde)電源6による除電バイアスを−100V〜200Vまで振った際の白紙100枚におけるリークによる黒点の数と、導電性除電部材5の周辺におけるトナー飛散のレベルを調べたものである。この図3からわかるとおり、除電用直流(DC)バイアス(Vde)電源6による除電バイアスを、現像ローラ2に印加している直流(DC)バイアス(Vdc1)電源7aと同電位の100V以下にしたとき、白紙100枚におけるリークによる黒点の数が激減し、25V以下ではゼロになっている。しかし、この除電バイアスを、マイナスとした場合は逆にこの導電性除電部材5の周囲にトナーが積もり、そこからトナー飛散が起こった。
次に、図4の導電性除電部材5により作られた狭域空間4の現像ローラ2との距離を変化させたときであるが、図4は、除電バイアスを25Vとして、導電性除電部材5と現像ローラ2との距離を0.1mmから1.0mmまで振ったときの白紙100枚におけるリークによる黒点の数と、導電性除電部材5の周辺におけるトナー飛散のレベルを調べたものである。この図4からわかるとおり、導電性除電部材5と現像ローラ2との距離を0.6mm以下にすることにより、白紙100枚におけるリークによる黒点の数が激減し、0.5mm以下ではゼロになっている。しかし0.1mmとした場合は、この導電性除電部材5と現像ローラ2との手前でトナーが積もり、そこからトナー飛散が起こった。
この結果から分かるとおり、除電用直流(DC)バイアス(Vde)電源6による除電電位を接地電位以上で現像ロール2に印加したバイアスと同極性、且つ、このバイアス電位未満とし、導電性除電部材5と現像ローラ2との距離を0.2mmから0.6mm(好ましくは0.2mm〜0.5mm)に設定することによって、トナー飛散が起こらず、リークによる黒点の発生を防止した画像形成装置における現像装置を提供できることがわかる。
以上が本発明になる画像形成装置における現像装置であるが、本発明によれば、現像ローラ2と感光体3の最近接位置と、この現像ローラ2の回転方向下流側の磁気ブラシへの接触位置との間の任意の現像ローラ2周面上を狭域空間に形成し、この該狭域空間4における前記磁気ブラシとの接触位置手前に、現像ローラ2からトナーを引き剥がす方向に除電バイアスを印加したことにより、現像装置を複雑にすることなく、またトナーに余計なストレスを与えることなく、現像ローラ2上に残ったトナー層の帯電上昇を防止し、リークを生じさせないようにして黒点などの無い、安定した画像を維持できるようにした画像形成装置における現像装置を提供することができる。
そして本発明の画像形成装置における現像装置は、前記供給ローラ周面と対面する位置に、狭域空間に形成する導電部材を配設するとともに、該導電部材に除電バイアスを印加するようにしたから、何ら複雑な構成を用いずに除電が可能となる。
ところで、上述のように、除電バイアスを0〜25V、導電性除電部材5と現像ローラ2との距離を0.2mm〜0.6mmとすると、リークによる黒点数が無くなるとともに、トナー飛散を防止できるものの、長期間に亘って画像形成(印字)を行って、累積印刷枚数が多くなると、導電性除電部材5へのトナー付着が無視できないものとなって、付着トナーが絶縁層となって、導電性除電部材5による除電効率(除電効果)が低下してしまい、リークによる黒点発生が生じることがある。
そこで、ここでは、非画像形成時(非現像時)に、DCバイアス電源6を制御して、導電性除電部材5からトナーを引き剥がす方向にバイアス(以下リフレッシュバイアスと呼ぶ)を印加する。いま、画像形成時における除電バイアスを25Vとして、導電性除電部材と現像ローラ2との距離を0.3mmとして、30000枚の印刷を行った。この際、非画像形成時(非現像時(例えば、用紙間))に導電性除電部材5に印加するリフレッシュバイアスを25Vから300Vまで振って、リークによる黒点及びトナー飛散を調べた。その結果を図6に示す。なお、リークによる黒点及びトナー飛散は30000枚の印刷を行った後、白紙を100枚印刷して調査した。
図6に示すように、非現像時に導電性除電部材5に印加するリフレッシュバイアスを200V以上とすると、30000枚印字後においても、黒点及びトナー飛散がないことが分かった。つまり、非現像時においても、現像ローラ2から導電性除電部材5にトナーを引き剥がす方向の除電バイアスを印加すると、長期間による使用によって不可避的に導電性除電部材5へトナーが飛散して、導電性除電部材5にトナーが付着して、その除電効率が低下して黒点が形成されるものの、非現像時にリフレッシュバイアスを印加すると、現像時に導電性除電部材5にトナーが付着しても、非現像時に除去されることになって、除電効率が低下することがなく、リークによる黒点形成を防止できる。この結果、長期間に亘って安定して印刷を行うことができる。
