電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機などの画像形成装置における現像方式には、トナーとキャリアを用いた2成分現像方式、キャリアを使用しない1成分現像方式、キャリアを用いてトナーを帯電させる2成分現像剤を使用し、現像ローラ上には帯電されたトナーのみを保持させて静電潜像を現像するようにした所謂ハイブリッド現像方式などがある。
2成分現像方式は、キャリアによるトナーの帯電性に優れ、長寿命化が可能である反面、現像装置が大きく複雑になることや、キャリアの耐久性によって画質が変化するなどの欠点がある。また1成分現像方式は、現像装置がコンパクトになってドット再現性に優れているが、現像ローラ、補給ローラの耐久性が概して低く、定期的に現像装置を交換するため消耗品価格が高価になる。
こうした双方の現像方式の特徴を生かし、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を使用し、感光体上に形成した静電潜像を現像するための現像ローラ上にはトナーのみを保持するようにした所謂ハイブリッド現像方式が注目され、特にこのハイブリッド現像方式は、高速の画像形成が可能な現像方式として、また感光体上に複数のカラー画像を順次形成する1ドラム色重ね方式用として、更には複数の電子写真プロセス部材を並べて配置し、転写部材の送りに同期させてカラ−画像を形成して転写部材上で色重ねを行うタンデム方式用の現像装置注目されてきている。
しかも特にタンデム方式の場合には複数の電子写真プロセス部材を並べて配置するため、感光体に対して現像ローラや供給ローラ(磁気ローラ)を横に配置すると電子写真プロセス部材そのものの幅が大きくなり、小型化の妨げになる。そのため、電子写真プロセス部材を構成する現像ローラや磁気ローラを感光体の上方に配置して現像装置を縦型とし、画像形成装置の奥行きを狭められるようにすることが好ましい。
ただしハイブリッド現像方式は、ドット再現性に優れて長寿命化、高速の画像形成が可能な方式ではあるが、現像ゴーストの発生やトナー粒度分布の変化に伴って現像剤中に微粉トナーが増え(選択現像)、この微粉トナーによるキャリア表面が汚染されて帯電量が低下し、現像装置からのトナーの飛散、現像ローラ上への微粉トナーの付着などの解決すべき課題も残っている。
そして、このようなハイブリッド現像方式に於ける前記した現像ゴーストや選択現像については、例えば特許文献1に、紙間で現像ローラ上の現像残トナーを供給ローラ(磁気ローラ)に回収し、次の画像形成に当たって再度現像ローラにトナー層を形成するようにして対処するようにした技術が示されている。
ところがこのようにした場合、連続印刷における次に印刷(2枚目以後)する画像の濃度が高いと、先頭部分の画像濃度が薄くなってしまうという問題を起こすことがある。
このような現象は、現像ローラのスリーブを、従来から用いられている均一な導電性のアルミニウム、SUS、導電樹脂被覆などで構成した場合も生じていたが、例えば供給ローラ(磁気ローラ)と現像ローラ間に磁気ブラシを通してリークが発生するのを防止するため、スリーブ表面をアルマイト処理や導電性アルマイト処理した現像ローラを用いた場合に顕著となる。
すなわち、このようにアルマイト処理や導電性アルマイト処理を施した現像ローラは、供給ローラから現像ローラへの実効電位が変わって供給ローラから現像ローラへ充分厚みを持って載らなくなり、現像ローラ上にトナー層が何もない状態から飽和トナー量の薄層を形成するまで、従来では現像ローラが例えば3周する間トナー層を形成させれば良かったのが、このアルマイト処理や導電性アルマイト処理を施した現像ローラでは4周分必要になっている。
従って前記したように、残像や選択現像防止のために紙間で現像ローラ上のトナーを供給ローラに回収すると、その後のトナー層形成に当たって従来の現像ローラでは、ほぼ現像ローラが2周する間トナー層を形成していれば充分であったのが、このアルマイト処理や導電性アルマイト処理した現像ローラでは、文字画像や印字率の低い画像の場合は問題ないが、高濃度の画像では現像ローラ2周分ではトナー層厚が充分でなく、先頭部分の濃度が落ちて薄くなるという現象が生じてしまう。
