JP4040345B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機などの画像形成装置に係り、特に、磁性キャリアを用いて非磁性のトナーを帯電させる2成分現像剤を使用し、現像ロール上に帯電されたトナーのみを保持させて静電潜像に飛翔させ、該潜像を現像するようにしたハイブリッド型現像装置を有する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機などの画像形成装置における現像方式には、トナーと磁性キャリアを用いた2成分現像方式、絶縁トナーや導電トナーを用いた1成分現像方式、磁性キャリアを用いて非磁性のトナーを帯電させる2成分現像剤を使用し、現像ロール上に帯電されたトナーのみを保持させて静電潜像に飛翔させ、該潜像を現像するようにしたハイブリッド現像方式などがある。
【0003】
2成分現像方式は、キャリアによるトナーの帯電性に優れ、長寿命化が可能であると共にベタ画像の均一化などの利点がある反面、現像装置が大きく複雑になる、トナー飛散やキャリア引きが発生する、キャリアの耐久性によって画質が変化するなどの欠点がある。また1成分現像方式は、現像装置がコンパクトになってドット再現性に優れているが、現像ロール、チャージローラの劣化のために耐久性が低く、現像装置を交換するため消耗品価格が高価になる、選択現像が発生するなどの欠点を有している。そしてハイブリッド現像方式は、ドット再現性に優れ、長寿命化が可能で高速の画像形成が可能な方式ではあるが、従来では、現像ゴーストの発生やトナーの飛散などの問題があった。
【0004】
このハイブリッド現像方式は、非接触の1成分現像の手段として検討されてきたが、近年、高速の画像形成が可能な現像方式として、特に潜像担持体(感光体)上に複数のカラー画像を順次形成する1ドラム色重ね方式用としても検討されてきた。この方式では、潜像担持体上に正確にトナーを重ねることで色ズレの少ないカラー画像形成が可能であり、カラーの高画質化に対応する技術として注目されてきた。
【0005】
しかしながら前記した1ドラム色重ね方式では、使用する色数分の現像装置を潜像担持体の周りに配置せねばならないから潜像担持体が大型になり、画像形成装置の小型化の妨げになる。そのため、使用するトナーの色に対応した複数の電子写真プロセス部材を並べて配置し、転写部材の送りに同期させてカラ−画像を形成して転写部材上で色重ねを行うタンデム方式が注目されてきた。しかしながらこの方式では、高速性に優れている利点があるものの、各色の電子写真プロセス部材を並べて配置しなければならないために大型化する欠点を有していた。この対策として潜像担持体同志の間隔を狭くし、小型化した画像形成ユニットを配置した小型タンデム型画像形成装置が提案されている。
【0006】
このように構成された小型のタンデム型画像形成装置においては、画像形成ユニットの幅方向のサイズを極小にするため、現像装置を縦型とすることが有利である。すなわち、潜像担持体の上部方向に現像装置を配置することがレイアウト上望ましい。しかしながら従来の2成分現像方式では、このように現像装置を縦型に配置した場合、現像剤の還流、すなわち現像剤攪拌部から潜像担持体に近接した現像部材への供給が複雑になり、装置の小型化に限界が生じると共に潜像担持体へのキャリアの付着、トナーの飛散が避けられないという間題があった。
【0007】
そのため、例えば特開平6−274039号公報、特開平8−262874号公報、特開平10−31366号公報には、非接触2成分現像装置において、磁気ロールに内包された磁極の強さや設置角度、磁極の数などを調整し、現像領域における磁気穂を平坦にしてキャリア付着を防止したり(特開平6−274039号公報)、未現像の現像剤を搬送する搬送磁極S1、現像磁極N1、現像済みの現像剤を搬送する搬送磁極S2の磁力を順次大きくし、磁気拘束力を大きくして潜像担持体に対してキャリア付着が起こらないようにしたり(特開平8−262874号公報)、磁石ロールを複数の位置に回転固定して最適なトナー供給ができるようにした(特開平10−31366号公報)現像装置が示されている。
【0008】
またこういった磁極に関する調整だけでなく、特公平6−58546号公報、特開平8−137274号公報、特開平9−197722号公報、特許第2611192号公報などには、キャリアやトナーの粒径、飽和磁化などを調整し、トナー融着によるトナーフィルミング、キャリア付着やキャリア飛散による画像品質低下や現像剤寿命低下、機内汚染などを防止するため、飽和磁化値が40emu/g以下、平均粒径30μm以下のキャリアと、粒径が実質的に1〜10μmのトナーで構成した現像剤(特公平6−58546号公報)や、キャリア密度が4.0g/cm以下、1kOeの磁界中における体積当たりの磁化が40emu/cm以上150emu/cm以下とした現像剤を用い、潜像担持体と対向する現像領域に互いに極性の異なる複数の磁極を配置(特開平8−137274号公報)したり、核体粒子に被覆層を形成したキャリアを用い、飽和磁化を50〜70emu/g、平均粒子径を30〜40μm、粒子径が22μm以下の重量比が2.0〜17.0重量%で、{(投影像の周囲長)÷(4π×投影面積)}で表される形状係数が、平均粒子径以下の粒子のほうが平均粒子径を超える粒子ものより大きくなるようにしたキャリアを用いた現像剤(特開平9−197722号公報)、現像領域上流側の穂高規制部材とさらに上流側に設けた前規制部材の間にキャリアを入れる空室を設け、この空室でトナーを帯電させて一定の帯電量を得ると共にキャリアを40emu/g以上の飽和磁化を有する平均粒径20〜100μmのもので構成するようにした装置(特許第2611192号公報)などが示されている。
【0009】
他の方法として、キャリアを用いない1成分現像方式も提案されているが、現像ロールを潜像担持体に接触する方式では潜像担持体のトルク変動をきたし、タンデム型の弱点である色ずれを助長させてしまう欠点があった。また、潜像担持体に非接触な方式では、トナーをチャ−ジロールで帯電させ、弾性規制ブレードで現像ロール上の層厚を規制していたため、トナーの添加剤がチャ−ジロールに付着して帯電能力が低下したり、規制ブレードにトナーが付着し層形成が不均一になってしまい、画像欠陥をきたすことがあった。
【0010】
そのため、これらの問題を解決する手段の一つとして、前記したハイブリッド現像方式が注目されてきた。すなわちハイブリッド現像方式では、前記したように現像ゴーストの発生やトナーの飛散などの問題があるが、現像ロールが潜像担持体と非接触であるからトルク変動をきたすことがなく、ドット再現性に優れて長寿命化が可能な高速の画像形成装置が提供できる。
【0011】
こういった技術に関する従来技術としては、米国特許第3,866,574号公報に、潜像担持体に対して非接触に設置したドナーロール(現像ロール)上に非磁性トナーで薄層を形成し、交流電界によって潜像担持体上の潜像に該トナーを飛翔させる提案がなされている。また米国特許第3,929,098号公報には、磁気ロールを用いて現像剤をドナーロールに進ませ、このドナーロール上にトナーを転移させてトナー層を形成する現像装置が示されている。
【0012】
しかしながらこれらの提案では、2成分現像剤を採用してドナーロール上への薄層形成は可能なものの、トナーの帯電が高くなった場合にドナーロール上のトナーの分離が困難になり、強い交流電界が必要とされる。この電界が潜像担持体上のトナー層を乱してしまうので、色重ねなどには間題を有していた。そのため特開平3−113474号公報には、ドナーロールと潜像担持体の間にワイヤからなる補助電極を設け、この補助電極に弱い交流電界を印加して現像されたトナーを乱さないようにした、いわゆるパウダ−クラウド現像法が提案されている。
