JP2005189708A - 画像形成装置における現像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 現像装置を複雑にすることなく、現像ローラ4上にトナー薄層を形成した後の磁気ブラシ10を磁気ローラ5上から撹拌部材で確実に分離することができ、また、磁気ローラ5と現像ローラ4のギャップ位置に現像剤の滞留も生じないようにして、ピッチムラや現像剤漏れ、画像濃度の低下といった問題を生じない画像形成装置における現像装置を提供することが課題である。
【解決手段】 磁気ローラ5の軸芯より上方に撹拌部材8a、8bを、下方に現像ローラ4を配置することで縦型の現像装置とし、キャリアの飽和磁化を、撹拌部材による撹拌によって磁気ローラ5上に形成された磁気ブラシ10を崩すことができると共に、磁気ブラシ10が現像ローラ4に接触して摺擦し、かつ、磁気ローラ5と現像ローラ4間のギャップ位置で現像剤の滞留を生じさせない値とした。
【選択図】 図1
【解決手段】 磁気ローラ5の軸芯より上方に撹拌部材8a、8bを、下方に現像ローラ4を配置することで縦型の現像装置とし、キャリアの飽和磁化を、撹拌部材による撹拌によって磁気ローラ5上に形成された磁気ブラシ10を崩すことができると共に、磁気ブラシ10が現像ローラ4に接触して摺擦し、かつ、磁気ローラ5と現像ローラ4間のギャップ位置で現像剤の滞留を生じさせない値とした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機などの画像形成装置における現像装置に係り、特に、キャリアを用いてトナーを帯電させる2成分現像剤を使用し、現像ローラ上に帯電されたトナーのみを保持させて静電潜像を現像するようにした画像形成装置における現像装置に関するものである。
電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機などの画像形成装置における現像方式には、トナーとキャリアを用いた2成分現像方式、キャリアを使用しない1成分現像方式、キャリアを用いてトナーを帯電させる2成分現像剤を使用し、現像ローラ上に帯電されたトナーのみを保持させて静電潜像を現像するようにした現像方式などがある。
2成分現像方式は、キャリアによるトナーの帯電性に優れ、長寿命化が可能である反面、現像装置が大きく複雑になることや、キャリアの耐久性によって画質が変化するなどの欠点がある。また1成分現像方式は、現像装置がコンパクトになってドット再現性に優れているが、現像ローラ、補給ローラのが概して低く、定期的に現像装置を交換するため消耗品価格が高価になる。
こうした双方の現像方式の特長を生かし、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を使用し、感光体上に形成した静電潜像を現像するための現像ローラ上にはトナーのみを保持するようにした所謂ハイブリッド現像方式が注目され、特にこのハイブリッド現像方式は、高速の画像形成が可能な現像方式として、また感光体上に複数のカラー画像を順次形成する1ドラム色重ね方式用として、更には複数の電子写真プロセス部材を並べて配置し、転写部材の送りに同期させてカラー画像を形成して転写部材上で色重ねを行うタンデム方式用の現像装置として注目されてきているた。
しかも特にタンデム方式の場合には、複数の電子写真プロセス部材を並べて配置するため感光体に対して現像ローラや供給ローラ(磁気ローラ)を横に配置すると電子写真プロセス部材そのものの幅が大きくなり、小型化の妨げになる。そのため、電子写真プロセス部材を構成する現像ローラや磁気ローラを感光体の上方に配置して現像装置を縦型とし、画像形成装置の奥行きを狭められるようにすることが好ましい。