このような濃度変動に対しては、紙間を長く取って現像ローラに充分な層厚のトナー層を形成する方法がある。また、こういった画像濃度の調整方法としては、例えば特許文献2に、転写搬送ベルトを用いて記録紙にトナー像を転写し、透磁率センサを用いて形成画像の画像濃度を制御すると共にそれを補うため、ジョブ終了時に感光体上にパッチを作成して非接触で検知して補正を行うようにした画像形成装置において、透磁率センサ方式では連続大量コピー時に精度の高い画像濃度制御が困難であり、又パッチ制御方式では、定期的にパッチを形成するようにするとその際、パッチのトナーが転送搬送ベルトに行かないようにする必要があるため、現像バイアス制御手段、感光体への露光量を制御する手段、現像剤濃度を非接触で検出する濃度検出手段、該濃度検出手段の検出結果で現像ローラの回転数を制御して画像濃度を制御する手段を設け、現像バイアス、露光量、現像ローラの回転数で画像濃度を制御するようにした技術が示されている。
特開2003−287959号公報
特開2002−62696号公報
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明になる画像形成装置における現像方法を実施する現像装置の一実施例の模式図、図2は本発明になる画像形成装置における現像方法を実施する現像装置の一実施例の制御回路、図3、図4は本発明になる画像形成装置における現像方法のフロー図、図5は本発明になる画像形成装置における現像方法を説明するためのタイミングチャート、図6は本発明になる現像方法を実施する現像装置を有する画像形成装置の一実施例の模式図である。
図中1は感光体(潜像担持体)ドラム、2はLEDなどを使った露光装置、3は感光体ドラム1を帯電するための帯電器、4は現像ローラ、5は内部に磁石集成体を有して回転し、表面にキャリアとトナーからなる磁気ブラシ10を担持して回転するスリーブからなる供給ローラ(磁気ローラ)、7は供給ローラ5上の磁気ブラシ10の厚さを規制する規制ブレード、8a、8bはトナーコンテナ9から供給されるトナーをキャリアと混合して撹拌し、帯電させるための撹拌部材としてのミキサー、11は記録紙(記録媒体)、12は現像装置、15は現像ローラ4に交流バイアスを印加するための交流電源、16は同じく直流バイアスを印加するための直流電源、17は供給ローラ5に直流バイアスを印加するための直流電源、18は記録紙11の姿勢を正し、感光体1上に形成されるトナー像の先頭位置が転写装置58の位置に位置するタイミングに合わせてこの記録紙11を送り出すためのレジストローラ、19は無端状ベルト54の駆動ローラ、図2において21は画像形成装置の制御手段、22は外部から送られてくる印字データ、23は現像装置12における現像ローラ4、供給ローラ5、交流電源15、直流電源16、17などを制御して現像ローラ4上にトナー層を形成して感光体1上に形成された潜像を現像する制御をおこなう現像制御手段、24は記録紙を収容した給紙カセット53から記録紙11を取りだしてレジストローラ18まで搬送し、感光体1上に形成されるトナー像の先頭位置が転写装置58の位置に位置するタイミングに合わせてこの記録紙11を送り出す制御をおこなう記録紙搬送制御手段、25は露光装置2を印字データ22によって駆動して感光体1を露光する制御をおこなう露光制御手段、26は制御手段21が演算手段27に算出させた次に印字する画像データの先頭部の印字率に対応した現像ローラ4上にトナー層を形成する回転数を記憶している、印字率に対応した現像ローラ回転数の記憶手段、27は演算手段、図6において20は画像形成装置、53は給紙カセット、54は無端状ベルト、58は転写装置、59は定着装置である。なお以下の説明では、本発明をタンデム型カラー画像形成装置に適用した場合を例に説明し、また感光体として感光体ドラム1を用いた場合を例に説明するが、本発明はタンデム型以外のカラー画像形成装置やモノクロ画像形成装置に適用しても良く、また感光体をベルト状の感光体ベルトなどで構成しても良いことは言うまでもない。