【0013】
そして理論面では、電子写真学会誌第19巻第2号(1981)に東芝(株)から、2成分現像剤を用いた現像ロール上のトナー層の形成についての報告がなされ、特開昭59−121077号公報に特許としての出願がある。
【0014】
また上記した従来の技術は、現像性の高いトナーの粗粉が選択的に潜像担持体に現像されやすく、連続印刷を行うと帯電性の高いトナーの微粉が現像スリーブに堆積して選択現像が起こって画像濃度の低下が生じる傾向があった。さらに、トナーの帯電制御が複雑で、潜像担持体に高い表面電位と大きな現像電界を印加することを必要としていた。そのため、現像ロール上にトナーの消費領域と非消費領域とが生じると、その現像ロール上におけるトナーの付着状態とトナーの電位差にばらつきが生じる関係から、図3に示したように前の現像画像の一部が次の現像時に残像(ゴースト)として現れる現象、いわゆる履歴現象が発生しやすいという不具合がある。例えば図3において、35は矩形の黒ベタで構成されたソリッド画像であり、36、37はそれに続くこのソリッド画像より広いハーフトーン画像で、現像ロール上にトナーの消費領域と非消費領域とが生じた場合、このソリッド画像35に続けてこのハーフトーン画像36、37を印刷すると、図3(b)における38のような残像(ゴースト)が生じる。さらに、高濃度の現像パターンを連続して印刷した場合に、画像濃度にムラが生じるなどの画像不均一性がおこりやすく、現像器を小型化する場合の課題となっていた。
【0015】
これを防止するため特開平11−231652号公報には、現像ロール上の現像残トナーを掻き取るための部材と、掻き取られたトナーの回収装置に関しての提案がなされ、また、現像ロール上のトナーを確実に回収する方法として、特開2000−81788公報には、専用の回収ロールを用いる提案がなされている。しかしながらこれらの方法は、複雑な機構が必要で小型の電子写真プロセスには実用化されていない。さらに磁気ブラシを用いた履歴現象の対応策として特開平7−128983号公報に、磁気ロールの磁束密度の半値幅領域を広く設定することにより、現像ロール上のトナーの回収と供給を図る提案がなされている。また、タンデム型の現像器の制御方法として特開昭63−249164号公報には、転写工程を行っている画像形成部以外の画像形成部における現像装置の動作を停止させ、現像剤の劣化を防ぐようにした出願がなされている。
【0016】
またこういったハイブリッド現像方式においては、選択現像による画像濃度低下、トナーを現像ロールに保持させたまま長時間放置することによる現像欠陥、画像劣化、現像ゴースト、トナー飛散、スリーブ付着などが生じるため、前記した特開平6−274039号公報、特開平8−262874号、特開平10−31366号公報、特公平6−58546号公報、特開平8−137274号公報、特開平9−197722号公報、特許第2611192号公報などに示された現像装置や現像剤を使う方法もあるが、これらの公報に示された装置や現像剤は2成分現像装置のためのものであり、また複数の磁極や磁気ロールを回転させたりする複雑高価な構成を必要としたり、現像ロール上のトナーを入れ替えるためには磁気ロール上の磁気ブラシと現像ロールとの間に接触による適度なニップができることが必要なハイブリッド型現像装置とは異なった構成が取られており、そのまま使うことはできない。
【0017】
そのため特開平7−72733号公報(USP5,420,375号公報)には、2成分現像剤による磁気ブラシを形成する磁気ロールと、この磁気ロールから供給されたトナーの薄層を担持するドナーロール(現像ロール)と、このドナーロールと潜像担持体との間に設けられた電極とを有し、この電極には直流と交流からなるバイアスを、現像ロールには直流バイアスを、そして磁気ロールにはスイッチで異極性となる電圧に切り替えられるようにした直流バイアスを印加するよう構成し、上記問題点を解決するようにしたハイブリッド型現像装置が示されている。すなわちこの特開平7−72733号公報に示された現像装置においては、磁気ロールと現像ロールの電位差で磁気ロール上に形成された磁気ブラシで現像ロール上にトナー薄層を形成し、さらに現像ロールと電極間に印加された直流と交流が重畳されたバイアスで電極近辺にトナークラウド(雲)を形成して潜像担持体上の潜像を現像すると共に、上記問題を解決するようにしたものである。
【0018】
また特開2000−250294公報には、前記特開平7−72733号公報に示された現像ロールと潜像担持体との間に電極を設ける方式につき、電気的にバイアスされて張力のかかった電極線の振動による不均一な現像や、塵が瞬間的に電極に付着して現像ロールに条痕を生じさせる現象が生じるとして、電極を埋め込んだ現像ロールを用いたハイブリッド型現像装置が従来例として紹介され、さらにこの電極を埋め込んだ現像ロールを用いた場合でも、現像ロール上に付着したキャリアの画像への付着、現像ロールに埋め込んだ電極が所定間隔を持っているため潜像担持体へのトナー供給効率が悪く、画像比率が高い画像を連続して現像処理した場合に画像抜けを生じる現象、磁気ロールと現像ロールへ印加する交番バイアスで選択現像が生じ、画質低下、濃度低下を生じる現象などを防止するようにしたハイブリッド型現像装置が示されている。
【0019】
すなわちこの特開2000−250294公報に示された装置では、導電性スリーブ上に誘電体層を設けてその中に微小間隔で電極を埋め込むようにして現像ロールを構成し、潜像担持体へのトナー供給効率を改善すると共に電極間の短絡の防止と表面保護を行わせ、合わせて、数秒の時間で電荷の集積を消散させるに足る誘電率とフリンジ電荷が約数ミリ秒以下でコーティングを貫通できるようにした電極緩和許容層を設けている。そして潜像担持体と現像ロール間には、現像ロール上に埋め込まれた電極にACとDCからなるバイアス電圧を供給するブラシ電極を、現像ロールと磁気ロール間には、現像ロール上に埋め込まれた電極にACとDCからなるバイアス電圧を供給する磁気ブラシを設け、潜像担持体と現像ロール間では現像ロール上のトナーをクラウド(雲)状にして潜像担持体上の潜像を現像し、現像ロールと磁気ロール間ではトナーを磁気ロールと現像ロール間で往復させるようにしている。そして前記AC電源を共通とすると共にこの波形を矩形波とし、この矩形波のデューティ比をトナーが現像ロールから磁気ロールへ戻される時間より磁気ロールから現像ロールへ搬送される時間が短くなるようにし、トナーとキャリアで慣性が異なることを利用して現像ロールへのキャリア付着の防止、トナーの選択搬送性を防止するようにしている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記特開平3−113474号公報に記載されたパウダークラウド現像法は、補助電極のワイヤが非常に汚れやすく、また、振動による画像劣化等が発生するため、あまり一般的な方法とはなっていない。さらに特開平11−231652号公報、特開2000−81788公報、特開平7−128983号公報などに示された装置も、トナーの掻き取り装置や回収ロールの設置が必要であったり、特別な回収バイアスの印加などによってトナーのストレスが増し、トナーの耐久性能劣化の要因になったり、次の現像タイミングでの現像ロールの層形成に時間を要し、高速性を損なったりしていた。また長期使用時に、キャリアの耐久性能劣化によってトナーの帯電性が変化し、現像ロール上のトナーの帯電特性が大きく変化して補給トナーや回収トナーの帯電の分布が広くなり、帯電不良によるトナーの飛散やカブリの原因になっていた。さらに劣化したキャリアの交換の煩わしさがあり、実用にはいたっていないのが実情である。