こういった技術に関する従来技術としては、特許文献1に磁気ローラを用いて現像剤をドナーローラに進ませ、このドナーローラ上にトナーを転移させてトナー層を形成する現像装置が示されている。しかしながらこの方式によると、現像性の高いトナーの粗粉が選択的に潜像担持体に現像されやすく、連続印刷を行ったばあい、帯電性の高いトナーの微粉が現像スリーブに堆積して選択現像が起こり、画像濃度の低下が生じる傾向があった。さらに、トナーの帯電制御が複雑で、潜像担持体に高い表面電位と大きな現像電界を印加することを必要としていた。そのため、現像ローラ上にトナーの消費領域と非消費領域とが生じると、その現像ローラ上におけるトナーの付着状態とトナーの電位差にばらつきが生じる関係から、図5に示したように前の現像画像の一部が次の現像時に残像(ゴースト)として現れる現象、いわゆる履歴現象が発生しやすいという不具合がある。
すなわちこの図5において、35は矩形の黒ベタで構成されたソリッド画像であり、36、37はそれに続くこのソリッド画像より広いハーフトーン画像で、図5(a)のようにこのソリッド画像35に続けてこのハーフトーン画像36、37を印刷すると、現像ローラ上にトナーの消費領域と非消費領域とが生じた場合、図5(b)における38のような残像(ゴースト)が生じる。さらに、高濃度の現像パターンを連続して印刷した場合に、画像濃度にムラが生じるなどの画像不均一性がおこりやすく、現像装置を小型化する場合の課題となっていた。そのため例えば特許文献2には、非画像形成期間に、現像ロール上のトナーを磁気ブラシで入れ替えるようにして残像を防止するようにした現像装置が提案されている。
また、このキャリアを用いてトナーを帯電させる2成分現像剤を使用し、現像ローラ上に帯電されたトナーのみを保持させて静電潜像に飛翔させ、該潜像を現像するようにした現像方式を用いたタンデム型画像形成装置においても、複数の電子写真プロセス部材を並べて配置するため、感光体に対して現像ローラや供給ローラ(磁気ローラ)を横に配置すると電子写真プロセス部材そのものの幅が大きくなり、小型化の妨げになる。そのため、現像剤を撹拌してトナーを帯電させる撹拌部材や磁気ローラ、及び現像ローラなどで構成される電子写真プロセス部材をこの順に縦型に配置した現像装置とし、画像形成装置の奥行きを狭められるようにすることが好ましい。こういった画像形成装置としては、例えば特許文献3に、現像装置や転写装置などのレイアウトを効率よく画像形成装置内部に収容してコンパクトに構成する提案がなされている。
しかしながら特許文献3に示された画像形成装置は、現像装置や転写装置をスライドさせて装脱着させる必要があり、構造上複雑になりがちである
また、磁気ローラの軸芯より上方に撹拌部材を配置して現像装置を縦型とした場合、重力に逆らって磁気ブラシを磁気ローラから分離するのが難しく、現像ローラ上に所定量のトナー層が形成できずにピッチムラが発生したり、磁気ローラ上の現像剤量があまり多いと磁気ローラと現像ローラのギャップを通過できず、滞留が生じて現像剤漏れや新しいトナーが磁気ローラと現像ローラのギャップ位置へ運ばれるのが妨げられたりする、といった問題が起こることがある。
すなわち、現像ローラ上のトナーを磁気ブラシで摺擦して掻き取るためには高磁力キャリアを用いて摺擦力を高めるのが効果的であるが、この磁気ブラシは、現像ローラにトナーを供給した後はトナー量が少なくなっているため、一度磁気ローラから分離して新たなトナーを含む現像剤と撹拌、混合し、その後新たな磁気ブラシを磁気ローラ上に形成する必要がある。ところが縦型の現像装置の場合、磁気ローラの軸芯より上方に撹拌部材を設けるため、撹拌部材は重力に逆らって磁気ブラシを磁気ローラから分離させねばならず、磁気ローラに分離極が有るとはいえ高磁力キャリアを用いた磁気ブラシでは、分離、撹拌がうまく行われない場合がある。すると、同じ磁気ブラシが磁気ローラ上に居続ける、いわゆる分離不良という状態になり、画像濃度は数枚で極端に低下すると共に、近接する撹拌部材のピッチ紋が画像上に現れる不具合が発生する。
また高磁力キャリアでは、磁気ローラに保持される現像剤量は当然多くなるが、磁気ローラと現像ローラのギャップに現像剤の滞留、いわゆるブリッジが形成され、次第に磁気ローラと現像ローラ間を現像剤が通過できなくなり、現像剤漏れや新しいトナーが磁気ローラと現像ローラのギャップ位置へ運ばれるのが妨げられるようになってしまう。
上記の事情に鑑み本発明は、現像装置を複雑にすることなく、現像ローラ上にトナー薄層を形成した後の磁気ブラシを磁気ローラ上から撹拌部材で確実に分離することができ、また、磁気ローラと現像ローラのギャップ位置に現像剤の滞留も生じないようにして、ピッチムラや現像剤漏れ、画像濃度の低下といった問題を生じないな画像形成装置における現像装置を提供することが課題である。