このうち感光体(静電潜像担持体)1の材料としては、アモルファスシリコン(a−Si)感光体、有機感光体(OPC)などを用いることができる。正帯電有機感光体(正OPC)は、オゾンなどの発生が少なくて帯電が安定しており、特に単層構造の正帯電有機感光体は、長期にわたる使用によって膜厚が変化した場合においても感光特性に変化が少なく、画質も安定するため長寿命のシステムには好適である。そして、正帯電有機感光体を長寿命のシステムに用いる場合、膜厚を20μmから40μm程度に設定することが好ましい。20μm以下の場合は、膜厚が減少して10μm程度になったときに絶縁破壊によって黒点の発生が目だってくる。また、40μm以上とした場合は感度が低下し、画像濃度低下の要因となる。
露光装置2は、半導体レーザ、もしくはLEDを用いることができる。正帯電有機感光体を用いた場合は770nm付近の波長が有効であり、アモルファスシリコン感光体の場合は685nm付近の波長が有効である。以下本発明においては、感光体ドラム1として正帯電有機感光体を用い、露光装置2の光源としてLEDを用いた場合を例に説明してゆく。
現像ローラ4の最表面は、均一な導電性のアルミニウム、SUS、導電樹脂被覆などからなるスリーブや、アルマイト処理または導電性アルマイト処理したスリーブで構成し、感光体ドラム1に対して約235μmの空間を持って配置され、この空間にはワイヤ電極などは用いない。そしてそのシャフト部には、例えば100Vの直流バイアス電源16、好ましくは矩形波としたVppが1.6kV、周波数2.7kHzでデューティ比を50%以下、例えば27%にした交流のバイアス電源15を接続し、回転する現像ローラ4と感光体ドラム1、及び供給ローラ5との間にこの直流と交流を重畳したバイアスが作用するようにする。このように直流に交流の重畳されたバイアスを導電性スリーブに印加することで、感光体1の潜像に対して良好な現像性と共に供給ローラ5に対してのトナーの回収性が高まり、連続印刷時の安定性が改善される。
供給ローラ5は、直流バイアス電源17から例えば400Vの直流バイアスを供給され、現像剤搬送体として内部に磁石が配設されている。そして、撹拌によって帯電されたトナーとキャリアとからなる2成分現像剤を磁気保持し、磁気ブラシ10を発生させてこの磁気ブラシ10の厚さを規制ブレード7によって規制しながら、供給ローラ5と現像ローラ4との電位差によって現像ローラ4上にトナーのみの薄層を形成する。
現像ローラ4上のトナー薄層の飽和トナー量は、基本的には直流バイアス電源16と17の電位差によって決定され、前記したように直流バイアス電源16を100V、直流バイアス電源17を400Vとすると、現像ローラ4が2回転したときに1.0mg/cm2のトナー層が得られるが、このトナー層は、トナーの帯電量や供給ローラ5における磁極の強さなどの要因も寄与する場合があり、直流バイアス電源17の電位を画像データによって変化させると均一な濃度の画像が得られる。
トナー層が0.5mg/cm2以下と薄すぎると高濃度画像が連続した場合の濃度の追随性が低下し、画像ムラが発生しやすくなり、トナー層が1.5mg/cm2を超えて厚すぎると現像ゴーストが目立ち、トナー飛散が目立つ傾向がある。トナー層厚はトナーの帯電量によっても左右され、帯電量が10μC/g以下、特に5μC/g以下と低いとトナー層厚が厚くなり、飛散が増大する。一方、トナー帯電量が20μC/g以上になるとトナー層厚が薄くなり、帯電が上昇してトナーが感光体ドラム1へ飛翔しづらくなり、現像性が低下する。
トナーは選択現像性を回避するため、粒度分布を規定することが重要である。一般的にトナーの粒度分布はコールターカウンターで測定され、体積分布平均粒径と個数分布平均粒径の比でもって表現される。選択現像を防止するためにはその比率を小さくすることが重要であり、分布が広いと、連続印刷において現像ローラ4に比較的粒径の小さなトナーが堆積し、現像性を低下させる。