【0021】
また、タンデム型の現像装置の制御方法としての特開昭63−249164号公報に示された装置は、転写工程を行っている画像形成部以外の現像装置の動作を停止させたり、現像ロールと磁気ロール間に印加する高圧を高周波数で切り替える装置や制御が必要であり、高価にならざるを得ないと共に、現像装置はトナーロールや磁気ロール、及び撹拌部材を横に並べた構成となっており、小型化が難しいという欠点がある。
【0022】
また、特開平7−72733号公報(USP5、341、197)、特開2000−250294公報に示された装置も、特開平7−72733号公報のものは前記したパウダークラウド現像法であって、補助電極のワイヤが非常に汚れやすく、振動による画像劣化等が発生し、さらに特開2000−250294公報に示された装置も、現像ロールに電極を埋め込む必要があると共にこの電極にACとDCを重畳したバイアスを供給するためのブラシ電極が必要な複雑な構成であり、電極が周方向に断続していると共に、ブラシ電極が何らかの理由で汚れたり振動などでトナーが固着し、現像ロールの電極に接触できなくなると全くトナーの制御ができなくなる。
【0023】
さらに前記したように、高濃度の現像パターンを連続して印刷した場合、現像ロールへのトナーの微粉、及びトナー成分による汚染が付着し、いわゆるトナーフィルミングが発生して現像ロール上のトナー層が不均一になり、画像濃度にムラが生じるなどの画像不均一性がおこりやすいが、こういったことも現像器を小型化する場合の課題となっていた。
【0024】
上記の事情に鑑み本発明は、現像装置を複雑にすることなく現像ゴースト、キャリア飛散の発生を防ぎ、確実に帯電されたトナーを現像ロールに供給すると共に連続印刷時においても画像不均一が生じず、長期間安定した画像品質が得られるハイブリッド型現像装置を有した小型、高速、安価な画像形成装置を提供することが課題である。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明においては、
キャリアとトナーからなる現像剤を磁気保持しながら帯電させる2成分現像剤搬送用磁気ロールと、該磁気ロールの磁気ブラシと搬送バイアスを利用して前記搬送体よりトナーを移送し、その表面にトナーのみの薄層を形成する現像ロールと、該現像ロールと潜像担時体の最近接位置(現像位置)に現像バイアスを印加して潜像担時体の潜像の現像を行うハイブリッド型現像装置を有した画像形成装置において、
前記磁気ロールが導電性であり、前記キャリアを5Kエルステッドの印加磁場において飽和磁化値が45emu/g以下で平均粒径が45μm以下の高抵抗絶縁キャリアで形成すると共に、前記磁気ロールと現像ロール間のギャップを500μm以下として磁気ロール側に印加された搬送バイアスがDC電源であるとともに、前記磁気ロールに内包された磁極のうち、現像ロールに対向した磁極の磁力を1000ガウス以下とすると共に、磁気ロールを構成する磁極によって形成される水平磁力を穂切り部から分離部に向かって順次高め且つ該水平磁力の磁力差を、50乃至150ガウスの範囲で順次高めて設定したことを特徴とする。
【0026】
このように、キャリアを飽和磁化値が45emu/g以下で平均粒径が45μm以下と低飽和磁化/小径にすることで、磁気ブラシが短く、且つ、密度が高められ、磁気ブラシの現像ロールへの接触ニップの先端はキャリアの比表面積が大きくなって現像ロール上の現像残トナーを剥ぎ取る効果が大きくなると共に、磁気ブラシが短くなることによってトナー飛散も防止される。その上、磁気ロールと現像ロール間のギャップを500μm以下にすることで、磁気ロール上の磁気ブラシと現像ロールとの間には接触による適度なニップ形成がなされると共に、磁気ロールと現像ロール間の電界の作用を強化することが可能になり、現像ロール上の現像残トナーの回収と入れ替えが容易にできるようになって潜像担持体上の現像残トナーが効果的に剥ぎ取られ、現像ゴーストが防止される。そのため、確実に帯電されたトナーが現像ロールに供給され、連続印刷時においても画像不均一が生じず、長期間安定した画像品質が得られるハイブリッド型現像装置を有した小型、高速、安価な画像形成装置を提供することができる。
【0028】
又発明は、前記磁気ロールに内包された磁極のうち、現像ロールに対向した磁極の磁力を1000ガウス以下とすると共に、磁気ロールを構成する磁極によって形成される水平磁力を穂切り部から分離部に向かって順次高め且つ該水平磁力の磁力差を、50乃至150ガウスの範囲で順次高めて設定したことにより、磁気ロール内部の固定マグネットの磁力線に沿って搬送される磁気ブラシは、磁気ロールのスリーブ表面と磁気ブラシの付け根で滑り現象が生じることなく、磁気ブラシの均一性が確保されて現像ロールに安定してトナーを供給することができ、磁気ブラシの滞留や漏れ、現像剤の飛散といったことを防止して、長期間安定した画像品質が得られるハイブリッド型現像装置を有した小型、高速、安価な画像形成装置を提供することができる。
【0030】
更に本発明は、前記磁気ロールに内包された磁極のうち、現像ロールに対向した磁極の磁力を1000ガウス以下とすると共に、磁気ロールを構成する磁極によって形成される水平磁力を穂切り部から分離部に向かって順次高め且つ該水平磁力の磁力差を、50乃至150ガウスの範囲で順次高めて設定したために、キャリアを低飽和磁化/小径にすることによって磁気ブラシの穂が大きく立たず、また、磁気ブラシの均一性が確保されて現像ロールに安定してトナーを供給することができ、磁気ブラシの滞留や漏れ、現像剤の飛散といったことを防止して、長期間安定した画像品質が得られるハイブリッド型現像装置を有した小型、高速、安価な画像形成装置を提供することができる。
【0031】
そして請求項に記載した発明は、
前記現像ロールと磁気ロールの回転方向を同一とし、磁気ロールの回転速度を現像ロールの回転速度の1乃至2倍とすることで、前記現像ロール上のトナーの磁気ブラシによる回収と供給を容易にしたことを特徴とする。
【0032】
このように、現像ロールと磁気ロールの回転方向を同一とし、磁気ロールの回転速度を現像ロールの回転速度の1乃至2倍とすることで、磁気ロール上の磁気ブラシを適度に現像ロールへ接触させることができ、潜像担持体への現像残トナーを剥ぎ取る効果が生じて、回収性能がさらに向上し、長期間安定した画像品質が得られるハイブリッド型現像装置を有した小型、高速、安価な画像形成装置を提供することができる。
【0033】
そして請求項に記載した発明は、
前記トナーの体積平均粒径を4.0μmから8.0μmの範囲とし、体積平均粒径/個数平均粒径を1.3以下として画像濃度を維持するようにしたことを特徴とする。
【0034】
このように、トナーの体積平均粒径と体積平均粒径/個数平均粒径を維持することにより、現像ロールに印加した交流バイアスによってトナーを現像ロールと潜像担持体間で往復運動させ、直流バイアスの電位差によって現像を行っても、選択現像が防止できると共にカラー画像出力に際して粒状感を増大させるといったことも防止でき、帯電量の高い微粉粒子のトナーが現像ロールの表面に付着するため回収機構を設けるといった必要も無くなって、長期間安定した画像品質が得られるハイブリッド型現像装置を有した小型、高速、安価な画像形成装置を提供することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を例示的に詳しく説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0036】