上記課題を解決するため本発明の画像形成装置における現像装置は、
キャリアとトナーからなる2成分現像剤を撹拌部材で撹拌してトナーを帯電させると共に、内部に固定された磁極部材を有する磁気ローラ周囲に磁気ブラシを形成し、該磁気ブラシで摺擦して現像ローラ上に担持させたトナー層と潜像担持体との間に形成された交番電界によって前記潜像担持体上の潜像を現像する画像形成装置における現像装置において、
前記磁気ローラの軸芯より上方に撹拌部材が、下方に現像ローラが配置され、
前記キャリアの飽和磁化を、前記撹拌部材による撹拌によって磁気ローラ上に形成された磁気ブラシを崩すことができると共に、前記磁気ブラシが現像ローラに接触して摺擦し、かつ、前記磁気ローラと現像ローラ間のギャップ位置で現像剤の滞留を生じさせない値としたことを特徴とする。
キャリアとトナーからなる2成分現像剤を撹拌部材で撹拌してトナーを帯電させると共に、内部に固定された磁極部材を有する磁気ローラ周囲に磁気ブラシを形成し、該磁気ブラシで摺擦して現像ローラ上に担持させたトナー層と潜像担持体との間に形成された交番電界によって前記潜像担持体上の潜像を現像する画像形成装置における現像装置において、
前記磁気ローラの軸芯より上方に撹拌部材が、下方に現像ローラが配置され、
前記キャリアの飽和磁化を、前記撹拌部材による撹拌によって磁気ローラ上に形成された磁気ブラシを崩すことができると共に、前記磁気ブラシが現像ローラに接触して摺擦し、かつ、前記磁気ローラと現像ローラ間のギャップ位置で現像剤の滞留を生じさせない値としたことを特徴とする。
そして、前記キャリアの飽和磁化を35乃至50emu/gとし、且つ、前記磁気ローラ上の現像剤量を18乃至34mg/cm2、より好ましくは、22乃至30mg/cm2としたことを特徴とする。
また、前記キャリアの平均粒径を、35乃至50μmとしたことを特徴とする。
このように磁気ローラの軸芯より上方に撹拌部材を、下方に現像ローラを配置することで縦型の現像装置とすることができ、さらにキャリアの飽和磁化を、撹拌部材による撹拌によって磁気ローラ上に形成された磁気ブラシを崩すことができると共に、磁気ブラシが現像ローラに接触して摺擦し、かつ、磁気ローラと現像ローラ間のギャップ位置で現像剤の滞留を生じさせない値とすることで、現像装置を複雑にすることなく、現像ローラ上にトナー薄層を形成した後の磁気ブラシを磁気ローラ上から撹拌部材で確実に分離することができ、また、磁気ローラと現像ローラのギャップ位置に現像剤の滞留も生ぜず、ピッチムラや現像剤漏れ、画像濃度の低下といった問題を生じないな画像形成装置における現像装置を提供することができる。
そして、前記キャリアの飽和磁化を35乃至50emu/g、平均粒径を35乃至50μm、磁気ローラ上の現像剤量を18乃至34mg/cm2、より好ましくは、22乃至30mg/cm2とすることで、現像ローラ上にトナー薄層を形成した後の磁気ブラシを磁気ローラ上から撹拌部材で確実に分離することができ、また、磁気ローラと現像ローラのギャップ位置に現像剤の滞留も生じないようにすることができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明になる画像形成装置における現像装置の一実施例の模式図、図2は本発明になる画像形成装置における現像装置に用いるキャリアの飽和磁化と平均粒径、現像剤量などを変化させて不具合を調べた表、図3は磁気ローラ内の磁極配置を説明するための図、図4は本発明になる現像装置を有する画像形成装置の一実施例の模式図である。