キャリアとしては、マグネタイトキャリア、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライトなどを用いることができ、これらのキャリアをそのまま用いても良いが、適正な抵抗値を上げない範囲で表面処理して用いることも可能である。本発明では一例として、体積固有抵抗が108Ωcm3にシリコーン樹脂被覆をし、飽和磁化が40emu/g、平均粒径35μmのフェライトキャリアを用いた。平均粒度が50μmを超えるとキャリアのストレスが増大すると共にトナー濃度を上げられず、現像ローラ4へのトナー供給量が減少する。
連続印刷での画像濃度を安定させるためには、印刷データによって定期的に現像ローラ4からトナーを剥ぎ取り、リフレッシュする必要がある。これは、現像終了時に交流バイアス15を印加したまま、直流バイアス16、17を変化させて現像ローラ4上のトナーを磁気ブラシ10に回収する。現像終了時毎に現像ローラ4からトナーを剥ぎ取れば常にリフレッシュされるが、再度安定なトナー層を形成するのに時間を要し、十分な印刷速度を達成できない。画像によっては、毎回安定なトナー層を形成する必要が無い場合もあるので、問題なく現像できる量のトナー層を形成することによって、トナー層形成の時間を短縮することができる。また、良好な印刷速度を維持するためには、用紙間隔を調整して一定期間に現像ローラ4上のトナーを出し入れする時間を調整すればよい。用紙間隔を大きくしないで感光体ドラム1上の潜像に十分なトナーを供給するためには、感光体ドラム1に対して現像ローラ4の周速を1.5倍以上に設定すると、短時間にトナーの出し入れが可能になる。また、供給ローラ5を現像ローラ4に対して1超2倍以下の速度に設定すると、トナーの入れ替えが促進される。この時、供給ローラ5の回転方向が現像ローラ4に対して逆方向であることが好ましい。
本発明に用いる現像装置12は、供給ローラ5と直近のミキサー8aの位置関係が、ミキサー8aが上部にあることで縦型の現像装置となり、ミキサー8aとミキサー8bの下に、感光体1と露光装置2が配置されるように置くことができるから、この現像装置12を図6に示したように4個並べることで画像形成装置20の奥行きを狭めることができる。また、トナーコンテナ9は現像装置12の上部に配置することで、モータを介してトナー補給口から自由落下させることができ、交換時には上から取り外して再度上から装着すればよく、さらに現像装置12もトナーコンテナ9と同様上部に取り外すことが可能であり、現像装置12の異常時などの際にも、取り外しが容易で、構造も単純化する。
最初に、このように構成した現像装置12による現像方法を適用する画像形成装置20の一実施例の動作について、図6の模式図を用いて説明する。この画像形成装置20は、無端状ベルト54が、給紙カセット53からの記録紙を定着装置59に向かって搬送可能に配設されており、記録紙を搬送するベルト54の上側には、ブラック用現像装置12A、イエロー用現像装置12B、シアン用現像装置12C及びマゼンタ用現像装置12Dが配設されている。そしてこれらの現像装置12(A、B、C、D)には、それぞれ供給ローラ5(A、B、C、D)、該供給ローラ5(A、B、C、D)に近接して現像ローラ4(A、B、C、D)が配設され、該現像ローラ4に対面して感光体ドラム1(A、B、C、D)が、さらにこの感光体ドラム1の周囲には、帯電器3(A、B、C、D)及び露光装置2(A、B、C、D)が配置されている。
このように構成したタンデム型画像形成装置において、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックなどのそれぞれの色に対応したトナーとキャリアからなる2成分現像剤は、トナーコンテナ9からそれぞれの現像装置12に供給され、図1に示したミキサー8a、8bで撹拌されて帯電され、供給ローラ5上に磁気ブラシ10を形成する。そして、供給ローラ5上の磁気ブラシ10は規制ブレード7によって層規制され、供給ローラ5に加えられた直流バイアス17と現像ローラ4に加えられた直流バイアス16間の電位差、及び交流バイアス15によって現像ローラ4にトナーのみの薄層を形成する。