図1は本発明に係るハイブリッド型現像装置を有するタンデム型画像形成装置の一実施例の概略構成図、図2は本発明に係るハイブリッド型現像装置の概略構成図、図3は残像(ゴースト)の発生を説明するための図、図4は磁気ロールを構成する磁極の配置とそれぞれの磁極間の水平磁力を説明するための図、図5はキャリアの平均粒径と飽和磁化を変化させると共に、磁気ロールと現像ロールのギャップ、及び磁気ロールとブレード間のギャップを変化させて現像ゴーストとトナー飛散の状態を調べ、磁気ブラシの最適化を検討した実験結果を示した表、図6は磁気ロールを構成する磁極による水平磁力を変化させて磁気ブラシの均一性、滞留、ハウジングからのトナー漏れの状況を実験した結果を示した表、図7は体積平均粒径、個数平均粒径が異なるトナーにより、10000枚の耐刷実験を実施した際の画像濃度の変化を調べた結果を示した表である。
【0037】
図1において、1はタンデム型画像形成装置本体、2は現像装置、3は潜像担持体(感光体)、4は露光ユニット、5は記録媒体の搬送ベルト、6は現像剤容器、7は記録媒体を収容した給紙カセット、8は潜像担持体3を帯電させるための帯電器、9は潜像担持体3上のトナー像を転写バイアスにより記録媒体に転写するための転写装置、10は記録媒体に転写されたトナー像を定着する定着装置であり、タンデム型画像形成装置においては、潜像担持体(感光体)3の周りに設置する帯電器8、露光ユニット4、現像装置2、転写装置9、クリーニング装置などをコンパクトに設計することが重要であり、例えば本発明においては、現像装置2は潜像担持体3に対して隣接し、略垂直の方向に配置される。
【0038】
図2において、21は内部に配設された磁石によって2成分現像剤の磁気ブラシ30を発生させ、現像ロール22にトナー25を供給する現像剤搬送体としての磁気ロール、22はトナー薄層26を担持して潜像担持体3上の静電潜像を現像する現像ロール、24はキャリア、25はトナー、26は現像ロール22上のトナー薄層で、26aは潜像を現像する前の薄層を、26bは潜像を現像した後に残ったトナーの薄層を示す。27は潜像担持体3へ現像ロール22上に形成されたトナー薄層26のトナー25を飛翔させて現像を行わせるための現像バイアスで、27aは直流(DC)バイアス(Vdc1)、27bは交流(AC)バイアスである。28は磁気ロール21上の磁気ブラシ30からトナー25を現像ロール22へ搬送するための直流(DC)バイアス(Vdc2)、29は磁気ロール21上の磁気ブラシ30の厚さを規制する規制ブレードであり、この規制ブレード29への現像剤の滞留を避けるため、磁性体を接着または溶接して取り付けても良い。
【0039】
このうち潜像担持体(感光体)3の材料としては、アモルファスシリコン(a−Si)感光体、有機感光体(OPC)などを用いることができる。正帯電有機感光体(正OPC)は、オゾンなどの発生が少なくて帯電が安定しており、特に単層構造の正帯電有機感光体は、長期にわたる使用によって膜厚が変化した場合においても感光特性に変化が少なく、画質も安定するため長寿命のシステムには好適である。そして、正帯電有機感光体を長寿命のシステムに用いる場合、膜厚を20μmから40μm程度に設定することが好ましい。20μm以下の場合は、膜厚が減少して10μm程度になったときに絶縁破壊によって黒点の発生が目だってくる。また、40μm以上とした場合は感度が低下し、画像濃度低下の要因となる。
【0040】
露光ユニット4は、半導体レーザ、もしくはLEDを用いることができる。正帯電有機感光体を用いた場合は770nm付近の波長が有効であり、アモルファスシリコン感光体の場合は685nm付近の波長が有効である。以下本発明においては、潜像担持体3として正帯電有機感光体を用い、露光ユニット4の光源としてLEDを用いた場合を例に説明してゆく。
【0041】
現像ロール22の最表面は、体積固有抵抗が10Ω・cm以下に設定された均一な導電性のアルミニウム、SUS、導電樹脂被覆などからなるスリーブで構成する。そしてそのシャフト部には、直流(DC)バイアス(Vdc1)27a、交流(AC)バイアス27bを接続し、回転する現像ロール22と潜像担持体3、及び磁気ロール21との間にこの直流と交流を重畳したバイアスが作用するようにする。そして、この交流バイアス27bが供給する交流成分は、デューティ(Duty)比を50%以下とした矩形波で構成する。本発明においては、一例として直流バイアス(Vdc1)27aを100V、交流バイアス27bをVppが1.5kV、周波数3.0kHz、デューティ(Duty) 比30%に設定した。このように直流バイアス(Vdc1)27aと交流バイアス27bを現像ロール22に直接印加し、かつ、現像ロール22の最表面を10Ω・cm以下の導電性とすることによって、現像時に現像ロール22と潜像担持体3、及び、磁気ロール21との間に鋭いバイアス成分を印加することができ、現像開始時のトナー層形成の反応を良くすることができる。
【0042】
磁気ロール21は、現像剤搬送体として内包した固定マグネットによってキャリア24とトナー25からなる2成分現像剤を磁気保持し、磁気ブラシ30を発生させてこの磁気ブラシ30の厚さを規制ブレード29によって規制しながら現像ロール22にトナー25を供給する。磁気ロール21の固定マグネットは、図4に示したように少なくとも一つの反発極を有した5極で構成され、現像ロール22との最近接磁極N1、磁気ロール21を構成する回転スリーブの回転方向上流側に設けられたミキサーで攪拌された現像剤を受け取って保持し、形成された磁気ブラシ30の高さを規制する規制ブレード29によって穂切りを行う穂切り部に位置する穂切り磁極N3、最近接磁極N1へこの磁気ブラシ30を搬送する搬送磁極S1、最近接磁極N1から磁気ブラシを受ける搬送磁極S2、汲み上げ磁極N3との反発磁界によって現像剤を磁気ロール21から分離させる分離部に位置する分離磁極N2で構成される。現像剤による磁気ブラシ30の磁極間の搬送は、異なる磁極間で形成された水平磁力線を伝っておこなわれる。そして本発明においては、現像ロール22との最近接磁極N1の磁力を1000ガウス以下とし、また穂切り磁極N3から搬送磁極S1への水平磁力をH1、搬送磁極S1から最近接磁極N1への水平磁力をH2、最近接磁極N1から搬送磁極S2への水平磁力をH3、搬送磁極S2から分離磁極N2への水平磁力をH4としたとき、これら穂切り部から分離部への水平磁力の磁力差を、50乃至150ガウスずつ連続して順次高めるように設定し、磁気ロール21の磁極位置及び極間での磁気ブラシ30の穂立ちを大きくせず、現像剤が現像ロール22に対して密に接触するようにして、現像ロール22上に安定して現像剤層を形成できるようにすると共に現像残トナー26bの回収を効率よく行えるようにし、現像ゴーストとキャリア飛散を防止できるようにした。
【0043】
またこの磁気ロール21と規制ブレード29とのギャップは450〜500μmが好ましく、前記したように規制ブレード29への現像剤の滞留を避けるため、磁性体を接着または溶接して取り付けても良い。そしてこの現像ロール22へのトナー25の供給は、磁気ロール21に印加された直流(DC)バイアス(Vdc2)28と、現像ロール22に印加されている直流バイアス(Vdc1)27aとの電位差、及び交流バイアス27bによって行われる。直流バイアス(Vdc2)28の電圧は本発明においては一例として350Vとし、現像終了時に現像ロール22上のトナー層を入れ替える場合は、直流バイアス(Vdc1)27aを変化させずに交流バイアス27bを印加した状態で直流バイアス(Vdc2)28を同極性内で変化させ、現像ロール22上のトナー薄層26を磁気ブラシ30に回収する。この直流バイアス(Vdc2)28の変化量は、常時磁気ブラシ30のトナーを現像ロール22へ移送する方向となる電圧差が生じる値、すなわち磁気ロール21側の直流バイアス電圧値を現像ロール22側の直流バイアス電圧値より大きく維持し、直流バイアス(Vdc1)27aが100Vの場合はそれ以上の値(すなわちこの例では100Vから350Vの間の値)とする。なお、この直流バイアスの変化は、上記説明では直流バイアス(Vdc2)28を変化させるとしたが、磁気ロール21側の直流バイアス電圧値を現像ロール22側の直流バイアス電圧値より大きく維持すれば、直流バイアス(Vdc2)28と直流バイアス(Vdc1)27aの両方を変化させても良い。