図中1は感光体(潜像担持体)、2はLEDなどを使った露光装置、3は感光体1を帯電するための帯電器、4は現像ローラ、5は内部に磁石集成体6を有して回転し、表面にキャリアとトナーからなる磁気ブラシ10を担持して回転するスリーブからなる磁気ローラ、7は磁気ローラ5上の磁気ブラシ10の厚さを規制する規制ブレード、8a、8bはトナーコンテナ9から供給されるトナーをキャリアと混合して撹拌し、帯電させるためのミキサー、10はトナーとキャリアとからなる磁気ブラシ、11は記録紙、12は現像装置、15は現像ローラ4に交流バイアスを印加するための交流電源、16は同じく直流バイアスを印加するための直流電源、17は磁気ローラ5に直流バイアスを印加するための直流電源、図4における20は画像形成装置、53は給紙カセット、54は無端状ベルト、58は転写装置、59は定着装置である。なお、以下の説明では本発明を、タンデム型カラー画像形成装置の現像装置に適用した場合を例に説明してゆくが、本発明は、キャリアを用いてトナーを帯電させる2成分現像剤を使用し、現像ローラ上に帯電されたトナーのみを保持させて静電潜像に飛翔させ、該潜像を現像するようにした画像形成装置における現像装置であれば、モノクロ画像形成装置であっても適用できることはあきらかである。
このうち感光体(潜像担持体)3の材料としては、アモルファスシリコン(a−Si)感光体、有機感光体(OPC)などを用いることができる。正帯電有機感光体(正OPC)は、オゾンなどの発生が少なくて帯電が安定しており、特に単層構造の正帯電有機感光体は、長期にわたる使用によって膜厚が変化した場合においても感光特性に変化が少なく、画質も安定するため長寿命のシステムには好適である。そして、正帯電有機感光体を長寿命のシステムに用いる場合、膜厚を20μmから40μm程度に設定することが好ましい。20μm以下の場合は、膜厚が減少して10μm程度になったときに絶縁破壊によって黒点の発生が目だってくる。また、40μm以上とした場合は感度が低下し、画像濃度低下の要因となる。
露光装置2は、半導体レーザ、もしくはLEDを用いることができる。正帯電有機感光体を用いた場合は770nm付近の波長が有効であり、アモルファスシリコン感光体の場合は685nm付近の波長が有効である。以下本発明においては、感光体3として正帯電有機感光体を用い、露光装置2の光源としてLEDを用いた場合を例に説明してゆく。
現像ローラ4の最表面は、均一な導電性のアルミニュウム、SUS、導電樹脂被覆などからなるスリーブで構成する。そしてそのシャフト部には、直流(DC)バイアス電源16、交流(AC)バイアス電源15を接続し、回転する現像ローラ4と感光体1、及び磁気ローラ5との間にこの直流と交流を重畳したバイアスが作用するようにする。また、磁気ローラ5には直流(DC)バイアス電源17を接続し、この直流(DC)バイアス電源17の電位を例えば400V、直流(DC)バイアス電源16の電位を例えば70Vとして、その電位差で現像ローラ4に約1〜1.5mg/cm2のトナー薄層を形成する。この時の現像剤の帯電量は10〜20μC/gが適正で、10μC/g以下、特に5μC/g以下と低いとトナー層厚が厚くなり、飛散が増大する。一方、トナー帯電量が20μC/g以上になるとトナー層厚が薄くなり、帯電が上昇してトナーが感光体1へ飛翔しづらくなり、現像性が低下する。
また、現像ローラ4から感光体1へトナーを飛翔させるため、現像ローラ4へ交流(AC)バイアス電源15から交流電圧を印加することで現像性が得られる。この交流電圧としては、Vppが1.5kV、周波数3.0kHzで画像濃度、ドット再現、カブリ除去のバランスが取れ、デューティ(Duty)
比を30%にすることで、現像ゴーストを除去することができた。また、現像ローラ4のトナー層表面越しの電位を測定すると約320Vとなっており、320V−70V(全露光後感光体電位)=250Vが実質の現像の実効電位であるといえる。
比を30%にすることで、現像ゴーストを除去することができた。また、現像ローラ4のトナー層表面越しの電位を測定すると約320Vとなっており、320V−70V(全露光後感光体電位)=250Vが実質の現像の実効電位であるといえる。
磁気ローラ5と規制ブレード7との間には磁力線を走らせることで、磁気ブラシ10の搬送性を絞り、磁気ローラの表面をローレットやブラスト処理などで搬送性を高めることで、規制ブレード7と磁気ローラ5とのギャップマージンを緩和することができる。本発明においては、キャリアとして平均粒径35〜50μmで飽和磁化35〜50emu/gのものを用い、磁気ローラ5上の現像剤量を、18〜34mg/cm2、より好ましくは、22〜30mg/cm2とするようにした。