そして、図示していない制御回路からプリント開始信号が来ると、まず、帯電器3によって正帯電有機感光体(正OPC)で構成された感光体ドラム1が例えば400Vに帯電され、その後、例えば770nmの波長のLEDを用いた露光装置2による露光により、感光体ドラム1の露光後電位は約70Vになって潜像が形成される。そしてこの潜像は、現像ローラ4に加えられた直流バイアス16と交流バイアス15により、現像ローラ4上のトナー薄層から感光体ドラム1に飛翔したトナーで現像され、トナー像が形成される。
そして、記録紙11が給紙カセット53からレジストローラ18に送りだされ、このレジストローラ18からトナー像が転写装置58に達するタイミングで駆動ローラ19で駆動されるベルト54により送られ、転写装置58(A、B、C、D)で転写バイアスが印加されて記録紙にトナー像が転写され、定着装置59で定着されて排紙される。その後前記したように、印刷データによって定期的に、交流(AC)バイアス15を印加したまま、直流(DC)バイアス17を変化させて現像ローラ4上のトナー薄層を供給ローラ5に回収する。
次に本発明になる画像形成装置における現像方法につき、図5のタイムチャートに基づいて説明する。この図5において、一番上のt0〜t11は時間で、それぞれのスパンは現像ローラ4の1回転分の時間を表している。「17.直流電源」は供給ローラ5へ直流バイアスを供給する直流電源17の電圧、「4.現像ローラトナー層厚」は現像ローラ4上に形成されるトナー層の層厚、AからDは、Aが画像形成1枚目を表し、Bは、2枚目の画像形成を、現像ローラ4上へのトナー層形成を現像ローラ4のデフォルトの回転数(この場合は例えば2回転)の間だけ行った後行うことを、Cが同じく2枚目の画像形成を、現像ローラ4上へのトナー層形成をデフォルトの回転数に現像ローラ1周分加えた(すなわち3回転)間だけ行った場合を、Dが同じくデフォルトの回転数に2周分加えた(すなわち4回転)間だけ行った後、行うことをそれぞれ表している。
本発明においては連続印刷に際し、2枚目以後の画像における先頭の現像ローラ1周分の長さに相当する部分の印字率を算出し、その算出した印字率に対応させ、現像ローラ何周分のトナー層を形成すればその印字率の画像の濃度が適正に保たれるか判断し、その判断に基づいて現像ローラ4上にトナー層を形成するようにしたものである。
すなわち本発明の現像方法を適用するハイブリッド型現像装置は、前記したように磁性キャリアとトナーからなる2成分現像剤を供給ローラ5に磁気ブラシ10として保持させ、時間t1で直流電源17を400Vとすることで、図5に「4.現像ローラトナー層厚」と記されたところに示したように、供給ローラ5上のトナーを現像ローラ4に飛翔させて現像ローラ4上に薄層を形成する。そしてこのトナー薄層は、t2、t3、t4と現像ローラ4の回転に伴って順次厚くなってゆき、例えば時間t4のように4回転すると飽和トナー量に達する。
そのため、この時間t4から「A.画像形成1枚目」に示したように1枚目の画像形成を実施し、時間t5で1枚目の現像が完了したら、「17.直流電源」の所に示したように、直流電源17の電位を例えば0Vにする。すると、現像ローラ4上の現像残トナーは供給ローラ5に回収されてゴーストが防止でき、現像ローラ4が1回転してトナーの回収が済むと時間t6から今度はトナー層の再形成が行われる。
そして、このトナー層の再形成時間(現像ローラ4の回転数)は前記したように、連続印刷の2枚目以後の画像における先頭部分の現像ローラ1周分の長さに相当する印字率を算出し、その算出した印字率に対応して、現像ローラ何周分のトナー層を形成すればその印字率の画像の濃度が適正に保たれるか判断して決定される。
すなわち今、連続印刷の2枚目の画像における先頭部分の現像ローラ1周分の長さに相当する印字率が、文字画像や印字率が非常に小さくて例えば5%以下の場合、現像ローラ4上のトナー層厚は飽和トナー量に達していなくても問題ないから、図5Bに示したように、現像ローラ2周分のトナー層が形成されて3周目のトナー層が形成され始める時間t8から現像が行われる。
しかしこの印字率が、図5Cのように例えば5〜30%の場合、デフォルトの回転数より1周分多くして時間t9から現像を行い、これがDのように例えば30%以上の時は、さらに1周分多くして時間t10から行うようにする。