【0044】
潜像担持体3と現像ロール22との間隔は、一例として約250μmとしてこの間にワイヤ電極等は用いない。通常この潜像担持体3と現像ロール22との間隔は、150から400μm、好ましくは200から300μmであり、この間隔が150μmより狭いとカブリの要因になり、400μmより広いとトナー25を潜像担持体3に飛翔させることが困難になって、十分な画像濃度を得ることができない。また、選択現像を発生させる要因になる。磁気ロール21と現像ロール22との間隔は500μm以下とし、磁気ロール21と現像ロール22間の電界の作用を強化することを可能として、現像ロール22上の現像残トナー26bの回収と入れ替えが容易にできるようにする。
【0045】
現像ロール22上のトナー薄層26を入れ替えるには、現像終了時に交流バイアス27bを印加した状態で直流バイアス(Vdc2)28を変化させ、現像ロール22上のトナー薄層26を磁気ブラシ30に回収する。磁気ロール21の回転速度を現像ロール22の回転速度に対して1乃至2倍に設定すると、現像ロール22上トナーの入れ替えが促進される。この時、磁気ロール21の回転方向を現像ロール22と同方向、例えば現像ロール22の回転方向が逆時計方向の場合は磁気ロール21も同様に逆時計方向である方が好ましい。現像ロール22と磁気ロー21ルとの回転比が存在しないと、現像ロール22からのトナーの回収が不十分となる。また、2倍以上にすると磁気ロール21の回転速度が増大し、振動や発熱の要因となってトナーへのストレスを増加させる。
【0046】
現像剤はトナー25とキャリア24からなり、キャリア24としては、マグネタイトキャリア、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライトなどを用いることができ、適正な抵抗値を上げない範囲で表面処理して用いることも可能である。本発明では一例として体積固有抵抗が10Ωcmにシリコーン樹脂被覆をし、5kエルステッドの印加磁場における飽和磁化値が45emu/g以下、平均粒径45μm以下の低飽和磁化/小径のフェライトキャリアを用い、磁気ブラシ30を短く、且つ、密度が高められるようにした。
【0047】
トナー25は、小径キャリア24による帯電付与を良好に行えるようにして選択現像性を回避するため、粒度分布を狭く規定した。すなわちトナー25の粒度分布が広いと、粒度の大きいトナー25の帯電付与を小径キャリア24で行うことが困難になり、微粉トナー25が選択的に帯電されて選択現像が促進され、長期にわたる現像の安定性が保たれない。一般的にトナーの粒度分布の広がりはコールターカウンターで測定され、体積分布平均粒径と個数分布平均粒径の比でもって表現される。選択現像を防止するためにはその比率を小さくすることが重要である。分布が広いと、連続印刷時に現像ロール22に比較的粒度の小さなトナーが堆積し、現像性を低下させる。本発明においては、トナーの体積平均粒径を4.0μmから8.0μmとし、選択現像を防止するため体積平均粒径/個数平均粒径の比を1.30以下とした。体積平均粒径が4μm以下の場合はトナー粒子の帯電量が高くなり、現像ロール22の表面への静電的付着力が増大し、潜像担持体3への現像性、磁気ロール21への回収性が悪くなる。また体積平均粒径が8μmを超えると、今度は初期濃度が得られず、かつ、画像濃度維持性が悪くなる。以下本発明においては、正帯電のトナーを用いる場合を一例として説明するが、前記したバイアスとの関係を逆にすることで、負帯電のトナーを用いた場合でも同様に構成できることは自明である。
【0048】
以上が本発明に係る画像形成装置の構成概略であるが、潜像担持体3上の現像残トナー薄層26bは、磁気ロール21のトナー25と入れ替わり、もしくは電荷のリセットがされないと、トナー薄層26aに層厚及び電荷ムラが生じ、潜像担持体3への現像時に現像ロール22の周期で図3にその例を示したような現像ゴーストやトナー飛散が目立つ傾向がある。すなわち前記したようにこの図3において、35は矩形の黒ベタで構成されたソリッド画像であり、36、37はそれに続くこのソリッド画像より広いハーフトーン画像で、現像ロール22上にトナーの消費領域と非消費領域とが生じた場合、このソリッド画像35に続けてこのハーフトーン画像36、37を印刷すると、図3(b)における38のような残像(ゴースト)が生じ、画質を低下させる。
【0049】
現像ロール22上のトナー25を入れ替えるためには、磁気ロール21上の磁気ブラシ30と現像ロール22との間に、接触による適度なニップができることが必要であり、このニップ量が少ないと潜像担持体3への現像残りのトナー薄層26bを剥ぎ取る効果が減少し現像ゴーストが発生しやすくなる。しかし逆に多すぎると、磁気ブラシ30が磁気ロール21と現像ロール22の隙間を通過する時に通過しきれず、滞留が生じて磁気ブラシ30が潜像担持体3と現像ロール22の現像領域へ搬送されてしまう。そのため、磁気ブラシ30を規制ブレード29(磁性体を接着及び溶接したものを取り付けたものでも可)によって流量を調整する。また、磁気ブラシ30の接触ニップの先端は、キャリア24の粒径が小さくて比表面積が大きいほうが現像ロール22上の現像残トナー薄層26bを剥ぎ取る効果が大きく、また、現像ロール22上へのトナー薄層26aの形成と現像残トナー薄層26bの磁気ロール21への回収を同時に行うのに、交流電界を受けやすく電気的にも相乗効果を得られやすくなる。
【0050】
磁気ロール21の現像ロール22に対向した磁極(主極)の強さが大きいと、キャリア24を低飽和磁化/小径にしても磁気ブラシ30の穂(キャリア24の連続したつながり)が立ってしまい、現像ロール22上のトナー25の回収による現像ゴーストの解消には有効であるが、磁気ブラシ30からのトナー25の飛散が避けられない。磁気ブラシ30は、磁気ロール21内部の固定マグネットとその表面を回動可能な構造をもつスリーブ上を磁気ロール21内部の固定マグネットの磁力線に沿って搬送されるが、磁気ロール21に内包された固定マグネットの磁力線の変わり目や、現像装置のハウジングとの接触等によって磁気ブラシ30からトナー25が飛散しやすく、飛散したトナー25は、プリンタの内部レイアウトによっては、用紙搬送部や転写体に堆積して用紙汚れを発生させる。
【0051】
磁気ロール21内部の固定マグネットとその表面を回動可能な構造をもつスリーブ上の磁気ブラシ30は、常にスリーブ表面と回転方向の逆の摩擦抵抗を持っており、万一、搬送方向に対して固定マグネットの水平磁力が小さくなるような磁気レイアウトにすると、スリーブ表面と磁気ブラシ30の付け根で滑り現象が生じ、現像剤が磁気ロール21上から回転しなくなる。このような現象が少なからず生じると、見かけ上磁気ロール21の回転数が低下したごとく作用し、現像ロール22へのトナー25の移送が著しく低下する。また、部分的に搬送方向に対して固定マグネットの水平磁力が小さくなるような磁気レイアウトを有する場合においても、例えば、H1>H2の時は磁気ブラシ30の均一性が損なわれる。H2>H3の時は磁気ブラシ30が磁気ロール21と現像ロール22の隙間の通過を妨げて磁気ブラシ30の滞留が生じ、その量が増大すると潜像担持体3と現像ロール22の現像領域へ磁気ブラシ30が搬送されてしまう。H3>H4の時は、現像器ハウジングに現像剤を引き込めず溢れ出すというような問題が生じる。これらは特に、低飽和磁化のキャリア24を使用した際に顕著である。