連続印刷での画像濃度を安定させるためには、印刷データによって定期的に現像ローラ4からトナーを剥ぎ取り、リフレッシュする必要がある。これは、現像終了時に交流(AC)バイアス15を印加したまま、直流(DC)バイアス16、17を変化させて現像ローラ4上のトナーを磁気ブラシ10に回収する。現像終了時毎に現像ローラ4からトナーを剥ぎ取れば常にリフレッシュされるが、再度安定なトナー層を形成するのに時間を要し、十分な印刷速度を達成できない。良好な印刷速度を維持するためには、用紙間隔を調整して一定期間に現像ローラ4上のトナーを出し入れする時間を調整すればよい。用紙間隔を大きくしないで感光体1上の潜像に十分なトナーを供給するためには、感光体1に対して現像ローラ4の周速を1.5倍以上に設定すると、短時間にトナーの出し入れが可能になる。また、磁気ローラ5を現像ローラ4に対して1超2倍以下の速度に設定すると、トナーの入れ替えが促進される。この時、磁気ローラ5の回転方向が現像ローラ4に対して逆方向であることが好ましい。
磁気ローラ5と規制ブレード7とのギャップは、キャリアの粒径にも依存するが、平均粒径45μmのキャリアとトナー8%の現像剤においては450〜570μmに設定し、磁気ローラ5と現像ローラ4のギャップは、磁気ブラシ10が現像ローラ4に接触する設定350〜500μmに設定する必要がある。現像ローラ4と磁気ローラ5のギャップが狭すぎると現像剤がローラ間を通過できずに溢れてしまい、広すぎると現像ローラ4に接触できず、現像ローラ4上のトナーを回収することが困難になる。そのため、現像動作を繰り返すと次第に現像ローラ4にトナーが固着してしまい、感光体1へトナーが飛翔できなくなってしまう。一方、感光体1と現像ローラ4との距離を250μmに設定し、この空間にはワイヤ電極などは用いない。
本発明の現像装置12は、磁気ローラ5と直近のミキサー8aの位置関係が、撹拌部材としてのミキサー8aが磁気ローラ5の軸芯より上部にあることで縦型の現像装置となり、ミキサー8aとミキサー8bの下に、磁気ローラ5と現像ローラ4、及び感光体1と露光装置2が配置されるように置くことができるから、この現像装置12を図4に示したように4個並べることで、画像形成装置20の奥行きを狭めることができる。また、トナーコンテナ9は現像装置12の上部に配置することで、モータを介してトナー補給口から自由落下させることができ、交換時には上から取り外して再度上から装着すればよく、さらに現像装置12もトナーコンテナ9と同様上部に取り外すことが可能であり、現像装置12の異常時などの際にも、取り外しが容易で、構造も単純化する。
最初に、このように構成した現像装置を有する本発明になる画像形成装置20の一実施例の動作について、図4の模式図を用いて説明する。この画像形成装置20は、無端状ベルト54が、給紙カセット53からの記録紙を定着装置59に向かって搬送可能に配設されており、記録紙を搬送するベルト54の上側には、ブラック用現像装置12A、イエロー用現像装置12B、シアン用現像装置12C、及びマゼンタ用現像装置12Dが配設されている。そしてこれらの現像装置12(A、B、C、D)には、それぞれ磁気ローラ5(A、B、C、D)、該磁気ローラ5(A、B、C、D)に近接して現像ローラ4(A、B、C、D)が配設され、該現像ローラ4に対面して感光体1(A、B、C、D)が、さらにこの感光体1の周囲には、帯電器3(A、B、C、D)及び露光装置2(A、B、C、D)が配置されている。
このように構成した現像装置を有する本発明のタンデム型画像形成装置において、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックなどのそれぞれの色に対応したトナーとキャリアからなる2成分現像剤は、トナーコンテナ9からそれぞれの現像装置12に供給され、図1に示した磁気ローラ5上に磁気ブラシ10を形成し、攪拌によってトナーが帯電される。そして、磁気ローラ5上の磁気ブラシ10は規制ブレード7によって層規制され、磁気ローラ5に加えられた直流バイアス17と現像ローラ4に加えられた直流バイアス16間の電位差、及び交流バイアス15によって現像ローラ4にトナーのみの薄層を形成する。