このようにすることにより、連続印刷に於ける2枚目以後の画像形成に当たり、先頭部分の濃度薄が心配されるときは現像ローラ4上のトナー層厚を厚く、その心配がない場合は飽和トナー量に達していない状態で現像を開始することにより、紙間は必要な場合だけ長くされるから印字スピードに与える影響は最小に押さえられ、しかも先頭部分に濃度薄が生じるという心配はなくなるから、画像品質の優れた高速の画像形成装置とした現像方法を提供できる。
次に、図2、図3を用い、本発明の画像形成装置における現像方法を更に詳細に説明する。図2は本発明になる画像形成装置における現像方法を実施する現像装置の一実施例の制御回路であり、図3は本発明になる画像形成装置における現像方法のフロー図である。
今、画像形成装置の制御手段21に印字データ22が送られると、制御手段21はステップS31で送られてきた印字データ22が連続印字かどうか判断し、連続印字の場合はステップS32へ、連続印字でない場合はステップS35に進み、ステップS32で2枚目以後か否かを判断して、2枚目以後はステップS33へ、1枚目の場合はステップS35へ進む。そしてステップS35へ進んだ場合、通常のトナー層形成のための現像ローラ回転数、すなわち図5Aの画像形成1枚目の場合に説明したように、時間t0からt4の間トナー層形成を行った後現像を開始すると判断する。
一方ステップS34に進んだ場合制御手段21は、印字データ22の次に印字する画像における先頭部分の、現像ローラ約1周分に相当する長さの画像の印字率をビデオデータから算出し、次のステップS34で、印字率に対応した現像ローラ回転数記憶手段26から算出した印字率に対応する現像ローラ回転数、すなわち前記したように、例えば印字率が5%以下の場合はデフォルトで、5〜30%の場合はデフォルトに1周追加し、30%以上の場合はデフォルトに2周を追加する値を読み出し、現像ローラ4上へのトナー層形成を何回転する間行うか決定する。
そして次のステップS36で制御手段21は、現像制御手段23、記録紙搬送制御手段24、露光制御手段25に指示し、図5Aのように1枚目の画像形成の場合、前記したようにまず時間t1で現像制御手段23により、直流電源17から例えば400Vを供給ローラ5に、直流電源16から100Vと交流電源15からVppが1.6kV、周波数2.7kHzでデューティ比を例えば27%にした交流のバイアスを現像ローラ4に印加させ、時間t4まで、現像ローラ4が4回転する間トナー層を形成させる。そして、その時間t4で次のステップS37の現像を開始できるよう露光制御手段25による感光体1への露光を行わせると共に、現像によって形成されたトナー像が転写装置58の位置に来るタイミングに合わせて記録紙11が送り込まれてくるように、記録紙搬送制御手段24により、給紙カセット53からの記録紙11の取り出し、レジストローラ18による無端状ベルト54への送り出しタイミングの調節が行われる。
また、このステップS36におけるトナー層形成が連続印刷に於ける2枚目以後の画像形成である場合、制御手段21はステップS34で決定したトナー層形成時間、すなわち現像ローラ4の回転数を参酌し、それを現像制御手段23に伝える。そのため現像制御手段23は、図5に於ける時間t5でまず直流電源17の電位を例えば0Vとし、現像ローラ4上の現像残トナーを供給ローラ5に回収する。そして時間t6で直流電源17の電位を例えば400Vに戻し、ステップS34で決定したトナー層形成時間、すなわち現像ローラ4の回転数だけ現像ローラ4上にトナー層を形成する。すなわち前記したように、次の形成画像における現像ローラ1周分の先頭画像の印字率が5%以下の場合はデフォルトである2周分、5〜30%の場合は3周分、30%以上の場合は4周分の間トナー層を形成する。
そしてこの間に、制御手段21は前記と同様現像制御手段23、記録紙搬送制御手段24、露光制御手段25に指示し、トナー層形成の終了する時間t8、t9、t10で次のステップS37の現像を開始できるよう露光制御手段25による感光体1への露光を行わせると共に、現像によって形成されたトナー像が転写装置58の位置に来るタイミングに合わせて記録紙11が送り込まれてくるように、記録紙搬送制御手段24により、給紙カセット53からの記録紙11の取り出し、レジストローラ18による無端状ベルト54への送り出しタイミングの調節が行われる。