【0052】
また、本発明における現像装置においては、図2に示したように潜像担持体3の潜像に現像ロール22上のトナー25を飛翔させて現像するに際し、現像ロール22に印加した交流バイアス27bによってトナー25を現像ロール22と潜像担持体3間で往復運動させ、直流バイアス27aの電位差によって現像が行われるようにしているが、この現像時、潜像担持体3への選択現像性が生じ、特に帯電量の高い微粉粒子のトナー25が現像ロール22の表面に付着してトナー25が飛翔しなくなるという現象が生じる。また、このように帯電量の高い微粉粒子のトナー25が現像ロール22表面に付着しないよう、回収機構を設けたり、紙間やイメージ間で現像ロール22上のトナー25を剥ぎ取る方式を採用しても、長期にわたって使用するにあたって結果的に現像機内のトナー粒子の粒度分布が低粒子側にシフトし、現像性の低下を招いてしまう。また逆に、粗大粒子の存在は、カラー画像出力に際して特に粒状感を増大させる原因ともなる。
【0053】
図5は、キャリア24の平均粒径と飽和磁化を変化させると共に、磁気ロール21と現像ロール22のギャップ、及び磁気ロール21と規制ブレード29間のギャップを変化させて現像ゴーストとトナー飛散の状態を調べ、磁気ブラシ30の最適化を検討した実験結果を示したものである。この実験に用いたトナー25は、ポリエステルを結着樹脂に顔料、帯電制御剤、ワックス(Wax)、表面処理剤から構成する正帯電性トナーを使用し、また、キャリア24表面にはトナー25との帯電性を安定させるように樹脂のコーティングを施したものを使用した。現像ゴーストのレベルは、図3に示したような矩形の黒ベタで構成されたソリッド画像35に続けてソリッド画像35より広いハーフトーン画像36、37を印刷し、図3(b)における38のような残像(ゴースト)が殆ど目立たない場合は○で、僅かに目立つ場合は△で、目視で完全に確認できる場合を×で示した。またトナー飛散のレベルは、1000枚のテスト印字を行い、現像器のハウジング下部へのトナー飛散具合を殆ど目立たない場合は○で、僅かに目立つ場合は△で、現像器ハウジング下部にトナー25が堆積した場合を×で示した。
【0054】
まず比較例1は、キャリア24の平均粒径を65μm、飽和磁化を64emu/gとし、磁気ロール21と現像ロール22のギャップを800μm、磁気ロール21と規制ブレード29間のギャップを650〜700μmとしたもので、現像ゴースト、トナー飛散共に不良であり、磁気ロール21と現像ロール22のギャップ、磁気ロール21と規制ブレード29間のギャップをそのままにキャリア24の平均粒径を45μmと小さくし、飽和磁化を64emu/gのままとした比較例2では、比較例1に対して現像ゴーストが△に改善されるが、比較例2に対して飽和磁化を50emu/gに下げた比較例3では、トナー飛散が△に改善されるものの、現像ゴーストは再び悪くなる。そして、比較例3から更に飽和磁化のみを41emu/gとした比較例4は、トナー飛散が○となり、殆ど目立たないレベルになるが現像ゴーストは改善されなかった。そしてキャリア24の平均粒径と飽和磁化を比較例4と同じ45μmと41emu/gとし、磁気ロール21と現像ロール22のギャップを600μm、磁気ロール21と規制ブレード29間のギャップを450〜500μmとした比較例5においては、トナー飛散は良好であるが現像ゴーストが顕著であり、現像ロール22のギャップを400μm、磁気ロール21と規制ブレード29間のギャップを250〜300μmとした比較例6では磁気ロール21に磁気ブラシ30が形成されなかった。しかし磁気ロール21と規制ブレード29間のギャップを450〜500μmとし、規制ブレード29に磁性体を張り付けた実施例1では、現像ゴースト、トナー飛散共に良好であった。
【0055】
また、現像ゴーストが△でトナー飛散が×であった比較例2と同様飽和磁化を64emu/g、磁気ロール21と現像ロール22のギャップを800μm、磁気ロール21と規制ブレード29間のギャップを650〜700μmとし、キャリア24の平均粒径をこの比較例2より小さな35μmとした比較例7では、トナー飛散は改善されなかったが現像ゴーストは良好であった。そのため、比較例8のように飽和磁化のみを41emu/gと小さくしたところ、今度は現像ゴーストが不良となってトナー飛散が△となり、さらに磁気ロール21と現像ロール22のギャップを600μm、磁気ロール21と規制ブレード29間のギャップを450〜500μmと小さくした比較例9では、現像ゴーストが△となってトナー飛散が良好となった。そこで実施例2のように磁気ロール21と現像ロール22のギャップを400μmと更に小さくし、規制ブレード29に磁性体を張り付けたところ、現像ゴースト、トナー飛散共に良好となった。
【0056】
この結果から分かるとおり、飽和磁化、磁気ロール21と現像ロール22のギャップ、磁気ロール21と規制ブレード29間のギャップが同一なら、キャリア24の平均粒径を小さくすると磁気ブラシ30の密度が高くなってトナー25の回収効果が大きくなり、現像ゴーストが減少する(比較例1、2)。そしてこの状態から飽和磁化だけを小さくすると、磁気ブラシ30の長さが短くなってトナー25の回収効果が小さくなり、現像ゴーストが悪化してトナー飛散が改善される(比較例2、3、及び比較例7、8)。そして更にこの状態から、磁気ロール21と現像ロール22のギャップ、及び磁気ロール21と規制ブレード29間のギャップを小さくすると現像ゴースト、トナー飛散共に改善される傾向にあり(比較例3、5、及び比較例8、9)、この状態から磁気ロール21と現像ロール22のギャップ、及び磁気ロール21と規制ブレード29間のギャップを更に小さくすると、実施例2のように現像ゴースト、トナー飛散共に良好な結果が得られている。
【0057】
すなわち、キャリア24の平均粒径を45μm以下と小さくすることで比表面積が大きくなり、現像ロール22上の現像残トナー薄層26bを剥ぎ取る効果が大きくなって現像ゴーストが防止されると共に、磁気ロール21による現像ロール22へのトナー薄層26aの形成と現像残トナー薄層26bの回収を同時に行うに際して交流電界が受けやすくなり、電気的にも相乗効果が得られやすくなったと考えられる。また、キャリア24の飽和磁化を45emu/g以下という具合に低くすることで磁気ブラシ30が短く、且つ、均一で密度の高い状態で形成され、磁気ロール21と規制ブレード29間のギャップを450〜500μm、磁気ロール21と現像ロール22間のギャップを400μmとすることで、現像ロール22に対して磁気ブラシ30による適切な接触ニップが形成され、現像残トナー薄層26bを剥ぎ取る効果を増大させて現像ゴーストが防止されると共に、磁気ブラシ30が磁気ロール21と現像ロール22の隙間を通過する時に通過しきれない磁気ブラシ30による滞留が生じず、潜像担持体3との現像領域へ磁気ブラシ30が搬送されてしまうといったことやトナー飛散が防止される。
【0058】
図6は、磁気ロール21における穂切り磁極N3から搬送磁極S1への水平磁力H1、搬送磁極S1から最近接磁極N1への水平磁力H2、最近接磁極N1から搬送磁極S2への水平磁力H3、搬送磁極S2から分離磁極N2への水平磁力H4を種々変化させ、磁気ブラシ30の均一性、滞留、ハウジングからのトナー漏れの状況を調べたもので、キャリア24の粒径や飽和磁化、及び磁気ロール21と現像ロール22、磁気ロール21と規制ブレード29のギャップは、前記図5における現像ゴースト、トナー飛散の両者で良好な結果が得られた実施例2と同様に設定してある。表中N1は現像ロール22と対向する現像磁極の垂直磁力であり、H1からH4は前記したそれぞれの磁極間の水平磁力、結果における○は磁気ブラシ30の均一性、滞留、漏れなどが良好な場合、×は不良な場合である。