そして、図示していない制御回路からプリント開始信号が来ると、まず、帯電器3によって正帯電有機感光体(正OPC)で構成された感光体1が例えば400Vに帯電され、その後、例えば770nmの波長のLEDを用いた露光装置2による露光により、感光体1の露光後電位は約70Vになって潜像が形成される。そしてこの潜像は、現像ローラ4に加えられた直流バイアス16と交流バイアス15により、現像ローラ4上のトナー薄層から感光体1に飛翔したトナーで現像され、トナー像が形成される。そして、給紙カセット53から記録紙が送りだされてベルト54で送られて感光体1に達したとき、転写装置58(A、B、C、D)による転写バイアスが印加されて記録紙にトナー像が転写され、定着装置59で定着されて排紙される。
なおこのとき、感光体1上の潜像を現像した後に現像ローラ4上に残った現像残トナーは磁気ブラシ10で回収され、その磁気ブラシ10が撹拌部材であるミキサー8a側に戻ったとき、磁気ローラ5から引き剥がされて現像槽に戻り、現像槽内の現像剤と混合されて新たなトナーを含んだ磁気ブラシ10が形成される。そして、記録紙一枚分の画像形成が終了すると前記したように、印刷データによって定期的に交流(AC)バイアス15を印加したまま直流(DC)バイアス17を変化させ、現像ローラ4上のトナー薄層を磁気ローラ5に回収する。
そして本発明における現像装置12は、前記したようにミキサー8aが磁気ローラ5の軸芯より上部にある縦型の現像装置であり、重力に逆らって磁気ブラシ10を磁気ローラ5から分離するのが難しい。そのため本発明においては、現像剤を構成するキャリアを平均粒径35〜50μmで飽和磁化35〜50emu/gのものを用い、磁気ローラ5上の現像剤量を、18〜34mg/cm2、より好ましくは、22〜30mg/cm2とするようにして、撹拌部材を構成するミキサー8aによる撹拌によって磁気ローラ5上の磁気ブラシ10を容易に分離でき、かつ、磁気ブラシ10が現像ローラ4に接触して摺擦できると共に、磁気ローラ5と現像ローラ4間のギャップ位置で現像剤の滞留を生じさせない値とした低磁力のものを用いるようにした。
低磁力のキャリアとしては、フェライトキャリアの不純物を増すことで製造でき、例えばSnをふくむ組成で構成するようにしても良い。なお、35emu/g以下の飽和磁化のキャリアでは不純物の量が増加し、また焼成条件を絞る必要があるため、充分なフェライト反応が得られない。そのため、結果としてキャリア表面が凸凹となりやすく、表面コートの量産性が不安定となって電気抵抗にバラツキが生じ、実使用が困難になるといった問題がある。
また磁気ローラ5に内包される磁石も、同極性の磁石を用いて垂直磁力が0ガウスとなる0ガウス帯を設け、磁気ブラシ10の磁気ローラ5からの分離を容易にするが、この0ガウス帯が水平位置にあると現像剤が現像槽に戻りきれず、分離、撹拌がうまく行われずに同じ磁気ブラシが磁気ローラ5上に居続ける、いわゆる分離不良という状態になり、画像濃度は数枚で極端に低下すると共に、近接する撹拌部材のピッチ紋が画像上に現れたり、現像剤漏れなどの不具合が発生する。
そのため本発明では、0ガウス帯を磁気ローラ5の軸芯から垂直に立てた線から35°〜60°の位置に設定し、こういった磁気ブラシ10の分離不良と現像剤漏れに対応させた。なお、こういった低磁力キャリアでは感光体1へのキャリア付着が問題になるが、磁気ブラシ10によって現像ローラ4にトナー薄層を形成し、その薄層から250μm程度のギャップを有する感光体1と現像ローラ4とのを飛翔させるようにしたから、磁気ローラ5から少量のキャリアが現像ローラ4へ付着したとしても、キャリアが感光体1まで飛翔することはなく、感光体1への付着は生じない。
以下、本発明の実施例について図2の表、及び磁気ローラ内の磁極配置を説明するための図3を用いて説明する。この図2の表において、飽和磁化、平均粒径はキャリアの飽和磁化と平均粒径であり、現像剤量は磁気ローラ5上の現像剤量、現像ゴーストの○はゴースト無しを、△は2周目にゴーストが若干有る状態を、×は2枚目以降にもゴーストが存在することを示し、その他不具合に於けるミキサームラは、磁気ローラ5からの現像剤の分離が不十分なために撹拌搬送部材(ミキサー)のピッチが画像に現れる場合、濃度不良(*1)は現像ローラ4へのトナー付着が促進され、トナーの感光体1への飛翔が押さえられて濃度不良となった場合、濃度不良(*2)は磁気ブラシ10によるトナー供給不足による濃度不良、現像剤漏れは現像剤が磁気ローラ5と現像ローラ4の間を通過できず、現像ローラ4の上部より漏れ出る現象があることをそれぞれ示している。