上述のリフレッシュバイアスは、非画像形成時(非現像時)に導電性除電部材5に印加されるが、リフレッシュバイアスの印加タイミングは非現像時である毎用紙間でもよく、また、所定の枚数印字(例えば、100枚)後の非現像時であってもよい。
さらに、リフレッシュバイアスは除電バイアスよりも高く設定される。そして、リフレッシュバイアスと除電バイアスとの切り換えは、例えば、図示しない制御装置によって行われ、制御装置は、DCバイアス電源6を制御して、非現像時においてリフレッシュバイアスを導電性除電部材5に印加し、現像時に除電バイアスを導電性除電部材5に印加する。
本発明によれば、現像装置を複雑にすることなく、またトナーに余計なストレスを与えることなく、現像ローラ上に残ったトナー層の帯電上昇を防止し、リークを生じさせないようにして黒点などの無い、安定した画像を維持できるようにした現像装置を提供することができる。
本発明になる画像形成装置における現像装置の一実施形態の断面図である。 本発明になる画像形成装置における現像装置の感光体と現像装置との関係を説明する模式図である。 本発明になる画像形成装置における現像装置の除電バイアスを変化させたときのリーク状況を実験した結果を表した図である。 本発明になる画像形成装置における現像装置の導電性除電部材により作られた狭域空間の距離によるリーク状況を実験した結果を表した図である。 本発明になる現像方法を実施する画像形成装置の一実施例の模式図である。 本発明になる画像形成装置における現像装置において、非画像形成時に導電性除電部材に印加するリフレッシュバイアスを変化させた際のリーク状況の実験結果を表した図である。 従来の現像装置における残像発生状況を説明するための図である。 従来の現像装置の一例の断面図である。
符号の説明
1 供給ローラ(磁気ローラ)
2 現像ローラ
3 感光体(潜像担持体)ドラム
4 狭域空間
5 導電性除電部材
6 除電用直流(DC)バイアス(Vde)電源
7a 直流(DC)バイアス(Vdc1)電源
7b 交流(AC)バイアス(Vac)電源
8 直流(DC)バイアスVdc2電源
9 穂切りブレード(層厚規制ブレード)
12 現像装置の枠体
15 ハウジング内壁
20 画像形成装置
22 パドルミキサー
23 撹拌ミキサー
26 仕切り板

Claims (5)

  1. 固定磁極部材を内包する供給ローラの外周に磁性キャリアと非磁性トナーからなる磁気ブラシを形成し、該磁気ブラシを現像ローラに摺擦させながら両ローラ間の電位差を利用して現像ローラへトナーのみを転移させ、現像ローラ上のトナー薄層にて潜像担持体上の潜像を非接触現像する画像形成装置における現像装置において、
    前記現像ローラと潜像担持体の最近接位置と、現像ローラ回転方向下流側の磁気ブラシへの接触位置との間の任意の現像ローラ周面上を狭域空間に形成すると共に、該狭域空間における前記磁気ブラシとの接触位置手前に、少なくとも画像形成の際前記現像ローラからトナーを引き剥がす方向に除電バイアスを印加したことを特徴とする画像形成装置における現像装置。
  2. 前記現像ローラ周面と対面する位置に、狭域空間に形成する導電部材を配設するとともに、該導電部材に除電バイアスを印加したことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置における現像装置。
  3. 除電電位が、接地電位以上で現像ローラに印加したバイアスと同極性、且つ、該バイアス電位未満であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置における現像装置。
  4. 前記狭域空間における現像ローラと導電性部材との距離を0.2mmから0.6mmに設定したことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置における現像装置。
  5. 非画像形成の際、前記導電部材からトナーを引き剥がす方向にリフレッシュバイアスを印加するようにしたことを特徴とする請求項2〜4いずれか1項記載の現像装置。
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