【0059】
まず比較例10は、磁極N1の垂直磁力を1200ガウスとし、水平磁力H1を水平磁力H2より大きく(H1>H2)すると共に他の水平磁力H3、H4をH2<H3、H3<H4となるようにしたもので、この場合は磁気ブラシ30の均一性が得られなかった。そして磁極N1の垂直磁力を1200ガウスのまま水平磁力H2を水平磁力H3より大きく(H2>H3)すると共に他の水平磁力H1、H4をH1<H2、H3<H4となるようにした比較例11においては、磁気ロール21と現像ロール22のニップを通過しきれないトナー25の滞留が生じた。そして、同じく水平磁力H3を水平磁力H4より大きく(H3>H4)すると共に他の水平磁力H1、H2をH1<H2、H2<H3となるようにした比較例12においては、ハウジングよりトナー25漏れが生じた。また、これら水平磁力H1、H2、H3、H4の磁力を順次大きくなるような磁気レイアウトとしたが、その磁力差が小さい比較例13においては、磁気ブラシ30の均一性、滞留、ハウジングからの漏れのいずれもが不良であった。それに対し、水平磁力H1、H2、H3、H4の磁力を順次大きくなるようにすると共に磁力差を比較的大きくした比較例14においては、これら磁気ブラシ30の均一性、滞留、ハウジングからの漏れのいずれもが良好ではあったが、磁気ブラシ30が疎な状態になり、現像ゴーストがわずかに目立った。そのため実施例3のように、水平磁力H1を950ガウスにしたところ、磁気ブラシ30の均一性、滞留、ハウジングからの漏れのいずれもが良好であると共に現像ゴーストも認められなかった。
【0060】
すなわち、磁気ロール21に内包した固定マグネットの各磁極N3、S1、N1、S2、N2間の水平磁力H1〜H4を、順次50〜150ガウス程度大きくなるようレイアウトし、かつ、磁極N1の垂直磁力を1000ガウス以下にすることで、図5の実施例2に使用した低飽和磁化のキャリア24を磁気ロール21上に搬送するのに好適な結果が得られ、さらに現像ゴーストにおいても良好な結果が得られることが分かる。
【0061】
図7は、トナー25の適正な粒度分布を見出すため、トナー25の体積平均粒径、個数平均粒径の異なるトナーを試作し、10000枚の耐刷実験を実施して画像濃度の変化を調べた結果を示したもので、キャリア24の粒径や飽和磁化、及び磁気ロール21と現像ロール22、磁気ロール21と規制ブレード29のギャップは前記図5における現像ゴースト、トナー飛散の両者で良好な結果が得られた実施例2と同様に設定し、かつ、磁気ブラシ30の均一性、滞留、ハウジングからの漏れのいずれもが良好であると共に現像ゴーストも認められなかった前記図6における実施例3のマグネットレイアウトを用いてある。なお、この実験の実施にあたってトナー25は、粒度分布のみの比較となるよう構成材料や混練り等の作製条件は同一化し、粉砕・分級工程にてのみ調整を行った。また、粒度分布のシャープさを表すのに、コールターカウンターで測定されたトナー粒径の体積平均粒径と個数平均粒径の比を用いることとした。従って、例えばこの値が大きいと、正規分布をなす体積粒度分布において、微粉と粗粉が非常に多く含まれる粒度分布ということになる。
【0062】
まず比較例15は、トナー25の体積平均粒径を9.2μm、個数平均粒径を6.8μm(従って体積平均粒径/個数平均粒径が1.353)としたもので、この場合は初期濃度も1.38と低く、かつ、10000枚耐刷後には1.20と濃度が大きく低下した。そのため実施例4で、体積平均粒径を8.0μm、個数平均粒径を6.2μmとして体積平均粒径/個数平均粒径を1.290にしたところ、10000枚耐刷後でも1.41とあまり変わらない値を示した。比較例16において、さらに体積平均粒径、個数平均粒径共に小さくして7.5μm、5.4μmとし、従って体積平均粒径/個数平均粒径を1.389としたら、今度は初期濃度が1.36と最低になり、かつ、10000枚耐刷後にも1.10と濃度が最低になった。しかしこの状態から実施例5において、個数平均粒径を5.9μmとして体積平均粒径/個数平均粒径を1.271にしたところ、今度は初期濃度が1.42と良好になり、かつ、10000枚耐刷後にも1.42と変わらない値を示し、さらに実施例6において、体積平均粒径/個数平均粒径を1.283と1.3以下に抑えながら体積平均粒径、個数平均粒径共に小さくして6.8μm、5.3μmとしたところ、初期濃度が1.45と最高になって10000枚耐刷後にも1.41と大きな低下を見せなかった。
【0063】
すなわちこの結果から、トナー25の体積平均粒径を4.0μmから8.0μmとし、体積平均粒径/個数平均粒径を1.30以下にすることによって、優れた画像濃度維持性が得られることがわかる。また、特に平均粒径が細かくなると綿密なドット再現がなされ、実施例6においては、比較例15と比較して粒状感が飛躍的に低減された画像を10000枚後においても得ることができ、概ねトナー25の平均粒径の微細化に伴い、直線的にそのプリントアウトされた画像の画質を向上させる結果となった。
【0064】
このように構成したハイブリッド型現像装置を有する本発明のタンデム型画像形成装置において、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックなどのそれぞれの色に対応したトナー25とキャリア24からなる2成分現像剤は、現像剤容器6から現像装置2に供給され、図2に示した磁気ロール21上に磁気ブラシ30を形成し、攪拌によってトナー25が帯電される。そして磁気ロール21上の磁気ブラシ30は、規制ブレード29によって層規制され、磁気ロール21に加えられた直流バイアス(Vdc2)28と現像ロール22に加えられた直流バイアス(Vdc1)27a間の電位差、及び交流バイアス27bによって現像ロール2にトナー25のみの薄層26を形成する。
【0065】
そして、図示していない制御回路からプリント開始の信号が来ると、まず、帯電器8によって正帯電有機感光体(正OPC)で構成された潜像担持体3が例えば400Vに帯電され、その後、露光ユニット4を構成する例えば770nmの波長のLEDによる露光により、潜像担持体3の露光後電位は約70Vになって潜像が形成される。そしてこの潜像は、現像ロール22に加えられた直流バイアス(Vdc1)27aと交流バイアス27bにより、現像ロール22上のトナー薄層26から潜像担持体3に飛翔したトナーで現像され、トナー像が形成される。
【0066】
こうしてトナー像が潜像担持体3上に形成されると、そのトナー像が転写位置に至るタイミングに合わせて記録媒体が給紙カセット7から取り出され、搬送ベルト5で搬送されてくるから、各色毎の転写位置に設置されている転写装置9によって転写バイアスを印加し、記録媒体にトナー像を転写する。そして各色のトナー像が記録媒体に順次転写されて定着装置10に至ると、この定着装置10で定着されて排紙される。
【0067】
このように本発明においては、導電性表面を持つ現像ロール22と磁気ロール21にそれぞれ独立したバイアスが印加され、回転体である現像ロール22は潜像担持体3との最近接部で現像が最大になり、その後距離が開くに従って現像が終結してカブリ要因になるトナーが現像ロール22側に引き戻されて潜像担持体への現像が正確にできる。また、現像ロール22側に印加する直流バイアス電圧を固定とし、磁気ロール21側に印加する直流バイアス電圧を現像時と非現像時(紙間)で同極性内において変化させているから、潜像担持体上の潜像の現像になんら影響を与えることなく現像ロール22上のトナーの入れ替えを制御することが可能となり、選択現像を抑制し、カブリなどが防止されて長期間安定した画像品質が得られるハイブリッド型現像装置を有した小型の画像形成装置を提供することができる。