この図2の表に於ける飽和磁化は、測定装置として東英工業製のVSM−P7を使用し、3.95×105A/mの磁場を印加して測定したものである。また体積平均粒径は、堀場製作所製のレーザ回折法を利用した粒度分布測定装置(型番:LA500)を用い、キャリア粒子の分散溶媒として300mlの純エタノールの中に、測定対象のキャリア500mgを入れて装置に投入した。すると、エタノールとキャリアが装置内部で自動的に混合され、自動測定が行われる。
また、この測定に用いた磁気ローラ5内の磁石集成体6の磁気配置は一例として図3に示したようになっており、現像ローラ4に対向した磁極がN1、規制ブレードに対向したブレード磁極がN3で、このブレード磁極N3と同極性の磁極N2によって0ガウス帯が、前記したように磁気ローラ5の軸芯から垂直に立てた線から35°〜60°の位置に生じるようになっている。なお、それぞれの磁極の磁力は、N1が85mT、S1が90mT、N2が67mT、N3が47mT、S2が70mTである。
まず実施例1と3は、飽和磁化35emu/g、平均粒径45μmのキャリアにトナーを8%調合してボールミルで混合し、得られた現像剤を用いて現像剤量を18mg/cm2と34mg/cm2で実験したもので、現像ゴーストを始め全ての不具合が発生していない。
実施例2においては、飽和磁化40emu/g、平均粒径45μmのキャリアにトナーを8%調合してボールミルで混合し、得られた現像剤を用いて現像剤量を26mg/cm2で実験したもので、現像ゴースト及びその他の不具合は発生せず、良好な画像が得られた。
実施例4と5においては、飽和磁化50emu/g、平均粒径45μmのキャリアにトナーを8%調合してボールミルで混合し、得られた現像剤を用いて現像剤量を18mg/cm2と34mg/cm2で実験したもので、現像ゴーストを始めその他の不具合は発生していない。
実施例6においては、飽和磁化35emu/g、平均粒径35μmのキャリアにトナーを8%調合してボールミルで混合し、得られた現像剤を用いて現像剤量を18mg/cm2で実験したもので、現像ゴースト及びその他の不具合は発生せず、良好な画像が得られた。
実施例7においては、飽和磁化50emu/g、平均粒径50μmのキャリアにトナーを8%調合してボールミルで混合し、得られた現像剤を用いて現像剤量を34mg/cm2で実験したもので、現像ゴースト及びその他の不具合は発生せず、良好な画像が得られた。
比較例1と2は、実施例2に対して飽和磁化を55emu/g及び65emu/gに上げ、平均粒径45μmのキャリアにトナーを8%調合してボールミルで混合し、得られた現像剤を用いて現像剤量を26mg/cm2で実験したもので、現像剤の磁気ローラ5からの分離が不十分となり、高磁化であるほど撹拌搬送部材(パドルミキサー8a、8b)のピッチ紋(ミキサームラ)が目立ち始めた。
比較例3と4は、実施例2の飽和磁化40emu/g、平均粒径45μmのキャリアを用い、現像剤量を16mg/cm2と12mg/cm2で実験したもので、磁気ブラシ10による現像ローラ4上のトナーの掻き取りが不十分となり、現像ゴーストが発生した。また12mg/cm2では現像ゴーストのレベルも悪く、500枚印字後には現像ローラ4上にトナーが付着し、トナーが飛翔できなくなって画像濃度が急激に低下した。
比較例5と6は、実施例2の飽和磁化40emu/g、平均粒径45μmのキャリアを用い、現像剤量を36mg/cm2と40mg/cm2で実験したもので、現像剤が磁気ローラ5と現像ローラ4の間を通過できず、現像ローラ4の上部より漏れ出した。
比較例7は、実施例2の飽和磁化40emu/g、平均粒径45μmのキャリアに対し、平均粒径を60μmとしたキャリアを用いて現像剤量を26mg/cm2で実験したもので、初期は問題なかったが、500枚印字後には濃度不良が発生した。これは、磁気ブラシ10によるトナー供給量が少ないため、次第に濃度低下を引き起こしたものと考えられる。