そして、次のステップS37で現像が行われてステップS38に進むと、ここで印字がこれで終わりかどうかが判断され、まだ続く場合はステップS31に戻って同じ事が繰り返され、印字終了の場合は終了する。
以上が本発明になる画像形成装置における現像方法であるが、図6に示したタンデム型カラー画像形成装置においては、前記したようにブラック用現像装置12A、イエロー用現像装置12B、シアン用現像装置12C、マゼンタ用現像装置12Dの4つの現像装置があり、2枚目以後の画像は、それぞれの色に対応した画像によって先頭部分の印字率は異なる。その場合に対応できるようにしたのが図4に示したフロー図である。
この図4に示したフロー図は、図3に示したフロー図とステップS43とS44のみが異なり、それ以外は同一の動作のため同一番号を付してある。そのため、ステップS43とS44の部分を中心に説明すると、ステップS43では前記したように、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ各色の次に形成する画像の先頭部分の印字率が算出され、次のステップS44で、この4色の先頭部印字率のうち、最も高い印字率の色の印字率が選択される。そして次のステップS34では、この選択された色の印字率に基づき、現像ローラ回転数記憶手段26から算出した印字率に対応する現像ローラ回転数を選択する。
以下の動作は前記したのと全く同様であり、このようにすることにより、最も印字率の高い色の印字率に合わせたトナー層形成が各色の現像措置で行われるから、個々の色に対応した濃度調節をすることなく、非常に簡単に次に印字する画像における先端部分の画像濃度を安定させた画像形成装置における現像方法を提供できる。
以上種々述べてきたように本発明によれば、次に印字する画像における先頭部分の現像ローラ約1周分に相当する長さの印字率を算出し、その印字率に対応させて前記紙間における前記現像ローラ4上へのトナー層形成時間の長さを調節するようにしたことにより、最も画像濃度が変動する次印字画像における先頭部分の前記現像ローラ約1周分が、この部分に最適なトナー量で現像できるから、先頭部分に濃度薄が生じるという心配がなくなる。また、印字率に応じて現像ローラ4へのトナー層形成時間を変化させたから、一律に紙間を長くして現像ローラ4に充分な層厚のトナー層を形成してから現像する方法に比較し、印字スピードが早い画像形成装置における現像方法を簡単な構成で、安価に提供できる。
そして現像ローラ4上へのトナー層形成時間の長さの調節は、現像ローラ約1周分に相当する長さを単位として行うようにすることにより、現像ローラ4上へのトナー層形成を、常に均一に行うことができる。
また、調節された現像ローラ4上へのトナー層形成時間の長さを含む紙間に対応させ、潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体へ転写する位置へ記録媒体を送り出すレジストローラの記録媒体送りだしタイミングを調節するようにしたことにより、トナー層形成時間を新たな部品を追加することなく容易に調節することができるようになる。
さらに、前記画像形成装置がカラー画像形成装置である場合、次に印字する、使用する各色に対応した画像における先頭部分の前記現像ローラ約1周分に相当する長さの印字率のうち、最大の印字率に対応させて前記現像ローラ4上へのトナー層形成時間を調節するようにしたことにより、個々の色に対応した濃度調節をすることなく、非常に簡単に次に印字する画像における、先端部分の画像濃度を安定させた画像形成装置における現像方法を提供できる。
また、前記次に印字する画像における先頭部分の現像ローラ約1周分に相当する長さの印字率が、5%から30%の間は前記現像ローラ4へのトナー層形成時間を現像ローラ1周分増やし、30%を超えた場合は現像ローラ2周分増やすようにすることより、好適な濃度の画像を容易に得ることができる。