【0068】
なお、以上説明してきた直流バイアス(Vdc1)27a、交流バイアス27b、直流バイアス(Vdc2)28の電圧値やVpp、周波数などは一例であり、状況に応じて変化させ得ることは自明である。
【0069】
【発明の効果】
以上記載の如く本発明によれば、キャリアを飽和磁化値が45emu/g以下で平均粒径が45μm以下と低飽和磁化/小径にすることで、磁気ブラシが短く、且つ、密度が高められ、磁気ブラシの現像ロールへの接触ニップの先端はキャリアの比表面積が大きくなって現像ロール上の現像残トナーを剥ぎ取る効果が大きくなると共に、磁気ブラシが短くなることによってトナー飛散も防止される。その上、磁気ロールと現像ロール間のギャップを500μm以下にすることで、磁気ロール上の磁気ブラシと現像ロールとの間には接触による適度なニップ形成がなされると共に、磁気ロールと現像ロール間の電界の作用を強化することが可能になり、現像ロール上の現像残トナーの回収と入れ替えが容易にできるようになって潜像担持体上の現像残トナーが効果的に剥ぎ取られ、現像ゴーストが防止される。そのため、確実に帯電されたトナーが現像ロールに供給され、連続印刷時においても画像不均一が生じず、長期間安定した画像品質が得られるハイブリッド型現像装置を有した小型、高速、安価な画像形成装置を提供することができる。
【0070】
又本発明によれば、前記磁気ロールに内包された磁極のうち、現像ロールに対向した磁極の磁力を1000ガウス以下とすると共に、磁気ロールを構成する磁極によって形成される水平磁力を穂切り部から分離部に向かって順次高め且つ該水平磁力の磁力差を、50乃至150ガウスの範囲で順次高めて設定したことにより、磁気ロール内部の固定マグネットの磁力線に沿って搬送される磁気ブラシは、磁気ロールのスリーブ表面と磁気ブラシの付け根で滑り現象が生じることなく、磁気ブラシの均一性が確保されて現像ロールに安定してトナーを供給することができ、磁気ブラシの滞留や漏れ、現像剤の飛散といったことを防止して、長期間安定した画像品質が得られるハイブリッド型現像装置を有した小型、高速、安価な画像形成装置を提供することができる。
【0071】
そして本発明によれば、前記磁気ロールに内包された磁極のうち、現像ロールに対向した磁極の磁力を1000ガウス以下とすると共に、磁気ロールを構成する磁極によって形成される水平磁力を穂切り部から分離部に向かって順次高め且つ該水平磁力の磁力差を、50乃至150ガウスの範囲で順次高めて設定したことにより、キャリアを低飽和磁化/小径にすることによって磁気ブラシの穂が大きく立たず、また、磁気ブラシの均一性が確保されて現像ロールに安定してトナーを供給することができ、磁気ブラシの滞留や漏れ、現像剤の飛散といったことを防止して、長期間安定した画像品質が得られるハイブリッド型現像装置を有した小型、高速、安価な画像形成装置を提供することができる。
【0072】
そして請求項に記載した本発明によれば、現像ロールと磁気ロールの回転方向を同一とし、磁気ロールの回転速度を現像ロールの回転速度の1乃至2倍とすることで、磁気ロール上の磁気ブラシを適度に現像ロールへ接触させることができ、潜像担持体への現像残トナーを剥ぎ取る効果が生じて、回収性能がさらに向上し、長期間安定した画像品質が得られるハイブリッド型現像装置を有した小型、高速、安価な画像形成装置を提供することができる。
【0073】
そして請求項に記載した本発明によれば、トナーの体積平均粒径と体積平均粒径/個数平均粒径を維持することにより、現像ロールに印加した交流バイアスによってトナーを現像ロールと潜像担持体間で往復運動させ、直流バイアスの電位差によって現像を行っても、選択現像が防止できると共にカラー画像出力に際して粒状感を増大させるといったことも防止でき、帯電量の高い微粉粒子のトナーが現像ロールの表面に付着するため回収機構を設けるといった必要も無くなって、長期間安定した画像品質が得られるハイブリッド型現像装置を有した小型、高速、安価な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るハイブリッド型現像装置を有するタンデム型画像形成装置の一実施例の概略構成図である。
【図2】 本発明に係るハイブリッド型現像装置の概略構成図である。
【図3】 残像(ゴースト)の発生を説明するための図である。
【図4】 磁気ロールを構成する磁極の配置とそれぞれの磁極間の水平磁力を説明するための図である。
【図5】 キャリアの平均粒径と飽和磁化を変化させると共に、磁気ロールと現像ロールのギャップ、及び磁気ロールとブレード間のギャップを変化させて現像ゴーストとトナー飛散の状態を調べ、磁気ブラシの最適化を検討した実験結果を示した表である。
【図6】 磁気ロールを構成する磁極による水平磁力を変化させて磁気ブラシの均一性、滞留、ハウジングからのトナー漏れの状況を実験した結果を示した表である。
【図7】 体積平均粒径、個数平均粒径が異なるトナーにより、10000枚の耐刷実験を実施した際の画像濃度の変化を調べた結果を示した表である。
【符号の説明】
2 現像装置
3 潜像担持体(感光体)
4 露光ユニット
21 磁気ロール
22 現像ロール
24 キャリア
25 トナー
26a 現像前トナー薄層
26b 現像後トナー薄層
27 現像バイアス
27a 直流(DC)バイアス(Vdc1
27b 交流(AC)バイアス
28 直流(DC)バイアス(Vdc2
29 規制ブレード
30 磁気ブラシ

Claims (3)

  1. キャリアとトナーからなる現像剤を磁気保持しながら帯電させる2成分現像剤搬送用磁気ロールと、該磁気ロールの磁気ブラシと搬送バイアスを利用して前記搬送体よりトナーを移送し、その表面にトナーのみの薄層を形成する現像ロールと、該現像ロールと潜像担時体の最近接位置(現像位置)に現像バイアスを印加して潜像担時体の潜像の現像を行うハイブリッド型現像装置を有した画像形成装置において、
    前記磁気ロールが導電性であり、前記キャリアを5Kエルステッドの印加磁場において飽和磁化値が45emu/g以下で平均粒径が45μm以下の高抵抗絶縁キャリアで形成すると共に、前記磁気ロールと現像ロール間のギャップを500μm以下として磁気ロール側に印加された搬送バイアスがDC電源であるとともに、前記磁気ロールに内包された磁極のうち、現像ロールに対向した磁極の磁力を1000ガウス以下とすると共に、磁気ロールを構成する磁極によって形成される水平磁力を穂切り部から分離部に向かって順次高め且つ該水平磁力の磁力差を、50乃至150ガウスの範囲で順次高めて設定したことを特徴とするハイブリッド型現像装置を有した画像形成装置。
  2. 前記現像ロールと磁気ロールの回転方向を同一とし、磁気ロールの回転速度を現像ロールの回転速度の1乃至2倍とすることで、前記現像ロール上のトナーの磁気ブラシによる回収と供給を容易にしたことを特徴とする請求項1に記載したハイブリッド型現像装置を有した画像形成装置。
  3. 前記トナーの体積平均粒径を4.0μmから8.0μmの範囲とし、体積平均粒径/個数平均粒径を1.3以下として画像濃度を維持するようにしたことを特徴とする請求項1に記載したハイブリッド型現像装置を有した画像形成装置。
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