以上の結果から分かるとおり、キャリアの平均粒径と現像剤量が同じなら飽和磁化が高い場合はミキサームラが生じ、飽和磁化と平均粒径が同じ場合は現像剤量が少なすぎると現像ゴーストの発生、画像濃度の低下が生じる。又逆に現像剤量が多すぎると、磁気ローラ5と現像ローラ4の間を通過できずに現像ローラ4の上部より漏れ出し、さらに飽和磁化と現像剤量が同じで平均粒径が大きいと、濃度低下が起こる。
そのため前記したように、現像剤を構成するキャリアの平均粒径35〜50μm、飽和磁化35〜50emu/g、磁気ローラ5上の現像剤量を18〜34mg/cm2、より好ましくは、22〜30mg/cm2とすることで、撹拌部材を構成するミキサー8aによる撹拌によって磁気ローラ5上の磁気ブラシ10を容易に分離でき、かつ、磁気ブラシ10が現像ローラ4に接触して摺擦できると共に、磁気ローラ5と現像ローラ4間のギャップ位置で現像剤の滞留を生じさせない現像装置とすることができる。
以上が本発明になる画像形成装置における現像装置であるが、本発明によれば、磁気ローラの軸芯より上方に撹拌部材を、下方に現像ローラを配置することで縦型の現像装置とすることができ、さらにキャリアの飽和磁化を、撹拌部材による撹拌によって磁気ローラ上に形成された磁気ブラシを崩すことができると共に、磁気ブラシが現像ローラに接触して摺擦し、かつ、磁気ローラと現像ローラ間のギャップ位置で現像剤の滞留を生じさせない値とすることで、現像装置を複雑にすることなく、現像ローラ上にトナー薄層を形成した後の磁気ブラシを磁気ローラ上から撹拌部材で確実に分離することができ、また、磁気ローラと現像ローラのギャップ位置に現像剤の滞留も生ぜず、ピッチムラや現像剤漏れ、画像濃度の低下といった問題を生じないな画像形成装置における現像装置を提供することができる。
本発明によれば、現像装置を複雑にすることなく、現像ローラ上にトナー薄層を形成した後の磁気ブラシを磁気ローラ上から撹拌部材で確実に分離することができ、また、磁気ローラと現像ローラのギャップ位置に現像剤の滞留も生ぜず、ピッチムラや現像剤漏れ、画像濃度の低下といった問題を生じない画像形成装置における現像装置を提供することができる。
1 感光体(潜像担持体)ドラム
2 露光装置
3 帯電器
4 現像ローラ
5 磁気ローラ
6 磁石集成体
7 規制ブレード
8a、8b ミキサー
9 トナーコンテナ
10 磁気ブラシ
11 記録紙
12 現像装置
15 交流電源
16 直流電源
17 直流電源
2 露光装置
3 帯電器
4 現像ローラ
5 磁気ローラ
6 磁石集成体
7 規制ブレード
8a、8b ミキサー
9 トナーコンテナ
10 磁気ブラシ
11 記録紙
12 現像装置
15 交流電源
16 直流電源
17 直流電源
Claims (3)
- キャリアとトナーからなる2成分現像剤を撹拌部材で撹拌してトナーを帯電させると共に、内部に固定された磁極部材を有する磁気ローラ周囲に磁気ブラシを形成し、該磁気ブラシで摺擦して現像ローラ上に担持させたトナー層と潜像担持体との間に形成された交番電界によって前記潜像担持体上の潜像を現像する画像形成装置における現像装置において、
前記磁気ローラの軸芯より上方に撹拌部材が、下方に現像ローラが配置され、
前記キャリアの飽和磁化を、前記撹拌部材による撹拌によって磁気ローラ上に形成された磁気ブラシを崩すことができると共に、前記磁気ブラシが現像ローラに接触して摺擦し、かつ、前記磁気ローラと現像ローラ間のギャップ位置で現像剤の滞留を生じさせない値としたことを特徴とする画像形成装置における現像装置。 - 前記キャリアの飽和磁化を35乃至50emu/gとし、且つ、前記磁気ローラ上の現像剤量を18乃至34mg/cm2、より好ましくは、22乃至30mg/cm2としたことを特徴とする請求項1に記載した画像形成装置における現像装置。
- 前記キャリアの体積平均粒径を、35乃至50μmとしたことを特徴とする請求項1に記載した画像形成装置における現像装置。
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